JP2012179892A - 高難燃ポリマー部材、難燃性物品及び難燃化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性、フレキシブル性、且つ、高度の難燃性を有する難燃部材を提供する。
【解決手段】本発明の高難燃ポリマー部材は、ポリマー層(B)、無機基材(L)、難燃層(A)をこの順に含む、高難燃ポリマー部材であって、該難燃層(A)は、ポリマー中に層状無機系化合物(f)を含有する層である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の高難燃ポリマー部材は、ポリマー層(B)、無機基材(L)、難燃層(A)をこの順に含む、高難燃ポリマー部材であって、該難燃層(A)は、ポリマー中に層状無機系化合物(f)を含有する層である。
【選択図】図1
Description
本発明は、高難燃ポリマー部材に関する。本発明の高難燃ポリマー部材は、透明性、フレキシブル性に優れており、各種の被着体に柔軟に貼り合わされることにより、各種被着体を難燃化することができる。また、各種の被着体に貼り合わすことにより、難燃性が付与された物品を提供することができる。
燃焼性の基準は、燃え難いものから順に、不燃性、極難燃性、難燃性、緩焼性、可燃性の5段階に区分されている。ビルや住宅の内装材や、外装材、化粧板といった建材や、鉄道車両や船舶、航空機といった輸送機内での内装材、ガラス部分に貼着される印刷物においては、その用途ごとに使用できる難燃性が規定されている。
通常の店舗内などの壁面や、鉄道車両内の壁面や鉄道車両内外のガラス部分に貼着される印刷物は、紙やフィルムなどの基材シートの一方の面に表示すべき図柄を印刷し、他方の面に粘着剤層が設けられ、この粘着剤層を介して貼着される。しかし、このような印刷物は可燃性であり、燃焼を放置すればほとんど焼失してしまう。
このため、上記基材シートに難燃性を付与するには、上記基材シートとして難燃性の樹脂シートを用いることが考えられる。従来、このような難燃性の樹脂シートとしては、フッ素系樹脂や塩化ビニル樹脂などのハロゲン系樹脂が用いられている(特許文献1)。しかし、ハロゲン含有物質は、焼却した場合に有害性ガスを発生するという問題や、ダイオキシンを発生させるといった問題から、ハロゲン系の樹脂シートの使用が規制されるようになってきている。そのため、近年は、樹脂シートの樹脂材料に難燃性を付与する為に、リン酸エステルや金属水和物といったノンハロゲン系の難燃剤を樹脂に添加する方法が広く知られている(特許文献2)。しかし、この場合は、難燃剤を大量に添加しなければならず、その結果、樹脂シートの透明性が低下するという問題や、樹脂シートの外観欠点などの問題を引き起こしている。
また、図柄を印刷した印刷物の上から、上記の難燃性の樹脂シートを、粘着剤層を介してラミネートすることも考えられる。しかし、この場合、上記と同様に難燃性は得られるものの、粘着剤層を介して樹脂シートを印刷物にラミネートするため、印刷物上の図柄の鮮明度が落ちてしまうという問題がある。
また、難燃性の樹脂シートは、その材料が樹脂であることから、ある程度の難燃性は示すものの、炎を遮断できるほどの難燃性を有するものではなく、炎に直接接触した場合の難燃性は十分ではない。
また、窓ガラスなどのフロートガラスは、燃焼によって割れて飛散してしまうという危険性がある。このため、窓ガラスなどのフロートガラスに貼着する透明性の高い難燃シートに飛散防止性を付与できれば、火災時などの燃焼に曝されても難燃性と飛散防止性との両方を発現できることになり、極めて実用性が高い。
また、内装材や建築用木材は基本的に可燃物であるため、火災時などに燃焼して延焼を拡大させる危険性がある。そこで、内装材や建築用木材に透明性の高い難燃シートを貼着することによって、火災時などにおいての燃焼の拡大を防止できる延焼防止性を発現できれば、極めて実用性が高い。
本発明は、透明性、フレキシブル性、且つ、高度の難燃性を有する難燃部材を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記難燃部材を各種の被着体に貼り合わせた難燃性物品を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記難燃部材を各種被着体に貼り合わせる、被着体の難燃化方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、下記の難燃ポリマー部材によって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明の高難燃ポリマー部材は、
ポリマー層(B)、無機基材(L)、難燃層(A)をこの順に含む、高難燃ポリマー部材であって、
該難燃層(A)は、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である。
ポリマー層(B)、無機基材(L)、難燃層(A)をこの順に含む、高難燃ポリマー部材であって、
該難燃層(A)は、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である。
好ましい実施形態においては、上記無機基材(L)が、繊維状無機基材である。
好ましい実施形態においては、上記繊維状無機基材がガラスクロスである。
好ましい実施形態においては、本発明の高難燃ポリマー部材は、
上記高難燃ポリマー部材を、上記難燃層(A)側を下面にして、かつ該下面は空気に接触するように水平に設置し、
該難燃層(A)側の下面から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、
該火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を該難燃層(A)の下面に30秒間接炎させる(但し、該高難燃ポリマー部材の端部には接炎しないようにする)水平燃焼試験において、該炎を遮炎できる難燃性を有する。
上記高難燃ポリマー部材を、上記難燃層(A)側を下面にして、かつ該下面は空気に接触するように水平に設置し、
該難燃層(A)側の下面から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、
該火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を該難燃層(A)の下面に30秒間接炎させる(但し、該高難燃ポリマー部材の端部には接炎しないようにする)水平燃焼試験において、該炎を遮炎できる難燃性を有する。
好ましい実施形態においては、上記難燃層(A)および上記ポリマー層(B)の合計厚みに対する該難燃層(A)の厚みが50%以下である。
好ましい実施形態においては、上記難燃層(A)の厚みが3〜1000μmである。
好ましい実施形態においては、上記難燃層(A)における灰分の含有割合が、3重量%以上70重量%未満である。
好ましい実施形態においては、上記難燃層(A)中の層状無機系化合物(f)が、層状粘土鉱物である。
好ましい実施形態においては、上記難燃層(A)および/または前記ポリマー層(B)が粘着性を有する。
好ましい実施形態においては、本発明の高難燃ポリマー部材は、全光線透過率が80%以上である。
好ましい実施形態においては、本発明の高難燃ポリマー部材は、
重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a)と、上記無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層し、重合を行うことにより得られる。
重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a)と、上記無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層し、重合を行うことにより得られる。
好ましい実施形態においては、本発明の高難燃ポリマー部材は、
重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成される重合性組成物層(a)を重合して得られる固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(a´)と、上記無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層することにより得られる。
重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成される重合性組成物層(a)を重合して得られる固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(a´)と、上記無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層することにより得られる。
好ましい実施形態においては、本発明の高難燃ポリマー部材は、
重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a´)と、上記無機基材(L)と、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含むシロップ状の重合性組成物層(b´)とを積層し、重合を行うことにより得られる。
重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a´)と、上記無機基材(L)と、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含むシロップ状の重合性組成物層(b´)とを積層し、重合を行うことにより得られる。
本発明の別の実施形態においては、難燃性物品が提供される。本発明の難燃性物品は、本発明の高難燃ポリマー部材が、被着体に貼り合わされている。
好ましい実施形態においては、上記被着体が、紙、木材、プラスチック材、金属、石膏ボード、ガラス、またはこれらを含んでなる複合材である。
本発明の別の実施形態においては、被着体の難燃化方法が提供される。本発明の被着体の難燃化方法は、本発明の高難燃ポリマー部材を被着体に貼り合わせることで該被着体を難燃化させる。
好ましい実施形態においては、上記被着体が、紙、木材、プラスチック材、金属、石膏ボード、ガラス、またはこれらを含んでなる複合材である。
本発明の高難燃ポリマー部材は、ポリマー層(B)、無機基材(L)、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である難燃層(A)をこの順に含む。
上記のような構成で、無機基材(L)を有することにより、本発明の高難燃ポリマー部材は、優れた難燃性を発現することができ、例えば、窓ガラス等に貼着した場合に、燃焼によって窓ガラス等が割れて飛散してしまうことを効果的に防止でき、また、木材等に貼着した場合に、燃焼が拡大してしまうことを効果的に防止できる。
難燃層(A)は、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層であることで高度の難燃性を発揮する。本発明の高難燃ポリマー部材は、ポリマーを有しているにも拘らず、直接に炎に接した場合にも、ある程度の時間は、燃焼することがなく、炎を遮炎することができる。
難燃層(A)は、ポリマー(X)を有しているので、フレキシブル性を良好に維持することができ、適用の範囲が広く各種の用途に応用できる。
本発明の高難燃ポリマー部材においては、ハロゲン系樹脂を含有させる必要がない。
また、難燃層(A)においては、ポリマー(X)中の層状無機系化合物(f)の割合を比較的に少なく制御することができるので、透明性の点で優れている。特に、難燃層(A)における灰分の含有割合が、70重量%未満という少ない含有割合の場合にも、難燃性を発揮することができる。このように、本発明の高難燃ポリマー部材は、フレキシブル性、透明性を満足しながら、効果的に難燃性を発揮することができる。
また、本発明の高難燃ポリマー部材が、重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a)と、無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層し、重合を行うことにより得られる場合や、重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a´)と、無機基材(L)と、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含むシロップ状の重合性組成物層(b´)とを積層し、重合を行うことにより得られる場合には、本発明の高難燃ポリマー部材は、特に、難燃性に優れている。
本発明の高難燃ポリマー部材は、その製造にあたり、重合性組成物(α)に含まれる揮発性成分(例えば、有機溶剤や有機化合物など)の蒸発除去を必要としないため、環境への負荷を低減でき、環境面で有利である。
≪1.高難燃ポリマー部材≫
本発明の高難燃ポリマー部材は、ポリマー層(B)、無機基材(L)、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である難燃層(A)をこの順に含む。難燃層(A)は、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である。ポリマー(X)は、架橋ポリマーを含んでいても良い。ポリマー層(B)中のポリマーの構造は、未架橋構造または半相互進入高分子網目構造であっても良い。ここで、「半相互進入高分子網目構造」とは、semi−interpenetrating polymer network strucure(セミIPN構造)とも称される構造である。AとBの2種類のポリマーが系に存在する場合に、AはAのみで架橋構造を有し、BはBのみで架橋構造を有する構造を、「相互進入高分子網目構造」(interpenetrating polymer network strucure(IPN構造))というのに対し、Aは未架橋構造を有し、Bは架橋構造を有する構造を、「半相互進入高分子網目構造」という。本発明の高難燃ポリマー部材の概略図を図1に示す。なお、図1では、ポリマー層(B)の一方の側に難燃層(A)を有するが、難燃層(A)はポリマー層(B)の両方の側に設けることができる。本発明の高難燃ポリマー部材は、最外層の少なくとも一方が粘着剤層(H)であっても良い。このような粘着剤層(H)としては、再剥離性または強粘着性を発現できる層であれば、任意の適切な粘着剤層を採用し得る。このような粘着剤層(H)としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤などから形成される層が挙げられる。粘着剤層(H)は、塗工によって形成された塗工層であっても良いし、押出成形等によって成形された成形層であっても良い。粘着剤層(H)の厚みは、粘着剤の種類や再剥離性の程度によって、任意の適切な厚みを採用し得る。粘着剤層(H)の厚みは、優れた再剥離性を発現し得るためには、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは5〜500μmである。粘着剤層(H)の厚みは、強粘着性を発現し得るためには、好ましくは1〜3000μm、より好ましくは5〜1000μmである。本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に香料が含有されていても良い。本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐候剤が含有されていても良い。本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有されていても良い。本発明の高難燃ポリマー部材は、ポリマー層(B)に無機粒子が含有されていても良い。
本発明の高難燃ポリマー部材は、ポリマー層(B)、無機基材(L)、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である難燃層(A)をこの順に含む。難燃層(A)は、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である。ポリマー(X)は、架橋ポリマーを含んでいても良い。ポリマー層(B)中のポリマーの構造は、未架橋構造または半相互進入高分子網目構造であっても良い。ここで、「半相互進入高分子網目構造」とは、semi−interpenetrating polymer network strucure(セミIPN構造)とも称される構造である。AとBの2種類のポリマーが系に存在する場合に、AはAのみで架橋構造を有し、BはBのみで架橋構造を有する構造を、「相互進入高分子網目構造」(interpenetrating polymer network strucure(IPN構造))というのに対し、Aは未架橋構造を有し、Bは架橋構造を有する構造を、「半相互進入高分子網目構造」という。本発明の高難燃ポリマー部材の概略図を図1に示す。なお、図1では、ポリマー層(B)の一方の側に難燃層(A)を有するが、難燃層(A)はポリマー層(B)の両方の側に設けることができる。本発明の高難燃ポリマー部材は、最外層の少なくとも一方が粘着剤層(H)であっても良い。このような粘着剤層(H)としては、再剥離性または強粘着性を発現できる層であれば、任意の適切な粘着剤層を採用し得る。このような粘着剤層(H)としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤などから形成される層が挙げられる。粘着剤層(H)は、塗工によって形成された塗工層であっても良いし、押出成形等によって成形された成形層であっても良い。粘着剤層(H)の厚みは、粘着剤の種類や再剥離性の程度によって、任意の適切な厚みを採用し得る。粘着剤層(H)の厚みは、優れた再剥離性を発現し得るためには、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは5〜500μmである。粘着剤層(H)の厚みは、強粘着性を発現し得るためには、好ましくは1〜3000μm、より好ましくは5〜1000μmである。本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に香料が含有されていても良い。本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐候剤が含有されていても良い。本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有されていても良い。本発明の高難燃ポリマー部材は、ポリマー層(B)に無機粒子が含有されていても良い。
<1−1.ポリマー層(B)>
ポリマー層(B)中のポリマーの構造は、未架橋構造または半相互進入高分子網目構造であっても良い。ポリマー層(B)中のポリマーの構造が未架橋構造または半相互進入高分子網目構造であることにより、本発明の高難燃ポリマー部材は、優れた耐カール性を発現することができる。ポリマー層(B)は、各種ポリマーを、好ましくは40重量%以上、より好ましくは45重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上含む。
ポリマー層(B)中のポリマーの構造は、未架橋構造または半相互進入高分子網目構造であっても良い。ポリマー層(B)中のポリマーの構造が未架橋構造または半相互進入高分子網目構造であることにより、本発明の高難燃ポリマー部材は、優れた耐カール性を発現することができる。ポリマー層(B)は、各種ポリマーを、好ましくは40重量%以上、より好ましくは45重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上含む。
ポリマー層(B)中のポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の、α−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);エポキシ樹脂;オキセタン系樹脂;ビニルエーテル系樹脂;天然ゴム;合成ゴム;などが挙げられる。ポリマー層(B)中のポリマーとしては、好ましくは、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂である。
ポリマー層(B)中のポリマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリマー層(B)中のポリマーを得るために用い得る重合性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリマー層(B)中のポリマーを得るために用い得る重合性モノマーとしては、任意の適切な重合性モノマーを採用し得る。
ポリマー層(B)中のポリマーを得るために用い得る重合性モノマーとしては、例えば、単官能性モノマー、多官能性モノマー、極性基含有モノマー、その他の共重合性モノマーなどが挙げられる。ポリマー層(B)中のポリマーを得るために用い得る重合性モノマー中の、単官能性モノマー、多官能性モノマー、極性基含有モノマー、その他の共重合性モノマーなどの各モノマー成分の含有割合としては、得られるポリマーの目標物性に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。
単官能性モノマーとは、重合性基を1つのみ有する重合性モノマーであれば、任意の適切な単官能性モノマーを採用し得る。単官能性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
単官能性モノマーとしては、好ましくは、アクリル系モノマーである。アクリル系モノマーとしては、好ましくは、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を表す。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。なお、ここでいう(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、単官能(メタ)アクリル酸アルキルエステルを意味する。
直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくは、アルキル基の炭素数が2〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能性モノマーとしては、任意の適切な多官能性モノマーを採用し得る。多官能性モノマーを採用することにより、ポリマー層(B)中のポリマーに架橋構造を付与することができる。多官能性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
多官能性モノマーとしては、例えば、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高く、優れた耐シガレット性を発現し得る点で、好ましくはアクリレート系の多官能性モノマーであり、より好ましくは、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートである。
極性基含有モノマーとしては、任意の適切な極性基含有モノマーを採用し得る。極性基含有モノマーを採用することにより、ポリマー層(B)中のポリマーの凝集力を向上させることが可能となったり、ポリマー層(B)の接着力を向上させることが可能となったりする。極性基含有モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマーまたはその無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;などが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、好ましくは、カルボキシル基含有モノマーまたはその無水物であり、より好ましくは、アクリル酸である。
その他の共重合性モノマーとしては、任意の適切なその他の共重合性モノマーを採用し得る。その他の共重合性モノマーを採用することにより、ポリマー層(B)中のポリマーの凝集力を向上させることが可能となったり、ポリマー層(B)の接着力を向上させることが可能となったりする。その他の共重合性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
その他の共重合性モノマーとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;フッ素原子含有(メタ)アクリレート;ケイ素原子含有(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
ポリマー層(B)は任意の添加剤が含まれていても良い。このような添加剤としては、例えば、難燃剤(例えば、リン系難燃剤などの有機系難燃剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、層状ケイ酸塩などの無機系難燃剤;など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色材(顔料、染料など)、溶剤(有機溶剤)などが挙げられる。
ポリマー層(B)は、難燃層(A)と同様に、層状無機系化合物(f)を難燃剤として含んでいても良い。この場合、ポリマー層(B)中の層状無機系化合物(f)の充填率は、好ましくは、難燃層(A)中の層状無機系化合物(f)の充填率よりも低くなるように設定され、難燃層(A)とポリマー層(B)は難燃性の程度において差別化される。
ポリマー層(B)の厚みとしては、任意の適切な厚みを採用し得る。ポリマー層(B)の厚みとしては、例えば、好ましくは1〜3000μmであり、より好ましくは2〜2000μmであり、さらに好ましくは5〜1000μmである。また、ポリマー層(B)は、単層であっても良いし、多層からなる積層であっても良い。
ポリマー層(B)には、これを形成する材料であるポリマーの選択により粘着性を付与することができる。例えば、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂は、それぞれ、アクリル系感圧性接着剤(アクリル系粘着剤)のベースポリマー、エポキシ系感圧性接着剤(エポキシ系粘着剤)のベースポリマー、オキセタン系感圧性接着剤(オキセタン系粘着剤)のベースポリマー、ビニルエーテル系感圧性接着剤(ビニルエーテル系粘着剤)のベースポリマー、ウレタン系感圧性接着剤(ウレタン系粘着剤)のベースポリマー、ポリエステル系感圧性接着剤(ポリエステル系粘着剤)のベースポリマー等として機能する。
<1−2.難燃層(A)>
難燃層(A)に含まれるポリマー(X)としては、上記ポリマー層(B)に含まれ得るポリマーと同様のものを例示することができる。難燃層(A)に含まれるポリマー(X)は、架橋ポリマーを含んでいても良い。本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)中のポリマー(X)が架橋ポリマーを含む場合、優れた耐シガレット性を発現できる。ポリマー(X)が架橋ポリマーを含む場合、ポリマー(X)中の架橋ポリマーの含有割合は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%、特に好ましくは95〜100重量%、最も好ましくは実質的に100重量%である。ポリマー(X)中の架橋ポリマーの含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材は、優れた耐シガレット性を発現できる。ポリマー(X)中の架橋ポリマーは、好ましくは、多官能性モノマーを含む重合性モノマーを重合して得られる。架橋ポリマーを得るために用い得る重合性モノマー中の多官能性モノマーの含有割合は、好ましくは10〜100重量%であり、より好ましくは30〜100重量%であり、さらに好ましくは50〜100重量%であり、特に好ましくは70〜100重量%であり、最も好ましくは90〜100重量%である。架橋ポリマーを得るために用い得る重合性モノマー中の多官能性モノマーの含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材は、より優れた耐シガレット性を発現できる。なお、多官能性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。架橋ポリマーを得るために用い得る重合性モノマーとしては、上記ポリマー層(B)に含まれ得るポリマーを形成するために用い得る重合性モノマーと同様のものを例示することができる。多官能性モノマーを用いることによって、本発明の高難燃ポリマー部材は、優れた耐シガレット性を発現でき、さらには、耐熱性を向上させることが可能となり、また、表面のキズ付き防止性を向上させることが可能となる。難燃層(A)に含まれるポリマー(X)は、重合性モノマーから形成することができる。重合性モノマーは、ラジカル重合やカチオン重合などの反応機構を問わず、光エネルギーや熱エネルギーを利用して重合可能な化合物である。このような重合性モノマーは、例えば、アクリル系ポリマーを形成するアクリル系モノマー等のラジカル重合性モノマー;エポキシ系樹脂を形成するエポキシ系モノマー、オキセタン系樹脂を形成するオキセタン系モノマー、ビニルエーテル系樹脂を形成するビニルエーテル系モノマー等のカチオン重合性モノマー;ウレタン系樹脂を形成するポリイソシアネートとポリオールとの組み合わせ;ポリエステル系樹脂を形成するポリカルボン酸、ポリオールとの組み合わせ;等が挙げられる。なお、重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。難燃層(A)には、これらを形成するポリマー材料の選択により粘着性を付与することができる。例えば、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂は、それぞれ、アクリル系感圧性接着剤(粘着剤)のベースポリマー、エポキシ系感圧性接着剤のベースポリマー、オキセタン系感圧性接着剤のベースポリマー、ビニルエーテル系感圧性接着剤のベースポリマー、ウレタン系感圧性接着剤のベースポリマー、ポリエステル系感圧性接着剤のベースポリマー等として機能する。
難燃層(A)に含まれるポリマー(X)としては、上記ポリマー層(B)に含まれ得るポリマーと同様のものを例示することができる。難燃層(A)に含まれるポリマー(X)は、架橋ポリマーを含んでいても良い。本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)中のポリマー(X)が架橋ポリマーを含む場合、優れた耐シガレット性を発現できる。ポリマー(X)が架橋ポリマーを含む場合、ポリマー(X)中の架橋ポリマーの含有割合は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%、特に好ましくは95〜100重量%、最も好ましくは実質的に100重量%である。ポリマー(X)中の架橋ポリマーの含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材は、優れた耐シガレット性を発現できる。ポリマー(X)中の架橋ポリマーは、好ましくは、多官能性モノマーを含む重合性モノマーを重合して得られる。架橋ポリマーを得るために用い得る重合性モノマー中の多官能性モノマーの含有割合は、好ましくは10〜100重量%であり、より好ましくは30〜100重量%であり、さらに好ましくは50〜100重量%であり、特に好ましくは70〜100重量%であり、最も好ましくは90〜100重量%である。架橋ポリマーを得るために用い得る重合性モノマー中の多官能性モノマーの含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材は、より優れた耐シガレット性を発現できる。なお、多官能性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。架橋ポリマーを得るために用い得る重合性モノマーとしては、上記ポリマー層(B)に含まれ得るポリマーを形成するために用い得る重合性モノマーと同様のものを例示することができる。多官能性モノマーを用いることによって、本発明の高難燃ポリマー部材は、優れた耐シガレット性を発現でき、さらには、耐熱性を向上させることが可能となり、また、表面のキズ付き防止性を向上させることが可能となる。難燃層(A)に含まれるポリマー(X)は、重合性モノマーから形成することができる。重合性モノマーは、ラジカル重合やカチオン重合などの反応機構を問わず、光エネルギーや熱エネルギーを利用して重合可能な化合物である。このような重合性モノマーは、例えば、アクリル系ポリマーを形成するアクリル系モノマー等のラジカル重合性モノマー;エポキシ系樹脂を形成するエポキシ系モノマー、オキセタン系樹脂を形成するオキセタン系モノマー、ビニルエーテル系樹脂を形成するビニルエーテル系モノマー等のカチオン重合性モノマー;ウレタン系樹脂を形成するポリイソシアネートとポリオールとの組み合わせ;ポリエステル系樹脂を形成するポリカルボン酸、ポリオールとの組み合わせ;等が挙げられる。なお、重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。難燃層(A)には、これらを形成するポリマー材料の選択により粘着性を付与することができる。例えば、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂は、それぞれ、アクリル系感圧性接着剤(粘着剤)のベースポリマー、エポキシ系感圧性接着剤のベースポリマー、オキセタン系感圧性接着剤のベースポリマー、ビニルエーテル系感圧性接着剤のベースポリマー、ウレタン系感圧性接着剤のベースポリマー、ポリエステル系感圧性接着剤のベースポリマー等として機能する。
<1−3.層状無機系化合物(f)>
難燃層(A)中に含有される層状無機系化合物(f)としては、例えば、層状無機物およびその有機処理物が挙げられる。層状無機系化合物(f)は、固体であってもよいし、流動性を有していてもよい。層状無機系化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
難燃層(A)中に含有される層状無機系化合物(f)としては、例えば、層状無機物およびその有機処理物が挙げられる。層状無機系化合物(f)は、固体であってもよいし、流動性を有していてもよい。層状無機系化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
層状無機物を形成できる無機物としては、例えば、ケイ酸塩、粘土鉱物などが挙げられる。中でも、層状無機物としては、層状粘土鉱物が好ましい。
層状粘土鉱物としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、スチーブンサイト等のスメクタイト;バーミキュライト;ベントナイト;カネマイト、ケニアナイト、マカナイト等の層状ケイ酸ナトリウム;などが挙げられる。このような層状粘土鉱物は、天然の鉱物として産するものであっても良いし、化学合成法によって製造されたものであっても良い。
層状無機物の有機処理物は、層状無機物を有機化合物により処理したものである。有機化合物としては、例えば、有機カチオン性化合物などが挙げられる。有機カチオン性化合物としては、例えば、4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩などのカチオン基を有するカチオン性界面活性剤などが挙げられる。カチオン性界面活性剤は、プロピレンオキサイド骨格、エチレンオキサイド骨格、アルキル骨格などに、4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩等のカチオン基を有する。このようなカチオン基は、ハロゲン化物イオン(例えば、塩化物イオンなど)などにより4級塩を形成している。
4級アンモニウム塩を有するカチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩などや、メチルジエチルプロピレンオキサイド骨格を有するアンモニウム塩などが挙げられる。
4級ホスホニウム塩を有するカチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、ジステアリルシジメチルホスホニウム塩、ジステアリルベンジルホスホニウム塩などが挙げられる。
層状粘土鉱物等の層状無機物は、有機カチオン性化合物により処理されて、層間の陽イオンが4級塩等のカチオン基とイオン交換され得る。粘土鉱物の陽イオンとしては、例えば、ナトリウムイオンやカルシウムイオンなどの金属カチオンである。有機カチオン性化合物により処理された層状粘土鉱物は、上記ポリマーや上記重合性モノマーに膨潤、分散しやすくなる。有機カチオン性化合物により処理された層状粘土鉱物としては、例えば、ルーセンタイトシリーズ(コープケミカル社製)が挙げられる。ルーセンタイトシリーズ(コープケミカル社製)としては、より具体的には、ルーセンタイトSPN、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSTNなどが挙げられる。
層状無機物の有機処理物としては、例えば、層状無機物の表面に、各種有機化合物による表面処理(例えば、シリコーン系化合物やフッ素系化合物等による低表面張力化処理など)が施されたものが挙げられる。
層状無機物の有機処理物において、層状無機物に対する有機化合物の割合は、層状無機物のカチオン交換容量(「CEC」)による。CECは、層状無機系化合物(f)のイオン交換容量、または、層状無機物表面上に吸着され得る正電荷の全量に関連し、それは、コロイド粒子単位質量あたりの正電荷、すなわちSI単位で「単位質量当たりのクーロン」によって表現される。CECは、グラム当たりのミリ当量(meq/g)、または、100グラム当たりのミリ当量(meq/100g)で表現してもよい。1meq/gのCECは、SI単位で96.5C/gに相当する。代表的な粘土鉱物に関する幾つかのCEC値は次の通りである。モンモリロナイトは70〜150meq/100gの範囲であり、ハロサイトは40〜50meq/100gの範囲であり、カオリンは1〜10meq/100gの範囲である。
層状無機物の有機処理物において、層状無機物に対する有機化合物の割合は、層状無機物100重量部に対して、有機化合物が、好ましくは1000重量部以下であり、より好ましくは3〜700重量部であり、さらに好ましくは5〜500重量部である。
層状無機系化合物(f)の粒子径(平均粒子径)としては、良好な難燃特性を得る観点から、難燃層(A)における層状無機系化合物(f)が分布する部分では、なるべく緻密に詰まっている方が好ましく、例えば、層状無機系化合物(f)を希薄溶液中に分散させたときの一次粒子径の平均値としては、レーザー散乱法や動的光散乱法におけるメジアン径で、好ましくは5nm〜10μmであり、より好ましくは6nm〜5μmであり、さらに好ましくは7nm〜1μmである。なお、粒子は、粒子径の異なる粒子を2種以上組み合わせて用いてもよい。
粒子の形状は、真球状や楕円球状などの球状、不定形状、針状、棒状、平板状、薄片状、中空管状などのいずれの形状であってもよい。粒子の形状は、好ましくは平板状、薄片状である。また、粒子は、その表面に、孔や突起などを有していてもよい。
層状粘土鉱物の粒子径は大きくなるにつれて透明性に問題を生じるおそれがあることから、最大一次粒子径の平均値は、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは5nm〜5μmである。
なお、上記ルーセンタイトSPN(コープケミカル社製)は、4級アンモニウム塩を有する有機化合物で層状粘土鉱物が有機化処理されたものであり、有機化合物の割合が62重量%である。粒子径は、25%平均一次粒子径19nm、50%平均一次粒子径30nm、99%平均一次粒子径100nmで、厚みは1nmであり、アスペクト比は約30である。
層状無機系化合物(f)として粒子を用いた場合は、該層状無機系化合物(f)は、難燃層(A)の表面において、例えば、該粒子による表面凹凸の形成に寄与できることがある。
また、層状無機系化合物(f)として層状粘土鉱物の有機カチオン性化合物による処理物を用いた場合、難燃層(A)の表面抵抗値を好ましくは1×1014(Ω/□)以下にすることができ、難燃層(A)に帯電防止性を付与することができる。帯電防止性は、層状無機系化合物(f)の種類、形状、大きさ、含有量等、難燃層(A)のポリマー成分の組成等を制御することにより、所望の帯電防止性に制御することができる。
難燃層(A)では層状無機系化合物(f)とポリマーとが混在しているため、ポリマーに基づく特性を発揮することができるとともに、層状無機系化合物(f)が有する特性を発揮することができる。
難燃層(A)における灰分の含有割合(難燃層(A)の形成材料の全量に対する層状無機系化合物(f)の含有割合:ただし、層状無機系化合物(f)が層状無機物の有機処理物の場合には、有機処理されていない層状無機物の含有割合)は、層状無機系化合物(f)の種類に応じて適宜に設定することができる。上記含有割合は、好ましくは3重量%以上70重量%未満である。上記含有割合が70重量%以上であると、層状無機系化合物(f)が良好に分散しない場合があり、ダマが発生しやすくなり、層状無機系化合物(f)が均一に分散した難燃層(A)を作製することが困難となる場合がある。上記含有割合が70重量%以上であると、難燃ポリマー部材の透明性、フレキシブル性が低下するおそれがある。一方、上記含有割合が3重量%未満であると、難燃層(A)が難燃性を有さない場合がある。難燃層(A)中の層状無機系化合物(f)の含有割合は、好ましくは3〜60重量%であり、より好ましくは5〜50重量%である。
<1−4.添加剤>
難燃層(A)には、任意の適切な添加剤が含まれていても良い。このような添加剤としては、例えば、界面活性剤(例えば、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤など)、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料や染料など)、溶剤(有機溶剤)などが挙げられる。
難燃層(A)には、任意の適切な添加剤が含まれていても良い。このような添加剤としては、例えば、界面活性剤(例えば、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤など)、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料や染料など)、溶剤(有機溶剤)などが挙げられる。
難燃層(A)には、意匠性、光学特性等の観点から、任意の適切な顔料(着色顔料)が含まれていても良い。黒色が望まれる場合には、着色顔料として、カーボンブラックを用いることが好ましい。顔料(着色顔料)の使用量としては、着色度合い等を阻害しない観点から、例えば、難燃層(A)中のポリマー100重量部に対して、好ましくは0.15重量部以下であり、より好ましくは0.001〜0.15重量部であり、さらには好ましくは0.02〜0.1重量部である。
難燃層(A)の厚みは、好ましくは3〜1000μmであり、より好ましくは4〜500μmであり、さらに好ましくは5〜200μmである。難燃層(A)の厚みが上記範囲を外れると、難燃性に問題を生じるおそれがある。
<1−5.無機基材(L)>
無機基材(L)は、モノマーやシロップ状ポリマーなどの液状物を透過できるものであれば、任意の適切な無機基材を採用し得る。このような無機基材(L)としては、例えば、繊維状無機基材、網目状無機基材など、空隙を有する無機基材が挙げられる。
無機基材(L)は、モノマーやシロップ状ポリマーなどの液状物を透過できるものであれば、任意の適切な無機基材を採用し得る。このような無機基材(L)としては、例えば、繊維状無機基材、網目状無機基材など、空隙を有する無機基材が挙げられる。
繊維状無機基材の形態としては、例えば、織布、不織布などが挙げられる。
繊維状無機基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、石綿、カーボンファイバー、繊維状金属酸化物などが挙げられる。
網目状無機基材としては、具体的には、例えば、金属網などが挙げられる。
無機基材(L)の厚みは、その種類によって任意の適切な厚みを採用し得る。例えば、好ましくは1〜500μmである。
無機基材(L)の空隙部分には、難燃層(A)やポリマー層(B)の構成成分や、難燃層(A)やポリマー層(B)の形成材料成分など、任意の適切な成分が含有されていても良い。
<1−6.高難燃ポリマー部材>
高難燃ポリマー部材の全体の厚さは、薄すぎると、十分な難燃性を示さない場合があり、厚すぎると、シート形状として巻取りにくく、取り扱い性が悪い場合がある点から、好ましくは10〜5000μmであり、より好ましくは20〜4000μmであり、さらに好ましくは30〜3000μmである。なお、高難燃ポリマー部材の全体の厚さは、難燃層(A)の厚みと、無機基材(L)の厚みと、ポリマー層(B)の厚みとの合計を意味する。
高難燃ポリマー部材の全体の厚さは、薄すぎると、十分な難燃性を示さない場合があり、厚すぎると、シート形状として巻取りにくく、取り扱い性が悪い場合がある点から、好ましくは10〜5000μmであり、より好ましくは20〜4000μmであり、さらに好ましくは30〜3000μmである。なお、高難燃ポリマー部材の全体の厚さは、難燃層(A)の厚みと、無機基材(L)の厚みと、ポリマー層(B)の厚みとの合計を意味する。
また、難燃層(A)の厚みは、上記高難燃ポリマー部材の全体の厚さ(難燃層(A)の厚みと無機基材(L)の厚みとポリマー層(B)の厚みとの合計)に対して、好ましくは50%以下の割合であり、より好ましくは50〜0.1%の割合であり、さらに好ましくは40〜1%の割合である。難燃層(A)の厚みの割合が上記範囲を外れると、難燃性に問題を生じるおそれや、難燃層(A)の強度に問題を生じるおそれがある。
<1−7.難燃性>
本発明の高難燃ポリマー部材は、好ましくは、下記の難燃性を満足するものである。すなわち、本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)側を下面にして、かつ該下面は空気に接触するように水平に設置し、該難燃層(A)側の下面から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、前記火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を該難燃層(A)の下面に30秒間接炎させる水平燃焼試験において、該炎を遮炎できる難燃性を有するものである。上記水平燃焼試験は、高難燃ポリマー部材の難燃層(A)側からの炎の遮断性を示す。従って、上記水平燃焼試験では、高難燃ポリマー部材の端部には接炎しないようにして、ブンゼンバーナーの炎を難燃層(A)側から接炎させる。通常は、高難燃ポリマー部材の全ての端部から少なくとも50mm以上は離れた箇所に、ブンゼンバーナーの炎が接炎するように、ブンゼンバーナーが設置して行なわれる。水平燃焼試験に供される、高難燃ポリマー部材の大きさとしては、任意の適切な大きさを採用し得る。高難燃ポリマー部材の大きさとしては、例えば、縦:5〜20cm、横:10〜20cm、の矩形を用いることができる。図2、実施例では、5cm×12cmの矩形のものが用いられている。
本発明の高難燃ポリマー部材は、好ましくは、下記の難燃性を満足するものである。すなわち、本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃層(A)側を下面にして、かつ該下面は空気に接触するように水平に設置し、該難燃層(A)側の下面から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、前記火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を該難燃層(A)の下面に30秒間接炎させる水平燃焼試験において、該炎を遮炎できる難燃性を有するものである。上記水平燃焼試験は、高難燃ポリマー部材の難燃層(A)側からの炎の遮断性を示す。従って、上記水平燃焼試験では、高難燃ポリマー部材の端部には接炎しないようにして、ブンゼンバーナーの炎を難燃層(A)側から接炎させる。通常は、高難燃ポリマー部材の全ての端部から少なくとも50mm以上は離れた箇所に、ブンゼンバーナーの炎が接炎するように、ブンゼンバーナーが設置して行なわれる。水平燃焼試験に供される、高難燃ポリマー部材の大きさとしては、任意の適切な大きさを採用し得る。高難燃ポリマー部材の大きさとしては、例えば、縦:5〜20cm、横:10〜20cm、の矩形を用いることができる。図2、実施例では、5cm×12cmの矩形のものが用いられている。
水平燃焼試験は、具体的には図2に示されるように、矩形の高難燃ポリマー部材Sは、難燃層(A)側を下面にして、矩形の両サイドを、それぞれ、2枚の上側と下側の支持板1により水平に固定される。支持板1は、高難燃ポリマー部材Sの下面が空気に接触して、かつブンゼンバーナー3を設置できるように、下側の支持板1の長手方向の両側には、支柱2が設けられている。図2では、5cm×12cmの矩形の高難燃ポリマー部材Sが用いられており、12cmの辺が支持板1(幅10cm)により固定されている。ブンゼンバーナー3は、その火炎口4と、高難燃ポリマー部材Sの下面が45mmになるように設置される。また、ブンゼンバーナー3は、その火炎口4が、高難燃ポリマー部材Sの中心の下に位置する。ブンゼンバーナー3の炎の高さは、火炎口からの高さが55mmに調整される。なお、ブンゼンバーナー3は高難燃ポリマー部材Sの下に位置されるが、図2では、便宜上、ブンゼンバーナー3は支持板1の外側に記載している。
難燃性は、ブンゼンバーナーの炎を30秒間、1cm(ブンゼンバーナー3の火炎口4からの炎の高さ:55mmと、難燃層(A)側の下面とブンゼンバーナー3の火炎口4の距離:45mmとの差)を接炎させた際の、高難燃ポリマー部材の遮炎性と高難燃ポリマー部材の形状維持性を評価することができる。ブンゼンバーナーのガスは、プロパンガスを用い、大気中で行なわれる。
高難燃ポリマー部材の遮炎性の評価は、実施例に示されるように、高難燃ポリマー部材Sの上方3mmの位置(両サイドの上側の支持体1の上側)にコピー用紙であるホワイトエコノミー314−048(Biznet社製)を設置し、上記水平燃焼試験において、コピー用紙の燃焼の有無を観察することにより行なうことができる。また、高難燃ポリマー部材の形状維持性の評価は、紙の難燃化処理については、高難燃ポリマー部材のポリマー層(B)側にコピー用紙であるホワイトエコノミー314−048(Biznet社製)を貼着したサンプル(難燃化処理した物品)を、上記水平燃焼試験に供して、上記サンプルの燃焼の有無を観察することにより行なうことができる。また、高難燃ポリマー部材の形状維持性の評価は、木材の難燃化処理については、高難燃ポリマー部材のポリマー層(B)側に木材(6mm厚の松板)貼着したサンプル(難燃化処理した物品)を、上記水平燃焼試験に供して、上記サンプルの燃焼の有無を観察することにより行なうことができる。
<1−8.透明性>
本発明の高難燃ポリマー部材は、好ましくは、実質的に透明であり、全光線透過率が、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
本発明の高難燃ポリマー部材は、好ましくは、実質的に透明であり、全光線透過率が、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
<1−9.フレキシブル性>
本発明の高難燃ポリマー部材は、プラスチック特有のフレキシブル性を有している。例えば、5cm×10cmの高難燃ポリマー部材の5cm辺の両端を曲げて、山折、谷折で繰り返し50回くっ付けても傷やクラックを生じない場合には、良好なフレキシブル性を有すると判断できる。また、5cm×10cmの高難燃ポリマー部材を直径1cmの棒に巻きつけ、その後、高難燃ポリマー部材を剥がしても、5cm×10cmの高難燃ポリマー部材に傷やクラックが生じない場合には、良好なフレキシブル性を有すると判断できる。
本発明の高難燃ポリマー部材は、プラスチック特有のフレキシブル性を有している。例えば、5cm×10cmの高難燃ポリマー部材の5cm辺の両端を曲げて、山折、谷折で繰り返し50回くっ付けても傷やクラックを生じない場合には、良好なフレキシブル性を有すると判断できる。また、5cm×10cmの高難燃ポリマー部材を直径1cmの棒に巻きつけ、その後、高難燃ポリマー部材を剥がしても、5cm×10cmの高難燃ポリマー部材に傷やクラックが生じない場合には、良好なフレキシブル性を有すると判断できる。
<1−10.高難燃性>
本発明の高難燃ポリマー部材は、無機基材(L)を有することにより、該高難燃ポリマー部材自体が優れた難燃性を発現することができ、また、被着体に貼着させることによって、該被着体に対して優れた難燃化処理を行うことができる。例えば、本発明の高難燃ポリマー部材を窓ガラス等に貼着した場合には、燃焼によって窓ガラス等が割れて飛散してしまうことを効果的に防止できる飛散防止性を発現することができ、木材等に貼着した場合には、木材等の燃焼の拡大を防止できる延焼防止性を発現することができる。
本発明の高難燃ポリマー部材は、無機基材(L)を有することにより、該高難燃ポリマー部材自体が優れた難燃性を発現することができ、また、被着体に貼着させることによって、該被着体に対して優れた難燃化処理を行うことができる。例えば、本発明の高難燃ポリマー部材を窓ガラス等に貼着した場合には、燃焼によって窓ガラス等が割れて飛散してしまうことを効果的に防止できる飛散防止性を発現することができ、木材等に貼着した場合には、木材等の燃焼の拡大を防止できる延焼防止性を発現することができる。
高難燃ポリマー部材自体の優れた難燃性は、建築基準法第2条第9号および建築基準法施行令第108条の2に基づく防耐火性能試験方法と性能評価規格に従うコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験によっても評価できる。
飛散防止性は、例えば、ガラスに本発明の高難燃ポリマー部材を貼り付け、該高難燃ポリマー部材の中心部にブンゼンバーナーの炎をガラスが割れるまで接炎し、割れた後の飛散したガラス片の重量を測定し、元のガラスがどれだけ維持できているかを算出することによって評価できる。飛散防止性の評価方法の詳細は、後述する。
延焼防止性は、例えば、木材等に本発明の高難燃ポリマー部材を貼り付け、該高難燃ポリマー部材の中心部にブンゼンバーナーの炎を接炎し、木材等への着火および木材等の劣化を測定することによって評価できる。延焼防止性の評価方法の詳細は、後述する。
≪2.高難燃ポリマー部材の製造≫
本発明の高難燃ポリマー部材の製造方法としては、例えば、ポリマー層(B)、無機基材(L)、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である難燃層(A)をこの順に含む構成が得られるものであれば、任意の適切な製造方法を採用し得る。
本発明の高難燃ポリマー部材の製造方法としては、例えば、ポリマー層(B)、無機基材(L)、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である難燃層(A)をこの順に含む構成が得られるものであれば、任意の適切な製造方法を採用し得る。
<2−1.高難燃ポリマー部材の製造方法(1)>
本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃性が良好であることから、製造方法(1)が好ましく採用される。製造方法(1)においては、重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a)と、無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層し、重合を行うことにより、本発明の高難燃ポリマー部材を製造する。このとき、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に香料が含有されていても良い。重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に香料を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に香料が含有される。また、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐候剤が含有されていても良い。重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐候剤を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐候剤が含有される。また、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有されていても良い。重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐熱性樹脂を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有される。また、モノマー吸収層(b)に無機粒子が含有されていても良い。モノマー吸収層(b)に無機粒子を含有させておけば、最終的に、ポリマー層(B)に無機粒子が含有される。
本発明の高難燃ポリマー部材は、難燃性が良好であることから、製造方法(1)が好ましく採用される。製造方法(1)においては、重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a)と、無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層し、重合を行うことにより、本発明の高難燃ポリマー部材を製造する。このとき、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に香料が含有されていても良い。重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に香料を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に香料が含有される。また、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐候剤が含有されていても良い。重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐候剤を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐候剤が含有される。また、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有されていても良い。重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐熱性樹脂を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有される。また、モノマー吸収層(b)に無機粒子が含有されていても良い。モノマー吸収層(b)に無機粒子を含有させておけば、最終的に、ポリマー層(B)に無機粒子が含有される。
製造方法(1)によれば、重合性モノマー(m)および該重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な層状無機系化合物(f)を含有する重合性組成物(α)により形成された重合性組成物層(a)を、無機基材(L)を介して、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)の少なくとも一方の面に積層した後に、重合性モノマーを重合することにより、難燃層(A)およびポリマー層(B)を得ることができる。
製造方法(1)では、上記積層により、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)の一部が無機基材(L)を透過してモノマー吸収層(b)に吸収され、他方、重合性組成物層(a)中の層状無機系化合物(f)はモノマー吸収層(b)に実質的に吸収されない。このため、層状無機系化合物(f)がモノマー吸収層(b)とは反対側に偏って分布し、場合によってはさらに無機基材(L)の空隙部分にも分布している偏在重合性組成物層(a1)が得られる。このとき、層状無機系化合物(f)の偏在部(a11)と非偏在部(a12)との間に無機基材(L)が存在する。この無機基材(L)の空隙部分には、重合性モノマー(m)や層状無機系化合物(f)が含まれ得る。そして、重合工程(2)により、偏在重合性組成物層(a1)中の重合性モノマー(m)およびモノマー吸収層(b)中の重合性モノマー(m)を重合して硬化することにより、難燃層(A)およびポリマー層(B)が得られる。なお、無機基材(L)の空隙部分に重合性モノマー(m)が含まれている場合には、重合工程(2)により該重合性モノマー(m)も重合して硬化し得る。偏在重合性組成物層(a1)を硬化して得られる偏在ポリマー層(a2)中において、層状無機系化合物(f)が偏在している、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)が、難燃層(A)に該当する。偏在ポリマー層(a2)中において、層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)、およびモノマー吸収層(b)が重合性モノマー(m)を吸収して得られるモノマー吸収層(b1)が重合して形成された硬化したモノマー吸収層(b2)が、ポリマー層(B)に該当する。つまり、非偏在部(a22)と硬化したモノマー吸収層(b2)を合わせた部分がポリマー層(B)に該当する。難燃層(A)とポリマー層(B)の間に無機基材(L)が存在する。
以下に、高難燃ポリマー部材の製造方法(1)を、図3を参照しながら、説明する。
まず、積層工程(1)で、重合性組成物層(a)と無機基材(L)とモノマー吸収層(b)を積層して積層体(X)を得る。重合性組成物層(a)は、層状無機系化合物(f)および重合性モノマー(m)(図示せず)を含有する。重合性組成物層(a)はモノマー吸収層(b)の少なくとも一方の側に積層できるが、図3では、モノマー吸収層(b)の片方にのみ積層する場合が記載されている。図3においては、重合性組成物層(a)の、モノマー吸収層(b)に積層しない側に、カバーフィルム(C)が設けられている。また、図3においては、モノマー吸収層(b)が基材フィルム(D)上に設けられ、基材付きモノマー吸収性シート(E)として用いられている。
積層工程(1)によって得られる積層体(X)では、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)の一部が無機基材(L)を透過してモノマー吸収層(b)に吸収される(図示せず)。一方、重合性組成物層(a)中の層状無機系化合物(f)はモノマー吸収層(b)に実質的に吸収されない。このため、層状無機系化合物(f)がモノマー吸収層(b)とは反対側に偏って分布して、場合によってはさらに無機基材(L)の空隙部分にも分布して、層状無機系化合物(f)の偏在部(a11)と非偏在部(a12)とを有する偏在重合性組成物層(a1)が得られる。このとき、層状無機系化合物(f)の偏在部(a11)と非偏在部(a12)との間に無機基材(L)が存在する。この無機基材(L)の空隙部分には、重合性モノマー(m)や層状無機系化合物(f)が含まれ得る。すなわち、重合性組成物層(a)を、無機基材(L)を介して、モノマー吸収層(b)に積層することで、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)の一部が、無機基材(L)を透過してモノマー吸収層(b)に吸収されることで、偏在重合性組成物層(a1)が得られる。
偏在重合性組成物層(a1)における層状無機系化合物(f)の偏在の現象は、重合性モノマー(m)の一部が無機基材(L)を透過することによるモノマー吸収層(b)の膨潤によるものと推察される。すなわち、モノマー吸収層(b)が無機基材(L)を透過した重合性モノマー(m)の一部を吸収して膨張し、一方、層状無機系化合物(f)はモノマー吸収層(b)に実質的に吸収されない。このため、層状無機系化合物(f)が、重合性組成物層(a)中に残存するような形で偏在していくものと考えられる。従って、重合性モノマー(m)を吸収しない基材を用いた場合は、重合性モノマー(m)に対して基材が膨潤しないため、該基材に重合性組成物層(a)を積層したとしても、層状無機系化合物(f)は偏在を起こさず、偏在重合性組成物層(a1)は得られない。
高難燃ポリマー部材の製造方法(1)では、上記積層体(X)に加熱工程を施すことができる。加熱工程により、層状無機系化合物(f)が高密度に偏在化した偏在部(a11)を含む偏在重合性組成物層(a1)が得られる。加熱工程によって、積層体(X)に対する加熱温度制御および加熱時間制御がなされる。かかる加熱工程を行うことにより、積層工程(1)を単に行なった場合に比べて、積層体(X)は、モノマー吸収層(b)が、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)をより多く吸収するようになり、層状無機系化合物(f)の高密度な偏在構造が顕著になる。このように、加熱工程により、層状無機系化合物(f)が高密度に偏在化した偏在部(a11)が得られるため、偏在重合性組成物層(a1)、さらには偏在ポリマー層(a2)が薄層である場合にも、効率よく、層状無機系化合物(f)を偏在化でき、薄層化した偏在ポリマー層(a2)を有する積層体(Y)を得ることができる。
重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)は、その一部がモノマー吸収層(b)に吸収された後に、重合工程(2)が施されるため、偏在ポリマー層(a2)と硬化したモノマー吸収層(b2)との積層構造において、偏在ポリマー層(a2)と硬化したモノマー吸収層(b2)との密着性が優れている。
積層体(X)におけるモノマー吸収層(b1)は、モノマー吸収層(b)が重合性モノマー(m)を吸収したことによって膨潤した状態にあるため、偏在重合性組成物層(a1)中の層状無機系化合物(f)の非偏在部(a12)とモノマー吸収層(b1)の界面は確認できないが(これらの複合箇所を図3ではab1として示している)、図3では、便宜上、該界面を破線で示している。
次いで、積層体(X)に、重合工程(2)を施して、偏在重合性組成物層(a1)中の重合性モノマー(m)を重合して、偏在ポリマー層(a2)を含む積層体(Y)を得る。偏在ポリマー層(a2)は、偏在重合性組成物層(a1)における偏在構造が維持されたまま硬化したものである。偏在ポリマー層(a2)は、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)を有する。このとき、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と非偏在部(a22)との間に無機基材(L)が存在する。なお、モノマー吸収層(b1)には重合性モノマー(m)が吸収されているため、重合工程(2)によって、モノマー吸収層(b1)は、硬化したモノマー吸収層(b2)になる。なお、積層体(Y)においては、偏在ポリマー層(a2)中の層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)と硬化したモノマー吸収層(b2)の界面は確認できないが(これらの複合箇所を図3ではab2として示している)、図3では、便宜上、該界面を破線で示している。製造方法(1)は、好ましくは、乾燥工程(3)を含む。乾燥工程(3)は重合工程(2)よりも後に行い得る。重合工程(2)よりも後に乾燥工程(3)を設けることによって、積層体(Y)中の残存臭気成分を除去できるので、高難燃ポリマー部材からのアウトガスを低減できる。乾燥工程(3)の乾燥温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは70〜180℃であり、さらに好ましくは80〜160℃であり、特に好ましくは90〜140℃である。乾燥工程(3)の乾燥温度を上記範囲内に設定することにより、アウトガス低減効果がより一層発現できる。乾燥工程(3)の乾燥時間は、好ましくは1分〜3時間であり、より好ましくは1.5分〜2時間であり、さらに好ましくは2分〜1時間であり、特に好ましくは3分〜30分である。乾燥工程(3)の乾燥時間を上記範囲内に設定することにより、アウトガス低減効果がより一層発現できる。
〔2−1−1.積層工程(1)〕
積層工程(1)では、重合性組成物層(a)を、無機基材(L)を介して、モノマー吸収層(b)の少なくとも一方の側に積層して、モノマー吸収層(b)/無機基材(L)/重合性組成物層(a)、の構造を有する積層体(X)を作製する。重合性組成物層(a)は、重合性組成物(α)により形成される層である。
積層工程(1)では、重合性組成物層(a)を、無機基材(L)を介して、モノマー吸収層(b)の少なくとも一方の側に積層して、モノマー吸収層(b)/無機基材(L)/重合性組成物層(a)、の構造を有する積層体(X)を作製する。重合性組成物層(a)は、重合性組成物(α)により形成される層である。
(2−1−1−1.重合性組成物(α))
重合性組成物(α)は、重合可能な重合性モノマー(m)、層状無機系化合物(f)を少なくとも含んでいる。
重合性組成物(α)は、重合可能な重合性モノマー(m)、層状無機系化合物(f)を少なくとも含んでいる。
重合性組成物(α)は、取り扱い性、塗工性等の点から、重合性モノマー(m)の一部分が重合した部分重合組成物であっても良い。
重合性モノマー(m)の具体的な説明としては、<1−1.ポリマー層(B)>の項における重合性モノマーの説明を援用し得る。重合性モノマー(m)は多官能性モノマーを含んでいても良い。重合性モノマー(m)が多官能性モノマーを含む場合、本発明の高難燃ポリマー部材は、優れた耐シガレット性を発現できる。重合性モノマー(m)が多官能性モノマーを含む場合、重合性モノマー(m)中の多官能性モノマーの含有割合は、好ましくは10〜100重量%であり、より好ましくは30〜100重量%であり、さらに好ましくは50〜100重量%であり、特に好ましくは70〜100重量%であり、最も好ましくは90〜100重量%である。重合性モノマー(m)中の多官能性モノマーの含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材は、より優れた耐シガレット性を発現できる。
偏在ポリマー層(a2)は、重合性モノマー(m)全量に対する多官能モノマー含有割合や極性基含有モノマーの含有割合、また、重合性モノマーのガラス転移温度(Tg)を調整することによって物性を制御でき、偏在ポリマー層(a2)に硬い物性が求められる用途でも、粘着性が求められる用途でも、高難燃ポリマー部材を用いることができる。
偏在ポリマー層(a2)に粘着性が求められる用途で高難燃ポリマー部材を用いる場合、重合性モノマー(m)全量に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有割合が、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。
偏在ポリマー層(a2)に硬い物性が求められる用途(例えば、フィルム用途など)で高難燃ポリマー部材を用いる場合、重合性モノマー(m)全量に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有割合が、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは0.01〜95重量%であり、さらに好ましくは1〜70重量%である。
層状無機系化合物(f)の具体的な説明としては、<1−3.層状無機系化合物(f)>の項における説明を援用し得る。
重合性組成物(α)は、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。このような添加剤の具体的な説明としては、<1−4.添加剤>の項における説明を援用し得る。重合性組成物(α)には、香料が含有されていても良い。重合性組成物(α)には、耐候剤が含有されていても良い。重合性組成物(α)には、耐熱性樹脂が含有されていても良い。
重合性組成物(α)は、任意の適切な重合開始剤を含有し得る。重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤などが挙げられる。
重合開始剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
光重合開始剤としては、任意の適切な光重合開始剤を採用し得る。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
光重合開始剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ケタール系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など)などが挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など)、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、商品名「ルシリンTPO」(BASF社製)などが挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾインなどが含まれる。ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。
光重合開始剤の使用量としては、例えば、重合性組成物(α)中の重合性モノマー(m)100重量部に対して、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは0.01〜5重量部であり、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤(例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなど)、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなど)、レドックス系重合開始剤(例えば、有機過酸化物/バナジウム化合物;有機過酸化物/ジメチルアニリン;ナフテン酸金属塩/ブチルアルデヒド、アニリンあるいはアセチルブチロラクトン;等の組み合わせなど)などが挙げられる。
熱重合開始剤の使用量としては、例えば、重合性組成物(α)中の重合性モノマー(m)100重量部に対して、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは0.01〜5重量部であり、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。
熱重合開始剤としてレドックス系重合開始剤を用いれば、常温で重合させることが可能である。
あるポリマーに対してある物質が、非相溶性の物質であるか否かの判断は、目視、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、X線回析などにより、一般的な方法(例えば、ある物質を重合性モノマーに溶解させ、重合性モノマーを重合してポリマー化して判断する方法;ポリマーをそのポリマーを溶解する溶媒に溶解し、そこへ物質を添加し、攪拌後溶媒を除去して判断する方法;ポリマーが熱可塑性ポリマーであればポリマーを加熱溶解して、そこへ物質を配合し、冷却後判断する方法;など)において、そのポリマー中の物質またはその集合体がどの程度の大きさで分散しているかにより判断することができる。その判断基準は、物質またはその集合体が、球や立方体、不定形状などの球体状に近似できる場合には5nm以上の直径を有すること、また、棒状や薄層状、直方体状などの柱体状に近似できる場合には最も長い辺の長さが10nm以上であることである。
物質をポリマー中に分散した際において、そのポリマー中の物質またはその集合体が、球や立方体、不定形状などの球体状に近似でき、該球体状の物質またはその集合体が5nm以上の直径を有する場合には、そのポリマーに対して非相溶であるとみなすことができる。また、ポリマー中の物質またはその集合体が、棒状や薄層状、直方体状などの柱体状に近似でき、該柱体状の物質またはその集合体の最も長い辺の長さが10nm以上である場合には、そのポリマーに対して非相溶であるとみなすことができる。
重合性組成物(α)中に層状無機系化合物(f)を分散させる方法としては、例えば、重合性モノマー(m)、層状無機系化合物(f)、必要に応じてその他の成分(重合開始剤など)を混合して、超音波分散などによって均一分散させる方法などが挙げられる。
重合性組成物(α)中における層状無機系化合物(f)の含有割合は、重合性モノマー(m)100重量部に対して、好ましくは1〜300重量部であり、より好ましくは3〜200重量部であり、さらに好ましくは5〜100重量部である。層状無機系化合物(f)の含有割合が、重合性モノマー(m)100重量部に対して300重量部を超えると、高難燃ポリマー部材の製造が困難となるおそれや、製造後の高難燃ポリマー部材で強度低下の問題が生じるおそれがある。層状無機系化合物(f)の含有割合が、重合性モノマー(m)100重量部に対して1重量部未満であると、積層工程(1)において積層体を得た後において、偏在重合性組成物層(a1)や偏在ポリマー層(a2)を得難くなるおそれや、偏在ポリマー層(a2)が難燃性を有さないおそれがある。
重合性組成物(α)中における層状無機系化合物(f)の含有割合は、層状無機系化合物(f)の種類等に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。例えば、層状無機系化合物(f)として粒子を使用する際は、該層状無機系化合物(f)の含有割合は、重合性モノマー(m)100重量部に対して、好ましくは0.001〜70重量部であり、より好ましくは0.01〜60重量部であり、さらに好ましくは0.1〜50重量部である。粒子としての層状無機系化合物(f)の含有割合が、重合性モノマー(m)に対して0.001重量部未満の場合、表面凹凸シートの利用面表面に全体的に平均して凹凸構造を付与することが難しくなるおそれがある。粒子としての層状無機系化合物(f)の含有割合が、重合性モノマー(m)に対して70重量部を超える場合、表面凹凸シートの製造中に粒子の脱落が生じるおそれや、表面凹凸シートの強度低下の問題が生じるおそれがある。
重合性組成物(α)は、通常、基材上に塗布するなどしてシート状に成形するので、塗布作業に適した適度な粘度を持たせておくことが好ましい。
重合性組成物(α)の粘度は、例えば、アクリルゴム、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合することや、重合性組成物(α)中の重合性モノマー(m)を光の照射や加熱などにより一部重合させることにより調製することができる。なお、望ましい粘度は、BH粘度計を用いて、ローター:No.5ローター、回転数10rpm、測定温度30℃の条件で設定された粘度として、好ましくは5〜50Pa・sであり、より好ましくは10〜40Pa・sである。粘度が5Pa・s未満であると、基材上に塗布したときに液が流れてしまうおそれがある。粘度が50Pa・sを超えると、粘度が高すぎて塗布が困難となるおそれがある。
(2−1−1−2.重合性組成物層(a))
重合性組成物層(a)は、重合性組成物(α)により形成される層である。
重合性組成物層(a)は、重合性組成物(α)により形成される層である。
重合性組成物層(a)は、例えば、重合性組成物(α)をPETフィルム等の基材上に塗布するなどしてシート状に成形することによって得られる。
重合性組成物(α)の塗布に際しては、例えば、任意の適切なコーターを用いることができる。このようなコーターとしては、例えば、コンマロールコーター、ダイロールコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどが挙げられる。
重合性組成物層(a)の厚みとしては、例えば、好ましくは3〜3000μmであり、より好ましくは10〜1000μmであり、さらに好ましくは20〜500μmである。重合性組成物層(a)の厚みが3μm未満であると、均一な塗工ができないおそれや、偏在ポリマー層(a2)が難燃性を有さないおそれがある。一方、重合性組成物層(a)の厚みが3000μmを超えると、高難燃ポリマー部材にうねりが発生し、平滑な高難燃ポリマー部材が得られないおそれがある。
(2−1−1−3.モノマー吸収層(b))
モノマー吸収層(b)は、無機基材(L)を介して、重合性組成物層(a)から重合性モノマー(m)の一部を吸収し得る層である。モノマー吸収層(b)は、重合性モノマー(m)との親和性が高く、重合性モノマー(m)の吸収速度が速いことが好ましい。なお、モノマー吸収層(b)により提供される面をモノマー吸収面という。
モノマー吸収層(b)は、無機基材(L)を介して、重合性組成物層(a)から重合性モノマー(m)の一部を吸収し得る層である。モノマー吸収層(b)は、重合性モノマー(m)との親和性が高く、重合性モノマー(m)の吸収速度が速いことが好ましい。なお、モノマー吸収層(b)により提供される面をモノマー吸収面という。
モノマー吸収層(b)における重合性モノマー(m)の吸収は、積層工程(1)により、モノマー吸収層(b)のモノマー吸収面に無機基材(L)を介して重合性組成物層(a)が積層され、積層体が形成された時点で生じる。モノマー吸収層(b)における重合性モノマー(m)の吸収は、加熱工程を施す場合には、より効果的に生じる。なお、モノマー吸収層(b)における重合性モノマー(m)の吸収は、重合工程(2)より前の段階に限らず、重合工程(2)の段階で生じてもよい。
モノマー吸収層(b)は、該モノマー吸収層(b)を少なくとも一つ有し、且つ、該モノマー吸収層(b)のモノマー吸収面が無機基材(L)を介して重合性組成物層(a)と接することができるシート状の構造物(以下、「モノマー吸収性シート」という)で有り得る。
モノマー吸収性シートとしては、例えば、モノマー吸収層(b)のみで構成されたモノマー吸収性シート(以下、「基材レスモノマー吸収性シート」という)、基材上にモノマー吸収層(b)を設けたモノマー吸収性シート(以下、「基材付きモノマー吸収性シート」という)などが挙げられる。なお、モノマー吸収性シートが基材レスモノマー吸収性シートの場合、該シートのどちらの面をモノマー吸収面として用いても良い。また、モノマー吸収性シートが基材付きモノマー吸収性シートの場合、モノマー吸収層(b)側の表面がモノマー吸収面となる。
モノマー吸収層(b)はポリマー(p)を含有する。モノマー吸収層(b)中のポリマー(p)の含有割合は、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上であり、さらに好ましくは95重量%以上であり、特に好ましくは98重量%以上であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。モノマー吸収層(b)中のポリマー(p)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリマー(p)を得るために用いられるモノマー成分の具体的な説明としては、<1−1.ポリマー層(B)>の項における重合性モノマーの説明を援用し得る。
ポリマー(p)を得るために用いられるモノマー成分の少なくとも1つは、重合性組成物(α)中の重合性モノマー(m)の少なくとも1つと共通することが好ましい。
ポリマー(p)は、好ましくは、アクリル系モノマーを含むモノマー成分を重合して得られるアクリル系樹脂である。
ポリマー(p)は、ポリマー(p)を得るために用いられるモノマー成分を重合できる方法であれば、任意の適切な重合方法によって得ることができる。好ましい重合方法の具体的な説明としては、後述する〔2−1−3.重合工程(2)〕の項における重合方法の説明を援用し得る。
ポリマー(p)は、重合性組成物(α)から層状無機系化合物(f)を除いた以外は重合性組成物(α)と同様の組成を有する重合性組成物を重合して得られるポリマーであっても良い。
モノマー吸収層(b)は、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。このような添加剤の具体的な説明としては、<1−4.添加剤>の項における説明を援用し得る。
モノマー吸収層(b)は、ポリマー層(B)と同様に、難燃剤を含んでいてもよい。
モノマー吸収層(b)が重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)を吸収することにより、積層体(X)中のモノマー吸収層(b1)の重量が、積層工程(1)に用いるモノマー吸収層(b)の重量の1.1倍以上を示すことが好ましい。モノマー吸収層(b)の重合性モノマー(m)の吸収による上記重量増加倍率が1.1倍以上となることによって、層状無機系化合物(f)を効果的に偏在化させることができる。上記重量増加倍率は、より好ましくは2倍以上であり、さらに好ましくは3倍以上であり、特に好ましくは4倍以上である。上記重量増加倍率は、モノマー吸収層(b)の平滑性維持の点から、好ましくは50倍以下である。
上記重量増加倍率は、モノマー吸収層(b)を重合性モノマー(m)中に浸し、重合性組成物層(a)をモノマー吸収層(b)に積層してから重合工程(2)を施す前までと同じ温度で同じ時間の経過後に、モノマー吸収層(b)の重量を測定し、重合性モノマー(m)の吸収前の重量に対する重合性モノマー(m)の吸収後の重量の割合で算出することができる。
モノマー吸収層(b)の体積は、重合性モノマー(m)の吸収前と吸収後とで比較して、一定であっても良いし、変化していても良い。
モノマー吸収層(b)のゲル分率としては、任意の適切な値を採り得る。モノマー吸収層(b)において、ゲル分率が98重量%程度まで架橋されていても、あるいは、ほとんど架橋していなくても(例えば、ゲル分率が10重量%以下)、本発明の高難燃ポリマー部材を得ることができる。
モノマー吸収層(b)に高い架橋度(例えば、ゲル分率が90重量%以上)を持たせることにより、得られる高難燃ポリマー部材において、ポリマー層(B)に十分な耐熱性や耐溶剤性を付与することができる。モノマー吸収層(b)に低い架橋度(例えば、ゲル分率が10重量%以下)を持たせることにより、得られる高難燃ポリマー部材において、ポリマー層(B)に十分な柔軟性や応力緩和性を付与することができる。本発明の高難燃ポリマー部材が優れた耐カール性を発現するためには、ポリマー(p)のゲル分率が、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは8重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下であり、特に好ましくは3重量%以下である。ポリマー(p)のゲル分率の下限値は、好ましくは0重量%である。ポリマー(p)に低い架橋度(例えば、ゲル分率が10重量%以下)を持たせることにより、得られる高難燃ポリマー部材において、ポリマー層(B)に十分な柔軟性や応力緩和性を付与することができ、優れた耐カール性を発現することができる。
上記ゲル分率は、例えば、測定対象物をテトラフルオロエチレン性のメッシュであるテミッシュ(例えば、日東電工社製)で包み、酢酸エチル中に1週間浸した後に該測定対象物を乾燥させた時の重量変化量から算出することができる。
モノマー吸収層(b)が硬い層であれ、軟らかい層であれ、本発明の高難燃ポリマー部材を得ることができる。モノマー吸収層(b)として硬い層(例えば、100%モジュラスが100N/cm2以上である層)を用いる場合、該モノマー吸収層(b)を支持体(基材)として用いることができる。モノマー吸収層(b)として軟らかい層(例えば、100%モジュラスが30N/cm2以下である層)を用いる場合、該モノマー吸収層(b)を粘着剤層として用いることができる。
重合性モノマー(m)を吸収する前のモノマー吸収層(b)の厚みとしては、任意の適切な厚みを採用し得る。重合性モノマー(m)を吸収する前のモノマー吸収層(b)の厚みとしては、例えば、好ましくは1〜3000μmであり、より好ましくは2〜2000μmであり、さらに好ましくは5〜1000μmである。重合性モノマー(m)を吸収する前のモノマー吸収層(b)の厚みが1μm未満であると、多量の重合性モノマー(m)を吸収した場合にモノマー吸収層(b)が変形するおそれや、重合性モノマー(m)の吸収が十分に行われないおそれがある。重合性モノマー(m)を吸収する前のモノマー吸収層(b)の厚みが3000μmを超えると、最終的に得られる高難燃ポリマー部材をシート形状で巻取りにくくなり、取り扱い性が悪くなるおそれがある。
モノマー吸収層(b)は、単層であっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。
モノマー吸収層(b)は、例えば、後述する基材やカバーフィルムの離型処理された面などの適宜な支持体の所定の面上に、任意の適切なコーター等で、モノマー吸収層(b)を形成する材料である組成物(以下、モノマー吸収層(b)形成組成物という)を塗布することにより製造され得る。支持体上に塗布されたモノマー吸収層(b)形成組成物に対しては、必要に応じて、乾燥および/または硬化(例えば、光による硬化)が行われる。
モノマー吸収層(b)形成組成物は、任意の適切な方法によって、塗布に適した粘度に調整されていてもよい。
モノマー吸収層(b)が基材付きモノマー吸収性シートである場合に用いられる基材(モノマー吸収性シート用基材)としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体;これらの積層体(例えば、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(またはシート)同士の積層体など);などが挙げられる。このような基材としては、好ましくは、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材である。このようなプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);などが挙げられる。このようなプラスチックは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
モノマー吸収性シート用基材としては、モノマー吸収層(b)が活性エネルギー線により硬化する場合は、活性エネルギー線の透過を阻害しないものが好ましい。
モノマー吸収性シート用基材の表面は、モノマー吸収層(b)との密着性を高めるため、任意の適切な表面処理が施されていることが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的または物理的方法による酸化処理や、下塗り剤や剥離剤等によるコーティング処理などが挙げられる。
モノマー吸収性シート用基材の厚みとしては、強度や柔軟性、使用目的などに応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。モノマー吸収性シート用基材の厚みとしては、例えば、好ましくは400μm以下であり、より好ましくは1〜350μmであり、さらに好ましくは10〜300μmである。
モノマー吸収性シート用基材は、単層であっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。
(2−1−1−4.積層体(X))
積層体(X)は、例えば、モノマー吸収層(b)のモノマー吸収面に、無機基材(L)を介して、重合性組成物(α)を塗布してシロップ状の重合性組成物層(a)を積層させることや、任意の適切な支持体上に重合性組成物(α)を塗布してシロップ状の重合性組成物層(a)を得てから、モノマー吸収層(b)上に、無機基材(L)を介して、該重合性組成物層(a)を転写することで作製することができる。
積層体(X)は、例えば、モノマー吸収層(b)のモノマー吸収面に、無機基材(L)を介して、重合性組成物(α)を塗布してシロップ状の重合性組成物層(a)を積層させることや、任意の適切な支持体上に重合性組成物(α)を塗布してシロップ状の重合性組成物層(a)を得てから、モノマー吸収層(b)上に、無機基材(L)を介して、該重合性組成物層(a)を転写することで作製することができる。
重合性組成物層(a)の厚みのモノマー吸収層(b)の厚みに対する比率は、好ましくは300%以下であり、より好ましくは200%以下であり、さらに好ましくは100%以下である。重合性組成物層(a)の厚みのモノマー吸収層(b)の厚みに対する比率が300%を超える場合、高難燃ポリマー部材の作製が困難となるおそれや作製後の高難燃ポリマー部材において強度低下の問題が生じるおそれがある。重合性組成物層(a)の厚みのモノマー吸収層(b)の厚みに対する比率が小さい方が、層状無機系化合物(f)が偏在しやすく、偏在重合性組成物層(a1)において層状無機系化合物(f)をより高密度に偏在させることができる。なお、重合性組成物層(a)の厚みのモノマー吸収層(b)の厚みに対する比率は、均一に製膜できる点から、1%以上とすることが好ましい。
(2−1−1−5.カバーフィルム)
積層体(X)の作製にあたり、重合性組成物層(a)の支持体として、カバーフィルムを用いることができる。カバーフィルムは、剥離性を有していても良い。なお、重合工程(2)において光重合反応を用いる場合、空気中の酸素により反応が阻害されるため、重合工程(2)ではカバーフィルムを用いて空気中の酸素を遮断することが好ましい。
積層体(X)の作製にあたり、重合性組成物層(a)の支持体として、カバーフィルムを用いることができる。カバーフィルムは、剥離性を有していても良い。なお、重合工程(2)において光重合反応を用いる場合、空気中の酸素により反応が阻害されるため、重合工程(2)ではカバーフィルムを用いて空気中の酸素を遮断することが好ましい。
カバーフィルムとしては、酸素を透過し難い薄葉体であれば、任意の適切なカバーフィルムを採用し得る。カバーフィルムとしては、光重合反応を用いる場合、透明なものが好ましく、例えば、任意の適切な剥離紙などが挙げられる。カバーフィルムとしては、具体的には、例えば、離型処理剤(剥離処理剤)による離型処理層(剥離処理層)を少なくとも一方の表面に有する基材、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体など)からなる低接着性基材、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などが挙げられる。離型処理層を少なくとも一方の表面に有する基材は、離型処理層表面を離型面として利用することができる。低接着性基材は、両面を離型面として利用することができる。
離型処理層を少なくとも一方の表面に有する基材に用い得る基材としては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、オレフィン系樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム;紙類(上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など);これらをラミネートや共押し出しなどにより複層化したもの(2〜3層の複合体);などが挙げられる。このような基材としては、透明性の高いプラスチック系基材フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
離型処理層を少なくとも一方の表面に有する基材に用い得る離型処理剤としては、例えば、シリコーン系離型処理剤、フッ素系離型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤などが挙げられる。離型処理剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。
カバーフィルムの厚みとしては、任意の適切な厚みを採用し得る。カバーフィルムの厚みとしては、取り扱い易さと経済性の点から、例えば、好ましくは12〜250μmであり、より好ましくは20〜200μmである。
カバーフィルムは、単層であっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。
〔2−1−2.加熱工程〕
製造方法(1)では、モノマー吸収層(b)に無機基材(L)を介して重合性組成物層(a)を積層して得られる積層体(X)に、重合工程(2)を施す前に、加熱工程を施すことができる。加熱工程により、偏在重合性組成物層(a1)内での層状無機系化合物(f)の偏在化をより高密度に行なうことができ、偏在ポリマー層(a2)における層状無機系化合物(f)の分布をより高密度にした高難燃ポリマー部材を得ることができる。
製造方法(1)では、モノマー吸収層(b)に無機基材(L)を介して重合性組成物層(a)を積層して得られる積層体(X)に、重合工程(2)を施す前に、加熱工程を施すことができる。加熱工程により、偏在重合性組成物層(a1)内での層状無機系化合物(f)の偏在化をより高密度に行なうことができ、偏在ポリマー層(a2)における層状無機系化合物(f)の分布をより高密度にした高難燃ポリマー部材を得ることができる。
加熱温度は、好ましくは25℃以上200℃以下であり、より好ましくは30℃以上180℃以下であり、さらに好ましくは40℃以上160℃以下であり、特に好ましくは50℃以上150℃以下である。加熱工程の時間は、好ましくは1秒間以上120分間以下であり、より好ましくは10秒間以上60分間以下であり、さらに好ましくは1分間以上30分間以下である。特に、上記加熱温度範囲内において高温であるほど、また、上記加熱工程の時間の範囲内において加熱工程の時間が長いほど、高密度化した高難燃ポリマー部材を得ることができる。加熱温度が25℃未満であると、重合性モノマー(m)がモノマー吸収層(b)に十分に吸収されないおそれがある。加熱温度が200℃を超えると、重合性モノマー(m)が揮発するおそれや、カバーフィルムが変形するおそれがある。加熱工程の時間が1秒間未満であると、作業性が困難になるおそれがある。加熱工程の時間が120分間を超えると、高難燃ポリマー部材にうねりが発生し、平滑な高難燃ポリマー部材が得られないおそれがある。
重合性組成物層(a)と無機基材(L)とモノマー吸収層(b)は、積層工程(1)の前から上記温度条件下に曝されていても良い。また、重合性組成物(α)も上記温度条件下に曝されていても良い。
加熱工程における積層体(X)の加熱方法としては、任意の適切な加熱方法を採用し得る。加熱工程における積層体(X)の加熱方法としては、例えば、オーブンによる加熱方法、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線等の電磁波を用いた加熱方法などが挙げられる。
積層工程(1)および必要により加熱工程を施すことによって、積層体(X)において、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)の一部が無機基材(L)を透過してモノマー吸収層(b)に吸収され、一方、重合性組成物層(a)中の層状無機系化合物(f)はモノマー吸収層(b)に実質的に吸収されない。このため、層状無機系化合物(f)がモノマー吸収層(b)とは反対側に偏って分布し、場合によってはさらに無機基材(L)の空隙部分にも分布して、層状無機系化合物(f)の偏在部(a11)と非偏在部(a12)とを有する偏在重合性組成物層(a1)が得られる。このとき、層状無機系化合物(f)の偏在部(a11)と非偏在部(a12)との間に無機基材(L)が存在する。この無機基材(L)の空隙部分には、重合性モノマー(m)や層状無機系化合物(f)が含まれ得る。すなわち、重合性組成物層(a)を、無機基材(L)を介して、モノマー吸収層(b)に積層することで、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)の一部が、無機基材(L)を透過してモノマー吸収層(b)に吸収されることで、偏在重合性組成物層(a1)が得られる。一方、モノマー吸収層(b)が重合性モノマー(m)を吸収してモノマー吸収層(b1)が得られる。
〔2−1−3.重合工程(2)〕
偏在重合性組成物層(a1)中の重合性モノマー(m)およびモノマー吸収層(b1)中の重合性モノマー(m)を重合(さらに、無機基材(L)の空隙部分に重合性モノマー(m)が含まれている場合には、該重合性モノマー(m)も重合)する重合工程(2)を行うことにより、偏在ポリマー層(a2)と硬化したモノマー吸収層(b2)との積層体(Y)が得られる。なお、偏在ポリマー層(a2)は、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と無機基材(L)と層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)とを含む。
偏在重合性組成物層(a1)中の重合性モノマー(m)およびモノマー吸収層(b1)中の重合性モノマー(m)を重合(さらに、無機基材(L)の空隙部分に重合性モノマー(m)が含まれている場合には、該重合性モノマー(m)も重合)する重合工程(2)を行うことにより、偏在ポリマー層(a2)と硬化したモノマー吸収層(b2)との積層体(Y)が得られる。なお、偏在ポリマー層(a2)は、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と無機基材(L)と層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)とを含む。
重合工程(2)は、例えば、光照射により行なうことができる。光源、照射エネルギー、照射方法、照射時間等については、任意の適切な装置や条件を採用し得る。
光照射に用いる活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられる。特に好ましくは紫外線である。
活性エネルギー線の照射としては、例えば、ブラックライトランプ、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどによる紫外線の照射が挙げられる。
重合工程(2)においては加熱を施しても良い。加熱方法としては、任意の適切な加熱方法を採用し得る。加熱方法としては、例えば、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線などの電磁波を用いた加熱方法などが挙げられる。
積層体(Y)中の偏在ポリマー層(a2)において、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)の厚みは、重合性組成物層(a)(積層前)の厚みに対して、好ましくは80%以下であり、より好ましくは60%以下であり、さらに好ましくは50%以下である。層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)の厚みの、重合性組成物層(a)(積層前)の厚みに対する比率が、80%を超えると、偏在ポリマー層(a2)と硬化したモノマー吸収層(b2)との密着性に問題が生じるおそれや、偏在ポリマー層(a2)の強度に問題を生じるおそれがある。
層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)の厚みは、層状無機系化合物(f)の量を調整することにより制御することができる。
層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)とは、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)が層状の形態を有することにより、明確に区別できる。なぜなら、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)が層状の形態を有し、また、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)の間に無機基材(L)が存在するからである。
モノマー吸収層(b)と重合性モノマー(m)との組み合わせによっては、層状無機系化合物(f)が非偏在部(a22)に微量分散する場合がある。しかし、このような非偏在部(a22)に微量分散している層状無機系化合物(f)は、高難燃ポリマー部材の特性に影響を与えることはない。
層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)が、難燃層(A)に該当する。
層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)においては、層状無機系化合物(f)と偏在ポリマー層(a2)のポリマー成分とが混在している。このため、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)では、偏在ポリマー層(a2)のポリマー成分に基づく特性、層状無機系化合物(f)が有する特性、層状無機系化合物(f)が偏在ポリマー層(a2)内で偏在することに基づく特性を発揮することができる。
偏在ポリマー層(a2)のポリマー成分に基づく特性としては、例えば、柔軟性、ハードコート性、粘着性、応力緩和性、耐衝撃性などが挙げられる。例えば、ポリマー成分として粘着剤成分を用いた際の粘着性などが挙げられる。
層状無機系化合物(f)が有する特性としては、例えば、特定の機能(例えば、膨張性、収縮性、吸収性、発散性、導電性等)を有する層状無機系化合物(f)を用いた際の該特定の機能が挙げられる。
層状無機系化合物(f)が偏在ポリマー層(a2)内で偏在することに基づく特性としては、例えば、ポリマー成分として粘着剤成分を用いた際の層状無機系化合物の含有量を調整することによる粘着性制御、着色などの意匠性、層状無機系化合物(f)として粒子を用いた際の表面凹凸の付与や該表面凹凸に基づく特性(例えば、再剥離性、アンチブロッキング性、アンチグレア特性、意匠性、光散乱性など)などが挙げられる。
偏在ポリマー層(a2)のポリマー成分が粘着剤成分であり、層状無機系化合物(f)が粒子状である場合、偏在ポリマー層(a2)の表面で粒子状の層状無機系化合物(f)による凹凸が形成され、偏在ポリマー層(a2)の表面で粘着性(タック性)および剥離性(アンチブロッキング性)を発揮し得る高難燃ポリマー部材を得ることができる。このような高難燃ポリマー部材では、含有させる粒子状の層状無機系化合物(f)の量を調整することにより、偏在ポリマー層(a2)表面の粘着性(タック性)や剥離性(アンチブロッキング性)を制御できる。
偏在ポリマー層(a2)が粒子を含む場合における偏在ポリマー層(a2)表面の凹凸の大きさや形状は、例えば、粒子の粒径、偏在ポリマー層(a2)の厚さ、重合方法、重合の開始時期や終了時期等を調整することにより制御される。例えば、表面凹凸シートの利用面表面の凹凸の大きさや形状は、例えば、粒子の粒径、光重合硬化層の厚さ、光照射の方法、光照射の開始時期や終了時期等を調整することにより、制御される。
偏在部(a21)中の粒子状の層状無機系化合物(f)は、偏在部(a21)中に粒子状の層状無機系化合物(f)全体が包含される形態で存在していてもよいし、粒子状の層状無機系化合物(f)の一部分が偏在ポリマー層(a2)外に露出する形態で存在していてもよい。
<2−2.高難燃ポリマー部材の製造方法(2)>
本発明の高難燃ポリマー部材の製造方法としては、製造方法(1)の他に、製造方法(2)も好ましく採用される。製造方法(2)においては、重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成される重合性組成物層(a)を重合して得られる固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)と、無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層することにより、本発明の高難燃ポリマー部材を製造する。このとき、層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に香料が含有されていても良い。層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に香料を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に香料が含有される。また、層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐候剤が含有されていても良い。層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐候剤を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐候剤が含有される。また、層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有されていても良い。層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐熱性樹脂を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有される。また、モノマー吸収層(b)に無機粒子が含有されていても良い。モノマー吸収層(b)に無機粒子を含有させておけば、最終的に、ポリマー層(B)に無機粒子が含有される。
本発明の高難燃ポリマー部材の製造方法としては、製造方法(1)の他に、製造方法(2)も好ましく採用される。製造方法(2)においては、重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成される重合性組成物層(a)を重合して得られる固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)と、無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層することにより、本発明の高難燃ポリマー部材を製造する。このとき、層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に香料が含有されていても良い。層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に香料を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に香料が含有される。また、層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐候剤が含有されていても良い。層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐候剤を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐候剤が含有される。また、層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有されていても良い。層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)とモノマー吸収層(b)の少なくとも一方に耐熱性樹脂を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有される。また、モノマー吸収層(b)に無機粒子が含有されていても良い。モノマー吸収層(b)に無機粒子を含有させておけば、最終的に、ポリマー層(B)に無機粒子が含有される。
固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)は、製造方法(1)で説明したものと同様の方法によって重合性組成物層(a)を製造した後に、製造方法(1)で説明した重合工程(2)と同様の方法によって該重合性組成物層(a)の重合を行うことによって得られ得る。固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)中には、重合性モノマー(m)が重合して形成されるポリマー成分が含まれるが、重合されなかった重合性モノマー(m)が残存していても良い。
固体状のモノマー吸収層(b)は、製造方法(1)で説明したものと同様の方法にて得られ得る。
固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)と無機基材(L)と固体状のモノマー吸収層(b)との積層は、任意の適切な積層方法で行うことができる。固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)と無機基材(L)と固体状のモノマー吸収層(b)との積層は、例えば、固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(ap)を任意の適切な基材上で製造し、無機基材(L)を別途準備し、さらに、モノマー吸収性シートとして供されるモノマー吸収層(b)を別途準備し、それらを積層する方法が挙げられる。製造方法(2)は、好ましくは、乾燥工程(3)を含む。乾燥工程(3)は重合工程(2)よりも後に行い得る。重合工程(2)よりも後に乾燥工程(3)を設けることによって、積層体(Y)中の残存臭気成分を除去できるので、高難燃ポリマー部材からのアウトガスを低減できる。乾燥工程(3)の乾燥温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは70〜180℃であり、さらに好ましくは80〜160℃であり、特に好ましくは90〜140℃である。乾燥工程(3)の乾燥温度を上記範囲内に設定することにより、アウトガス低減効果がより一層発現できる。乾燥工程(3)の乾燥時間は、好ましくは1分〜3時間であり、より好ましくは1.5分〜2時間であり、さらに好ましくは2分〜1時間であり、特に好ましくは3分〜30分である。乾燥工程(3)の乾燥時間を上記範囲内に設定することにより、アウトガス低減効果がより一層発現できる。
<2−3.高難燃ポリマー部材の製造方法(3)>
本発明の高難燃ポリマー部材の製造方法としては、製造方法(1)、(2)の他に、製造方法(3)も好ましく採用される。製造方法(3)においては、重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a´)と、無機基材(L)と、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含むシロップ状の重合性組成物層(b´)とを積層し、重合を行うことにより、本発明の高難燃ポリマー部材を製造する。このとき、重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に香料が含有されていても良い。重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に香料を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に香料が含有される。また、重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に耐候剤が含有されていても良い。重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に耐候剤を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐候剤が含有される。また、重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有されていても良い。重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に耐熱性樹脂を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有される。また、重合性組成物層(b´)に無機粒子が含有されていても良い。重合性組成物層(b´)に無機粒子を含有させておけば、最終的に、ポリマー層(B)に無機粒子が含有される。
本発明の高難燃ポリマー部材の製造方法としては、製造方法(1)、(2)の他に、製造方法(3)も好ましく採用される。製造方法(3)においては、重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a´)と、無機基材(L)と、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含むシロップ状の重合性組成物層(b´)とを積層し、重合を行うことにより、本発明の高難燃ポリマー部材を製造する。このとき、重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に香料が含有されていても良い。重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に香料を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に香料が含有される。また、重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に耐候剤が含有されていても良い。重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に耐候剤を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐候剤が含有される。また、重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有されていても良い。重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の少なくとも一方に耐熱性樹脂を含有させておけば、最終的に、難燃層(A)とポリマー層(B)の少なくとも一方に耐熱性樹脂が含有される。また、重合性組成物層(b´)に無機粒子が含有されていても良い。重合性組成物層(b´)に無機粒子を含有させておけば、最終的に、ポリマー層(B)に無機粒子が含有される。
以下に、高難燃ポリマー部材の製造方法(3)を、図4を参照しながら、説明する。
まず、積層工程(1)で、重合性組成物層(a´)と無機基材(L)と重合性組成物層(b´)を積層して積層体(X)を得る。重合性組成物層(a´)は、重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含有する。重合性組成物層(b´)は、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含有する。重合性組成物層(a´)は、重合性組成物層(b´)の少なくとも一方の面に積層できるが、図4では、重合性組成物層(b´)の片面の面にのみ積層する場合が記載されている。図4においては、重合性組成物層(a´)の、重合性組成物層(b´)に積層しない側に、カバーフィルム(C)が設けられている。また、図4においては、重合性組成物層(b´)は基材フィルム(D)上に設けられている。
重合性組成物層(a´)中の重合性モノマー(m1)と、重合性組成物層(b´)中の重合性モノマー(m2)およびポリマー(p2)は、好ましくは、実質的に相溶性を示す。このことから、積層体(X)においては、重合性組成物層(a´)とモノマー吸収層(b´)は、無機基材(L)を介して相互に他の層内に、重合性モノマー(m1)の一部、重合性モノマー(m2)の一部が、それぞれ拡散することができる。ここで、重合性組成物層(a´)中の重合性モノマー(m1)の濃度(c1)が、重合性組成物層(b´)中の重合性モノマー(m2)の濃度(c2)よりも高い場合には、重合性モノマー(m1)の重合性組成物層(b´)への拡散が大きくなり、その分、重合性組成物層(b´)中のポリマー(p2)の重合性組成物層(a´)への拡散が大きくなる。一方、重合性組成物層(a´)中の層状無機系化合物(f)はモノマー吸収層(b)に実質的に吸収されない。このため、層状無機系化合物(f)が重合性組成物層(b´)とは反対側に偏って分布し、場合によってはさらに無機基材(L)の空隙部分にも分布して、層状無機系化合物(f)の偏在部(a11)と非偏在部(a12)とを有する偏在重合性組成物層(a1)が得られる。このとき、層状無機系化合物(f)の偏在部(a11)と非偏在部(a12)との間に無機基材(L)が存在する。この無機基材(L)の空隙部分には、重合性モノマー(m)や層状無機系化合物(f)が含まれ得る。重合性組成物層(b´)からはモノマー吸収層(b1)が形成される。
重合性組成物層(a´)中の重合性モノマー(m1)の濃度(c1)は、好ましくは、重合性組成物層(b´)中の重合性モノマー(m2)の濃度(c2)よりも高い。濃度(c1)と濃度(c2)との濃度差は、好ましくは15重量%以上であり、より好ましくは20重量%以上であり、さらに好ましくは30重量%以上である。濃度(c1)と濃度(c2)との濃度差を15重量%以上とすることによって、重合性組成物層(a´)中の層状無機系化合物(f)を効果的に偏在させることができる。なお、濃度(c2)が濃度(c1)より高いと、重合性組成物層(a´)中の層状無機系化合物(f)を十分に偏在させることができないおそれがある。
偏在重合性組成物層(a1)における層状無機系化合物(f)の偏在の現象は、無機基材(L)を介した、重合性組成物層(b´)からのポリマー(p2)の拡散によるものと推察される。重合性モノマー(m1)が無機基材(L)を介して重合性組成物層(b´)に拡散し、一方、ポリマー(p2)が無機基材(L)を介して重合性組成物層(a´)に拡散することによって、重合性組成物層(b´)の方向に拡散できない層状無機系化合物(f)が、重合性組成物層(a´)中に残存するような形で偏在していくものと推察される。モノマー吸収層(b´)は、重合性モノマー(m1)を吸収して、モノマー吸収層(b1)となる。
積層体(X)では、重合性組成物層(a´)および重合性組成物層(b´)は、相互に各成分の拡散が生じているため、偏在重合性組成物層(a1)の層状無機系化合物(f)の非偏在部(a12)とモノマー吸収層(b1)の界面は確認できないが(これらの複合箇所を図4ではab1として示している)、図4では、便宜上、該界面を破線で示している。
次いで、積層体(X)に、重合工程(2)を施すことにより、偏在重合性組成物層(a1)およびモノマー吸収層(b1)中の重合性モノマー(m1)および重合性モノマー(m2)を重合(さらに、無機基材(L)の空隙部分に重合性モノマー(m1)および/または重合性モノマー(m2)が含まれている場合には、該重合性モノマー(m1)および/または重合性モノマー(m2)も重合)して、上記偏在構造が維持されたまま硬化した偏在ポリマー層(a2)および硬化したモノマー吸収層(b2)が積層された積層体(Y)を得る。偏在ポリマー層(a2)では、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と無機基材(L)と層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)を有する。なお、モノマー吸収層(b1)には重合性モノマー(m1)および重合性モノマー(m2)が吸収されているため、重合工程(2)によって、モノマー吸収層(b1)は、上記重合性モノマー(m1)および重合性モノマー(m2)が硬化したモノマー吸収層(b2)になる。なお、積層体(Y)においては、偏在ポリマー層(a2)中の層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)と硬化したモノマー吸収層(b2)の界面は確認できないが(これらの複合箇所を図4ではab2として示している)、図4では、便宜上、該界面を破線で示している。
積層工程(1)の詳細、重合工程(2)の詳細については、製造方法(1)で説明したものと同様である。また、製造方法(1)で説明した加熱工程が含まれていても良い。製造方法(3)は、好ましくは、乾燥工程(3)を含む。乾燥工程(3)は重合工程(2)よりも後に行い得る。重合工程(2)よりも後に乾燥工程(3)を設けることによって、積層体(Y)中の残存臭気成分を除去できるので、高難燃ポリマー部材からのアウトガスを低減できる。乾燥工程(3)の乾燥温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは70〜180℃であり、さらに好ましくは80〜160℃であり、特に好ましくは90〜140℃である。乾燥工程(3)の乾燥温度を上記範囲内に設定することにより、アウトガス低減効果がより一層発現できる。乾燥工程(3)の乾燥時間は、好ましくは1分〜3時間であり、より好ましくは1.5分〜2時間であり、さらに好ましくは2分〜1時間であり、特に好ましくは3分〜30分である。乾燥工程(3)の乾燥時間を上記範囲内に設定することにより、アウトガス低減効果がより一層発現できる。
≪3.高難燃ポリマー部材の形態≫
高難燃ポリマー部材の形態としては、任意の適切な形態を採用し得る。高難燃ポリマー部材の形態としては、例えば、シート状やテープ状が挙げられる。高難燃ポリマー部材の形態がシート状の場合は、難燃シートとして用い得る。高難燃ポリマー部材は、シート状やテープ状のものがロール状に巻回された形態を有していてもよい。また、高難燃ポリマー部材は、シート状やテープ状のものが積層された形態を有していてもよい。
高難燃ポリマー部材の形態としては、任意の適切な形態を採用し得る。高難燃ポリマー部材の形態としては、例えば、シート状やテープ状が挙げられる。高難燃ポリマー部材の形態がシート状の場合は、難燃シートとして用い得る。高難燃ポリマー部材は、シート状やテープ状のものがロール状に巻回された形態を有していてもよい。また、高難燃ポリマー部材は、シート状やテープ状のものが積層された形態を有していてもよい。
高難燃ポリマー部材の最外層を粘着剤層とした場合には、高難燃ポリマー部材を粘着テープまたは粘着シートとして用いることができる。なお、「テープ」と「シート」を総称して単に「テープ」あるいは「シート」と称する場合がある。
高難燃ポリマー部材に、任意の適切な粘着剤層(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤など)から形成される粘着剤層をさらに設けることによっても、本発明の高難燃ポリマー部材を粘着テープまたは粘着シートとして用いることができる。
本発明の高難燃ポリマー部材において、難燃層(A)の表面は、カバーフィルムで保護されていてもよい。本発明の高難燃ポリマー部材を使用する際にカバーフィルムは剥がされ得る。
本発明の高難燃ポリマー部材は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。このような他の層としては、例えば、耐環境機能層として、光触媒層、防汚層、調湿層、防湿層、耐水層、撥水層、親水層、撥油層などを有していても良い。また、このような他の層としては、衛生機能層として、例えば、抗菌層、抗カビ層、消臭層などを有していても良い。また、このような他の層としては、例えば、物理的機能層として、例えば、導電層、耐指紋層、ハードコート層、インク吸収層、無機粒子含有層、反射防止層、光選択透過層などを有していても良い。また、このような他の層としては、例えば、化学的機能層として、例えば、耐アルカリ性層、耐酸性層、耐溶剤性層などを有していても良い。また、このような他の層としては、例えば、熱機能層として、例えば、遮熱層、熱伝導層、断熱層などを有していても良い。
<3−1.耐環境機能層>
耐環境機能層としては、耐環境機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような耐環境機能層としては、好ましくは、光触媒層、防汚層、調湿層、防湿層、耐水層、撥水層、親水層、撥油層などが挙げられる。
耐環境機能層としては、耐環境機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような耐環境機能層としては、好ましくは、光触媒層、防汚層、調湿層、防湿層、耐水層、撥水層、親水層、撥油層などが挙げられる。
耐環境機能層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。耐環境機能層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、十分な耐環境機能性を発現することができる。
〔3−1−1.光触媒層〕
光触媒層は、光触媒を含む。光触媒の形態は、どのような形態であっても良いが、光触媒性能が十分に発現できる点で、光触媒粒子が好ましい。
光触媒層は、光触媒を含む。光触媒の形態は、どのような形態であっても良いが、光触媒性能が十分に発現できる点で、光触媒粒子が好ましい。
光触媒層は、光触媒のみから形成される層であっても良いし、光触媒および光触媒以外の任意の適切な成分から形成される層であっても良い。光触媒以外の任意の適切な成分としては、例えば、無機バインダー、分散安定剤などの添加剤、などが挙げられる。
光触媒粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物が挙げられる。また、これらの金属酸化物にFe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、Pt、Au等の金属を付加したものも挙げられる。中でも、酸化チタンが、無害で化学的に安定しており、安価であるため好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルックライト型酸化チタンのいずれも使用できるが、光触媒反応の高活性なアナターゼ型酸化チタンを主成分とするものが好ましい。
光触媒粒子の平均粒子径は、好ましくは0.005〜0.1μmであり、より好ましくは0.01〜0.1μmである。光触媒粒子の平均粒子径が上記範囲内にあれば、光触媒層(L)の透明性を確保でき、かつ光触媒活性を高活性に保持することができる。
光触媒層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
光触媒層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。光触媒層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、十分な光触媒活性を発現することができる。
無機バインダーは、光触媒粒子の密着を高め、光触媒による層の強度を向上させる。無機バインダーとしては、バインダーとして機能するものであれば、任意の適切な無機化合物を採用し得る。無機バインダーとしては、好ましくは、シリカ化合物が挙げられる。シリカ化合物としては、4、3、2官能のアルコキシシラン、およびこれらアルコキシシランの縮合物、加水分解物、シリコーンワニス等が使用できる。3、2官能のアルコキシシランは、一般的にはシランカップリング剤と呼ばれることがある。具体的には、4官能アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、3官能のアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドプロポキシトリメトキシシラン、グリシロプロピルメチルジエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2官能のアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。アルコキシシランの縮合物としては、例えば、エチルシリケート40、エチルシリケート48、メチルシリケート51等の4官能アルコキシシランの縮合物が挙げられる。アルコキシシランの加水分解物としては、例えば、アルコキシシランを有機溶媒と水および触媒を使用して加水分解させたものが挙げられる。これらのシリカ化合物の中でも、特に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルシリケート40、エチルシリケート48、メチルシリケート51、それらの加水分解生成物であるアルコール性シリカゾルは、光触媒を強固に固定でき、かつ比較的安価であることから、特に好ましい。
〔3−1−2.防汚層〕
防汚層としては、防汚効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
防汚層としては、防汚効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
防汚層としては、好ましくは、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む層が挙げられる。
フッ素系樹脂としては、例えば、特開平09−258003中に示される含フッ素シラン化合物(一般式(1))が挙げられる。フッ素系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
一般式(1)中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、好ましくは、CF3−、C2F5−、C3F7−が挙げられる。Xはヨウ素または水素である。Yは水素または低級アルキル基である。R1は加水分解可能な基であり、好ましくは、ハロゲン、−OR3、−OCOR3、−OC(R3)=C(R4)2、−ON=C(R3)2、−ON=CR5が挙げられる(ただし、R3は脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、R4は水素または低級脂肪族炭化水素基、R5は炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基である)。R1としては、より好ましくは、塩素、−OCH3、−OC2H5が挙げられる。R2は水素または不活性な一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜4の一価の炭化水素基が挙げられる。a、b、c、dは0〜200の整数であり、好ましくは1〜50である。eは0または1である。mおよびnは0〜2の整数であり、好ましくは0である。pは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。
一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の分子量は、好ましくは5×102〜1×105であり、より好ましくは5×102〜1×104である。
一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の好ましい構造としては、一般式(2)で示されるものが挙げられる。一般式(2)中、qは1〜50の整数であり、rは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、その他の記号は一般式(1)で説明したものと同様である。
シリコーン系樹脂としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイルまたはシリコーンワニス、特開平09−111185に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。シリコーン系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
防汚層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。防汚層に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
防汚層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
防汚層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。防汚層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた防汚性を発現することができる。
〔3−1−3.調湿層〕
調湿層としては、調湿効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
調湿層としては、調湿効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
調湿層は、好ましくは、多孔性物質を含む。調湿層中の多孔性物質の含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは70〜100重量%であり、さらに好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは95〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記多孔性物質としては、任意の適切な多孔性物質を採用し得る。このような多孔性物質としては、無機酸化物、複合無機酸化物、多孔性炭素などが挙げられる。このような多孔性物質としては、具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ複合酸化物、ゼオライト、活性炭から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
調湿層中の多孔性物質は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
調湿層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。調湿層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
調湿層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
調湿層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。調湿層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた調湿性を発現することができる。
〔3−1−4.防湿層〕
防湿層としては、防湿効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
防湿層としては、防湿効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
防湿層は、好ましくは、防湿効果を有する樹脂を含む。具体的には、防湿層は、好ましくは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。防湿層中の、ポリ塩化ビニリデン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは70〜100重量%であり、さらに好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは95〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂としては、ポリ塩化ビニリデン由来の構成単位を有する樹脂であれば、任意の適切なポリ塩化ビニリデン系樹脂を採用し得る。このようなポリ塩化ビニリデン系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンの変性体、塩化ビニリデンと他の共重合性モノマーとの共重合体などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン由来の構成単位を有する樹脂であれば、任意の適切なポリオレフィン系樹脂を採用し得る。このようなポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエチレン、エチレンと他の共重合性モノマーとの共重合体、ポリプロピレン、プロピレンと他の共重合性モノマーとの共重合体などが挙げられる。
防湿層中の防湿効果を有する樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
防湿層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。防湿層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
防湿層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
防湿層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。防湿層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた防湿性を発現することができる。
防湿層は、任意の適切な防湿塗料から形成される層であっても良い。
〔3−1−5.耐水層〕
耐水層としては、耐水効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐水層としては、耐水効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐水層は、好ましくは、耐水性樹脂を含む。耐水層中の耐水性樹脂の含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは70〜100重量%であり、さらに好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは95〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記耐水性樹脂としては、任意の適切な耐水性樹脂を採用し得る。このような耐水性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
エポキシ系樹脂としては、例えば、エポキシ基含有モノマー中またはエポキシ基含有プレポリマー中に存在するエポキシ基を、硬化剤(光重合開始剤や熱重合開始剤など)によって架橋させて得られる、架橋樹脂が挙げられる。エポキシ系樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
フェノール系樹脂としては、例えば、フェノール類(フェノールやクレゾールなど)とホルムアルデヒドを原料として触媒存在下にて合成される硬化樹脂が挙げられる。フェノール系樹脂としては、具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。
シリコーン系樹脂としては、例えば、シロキサン結合を有する主骨格を持つ樹脂が挙げられる。シリコーン系樹脂としては、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイル、シリコーンワニス、特開平9−111185号公報に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。
フッ素系樹脂としては、例えば、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる樹脂が挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
耐水層中の耐水性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
耐水層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐水層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐水層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
耐水層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。耐水層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた耐水性を発現することができ、水分に曝されても表面が劣化し難い。
〔3−1−6.撥水層〕
撥水層としては、撥水効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
撥水層としては、撥水効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
撥水層は、好ましくは、撥水性化合物を含む。撥水層中の撥水性化合物の含有割合は、好ましくは1〜100重量%であり、より好ましくは2〜100重量%であり、さらに好ましくは3〜100重量%である。
上記撥水性化合物としては、任意の適切な撥水性化合物を採用し得る。このような撥水性化合物としては、例えば、シリコーン系化合物、フッ素系化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
シリコーン系化合物としては、撥水剤として用い得るシリコーン系化合物が挙げられる。このようなシリコーン系化合物としては、例えば、シロキサン結合を有する主骨格を持つ樹脂が挙げられる。シリコーン系化合物としては、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイル、シリコーンワニス、特開平9−111185号公報に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。
フッ素系化合物としては、撥水剤として用い得るフッ素系化合物が挙げられる。このようなフッ素系化合物としては、例えば、フッ素含有鎖を有する化合物、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる樹脂が挙げられる。フッ素系化合物としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
撥水層中の撥水性化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
撥水層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。撥水層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
撥水層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
撥水層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。撥水層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた撥水性を発現することができ、表面が汚染物で汚れた場合に、水で容易に該汚染物を除去できる。
〔3−1−7.親水層〕
親水層としては、親水効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
親水層としては、親水効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
親水層は、好ましくは、親水性無機化合物および親水性樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。親水性無機化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。親水性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
親水層が親水性無機化合物を含む場合、親水層中の親水性無機化合物の含有割合は、好ましくは1〜100重量%であり、より好ましくは2〜100重量%であり、さらに好ましくは3〜100重量%である。
親水層が親水性樹脂を含む場合、親水層中の親水性樹脂の含有割合は、好ましくは1〜100重量%であり、より好ましくは2〜100重量%であり、さらに好ましくは3〜100重量%である。
上記親水性無機化合物としては、任意の適切な親水性無機化合物を採用し得る。このような親水性化合物としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
上記親水性樹脂としては、任意の適切な親水性樹脂を採用し得る。このような親水性樹脂としては、例えば、アミノ基、アンモニウム基、ピリジル基、イミノ基、ベタイン構造等のカチオン性基含有ビニルモノマーから得られるカチオン性ポリマー;ヒドロキシ基、アミド基、エステル基、エーテル基等の親水性の非イオン性基含有ビニルモノマーから得られる非イオン性ポリマー;カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性基含有ビニルモノマーから得られるアニオン性ポリマー;から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
カチオン性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ(t−ブチル)アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジ(t−ブチル)アミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミド;ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等の炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有するスチレン;2−または4−ビニルピリジン等のビニルピリジン;N−ビニルイミダゾール等のN−ビニル複素環化合物類;アミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニル等のビニルエーテル類;これらのアミノ基を有するモノマーの酸中和物またはこれらのアミノ基を有するモノマーをハロゲン化アルキル(炭素数1〜22)、ハロゲン化ベンジル、アルキル(炭素数1〜18)もしくはアリール(炭素数6〜24)スルホン酸または硫酸ジアルキル(総炭素数2〜8)等により4級化したもの;ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル型4級アンモニウム塩;N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−カルボキシメチル)−N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等のベタイン構造を有するビニルモノマー;などのモノマーが挙げられる。
非イオン性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ビニルアルコール;N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミド;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコールの重合度が1〜30)等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のジアルキル(総炭素数2〜8)(メタ)アクリルアミド;ジアセトン(メタ)アクリルアミド;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミド;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル;N−(メタ)アクロイルモルホリン等の環状アミド基を有する(メタ)アクリルアミド;などが挙げられる。
アニオン性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性の不飽和基を有するカルボン酸モノマーおよび/またはその酸無水物(1つのモノマー中に2つ以上のカルボキシル基を有する場合);スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸等の重合性の不飽和基を有するスルホン酸モノマー;ビニルホスホン酸;(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜4)リン酸等の重合性の不飽和基を有するリン酸モノマー;などが挙げられる。
親水層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。親水層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
親水層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
親水層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。親水層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた親水性を発現することができ、表面が汚染物で汚れた場合に、容易に該汚染物を洗浄できる。
〔3−1−8.撥油層〕
撥油層としては、撥油効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
撥油層としては、撥油効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
撥油層は、好ましくは、撥油性化合物を含む。撥油層中の撥油性化合物の含有割合は、好ましくは1〜100重量%であり、より好ましくは2〜100重量%であり、さらに好ましくは3〜100重量%である。
上記撥油性化合物としては、任意の適切な撥油性化合物を採用し得る。このような撥油性化合物としては、例えば、フッ素系樹脂、フッ素含有シラン化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
フッ素系樹脂としては、撥油剤として用い得るフッ素系樹脂が挙げられる。このようなフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
フッ素含有シラン化合物としては、撥油剤として用い得るフッ素含有シラン化合物が挙げられる。このようなフッ素含有シラン化合物としては、例えば、一般式(1)で表されるような、特開平09−258003に示される含フッ素シラン化合物が挙げられる。一般式(1)中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、好ましくは、CF3−、C2F5−、C3F7−が挙げられる。Xはヨウ素または水素である。Yは水素または低級アルキル基である。R1は加水分解可能な基であり、好ましくは、ハロゲン、−OR3、−OCOR3、−OC(R3)=C(R4)2、−ON=C(R3)2、−ON=CR5が挙げられる(ただし、R3は脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、R4は水素または低級脂肪族炭化水素基、R5は炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基である)。R1としては、より好ましくは、塩素、−OCH3、−OC2H5が挙げられる。R2は水素または不活性な一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜4の一価の炭化水素基が挙げられる。a、b、c、dは0〜200の整数であり、好ましくは1〜50である。eは0または1である。mおよびnは0〜2の整数であり、好ましくは0である。pは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の分子量は、好ましくは5×102〜1×105であり、より好ましくは5×102〜1×104である。一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の好ましい構造としては、一般式(2)で示されるものが挙げられる。一般式(2)中、qは1〜50の整数であり、rは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、その他の記号は一般式(1)で説明したものと同様である。
撥油層中の撥油性化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
撥油層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。撥油層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
撥油層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
撥油層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。撥油層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた撥油性を発現することができ、表面が油性汚染物で汚れた場合に、容易に該油性汚染物を除去できる。
<3−2.衛生機能層>
衛生機能層としては、衛生機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような衛生機能層としては、好ましくは、抗菌層、抗カビ層、消臭層などが挙げられる。
衛生機能層としては、衛生機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような衛生機能層としては、好ましくは、抗菌層、抗カビ層、消臭層などが挙げられる。
衛生機能層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。衛生機能層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、十分な衛生機能性を発現することができる。
〔3−2−1.抗菌層〕
抗菌層としては、抗菌効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
抗菌層としては、抗菌効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
抗菌層は、好ましくは、抗菌剤を含む。抗菌剤としては、任意の適切な抗菌剤を採用し得る。抗菌層中の抗菌剤の含有割合は、好ましくは0.05〜20重量%であり、より好ましくは0.1〜15重量%であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。抗菌層中の抗菌剤の含有割合が上記範囲内に収まれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた抗菌性を発現することができる。
抗菌剤としては、好ましくは、無機粉末に金属成分が担持されたものである。金属成分の担持量は、抗菌剤中の含有割合として、好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは0.5〜20重量%であり、さらに好ましくは1〜10重量%である。金属成分の担持量が上記範囲内に収まれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた抗菌性を発現することができる。
無機粉末としては、任意の適切な無機粉末を採用し得る。無機粉末としては、好ましくは、ゼオライト、シリカゲル、酸化チタン、酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である。
金属成分としては、任意の適切な金属成分を採用し得る。金属成分としては、好ましくは、銀、銅、亜鉛、錫、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる少なくとも1種である。
抗菌層は、より好ましくは、抗菌剤を含む樹脂組成物である。このような樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ケイ素系樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフッ化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、塩化ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、エチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の樹脂;天然ゴム、イソプレン系ゴム、アクリロニトリル系ゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブチル系ゴム、スチレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、クロルヒドリン系ゴム、ポリオレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、フロロシリコーン系ゴム等のエラストマーやゴム;などが挙げられる。
抗菌層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。抗菌層に含有され得る添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
抗菌層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
抗菌層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。抗菌層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた抗菌性を発現することができる。
〔3−2−2.抗カビ層〕
抗カビ層としては、抗カビ効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
抗カビ層としては、抗カビ効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
抗カビ層は、好ましくは、抗カビ剤を含む。抗カビ剤としては、任意の適切な抗カビ剤を採用し得る。抗カビ層中の抗カビ剤の含有割合は、好ましくは0.05〜20重量%であり、より好ましくは0.1〜15重量%であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。抗カビ層中の抗カビ剤の含有割合が上記範囲内に収まれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた抗カビ性を発現することができる。
抗カビ剤は、好ましくは、有機系抗カビ剤、無機系抗カビ剤から選ばれる少なくとも1種である。
有機系抗カビ剤としては、任意の適切な有機系抗カビ剤を採用し得る。有機系抗カビ剤としては、好ましくは、チオカルバメート系化合物、ジチオカルバメート系化合物、アリルアミン系化合物、イミダゾール系化合物、トリアゾール系化合物、チアゾロン系化合物、トロポロン系化合物、有機酸系化合物から選ばれる少なくとも1種である。チオカルバメート系化合物やジチオカルバメート系化合物としては、例えば、トルナフテート、トルシクラート、ザーラム(テトラメチルチウラムジスルフィド)、ファーバム、ジラム、ジネブ、マンネブ、ポリカルバメートなどが挙げられる。アリルアミン系化合物としては、例えば、ブテナフィンなどが挙げられる。イミダゾール系化合物としては、例えば、置換基を有するイミダゾール化合物(例えば、チアゾリル基を有するベンズイミダゾール、チアゾリニル基を有するベンズイミダゾール、チアジアゾリニル基を有するベンズイミダゾールなど)、クロトリマゾール、エコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、ビホナゾール、スルコナゾール、クロコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、ケトコナゾールなどが挙げられる。トリアゾール系化合物としては、例えば、フルコナゾールなどが挙げられる。チアゾロン系化合物としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。トロポロン系化合物としては、例えば、ヒノキチオールなどが挙げられる。有機酸系化合物としては、例えば、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、プロピオン酸、芳香族カルボン酸(安息香酸、ピリドンカルボン酸系化合物など)などが挙げられる。
無機系抗カビ剤としては、任意の適切な無機系抗カビ剤を採用し得る。無機系抗カビ剤としては、好ましくは、金属イオンを無機化合物に担持させた金属イオン系抗カビ剤および光触媒から選ばれる少なくとも1種である。金属イオンとしては、例えば、銀、銅、亜鉛などが挙げられる。無機化合物としては、例えば、ゼオライト、シリカゲル等のケイ酸塩;アパタイト等のリン酸塩;などが挙げられる。
抗カビ層は、より好ましくは、抗カビ剤を含む樹脂組成物である。このような樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ケイ素系樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフッ化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、塩化ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、エチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の樹脂;天然ゴム、イソプレン系ゴム、アクリロニトリル系ゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブチル系ゴム、スチレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、クロルヒドリン系ゴム、ポリオレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、フロロシリコーン系ゴム等のエラストマーやゴム;などが挙げられる。
抗カビ層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。抗カビ層に含有され得る添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
抗カビ層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
抗カビ層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。抗カビ層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた抗カビ性を発現することができる。
〔3−2−3.消臭層〕
消臭層としては、消臭効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
消臭層としては、消臭効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
消臭層は、好ましくは、消臭剤を含む。消臭剤としては、任意の適切な消臭剤を採用し得る。消臭層中の消臭剤の含有割合は、好ましくは0.01〜20重量%であり、より好ましくは0.1〜15重量%であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。消臭層中の消臭剤の含有割合が上記範囲内に収まれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた消臭性を発現することができる。
消臭剤としては、好ましくは、無機粉末に金属成分が担持されたものである。金属成分の担持量は、消臭剤中の含有割合として、好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは0.5〜20重量%であり、さらに好ましくは1〜20重量%である。金属成分の担持量が上記範囲内に収まれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた消臭性を発現することができる。
無機粉末としては、任意の適切な無機粉末を採用し得る。無機粉末としては、好ましくは、ゼオライト、シリカゲル、酸化チタン、酸化アルミニウム、活性炭から選ばれる少なくとも1種である。
金属成分としては、任意の適切な金属成分を採用し得る。金属成分としては、好ましくは、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる少なくとも1種である。
消臭層は、樹脂を含んでいても良い。このような樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ケイ素系樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフッ化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、塩化ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、エチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の樹脂;天然ゴム、イソプレン系ゴム、アクリロニトリル系ゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブチル系ゴム、スチレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、クロルヒドリン系ゴム、ポリオレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、フロロシリコーン系ゴム等のエラストマーやゴム;などが挙げられる。
消臭層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。消臭層に含有され得る添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
消臭層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
消臭層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。消臭層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた消臭性を発現することができる。
<3−3.耐環境機能層または衛生機能層の作製>
耐環境機能層または衛生機能層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐環境機能層または衛生機能層は、好ましくは、前述した耐環境機能層や衛生機能層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した耐環境機能層や衛生機能層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な塗料を用いて、耐環境機能層や衛生機能層を形成しても良い。
耐環境機能層または衛生機能層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐環境機能層または衛生機能層は、好ましくは、前述した耐環境機能層や衛生機能層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した耐環境機能層や衛生機能層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な塗料を用いて、耐環境機能層や衛生機能層を形成しても良い。
耐環境機能層または衛生機能層の作製は、任意の適切なタイミングで行うことができる。
〔3−3−1.光触媒層の作製〕
光触媒層は、任意の適切な方法で作製することができる。光触媒層は、好ましくは、光触媒を含む光触媒コート液を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。光触媒コート液は、光触媒と任意の適切な溶媒とを混合して調製し得る。光触媒としては、光触媒粒子が好ましい。溶媒としては、例えば、有機溶媒、水が好ましい。溶媒としては、1種のみの溶媒を用いても良いし、2種以上の溶媒の混合溶媒を用いても良い。光触媒と溶媒とを混合する場合、該光触媒は、粉末状態で混合しても良いし、スラリー状あるいはゾル状で混合しても良い。
光触媒層は、任意の適切な方法で作製することができる。光触媒層は、好ましくは、光触媒を含む光触媒コート液を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。光触媒コート液は、光触媒と任意の適切な溶媒とを混合して調製し得る。光触媒としては、光触媒粒子が好ましい。溶媒としては、例えば、有機溶媒、水が好ましい。溶媒としては、1種のみの溶媒を用いても良いし、2種以上の溶媒の混合溶媒を用いても良い。光触媒と溶媒とを混合する場合、該光触媒は、粉末状態で混合しても良いし、スラリー状あるいはゾル状で混合しても良い。
光触媒粒子を用いる場合、該光触媒粒子の凝集による粒子径の変化および沈降を防ぐため、光触媒コート液中に分散安定剤を共存させても良い。分散安定剤は、光触媒粒子の調製時から共存させても良いし、光触媒コート液を調製する際に添加しても良い。
分散安定剤としては、任意の適切な分散安定剤を用い得る。例えば、酸化チタンは中性付近では凝集しやすいので、酸性またはアルカリ性の分散安定剤が好ましい。
酸性の分散安定剤としては、例えば、硝酸、塩酸等の鉱酸;酢酸、シュウ酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などのカルボン酸;オキシカルボン酸;ポリカルボン酸;などが挙げられる。アルカリ性の分散安定剤としては、カルボン酸、ポリカルボン酸などのアルカリ金属塩;アンモニア;1〜4級のアミン類;アミンにヒドロキシ基を付加したアルカノールアミン;などが挙げられる。
光触媒コート液は、無機バインダーを含んでいても良い。無機バインダーは、光触媒粒子の密着を高め、光触媒による層の強度を向上させる。無機バインダーとしては、バインダーとして機能するものであれば、任意の適切な無機化合物を採用し得る。
光触媒コート液は、目的や必要性に応じて、任意の適切な他の添加剤を含んでいても良い。このような他の添加剤としては、例えば、増粘剤などが挙げられる。増粘剤としては、例えば、水溶性高分子などが挙げられる。
光触媒コート液中の光触媒の含有割合やその他の成分(無機バインダーなど)の含有割合は、得られる光触媒層が光触媒性能を発現できる限り、任意の適切な含有割合を採用し得る。
光触媒コート液を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
光触媒を含む光触媒コート液を塗布した後、塗布物に対して必要に応じて乾燥を行うことができる。乾燥のための加熱温度は、好ましくは、80〜180℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
乾燥を行った後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
〔3−3−2.防汚層の作製〕
防汚層は、任意の適切な方法で作製することができる。防汚層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
防汚層は、任意の適切な方法で作製することができる。防汚層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
防汚層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
防汚層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
〔3−3−3.調湿層の作製〕
調湿層は、任意の適切な方法で作製することができる。調湿層は、例えば、多孔性物質を必須に含む調湿塗料を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。調湿塗料を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。調湿塗料の塗布により難燃層(A)上に調湿層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に調湿塗料を塗布して調湿層を形成する方法、任意の適切な基材上に調湿塗料を塗布して形成した調湿層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
調湿層は、任意の適切な方法で作製することができる。調湿層は、例えば、多孔性物質を必須に含む調湿塗料を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。調湿塗料を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。調湿塗料の塗布により難燃層(A)上に調湿層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に調湿塗料を塗布して調湿層を形成する方法、任意の適切な基材上に調湿塗料を塗布して形成した調湿層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
調湿塗料を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
調湿塗料を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
〔3−3−4.防湿層の作製〕
防湿層は、任意の適切な方法で作製することができる。防湿層は、例えば、防湿効果を有する樹脂を必須に含む防湿塗料を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。防湿塗料を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。防湿塗料の塗布により難燃層(A)上に防湿層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に防湿塗料を塗布して防湿層を形成する方法、任意の適切な基材上に防湿塗料を塗布して形成した防湿層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
防湿層は、任意の適切な方法で作製することができる。防湿層は、例えば、防湿効果を有する樹脂を必須に含む防湿塗料を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。防湿塗料を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。防湿塗料の塗布により難燃層(A)上に防湿層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に防湿塗料を塗布して防湿層を形成する方法、任意の適切な基材上に防湿塗料を塗布して形成した防湿層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
防湿塗料を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
防湿塗料を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
〔3−3−5.耐水層の作製〕
耐水層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐水層は、例えば、耐水性樹脂を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該耐水性樹脂を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な耐水塗料を用いて、耐水層を形成しても良い。
耐水層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐水層は、例えば、耐水性樹脂を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該耐水性樹脂を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な耐水塗料を用いて、耐水層を形成しても良い。
〔3−3−6.撥水層の作製〕
撥水層は、任意の適切な方法で作製することができる。撥水層は、例えば、撥水性化合物を含む撥水層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該撥水性化合物を含む撥水層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な撥水塗料を用いて、撥水層を形成しても良い。
撥水層は、任意の適切な方法で作製することができる。撥水層は、例えば、撥水性化合物を含む撥水層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該撥水性化合物を含む撥水層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な撥水塗料を用いて、撥水層を形成しても良い。
〔3−3−7.親水層の作製〕
親水層は、任意の適切な方法で作製することができる。親水層は、例えば、親水性無機化合物および/または親水性樹脂を含む親水層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該親水性無機化合物および/または親水性樹脂を含む親水層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な親水塗料を用いて、親水層を形成しても良い。
親水層は、任意の適切な方法で作製することができる。親水層は、例えば、親水性無機化合物および/または親水性樹脂を含む親水層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該親水性無機化合物および/または親水性樹脂を含む親水層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な親水塗料を用いて、親水層を形成しても良い。
〔3−3−8.撥油層の作製〕
撥油層は、任意の適切な方法で作製することができる。撥油層は、例えば、撥油性化合物を含む撥油層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該撥油性化合物を含む撥油層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な撥油塗料を用いて、撥油層を形成しても良い。
撥油層は、任意の適切な方法で作製することができる。撥油層は、例えば、撥油性化合物を含む撥油層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該撥油性化合物を含む撥油層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な撥油塗料を用いて、撥油層を形成しても良い。
〔3−3−9.抗菌層の作製〕
抗菌層は、任意の適切な方法で作製することができる。抗菌層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、抗菌剤を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
抗菌層は、任意の適切な方法で作製することができる。抗菌層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、抗菌剤を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、室温〜150℃であり、より好ましくは40〜100℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
抗菌層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
抗菌層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
〔3−3−10.抗カビ層の作製〕
抗カビ層は、任意の適切な方法で作製することができる。抗カビ層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、抗カビ剤を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
抗カビ層は、任意の適切な方法で作製することができる。抗カビ層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、抗カビ剤を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、室温〜150℃であり、より好ましくは40〜100℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
抗カビ層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
抗カビ層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
〔3−3−11.消臭層の作製〕
消臭層は、任意の適切な方法で作製することができる。消臭層の作製方法としては、例えば、消臭層の材料を難燃層(A)上にコーティングして形成する方法、消臭層の材料を難燃層(A)上に蒸着(例えば、真空蒸着)して形成する方法などが挙げられる。また、消臭層を難燃層(A)とラミネートして、難燃層(A)上に消臭層を形成しても良い。さらに、消臭層を任意の適切な基材上に形成した後に難燃層(A)上に転写することによって、難燃層(A)上に消臭層を形成しても良い。
消臭層は、任意の適切な方法で作製することができる。消臭層の作製方法としては、例えば、消臭層の材料を難燃層(A)上にコーティングして形成する方法、消臭層の材料を難燃層(A)上に蒸着(例えば、真空蒸着)して形成する方法などが挙げられる。また、消臭層を難燃層(A)とラミネートして、難燃層(A)上に消臭層を形成しても良い。さらに、消臭層を任意の適切な基材上に形成した後に難燃層(A)上に転写することによって、難燃層(A)上に消臭層を形成しても良い。
<3−4.物理的機能層>
物理的機能層としては、物理的機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような物理的機能層としては、好ましくは、導電層、耐指紋層、ハードコート層、インク吸収層、無機粒子含有層、反射防止層、光選択透過層などが挙げられる。
物理的機能層としては、物理的機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような物理的機能層としては、好ましくは、導電層、耐指紋層、ハードコート層、インク吸収層、無機粒子含有層、反射防止層、光選択透過層などが挙げられる。
物理的機能層の厚みは、好ましくは0.005〜100μmであり、より好ましくは0.01〜100μmであり、さらに好ましくは0.1〜100μmであり、特に好ましくは1〜100μmである。物理的機能層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、十分な物理的機能性を発現することができる。
〔3−4−1.導電層〕
導電層は、導電性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。
導電層は、導電性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。
導電層は、1層のみからなるものでも良いし、2層以上からなるものでも良い。
導電層は、好ましくは導電性物質を含有する。導電性物質としては、導電性を発現できる物質であれば、任意の適切な導電性物質を採用し得る。導電性物質は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。導電性物質としては、例えば、導電性金属、導電性金属酸化物、導電性複合金属化合物、導電性ポリマーが挙げられる。
導電性金属としては、任意の適切な導電性金属を採用し得る。導電性金属としては、例えば、カーボンブラック、銀、銅、ニッケルなどが挙げられる。
導電性金属酸化物としては、任意の適切な導電性金属酸化物を採用し得る。導電性金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタンなどが挙げられる。
導電性複合金属化合物としては、任意の適切な導電性複合金属化合物を採用し得る。導電性複合金属化合物としては、例えば、導電性金属酸化物にスズ、アンチモン、アルミニウム、ガリウムなどをドープした化合物(例えば、スズ含有酸化インジウム粒子(ITO)、アンチモン含有酸化スズ粒子(ATO)、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(AZO)、ガリウム含有酸化亜鉛粒子(GZO)など);ITOをアルミニウム置換した化合物;ガラスビーズ、マイカ、針状酸化チタンなどに金属や金属酸化物をコーティングした化合物;などが挙げられる。
導電性ポリマーとしては、任意の適切な導電性ポリマーを採用し得る。導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどが挙げられる。
導電性物質が粒子状の場合、その平均粒子径は、好ましくは0.005〜0.5μmであり、より好ましくは0.01〜0.5μmである。導電性物質が粒子状の場合、その平均粒子径が上記範囲内にあれば、導電層の導電性を高いレベルで発現することができる。
導電層は、任意の適切な添加剤を含有し得る。このような添加剤としては、例えば、可塑剤、充填材、滑剤、熱安定剤、防曇剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、樹脂、溶剤等が挙げられる。
導電層は、任意の適切な形態を採り得る。このような形態としては、例えば、塗工層、シート層などが挙げられる。
導電層が塗工層の場合、該導電層は、任意の適切な導電性液体を塗工することによって形成され得る。導電層がシート層の場合、該導電層としては、例えば、導電性物質を含有するシート層が挙げられる。このようなシート層は、任意の適切な成形方法によって形成し得る。
導電層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。導電層(L)の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、十分な導電性を発現することができる。
〔3−4−2.耐指紋層〕
耐指紋層としては、本発明の効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。好ましくは、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む層である。
耐指紋層としては、本発明の効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。好ましくは、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む層である。
フッ素系樹脂としては、例えば、特開平09−258003中に示される含フッ素シラン化合物(一般式(1))が挙げられる。フッ素系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
一般式(1)中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、好ましくは、CF3−、C2F5−、C3F7−が挙げられる。Xはヨウ素または水素である。Yは水素または低級アルキル基である。R1は加水分解可能な基であり、好ましくは、ハロゲン、−OR3、−OCOR3、−OC(R3)=C(R4)2、−ON=C(R3)2、−ON=CR5が挙げられる(ただし、R3は脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、R4は水素または低級脂肪族炭化水素基、R5は炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基である)。R1としては、より好ましくは、塩素、−OCH3、−OC2H5が挙げられる。R2は水素または不活性な一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜4の一価の炭化水素基が挙げられる。a、b、c、dは0〜200の整数であり、好ましくは1〜50である。eは0または1である。mおよびnは0〜2の整数であり、好ましくは0である。pは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。
一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の分子量は、好ましくは5×102〜1×105であり、より好ましくは5×102〜1×104である。
一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の好ましい構造としては、一般式(2)で示されるものが挙げられる。一般式(2)中、qは1〜50の整数であり、rは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、その他の記号は一般式(1)で説明したものと同様である。
シリコーン系樹脂としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイルまたはシリコーンワニス、特開平09−111185に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。シリコーン系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ウレタン系樹脂としては、例えば、特開2010−248426に示されるウレタン(メタ)アクリレート、活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物を反応させた多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。ウレタン系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物を反応させた多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物における活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール類;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のメチロール類;ビスフェノールAジエポキシアクリレート等のエポキシアクリレート類;等を挙げることができる。このような活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、好ましくは、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられる。これらの活性水素を有する多官能(メタ)アクリレートは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物を反応させた多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物におけるポリイソシアネート化合物としては、例えば、鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素(脂環式)、芳香族炭化水素を構成要素とするポリイソシアネート化合物が挙げられる。具体的には、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素(脂環式)ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;等が挙げられる。このようなポリイソシアネート化合物としては、好ましくは、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造に際し、活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物中の活性水素基1当量に対する、ポリイソシアネート化合物の使用量は、イソシアネート基当量として、好ましくは0.1〜50当量であり、より好ましくは0.1〜10当量である。反応温度は、好ましくは30〜150℃であり、より好ましくは50〜100℃である。反応の終点は残存イソシアネート量を過剰のn−ブチルアミンで反応させ、1N塩酸にて逆滴定する方法により算出し、残存ポリイソシアネート量が0.5重量%以下となった時点を終了とする。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造に際し、反応時間の短縮を目的として、触媒を添加してもよい。このような触媒としては、塩基性触媒、酸性触媒が挙げられる。塩基性触媒としては、例えば、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アンモニア等のアミン類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;等を挙げることができる。酸性触媒としては、例えば、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、トリチタニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等の金属アルコキシド類;塩化アルミニウム等のルイス酸類;2−エチルヘキサンスズ、オクチルスズトリラウリレート、ジブチルスズジラウリレート、オクチルスズジアセテート等のスズ化合物;等が挙げられる。触媒の添加量は、ポリイソシアネート100重量部に対して、好ましくは0.1〜1重量部である。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造に際し、反応中の(メタ)アクリレート化合物の重合を防止するために、重合禁止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン等)を使用することが好ましい。このような該重合禁止剤の使用量は、反応混合物に対して、好ましくは0.01〜1重量%であり、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。反応温度は、好ましくは60〜150℃であり、より好ましくは80〜120℃である。
耐指紋層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐指紋層に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐指紋層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
耐指紋層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。耐指紋層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた耐指紋性を発現することができる。
〔3−4−3.ハードコート層〕
ハードコート層としては、本発明の効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。好ましくは、紫外線硬化系ハードコート層、熱硬化系ハードコート層、有機無機ハイブリッド系ハードコート層から選ばれる少なくとも1種である。
ハードコート層としては、本発明の効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。好ましくは、紫外線硬化系ハードコート層、熱硬化系ハードコート層、有機無機ハイブリッド系ハードコート層から選ばれる少なくとも1種である。
紫外線硬化系ハードコート層は、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成し得る。熱硬化系ハードコート層は、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成し得る。有機無機ハイブリッド系ハードコート層は、有機無機ハイブリッド樹脂を含む樹脂組成物から形成し得る。
上記のような樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、オキセタン系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂が挙げられる。ハードコート層の形成にこのような樹脂を含む樹脂組成物を用いれば、優れた耐擦傷性能を有効に発現できるハードコート層を得ることができる。取扱性等の点から、特に好ましくは、アクリル系樹脂である。
上記アクリル系樹脂としては、単官能又は多官能の各種(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を有する樹脂であれば、任意の適切なアクリル系樹脂が採用され得る。上記単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ヘキシルジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシエチルセロソルブアクリレート等が挙げられる。多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、並びに、オリゴウレタン(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いて共重合体を形成してもよい。
上記樹脂組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。ハードコート層に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
ハードコート層の鉛筆硬度は、好ましくは2H〜8H、さらに好ましくは4H〜6Hである。ハードコート層の鉛筆硬度をこのような範囲とすることで、優れた耐擦傷性を有するハードコート層を得ることができる。
ハードコート層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
ハードコート層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。ハードコート層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた耐擦傷性を発現することができる。
〔3−4−4.インク吸収層〕
インク吸収層としては、印字効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
インク吸収層としては、印字効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
インク吸収層は、好ましくは、水溶性樹脂を含む。インク吸収層中の水溶性樹脂の含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは70〜100重量%であり、さらに好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは95〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記水溶性樹脂としては、任意の適切な水溶性樹脂を採用し得る。このような水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
インク吸収層中の水溶性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
インク吸収層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。インク吸収層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
インク吸収層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
インク吸収層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。インク吸収層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた印字性を発現することができる。
〔3−4−5.無機粒子含有層〕
無機粒子含有層としては、本発明の効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。無機粒子含有層は、好ましくは、ポリマー中に無機粒子を含有する層である。
無機粒子含有層としては、本発明の効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。無機粒子含有層は、好ましくは、ポリマー中に無機粒子を含有する層である。
無機粒子含有層に含まれるポリマーとしては、任意の適切なポリマーを採用し得る。例えば、上記難燃層(A)や上記ポリマー層(B)に含まれ得るポリマーとして例示した各種ポリマーと同様のものを例示することができる。
無機粒子含有層は無機粒子を含有する。無機粒子としては、任意の適切な無機粒子を採用し得る。このような無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、シリカ被覆粒子などが挙げられる。シリカ被覆粒子としては、表面がシリカで被覆された粒子であれば任意の適切な粒子を採用し得る。シリカ被覆粒子としては、例えば、表面がシリカで被覆された金属類が挙げられる。このような金属類としては、例えば、金属単体、金属酸化物、金属複合酸化物などが挙げられる。このような金属類としては、好ましくは金属酸化物であり、具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。無機粒子含有層中の無機粒子は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
無機粒子含有層中の無機粒子の平均粒子径の上限値は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは40nm以下であり、さらに好ましくは20nm以下であり、特に好ましくは15nm以下である。なお、無機粒子含有層中の無機粒子の平均粒子径の下限値は、好ましくは1nm以上であり、より好ましくは3nm以上であり、さらに好ましくは5nm以上である。無機粒子含有層中の無機粒子の平均粒子径が上記範囲内に収まれば、透明性に優れた無機粒子含有層を提供し得る。
無機粒子含有層中の無機粒子がシリカなどの親水性無機粒子の場合、無機粒子含有層の表面に油性物質が付着し難くなり、耐汚染性が向上し得る。
無機粒子含有層は、好ましくは、ポリマー中に無機粒子および必要に応じて任意の適切な添加剤を配合することによって得られる無機粒子含有層形成材料から作製し得る。より具体的には、無機粒子含有層の作製方法としては、例えば、上記無機粒子含有層形成材料を難燃層(A)上に塗工して形成する方法、上記無機粒子含有層形成材料から独立して無機粒子含有層を作製した後に難燃層(A)上に貼り合わせる方法、などが挙げられる。
無機粒子含有層形成材料を得るために配合する無機粒子の形態は、任意の適切な形態を採用し得る。このような無機粒子の形態としては、例えば、コロイド状、分散剤処理されたもの、カップリング処理されたもの、カプセル化されたもの、などが挙げられる。
無機粒子含有層中の無機粒子の、無機粒子含有層中のポリマーに対する含有割合は、好ましくは20〜90重量%であり、より好ましくは25〜80重量%であり、さらに好ましくは30〜70重量%であり、特に好ましくは35〜60重量%である。無機粒子含有層中の無機粒子の、無機粒子含有層中のポリマーに対する含有割合が20重量%未満の場合、非常に高い難燃性の発現が困難になるおそれがある。無機粒子含有層中の無機粒子の、無機粒子含有層中のポリマーに対する含有割合が90重量%を超えると、無機粒子含有層が脆いものとなるおそれがある。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
無機粒子含有層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
無機粒子含有層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。無機粒子含有層の厚みが上記範囲内にあれば、透明性、フレキシブル性を損なうことなく、非常に高い難燃性を発現することができる。
〔3−4−6.反射防止層〕
反射防止層としては、反射防止効果が得られる限り、公知の反射防止層など、任意の適切な層を採用し得る。
反射防止層としては、反射防止効果が得られる限り、公知の反射防止層など、任意の適切な層を採用し得る。
反射防止層は、1層のみからなる単層であっても良いし、2層以上からなる複数層であっても良い。
反射防止層の形成材料としては、例えば、紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂系材料;樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド系材料;テトラエトキシシラン、チタンテトラエトキシド等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル系材料;などが挙げられる。これらの形成材料は、表面の防汚染性付与のために、フッ素基を含有するものが好ましい。これらの形成材料は、耐擦傷性を向上させるために、無機成分含有量が多い形成材料が好ましい。このような無機成分含有量が多い形成材料としては、上記ゾル−ゲル系材料が挙げられる。ゾル−ゲル系材料は、部分縮合されていても良い。
耐擦傷性と低反射が両立できる反射防止層としては、例えば、エチレングリコール換算数平均分子量500〜10000の範囲のシロキサンオリゴマーと、ポリスチレン換算数平均分子量5000以上であって、フルオロアルキル構造およびポリシロキサン構造を有するフッ素化合物とを含有する材料(特開2004−167827号公報に記載の材料)から形成された反射防止層も挙げられる。
反射防止層の形成材料としては、無機ゾルも挙げられる。無機ゾルとしては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化マグネシウムなどが挙げられる。
反射防止層の形成材料には、中空で球状の酸化ケイ素微粒子が含有されていても良い。このような中空で球状の酸化ケイ素微粒子としては、例えば、特開2001−233611号公報に開示されたシリカ系微粒子が挙げられる。
反射防止層を形成する際の乾燥および硬化の温度としては、任意の適切な温度を採用し得る。
反射防止層の形成には、例えば、ウェット方式であるファンテンコート、ダイコート、スピンコート、スプレーコート、グラビアコート、ロールコート、バーコート等の塗工法、真空蒸着などを採用し得る。
反射防止層が2層以上からなる複数層の場合、例えば、屈折率の高い酸化チタン層(屈折率:約1.8)の上に屈折率の低い酸化ケイ素層(屈折率:約1.45)を積層した二層構造のものが好ましい。
反射防止層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。反射防止層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
反射防止層の厚みは、好ましくは0.005〜30μmであり、より好ましくは0.01〜25μmであり、さらに好ましくは0.01〜20μmである。反射防止層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた反射防止性を発現することができる。
〔3−4−7.光選択透過層〕
光選択透過層としては、光選択透過効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。光選択透過層は、好ましくは、金属薄膜、誘電体薄膜から選ばれる少なくとも1種である。金属薄膜の金属材料としては、任意の適切な金属材料を採用し得る。誘電体薄膜の誘電体材料としては、任意の適切な誘電体材料を採用し得る。
光選択透過層としては、光選択透過効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。光選択透過層は、好ましくは、金属薄膜、誘電体薄膜から選ばれる少なくとも1種である。金属薄膜の金属材料としては、任意の適切な金属材料を採用し得る。誘電体薄膜の誘電体材料としては、任意の適切な誘電体材料を採用し得る。
光選択透過層としては、誘電体層Aと、誘電体層Aが有する屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体層Bとを交互に積層した誘電体多層膜が好適である。
誘電体層Aを構成する材料としては、好ましくは、屈折率の範囲が1.6以下の材料を選択することができ、より好ましくは、屈折率の範囲が1.2〜1.6の材料を選択することができる。このような材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。これらの材料は、1種のみでも良いし、2種以上でも良い。
誘電体層Bを構成する材料としては、好ましくは、屈折率の範囲が1.7以上の材料を選択することができ、より好ましくは、屈折率の範囲が1.7〜2.5の材料を選択することができる。このような材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化インジウムを主成分とし酸化チタン、酸化錫、酸化セリウムなどを少量含有させたものなどが挙げられる。これらの材料は、1種のみでも良いし、2種以上でも良い。
光選択透過層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。光選択透過層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
光選択透過層は、1層のみからなる単層であっても良いし、2層以上からなる多層であっても良い。
光選択透過層が多層の場合、該光選択透過層は、好ましくは、多層の金属薄膜、多層の誘電体薄膜から選ばれる少なくとも1種である。
光選択透過層の具体例としては、例えば、シリカ層とチタニア層とが交互に積層された多層膜などが挙げられる。
光選択透過層の厚みは、好ましくは0.005〜100μmであり、より好ましくは0.01〜50μmであり、さらに好ましくは0.05〜40μmであり、特に好ましくは0.1〜30μmである。光選択透過層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた光選択透過性を発現することができ、各種被着体に光選択透過性を付与できる。
<3−5.化学的機能層>
化学的機能層としては、化学的機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような化学的機能層としては、好ましくは、耐アルカリ性層、耐酸性層、耐溶剤性層などが挙げられる。
化学的機能層としては、化学的機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような化学的機能層としては、好ましくは、耐アルカリ性層、耐酸性層、耐溶剤性層などが挙げられる。
化学的機能層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。化学的機能層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、十分な化学的機能性を発現することができる。
〔3−5−1.耐アルカリ性層〕
耐アルカリ性層としては、耐アルカリ効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐アルカリ性層としては、耐アルカリ効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐アルカリ性層は、好ましくは、耐アルカリ性樹脂を含む。耐アルカリ性層中の耐アルカリ性樹脂の含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは70〜100重量%であり、さらに好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは95〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記耐アルカリ性樹脂としては、任意の適切な耐アルカリ性樹脂を採用し得る。このような耐アルカリ性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ウレタン系樹脂としては、具体的には、例えば、油変性ポリウレタン樹脂、アルキド系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂などが挙げられる。フェノール系樹脂としては、具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
耐アルカリ性層中の耐アルカリ性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
耐アルカリ性層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐アルカリ性層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐アルカリ性層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
耐アルカリ性層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。耐アルカリ性層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた耐アルカリ性を発現することができる。
〔3−5−2.耐酸性層〕
耐酸性層としては、耐酸効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐酸性層としては、耐酸効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐酸性層は、好ましくは、耐酸性樹脂を含む。耐酸性層中の耐酸性樹脂の含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは70〜100重量%であり、さらに好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは95〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記耐酸性樹脂としては、任意の適切な耐酸性樹脂を採用し得る。このような耐酸性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。フェノール系樹脂としては、具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。シリコーン系樹脂としては、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイルまたはシリコーンワニス、特開平09−111185号公報に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
耐酸性層中の耐酸性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
耐酸性層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐酸性層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐酸性層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
耐酸性層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。耐酸性層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた耐酸性を発現することができる。
〔3−5−3.耐溶剤性層〕
耐溶剤性層としては、耐溶剤効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐溶剤性層としては、耐溶剤効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐溶剤性層は、好ましくは、耐溶剤性樹脂を含む。耐溶剤性層中の耐溶剤性樹脂の含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは70〜100重量%であり、さらに好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは95〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記耐溶剤性樹脂としては、任意の適切な耐溶剤性樹脂を採用し得る。このような耐溶剤性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ウレタン系樹脂としては、具体的には、例えば、油変性ポリウレタン樹脂、アルキド系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂などが挙げられる。フェノール系樹脂としては、具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。シリコーン系樹脂としては、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイルまたはシリコーンワニス、特開平09−111185号公報に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
耐溶剤性層中の耐溶剤性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
耐溶剤性層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐溶剤性層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐溶剤性層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
耐溶剤性層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。耐溶剤性層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた耐溶剤性を発現することができる。
<3−6.物理的機能層または化学的機能層の作製>
物理的機能層または化学的機能層は、任意の適切な方法で作製することができる。物理的機能層または化学的機能層は、好ましくは、前述した物理的機能層や化学的機能層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した物理的機能層や化学的機能層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な塗料を用いて、物理的機能層や化学的機能層を形成しても良い。
物理的機能層または化学的機能層は、任意の適切な方法で作製することができる。物理的機能層または化学的機能層は、好ましくは、前述した物理的機能層や化学的機能層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した物理的機能層や化学的機能層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な塗料を用いて、物理的機能層や化学的機能層を形成しても良い。
物理的機能層または化学的機能層の作製は、任意の適切なタイミングで行うことができる。
〔3−6−1.導電層の作製〕
導電層は、任意の適切な方法で作製することができる。
導電層は、任意の適切な方法で作製することができる。
導電層が塗工層の場合、該導電層は、任意の適切な導電性液体を塗工することによって形成され得る。具体的には、例えば、難燃層(A)となる層の表面に導電性液体を塗工することによって導電層を形成する。導電性液体を塗工した後は、必要に応じて、乾燥する。導電性液体は、市販の導電性液体を用いても良いし、任意の適切な導電性物質および必要に応じてその他の添加剤を任意の適切な溶剤と混合して調製し得る。溶剤としては、例えば、有機溶剤、水が好ましい。溶剤としては、1種のみの溶剤を用いても良いし、2種以上の溶剤の混合溶剤を用いても良い。導電性物質および必要に応じてその他の添加剤と溶剤とを混合する場合、該導電性物質は、粉末状態で混合しても良いし、スラリー状あるいはゾル状で混合しても良い。
導電性液体を塗工する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
導電性液体を塗工した後、塗布物に対して必要に応じて乾燥を行うことができる。乾燥のための加熱温度は、好ましくは、50〜200℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜60分である。
乾燥を行った後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
導電層がシート層の場合、該シート層は、任意の適切な成形方法によって形成し得る。具体的には、例えば、任意の適切な成形方法によってシート状物を形成し、難燃層(A)となる層の表面に該シート状物を貼り合わせる。
〔3−6−2.耐指紋層の作製〕
耐指紋層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐指紋層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
耐指紋層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐指紋層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
耐指紋層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
耐指紋層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
〔3−6−3.ハードコート層の作製〕
ハードコート層は、任意の適切な方法で作製することができる。ハードコート層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物、有機無機ハイブリッド樹脂を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
ハードコート層は、任意の適切な方法で作製することができる。ハードコート層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物、有機無機ハイブリッド樹脂を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
ハードコート層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
ハードコート層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
〔3−6−4.インク吸収層の作製〕
インク吸収層(L)は、任意の適切な方法で作製することができる。インク吸収層(L)は、好ましくは、前述した水溶性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。水溶性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。水溶性樹脂の塗布により難燃層(A)上にインク吸収層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に水溶性樹脂を塗布してインク吸収層を形成する方法、任意の適切な基材上に水溶性樹脂を塗布して形成したインク吸収層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
インク吸収層(L)は、任意の適切な方法で作製することができる。インク吸収層(L)は、好ましくは、前述した水溶性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。水溶性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。水溶性樹脂の塗布により難燃層(A)上にインク吸収層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に水溶性樹脂を塗布してインク吸収層を形成する方法、任意の適切な基材上に水溶性樹脂を塗布して形成したインク吸収層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
水溶性樹脂を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
水溶性樹脂を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
〔3−6−5.無機粒子含有層の作製〕
無機粒子含有層は、任意の適切な方法で作製することができる。無機粒子含有層は、好ましくは、ポリマー中に無機粒子および必要に応じて任意の適切な添加剤を配合することによって得られる無機粒子含有層形成材料から作製し得る。より具体的には、無機粒子含有層の作製方法としては、例えば、上記無機粒子含有層形成材料を難燃層(A)上に塗工して形成する方法、上記無機粒子含有層形成材料から独立して無機粒子含有層を作製した後に難燃層(A)上に貼り合わせる方法、などが挙げられる。
無機粒子含有層は、任意の適切な方法で作製することができる。無機粒子含有層は、好ましくは、ポリマー中に無機粒子および必要に応じて任意の適切な添加剤を配合することによって得られる無機粒子含有層形成材料から作製し得る。より具体的には、無機粒子含有層の作製方法としては、例えば、上記無機粒子含有層形成材料を難燃層(A)上に塗工して形成する方法、上記無機粒子含有層形成材料から独立して無機粒子含有層を作製した後に難燃層(A)上に貼り合わせる方法、などが挙げられる。
無機粒子含有層形成材料を得るために配合する無機粒子の形態は、任意の適切な形態を採用し得る。このような無機粒子の形態としては、例えば、コロイド状、分散剤処理されたもの、カップリング処理されたもの、カプセル化されたもの、などが挙げられる。
無機粒子含有層形成材料中の無機粒子の、無機粒子含有層形成材料中のポリマーに対する含有割合は、好ましくは20〜90重量%であり、より好ましくは25〜80重量%であり、さらに好ましくは30〜70重量%であり、特に好ましくは35〜60重量%である。無機粒子含有層形成材料中の無機粒子の、無機粒子含有層形成材料中のポリマーに対する含有割合が20重量%未満の場合、非常に高い難燃性の発現が困難になるおそれがある。無機粒子含有層形成材料中の無機粒子の、無機粒子含有層形成材料中のポリマーに対する含有割合が90重量%を超えると、無機粒子含有層が脆いものとなるおそれがある。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
無機粒子含有層形成材料を塗工する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
無機粒子含有層形成材料を塗工した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
無機粒子含有層形成材料を塗工した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む無機粒子含有層形成材料を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む無機粒子含有層形成材料を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
無機粒子含有層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
〔3−6−6.反射防止層の作製〕
反射防止層は、任意の適切な方法で作製することができる。反射防止層は、好ましくは、前述した反射防止層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した反射防止層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な反射防止塗料を用いて、反射防止層を形成しても良い。
反射防止層は、任意の適切な方法で作製することができる。反射防止層は、好ましくは、前述した反射防止層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した反射防止層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な反射防止塗料を用いて、反射防止層を形成しても良い。
〔3−6−7.光選択透過層の作製〕
光選択透過層は、任意の適切な方法で作製することができる。光選択透過層の作製方法としては、例えば、光選択透過層の材料を難燃層(A)上にコーティングして形成する方法、光選択透過層の材料を難燃層(A)上に蒸着(例えば、真空蒸着)して形成する方法などが挙げられる。また、光選択透過層を難燃層(A)とラミネートして、難燃層(A)上に光選択透過層を形成しても良い。さらに、光選択透過層を任意の適切な基材上に形成した後に難燃層(A)上に転写することによって、難燃層(A)上に光選択透過層を形成しても良い。
光選択透過層は、任意の適切な方法で作製することができる。光選択透過層の作製方法としては、例えば、光選択透過層の材料を難燃層(A)上にコーティングして形成する方法、光選択透過層の材料を難燃層(A)上に蒸着(例えば、真空蒸着)して形成する方法などが挙げられる。また、光選択透過層を難燃層(A)とラミネートして、難燃層(A)上に光選択透過層を形成しても良い。さらに、光選択透過層を任意の適切な基材上に形成した後に難燃層(A)上に転写することによって、難燃層(A)上に光選択透過層を形成しても良い。
〔3−6−8.耐アルカリ性層の作製〕
耐アルカリ性層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐アルカリ性層は、好ましくは、前述した耐アルカリ性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐アルカリ性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐アルカリ性樹脂の塗布により難燃層(A)上に耐アルカリ性層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に耐アルカリ性樹脂を塗布して耐アルカリ性層を形成する方法、任意の適切な基材上に耐アルカリ性樹脂を塗布して形成した耐アルカリ性層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
耐アルカリ性層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐アルカリ性層は、好ましくは、前述した耐アルカリ性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐アルカリ性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐アルカリ性樹脂の塗布により難燃層(A)上に耐アルカリ性層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に耐アルカリ性樹脂を塗布して耐アルカリ性層を形成する方法、任意の適切な基材上に耐アルカリ性樹脂を塗布して形成した耐アルカリ性層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
耐アルカリ性樹脂を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
耐アルカリ性樹脂を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
〔3−6−9.耐酸性層の作製〕
耐酸性層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐酸性層は、好ましくは、前述した耐酸性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐酸性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐酸性樹脂の塗布により難燃層(A)上に耐酸性層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に耐酸性樹脂を塗布して耐酸性層を形成する方法、任意の適切な基材上に耐酸性樹脂を塗布して形成した耐酸性層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
耐酸性層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐酸性層は、好ましくは、前述した耐酸性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐酸性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐酸性樹脂の塗布により難燃層(A)上に耐酸性層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に耐酸性樹脂を塗布して耐酸性層を形成する方法、任意の適切な基材上に耐酸性樹脂を塗布して形成した耐酸性層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
耐酸性樹脂を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
耐酸性樹脂を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
〔3−6−10.耐溶剤性層の作製〕
耐溶剤性層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐溶剤性層は、好ましくは、前述した耐溶剤性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐溶剤性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐溶剤性樹脂の塗布により難燃層(A)上に耐溶剤性層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に耐溶剤性樹脂を塗布して耐溶剤性層を形成する方法、任意の適切な基材上に耐溶剤性樹脂を塗布して形成した耐溶剤性層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
耐溶剤性層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐溶剤性層は、好ましくは、前述した耐溶剤性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐溶剤性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐溶剤性樹脂の塗布により難燃層(A)上に耐溶剤性層を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に耐溶剤性樹脂を塗布して耐溶剤性層を形成する方法、任意の適切な基材上に耐溶剤性樹脂を塗布して形成した耐溶剤性層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
耐溶剤性樹脂を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
耐溶剤性樹脂を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
<3−7.熱機能層>
熱機能層としては、熱機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような熱機能層としては、好ましくは、遮熱層、熱伝導層、断熱層などが挙げられる。
熱機能層としては、熱機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような熱機能層としては、好ましくは、遮熱層、熱伝導層、断熱層などが挙げられる。
熱機能層の厚みは、好ましくは0.1〜200μmであり、より好ましくは0.1〜150μmであり、特に好ましくは1〜100μmである。熱機能層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、十分な熱機能性を発現することができる。
〔3−7−1.遮熱層〕
遮熱層は、遮熱効果を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。遮熱効果とは、具体的には、赤外線の多くを反射することによって、熱エネルギーの発生を抑制する効果をいう。
遮熱層は、遮熱効果を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。遮熱効果とは、具体的には、赤外線の多くを反射することによって、熱エネルギーの発生を抑制する効果をいう。
遮熱層は、好ましくは、780nm〜2100nmの範囲において任意の波長を有する光に対する平均反射率が50%以上である層である。
遮熱層は、1層のみからなるものでも良いし、2層以上からなるものでも良い。
遮熱層は、好ましくは、任意の適切な遮熱物質を含有する。このような遮熱物質としては、例えば、顔料、セラミック、金属、マイクロバルーンが挙げられる。このような遮熱物質は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
遮熱物質が粒子状の場合、その平均粒子径は、好ましくは0.005〜10μmであり、より好ましくは0.01〜1μmである。遮熱物質が粒子状の場合、その平均粒子径が上記範囲内にあれば、遮熱層の遮熱性を高いレベルで発現することができる。
顔料としては、任意の適切な顔料を採用し得る。顔料としては、例えば、無機顔料などが挙げられる。無機顔料としては、好ましくは、酸化チタン、二酸化マンガン、酸化コバルトなどの白色顔料;白色顔料と他の顔料とを併用した淡色系顔料;などが挙げられる。
セラミックとしては、任意の適切な形態のセラミックを採用し得る。
金属としては、任意の適切な金属を採用し得る。金属としては、例えば、アルミニウム、銅などが挙げられる。
マイクロバルーンは、内部に空洞を有する中空微粒子である。マイクロバルーンとしては、ガラスやチタニア複合物などからなるセラミックバルーン等が挙げられる。好ましくは、例えば、ガラスビーズである。
遮熱層は、任意の適切な添加剤を含有し得る。このような添加剤としては、例えば、可塑剤、充填材、滑剤、熱安定剤、防曇剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、樹脂、溶剤等が挙げられる。
遮熱層は、任意の適切な形態を採り得る。遮熱層は、好ましくは、塗工層、シート層、箔層、スパッタ層、蒸着層から選ばれる少なくとも1種である。
遮熱層が塗工層の場合、該遮熱層は、任意の適切な遮熱塗料を塗工することによって形成され得る。
遮熱層がシート層の場合、該遮熱層としては、例えば、遮熱物質を含有するシート層が挙げられる。このようなシート層は、任意の適切な成形方法によって形成し得る。
遮熱層が箔層の場合、該遮熱層としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔からなる箔層が挙げられる。
遮熱層がスパッタ層や蒸着層の場合、任意の適切なスパッタリング方法や蒸着方法によって形成することができる。
遮熱層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。遮熱層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、十分な遮熱性を発現することができる。
〔3−7−2.熱伝導層〕
熱伝導層は、熱伝導性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。
熱伝導層は、熱伝導性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。
熱伝導層は、1層のみからなるものでも良いし、2層以上からなるものでも良い。
熱伝導層は、好ましくは熱伝導性物質を含有する。熱伝導性物質としては、熱伝導性を発現できる物質であれば、任意の適切な熱伝導性物質を採用し得る。熱伝導性物質は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。熱伝導性物質としては、例えば、無機酸化物、無機窒化物、炭素化合物が挙げられる。
無機酸化物としては、任意の適切な無機酸化物を採用し得る。無機酸化物としては、例えば、Si、Al、Ti、Zr、Cr、Feなどの金属を含む金属酸化物などが挙げられる。
無機窒化物としては、任意の適切な無機窒化物を採用し得る。無機窒化物としては、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ガリウムなどが挙げられる。
炭素化合物としては、任意の適切な炭素化合物を採用し得る。炭素化合物としては、例えば、ダイアモンド、黒鉛、カーボンブラックなどが挙げられる。
熱伝導性物質が粒子状の場合、その平均粒子径は、好ましくは0.005〜50μmであり、より好ましくは0.01〜10μmである。熱伝導性物質が粒子状の場合、その平均粒子径が上記範囲内にあれば、熱伝導層の熱伝導性を高いレベルで発現することができる。
熱伝導層は、任意の適切な添加剤を含有し得る。このような添加剤としては、例えば、可塑剤、充填材、滑剤、熱安定剤、防曇剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、樹脂、溶剤等が挙げられる。
熱伝導層は、任意の適切な形態を採り得る。このような形態としては、例えば、塗工層、シート層などが挙げられる。
熱伝導層が塗工層の場合、該熱伝導層は、任意の適切な熱伝導性液体を塗工することによって形成され得る。
熱伝導層がシート層の場合、該熱伝導層としては、例えば、熱伝導性物質を含有するシート層が挙げられる。このようなシート層は、任意の適切な成形方法によって形成し得る。
熱伝導層の厚みは、好ましくは0.1〜200μmであり、より好ましくは0.5〜100μmである。熱伝導層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、十分な熱伝導性を発現することができる。
〔3−7−3.断熱層〕
断熱層としては、断熱効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
断熱層としては、断熱効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
断熱層は、好ましくは、中空ビーズ構造物を含む。中空ビーズ構造物とは、ビーズ内部に気体層を含む構造物をいう。気体層としては、空気、窒素、希ガスなどが挙げられる。このような中空ビーズ構造物としては、例えば、中空セラミックビーズ、中空シリカビーズ、シラスバルーン、ガラスビーズ、中空スチレンビーズなどが挙げられる。これらの中でも、特に好ましくはガラスビーズである。
断熱層は、より好ましくは、中空ビーズ構造物を含む樹脂組成物である。このような樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、上記中空ビーズからなる断熱材を保持し所定の形状に成形可能なものであれば、特にその制限はない。例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
断熱層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。断熱層に含有され得る添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
断熱層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
断熱層の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。断熱層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の高難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた断熱性を発現することができる。
<3−8.熱機能層の作製>
熱機能層は、任意の適切な方法で作製することができる。熱機能層は、好ましくは、前述した熱機能層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した熱機能層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な塗料を用いて、熱機能層を形成しても良い。
熱機能層は、任意の適切な方法で作製することができる。熱機能層は、好ましくは、前述した熱機能層を難燃層(A)上に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した熱機能層を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な塗料を用いて、熱機能層を形成しても良い。
熱機能層の作製は、任意の適切なタイミングで行うことができる。
〔3−8−1.遮熱層の作製〕
遮熱層は、任意の適切な方法で作製することができる。
遮熱層は、任意の適切な方法で作製することができる。
遮熱層が塗工層の場合、該遮熱層は、任意の適切な遮熱塗料を塗工することによって形成され得る。具体的には、例えば、難燃層(A)となる層の表面に遮熱塗料を塗工することによって遮熱層を形成する。遮熱塗料を塗工した後は、必要に応じて、乾燥する。遮熱塗料は、市販の遮熱塗料を用いても良いし、任意の適切な遮熱物質および必要に応じてその他の添加剤を任意の適切な溶剤と混合して調製し得る。溶剤としては、例えば、有機溶剤、水が好ましい。溶剤としては、1種のみの溶剤を用いても良いし、2種以上の溶剤の混合溶剤を用いても良い。遮熱物質および必要に応じてその他の添加剤と溶剤とを混合する場合、該遮熱物質は、粉末状態で混合しても良いし、スラリー状あるいはゾル状で混合しても良い。
遮熱塗料を塗工する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。遮熱塗料を塗工した後、塗布物に対して必要に応じて乾燥を行うことができる。乾燥のための加熱温度は、好ましくは、50〜200℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜60分である。乾燥を行った後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
遮熱層がシート層の場合、該シート層は、任意の適切な成形方法によって形成し得る。具体的には、例えば、任意の適切な成形方法によってシート状物を形成し、難燃層(A)となる層の表面に該シート状物を貼り合わせる。
遮熱層が箔層の場合、具体的には、例えば、予め金属箔などの箔状物を準備し、難燃層(A)となる層の表面に該箔状物を貼り合わせる。
遮熱層がスパッタ層の場合、例えば、任意の適切なスパッタリング方法によって形成することができる。
遮熱層が蒸着層の場合、例えば、任意の適切な蒸着方法によって形成することができる。
〔3−8−2.熱伝導層の作製〕
熱伝導層は、任意の適切な方法で作製することができる。
熱伝導層は、任意の適切な方法で作製することができる。
熱伝導層が塗工層の場合、該熱伝導層は、任意の適切な熱伝導性液体を塗工することによって形成され得る。具体的には、例えば、難燃層(A)となる層の表面に熱伝導性液体を塗工することによって熱伝導層を形成する。熱伝導性液体を塗工した後は、必要に応じて、乾燥する。熱伝導性液体は、市販の熱伝導性液体を用いても良いし、任意の適切な熱伝導性物質および必要に応じてその他の添加剤を任意の適切な溶剤と混合して調製し得る。溶剤としては、例えば、有機溶剤、水が好ましい。溶剤としては、1種のみの溶剤を用いても良いし、2種以上の溶剤の混合溶剤を用いても良い。熱伝導性物質および必要に応じてその他の添加剤と溶剤とを混合する場合、該熱伝導性物質は、粉末状態で混合しても良いし、スラリー状あるいはゾル状で混合しても良い。
熱伝導性液体を塗工する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
熱伝導性液体を塗工した後、塗布物に対して必要に応じて乾燥を行うことができる。乾燥のための加熱温度は、好ましくは、50〜200℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜60分である。
乾燥を行った後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
熱伝導層がシート層の場合、該シート層は、任意の適切な成形方法によって形成し得る。具体的には、例えば、任意の適切な成形方法によってシート状物を形成し、難燃層(A)となる層の表面に該シート状物を貼り合わせる。
〔3−8−3.断熱層の作製〕
断熱層は、任意の適切な方法で作製することができる。断熱層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、中空ビーズ構造物を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
断熱層は、任意の適切な方法で作製することができる。断熱層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、中空ビーズ構造物を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
断熱層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
断熱層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
≪4.高難燃性物品≫
高難燃性物品は、本発明の高難燃ポリマー部材を、被着体に貼り合せたものである。被着体としては、例えば、紙、木材、プラスチック材、金属、石膏ボード、ガラス、またはこれらを含んでなる複合材などを用いることができる。高難燃ポリマー部材は被着体の少なくとも一部に貼り合せられる。なお、被着体はシートの少なくとも一方の面に図柄層が設けられた印刷物であってもよいし、意匠性を有するものであってもよい。
高難燃性物品は、本発明の高難燃ポリマー部材を、被着体に貼り合せたものである。被着体としては、例えば、紙、木材、プラスチック材、金属、石膏ボード、ガラス、またはこれらを含んでなる複合材などを用いることができる。高難燃ポリマー部材は被着体の少なくとも一部に貼り合せられる。なお、被着体はシートの少なくとも一方の面に図柄層が設けられた印刷物であってもよいし、意匠性を有するものであってもよい。
被着体の紙としては、例えば、上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙、などが挙げられる。
被着体の木材としては、例えば、樫、桐、欅、チーク、ローズウッドなどの広葉樹や、杉、檜、松、ヒバなどの針葉樹や、集成材や、合板、などが挙げられる。
被着体のプラスチック材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂などが挙げられる。
高難燃ポリマー部材と被着体を積層する際は、任意の適切な粘着剤を、任意の適切な塗布方法によって塗布して貼り合わせてもよいし、高難燃ポリマー部材の最外層が粘着剤である場合は、そのまま被着体に張り合わせてもよい。高難燃ポリマー部材と被着体を張り合わせる方法としては、例えば、ラミネーターを用いて張り合わせる方法が挙げられる。このようにして得られた難燃化処理された被着体は、本発明の高難燃ポリマー部材が積層された面の反対面に貼着層を設けて、該貼着層を介して、鉄道車両などの壁面やガラス面、また、住宅などの壁面や化粧板やガラス面などに貼着され得る。
本発明の高難燃ポリマー部材は、例えば、建材として、住宅や大型建造物、公共施設の壁材、天井材、屋根材、床材、間仕切り材、カーテン、特にキッチンの壁材や天井材、クリーンルームの間仕切りなどに好適に用いることができる。また、排気ダクトや防火戸や防火シャッターなど防火設備の表面仕上げ材、テーブルなど家具の表面仕上げ材、扉の表面仕上げ材、窓ガラスの表面仕上げ材、また、看板や電子看板の表面仕上げ材、ロールスクリーンなどに用いることができる。また、船舶や航空機、自動車、鉄道車両内外の壁材、天井材、屋根材、床材、また、鉄道車両内外のガラス部分に貼着される印刷物の表面保護材、インクジェットメディア材、他にも太陽電池部材や、電池保護材、電気機器内部のパーテーションなどの電気・電子機器部材に用いることができる。さらに、灰皿周辺具、ゴミ箱の表面仕上げ材、パチンコ台の前面パネル保護材としても用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、以下の各例で用いた、カバーフィルム、基材フィルムは、いずれも、片面がシリコーン系離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRN38」、三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)を用いた。また、「室温」とは23℃を意味する。
〔合成例1〕(シロップ(b−1)の調製)
イソボルニルアクリレート:50重量部、ラウリルアクリレート:50重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した、シロップ状の組成物(以下、これを「シロップ(b−1)」という)を調製した。
イソボルニルアクリレート:50重量部、ラウリルアクリレート:50重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した、シロップ状の組成物(以下、これを「シロップ(b−1)」という)を調製した。
〔合成例2〕(シロップ(b−2)の調製)
冷却管、温度計及び攪拌装置を備えた反応容器に、(メタ)アクリル系モノマーとして、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:100重量部、ポリオールとして、数平均分子量650のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG650、三菱化学社製)を68.4重量部、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ0.01重量部を投入し、攪拌しながら、水添キシリレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製)を25.5重量部滴下し、65℃で5時間反応させ、ウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物(以下、これを「シロップ(b−2)」という)を調製した。なお、上記ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.25であり、シロップ(b−2)に対するウレタンポリマー濃度は50重量%であり、(メタ)アクリル系モノマーの濃度は50重量%であった。
冷却管、温度計及び攪拌装置を備えた反応容器に、(メタ)アクリル系モノマーとして、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:100重量部、ポリオールとして、数平均分子量650のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG650、三菱化学社製)を68.4重量部、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ0.01重量部を投入し、攪拌しながら、水添キシリレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製)を25.5重量部滴下し、65℃で5時間反応させ、ウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物(以下、これを「シロップ(b−2)」という)を調製した。なお、上記ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.25であり、シロップ(b−2)に対するウレタンポリマー濃度は50重量%であり、(メタ)アクリル系モノマーの濃度は50重量%であった。
〔合成例3〕(シロップ(b−3)の調製)
1、6−ヘキサンジオールジアクリレート:50重量部、フッ素系樹脂(商品名「LF710F」、旭硝子社製):50重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を、攪拌機を備えたフラスコ中で均一になるまで攪拌して、シロップ状の組成物(以下、これを「シロップ(b−3)」という)を調製した。
1、6−ヘキサンジオールジアクリレート:50重量部、フッ素系樹脂(商品名「LF710F」、旭硝子社製):50重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を、攪拌機を備えたフラスコ中で均一になるまで攪拌して、シロップ状の組成物(以下、これを「シロップ(b−3)」という)を調製した。
〔合成例4〕(層状無機系化合物を含むシロップ(a−1)の調製)
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部からなるモノマー混合物に、層状粘土鉱物(商品名「ルーセンタイトSPN」、コープケミカル社製、形状:平板状):30重量部を加え、室温(25℃)で24時間静置することによって、層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物(白濁)を得た。その後、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物に、超音波分散機(日本精機社製)により、500mWの照射強度で超音波を3分間照射して、層状無機系化合物を含むシロップ(a−1)を調製した。なお、該超音波処理により、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物は透明になった。
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部からなるモノマー混合物に、層状粘土鉱物(商品名「ルーセンタイトSPN」、コープケミカル社製、形状:平板状):30重量部を加え、室温(25℃)で24時間静置することによって、層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物(白濁)を得た。その後、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物に、超音波分散機(日本精機社製)により、500mWの照射強度で超音波を3分間照射して、層状無機系化合物を含むシロップ(a−1)を調製した。なお、該超音波処理により、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物は透明になった。
〔合成例5〕(層状無機系化合物を含むシロップ(a−2)の調製)
シクロヘキシルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部からなるモノマー混合物に、層状粘土鉱物(商品名「ルーセンタイトSPN」、コープケミカル社製、形状:平板状):30重量部を加え、室温(25℃)で24時間静置することによって、層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物(白濁)を得た。その後、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物に、超音波分散機(日本精機社製)により、500mWの照射強度で超音波を3分間照射して、層状無機系化合物を含むシロップ(a−2)を調製した。なお、該超音波処理により、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物は透明になった。
シクロヘキシルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部からなるモノマー混合物に、層状粘土鉱物(商品名「ルーセンタイトSPN」、コープケミカル社製、形状:平板状):30重量部を加え、室温(25℃)で24時間静置することによって、層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物(白濁)を得た。その後、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物に、超音波分散機(日本精機社製)により、500mWの照射強度で超音波を3分間照射して、層状無機系化合物を含むシロップ(a−2)を調製した。なお、該超音波処理により、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物は透明になった。
〔合成例6〕(基材付きモノマー吸収性シート(B−1)の作製)
合成例1で調製したシロップ(b−1):100重量部を、上記基材フィルムの剥離処理された面に、硬化後の厚さが50μmとなるように塗布し、シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を作製した。
合成例1で調製したシロップ(b−1):100重量部を、上記基材フィルムの剥離処理された面に、硬化後の厚さが50μmとなるように塗布し、シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を作製した。
〔合成例7〕(基材付きモノマー吸収性シート(B−2)の作製)
(単量体プレエマルジョン液の作製)
シクロヘキシルアクリレート(CHA):100重量部、アクリル酸(AA):4重量部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):0.05重量部、乳化剤としてポリオキシアルキレン硫酸ナトリウム(花王(株)製、ラテムルE‐118B):2重量部、水:30.6重量部を混合し、ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、5000rpm×5分の条件にて強制乳化した。
(水分散型樹脂エマルションの作製)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、水:41.5重量部を仕込み、窒素置換後、重合温度(60℃)まで昇温し、重合開始剤として2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレイト(和光純薬(株)製、VA−057):0.1重量部を添加した。次に、上記単量体プレエマルジョン液を反応容器中に4時間かけて滴下投入し、さらに3時間重合させた。反応容器の温度は60℃に保ち、窒素気流下にて重合を行い、固形分57重量%の水分散型アクリル系共重合体液を得た。冷却後、10%アンモニア水を添加し、水分散液のpHを8に調整し、水分散型樹脂エマルションを得た。
(フィルム作製工程)
作製した水分散型樹脂エマルションを、上記基材フィルムの剥離処理された面に、乾燥後の厚みが50μmとなるようにコーティングして、その後、熱風循環式オーブンで、100℃で5分間乾燥させて、基材付きモノマー吸収性シート(B−2)を作製した。
(単量体プレエマルジョン液の作製)
シクロヘキシルアクリレート(CHA):100重量部、アクリル酸(AA):4重量部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):0.05重量部、乳化剤としてポリオキシアルキレン硫酸ナトリウム(花王(株)製、ラテムルE‐118B):2重量部、水:30.6重量部を混合し、ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、5000rpm×5分の条件にて強制乳化した。
(水分散型樹脂エマルションの作製)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、水:41.5重量部を仕込み、窒素置換後、重合温度(60℃)まで昇温し、重合開始剤として2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレイト(和光純薬(株)製、VA−057):0.1重量部を添加した。次に、上記単量体プレエマルジョン液を反応容器中に4時間かけて滴下投入し、さらに3時間重合させた。反応容器の温度は60℃に保ち、窒素気流下にて重合を行い、固形分57重量%の水分散型アクリル系共重合体液を得た。冷却後、10%アンモニア水を添加し、水分散液のpHを8に調整し、水分散型樹脂エマルションを得た。
(フィルム作製工程)
作製した水分散型樹脂エマルションを、上記基材フィルムの剥離処理された面に、乾燥後の厚みが50μmとなるようにコーティングして、その後、熱風循環式オーブンで、100℃で5分間乾燥させて、基材付きモノマー吸収性シート(B−2)を作製した。
<高難燃ポリマー部材に関する実施例・比較例>
〔実施例1〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(H22−F、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(1)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(H22−F、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(1)を製造した。
〔実施例2〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E06C−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(2)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E06C−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(2)を製造した。
〔実施例3〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E02Z−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(3)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E02Z−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(3)を製造した。
〔実施例4〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(4)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(4)を製造した。
〔実施例5〕
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)の上にガラスクロス(E06C−4W、ユニチカ製)を置き、シロップ(a−1)をガラスクロスと合わせて100μmとなるように塗布して、モノマー吸収層とシロップ(a−1)との間にガラスクロスを挟み込む形態で、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(5)を製造した。
カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)の上にガラスクロス(E06C−4W、ユニチカ製)を置き、シロップ(a−1)をガラスクロスと合わせて100μmとなるように塗布して、モノマー吸収層とシロップ(a−1)との間にガラスクロスを挟み込む形態で、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(5)を製造した。
〔実施例6〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−2)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(6)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−2)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(6)を製造した。
〔実施例7〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−2)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(7)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−2)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(7)を製造した。
〔実施例8〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置いた。
別のカバーフィルムの離型処理された面にシロップ(b−1)を塗布して重合性シロップ層(厚さ:50μm)を形成させた。
重合性組成物層と重合性シロップ層とを、間に上記ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、室温で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(8)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置いた。
別のカバーフィルムの離型処理された面にシロップ(b−1)を塗布して重合性シロップ層(厚さ:50μm)を形成させた。
重合性組成物層と重合性シロップ層とを、間に上記ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、室温で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(8)を製造した。
〔実施例9〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−2)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置いた。
別のカバーフィルムの離型処理された面にシロップ(b−1)を塗布して重合性シロップ層(厚さ:50μm)を形成させた。
重合性組成物層と重合性シロップ層とを、間に上記ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、室温で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(9)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−2)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置いた。
別のカバーフィルムの離型処理された面にシロップ(b−1)を塗布して重合性シロップ層(厚さ:50μm)を形成させた。
重合性組成物層と重合性シロップ層とを、間に上記ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、室温で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(9)を製造した。
〔実施例10〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置いた。
別のカバーフィルムの離型処理された面にシロップ(b−2)を塗布して重合性シロップ層(厚さ:50μm)を形成させた。
重合性組成物層と重合性シロップ層とを、間に上記ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、室温で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(10)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置いた。
別のカバーフィルムの離型処理された面にシロップ(b−2)を塗布して重合性シロップ層(厚さ:50μm)を形成させた。
重合性組成物層と重合性シロップ層とを、間に上記ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、室温で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(10)を製造した。
〔実施例11〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置いた。
別のカバーフィルムの離型処理された面にシロップ(b−3)を塗布して重合性シロップ層(厚さ:50μm)を形成させた。
重合性組成物層と重合性シロップ層とを、間に上記ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、室温で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(11)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にガラスクロス(E10T−4W、ユニチカ製)を置いた。
別のカバーフィルムの離型処理された面にシロップ(b−3)を塗布して重合性シロップ層(厚さ:50μm)を形成させた。
重合性組成物層と重合性シロップ層とを、間に上記ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、室温で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(11)を製造した。
〔比較例1〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にオレフィン系不織布(ミライフTY1010FE、JX日鉱日石ANCI製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該オレフィン系不織布を挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(C1)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させたものの上にオレフィン系不織布(ミライフTY1010FE、JX日鉱日石ANCI製)を置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該オレフィン系不織布を挟み込む形態で貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(C1)を製造した。
〔比較例2〕
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させ、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該重合性組成物層に貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(C2)を製造した。
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:50μm)を形成させ、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を、該重合性組成物層に貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、130℃で1分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(C2)を製造した。
実施例および比較例のポリマーシートについて下記評価を行なった。結果を表1、表2に示す。なお、表1中の作製方法の欄の説明において、「コンマ」とは、カバーフィルムの離型処理された面にコンマコーターを用いてシロップを塗布して重合性組成物層を形成させたものの上にガラスクロスを置き、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シートを、該ガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせる積層体の形成方法を意味する。また、表1中の作製方法の欄の説明において、「はさみ」とは、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シートの上にガラスクロスを置き、シロップをガラスクロスと合わせて100μmとなるように塗布して、モノマー吸収層とシロップとの間にガラスクロスを挟み込む、積層体の形成方法を意味する。さらに、表1中の作製方法の欄の説明において、「W/W」とは、カバーフィルムの離型処理された面にシロップを塗布して重合性組成物層を形成させたものの上にガラスクロスを置き、別のカバーフィルムの離型処理された面にシロップを塗布して重合性シロップ層を形成させ、重合性組成物層と重合性シロップ層とを、間にガラスクロスを挟み込む形態で貼り合わせる、積層体の形成方法を意味する。
<透明性>
ポリマーシートの両面のカバーフィルム及び基材フィルムを剥がして、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所社製「HM‐150」)を用いて、JIS7361に準じて、全光線透過率を測定した。
ポリマーシートの両面のカバーフィルム及び基材フィルムを剥がして、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所社製「HM‐150」)を用いて、JIS7361に準じて、全光線透過率を測定した。
<難燃性>
ポリマーシートについて下記の難燃性を評価した。
ポリマーシートについて下記の難燃性を評価した。
図2に示す水平燃焼試験により難燃性を評価した。測定方法を図2に示す。各ポリマーシートを5cm×12cmに裁断して評価に供した。なお、各ポリマーシートは、その両面のカバーフィルムを剥離した。
難燃層の側を下面にした。
ポリマーシートの下面の中心部分から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、前記火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を30秒間接炎した。ブンゼンバーナーのガスはプロパンガスを用い、大気中でおこなった。
難燃層の側を下面にした。
ポリマーシートの下面の中心部分から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、前記火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を30秒間接炎した。ブンゼンバーナーのガスはプロパンガスを用い、大気中でおこなった。
≪難燃性:*1≫
ポリマーシートについて水平燃焼試験を行い、ポリマーシートの燃焼の有無を観察することにより、ポリマーシートの難燃性を下記の基準で評価した。
○:ポリマーシートが接炎30秒で着火せず、形状を維持している。
△:ポリマーシートが接炎30秒以内に着火するが、形状を維持している。
×:ポリマーシートが接炎30秒以内に着火し、形状も維持していない。
ポリマーシートについて水平燃焼試験を行い、ポリマーシートの燃焼の有無を観察することにより、ポリマーシートの難燃性を下記の基準で評価した。
○:ポリマーシートが接炎30秒で着火せず、形状を維持している。
△:ポリマーシートが接炎30秒以内に着火するが、形状を維持している。
×:ポリマーシートが接炎30秒以内に着火し、形状も維持していない。
≪遮炎性:*2≫
ポリマーシートの上方3mmの位置にコピー用紙であるホワイトエコノミー314−048(Biznet社製)を設置した、上記同様の水平燃焼試験により、コピー用紙の燃焼の有無を観察することにより、ポリマーシートの遮炎性を評価した。
○:接炎30秒でポリマーシートの3mm上方のコピー用紙が着火しない。
△:接炎30秒でポリマーシートの3mm上方のコピー用紙が着火するが、10秒以内に着火しない。
×:接炎10秒でポリマーシートの3mm上方のコピー用紙が着火する。
ポリマーシートの上方3mmの位置にコピー用紙であるホワイトエコノミー314−048(Biznet社製)を設置した、上記同様の水平燃焼試験により、コピー用紙の燃焼の有無を観察することにより、ポリマーシートの遮炎性を評価した。
○:接炎30秒でポリマーシートの3mm上方のコピー用紙が着火しない。
△:接炎30秒でポリマーシートの3mm上方のコピー用紙が着火するが、10秒以内に着火しない。
×:接炎10秒でポリマーシートの3mm上方のコピー用紙が着火する。
≪難燃化処理物の難燃性:*3≫
(1)紙の難燃化処理
ポリマーシートの上面にコピー用紙であるホワイトエコノミー314−048(Biznet社製)を貼着したサンプルについて、上記同様の水平燃焼試験により、難燃化処理した物品としての燃焼の有無を観察することにより、難燃化処理物の難燃性を評価した。
○:難燃化処理物が接炎30秒で着火しない。
△:難燃化処理物が接炎30秒で着火するが、接炎10秒以内に着火しない。
×:難燃化処理物が接炎10秒以内に着火する。
(2)木材の難燃化処理
ポリマーシートの上面に6mm厚の松板を貼着したサンプルについて、上記同様の水平燃焼試験により、難燃化処理した物品としての燃焼の有無を観察することにより、難燃化処理物の難燃性を評価した。
○:難燃化処理物が接炎5分で着火しない。
△:難燃化処理物が接炎5分で着火するが、崩落しない。
×:難燃化処理物が接炎5分以内に着火して崩落する。
(1)紙の難燃化処理
ポリマーシートの上面にコピー用紙であるホワイトエコノミー314−048(Biznet社製)を貼着したサンプルについて、上記同様の水平燃焼試験により、難燃化処理した物品としての燃焼の有無を観察することにより、難燃化処理物の難燃性を評価した。
○:難燃化処理物が接炎30秒で着火しない。
△:難燃化処理物が接炎30秒で着火するが、接炎10秒以内に着火しない。
×:難燃化処理物が接炎10秒以内に着火する。
(2)木材の難燃化処理
ポリマーシートの上面に6mm厚の松板を貼着したサンプルについて、上記同様の水平燃焼試験により、難燃化処理した物品としての燃焼の有無を観察することにより、難燃化処理物の難燃性を評価した。
○:難燃化処理物が接炎5分で着火しない。
△:難燃化処理物が接炎5分で着火するが、崩落しない。
×:難燃化処理物が接炎5分以内に着火して崩落する。
<燃焼時の飛散防止性>
100mm×100mm四方の2mm厚のフロートガラスにポリマーシートを貼り付け、該ポリマーシートの中心部にブンゼンバーナーの炎をガラスが割れるまで接炎した。試験後の飛散したガラスの重さを測定し、元のガラスがどれだけ維持できているかを評価した。
○:95重量%以上のガラスが維持されている。
×:95重量%以上のガラスが維持されていない。
100mm×100mm四方の2mm厚のフロートガラスにポリマーシートを貼り付け、該ポリマーシートの中心部にブンゼンバーナーの炎をガラスが割れるまで接炎した。試験後の飛散したガラスの重さを測定し、元のガラスがどれだけ維持できているかを評価した。
○:95重量%以上のガラスが維持されている。
×:95重量%以上のガラスが維持されていない。
<コーンカロリーメーター試験>
建築基準法第2条第9号および建築基準法施行令第108条の2に基づく防耐火性能試験方法と性能評価規格に従うコーンカロリーメーター試験機による20分間の発熱性試験を行なった。評価基準は以下の通りである。
(総発熱量)
◎:5MJ/m2未満
○:5MJ/m2以上、6MJ/m2未満
△:6MJ/m2以上、8MJ/m2未満
×:8MJ/m2以上
(最大発熱速度):200kW/m2超過時間
◎:5sec未満
○:5sec以上10sec未満
×:10sec以上
(試験後の状態)
○:防火上有害な変形、溶融、亀裂その他の損傷を生じない。
×:防火上有害な変形、溶融、亀裂その他の損傷を生じる。
建築基準法第2条第9号および建築基準法施行令第108条の2に基づく防耐火性能試験方法と性能評価規格に従うコーンカロリーメーター試験機による20分間の発熱性試験を行なった。評価基準は以下の通りである。
(総発熱量)
◎:5MJ/m2未満
○:5MJ/m2以上、6MJ/m2未満
△:6MJ/m2以上、8MJ/m2未満
×:8MJ/m2以上
(最大発熱速度):200kW/m2超過時間
◎:5sec未満
○:5sec以上10sec未満
×:10sec以上
(試験後の状態)
○:防火上有害な変形、溶融、亀裂その他の損傷を生じない。
×:防火上有害な変形、溶融、亀裂その他の損傷を生じる。
実施例1〜11のポリマーシートは、透明性、フレキシブル性、且つ、高度の難燃性を有しており、コーンカロリーメーターによる発熱性試験の結果より、単体で建築基準法不燃材料認定を取得できる可能性が高い。
〔実施例12〕(光触媒性難燃ポリマーシート(1)の製造)
光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗布し、120℃で1分間乾燥させて光触媒層を形成させ、光触媒性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた光触媒性難燃ポリマーシート(1)において、光触媒層の厚みは5μmであった。
光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗布し、120℃で1分間乾燥させて光触媒層を形成させ、光触媒性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた光触媒性難燃ポリマーシート(1)において、光触媒層の厚みは5μmであった。
〔実施例13〕(光触媒性難燃ポリマーシート(5)の製造)
光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗布し、120℃で1分間乾燥させて光触媒層を形成させ、光触媒性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた光触媒性難燃ポリマーシート(5)において、光触媒層の厚みは5μmであった。
光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗布し、120℃で1分間乾燥させて光触媒層を形成させ、光触媒性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた光触媒性難燃ポリマーシート(5)において、光触媒層の厚みは5μmであった。
〔実施例14〕(光触媒性難燃ポリマーシート(8)の製造)
光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗布し、120℃で1分間乾燥させて光触媒層を形成させ、光触媒性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた光触媒性難燃ポリマーシート(8)において、光触媒層の厚みは5μmであった。
光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗布し、120℃で1分間乾燥させて光触媒層を形成させ、光触媒性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた光触媒性難燃ポリマーシート(8)において、光触媒層の厚みは5μmであった。
光触媒性難燃ポリマーシート(1)、(5)、(8)について、アセトアルデヒドガスを用いて光触媒性能を評価した。以下の評価試験方法に基づき、検知管内のガス濃度(初期濃度、60分後濃度)を測定した。結果を表3に示す。
(評価試験方法)
試料へのプレ照射:1mW/cm2×6hr
試料寸法:5cm×5cm
ガスバッグ容量:5L容量のテドラーバッグ
初期ガス濃度:20ppm
光源:蛍光灯(10000ルクス)
(評価試験方法)
試料へのプレ照射:1mW/cm2×6hr
試料寸法:5cm×5cm
ガスバッグ容量:5L容量のテドラーバッグ
初期ガス濃度:20ppm
光源:蛍光灯(10000ルクス)
〔実施例15〕(防汚性難燃ポリマーシート(1)の製造)
防汚塗料(フッ素系樹脂含有水性上塗塗料、商品名「シルビアWF−400」、日本特殊塗料社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、防汚層を形成し、防汚性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた防汚性難燃ポリマーシート(1)において、防汚層の厚みは5μmであった。
防汚塗料(フッ素系樹脂含有水性上塗塗料、商品名「シルビアWF−400」、日本特殊塗料社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、防汚層を形成し、防汚性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた防汚性難燃ポリマーシート(1)において、防汚層の厚みは5μmであった。
〔実施例16〕(防汚性難燃ポリマーシート(5)の製造)
防汚塗料(フッ素系樹脂含有水性上塗塗料、商品名「シルビアWF−400」、日本特殊塗料社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、防汚層を形成し、防汚性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた防汚性難燃ポリマーシート(5)において、防汚層の厚みは5μmであった。
防汚塗料(フッ素系樹脂含有水性上塗塗料、商品名「シルビアWF−400」、日本特殊塗料社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、防汚層を形成し、防汚性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた防汚性難燃ポリマーシート(5)において、防汚層の厚みは5μmであった。
〔実施例17〕(防汚性難燃ポリマーシート(8)の製造)
防汚塗料(フッ素系樹脂含有水性上塗塗料、商品名「シルビアWF−400」、日本特殊塗料社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、防汚層を形成し、防汚性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた防汚性難燃ポリマーシート(8)において、防汚層の厚みは5μmであった。
防汚塗料(フッ素系樹脂含有水性上塗塗料、商品名「シルビアWF−400」、日本特殊塗料社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、防汚層を形成し、防汚性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた防汚性難燃ポリマーシート(8)において、防汚層の厚みは5μmであった。
防汚性難燃ポリマーシート(1)、(5)、(8)について、防汚層上に、カーボンブラック/灯油=1/2(重量比)の混合物からなるペーストを塗り付け、室温で24時間放置した後、スポンジを用いて水洗して、ポリマーシート表面の汚染状態を目視で観察し、下記基準に従って評価した。結果を表4に示す。
○:汚染なし。
△:少し汚染されている。
×:汚染が著しい。
○:汚染なし。
△:少し汚染されている。
×:汚染が著しい。
〔実施例18〕(耐指紋性難燃ポリマーシート(1)の製造)
多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を均一に混合したシロップ組成物を、上記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが5μmとなるように塗布し、シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層側を貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させて、耐指紋層を形成し、耐指紋性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐指紋性難燃ポリマーシート(1)において、耐指紋層の厚みは5μmであった。
多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を均一に混合したシロップ組成物を、上記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが5μmとなるように塗布し、シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層側を貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させて、耐指紋層を形成し、耐指紋性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐指紋性難燃ポリマーシート(1)において、耐指紋層の厚みは5μmであった。
〔実施例19〕(耐指紋性難燃ポリマーシート(5)の製造)
多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を均一に混合したシロップ組成物を、上記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが5μmとなるように塗布し、シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層側を貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させて、耐指紋層を形成し、耐指紋性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐指紋性難燃ポリマーシート(5)において、耐指紋層の厚みは5μmであった。
多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を均一に混合したシロップ組成物を、上記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが5μmとなるように塗布し、シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層側を貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させて、耐指紋層を形成し、耐指紋性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐指紋性難燃ポリマーシート(5)において、耐指紋層の厚みは5μmであった。
〔実施例20〕(耐指紋性難燃ポリマーシート(8)の製造)
多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を均一に混合したシロップ組成物を、上記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが5μmとなるように塗布し、シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層側を貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させて、耐指紋層を形成し、耐指紋性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐指紋性難燃ポリマーシート(8)において、耐指紋層の厚みは5μmであった。
多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を均一に混合したシロップ組成物を、上記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが5μmとなるように塗布し、シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層側を貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させて、耐指紋層を形成し、耐指紋性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐指紋性難燃ポリマーシート(8)において、耐指紋層の厚みは5μmであった。
耐指紋性難燃ポリマーシート(1)、(5)、(8)について、耐指紋層上に指紋を付着させ、黒い紙を下に敷いて、垂直方向から指紋を目視にて観察し、下記基準に従って評価した。結果を表5に示す。
○:指紋が見えない。
△:指紋がわずかに見える。
×:指紋が白くはっきり見える。
○:指紋が見えない。
△:指紋がわずかに見える。
×:指紋が白くはっきり見える。
〔実施例21〕(耐擦傷性難燃ポリマーシート(1)の製造)
エポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名「ビームセット374A」、荒川化学工業社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗布し、100℃で1分間乾燥した後、メタルハライドランプを用いて紫外線(光量300mJ/cm2)を照射して、ハードコート層を形成し、耐擦傷性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐擦傷性難燃ポリマーシート(1)において、ハードコート層の厚みは5μmであった。
エポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名「ビームセット374A」、荒川化学工業社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗布し、100℃で1分間乾燥した後、メタルハライドランプを用いて紫外線(光量300mJ/cm2)を照射して、ハードコート層を形成し、耐擦傷性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐擦傷性難燃ポリマーシート(1)において、ハードコート層の厚みは5μmであった。
〔実施例22〕(耐擦傷性難燃ポリマーシート(5)の製造)
エポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名「ビームセット374A」、荒川化学工業社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗布し、100℃で1分間乾燥した後、メタルハライドランプを用いて紫外線(光量300mJ/cm2)を照射して、ハードコート層を形成し、耐擦傷性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐擦傷性難燃ポリマーシート(5)において、ハードコート層の厚みは5μmであった。
エポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名「ビームセット374A」、荒川化学工業社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗布し、100℃で1分間乾燥した後、メタルハライドランプを用いて紫外線(光量300mJ/cm2)を照射して、ハードコート層を形成し、耐擦傷性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐擦傷性難燃ポリマーシート(5)において、ハードコート層の厚みは5μmであった。
〔実施例23〕(耐擦傷性難燃ポリマーシート(8)の製造)
エポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名「ビームセット374A」、荒川化学工業社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗布し、100℃で1分間乾燥した後、メタルハライドランプを用いて紫外線(光量300mJ/cm2)を照射して、ハードコート層を形成し、耐擦傷性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐擦傷性難燃ポリマーシート(8)において、ハードコート層の厚みは5μmであった。
エポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名「ビームセット374A」、荒川化学工業社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗布し、100℃で1分間乾燥した後、メタルハライドランプを用いて紫外線(光量300mJ/cm2)を照射して、ハードコート層を形成し、耐擦傷性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐擦傷性難燃ポリマーシート(8)において、ハードコート層の厚みは5μmであった。
耐擦傷性難燃ポリマーシート(1)、(5)、(8)について、幅25mm、長さ100mm以上の大きさに切断し、これを試料として、ガラス板に貼り付けた。次いで、直径25mmの円柱の平滑な断面に、スチールウール#0000を均一に取り付け、これを荷重400gの条件で上記試料の表面に押し付けた。なお、上記スチールウールを取り付けた円柱は、毎秒100mmの速度で10往復させた。その後、上記試料の表面に幅10μm以上の傷が付いていないか否かを目視によって確認し、下記の基準に従って評価した。結果を表6に示す。
A:傷が全くない。
B:細かな傷がある。
C:大きな傷がある。
A:傷が全くない。
B:細かな傷がある。
C:大きな傷がある。
〔実施例24〕(耐アルカリ性難燃ポリマーシート(1)の製造)
耐アルカリ性塗料(商品名「シルビアWU−200」、水性アクリルウレタンエマルション塗料、日本特殊塗料社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、耐アルカリ性層を形成し、耐アルカリ性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐アルカリ性難燃ポリマーシート(1)において、耐アルカリ性層の厚みは10μmであった。
耐アルカリ性塗料(商品名「シルビアWU−200」、水性アクリルウレタンエマルション塗料、日本特殊塗料社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、耐アルカリ性層を形成し、耐アルカリ性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐アルカリ性難燃ポリマーシート(1)において、耐アルカリ性層の厚みは10μmであった。
〔実施例25〕(耐アルカリ性難燃ポリマーシート(5)の製造)
耐アルカリ性塗料(商品名「シルビアWU−200」、水性アクリルウレタンエマルション塗料、日本特殊塗料社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、耐アルカリ性層を形成し、耐アルカリ性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐アルカリ性難燃ポリマーシート(5)において、耐アルカリ性層の厚みは10μmであった。
耐アルカリ性塗料(商品名「シルビアWU−200」、水性アクリルウレタンエマルション塗料、日本特殊塗料社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、耐アルカリ性層を形成し、耐アルカリ性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐アルカリ性難燃ポリマーシート(5)において、耐アルカリ性層の厚みは10μmであった。
〔実施例26〕(耐アルカリ性難燃ポリマーシート(8)の製造)
耐アルカリ性塗料(商品名「シルビアWU−200」、水性アクリルウレタンエマルション塗料、日本特殊塗料社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、耐アルカリ性層を形成し、耐アルカリ性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐アルカリ性難燃ポリマーシート(8)において、耐アルカリ性層の厚みは10μmであった。
耐アルカリ性塗料(商品名「シルビアWU−200」、水性アクリルウレタンエマルション塗料、日本特殊塗料社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、耐アルカリ性層を形成し、耐アルカリ性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐アルカリ性難燃ポリマーシート(8)において、耐アルカリ性層の厚みは10μmであった。
耐アルカリ性難燃ポリマーシート(1)、(5)、(8)について、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を十分に染み込ませた定性濾紙(品名「No.2」、サイズ「φ55mm」、アドバンテック社製)を、耐アルカリ性層上に30分置き、定性濾紙を取り除いた後のポリマーシートの状態を観察した。結果を表7に示す。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
〔実施例27〕(耐酸性難燃ポリマーシート(1)の製造)
耐酸塗料(商品名「サルホタイト10」、フェノール樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐酸性層を形成し、耐酸性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐酸性難燃ポリマーシート(1)において、耐酸性層の厚みは10μmであった。
耐酸塗料(商品名「サルホタイト10」、フェノール樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐酸性層を形成し、耐酸性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐酸性難燃ポリマーシート(1)において、耐酸性層の厚みは10μmであった。
〔実施例28〕(耐酸性難燃ポリマーシート(5)の製造)
耐酸塗料(商品名「サルホタイト10」、フェノール樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐酸性層を形成し、耐酸性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐酸性難燃ポリマーシート(5)において、耐酸性層の厚みは10μmであった。
耐酸塗料(商品名「サルホタイト10」、フェノール樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐酸性層を形成し、耐酸性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐酸性難燃ポリマーシート(5)において、耐酸性層の厚みは10μmであった。
〔実施例29〕(耐酸性難燃ポリマーシート(8)の製造)
耐酸塗料(商品名「サルホタイト10」、フェノール樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐酸性層を形成し、耐酸性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐酸性難燃ポリマーシート(8)において、耐酸性層の厚みは10μmであった。
耐酸塗料(商品名「サルホタイト10」、フェノール樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐酸性層を形成し、耐酸性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐酸性難燃ポリマーシート(8)において、耐酸性層の厚みは10μmであった。
耐酸性難燃ポリマーシート(1)、(5)、(8)について、10容量%硫酸水溶液を十分に染み込ませた定性濾紙(品名「No.2」、サイズ「φ55mm」、アドバンテック社製)を、耐酸性層上に30分置き、定性濾紙を取り除いた後のポリマーシートの状態を観察した。結果を表8に示す。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
〔実施例30〕(耐溶剤性難燃ポリマーシート(1)の製造)
耐溶剤塗料(商品名「ボンディック1310NE」、水分散型ウレタン樹脂系塗料、大日本インキ化学工業社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐溶剤性層を形成し、耐溶剤性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐溶剤性難燃ポリマーシート(1)において、耐溶剤性層の厚みは10μmであった。
耐溶剤塗料(商品名「ボンディック1310NE」、水分散型ウレタン樹脂系塗料、大日本インキ化学工業社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐溶剤性層を形成し、耐溶剤性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐溶剤性難燃ポリマーシート(1)において、耐溶剤性層の厚みは10μmであった。
〔実施例31〕(耐溶剤性難燃ポリマーシート(5)の製造)
耐溶剤塗料(商品名「ボンディック1310NE」、水分散型ウレタン樹脂系塗料、大日本インキ化学工業社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐溶剤性層を形成し、耐溶剤性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐溶剤性難燃ポリマーシート(5)において、耐溶剤性層の厚みは10μmであった。
耐溶剤塗料(商品名「ボンディック1310NE」、水分散型ウレタン樹脂系塗料、大日本インキ化学工業社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐溶剤性層を形成し、耐溶剤性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた耐溶剤性難燃ポリマーシート(5)において、耐溶剤性層の厚みは10μmであった。
〔実施例32〕(耐溶剤性難燃ポリマーシート(8)の製造)
耐溶剤塗料(商品名「ボンディック1310NE」、水分散型ウレタン樹脂系塗料、大日本インキ化学工業社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐溶剤性層を形成し、耐溶剤性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐溶剤性難燃ポリマーシート(8)において、耐溶剤性層の厚みは10μmであった。
耐溶剤塗料(商品名「ボンディック1310NE」、水分散型ウレタン樹脂系塗料、大日本インキ化学工業社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐溶剤性層を形成し、耐溶剤性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた耐溶剤性難燃ポリマーシート(8)において、耐溶剤性層の厚みは10μmであった。
耐溶剤性難燃ポリマーシート(1)、(5)、(8)について、キシレンを十分に染み込ませた定性濾紙(品名「No.2」、サイズ「φ55mm」、アドバンテック社製)を、耐溶剤性層上に30分置き、定性濾紙を取り除いた後のポリマーシートの状態を観察した。結果を表9に示す。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
〔実施例33〕(遮熱性難燃ポリマーシート(1)の製造)
熱遮熱性塗料(日本特殊塗料株式会社製、パラサーモ)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、遮熱性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた遮熱性難燃ポリマーシート(1)において、遮熱層の厚みは5μmであった。
熱遮熱性塗料(日本特殊塗料株式会社製、パラサーモ)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、遮熱性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた遮熱性難燃ポリマーシート(1)において、遮熱層の厚みは5μmであった。
〔実施例34〕(遮熱性難燃ポリマーシート(5)の製造)
熱遮熱性塗料(日本特殊塗料株式会社製、パラサーモ)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、遮熱性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた遮熱性難燃ポリマーシート(5)において、遮熱層の厚みは5μmであった。
熱遮熱性塗料(日本特殊塗料株式会社製、パラサーモ)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、遮熱性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた遮熱性難燃ポリマーシート(5)において、遮熱層の厚みは5μmであった。
〔実施例35〕(遮熱性難燃ポリマーシート(8)の製造)
熱遮熱性塗料(日本特殊塗料株式会社製、パラサーモ)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、遮熱性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた遮熱性難燃ポリマーシート(8)において、遮熱層の厚みは5μmであった。
熱遮熱性塗料(日本特殊塗料株式会社製、パラサーモ)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、遮熱性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた遮熱性難燃ポリマーシート(8)において、遮熱層の厚みは5μmであった。
遮熱性難燃ポリマーシート(1)、(5)、(8)について、ポリマー層側の裏面に温度センサーを貼り付け、遮熱層側の垂直上方30cmからレフランプにより光照射を行い、裏面温度の上昇が飽和状態になったときの温度を測定した。結果を表10に示す。
〔実施例36〕(断熱性難燃ポリマーシート(1)の製造)
断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を形成し、断熱性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた断熱性難燃ポリマーシート(1)において、断熱層の厚みは5μmであった。
断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を、実施例1で得られた難燃ポリマーシート(1)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を形成し、断熱性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた断熱性難燃ポリマーシート(1)において、断熱層の厚みは5μmであった。
〔実施例37〕(断熱性難燃ポリマーシート(5)の製造)
断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を形成し、断熱性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた断熱性難燃ポリマーシート(5)において、断熱層の厚みは5μmであった。
断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を、実施例5で得られた難燃ポリマーシート(5)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を形成し、断熱性難燃ポリマーシート(5)を製造した。
得られた断熱性難燃ポリマーシート(5)において、断熱層の厚みは5μmであった。
〔実施例38〕(断熱性難燃ポリマーシート(8)の製造)
断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を形成し、断熱性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた断熱性難燃ポリマーシート(8)において、断熱層の厚みは5μmであった。
断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を、実施例8で得られた難燃ポリマーシート(8)の難燃層上に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を形成し、断熱性難燃ポリマーシート(8)を製造した。
得られた断熱性難燃ポリマーシート(8)において、断熱層の厚みは5μmであった。
断熱性難燃ポリマーシート(1)、(5)、(8)について、室温10℃、相対湿度30%RHの部屋において、0℃の氷水の上にポリマー層側を下にして浮かべ、ポリマーシートの表面温度を測定し、結露の有無を目視で観察した。結果を表11に示す。
本発明の高難燃ポリマー部材は、該高難燃ポリマー部材自体が優れた難燃性を発現することができ、また、被着体に貼着させることによって、該被着体に対して優れた難燃化処理を行うことができる。例えば、本発明の高難燃ポリマー部材を窓ガラス等に貼着した場合には、燃焼によって窓ガラス等が割れて飛散してしまうことを効果的に防止できる飛散防止性を発現することができ、木材等に貼着した場合には、木材等の燃焼の拡大を防止できる延焼防止性を発現することができる。また、本発明の高難燃ポリマー部材が薄層の場合には、不燃材料認定を求められる場所の内装部材として好適に利用できる。
A 難燃層
B ポリマー層
L 無機基材
a 重合性組成物層
a´ 重合性組成物層
a1 偏在重合性組成物層
a2 偏在ポリマー層
a11、a21 層状無機系化合物の偏在部
a12、a22 層状無機系化合物の非偏在部
b モノマー吸収層
b´ 重合性組成物層
b1 モノマー吸収層
b2 硬化したモノマー吸収層
C カバーフィルム
D 基材フィルム
E 基材付きモノマー吸収性シート
X 積層体
f 非相溶性の層状無機系化合物
m1 重合性モノマー
m2 重合性モノマー
p2 ポリマー
B ポリマー層
L 無機基材
a 重合性組成物層
a´ 重合性組成物層
a1 偏在重合性組成物層
a2 偏在ポリマー層
a11、a21 層状無機系化合物の偏在部
a12、a22 層状無機系化合物の非偏在部
b モノマー吸収層
b´ 重合性組成物層
b1 モノマー吸収層
b2 硬化したモノマー吸収層
C カバーフィルム
D 基材フィルム
E 基材付きモノマー吸収性シート
X 積層体
f 非相溶性の層状無機系化合物
m1 重合性モノマー
m2 重合性モノマー
p2 ポリマー
Claims (10)
- ポリマー層(B)、無機基材(L)、難燃層(A)をこの順に含む、高難燃ポリマー部材であって、
該難燃層(A)は、ポリマー(X)中に層状無機系化合物(f)を含有する層である、
高難燃ポリマー部材。 - 前記無機基材(L)が、繊維状無機基材である、請求項1に記載の高難燃ポリマー部材。
- 前記繊維状無機基材がガラスクロスである、請求項2に記載の高難燃ポリマー部材。
- 前記高難燃ポリマー部材を、前記難燃層(A)側を下面にして、かつ該下面は空気に接触するように水平に設置し、
該難燃層(A)側の下面から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、
該火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を該難燃層(A)の下面に30秒間接炎させる(但し、該高難燃ポリマー部材の端部には接炎しないようにする)水平燃焼試験において、該炎を遮炎できる難燃性を有する、
請求項1に記載の高難燃ポリマー部材。 - 前記難燃層(A)における灰分の含有割合が、3重量%以上70重量%未満である、請求項1に記載の高難燃ポリマー部材。
- 前記難燃層(A)中の層状無機系化合物(f)が、層状粘土鉱物である、請求項1に記載の高難燃ポリマー部材。
- 重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a)と、前記無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層し、重合を行うことにより得られる、請求項1に記載の高難燃ポリマー部材。
- 重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成される重合性組成物層(a)を重合して得られる固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(a´)と、前記無機基材(L)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層することにより得られる、請求項1に記載の高難燃ポリマー部材。
- 重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a´)と、前記無機基材(L)と、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含むシロップ状の重合性組成物層(b´)とを積層し、重合を行うことにより得られる、請求項1に記載の高難燃ポリマー部材。
- 請求項1に記載の高難燃ポリマー部材が、被着体に貼り合わされている、難燃性物品。
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