JP2014012770A - 透明粘接着剤層付透明飛散防止部材 - Google Patents

透明粘接着剤層付透明飛散防止部材 Download PDF

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裕介 杉野
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国夫 長崎
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Takafumi Hida
貴文 樋田
Yusuke Nakayama
雄介 仲山
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Abstract

【課題】被着体同士を瞬時に固定化できるとともに、被着体同士の貼り直しができ、シート形状での切り出しが可能であるなど加工性に優れ、しかも、火災時など高温雰囲気下に曝された場合にも被着体から剥がれず、且つ、ガラスなどの燃焼で割れる被着体に貼着した場合に、火災時などの燃焼に曝されても飛散防止性を発現でき、機能性に優れ、高い透明性を有する、透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を提供する。
【解決手段】本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、透明粘接着剤層と透明不燃性基材を含み、該透明粘接着剤層は、焼結前は粘着性を有し、焼結後は接着性を有し、機能層を少なくとも一方の最外層として含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明粘接着剤層付透明飛散防止部材に関する。詳細には、焼結性を有する透明粘接着剤層付透明飛散防止部材であって、透明粘接着剤層は、焼結前には粘着性を有し、焼結後には接着性を有し、また、ガラスなどの燃焼で割れる被着体に貼着した場合に、火災時などの燃焼に曝されても飛散防止性を発現でき、さらに、木材やプラスチックに対する難燃化処理に用いた場合には優れた難燃性を示し、機能性に優れる、透明粘接着剤層付透明飛散防止部材に関する。
一般的なガラスの飛散防止フィルム(例えば、特許文献1参照)は、防犯用や衝撃によるガラスの飛散を防止するために貼られている。しかし、従来のこのような飛散防止フィルムは、PETや塩化ビニルを原料としているため、火や熱に弱く、火災など高温雰囲気下に曝された場合には燃えてしまう。
一方、不燃性のフィルムを一般的な粘着剤(例えば、特許文献2参照)を使ってガラスに貼ることもできるが、火災時など高温雰囲気下に曝された場合に、粘着剤のポリマー成分が分解し、不燃フィルムが被着体から剥がれてしまうという問題がある。
無機粒子の水分散体に代表される焼結性接着剤(例えば、特許文献3参照)を用いて不燃フィルムをガラスに貼ることもできるが、貼り直しが困難であり、塗工してから固定化するまでに時間や熱処理が必要であるため、瞬時に固定化できないという問題がある。また、打ち抜き加工などのシート形状での切り出しが困難であるという問題がある。
また、窓ガラスなどのフロートガラスは、火災などの熱によって割れて飛散してしまうという危険性がある。このため、窓ガラスなどのフロートガラスに貼着する部材が高温雰囲気下でも剥がれず、燃えて無くなるということがなければ、火災時などの燃焼に曝されても飛散防止性を発現できることになり、極めて実用性が高い。
さらに、粘接着剤層と不燃性基材を含む粘接着剤層付飛散防止部材において、粘接着剤の透明性を高くするとともに不燃性基材の透明性を高くすることができれば、粘接着剤層付飛散防止部材に高い透明性を付与することができ、被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができることになり、極めて実用性が高い。
また、ガラスの飛散防止フィルムは、使用場所によっては、温度の影響を受けやすいことがある。このような状況においては、ガラスの飛散防止フィルムに断熱性や遮熱性を付与できれば、例えば、外部の温度変化に対して保温性を発現することが可能となる。
また、ガラスの飛散防止フィルムは、使用場所によっては、表面に傷がつきやすい状況に曝されることがある。ガラスの飛散防止フィルムの表面に傷がついてしまうと、該傷の箇所を起点としてフィルムが破断等してしまうという問題、飛散防止性が低下してしまうという問題、さらには、意匠性が低下してしまうという問題が生じる。
さらに近年、ガラスの飛散防止フィルムには、物理的機能性や化学的機能性などの性能が要求される。
ガラスの飛散防止フィルムは、使用場所によっては、表面に指紋がつきやすい状況に曝されることがある。ガラスの飛散防止フィルムの表面に指紋がついてしまうと、外観性を損なうなどの問題が生じ、良好な外観が求められる用途への適用が困難となる。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムは、インクを吸収し難い材料を用いており、表面に直接に印字することが難しい。このため、表面に印字がなされたガラスの飛散防止フィルムを得難いという問題がある。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムにおいては、反射防止性を有していない、あるいは、反射防止性が十分ではない場合があり、この場合、例えば、用途によっては、光などの写り込みが問題となる。
また、ガラスの飛散防止フィルムに光選択透過性を付与できれば、ガラスの飛散防止性を有する光学フィルター部材等を提供することができる。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムは、アルカリ性環境下に曝された場合に、表面が腐食してシワやフクレ等が生じてしまうという問題がある。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムは、酸性環境下に曝された場合に、表面が腐食してシワやフクレ等が生じてしまうという問題がある。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムは、有機溶剤などの溶剤に曝された場合に、表面が腐食してシワやフクレ等が生じてしまうという問題がある。
さらに近年、ガラスの飛散防止フィルムには、耐環境機能性や衛生機能性などの性能が要求される。
ガラスの飛散防止フィルムは、例えば、建築物のガラスなどに用いられる場合、防汚性、防塵性、浄化性、抗菌性、有機物分解性などの性能が要求される。
また、ガラスの飛散防止フィルムは、使用場所によっては、表面に汚れがつきやすい状況に曝されることがある。ガラスの飛散防止フィルムの表面に汚れがついてしまうと、外観性を損なうなどの問題が生じ、良好な外観が求められる用途への適用が困難となる。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムは、調湿性がない、あるいは、調湿性が十分ではない場合があり、この場合、例えば、住宅の内壁面などに用いた場合に、結露が生じるという問題がある。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムは、防湿性がない、あるいは、防湿性が十分ではない場合があり、この場合、例えば、住宅の内壁面などに用いた場合に、結露が生じるという問題がある。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムにおいては、耐水性がない、あるいは、耐水性が十分ではない場合があり、この場合、水分に曝されることにより表面が劣化してしまうという問題が生じる。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムにおいては、撥水性がない、あるいは、撥水性が十分ではない場合があり、この場合、例えば、表面が汚染物で汚れた場合に、水で容易に該汚染物を除去できないという問題がある。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムにおいては、親水性がない、あるいは、親水性が十分ではない場合があり、この場合、例えば、表面が汚染物で汚れた場合に、容易に該汚染物を洗浄できないという問題がある。
また、従来のガラスの飛散防止フィルムにおいては、撥油性がない、あるいは、撥油性が十分ではない場合があり、この場合、例えば、表面が油性汚染物で汚れた場合に、容易に該油性汚染物を除去できないという問題がある。
また、ガラスの飛散防止フィルムは、使用場所によっては、各種の菌が表面に繁殖してしまうおそれがある。このような状況においては、ガラスの飛散防止フィルムに抗菌性を付与できれば、各種の菌が繁殖し易い環境下にて使用する場合であっても、それらの菌の繁殖を効果的に抑制することが可能となる。
また、ガラスの飛散防止フィルムは、使用場所によっては、各種のカビが表面に繁殖してしまうおそれがある。このような状況においては、ガラスの飛散防止フィルムに抗カビ性を付与できれば、各種のカビが繁殖し易い環境下にて使用する場合であっても、それらのカビの繁殖を効果的に抑制することが可能となる。
また、ガラスの飛散防止フィルムに消臭性を付与できれば、被着体に柔軟に貼り合わされることにより、被着体近傍の臭気を低減できる。
特開平9−176337号公報 特開2005−082775号公報 特開2002−173379号公報
本発明は、被着体同士を瞬時に固定化できるとともに、被着体同士の貼り直しができ、シート形状での切り出しが可能であるなど加工性に優れ、しかも、火災時など高温雰囲気下に曝された場合にも被着体から剥がれず、且つ、ガラスなどの燃焼で割れる被着体に貼着した場合に、火災時などの燃焼に曝されても飛散防止性を発現でき、機能性に優れ、高い透明性を有する、透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を提供することを目的とする。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、
透明粘接着剤層と透明不燃性基材を含み、
該透明粘接着剤層は、焼結前は粘着性を有し、焼結後は接着性を有し、
機能層を少なくとも一方の最外層として含む。
好ましい実施形態においては、前記機能層が熱機能層である。
好ましい実施形態においては、上記熱機能層の厚みが0.1μm〜200μmである。
好ましい実施形態においては、上記熱機能層が断熱層である。
好ましい実施形態においては、上記断熱層が中空ビーズ構造物を含む。
好ましい実施形態においては、上記中空ビーズ構造物がガラスビーズである。
好ましい実施形態においては、上記熱機能層が遮熱層である。
好ましい実施形態においては、上記遮熱層が、顔料、セラミック、金属、マイクロバルーンから選ばれる少なくとも1種を含有する。
好ましい実施形態においては、上記遮熱層が、塗工層、シート層、箔層、スパッタ層、蒸着層から選ばれる少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、上記透明粘接着剤層は、焼結性粒子およびポリマー成分を含む。
好ましい実施形態においては、上記焼結性粒子の屈折率と上記ポリマー成分の屈折率との差が0.02以下である。
好ましい実施形態においては、上記焼結性粒子の屈伏点が250℃〜800℃である。
好ましい実施形態においては、上記焼結性粒子が、ケイ酸、ホウ酸、ホウケイ酸、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化リンから選ばれる少なくとも1種の成分から形成される。
好ましい実施形態においては、上記焼結性粒子の平均粒子径が0.1μm〜1000μmである。
好ましい実施形態においては、上記焼結性粒子の含有割合が、上記透明粘接着剤層の固形分に対して1重量%〜150重量%である。
好ましい実施形態においては、上記ポリマー成分が、ゴム系ポリマー、シリコーン系ポリマー、アクリル系ポリマーから選ばれる少なくとも1種の成分である。
好ましい実施形態においては、上記ポリマー成分を形成するための材料が光重合開始剤を含む。
好ましい実施形態においては、上記透明粘接着剤層が光重合によって得られる。
好ましい実施形態においては、上記透明不燃性基材が、無機基材と樹脂を含み、該無機基材の屈折率と該樹脂の屈折率との差が0.02以下である。
好ましい実施形態においては、上記無機基材に上記樹脂が含浸されてなる。
好ましい実施形態においては、上記無機基材が繊維状無機基材である。
好ましい実施形態においては、上記繊維状無機基材がガラスクロスである。
好ましい実施形態においては、上記樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である。
好ましい実施形態においては、上記熱可塑性樹脂が光硬化性樹脂である。
好ましい実施形態においては、上記光硬化性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である。
好ましい実施形態においては、上記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、上記機能層を除いた部分の全光線透過率が70%以上である。
好ましい実施形態においては、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、上記機能層を除いた部分のHAZE値が30以下である。
好ましい実施形態においては、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、シート状またはテープ状であり、厚みが1μm〜1000μmである。
本発明によれば、被着体同士を瞬時に固定化できるとともに、被着体同士の貼り直しができ、シート形状での切り出しが可能であるなど加工性に優れ、しかも、火災時など高温雰囲気下に曝された場合にも被着体から剥がれず、且つ、ガラスなどの燃焼で割れる被着体に貼着した場合に、火災時などの燃焼に曝されても飛散防止性を発現でき、機能性に優れ、高い透明性を有する、透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を提供することができる。また、本発明において提供できる透明粘接着剤層付飛散防止部材は、木材やプラスチックに対する難燃化処理に用いた場合には優れた難燃性を示す。
機能層として熱機能層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた熱機能性を有効に発現でき、高温粘着性・高温接着性に優れる。
機能層として保護層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた耐擦傷性を有効に発現できる。
機能層として物理的機能層を有し、物理的機能層として耐指紋層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた耐指紋性能を有効に発現できる。
機能層として物理的機能層を有し、物理的機能層としてインク吸収層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた印字性を有効に発現できる。
機能層として物理的機能層を有し、物理的機能層として反射防止層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた反射防止性を有効に発現できる。
機能層として物理的機能層を有し、物理的機能層として光選択透過層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた光選択透過性を有効に発現できる。
機能層として化学的機能層を有し、化学的機能層として耐アルカリ性層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた耐アルカリ性を有効に発現できる。
機能層として化学的機能層を有し、化学的機能層として耐酸性層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた耐酸性を有効に発現できる。
機能層として化学的機能層を有し、化学的機能層として耐溶剤性層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた耐溶剤性を有効に発現できる。
機能層として耐環境機能層を有し、耐環境機能層として光触媒層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、防汚性、防塵性、浄化性、抗菌性、有機物分解性などの光触媒性能を有効に発現できる。
機能層として耐環境機能層を有し、耐環境機能層として防汚層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた防汚性能を有効に発現できる。
機能層として耐環境機能層を有し、耐環境機能層として調湿層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた調湿性を有効に発現できる。
機能層として耐環境機能層を有し、耐環境機能層として防湿層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた防湿性を有効に発現できる。
機能層として耐環境機能層を有し、耐環境機能層として耐水層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた耐水性を有効に発現でき、水分に曝されても表面が劣化し難い。
機能層として耐環境機能層を有し、耐環境機能層として撥水層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた撥水性を有効に発現でき、表面が汚染物で汚れた場合に、水で容易に該汚染物を除去できる。
機能層として耐環境機能層を有し、耐環境機能層として親水層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた親水性を有効に発現でき、表面が汚染物で汚れた場合に、容易に該汚染物を洗浄できる。
機能層として耐環境機能層を有し、耐環境機能層として撥油層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた撥油性を有効に発現でき、表面が油性汚染物で汚れた場合に、容易に該油性汚染物を除去できる。
機能層として衛生機能層を有し、衛生機能層として抗菌層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた抗菌性能を有効に発現できる。
機能層として衛生機能層を有し、衛生機能層として抗カビ層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた抗カビ性能を有効に発現できる。
機能層として衛生機能層を有し、衛生機能層として消臭層を有する場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、優れた消臭性を有効に発現でき、被着体近傍の臭気を低減できる。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材の概略断面図の一例である。 本発明の別の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材の概略断面図の一例である。 ガラスの飛散防止性を評価するための方法の概略図である。 高温粘着性および高温接着性を評価するための方法の概略図である。 水平燃焼試験の方法の概略図である。
≪透明粘接着剤層付透明飛散防止部材≫
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、透明粘接着剤層と透明不燃性基材を含む。
透明粘接着剤層は、高い透明性を有する。透明粘接着剤層が高い透明性を有することにより、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができることになり、極めて実用性が高い。
透明粘接着剤層は、全光線透過率が、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは88%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
透明粘接着剤層は、HAZE値が、好ましくは30以下であり、より好ましくは20以下であり、さらに好ましくは15以下であり、特に好ましくは10以下であり、最も好ましくは6以下である。
透明粘接着剤層は、焼結前は粘着性を有し、焼結後は接着性を有する。ここで、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、焼結前の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を意味する。すなわち、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、そのままで粘着性を有し、焼結を行うことによって、接着性が発現される。
本発明でいう「粘着」(Pressure−sensitive Adhesive)とは、JISで規定されているように、接着の一種であって、一時的な接着であり、わずかな圧力を加えただけで接着できる性質をいう。また、凝集力と弾性を有しているため、強く接着する反面、硬い平滑面からは剥がすこともできる性質をいう。粘着剤は柔らかい固体であり、接着剤のように状態の変化を起こさない。粘着剤は、そのままの状態で被着体に濡れ、剥離に抵抗するため、被着体同士を貼り合わせると瞬時に実用に耐える接着力を発揮できる。すなわち、粘着剤は、被着体に濡れていくための液体の性質(流動性)と、剥離に抵抗する固体の性質(凝集力)とを併せ持つ。粘着剤は、柔らかい固体であるので、圧力を加えたり、時間をかけたりすることによって、徐々に被着体への接触面積が増えていく。そして、この柔らかさを長時間保つことができるため、剥がしたい時に剥がせるという性質を有する。
本発明でいう「接着」(Adhesive)とは、JISで規定されているように、同種または異種の固体の面と面を貼り合わせて一体化できる性質をいう。接着剤は、被着体同士を貼り合わせる時には流動性のある液体であり、被着体に濡れ、なじんでいく。その後、加熱や化学反応により固体に変化し、被着体同士の界面で強固に結びつき、剥離に抵抗する力を発揮する。すなわち、接着剤は、液体で濡れ、固体で接着する。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、機能層を少なくとも一方の最外層として含む。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材が含む機能層としては、好ましくは、熱機能層、保護層、物理化学機能層、環境衛生機能層が挙げられる。
<熱機能層>
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材が含む機能層が熱機能層である場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、熱機能層を、片方の最外層として有していても良いし、両方の最外層として有していても良い。
熱機能層としては、熱機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような熱機能層としては、好ましくは、断熱層、遮熱層などが挙げられる。
熱機能層の厚みは、好ましくは0.1μm〜200μmであり、より好ましくは0.5μm〜150μmであり、さらに好ましくは1μm〜100μmである。熱機能層の厚みが上記範囲内にあれば、優れた熱機能性を発現することができ、優れた高温粘着性・高温接着性を発現することができる。
(断熱層)
断熱層としては、断熱効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
断熱層は、好ましくは、中空ビーズ構造物を含む。中空ビーズ構造物とは、ビーズ内部に気体層を含む構造物をいう。気体層としては、空気、窒素、希ガスなどが挙げられる。
このような中空ビーズ構造物としては、例えば、中空セラミックビーズ、中空シリカビーズ、シラスバルーン、ガラスビーズ、中空スチレンビーズなどが挙げられる。これらの中でも、特に好ましくはガラスビーズである。
断熱層は、より好ましくは、中空ビーズ構造物を含む樹脂組成物である。
このような樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、上記中空ビーズからなる断熱材を保持し所定の形状に成形可能なものであれば、特にその制限はない。例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
断熱層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。断熱層に含有され得る添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
断熱層の厚みは、好ましくは0.1μm〜200μmであり、より好ましくは0.5μm〜150μmであり、さらに好ましくは1μm〜100μmである。断熱層の厚みが上記範囲内にあれば、優れた断熱性を発現することができ、優れた高温粘着性・高温接着性を発現することができる。
(遮熱層)
遮熱層は、遮熱効果を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。遮熱効果とは、具体的には、赤外線の多くを反射することによって、熱エネルギーの発生を抑制する効果をいう。
遮熱層は、好ましくは、780nm〜2100nmの範囲において任意の波長を有する光に対する平均反射率が50%以上である層である。
遮熱層は、1層のみからなるものでも良いし、2層以上からなるものでも良い。
遮熱層は、好ましくは、任意の適切な遮熱物質を含有する。このような遮熱物質としては、例えば、顔料、セラミック、金属、マイクロバルーンが挙げられる。このような遮熱物質は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
遮熱物質が粒子状の場合、その平均粒子径は、好ましくは0.005μm〜10μmであり、より好ましくは0.01μm〜1μmである。遮熱物質が粒子状の場合、その平均粒子径が上記範囲内にあれば、遮熱層の遮熱性を高いレベルで発現することができる。
顔料としては、任意の適切な顔料を採用し得る。顔料としては、例えば、無機顔料などが挙げられる。無機顔料としては、好ましくは、酸化チタン、二酸化マンガン、酸化コバルトなどの白色顔料;白色顔料と他の顔料とを併用した淡色系顔料;などが挙げられる。
セラミックとしては、任意の適切な形態のセラミックを採用し得る。
金属としては、任意の適切な金属を採用し得る。金属としては、例えば、アルミニウム、銅などが挙げられる。
マイクロバルーンは、内部に空洞を有する中空微粒子である。マイクロバルーンとしては、ガラスやチタニア複合物などからなるセラミックバルーン等が挙げられる。好ましくは、例えば、ガラスビーズである。
遮熱層は、任意の適切な添加剤を含有し得る。このような添加剤としては、例えば、可塑剤、充填材、滑剤、熱安定剤、防曇剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、樹脂、溶剤等が挙げられる。
遮熱層は、任意の適切な形態を採り得る。遮熱層は、好ましくは、塗工層、シート層、箔層、スパッタ層、蒸着層から選ばれる少なくとも1種である。
遮熱層が塗工層の場合、該遮熱層は、任意の適切な遮熱塗料を塗工することによって形成され得る。
遮熱層がシート層の場合、該遮熱層としては、例えば、遮熱物質を含有するシート層が挙げられる。このようなシート層は、任意の適切な成形方法によって形成し得る。
遮熱層が箔層の場合、該遮熱層としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔からなる箔層が挙げられる。
遮熱層がスパッタ層や蒸着層の場合、任意の適切なスパッタリング方法や蒸着方法によって形成することができる。
遮熱層の厚みは、好ましくは0.1μm〜100μmであり、より好ましくは1μm〜100μmである。遮熱層の厚みが上記範囲内にあれば、優れた遮熱性を発現することができ、優れた高温粘着性・高温接着性を発現することができる。
<保護層>
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材が含む機能層が保護層である場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、保護層を、片方の最外層として有していても良いし、両方の最外層として有していても良い。
保護層の好ましい一つの実施形態は、樹脂層である。このような樹脂層として、好ましくは、ポリエステル系樹脂層である。このようなポリエステル系樹脂層の材料となるポリエステル樹脂としては、任意の適切なポリエステル樹脂を採用し得る。このようなポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。
上記樹脂層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。上記樹脂層に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
保護層の好ましい別の実施形態は、紫外線硬化系ハードコート層、熱硬化系ハードコート層、有機無機ハイブリッド系ハードコート層から選ばれる少なくとも1種である。
紫外線硬化系ハードコート層は、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成し得る。熱硬化系ハードコート層は、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成し得る。有機無機ハイブリッド系ハードコート層は、有機無機ハイブリッド樹脂を含む樹脂組成物から形成し得る。
上記のような樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、オキセタン系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂が挙げられる。ハードコート層の形成にこのような樹脂を含む樹脂組成物を用いれば、優れた耐擦傷性能を有効に発現できるハードコート層を得ることができる。取扱性等の点から、特に好ましくは、アクリル系樹脂である。
上記アクリル系樹脂としては、単官能又は多官能の各種(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を有する樹脂であれば、任意の適切なアクリル系樹脂が採用され得る。上記単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ヘキシルジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシエチルセロソルブアクリレート等が挙げられる。多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、並びに、オリゴウレタン(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いて共重合体を形成してもよい。
上記樹脂組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。樹脂組成物に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
保護層の鉛筆硬度は、好ましくは2H〜8H、さらに好ましくは4H〜6Hである。保護層の鉛筆硬度をこのような範囲とすることで、優れた耐擦傷性を有する保護層とすることができる。
保護層の厚みは、好ましくは0.1μm〜200μmであり、より好ましくは0.5μm〜150μmであり、さらに好ましくは1μm〜100μmである。保護層の厚みが上記範囲内にあれば、優れた耐擦傷性を発現することができる。
<物理的機能層>
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材が含む機能層が物理的機能層である場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、物理的機能層を、片方の最外層として有していても良いし、両方の最外層として有していても良い。
物理的機能層としては、物理的機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような物理的機能層としては、好ましくは、耐指紋層、インク吸収層、反射防止層、光選択透過層などが挙げられる。
物理的機能層の厚みは、好ましくは0.1μm〜200μmであり、より好ましくは0.5μm〜150μmであり、さらに好ましくは1μm〜100μmである。物理的機能層の厚みが上記範囲内にあれば、優れた物理的機能性を発現することができる。
(耐指紋層)
耐指紋層としては、本発明の効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。好ましくは、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む層である。
フッ素系樹脂としては、例えば、特開平09−258003中に示される含フッ素シラン化合物(一般式(1))が挙げられる。フッ素系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、好ましくは、CF−、C−、C−が挙げられる。
Xはヨウ素または水素である。Yは水素または低級アルキル基である。
は加水分解可能な基であり、好ましくは、ハロゲン、−OR、−OCOR、−OC(R)=C(R、−ON=C(R、−ON=CRが挙げられる(ただし、Rは脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、Rは水素または低級脂肪族炭化水素基、Rは炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基である)。
としては、より好ましくは、塩素、−OCH、−OCが挙げられる。
は水素または不活性な一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜4の一価の炭化水素基が挙げられる。
a、b、c、dは0〜200の整数であり、好ましくは1〜50である。eは0または1である。mおよびnは0〜2の整数であり、好ましくは0である。pは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。
一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の分子量は、好ましくは5×10〜1×10であり、より好ましくは5×10〜1×10である。
一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の好ましい構造としては、一般式(2)で示されるものが挙げられる。一般式(2)中、qは1〜50の整数であり、rは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、その他の記号は一般式(1)で説明したものと同様である。
シリコーン系樹脂としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイルまたはシリコーンワニス、特開平09−111185に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。シリコーン系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ウレタン系樹脂としては、例えば、特開2010−248426に示されるウレタン(メタ)アクリレート、活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物を反応させた多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。ウレタン系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物を反応させた多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物における活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール類;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のメチロール類;ビスフェノールAジエポキシアクリレート等のエポキシアクリレート類;等を挙げることができる。このような活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、好ましくは、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられる。これらの活性水素を有する多官能(メタ)アクリレートは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物を反応させた多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物におけるポリイソシアネート化合物としては、例えば、鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素(脂環式)、芳香族炭化水素を構成要素とするポリイソシアネート化合物が挙げられる。具体的には、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素(脂環式)ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;等が挙げられる。このようなポリイソシアネート化合物としては、好ましくは、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造に際し、活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート化合物中の活性水素基1当量に対する、ポリイソシアネート化合物の使用量は、イソシアネート基当量として、好ましくは0.1当量〜50当量であり、より好ましくは0.1当量〜10当量である。反応温度は、好ましくは30℃〜150℃であり、より好ましくは50℃〜100℃である。反応の終点は残存イソシアネート量を過剰のn−ブチルアミンで反応させ、1N塩酸にて逆滴定する方法により算出し、残存ポリイソシアネート量が0.5重量%以下となった時点を終了とする。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造に際し、反応時間の短縮を目的として、触媒を添加してもよい。このような触媒としては、塩基性触媒、酸性触媒が挙げられる。塩基性触媒としては、例えば、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アンモニア等のアミン類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;等を挙げることができる。酸性触媒としては、例えば、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、トリチタニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等の金属アルコキシド類;塩化アルミニウム等のルイス酸類;2−エチルヘキサンスズ、オクチルスズトリラウリレート、ジブチルスズジラウリレート、オクチルスズジアセテート等のスズ化合物;等が挙げられる。触媒の添加量は、ポリイソシアネート100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜1重量部である。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造に際し、反応中の(メタ)アクリレート化合物の重合を防止するために、重合禁止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン等)を使用することが好ましい。このような該重合禁止剤の使用量は、反応混合物に対して、好ましくは0.01重量%〜1重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜0.5重量%である。反応温度は、好ましくは60℃〜150℃であり、より好ましくは80℃〜120℃である。
耐指紋層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。このような添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐指紋層に含有され得る添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐指紋層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(インク吸収層)
インク吸収層としては、印字効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
インク吸収層は、好ましくは、水溶性樹脂を含む。インク吸収層中の水溶性樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記水溶性樹脂としては、任意の適切な水溶性樹脂を採用し得る。このような水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
インク吸収層中の水溶性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
インク吸収層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。このような添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。インク吸収層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
インク吸収層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(反射防止層)
反射防止層としては、反射防止効果が得られる限り、公知の反射防止層など、任意の適切な層を採用し得る。
反射防止層の形成材料としては、例えば、紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂系材料;樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド系材料;テトラエトキシシラン、チタンテトラエトキシド等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル系材料;などが挙げられる。これらの形成材料は、表面の防汚染性付与のために、フッ素基を含有するものが好ましい。これらの形成材料は、耐擦傷性を向上させるために、無機成分含有量が多い形成材料が好ましい。このような無機成分含有量が多い形成材料としては、上記ゾル−ゲル系材料が挙げられる。ゾル−ゲル系材料は、部分縮合されていても良い。
耐擦傷性と低反射が両立できる反射防止層としては、例えば、エチレングリコール換算数平均分子量500〜10000の範囲のシロキサンオリゴマーと、ポリスチレン換算数平均分子量5000以上であって、フルオロアルキル構造およびポリシロキサン構造を有するフッ素化合物とを含有する材料(特開2004−167827号公報に記載の材料)から形成された反射防止層も挙げられる。
反射防止層の形成材料としては、無機ゾルも挙げられる。無機ゾルとしては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化マグネシウムなどが挙げられる。
反射防止層の形成材料には、中空で球状の酸化ケイ素微粒子が含有されていても良い。このような中空で球状の酸化ケイ素微粒子としては、例えば、特開2001−233611号公報に開示されたシリカ系微粒子が挙げられる。
反射防止層を形成する際の乾燥および硬化の温度としては、任意の適切な温度を採用し得る。
反射防止層の形成には、例えば、ウェット方式であるファンテンコート、ダイコート、スピンコート、スプレーコート、グラビアコート、ロールコート、バーコート等の塗工法、真空蒸着などを採用し得る。
反射防止層が2層以上からなる複数層の場合、例えば、屈折率の高い酸化チタン層(屈折率:約1.8)の上に屈折率の低い酸化ケイ素層(屈折率:約1.45)を積層した二層構造のものが好ましい。
反射防止層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。このような添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。反射防止層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
反射防止層は、1層のみからなる単層であっても良いし、2層以上からなる複数層であっても良い。
(光選択透過層)
光選択透過層としては、光選択透過効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。光選択透過層は、好ましくは、金属薄膜、誘電体薄膜から選ばれる少なくとも1種である。金属薄膜の金属材料としては、任意の適切な金属材料を採用し得る。誘電体薄膜の誘電体材料としては、任意の適切な誘電体材料を採用し得る。
光選択透過層としては、誘電体層Aと、誘電体層Aが有する屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体層Bとを交互に積層した誘電体多層膜が好適である。
誘電体層Aを構成する材料としては、好ましくは、屈折率の範囲が1.6以下の材料を選択することができ、より好ましくは、屈折率の範囲が1.2〜1.6の材料を選択することができる。このような材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。これらの材料は、1種のみでも良いし、2種以上でも良い。
誘電体層Bを構成する材料としては、好ましくは、屈折率の範囲が1.7以上の材料を選択することができ、より好ましくは、屈折率の範囲が1.7〜2.5の材料を選択することができる。このような材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化インジウムを主成分とし酸化チタン、酸化錫、酸化セリウムなどを少量含有させたものなどが挙げられる。これらの材料は、1種のみでも良いし、2種以上でも良い。
光選択透過層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。このような添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。光選択透過層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
光選択透過層は、1層のみからなる単層であっても良いし、2層以上からなる多層であっても良い。
光選択透過層が多層の場合、該光選択透過層は、好ましくは、多層の金属薄膜、多層の誘電体薄膜から選ばれる少なくとも1種である。
光選択透過層の具体例としては、例えば、シリカ層とチタニア層とが交互に積層された多層膜などが挙げられる。
<化学的機能層>
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材が含む機能層が化学的機能層である場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、化学的機能層を、片方の最外層として有していても良いし、両方の最外層として有していても良い。
化学的機能層としては、化学的機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような化学的機能層としては、好ましくは、耐アルカリ性層、耐酸性層、耐溶剤性層などが挙げられる。
化学的機能層の厚みは、好ましくは0.1μm〜200μmであり、より好ましくは0.5μm〜150μmであり、さらに好ましくは1μm〜100μmである。化学的機能層の厚みが上記範囲内にあれば、優れた化学的機能性を発現することができる。
(耐アルカリ性層)
耐アルカリ性層としては、耐アルカリ効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐アルカリ性層は、好ましくは、耐アルカリ性樹脂を含む。耐アルカリ性層中の耐アルカリ性樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記耐アルカリ性樹脂としては、任意の適切な耐アルカリ性樹脂を採用し得る。このような耐アルカリ性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ウレタン系樹脂としては、具体的には、例えば、油変性ポリウレタン樹脂、アルキド系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂などが挙げられる。フェノール系樹脂としては、具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
耐アルカリ性層中の耐アルカリ性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
耐アルカリ性層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。このような添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐アルカリ性層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐アルカリ性層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(耐酸性層)
耐酸性層としては、耐酸効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐酸性層は、好ましくは、耐酸性樹脂を含む。耐酸性層中の耐酸性樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記耐酸性樹脂としては、任意の適切な耐酸性樹脂を採用し得る。このような耐酸性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。フェノール系樹脂としては、具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。シリコーン系樹脂としては、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイルまたはシリコーンワニス、特開平09−111185号公報に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
耐酸性層中の耐酸性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
耐酸性層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。このような添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐酸性層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐酸性層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(耐溶剤性層)
耐溶剤性層としては、耐溶剤効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐溶剤性層は、好ましくは、耐溶剤性樹脂を含む。耐溶剤性層中の耐溶剤性樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記耐溶剤性樹脂としては、任意の適切な耐溶剤性樹脂を採用し得る。このような耐溶剤性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ウレタン系樹脂としては、具体的には、例えば、油変性ポリウレタン樹脂、アルキド系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂などが挙げられる。フェノール系樹脂としては、具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。シリコーン系樹脂としては、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイルまたはシリコーンワニス、特開平09−111185号公報に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
耐溶剤性層中の耐溶剤性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
耐溶剤性層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。このような添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐溶剤性層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐溶剤性層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
<耐環境機能層>
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材が含む機能層が耐環境機能層である場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、耐環境機能層を、片方の最外層として有していても良いし、両方の最外層として有していても良い。
耐環境機能層としては、耐環境機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような耐環境機能層としては、好ましくは、光触媒層、防汚層、調湿層、防湿層、耐水層、撥水層、親水層、撥油層などが挙げられる。
耐環境機能層の厚みは、好ましくは0.1μm〜200μmであり、より好ましくは0.5μm〜150μmであり、さらに好ましくは1μm〜100μmである。耐環境機能層の厚みが上記範囲内にあれば、優れた耐環境機能性を発現することができる。
(光触媒層)
光触媒層は、光触媒を含む。光触媒の形態は、どのような形態であっても良いが、光触媒性能が十分に発現できる点で、光触媒粒子が好ましい。
光触媒層は、光触媒のみから形成される層であっても良いし、光触媒および光触媒以外の任意の適切な成分から形成される層であっても良い。光触媒以外の任意の適切な成分としては、例えば、無機バインダー、分散安定剤などの添加剤、などが挙げられる。
光触媒粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物が挙げられる。また、これらの金属酸化物にFe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、Pt、Au等の金属を付加したものも挙げられる。中でも、酸化チタンが、無害で化学的に安定しており、安価であるため好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルックライト型酸化チタンのいずれも使用できるが、光触媒反応の高活性なアナターゼ型酸化チタンを主成分とするものが好ましい。
光触媒粒子の平均粒子径は、好ましくは0.005μm〜0.1μmであり、より好ましくは0.01μm〜0.1μmである。光触媒粒子の平均粒子径が上記範囲内にあれば、光触媒層の透明性を確保でき、かつ光触媒活性を高活性に保持することができる。
光触媒層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
無機バインダーは、光触媒粒子の密着を高め、光触媒による層の強度を向上させる。無機バインダーとしては、バインダーとして機能するものであれば、任意の適切な無機化合物を採用し得る。無機バインダーとしては、好ましくは、シリカ化合物が挙げられる。シリカ化合物としては、4、3、2官能のアルコキシシラン、およびこれらアルコキシシランの縮合物、加水分解物、シリコーンワニス等が使用できる。3、2官能のアルコキシシランは、一般的にはシランカップリング剤と呼ばれることがある。具体的には、4官能アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、3官能のアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドプロポキシトリメトキシシラン、グリシロプロピルメチルジエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2官能のアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。アルコキシシランの縮合物としては、例えば、エチルシリケート40、エチルシリケート48、メチルシリケート51等の4官能アルコキシシランの縮合物が挙げられる。アルコキシシランの加水分解物としては、例えば、アルコキシシランを有機溶媒と水および触媒を使用して加水分解させたものが挙げられる。これらのシリカ化合物の中でも、特に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルシリケート40、エチルシリケート48、メチルシリケート51、それらの加水分解生成物であるアルコール性シリカゾルは、光触媒層を強固に固定でき、かつ比較的安価であることから、特に好ましい。
(防汚層)
防汚層としては、防汚効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
防汚層としては、好ましくは、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む層が挙げられる。
フッ素系樹脂としては、例えば、特開平09−258003中に示される含フッ素シラン化合物(一般式(1))が挙げられる。フッ素系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、好ましくは、CF−、C−、C−が挙げられる。Xはヨウ素または水素である。Yは水素または低級アルキル基である。Rは加水分解可能な基であり、好ましくは、ハロゲン、−OR、−OCOR、−OC(R)=C(R、−ON=C(R、−ON=CRが挙げられる(ただし、Rは脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、Rは水素または低級脂肪族炭化水素基、Rは炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基である)。Rとしては、より好ましくは、塩素、−OCH、−OCが挙げられる。Rは水素または不活性な一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜4の一価の炭化水素基が挙げられる。a、b、c、dは0〜200の整数であり、好ましくは1〜50である。eは0または1である。mおよびnは0〜2の整数であり、好ましくは0である。pは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。
一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の分子量は、好ましくは5×10〜1×10であり、より好ましくは5×10〜1×10である。
一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の好ましい構造としては、一般式(2)で示されるものが挙げられる。一般式(2)中、qは1〜50の整数であり、rは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、その他の記号は一般式(1)で説明したものと同様である。
シリコーン系樹脂としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイルまたはシリコーンワニス、特開平09−111185に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。シリコーン系樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
防汚層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。樹脂組成物に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
防汚層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(調湿層)
調湿層としては、調湿効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
調湿層は、好ましくは、多孔性物質を含む。調湿層中の多孔性物質の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記多孔性物質としては、任意の適切な多孔性物質を採用し得る。このような多孔性物質としては、無機酸化物、複合無機酸化物、多孔性炭素などが挙げられる。このような多孔性物質としては、具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ複合酸化物、ゼオライト、活性炭から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
調湿層中の多孔性物質は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
調湿層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。調湿層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
調湿層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(防湿層)
防湿層としては、防湿効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
防湿層は、好ましくは、防湿効果を有する樹脂を含む。具体的には、防湿層は、好ましくは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。防湿層中の、ポリ塩化ビニリデン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂としては、ポリ塩化ビニリデン由来の構成単位を有する樹脂であれば、任意の適切なポリ塩化ビニリデン系樹脂を採用し得る。このようなポリ塩化ビニリデン系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンの変性体、塩化ビニリデンと他の共重合性モノマーとの共重合体などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン由来の構成単位を有する樹脂であれば、任意の適切なポリオレフィン系樹脂を採用し得る。このようなポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエチレン、エチレンと他の共重合性モノマーとの共重合体、ポリプロピレン、プロピレンと他の共重合性モノマーとの共重合体などが挙げられる。
防湿層中の防湿効果を有する樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
防湿層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。防湿層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
防湿層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
防湿層は、任意の適切な防湿塗料から形成される層であっても良い。
(耐水層)
耐水層としては、耐水効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐水層は、好ましくは、耐水性樹脂を含む。耐水層中の耐水性樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記耐水性樹脂としては、任意の適切な耐水性樹脂を採用し得る。このような耐水性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
エポキシ系樹脂としては、例えば、エポキシ基含有モノマー中またはエポキシ基含有プレポリマー中に存在するエポキシ基を、硬化剤(光重合開始剤や熱重合開始剤など)によって架橋させて得られる、架橋樹脂が挙げられる。エポキシ系樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
フェノール系樹脂としては、例えば、フェノール類(フェノールやクレゾールなど)とホルムアルデヒドを原料として触媒存在下にて合成される硬化樹脂が挙げられる。フェノール系樹脂としては、具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。
シリコーン系樹脂としては、例えば、シロキサン結合を有する主骨格を持つ樹脂が挙げられる。シリコーン系樹脂としては、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイル、シリコーンワニス、特開平9−111185号公報に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。
フッ素系樹脂としては、例えば、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる樹脂が挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
耐水層中の耐水性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
耐水層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐水層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐水層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(撥水層)
撥水層としては、撥水効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
撥水層は、好ましくは、撥水性化合物を含む。撥水層中の撥水性化合物の含有割合は、好ましくは1重量%〜100重量%であり、より好ましくは2重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは3重量%〜100重量%である。
上記撥水性化合物としては、任意の適切な撥水性化合物を採用し得る。このような撥水性化合物としては、例えば、シリコーン系化合物、フッ素系化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
シリコーン系化合物としては、撥水剤として用い得るシリコーン系化合物が挙げられる。このようなシリコーン系化合物としては、例えば、シロキサン結合を有する主骨格を持つ樹脂が挙げられる。シリコーン系化合物としては、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイル、シリコーンワニス、特開平9−111185号公報に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。
フッ素系化合物としては、撥水剤として用い得るフッ素系化合物が挙げられる。このようなフッ素系化合物としては、例えば、フッ素含有鎖を有する化合物、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる樹脂が挙げられる。フッ素系化合物としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
撥水層中の撥水性化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
撥水層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。撥水層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
撥水層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(親水層)
親水層としては、親水効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
親水層は、好ましくは、親水性無機化合物および親水性樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。親水性無機化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。親水性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
親水層が親水性無機化合物を含む場合、親水層中の親水性無機化合物の含有割合は、好ましくは1重量%〜100重量%であり、より好ましくは2重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは3重量%〜100重量%である。
親水層が親水性樹脂を含む場合、親水層中の親水性樹脂の含有割合は、好ましくは1重量%〜100重量%であり、より好ましくは2重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは3重量%〜100重量%である。
上記親水性無機化合物としては、任意の適切な親水性無機化合物を採用し得る。このような親水性化合物としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
上記親水性樹脂としては、任意の適切な親水性樹脂を採用し得る。このような親水性樹脂としては、例えば、アミノ基、アンモニウム基、ピリジル基、イミノ基、ベタイン構造等のカチオン性基含有ビニルモノマーから得られるカチオン性ポリマー;ヒドロキシ基、アミド基、エステル基、エーテル基等の親水性の非イオン性基含有ビニルモノマーから得られる非イオン性ポリマー;カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性基含有ビニルモノマーから得られるアニオン性ポリマー;から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
カチオン性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ(t−ブチル)アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジ(t−ブチル)アミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミド;ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等の炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有するスチレン;2−または4−ビニルピリジン等のビニルピリジン;N−ビニルイミダゾール等のN−ビニル複素環化合物類;アミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニル等のビニルエーテル類;これらのアミノ基を有するモノマーの酸中和物またはこれらのアミノ基を有するモノマーをハロゲン化アルキル(炭素数1〜22)、ハロゲン化ベンジル、アルキル(炭素数1〜18)もしくはアリール(炭素数6〜24)スルホン酸または硫酸ジアルキル(総炭素数2〜8)等により4級化したもの;ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル型4級アンモニウム塩;N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−カルボキシメチル)−N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等のベタイン構造を有するビニルモノマー;などのモノマーが挙げられる。
非イオン性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ビニルアルコール;N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミド;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコールの重合度が1〜30)等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のジアルキル(総炭素数2〜8)(メタ)アクリルアミド;ジアセトン(メタ)アクリルアミド;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミド;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル;N−(メタ)アクロイルモルホリン等の環状アミド基を有する(メタ)アクリルアミド;などが挙げられる。
アニオン性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性の不飽和基を有するカルボン酸モノマーおよび/またはその酸無水物(1つのモノマー中に2つ以上のカルボキシル基を有する場合);スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸等の重合性の不飽和基を有するスルホン酸モノマー;ビニルホスホン酸;(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜4)リン酸等の重合性の不飽和基を有するリン酸モノマー;などが挙げられる。
親水層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。親水層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
親水層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(撥油層)
撥油層としては、撥油効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
撥油層は、好ましくは、撥油性化合物を含む。撥油層中の撥油性化合物の含有割合は、好ましくは1重量%〜100重量%であり、より好ましくは2重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは3重量%〜100重量%である。
上記撥油性化合物としては、任意の適切な撥油性化合物を採用し得る。このような撥油性化合物としては、例えば、フッ素系樹脂、フッ素含有シラン化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
フッ素系樹脂としては、撥油剤として用い得るフッ素系樹脂が挙げられる。このようなフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
フッ素含有シラン化合物としては、撥油剤として用い得るフッ素含有シラン化合物が挙げられる。このようなフッ素含有シラン化合物としては、例えば、一般式(1)で表されるような、特開平09−258003に示される含フッ素シラン化合物が挙げられる。一般式(1)中、Rは炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、好ましくは、CF−、C−、C−が挙げられる。Xはヨウ素または水素である。Yは水素または低級アルキル基である。Rは加水分解可能な基であり、好ましくは、ハロゲン、−OR、−OCOR、−OC(R)=C(R、−ON=C(R、−ON=CRが挙げられる(ただし、Rは脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、Rは水素または低級脂肪族炭化水素基、Rは炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基である)。Rとしては、より好ましくは、塩素、−OCH、−OCが挙げられる。Rは水素または不活性な一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜4の一価の炭化水素基が挙げられる。a、b、c、dは0〜200の整数であり、好ましくは1〜50である。eは0または1である。mおよびnは0〜2の整数であり、好ましくは0である。pは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の分子量は、好ましくは5×10〜1×10であり、より好ましくは5×10〜1×10である。一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物の好ましい構造としては、一般式(2)で示されるものが挙げられる。一般式(2)中、qは1〜50の整数であり、rは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、その他の記号は一般式(1)で説明したものと同様である。
撥油層中の撥油性化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
撥油層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。撥油層に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
撥油層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
<衛生機能層>
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材が含む機能層が衛生機能層である場合、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、衛生機能層を、片方の最外層として有していても良いし、両方の最外層として有していても良い。
衛生機能層としては、衛生機能性を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。このような衛生機能層としては、好ましくは、抗菌層、抗カビ層、消臭層などが挙げられる。
衛生機能層の厚みは、好ましくは0.1μm〜200μmであり、より好ましくは0.5μm〜150μmであり、さらに好ましくは1μm〜100μmである。衛生機能層の厚みが上記範囲内にあれば、優れた衛生機能性を発現することができる。
(抗菌層)
抗菌層としては、抗菌効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
抗菌層は、好ましくは、抗菌剤を含む。抗菌剤としては、任意の適切な抗菌剤を採用し得る。抗菌層中の抗菌剤の含有割合は、好ましくは0.05重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜15重量%であり、さらに好ましくは0.5重量%〜10重量%である。抗菌層中の抗菌剤の含有割合が上記範囲内に収まれば、非常に優れた抗菌性を発現することができる。
抗菌剤としては、好ましくは、無機粉末に金属成分が担持されたものである。金属成分の担持量は、抗菌剤中の含有割合として、好ましくは0.1重量%〜30重量%であり、より好ましくは0.5重量%〜20重量%であり、さらに好ましくは1重量%〜10重量%である。金属成分の担持量が上記範囲内に収まれば、非常に優れた抗菌性を発現することができる。
無機粉末としては、任意の適切な無機粉末を採用し得る。無機粉末としては、好ましくは、ゼオライト、シリカゲル、酸化チタン、酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である。
金属成分としては、任意の適切な金属成分を採用し得る。金属成分としては、好ましくは、銀、銅、亜鉛、錫、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる少なくとも1種である。
抗菌層は、より好ましくは、抗菌剤を含む樹脂組成物である。このような樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ケイ素系樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフッ化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、塩化ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、エチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の樹脂;天然ゴム、イソプレン系ゴム、アクリロニトリル系ゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブチル系ゴム、スチレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、クロルヒドリン系ゴム、ポリオレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、フロロシリコーン系ゴム等のエラストマーやゴム;などが挙げられる。
抗菌層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。抗菌層に含有され得る添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
抗菌層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(抗カビ層)
抗カビ層としては、抗カビ効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
抗カビ層は、好ましくは、抗カビ剤を含む。抗カビ剤としては、任意の適切な抗カビ剤を採用し得る。抗カビ層中の抗カビ剤の含有割合は、好ましくは0.05重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜15重量%であり、さらに好ましくは0.5重量%〜10重量%である。抗カビ層中の抗カビ剤の含有割合が上記範囲内に収まれば、非常に優れた抗カビ性を発現することができる。
抗カビ剤は、好ましくは、有機系抗カビ剤、無機系抗カビ剤から選ばれる少なくとも1種である。
有機系抗カビ剤としては、任意の適切な有機系抗カビ剤を採用し得る。有機系抗カビ剤としては、好ましくは、チオカルバメート系化合物、ジチオカルバメート系化合物、アリルアミン系化合物、イミダゾール系化合物、トリアゾール系化合物、チアゾロン系化合物、トロポロン系化合物、有機酸系化合物から選ばれる少なくとも1種である。チオカルバメート系化合物やジチオカルバメート系化合物としては、例えば、トルナフテート、トルシクラート、ザーラム(テトラメチルチウラムジスルフィド)、ファーバム、ジラム、ジネブ、マンネブ、ポリカルバメートなどが挙げられる。アリルアミン系化合物としては、例えば、ブテナフィンなどが挙げられる。イミダゾール系化合物としては、例えば、置換基を有するイミダゾール化合物(例えば、チアゾリル基を有するベンズイミダゾール、チアゾリニル基を有するベンズイミダゾール、チアジアゾリニル基を有するベンズイミダゾールなど)、クロトリマゾール、エコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、ビホナゾール、スルコナゾール、クロコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、ケトコナゾールなどが挙げられる。トリアゾール系化合物としては、例えば、フルコナゾールなどが挙げられる。チアゾロン系化合物としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。トロポロン系化合物としては、例えば、ヒノキチオールなどが挙げられる。有機酸系化合物としては、例えば、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、プロピオン酸、芳香族カルボン酸(安息香酸、ピリドンカルボン酸系化合物など)などが挙げられる。
無機系抗カビ剤としては、任意の適切な無機系抗カビ剤を採用し得る。無機系抗カビ剤としては、好ましくは、金属イオンを無機化合物に担持させた金属イオン系抗カビ剤および光触媒から選ばれる少なくとも1種である。金属イオンとしては、例えば、銀、銅、亜鉛などが挙げられる。無機化合物としては、例えば、ゼオライト、シリカゲル等のケイ酸塩;アパタイト等のリン酸塩;などが挙げられる。
抗カビ層は、より好ましくは、抗カビ剤を含む樹脂組成物である。このような樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ケイ素系樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフッ化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、塩化ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、エチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の樹脂;天然ゴム、イソプレン系ゴム、アクリロニトリル系ゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブチル系ゴム、スチレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、クロルヒドリン系ゴム、ポリオレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、フロロシリコーン系ゴム等のエラストマーやゴム;などが挙げられる。
抗カビ層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。抗カビ層に含有され得る添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
抗カビ層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
(消臭層)
消臭層としては、消臭効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
消臭層は、好ましくは、消臭剤を含む。消臭剤としては、任意の適切な消臭剤を採用し得る。消臭層中の消臭剤の含有割合は、好ましくは0.01重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜15重量%であり、さらに好ましくは0.5重量%〜10重量%である。消臭層中の消臭剤の含有割合が上記範囲内に収まれば、非常に優れた消臭性を発現することができる。
消臭剤としては、好ましくは、無機粉末に金属成分が担持されたものである。金属成分の担持量は、消臭剤中の含有割合として、好ましくは0.1重量%〜30重量%であり、より好ましくは0.5重量%〜20重量%であり、さらに好ましくは1重量%〜20重量%である。金属成分の担持量が上記範囲内に収まれば、非常に優れた消臭性を発現することができる。
無機粉末としては、任意の適切な無機粉末を採用し得る。無機粉末としては、好ましくは、ゼオライト、シリカゲル、酸化チタン、酸化アルミニウム、活性炭から選ばれる少なくとも1種である。
金属成分としては、任意の適切な金属成分を採用し得る。金属成分としては、好ましくは、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる少なくとも1種である。
消臭層は、樹脂を含んでいても良い。このような樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ケイ素系樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフッ化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、塩化ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、エチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の樹脂;天然ゴム、イソプレン系ゴム、アクリロニトリル系ゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブチル系ゴム、スチレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、クロルヒドリン系ゴム、ポリオレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、フロロシリコーン系ゴム等のエラストマーやゴム;などが挙げられる。
消臭層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。消臭層に含有され得る添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
消臭層は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
<透明粘接着剤層>
透明粘接着剤層は、好ましくは、焼結性粒子およびポリマー成分を含む。図1は、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材の概略断面図の一例である。本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材1000は、透明粘接着剤層100と透明不燃性基材200と機能層300を含み、透明粘接着剤層100は、ポリマー成分10中に焼結性粒子20が分散している。本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、複数の透明粘接着剤層を有していても良いし、複数の透明不燃性基材を有していても良いし、複数の機能層を有していても良い。例えば、図2に示すように、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材1000は、透明不燃性基材200の両面に透明粘接着剤層100を備えていても良い。図2においては、片方の最外層として機能層300を含んでいる。
透明粘接着剤層中の焼結性粒子の含有割合は、該透明粘接着剤層の固形分に対して、好ましくは1重量%〜150重量%であり、より好ましくは2重量%〜120重量%であり、さらに好ましくは3重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは4重量%〜80重量%であり、さらに好ましくは5重量%〜70重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜60重量%であり、特に好ましくは20重量%〜50重量%である。透明粘接着剤層中の焼結性粒子の含有割合が上記範囲内に収まることによって、火災時など高温雰囲気下に曝されても被着体から非常に剥がれ難いという効果を十分に発現できる。
透明粘接着剤層中の焼結性粒子の屈伏点は、好ましくは250℃〜800℃であり、より好ましくは250℃〜700℃であり、さらに好ましくは250℃〜600℃であり、特に好ましくは250℃〜500℃である。透明粘接着剤層中の焼結性粒子の屈伏点が上記範囲内に収まることによって、火災時など高温雰囲気下に曝されても被着体から非常に剥がれ難いという効果を十分に発現できる。
透明粘接着剤層中の焼結性粒子としては、任意の適切な焼結性粒子を採用し得る。このような焼結性粒子としては、好ましくは、焼結性を有する無機粒子であり、より好ましくは、ケイ酸、ホウ酸、ホウケイ酸、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化リンから選ばれる少なくとも1種の成分から形成される焼結性粒子である。このような焼結性粒子を採用することによって、火災時など高温雰囲気下に曝されても被着体から非常に剥がれ難いという効果を十分に発現できる。
透明粘接着剤層中の焼結性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm〜1000μmであり、より好ましくは0.5μm〜500μmであり、さらに好ましくは1μm〜300μmであり、特に好ましくは2μm〜150μmである。透明粘接着剤層中の焼結性粒子の平均粒子径が上記範囲内に収まることによって、火災時など高温雰囲気下に曝されても被着体から非常に剥がれ難いという効果を十分に発現できる。
透明粘接着剤層中のポリマー成分は、好ましくは、酸化防止剤を含む。透明粘接着剤層中のポリマー成分が酸化防止剤を含むことにより、透明粘接着剤層は非常に優れた耐熱性を発現することができる。
透明粘接着剤層中の酸化防止剤の含有割合は、該透明粘接着剤層の固形分に対して、好ましくは0.1重量%〜10重量%であり、より好ましくは0.3重量%〜8重量%であり、さらに好ましくは0.5重量%〜6重量%であり、特に好ましくは0.7重量%〜5重量%である。上記酸化防止剤の含有割合が上記範囲内に収まることにより、透明粘接着剤層は一層非常に優れた耐熱性を発現することができる。上記酸化防止剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
上記酸化防止剤としては、任意の適切な酸化防止剤を採用し得る。このような酸化防止剤としては、好ましくは、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、アミノエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノール、2,6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−エチル−6−t−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、スチレン化混合クレゾール、DL−α−トコフェロール、ステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどの単環フェノール化合物;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,6−ジオキサオクタメチレンビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール
ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などの2環フェノール化合物;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどの3環フェノール化合物;テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの4環フェノール化合物;ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)ニッケルなどのリン含有フェノール化合物;などを挙げることができる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンエタノールの重縮合物、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン)とN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス−(1,2,6,6−ペンタメチル−4−ペピリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル]−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト[1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル]−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ[6−N−モルホリル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミド]、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの縮合物、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−メチルなどが挙げられる。
アミノエーテル系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ブトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ペンチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘプチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ノニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−デカニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ドデシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ジノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルトリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。
透明粘接着剤層中のポリマー成分は、好ましくは、架橋構造を有する。透明粘接着剤層中のポリマー成分が架橋構造を有することにより、透明粘接着剤層は非常に優れた耐熱性を発現することができる。
上記架橋構造は、任意の適切な方法によって構築し得る。上記架橋構造は、好ましくは、上記ポリマー成分を構成する全モノマー成分中に架橋性モノマーを含有させることによって構築する。この場合、上記ポリマー成分を構成する全モノマー成分中の架橋性モノマーの含有割合は、好ましくは2.0重量%〜60重量%であり、より好ましくは3.0重量%〜57重量%であり、さらに好ましくは5.0重量%〜55重量%であり、特に好ましくは7.0重量%〜53重量%であり、最も好ましくは8.0重量%〜50重量%である。上記架橋性モノマーの含有割合が上記範囲内に収まることによって、透明粘接着剤層は一層非常に優れた耐熱性を発現することができる。
上記架橋性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
上記架橋性モノマーとしては、架橋構造を構築し得るモノマーであれば、任意の適切な架橋性モノマーを採用し得る。このような架橋性モノマーとしては、好ましくは、アクリロイル基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ビニル基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する架橋性モノマーが挙げられる。このような架橋性モノマーの具体例としては、例えば、後述する多官能性モノマーが挙げられる。
透明粘接着剤層中のポリマー成分の含有割合は、該粘接着剤層の固形分に対して、好ましくは20重量%〜99重量%であり、より好ましくは30重量%〜95重量%であり、さらに好ましくは40重量%〜90重量%であり、特に好ましくは50重量%〜80重量%である。透明粘接着剤層中のポリマー成分の含有割合が上記範囲内に収まることによって、火災時など高温雰囲気下に曝されても被着体から非常に剥がれ難いという効果を十分に発現できる。
透明粘接着剤層中のポリマー成分としては、粘着性を発現できるポリマー成分であれば任意の適切なポリマー成分を採用し得る。このようなポリマー成分としては、好ましくは、ゴム系ポリマー、シリコーン系ポリマー、アクリル系ポリマーから選ばれる少なくとも1種の成分である。透明粘接着剤層中のポリマー成分は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ゴム系ポリマーとしては、粘着性を発現できる任意の適切なゴム系ポリマーを採用し得る。
シリコーン系ポリマーとしては、粘着性を発現できる任意の適切なシリコーン系ポリマーを採用し得る。
アクリル系ポリマーとしては、粘着性を発現できる任意の適切なアクリル系ポリマーを採用し得る。アクリル系ポリマーは、好ましくは、アクリル系モノマーを必須とするモノマー成分から形成し得る。アクリル系ポリマーを形成するために用い得る全モノマー中のアクリル系モノマーの含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは55重量%〜98重量%であり、さらに好ましくは60重量%〜95重量%であり、特に好ましくは65重量%〜93重量%である。アクリル系モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
アクリル系モノマーとしては、好ましくは、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」を表す。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。なお、ここでいう(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、単官能(メタ)アクリル酸アルキルエステルを意味する。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくは、アルキル基の炭素数が2〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アクリル系ポリマーを形成し得るモノマー成分としては、多官能性モノマーを用い得る。多官能性モノマーとしては、任意の適切な多官能性モノマーを採用し得る。多官能性モノマーを採用することにより、アクリル系ポリマーに架橋構造を付与することができる。多官能性モノマーは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
多官能性モノマーとしては、例えば、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジルエーテル 2−イソシアナトエチルアクリラート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネート(メタ)アクリレート、トリグリシジルイソシアヌレート、(メタ)アクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エタンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、メチルトリイソシアネートシラン、テトライソシアネートシラン、ポリイソシアナート、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、アミノメタノール、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジ−n−ブチルエタノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、水添トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水添ジフェニルメタンジアミン、トリジンアミン、ナフタリンジアミン、イソホロンジアミン、キシレンジアミン、水添キシレンジアミン、ビニルアミン、2−(2−チエニル)ビニルアミン、1−(アリルオキシ)ビニルアミン、アリルアルコール、1,3−ブタジエンモノエポキシド、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で、好ましくはアクリレート系の多官能性モノマーであり、より好ましくは、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルが挙げられる。
アクリル系ポリマーを形成し得るモノマー成分としては、極性基含有モノマーを用い得る。極性基含有モノマーとしては、任意の適切な極性基含有モノマーを採用し得る。極性基含有モノマーを採用することにより、アクリル系ポリマーの凝集力を向上させることが可能となったり、アクリル系ポリマーの粘着力を向上させることが可能となったりする。極性基含有モノマーは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマーまたはその無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;などが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、好ましくは、カルボキシル基含有モノマーまたはその無水物であり、より好ましくは、アクリル酸である。
アクリル系ポリマーを形成し得るモノマー成分としては、その他の共重合性モノマーを用い得る。その他の共重合性モノマーとしては、任意の適切なその他の共重合性モノマーを採用し得る。その他の共重合性モノマーを採用することにより、アクリル系ポリマーの凝集力を向上させることが可能となったり、アクリル系ポリマーの粘着力を向上させることが可能となったり、屈折率の調整が可能となったりする。その他の共重合性モノマーは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
その他の共重合性モノマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;ハロゲン含有(メタ)アクリレート;ケイ素原子含有(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは30万以上であり、より好ましくは40万〜300万である。アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ法(GPC法)によって求めることができる。
屈折率の調整には、限定されないが、フェニル骨格、ナフチル骨格、ビフェニル骨格、ピリジニル骨格、スチレン骨格、ナフタレン骨格、スルホン骨格、フルオレン骨格、ビスフェノールA骨格、ウレタン骨格、エポキシ骨格を持つポリマーなどから選択された一種以上の高屈折率材料を添加しても良い。
透明粘接着剤層においては、透明粘接着剤層中の焼結性粒子の屈折率と透明粘接着剤層中のポリマー成分の屈折率との差が、好ましくは0.02以下であり、より好ましくは0.01以下であり、さらに好ましくは0.005以下である。透明粘接着剤層中の焼結性粒子の屈折率と透明粘接着剤層中のポリマー成分の屈折率との差が上記範囲内に収まることにより、透明粘接着剤層が高い透明性を発現でき、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができることになり、極めて実用性が高い。
透明粘接着剤層は、焼結性粒子およびポリマー成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の酸化防止剤以外に、任意の適切な他の成分を含んでいても良い。このような他の成分は、1種のみを含んでいても良いし、2種以上を含んでいても良い。
他の成分としては、例えば、他のポリマー成分、軟化剤、老化防止剤、硬化剤、可塑剤、充填剤、熱重合開始剤、光重合開始剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤(顔料や染料など)、溶剤(有機溶剤)、界面活性剤(例えば、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤など)、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)などが挙げられる。なお、熱重合開始剤や光重合開始剤は、ポリマー成分を形成するための材料に含まれ得る。
熱重合開始剤としては、任意の適切な熱重合開始剤を採用し得る。このような熱重合開始剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオアミジン酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド等のアゾ系重合開始剤;などが挙げられる。熱重合開始剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、このような熱重合開始剤は、還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始剤として使用してもよい。このような還元剤としては、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルト塩等のイオン化の塩;トリエタノールアミン等のアミン類;アルドース、ケトース等の還元糖;などが挙げられる。
透明粘接着剤層中の熱重合開始剤の含有割合は、該透明粘接着剤層のポリマー成分を形成するために用いるモノマー成分に対して、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは0.01重量部〜5重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部〜3重量部である。
光重合開始剤としては、任意の適切な光重合開始剤を採用し得る。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。光重合開始剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ケタール系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など)などが挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など)、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、商品名「ルシリンTPO」(BASF製)などが挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾインなどが含まれる。ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。
透明粘接着剤層中の光重合開始剤の含有割合は、該透明粘接着剤層のポリマー成分を形成するために用いるモノマー成分に対して、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは0.01重量部〜5重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部〜3重量部である。
透明粘接着剤層は、焼結前において粘着性を有する。透明粘接着剤層は、焼結前において、ガラス板に対する、剥離速度300mm/分、剥離角度180°、23℃での粘着力が、好ましくは0.1N/10mm〜15N/10mmであり、より好ましくは0.5N/10mm〜10N/10mmであり、さらに好ましくは1N/10mm〜10N/10mmであり、特に好ましくは2N/10mm〜9N/10mmである。上記粘着力が上記範囲内に収まることにより、被着体同士を瞬時に固定化できるとともに、被着体同士の貼り直しができ、シート形状での切り出しが可能であるなど加工性に優れる、適度な粘着性を発現することができる。粘着力の具体的な測定方法は後述する。
透明粘接着剤層は、焼結性を有する。焼結温度は、透明粘接着剤層に含まれる焼結性粒子の種類や量に応じて、任意の適切な温度を採用し得る。
<透明不燃性基材>
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、透明不燃性基材を含む。
透明不燃性基材は、好ましくは、無機基材と樹脂を含む。この場合、無機基材の屈折率と樹脂の屈折率との差は、好ましくは0.02以下であり、より好ましくは0.01以下であり、さらに好ましくは0.005以下である。透明不燃性基材中の無機基材の屈折率と透明不燃性基材中の樹脂の屈折率との差が上記範囲内に収まることにより、透明不燃性基材が高い透明性を発現でき、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができることになり、極めて実用性が高い。
透明不燃性基材が無機基材と樹脂を含む場合、該透明不燃性基材は、好ましくは、該無機基材に該樹脂が含浸されてなる。透明不燃性基材がこのような含浸形態を有することにより、透明不燃性基材がより高い透明性を発現でき、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性をより良好に保つことができることになり、極めて実用性が高い。
無機基材としては、任意の適切な無機基材を採用し得る。好ましくは、モノマーやシロップ状ポリマーなどの液状物を透過できるものである。このような無機基材としては、例えば、繊維状無機基材、網目状無機基材など、空隙を有する無機基材が挙げられる。好ましくは、繊維状無機基材である。
繊維状無機基材の形態としては、例えば、織布、不織布などが挙げられる。
繊維状無機基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、石綿、カーボンファイバー、繊維状金属酸化物などが挙げられる。好ましくは、ガラスクロスである。
無機基材の厚みは、その種類によって任意の適切な厚みを採用し得る。例えば、好ましくは1μm〜500μmである。
無機基材の空隙部分には、透明不燃性基材に含まれる樹脂が存在し得る。このように、透明不燃性基材に含まれる樹脂が、透明不燃性基材に含まれる無機基材の空隙部分に存在すれば、透明不燃性基材がより高い透明性を発現でき、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性をより良好に保つことができることになり、極めて実用性が高い。
透明不燃性基材に含まれる樹脂としては、任意の適切な樹脂を採用し得る。好ましくは、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、任意の適切な熱可塑性樹脂を採用し得る。中でも、光照射によって硬化し得る光硬化性樹脂が、透明不燃性基材を容易に製造できること等のために好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、光照射によって重合反応等が起こって硬化し得る(メタ)アクリル系樹脂などが挙げられる。このような(メタ)アクリル系樹脂を形成する成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。なお、ここでいう(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、単官能(メタ)アクリル酸アルキルエステルを意味する。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくは、アルキル基の炭素数が2〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂を形成し得るモノマー成分としては、多官能性モノマーを用い得る。多官能性モノマーとしては、任意の適切な多官能性モノマーを採用し得る。多官能性モノマーを採用することにより、(メタ)アクリル系樹脂に架橋構造を付与することができる。多官能性モノマーは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
多官能性モノマーとしては、例えば、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で、好ましくはアクリレート系の多官能性モノマーであり、より好ましくは、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。また、屈折率が高いという点で、ビスフェノールA骨格を持つエポキシアクリレートなども好適に用いられる。
(メタ)アクリル系樹脂を形成し得るモノマー成分としては、極性基含有モノマーを用い得る。極性基含有モノマーとしては、任意の適切な極性基含有モノマーを採用し得る。極性基含有モノマーを採用することにより、(メタ)アクリル系樹脂の凝集力を向上させることが可能となったり、(メタ)アクリル系樹脂の粘着力を向上させることが可能となったりする。極性基含有モノマーは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマーまたはその無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;などが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、好ましくは、カルボキシル基含有モノマーまたはその無水物であり、より好ましくは、アクリル酸である。
(メタ)アクリル系樹脂を形成し得るモノマー成分としては、その他の共重合性モノマーを用い得る。その他の共重合性モノマーとしては、任意の適切なその他の共重合性モノマーを採用し得る。その他の共重合性モノマーを採用することにより、(メタ)アクリル系樹脂の凝集力を向上させることが可能となったり、(メタ)アクリル系樹脂の粘着力を向上させることが可能となったり、屈折率の調整が可能となったりする。その他の共重合性モノマーは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
その他の共重合性モノマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;ハロゲン含有(メタ)アクリレート;ケイ素原子含有(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂の屈折率の調整には、限定されないが、フェニル骨格、ナフチル骨格、ビフェニル骨格、ピリジニル骨格、スチレン骨格、ナフタレン骨格、スルホン骨格、フルオレン骨格、ビスフェノールA骨格、ウレタン骨格、エポキシ骨格を持つポリマーなどから選択された一種以上の高屈折率材料を添加しても良い。
熱硬化性樹脂としては、任意の適切な熱硬化性樹脂を採用し得る。このような熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
透明不燃性基材は、高い透明性を有する。透明不燃性基材が高い透明性を有することにより、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができることになり、極めて実用性が高い。
透明不燃性基材は、全光線透過率が、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは88%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
透明不燃性基材は、HAZE値が、好ましくは30以下であり、より好ましくは20以下であり、さらに好ましくは15以下であり、特に好ましくは10以下であり、最も好ましくは6以下である。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、高い透明性を有する透明粘接着剤層および高い透明性を有する透明不燃性基材を有するので、非常に高い透明性を発現できる。本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材が非常に高い透明性を有することにより、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができることになり、極めて実用性が高い。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、機能層を除いた部分の全光線透過率が、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは85%以上である。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、機能層を除いた部分のHAZE値が、好ましくは30以下であり、より好ましくは20以下であり、さらに好ましくは15以下であり、特に好ましくは10以下である。
<透明粘接着剤層付透明飛散防止部材の形態>
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、任意の適切な形態を採用し得る。本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材の形態としては、例えば、シート状やテープ状が挙げられる。本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材の形態がシート状の場合は、透明粘接着剤シートとして用い得る。本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、シート状やテープ状のものがロール状に巻回された形態を有していてもよい。また、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、シート状やテープ状のものが積層された形態を有していてもよい。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材がシート状の場合、その厚みは、好ましくは1μm〜1000μmであり、より好ましくは5μm〜500μmであり、さらに好ましくは10μm〜300μmであり、特に好ましくは20μm〜200μmである。本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材がシート状の場合のその厚みが上記範囲内に収まれば、透明粘接着剤層付透明飛散防止部材としての取り扱い性に優れる。
≪透明粘接着剤層付透明飛散防止部材の製造方法≫
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、任意の適切な方法によって製造し得る。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、好ましくは、透明粘接着剤層と透明不燃性基材と機能層を積層して製造する方法や、透明粘接着剤層の形成材料と透明不燃性基材と機能層を積層した後に硬化反応等によって透明粘接着剤層を形成させて製造する方法や、透明粘接着剤層の形成材料と透明不燃性基材と機能層の形成材料を積層した後に硬化反応等によって透明粘接着剤層と機能層を形成させて製造する方法などが挙げられる。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材における透明粘着剤層の好ましい製造方法としては、例えば、ポリマー成分を形成するために用いるモノマー成分と任意の適切な光重合開始剤を含む重合性組成物を一部重合させて重合性シロップを調製し、該重合性シロップに焼結性粒子を添加して均一に分散させた後に、任意の適切な基材(セパレーターなど)上に塗工し、光照射して光重合(硬化)させる方法が挙げられる。このようにして得られた透明粘着剤層に、透明不燃性基材を積層することによって、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を製造することができる。また、上記透明粘着剤層の好ましい製造方法において、塗工する基材として透明不燃性基材を用いることによって、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を製造することができる。
光照射の際の、光源、照射エネルギー、照射方法、照射時間などの条件については、任意の適切な条件を採用し得る。
光照射に用いる活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられる。好ましくは紫外線である。
活性エネルギー線の照射としては、例えば、ブラックライトランプ、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどによる照射が挙げられる。
重合の際は、加熱を施しても良い。加熱方法としては、任意の適切な加熱方法を採用し得る。加熱方法としては、例えば、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線などの電磁波を用いた加熱方法などが挙げられる。
断熱層は、入手可能なフィルムまたはシート状の断熱層をそのまま用いても良いし、任意の適切な方法で作製しても良い。断熱層を作製する場合は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、中空ビーズ構造物を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
断熱層を作製するにあたっては、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
断熱層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
遮熱層が塗工層の場合、該遮熱層は、任意の適切な遮熱塗料を塗工することによって形成され得る。具体的には、例えば、粘接着剤層と不燃性基材との積層体における該不燃性基材の表面に遮熱塗料を塗工することによって遮熱層を形成する。遮熱塗料を塗工した後は、必要に応じて、乾燥する。遮熱塗料は、市販の遮熱塗料を用いても良いし、任意の適切な遮熱物質および必要に応じてその他の添加剤を任意の適切な溶剤と混合して調製し得る。溶剤としては、例えば、有機溶剤、水が好ましい。溶剤としては、1種のみの溶剤を用いても良いし、2種以上の溶剤の混合溶剤を用いても良い。遮熱物質および必要に応じてその他の添加剤と溶剤とを混合する場合、該遮熱物質は、粉末状態で混合しても良いし、スラリー状あるいはゾル状で混合しても良い。
遮熱塗料を塗工する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。遮熱塗料を塗工した後、塗布物に対して必要に応じて乾燥を行うことができる。乾燥のための加熱温度は、好ましくは、50℃〜200℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜60分である。乾燥を行った後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
遮熱層がシート層の場合、該シート層は、任意の適切な成形方法によって形成し得る。具体的には、例えば、任意の適切な成形方法によってシート状物を形成し、粘接着剤層と不燃性基材との積層体における該不燃性基材の表面に該シート状物を貼り合わせる。
遮熱層が箔層の場合、具体的には、例えば、予め金属箔などの箔状物を準備し、粘接着剤層と不燃性基材との積層体における該不燃性基材の表面に該箔状物を貼り合わせる。
遮熱層がスパッタ層の場合、例えば、任意の適切なスパッタリング方法によって形成することができる。
遮熱層が蒸着層の場合、例えば、任意の適切な蒸着方法によって形成することができる。
熱機能層の作製は、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を製造する際、任意の適切なタイミングで行うことができる。
保護層は、入手可能なフィルムまたはシート状の保護層をそのまま用いても良いし、任意の適切な方法で作製しても良い。保護層を作製する場合は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物、有機無機ハイブリッド樹脂を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
保護層を作製するにあたっては、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
保護層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
保護層の作製は、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を製造する際、任意の適切なタイミングで行うことができる。
物理的機能層や化学的機能層は、入手可能なフィルムまたはシート状の物理的機能層や化学的機能層をそのまま用いても良いし、任意の適切な方法で作製しても良い。
耐指紋層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐指紋層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
耐指紋層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
耐指紋層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
インク吸収層は、任意の適切な方法で作製することができる。インク吸収層は、好ましくは、前述の水溶性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。水溶性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。水溶性樹脂の塗布によりインク吸収層を形成する方法としては、例えば、直接に水溶性樹脂を塗布してインク吸収層を形成する方法、任意の適切な基材上に水溶性樹脂を塗布して形成したインク吸収層を転写する方法などが挙げられる。
水溶性樹脂を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
水溶性樹脂を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
反射防止層は、任意の適切な方法で作製することができる。反射防止層は、好ましくは、反射防止層を直接に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した反射防止層を転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な反射防止塗料を用いて、反射防止層を形成しても良い。
光選択透過層は、任意の適切な方法で作製することができる。光選択透過層の作製方法としては、例えば、光選択透過層の材料をコーティングして形成する方法、光選択透過層の材料を蒸着(例えば、真空蒸着)して形成する方法などが挙げられる。また、光選択透過層をラミネートして光選択透過層としても良い。さらに、光選択透過層を任意の適切な基材上に形成した後に転写することによって光選択透過層としても良い。
耐アルカリ性層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐アルカリ性層は、好ましくは、前述の耐アルカリ性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐アルカリ性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐アルカリ性樹脂の塗布により耐アルカリ性層を形成する方法としては、例えば、直接に耐アルカリ性樹脂を塗布して耐アルカリ性層を形成する方法、任意の適切な基材上に耐アルカリ性樹脂を塗布して形成した耐アルカリ性層を転写する方法などが挙げられる。
耐アルカリ性樹脂を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
耐アルカリ性樹脂を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
耐酸性層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐酸性層は、好ましくは、前述した耐酸性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐酸性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐酸性樹脂の塗布により耐酸性層を形成する方法としては、例えば、直接に耐酸性樹脂を塗布して耐酸性層を形成する方法、任意の適切な基材上に耐酸性樹脂を塗布して形成した耐酸性層を転写する方法などが挙げられる。
耐酸性樹脂を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
耐酸性樹脂を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
耐溶剤性層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐溶剤性層は、好ましくは、前述した耐溶剤性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐溶剤性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐溶剤性樹脂の塗布により耐溶剤性層を形成する方法としては、例えば、直接に耐溶剤性樹脂を塗布して耐溶剤性層を形成する方法、任意の適切な基材上に耐溶剤性樹脂を塗布して形成した耐溶剤性層を転写する方法などが挙げられる。
耐溶剤性樹脂を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
耐溶剤性樹脂を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
物理的機能層や化学的機能層の作製は、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を製造する際、任意の適切なタイミングで行うことができる。
耐環境機能層や衛生機能層は、入手可能なフィルムまたはシート状の耐環境機能層や衛生機能層をそのまま用いても良いし、任意の適切な方法で作製しても良い。
光触媒層は、任意の適切な方法で作製することができる。光触媒層は、好ましくは、光触媒を含む光触媒コート液を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。光触媒コート液は、光触媒と任意の適切な溶媒とを混合して調製し得る。光触媒としては、光触媒粒子が好ましい。溶媒としては、例えば、有機溶媒、水が好ましい。溶媒としては、1種のみの溶媒を用いても良いし、2種以上の溶媒の混合溶媒を用いても良い。光触媒と溶媒とを混合する場合、該光触媒は、粉末状態で混合しても良いし、スラリー状あるいはゾル状で混合しても良い。
光触媒粒子を用いる場合、該光触媒粒子の凝集による粒子径の変化および沈降を防ぐため、光触媒コート液中に分散安定剤を共存させても良い。分散安定剤は、光触媒粒子の調製時から共存させても良いし、光触媒コート液を調製する際に添加しても良い。
分散安定剤としては、任意の適切な分散安定剤を用い得る。例えば、酸化チタンは中性付近では凝集しやすいので、酸性またはアルカリ性の分散安定剤が好ましい。
酸性の分散安定剤としては、例えば、硝酸、塩酸等の鉱酸;酢酸、シュウ酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などのカルボン酸;オキシカルボン酸;ポリカルボン酸;などが挙げられる。アルカリ性の分散安定剤としては、カルボン酸、ポリカルボン酸などのアルカリ金属塩;アンモニア;1〜4級のアミン類;アミンにヒドロキシ基を付加したアルカノールアミン;などが挙げられる。
光触媒コート液は、無機バインダーを含んでいても良い。無機バインダーは、光触媒粒子の密着を高め、光触媒による層の強度を向上させる。無機バインダーとしては、バインダーとして機能するものであれば、任意の適切な無機化合物を採用し得る。無機バインダーとしては、例えば、前述したものが挙げられる。
光触媒コート液は、目的や必要性に応じて、任意の適切な他の添加剤を含んでいても良い。このような他の添加剤としては、例えば、増粘剤などが挙げられる。増粘剤としては、例えば、水溶性高分子などが挙げられる。
光触媒コート液中の光触媒の含有割合やその他の成分(無機バインダーなど)の含有割合は、得られる光触媒層が光触媒性能を発現できる限り、任意の適切な含有割合を採用し得る。
光触媒コート液を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
光触媒を含む光触媒コート液を塗布した後、塗布物に対して必要に応じて乾燥を行うことができる。乾燥のための加熱温度は、好ましくは、80℃〜180℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
上記乾燥を行った後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
防汚層は、任意の適切な方法で作製することができる。防汚層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
防汚層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
防汚層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
調湿層は、任意の適切な方法で作製することができる。調湿層は、例えば、前述した多孔性物質を必須に含む調湿塗料を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。調湿塗料を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。調湿塗料の塗布により調湿層を形成する方法としては、例えば、直接に調湿塗料を塗布して調湿層を形成する方法、任意の適切な基材上に調湿塗料を塗布して形成した調湿層を転写する方法などが挙げられる。
調湿塗料を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
調湿塗料を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
防湿層は、任意の適切な方法で作製することができる。防湿層は、例えば、前述した防湿効果を有する樹脂を必須に含む防湿塗料を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。防湿塗料を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。防湿塗料の塗布により防湿層を形成する方法としては、例えば、直接に防湿塗料を塗布して防湿層を形成する方法、任意の適切な基材上に防湿塗料を塗布して形成した防湿層を転写する方法などが挙げられる。
防湿塗料を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
防湿塗料を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30℃〜180℃であり、より好ましくは50℃〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
耐水層は、任意の適切な方法で作製することができる。耐水層は、例えば、前述した耐水性樹脂を直性に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該耐水性樹脂を転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な耐水塗料を用いて、耐水層を形成しても良い。
撥水層は、任意の適切な方法で作製することができる。撥水層は、例えば、前述した撥水性化合物を含む撥水層を直接に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該撥水性化合物を含む撥水層を転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な撥水塗料を用いて、撥水層を形成しても良い。
親水層は、任意の適切な方法で作製することができる。親水層は、例えば、前述した親水性無機化合物および/または親水性樹脂を含む親水層を直接に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該親水性無機化合物および/または親水性樹脂を含む親水層を転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な親水塗料を用いて、親水層を形成しても良い。
撥油層は、任意の適切な方法で作製することができる。撥油層は、例えば、前述した撥油性化合物を含む撥油層を直接に形成する方法、任意の適切な基材上に形成した該撥油性化合物を含む撥油層を転写する方法などが挙げられる。また、任意の適切な撥油塗料を用いて、撥油層を形成しても良い。
抗菌層は、任意の適切な方法で作製することができる。抗菌層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、抗菌剤を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、室温〜150℃であり、より好ましくは40℃〜100℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
抗菌層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
抗菌層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
抗カビ層は、任意の適切な方法で作製することができる。抗カビ層は、好ましくは、形成材料である樹脂組成物(例えば、抗カビ剤を含む樹脂組成物など)を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。形成材料である樹脂組成物を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。
樹脂組成物を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
樹脂組成物を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、室温〜150℃であり、より好ましくは40℃〜100℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
抗カビ層は、樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって、硬化させても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、紫外線照射によって硬化させることが好ましく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合は、加熱によって硬化させることが好ましい。
抗カビ層は、作製後、所要時間エージングを行っても良い。エージングにより、コーティングされた被膜の剥離強度を向上させることができる。
消臭層は、任意の適切な方法で作製することができる。消臭層の作製方法としては、例えば、消臭層の材料を直接にコーティングして形成する方法、消臭層の材料を蒸着(例えば、真空蒸着)して形成する方法などが挙げられる。また、ラミネートによって消臭層を形成しても良い。さらに、消臭層を任意の適切な基材上に形成した後に転写することによって形成しても良い。
耐環境機能層や衛生機能層の作製は、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を製造する際、任意の適切なタイミングで行うことができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、以下の各例で用いた、セパレーター、カバーセパレーターは、いずれも、片面がシリコーン系離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRN38」、三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)を用いた。各種評価を行う際には、これらセパレーター、カバーセパレーターは、適宜剥離した。
<粘着性の評価>
標準のガラス板に、10mm幅サンプルを、2kgゴムローラーを用いて、300mm/分の速さでローラを1往復転がしながら圧着した。圧着30分後に引張試験機にて、23℃で、引張速度(剥離速度)300mm/分で180°方向に引張り、その粘着力を評価した。
<屈折率の評価>
粘接着剤中の焼結性粒子およびポリマー成分のそれぞれの屈折率の評価を、アッベ屈折計(株式会社アタゴ製)を用いて589nmの波長の光を測定することによって行った。
<透明性の評価>
機能層を除いた部分の全光線透過率および機能層を除いた部分のHAZE値を、JIS7361に準じて、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製、「HM−150」)を用いて測定した。
<ガラスの飛散防止性の評価>
図3に示すように、実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材を100mm×100mm四方に切り出し、100mm×100mm四方、3mm厚のフロートガラスに貼り付け、積層体とした。この積層体を、上記部材が上に、ガラスが下になるように水平に置き、コーンカロリー試験機を用いて、約700℃の熱を全面に加えた。5分後、積層体をコーンカロリー試験機から取り出し、室温(23℃)に戻し、垂直に立てかけた。熱膨張によって割れたガラスが崩落するか否かを評価した。
○:割れたガラスが崩落してこない。
×:割れたガラスが崩落してくる。
<高温粘着性および高温接着性の評価>
(高温粘着性試験*1)
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材を30mm×50mmに切り出し、30mm×30mmのガラス板に貼り合せ、ガラス板から上記部材が20mmはみ出た試験体を作製した。試験体を図4のようにステンレス製の治具に貼り、さらに固定用のネジを用いて、ステンレス製の板の間に固定した。
治具に固定した試験体を200℃に保持された電気炉に入れ、昇温速度15℃/minの条件下で10分間高温雰囲気下に静置した。その後、試験体を取り出し、試験体とガラス板の粘着状態を目視で観察し、試験体とガラス板が剥離していない場合を○、試験体とガラス板の剥離が半分未満の場合を△、試験体とガラス板が半分以上剥離している場合を×として評価した。
(高温接着性試験*2)
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材を用い、高温粘着性試験*1と同様に、試験体を作製し、治具に固定した。その後、700℃に保持された電気炉に入れ、昇温速度20℃/minの条件下で10分間高温雰囲気下に静置した。その後、試験体を取り出し、試験体とガラス板の接着状態を目視で観察し、試験体とガラス板が剥離していない場合を○、試験体とガラス板が剥離している場合を×として評価した。
<耐擦傷性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材を、幅25mm、長さ100mm以上の大きさに切断し、これを試料として、ガラス板に貼り付けた。次いで、直径25mmの円柱の平滑な断面に、スチールウール#0000を均一に取り付け、これを荷重400gの条件で上記試料の表面に押し付けた。なお、上記スチールウールを取り付けた円柱は、毎秒100mmの速度で10往復させた。その後、上記試料の表面に幅10μm以上の傷が付いていないか否かを目視によって確認し、下記の基準に従って評価した。
○:傷が全くない。
△:細かな傷があるが、視認性への影響は小さい。
×:大きな傷があり、視認性を損なう。
<耐指紋性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例では耐指紋層上、比較例ではガラスクロス側)に指紋を付着させ、黒い紙を下に敷いて、垂直方向から指紋を目視にて観察し、下記基準に従って評価した。
○:指紋が見えない。
△:指紋がわずかに見える。
×:指紋が白くはっきり見える。
<印字性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例ではインク吸収層上、比較例ではガラスクロス側)にセイコーエプソン(株)製のインクジェットプリンターPM−900を使用して印字を行った。その印字品質をカラーインクジェットプリンタ用OHPフィルム(シャープ(株)製)に印字した場合と目視で比較し、評価した。
○:同等の印字品質である。
△:ドットのインクが混ざって画像が不鮮明である。
×:インクの吸収力が足らず、インクが垂れるまたはドットのインクの混ざりがひどい。
<反射防止性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材を黒画像に貼り付け、蛍光灯の点いた室内で、写り込みの程度を目視にて評価した。
A:蛍光灯の写り込みが全く気にならない。
B:蛍光灯の写り込みが僅かに認められるが、あまり気にならない。
C:蛍光灯の写り込みが認められるが、許容できるレベル。
D:蛍光灯の写り込みがはっきりと分かり、写り込みが気になる。
<光選択透過性>
分光光度計(Shimadzu UV−3100、島津製作所社製)を用いて、波長400〜600nmおよび750〜1000nmにおける透過率を測定した。
<耐アルカリ性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例では耐アルカリ性層上、比較例ではガラスクロス側)に10重量%水酸化ナトリウム水溶液を十分に染み込ませた定性濾紙(品名「No.2」、サイズ「φ55mm」、アドバンテック社製)を30分置き、定性濾紙を取り除いた後の表面状態を観察した。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
<耐酸性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例では耐酸性層上、比較例ではガラスクロス側)に10容量%硫酸水溶液を十分に染み込ませた定性濾紙(品名「No.2」、サイズ「φ55mm」、アドバンテック社製)を30分置き、定性濾紙を取り除いた後の表面状態を観察した。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
<耐溶剤性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例では耐溶剤性層上、比較例ではガラスクロス側)にキシレンを十分に染み込ませた定性濾紙(品名「No.2」、サイズ「φ55mm」、アドバンテック社製)を30分置き、定性濾紙を取り除いた後の表面状態を観察した。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
<光触媒性能>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材について、アセトアルデヒドガスを用いて光触媒性能を評価した。以下の評価試験方法に基づき、検知管内のガス濃度(初期濃度、60分後濃度)を測定した。
(評価試験方法)
試料へのプレ照射:1mW/cm×6hr
試料寸法:5cm×5cm
ガスバッグ容量:5L容量のテドラーバッグ
初期ガス濃度:20ppm
光源:蛍光灯(10000ルクス)
<防汚性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材上あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例では防汚層上、比較例ではガラスクロス側)に、カーボンブラック/灯油=1/2(重量比)の混合物からなるペーストを塗り付け、室温で24時間放置した後、スポンジを用いて水洗して、上記部材表面(実施例では防汚層上、比較例ではガラスクロス側)の汚染状態を目視で観察し、下記基準に従って評価した。
○:汚染なし。
△:少し汚染されている。
×:汚染が著しい。
<調湿性>
外部温度20℃の恒温室中で、300mlのビーカー中に40℃に保持したイオン交換水を200ml入れ、ビーカーの上部に、実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材(実施例では調湿層側、比較例ではガラスクロス側)を内部に向けて設置し、10分後に内面の結露状態を目視により観察し、下記の基準で評価した。
○:全く水滴が付着していない。
△:直径2mm〜10mmの水滴が全面に付着していた。
×:直径2mm未満の水滴が全面に多数付着していた。
<防湿性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材について、水蒸気透過率測定装置(モコン社製)により、40℃、80%RHの条件で、水蒸気透過率を測定した。なお、該水蒸気透過度測定方法は、JIS−K−7129またはモコン法に準拠して行った。
<耐水性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材を23℃の水道水に3日間浸漬した後、表面(実施例では耐水層側、比較例ではガラスクロス側)の劣化の程度を目視により観察し、下記の基準で評価した。
○:表面に変化なし。
×:表面にシワ、フクレがあり。
<撥水性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材上あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例では防汚層上、比較例ではガラスクロス側)にオレイン酸:0.1gを擦り付けた後、イオン交換水をかけながら、キムワイプにて洗浄し、洗浄後の表面(実施例では防汚層上、比較例ではガラスクロス側)の外観を目視により観察し、下記の基準で評価した。
◎:汚れが完全に除去されている。
○:汚れがわずかに残っている。
△:汚れが明らかに残っている。
×:汚れが全面に拡散し、ほとんど除去できない。
<親水性>
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材上あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例では防汚層上、比較例ではガラスクロス側)にオレイン酸:0.1gを擦り付けた後、イオン交換水をかけながら、キムワイプにて洗浄し、洗浄後の表面(実施例では防汚層上、比較例ではガラスクロス側)の外観を目視により観察し、下記の基準で評価した。
◎:汚れが完全に除去されている。
○:汚れがわずかに残っている。
△:汚れが明らかに残っている。
×:汚れが全面に拡散し、ほとんど除去できない。
<撥油性>
水平に置かれた実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材上あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例では防汚層上、比較例ではガラスクロス側)にシリコーンオイル:0.2gを載せ、液滴が上記部材の表面(実施例では防汚層上、比較例ではガラスクロス側)となす角度を測定して、シリコーンオイルに対する表面接触角を評価した。
<抗菌性能>
(1)試験菌株
・大腸菌(Escherichia coli IFO3301)
・黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
(2)試験菌液の調製
ブイヨン培地で35℃、20時間振盪培養した試験菌の培養液を滅菌リン酸緩衝液で20000倍に希釈して菌液とした。また、菌液は別に菌数を測定しておいた。
(3)抗菌性試験
検体としての実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材上あるいは粘接着剤層付飛散防止部材上(実施例では防汚層上、比較例ではガラスクロス側)に菌液1mLを滴下し、25℃で24時間放置後、菌数を測定して、検体の抗菌性性能を評価した。なお、対照試料として、シャーレに菌液1mLを滴下し、同様に試験した。
(4)菌数の測定
24時間保管した検体および対照試料をSCDLP培地(日本製薬(株)製)10mLで洗浄し、この洗浄液について標準寒天培地を用いて菌数を測定し、検体および対照試料当たりの菌数を算出した。
<抗カビ性>
JIS Z 2911の付属書Aに準拠して評価した。
<消臭性>
酢酸を用いて消臭性を評価した。すなわち、下記の評価試験方法に基づき、検知管内のガス濃度(初期濃度および60分後濃度)を測定した。
試料寸法:15cm×25cm
ガスバッグ容量:5L容量のテドラーバッグ
初期ガス濃度:20ppm
<水平燃焼試験>
難燃化処理物の難燃性の評価に用いる水平燃焼試験は、図5に示す測定装置により測定した。
測定対象のサンプルS(難燃化処理物)を5cm×12cmに裁断し、セパレーターやカバーセパレーターを有する場合はそれを剥離し、難燃化処理対象物の側(木材側やプラスチック側)が上面になるように、矩形の両サイドを、それぞれ、2枚の上側と下側の支持板1により水平に固定した。図5では、サンプルSの12cmの辺が支持板1(幅10cm)により固定されている。支持板1は、サンプルSの下面が空気に接触して、かつブンゼンバーナー3を設置できるように、下側の支持板1の長手方向の両側には、支柱2が設けられている。
設置したサンプルの下面の中心部分から45mm離れた下部にブンゼンバーナー3の火炎口4が位置するようにブンゼンバーナー3を設置し、上記火炎口から55mmの高さ(図5では5で示す高さ)のブンゼンバーナーの炎を30秒間、1cm(ブンゼンバーナー3の火炎口4からの炎の高さ:55mmと、サンプルSの下面とブンゼンバーナー3の火炎口4の距離:45mmとの差)を接炎した。なお、ブンゼンバーナー3はサンプルSの下に位置されるが、図5では、便宜上、ブンゼンバーナー3は支持板1の外側に記載している。ブンゼンバーナーのガスはプロパンガスを用い、大気中で接炎した。
<難燃化処理物の難燃性の評価>
(1)木材の難燃化処理
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材に厚み6mmの松板を貼着したサンプル(難燃化処理物)について、水平燃焼試験により、難燃化処理物の燃焼の有無を観察することにより、難燃化処理物の難燃性を評価した。
○:難燃化処理物が接炎5分を過ぎても着火しない。
△:難燃化処理物が接炎5分以内に着火するが、崩落しない。
×:難燃化処理物が接炎5分以内に着火して崩落する。
(2)プラスチックの難燃化処理
実施例・比較例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材あるいは粘接着剤層付飛散防止部材に厚み2mmのポリカーボネート板(タキロン社製、PC1600)を貼着したサンプル(難燃化処理物)について、水平燃焼試験により、難燃化処理物の燃焼の有無を観察することにより、難燃化処理物の難燃性を評価した。
○:難燃化処理物が接炎3分を過ぎても着火および溶融滴下しない。
△:難燃化処理物が接炎3分以内に着火するが、溶融滴下しない。
×:難燃化処理物が接炎3分以内に着火して溶融滴下する。
〔合成例1〕(光重合性シロップ(A)の調製)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:64.8重量部、アクリル酸:7.2重量部、ベンジルアクリレート:28重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF製):0.05重量部、および光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF製):0.05重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯し、窒素吹き込みを停止して、重合率5%の、一部が重合した組成物である光重合性シロップ(A)を調製した。
〔合成例2〕(不燃性基材(1)の調製)
ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業製):37重量部、ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート(EBECRYL3700、ダイセルサイテック製):35重量部、変性エポキシアクリレート(EBECRYL3701、ダイセルサイテック製):28重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF製):0.1重量部、および光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF製):0.1重量部を、均一になるまで攪拌した後、得られた粘性液体を、厚さ50μmとなるようにPET(A−PET、三菱化学製)表面に塗工した。塗工した液表面に、厚みが100μmのガラスクロス(ユニチカ製、E10T−4W、100μm)を置き、別途PET(A−PET、三菱化学製)表面に上記粘性液体を厚さ50μmとなるように塗工したものの液表面側を、上記ガラスクロスを挟むように貼り合わせた。光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが150μmの不燃性基材(1)を製造した。
不燃性基材(1)中のガラスクロスの屈折率は1.563、不燃性基材(1)中の樹脂の屈折率は1.562であった。
〔合成例3〕(不燃性基材(2)の調製)
ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業製):93重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):7重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、および光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、均一になるまで攪拌した後、得られた粘性液体を、厚さ50μmとなるようにPET(A−PET、三菱化学製)表面に塗工した。塗工した液表面に、厚みが100μmのガラスクロス(ユニチカ製、E10T−4W、100μm)を置き、別途PET(A−PET、三菱化学製)表面に上記粘性液体を厚さ50μmとなるように塗工したものの液表面側を、上記ガラスクロスを挟むように貼り合わせた。光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが150μmの不燃性基材(2)を製造した。
不燃性基材(2)中のガラスクロスの屈折率は1.563、不燃性基材(2)中の樹脂の屈折率は1.560であった。
〔合成例4〕
モノマー成分として、ベンジルアクリレート:45重量部、エトキシ化フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業製):30重量部、イソボニルアクリレート:25重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF製):0.05重量部、および光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF製):0.05重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯し、窒素吹き込みを停止して、重合率5%の、一部が重合した組成物である光重合性シロップ(B)を調製した。
〔合成例5〕
モノマー成分として、ベンジルアクリレート:41重量部、エトキシ化フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業製):30重量部、イソボニルアクリレート:29重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF製):0.05重量部、および光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF製):0.05重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯し、窒素吹き込みを停止して、重合率5%の、一部が重合した組成物である光重合性シロップ(C)を調製した。
〔合成例6〕
フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業製):30重量部、エトキシ化フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業製):40重量部、イソボニルアクリレート(大阪有機化学工業製):30重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF製):0.1重量部、および光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF製):0.1重量部を、均一になるまで攪拌した。得られた溶液を、厚みが100μmのガラスクロス(有沢製作所製、1031―S502、100μm)に含浸させ、モノマー含浸ガラスクロスを得た。
次に、PET(A−PET、三菱化学製)表面に、合成例4で調製した光重合性シロップ(B)を厚さ50μmとなるように塗工した後、上記モノマー含浸ガラスクロスを塗工した液の表面に置いた。さらに、別途、PET(A−PET、三菱化学製)表面に、合成例4で調製した光重合性シロップ(B)を厚さ50μmとなるように塗工したものの液表面側を、上記モノマー含浸ガラスクロスを挟み込むように貼り合せた。光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが150μmの不燃性基材(3)を製造した。
不燃性基材(3)中のガラスクロスの屈折率は1.563、不燃性基材(3)中の樹脂の屈折率は1.563であった。
〔合成例7〕
フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業製):30重量部、エトキシ化フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業製):37重量部、イソボニルアクリレート(大阪有機化学工業製):33重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF製):0.1重量部、および光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF製):0.1重量部を、均一になるまで攪拌した。得られた溶液を、厚みが100μmのガラスクロス(有沢製作所製、1031―S170、100μm)に含浸させ、モノマー含浸ガラスクロスを得た。
次に、PET(A−PET、三菱化学製)表面に、合成例5で調製した光重合性シロップ(C)を厚さ50μmとなるように塗工した後、上記モノマー含浸ガラスクロスを塗工した液の表面に置いた。さらに、別途、PET(A−PET、三菱化学製)表面に、合成例5で調製した光重合性シロップ(C)を厚さ50μmとなるように塗工したものの液表面側を、上記モノマー含浸ガラスクロスを挟み込むように貼り合せた。光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが150μmの不燃性基材(4)を製造した。
不燃性基材(4)中のガラスクロスの屈折率は1.560、不燃性基材(4)中の樹脂の屈折率は1.560であった。
〔合成例8〕
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:67重量部、N−ビニルピロリドン:14重量部、ベンジルアクリレート:19重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF製):0.05重量部、および光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF製):0.05重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯し、窒素吹き込みを停止して、重合率5%の、一部が重合した組成物である光重合性シロップ(D)を調製した。
〔合成例9〕
トルエン100重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート(FA−513M、日立化成工業株式会社製):60重量部、メチルメタクリレート:40重量部、および連鎖移動剤としてα−チオグリセロール:3.5重量部を4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間保持した後、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で2時間反応させた。その後、反応液を130℃の温度とし、トルエン、連鎖移動剤、および未反応モノマーを乾燥除去させ、固形状の粘着付与剤(A)を得た。得られた粘着付与剤(A)のガラス転移温度は144℃、重量平均分子量は4300であった。
≪機能層が熱機能層である場合に関連する実施例・比較例≫
機能層が熱機能層である場合に関連する実施例・比較例を下記に示す。
〔実施例1−1〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−1B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−1B)の不燃性基材側に、断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−1)とした。断熱層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−1)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔実施例1−2〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とほうろうフリット(タカラスタンダード株式会社製、CY0098M1、屈伏点:約500℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−2B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−2B)の不燃性基材側に、断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−2)とした。断熱層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−2)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔実施例1−3〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、屈伏点:397℃、平均粒子径:3μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−3B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−3B)の不燃性基材側に、断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−3)とした。断熱層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−3)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔実施例1−4〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):100重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−4B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−4B)の不燃性基材側に、断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−4)とした。断熱層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−4)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔実施例1−5〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例3で得られた不燃性基材(2)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−5B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−5B)の不燃性基材側に、断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−5)とした。断熱層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−5)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔実施例1−6〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ100μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが250μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−6B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−6B)の不燃性基材側に、断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−6)とした。断熱層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−6)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔実施例1−7〕
実施例1−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−1B)の不燃性基材側に、熱遮熱性塗料(日本特殊塗料株式会社製、パラサーモ)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、遮熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−7)とした。遮熱層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−7)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔実施例1−8〕
実施例1−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−1B)の不燃性基材側に、高透明断熱フィルム(リンテック社製、ヒートカット「IR−50HD」)を貼り合わせ、断熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−8)とした。高透明断熱フィルムの厚みは78μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−8)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔実施例1−9〕
合成例8で得られた光重合性シロップ(D):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE)(日本化成株式会社製):10重量部、合成例9で得られた粘着付与剤(A):10重量部、リン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):20重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例6で得られた不燃性基材(3)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−9B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−9B)の不燃性基材側に、断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−9)とした。断熱層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−9)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔実施例1−10〕
合成例8で得られた光重合性シロップ(D):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE)(日本化成株式会社製):10重量部、合成例10で得られた粘着付与剤(A):10重量部、リン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):20重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例7で得られた不燃性基材(4)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−10B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−10B)の不燃性基材側に、断熱塗料(ガラスビーズを含むアクリル系樹脂エマルション塗料、商品名「サンコート サーモシールド」、長島特殊塗料社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、断熱層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−10)とした。断熱層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−10)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
〔比較例1−1〕
実施例1−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(1−1B)を粘接着剤層付飛散防止部材(1−C1)とした。
得られた粘接着剤層付飛散防止部材(1−C1)の評価を行った。結果を表1、表2、表3に示した。
実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、被着体同士を瞬時に固定化できるとともに、被着体同士の貼り直しができ、シート形状での切り出しが可能であるなど加工性に優れ、しかも、火災時など高温雰囲気下に曝された場合にも被着体から剥がれず、且つ、ガラスなどの燃焼で割れる被着体に貼着した場合に、火災時などの燃焼に曝されても飛散防止性を発現できた。また、透明粘接着剤層および透明不燃性基材がいずれも高い透明性を有することにより、本発明の透明粘接着剤層付飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができ、極めて実用性が高いことがわかった。また、実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、熱機能性に優れるため、優れた高温粘着性および高温接着性を発現できる。
実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、木材に対する難燃化処理に用いた場合に優れた難燃性を示す。また、実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、プラスチックに対する難燃化処理に用いた場合に優れた難燃性を示す。
≪機能層が保護層である場合に関連する実施例・比較例≫
機能層が保護層である場合に関連する実施例・比較例を下記に示す。
〔実施例2−1〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−1B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−1B)の不燃性基材側に、ポリエステルフィルム(尾池ファイン社製、商品名:ファインソリッドCE20、厚み:50μm)を貼り合わせ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−1)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−1)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔実施例2−2〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とほうろうフリット(タカラスタンダード株式会社製、CY0098M1、屈伏点:約500℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−2B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−2B)の不燃性基材側に、ポリエステルフィルム(尾池ファイン社製、商品名:ファインソリッドCE20、厚み:50μm)を貼り合わせ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−2)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−2)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔実施例2−3〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、屈伏点:397℃、平均粒子径:3μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−3B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−3B)の不燃性基材側に、ポリエステルフィルム(尾池ファイン社製、商品名:ファインソリッドCE20、厚み:50μm)を貼り合わせ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−3)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−3)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔実施例2−4〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):100重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−4B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−4B)の不燃性基材側に、ポリエステルフィルム(尾池ファイン社製、商品名:ファインソリッドCE20、厚み:50μm)を貼り合わせ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−4)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−4)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔実施例2−5〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例3で得られた不燃性基材(2)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−5B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−5B)の不燃性基材側に、ポリエステルフィルム(尾池ファイン社製、商品名:ファインソリッドCE20、厚み:50μm)を貼り合わせ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−5)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−5)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔実施例2−6〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ100μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが250μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−6B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−6B)の不燃性基材側に、ポリエステルフィルム(尾池ファイン社製、商品名:ファインソリッドCE20、厚み:50μm)を貼り合わせ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−6)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−6)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔実施例2−7〕
実施例2−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−1B)の不燃性基材側に、ポリエステルフィルム(東レ社製、商品名:ルミラーS10、厚み:50μm)を貼り合わせ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−7)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−7)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔実施例2−8〕
実施例2−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−1B)の不燃性基材側に、エポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(荒川化学工業社製、商品名:ビームセット374A)を該露出表面上に塗布し、100℃で1分間乾燥させた後、メタルハライドランプを用いて紫外線(光量:300mJ/cm)を照射させ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−8)とした。保護層の厚みは10μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−8)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔実施例2−9〕
合成例8で得られた光重合性シロップ(D):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE)(日本化成株式会社製):10重量部、合成例9で得られた粘着付与剤(A):10重量部、リン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):20重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例6で得られた不燃性基材(3)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−9B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−9B)の不燃性基材側に、ポリエステルフィルム(尾池ファイン社製、商品名:ファインソリッドCE20、厚み:50μm)を貼り合わせ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−9)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−9)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔実施例2−10〕
合成例8で得られた光重合性シロップ(D):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE)(日本化成株式会社製):10重量部、合成例10で得られた粘着付与剤(A):10重量部、リン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):20重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例7で得られた不燃性基材(4)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−10B)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−10B)の不燃性基材側に、ポリエステルフィルム(尾池ファイン社製、商品名:ファインソリッドCE20、厚み:50μm)を貼り合わせ、保護層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−10)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−10)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
〔比較例2−1〕
実施例2−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(2−1B)を粘接着剤層付飛散防止部材(2−C1)とした。
得られた粘接着剤層付飛散防止部材(2−C1)の評価を行った。結果を表4、表5、表6に示した。
実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、被着体同士を瞬時に固定化できるとともに、被着体同士の貼り直しができ、シート形状での切り出しが可能であるなど加工性に優れ、しかも、火災時など高温雰囲気下に曝された場合にも被着体から剥がれず、且つ、ガラスなどの燃焼で割れる被着体に貼着した場合に、火災時などの燃焼に曝されても飛散防止性を発現でき、耐擦傷性に優れた。また、透明粘接着剤層および透明不燃性基材がいずれも高い透明性を有することにより、本発明の透明粘接着剤層付飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができ、極めて実用性が高いことがわかった。
実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、木材に対する難燃化処理に用いた場合に優れた難燃性を示す。また、実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、プラスチックに対する難燃化処理に用いた場合に優れた難燃性を示す。
≪機能層が物理的機能層または化学的機能層である場合に関連する実施例・比較例≫
機能層が物理的機能層または化学的機能層である場合に関連する実施例・比較例を下記に示す。
〔実施例3−1〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1B)とした。
一方、多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、耐指紋層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1)とした。耐指紋層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1)の評価を行った。結果を表7、表8、表9、表16に示した。
〔実施例3−2〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とほうろうフリット(タカラスタンダード株式会社製、CY0098M1、屈伏点:約500℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−2B)とした。
一方、多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−2B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、耐指紋層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−2)とした。耐指紋層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−2)の評価を行った。結果を表7、表8、表9、表16に示した。
〔実施例3−3〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、屈伏点:397℃、平均粒子径:3μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−3B)とした。
一方、多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−3B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、耐指紋層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−3)とした。耐指紋層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−3)の評価を行った。結果を表7、表8、表9、表16に示した。
〔実施例3−4〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):100重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−4B)とした。
一方、多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−4B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、耐指紋層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−4)とした。耐指紋層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−4)の評価を行った。結果を表7、表8、表9、表16に示した。
〔実施例3−5〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例3で得られた不燃性基材(2)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−5B)とした。
一方、多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−5B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、耐指紋層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−5)とした。耐指紋層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−5)の評価を行った。結果を表7、表8、表9、表16に示した。
〔実施例3−6〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ100μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが250μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−6B)とした。
一方、多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−6B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、耐指紋層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−6)とした。耐指紋層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−6)の評価を行った。結果を表7、表8、表9、表16に示した。
〔実施例3−7〕
合成例8で得られた光重合性シロップ(D):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE)(日本化成株式会社製):10重量部、合成例9で得られた粘着付与剤(A):10重量部、リン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):20重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例6で得られた不燃性基材(3)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−7B)とした。
一方、多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−7B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、耐指紋層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−7)とした。耐指紋層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−7)の評価を行った。結果を表7、表8、表9、表16に示した。
〔実施例3−8〕
合成例8で得られた光重合性シロップ(D):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE)(日本化成株式会社製):10重量部、合成例10で得られた粘着付与剤(A):10重量部、リン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):20重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例7で得られた不燃性基材(4)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−8B)とした。
一方、多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学工業社製):95重量部、フッ素系樹脂(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−8B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、耐指紋層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−8)とした。耐指紋層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−8)の評価を行った。結果を表7、表8、表9、表16に示した。
〔実施例3−9〕
実施例3−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1B)の不燃性基材側に、ポリビニルアルコール(クラレポバール「PVA−224」、株式会社クラレ製)の20%水溶液を塗布し、110℃で5分間乾燥させ、インク吸収層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−9)とした。インク吸収層の厚みは20μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−9)の評価を行った。結果を表7、表8、表10、表16に示した。
〔実施例3−10〕
実施例3−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1B)の不燃性基材側に、真空蒸着装置(型番:VE−2030、真空デバイス社製)を用いてアルミナを真空蒸着させ、反射防止層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−10)とした。反射防止層の厚みは0.125μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−10)の評価を行った。結果を表7、表8、表11、表16に示した。
〔実施例3−11〕
実施例3−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1B)の不燃性基材側に、真空蒸着装置(真空デバイス社製、型番:VE−2030)を用いて多層膜(シリカ(SiO)層とチタニア(TiO)層とが交互に積層されてなる積層数25の多層膜)を形成し、光選択透過層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−11)とした。光選択透過層の厚みは6μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−11)の評価を行った。結果を表7、表8、表12、表16に示した。
〔実施例3−12〕
実施例3−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1B)の不燃性基材側に、耐アルカリ性塗料(商品名「シルビアWU−200」、水性アクリルウレタンエマルション塗料、日本特殊塗料社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、耐アルカリ性層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−12)とした。耐アルカリ性層の厚みは10μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−12)の評価を行った。結果を表7、表8、表13、表16に示した。
〔実施例3−13〕
実施例3−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1B)の不燃性基材側に、耐酸塗料(商品名「サルホタイト10」、フェノール樹脂系塗料、日本ペイント社製)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、耐酸性層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−13)とした。耐酸性層の厚みは10μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−13)の評価を行った。結果を表7、表8、表14、表16に示した。
〔実施例3−14〕
実施例3−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1B)の不燃性基材側に、耐溶剤塗料(商品名「ボンディック1310NE」、水分散型ウレタン樹脂系塗料、大日本インキ化学工業社製)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、耐溶剤性層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−14)とした。耐溶剤性層の厚みは10μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−14)の評価を行った。結果を表7、表8、表15、表16に示した。
〔比較例3−1〕
実施例3−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(3−1B)を粘接着剤層付飛散防止部材(3−C1)とした。
得られた粘接着剤層付飛散防止部材(3−C1)の評価を行った。結果を表7、表8、表9、表10、表11、表12、表13、表14、表15、表16に示した。
実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、被着体同士を瞬時に固定化できるとともに、被着体同士の貼り直しができ、シート形状での切り出しが可能であるなど加工性に優れ、しかも、火災時など高温雰囲気下に曝された場合にも被着体から剥がれず、且つ、ガラスなどの燃焼で割れる被着体に貼着した場合に、火災時などの燃焼に曝されても飛散防止性を発現できた。また、透明粘接着剤層および透明不燃性基材がいずれも高い透明性を有することにより、本発明の透明粘接着剤層付飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができ、極めて実用性が高いことがわかった。
また、実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、物理的機能性や化学的機能性に優れる。
実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、木材に対する難燃化処理に用いた場合に優れた難燃性を示す。また、実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、プラスチックに対する難燃化処理に用いた場合に優れた難燃性を示す。
≪機能層が耐環境機能層または衛生機能層である場合に関連する実施例・比較例≫
機能層が耐環境機能層または衛生機能層である場合に関連する実施例・比較例を下記に示す。
〔実施例4−1〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)とした。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、光触媒層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1)とした。光触媒層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1)の評価を行った。結果を表17、表18、表19、表30に示した。
〔実施例4−2〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とほうろうフリット(タカラスタンダード株式会社製、CY0098M1、屈伏点:約500℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−2B)とした。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−2B)の不燃性基材側に、光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、光触媒層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−2)とした。光触媒層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−2)の評価を行った。結果を表17、表18、表19、表30に示した。
〔実施例4−3〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、屈伏点:397℃、平均粒子径:3μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−3B)とした。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−3B)の不燃性基材側に、光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、光触媒層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−3)とした。光触媒層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−3)の評価を行った。結果を表17、表18、表19、表30に示した。
〔実施例4−4〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):100重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−4B)とした。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−4B)の不燃性基材側に、光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、光触媒層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−4)とした。光触媒層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−4)の評価を行った。結果を表17、表18、表19、表30に示した。
〔実施例4−5〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例3で得られた不燃性基材(2)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−5B)とした。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−5B)の不燃性基材側に、光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、光触媒層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−5)とした。光触媒層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−5)の評価を行った。結果を表17、表18、表19、表30に示した。
〔実施例4−6〕
合成例1で得られた光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部とリン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):50重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ100μmとなるように合成例2で得られた不燃性基材(1)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが250μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−6B)とした。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−6B)の不燃性基材側に、光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、光触媒層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−6)とした。光触媒層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−6)の評価を行った。結果を表17、表18、表19、表30に示した。
〔実施例4−7〕
合成例8で得られた光重合性シロップ(D):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE)(日本化成株式会社製):10重量部、合成例9で得られた粘着付与剤(A):10重量部、リン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):20重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例6で得られた不燃性基材(3)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−7B)とした。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−7B)の不燃性基材側に、光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、光触媒層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−7)とした。光触媒層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−7)の評価を行った。結果を表17、表18、表19、表30に示した。
〔実施例4−8〕
合成例8で得られた光重合性シロップ(D):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.1重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE)(日本化成株式会社製):10重量部、合成例10で得られた粘着付与剤(A):10重量部、リン酸系フリット(タカラスタンダード株式会社製、VY0144、屈伏点:397℃、平均粒子径:10μm):20重量部を添加し、ディスパーで均一に分散した。得られた分散体を厚さ150μmとなるように合成例7で得られた不燃性基材(4)の表面上に塗工した。カバーセパレーターをして、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射して硬化させ、厚みが300μmのシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−8B)とした。
透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−8B)の不燃性基材側に、光触媒コーティング剤(テイカ株式会社製、商品名「TKC−303」、光触媒:酸化チタン、乾燥固形分13%、酸化チタン粒子径=6nm、酸性、水媒体)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、光触媒層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−8)とした。光触媒層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−8)の評価を行った。結果を表17、表18、表19、表30に示した。
〔実施例4−9〕
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、防汚塗料(フッ素系樹脂含有水性上塗塗料、商品名「シルビアWF−400」、日本特殊塗料社製)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、防汚層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−9)とした。防汚層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−9)の評価を行った。結果を表17、表18、表20、表30に示した。
〔実施例4−10〕
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、調湿塗料(商品名「スズカ防露」、スズカファイン社製)を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、調湿層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−10)とした。調湿層の厚みは10μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−10)の評価を行った。結果を表17、表18、表21、表30に示した。
〔実施例4−11〕
ポリ塩化ビニリデンエマルション(商品名「サランラテックスL536B」、旭化成ケミカルズ株式会社製)を蒸留水で5重量%に希釈して、ポリ塩化ビニリデン水分散液を調製した。
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、上記ポリ塩化ビニリデン水分散液を塗布し、130℃で5分間乾燥させ、防湿層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−11)とした。防湿層の厚みは10μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−11)の評価を行った。結果を表17、表18、表22、表30に示した。
〔実施例4−12〕
エポキシアクリレート(商品名「ヒタロイド7851」、日立化成社製):100重量部と光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、耐水層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−12)とした。耐水層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−12)の評価を行った。結果を表17、表18、表23、表30に示した。
〔実施例4−13〕
多官能アクリレート(商品名「ビームセット575」、荒川化学社製):95重量部とフッ素系化合物(商品名「オプツールDAC」、ダイキン工業社製):5重量部と光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、BASF製):0.5重量部を均一に混合して、シロップ組成物を得た。
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、上記シロップ組成物を塗布し、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を両面から5分間照射して硬化させ、撥水層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−13)とした。撥水層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−13)の評価を行った。結果を表17、表18、表24、表30に示した。
〔実施例4−14〕
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、無機系コーティング剤(株式会社AGTEX製、商品名「親水コートF」、主成分:二酸化チタン・シリカ・白金)を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、親水層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−14)とした。親水層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−14)の評価を行った。結果を表17、表18、表25、表30に示した。
〔実施例4−15〕
フッ素系撥油剤(商品名「FS−6130」、フロロテクノロジー社製):10重量部と蒸留水:90重量部を均一に混合して、フッ素系撥油コーティング剤を得た。
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、上記フッ素系撥油コーティング剤を塗布し、120℃で1分間乾燥させ、撥油層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−15)とした。撥油層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−15)の評価を行った。結果を表17、表18、表26、表30に示した。
〔実施例4−16〕
抗菌剤として銀イオン系ゼオライト抗菌剤(粒径分布:2〜5μm、銀含有量:2.5重量%、亜鉛含有量:14.5重量%)を5重量%、体質顔料としてマイクロシリカ(平均一次粒径:16nm、比表面積:110m/g)を5重量%、バインダーとしてアクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートからなる二液硬化型ウレタン樹脂を90重量%含有する抗菌性塗料を準備した。
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、上記抗菌性塗料を塗布し、80℃で5分間乾燥させ、抗菌層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−16)とした。抗菌層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−16)の評価を行った。結果を表17、表18、表27、表30に示した。
〔実施例4−17〕
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、抗カビ剤として抗カビ塗料(アクリル樹脂エマルション系塗料、商品名「バイオタイト#10」、エスケー化研社製)を塗布し、80℃で5分間乾燥させ、抗カビ層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−17)とした。抗カビ層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−17)の評価を行った。結果を表17、表18、表28、表30に示した。
〔実施例4−18〕
消臭剤として銀イオン系ゼオライト消臭剤(粒径分布:2〜5μm、銀含有量:2.5重量%、亜鉛含有量:14.5重量%)を5重量%、体質顔料としてマイクロシリカ(平均一次粒径:16nm、比表面積:110m/g)を5重量%、バインダーとしてアクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートからなる二液硬化型ウレタン樹脂を90重量%含有する消臭性塗料を準備した。
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)の不燃性基材側に、上記消臭性塗料を塗布し、130℃で1分間乾燥させ、消臭層を有するシート状の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−18)とした。消臭層の厚みは5μmであった。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−18)の評価を行った。結果を表17、表18、表29、表30に示した。
〔比較例4−1〕
実施例4−1で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−1B)を粘接着剤層付飛散防止部材(4−C1)とした。
得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材(4−C1)の評価を行った。結果を表17、表18、表19、表20、表21、表22、表23、表24、表25、表26、表27、表28、表29、表30に示した。
実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、被着体同士を瞬時に固定化できるとともに、被着体同士の貼り直しができ、シート形状での切り出しが可能であるなど加工性に優れ、しかも、火災時など高温雰囲気下に曝された場合にも被着体から剥がれず、且つ、ガラスなどの燃焼で割れる被着体に貼着した場合に、火災時などの燃焼に曝されても飛散防止性を発現できた。また、透明粘接着剤層および透明不燃性基材がいずれも高い透明性を有することにより、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができ、極めて実用性が高いことがわかった。
また、実施例で得られた透明粘接着剤層付飛散防止部材は、耐環境機能性や衛生機能性に優れる。
実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、木材に対する難燃化処理に用いた場合に優れた難燃性を示す。また、実施例で得られた透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、プラスチックに対する難燃化処理に用いた場合に優れた難燃性を示す。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、ガラスに瞬時に固定化できるとともに、貼り直しができ、さらに、火災時など高温雰囲気下に曝された場合にも被着体から剥がれない。したがって、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、高温雰囲気下に曝されない用途のみならず、高温雰囲気下に曝されるような用途でもガラスの飛散を防止することができ、有効に利用できる。また、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、木材やプラスチックに対する難燃化処理に用いた場合には優れた難燃性を示すため、各種部材の難燃化処理に好適に利用することができる。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、透明粘接着剤層および透明不燃性基材がいずれも高い透明性を有することにより、本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材を被着体に貼着した場合に、被着体の意匠性を良好に保つことができることになり、極めて実用性が高い。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、熱機能層を含む場合、優れた熱機能性を示すため、温度の影響を受けやすい使用環境においても好適に利用することができる。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、保護層を含む場合、優れた耐擦傷性を示すため、各種被着体に優れた耐擦傷性を付与できる。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、物理的機能層や化学的機能層を含む場合、優れた物理的機能性や化学的機能性を示すため、各種被着体に物理的機能性または化学的機能性を付与できる。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、耐環境機能層や衛生機能層を含む場合、優れた耐環境機能性や衛生機能性を示すため、各種被着体に耐環境機能性または衛生機能性を付与できる。
本発明の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材は、例えば、建材として、在来軸組工法や枠組壁工法などの木造住宅、鉄筋コンクリート造住宅、軽量鉄骨造や重量鉄骨造の鉄骨造住宅、プレハブ工法住宅などの一般住宅や、超高層マンション、高層マンション、中低層マンション、アパートなどの集合住宅、喫茶店、レストラン、オフィスビル、デパート、スーパー、屋内駐車場、映画館、ホテル、各種スポーツ施設、体育館、コンサートホール、ドーム型の野球場やサッカー場、室内サッカー場、室内プール、工場建屋などの大型建造物や公共施設の外壁材、外壁仕上げ材、内壁材、内壁仕上げ材、壁断熱材、天井材、天井仕上げ材、屋根材、床材、床仕上げ材、間仕切り材、浴室の壁材や床材や天井材やそれらの仕上げ材、キッチンの壁材や床材や天井材やそれらの仕上げ材、トイレの壁材や床材や天井材やそれらの仕上げ材、柱材や柱保護材、トイレや室内や玄関や襖など各種の扉の内部材や表面仕上げ材、間仕切り材、カーテン、特にキッチンの壁材や天井材、クリーンルームの間仕切りなどに好適に用いることができる。また、排気ダクトや防火戸や防火シャッターなど防火設備の内部材あるいは表面仕上げ材、テーブルなど家具の表面仕上げ材、扉の表面仕上げ材、窓ガラスの表面仕上げ材、テーブルなど家具の表面仕上げ材、窓ガラス、鏡、タイルなどの飛散防止材や表面仕上げ材、また、看板や電子看板の表面仕上げ材、ロールスクリーンなどに用いることができる。また、船舶や航空機、自動車、鉄道車両のボディ保護材、内外の壁材、天井材、屋根材、床材、また、鉄道車両内外に貼着される印刷物の表面保護材、インクジェットメディア材の表面保護材、他にも太陽電池の外部保護材や内部保護材、リチウムイオンバッテリーなどの電池用保護材、電気機器内部のパーテーションなどの電気・電子機器部材に用いることができる。さらに、灰皿周辺具、ゴミ箱の表面仕上げ材、パチンコ台の前面パネルや筐体保護材としても用いることができる。
1 支持板
2 支柱
3 ブンゼンバーナー
4 火炎口
5 火炎口から55mmの高さ部分
10 ポリマー成分
20 焼結性粒子
100 透明粘接着剤層
200 透明不燃性基材
300 機能層
1000 透明粘接着剤層付透明飛散防止部材
2000 ガラス板
3000 試験体
4000 固定用ネジ

Claims (29)

  1. 透明粘接着剤層と透明不燃性基材を含み、
    該透明粘接着剤層は、焼結前は粘着性を有し、焼結後は接着性を有し、
    機能層を少なくとも一方の最外層として含む、
    透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  2. 前記機能層が熱機能層である、請求項1に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  3. 前記熱機能層の厚みが0.1μm〜200μmである、請求項2に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  4. 前記熱機能層が断熱層である、請求項2または3に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  5. 前記断熱層が中空ビーズ構造物を含む、請求項4に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  6. 前記中空ビーズ構造物がガラスビーズである、請求項5に記載の透明粘接着剤層付飛散防止部材。
  7. 前記熱機能層が遮熱層である、請求項2または3に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  8. 前記遮熱層が、顔料、セラミック、金属、マイクロバルーンから選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項7に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  9. 前記遮熱層が、塗工層、シート層、箔層、スパッタ層、蒸着層から選ばれる少なくとも1種である、請求項7または8に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  10. 前記透明粘接着剤層は、焼結性粒子およびポリマー成分を含む、請求項1から9までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  11. 前記焼結性粒子の屈折率と前記ポリマー成分の屈折率との差が0.02以下である、請求項10に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  12. 前記焼結性粒子の屈伏点が250℃〜800℃である、請求項10または11に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  13. 前記焼結性粒子が、ケイ酸、ホウ酸、ホウケイ酸、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化リンから選ばれる少なくとも1種の成分から形成される、請求項10から12までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  14. 前記焼結性粒子の平均粒子径が0.1μm〜1000μmである、請求項10から13までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  15. 前記焼結性粒子の含有割合が、前記透明粘接着剤層の固形分に対して1重量%〜150重量%である、請求項10から14までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  16. 前記ポリマー成分が、ゴム系ポリマー、シリコーン系ポリマー、アクリル系ポリマーから選ばれる少なくとも1種の成分である、請求項10から15までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  17. 前記ポリマー成分を形成するための材料が光重合開始剤を含む、請求項10から16までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  18. 前記透明粘接着剤層が光重合によって得られる、請求項1から17までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  19. 前記透明不燃性基材が、無機基材と樹脂を含み、該無機基材の屈折率と該樹脂の屈折率との差が0.02以下である、請求項1から18までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  20. 前記無機基材に前記樹脂が含浸されてなる、請求項19に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  21. 前記無機基材が繊維状無機基材である、請求項19または20に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  22. 前記繊維状無機基材がガラスクロスである、請求項21に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  23. 前記樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である、請求項19から22までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  24. 前記熱可塑性樹脂が光硬化性樹脂である、請求項23に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  25. 前記光硬化性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である、請求項24に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  26. 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項23に記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  27. 前記機能層を除いた部分の全光線透過率が70%以上である、請求項1から26までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  28. 前記機能層を除いた部分のHAZE値が30以下である、請求項1から27までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
  29. シート状またはテープ状であり、厚みが1μm〜1000μmである、請求項1から28までのいずれかに記載の透明粘接着剤層付透明飛散防止部材。
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