JP7215679B2 - 積層板の製造方法及び当該方法により製造した壁面パネル - Google Patents

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本発明は、熱硬化性樹脂を含む加飾層と、加飾層の表面上に積層された難燃性の透明材料とを有する積層板の製造方法及びこの製造方法によって製造された壁面パネルに関する。
従来から、加飾されたFRP(繊維強化プラスチック)成形品の製造方法として、加飾シートを透明性の熱硬化性樹脂材料の間にインサート成形する方法が知られている(例えば、特許文献1)。これは、熱硬化性樹脂材料を予めシート状に形成し、加飾シートが熱硬化性樹脂材料のシートの間に位置するように樹脂材料のシートと加飾シートを積層した状態で、所定の温度に加熱した型の間に挟んで、所定の圧力で所定時間、加熱加圧成形する方法である。この方法によれば、樹脂材料のシートの間に加飾シートが介装されるため、成形品の表面に加飾シートが配されているのと異なり、深み感、透明感、高級感があり、擦れや水濡れにより加飾部分が削れたり汚れたりすることがない。
特開平8-174581号公報
ところで最近では、例えば西陣織といった織物を加飾シートとして熱硬化性樹脂材料と組み合わせて積層し、壁材や床材といった建物の材料として使用する試みがなされている。しかしながら、特許文献1に記載の方法のように、熱硬化性樹脂材料と加飾シートとを単に組み合わせただけでは、例えば800℃以上の高温にも耐える充分な耐熱性能を達成することができず、建材として使用することができなかった。また、上記従来の方法では、積層体の成形時に加飾シートが加熱加圧されるため、例えば西陣織のような繊細な素材を加飾シートとして用いた場合に、織地の凹凸が潰れてしまい、独特の風合が損なわれてしまうという難点があった。
上記のような課題に鑑みて、本発明は、壁材や床材といった建材として使用するのに適した難燃性を有する積層板であって、熱硬化性樹脂を含む加飾層を有して構成された積層板の製造方法及びこの製造方法を使用して製造された壁面パネルを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る積層板(例えば、実施形態における積層板100)の製造方法は、加飾シート(例えば、実施形態における西陣織)に熱硬化性樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ビニルエステル樹脂)を含浸させるステップと、難燃性の第1の透明材料(例えば、実施形態における強化ガラス層1a)の表面上に、熱硬化性樹脂が含浸した前記加飾シートを載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化させて(例えば、自然硬化を10分間)加飾層を成形するステップと、前記加飾層の表面上に、熱硬化性樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ビニルエステル樹脂)が積層された難燃性の第2の透明材料(例えば、実施形態における強化ガラス層1b)を載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化させて(例えば、120℃で2時間)、前記加飾層が前記第1及び第2の透明材料によって挟持された積層体を形成するステップと、前記加飾層の外周部を前記積層体の面内方向に所定の長さだけ除去することにより、前記第1の透明材料と前記第2の透明材料とに挟まれた空間を前記加飾層の外周部に沿って形成するステップと、耐熱性の材料(例えば、実施形態における外周部難燃層1c)を前記空間内に充填するステップと、前記耐熱性の材料を硬化させる(例えば、室温で24時間硬化させた後、90℃で2時間乾燥させてから、150℃で1時間)ステップと、を具える構成となっている。
また、前記課題を解決するために本発明に係る積層板の製造方法は、加飾シート(例えば、実施形態における西陣織)に熱硬化性樹脂を含浸させるステップと、難燃性の第1の透明材料(例えば、実施形態における強化ガラス層1a)の表面上に、熱硬化性樹脂が含浸した前記加飾シートを載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化(例えば、自然硬化を10分間)させて加飾層を成形するステップと、強化繊維(例えば、実施形態におけるガラスマット)に熱硬化性樹脂を含浸させるステップと、前記加飾層の表面上に、熱硬化性樹脂が含浸した前記強化繊維を載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化させて(例えば、自然硬化を10分間)繊維強化プラスチック層(例えば、実施形態におけるFRP層5a)を成形するステップと、前記繊維強化プラスチック層の表面上に、熱硬化性樹脂が積層された難燃性の第2の透明材料(例えば、実施形態における強化ガラス層1b)を載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化させて(例えば、120℃で2時間)、前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層が前記第1及び第2の透明材料によって挟持された積層体を形成するステップと、前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層の外周部を、前記積層体の面内方向に所定の長さだけ除去することにより、前記第1の透明材料と前記第2の透明材料とに挟まれた空間を前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層の外周部に沿って形成するステップと、耐熱性の材料(例えば、実施形態における外周部難燃層1c)を前記空間内に充填するステップと、前記耐熱性の材料を硬化させる(例えば、室温で24時間硬化させた後、90℃で2時間乾燥させてから、150℃で1時間)ステップと、を具える構成となっている。
また、上記構成の積層板の製造方法において、前記積層板が、さらに、前記加飾層の少なくとも一方の面の側に形成された第2の繊維強化プラスチック層(例えば、実施形態におけるFRP層5b)を具えており、前記耐熱性の材料が、前記加飾層、前記繊維強化プラスチック層及び前記第2の繊維強化プラスチック層の外周部に沿って形成される前記第1の透明材料と前記第2の透明材料とに挟まれた空間内に充填されるのが好ましい。
また、上記構成の積層板の製造方法において、前記加飾層を成形するステップが、前記加飾シートを載置してから所定の時間内に気泡除去手段を用いて熱硬化性樹脂に発生した気泡を除去するステップを具えるのが好ましい。
また、上記構成の積層板の製造方法において、前記繊維強化プラスチック層を成形するステップが、前記強化繊維を載置してから所定の時間内に気泡除去手段を用いて熱硬化性樹脂に発生した気泡を除去するステップを具えるのが好ましい。
また、上記構成の積層板の製造方法において、前記気泡除去手段が、豚毛ブラシを用いるのが好ましい。
また、前記課題を解決するために本発明に係る壁面パネル(例えば、実施形態における積層板100)は、熱硬化性樹脂に封入された加飾シート(例えば、実施形態における積西陣織)を含む加飾層と、前記加飾層の外周部を覆う耐熱性の材料から成る外周部難燃層(例えば、実施形態における外周部難燃層1c)と、前記加飾層を間に挟むよう配置された一対の難燃性の透明材料(例えば、実施形態における強化ガラス層1a、1b)とを具え、前記加飾層が、前記外周部難燃層及び前記一対の難燃性の透明材料により全体が覆われて封入された状態となっている構成である。
また、前記課題を解決するために本発明に係る壁面パネル(例えば、実施形態における積層板100)は、熱硬化性樹脂に封入された加飾シート(例えば、実施形態における西陣織)を含む加飾層と、前記加飾層の少なくとも一方の面上に積層された繊維強化プラスチック層(例えば、実施形態におけるFRP層5a、5b)と、前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層の外周部を覆う耐熱性の材料から成る外周部難燃層(例えば、実施形態における外周部難燃層1c)と、前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層を間に挟むよう配置された一対の難燃性の透明材料(例えば、実施形態における強化ガラス層1a、1b)とを具え、前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層が、前記外周部難燃層及び前記一対の難燃性の透明材料により全体が覆われて封入された状態となっている構成である。
上記構成の積層板の製造方法及び壁面パネルによれば、加飾層の外周部を覆う耐熱性の材料から成る外周部難燃層を用いることにより、加飾層が、外周部難燃層及び難燃性の透明材料によりその全体が覆われて封入された状態となるため、所定の加熱条件下においても積層板に破損、変形、発火等が生じることはなく、所望の難燃性能を発揮することができる。したがって、本発明に係る積層板を建材として好適に使用することができ、当該積層板によって、これまでに無い斬新で繊細な装飾を各種構造物(例えば、建築物や土木構造物の壁面、床面、天井面、あるいは乗り物や輸送機器の壁面など)に施すことが可能になる。また、成形時に加飾層に圧力が作用したとしても、加飾層を構成する加飾シートが熱硬化性樹脂に封入されているため、加飾シートのそれぞれの繊維が硬化した熱硬化性樹脂内にしっかりと保持され、加飾シートとして表面に柔らかな凹凸のある西陣織のような素材を用いた場合でも、織地の凹凸が潰れてしまうことはなく、独特の風合が損なわれない。
さらに、加飾層の成形時や、強化繊維プラスチック層の成形時に、気泡除去手段(豚毛ローラ)を用いることにより、熱硬化性樹脂が含浸する時間を短縮でき、また、熱硬化性樹脂の含浸の際に生ずる気泡を除去することが可能となる。
図1は、本発明に係る積層板の断面図である。 図2は、図1に示す積層板を製造するための工程を示す図である。 図3は、図2に示す工程に続く工程を示す図である。 図4は、図3に示す工程に続く工程を示す図である。 図5は、図4に示す工程に続く工程を示す図である。 図6は、図5に示す工程に続く工程を示す図である。
本発明に係る積層板の一実施形態を、図1~図6を参照して以下のように説明する。図1は、本発明の積層板の各構成要素を示す断面図である。この積層板100は、主として建物の外壁(壁面パネル)として使用されるが、外壁に限らず、建物内の壁もしくは床材等にも使用可能である。
図1に示すように、この積層板100は、最下層の強化ガラス層1aと、強化ガラス層1a上に積層されたシランカップリング剤層2aと、シランカップリング剤層2a上に積層された下地層3aと、下地層3a上に積層された加飾層4と、加飾層4上に積層されたFRP層5aと、FRP層5a上に積層されたFRP層5bと、FRP層5b上に積層された下地層3bと、下地層3b上に積層されたシランカップリング剤層2bと、シランカップリング剤層2b上に積層された最上層の強化ガラス層1bとを有して構成される。さらに、シランカップリング剤層2a、2b、下地層3a、3b、加飾層4及びFRP層5a、5bの外周部には、アルミナなどの耐熱性セラミックスと無機ポリマーを主成分とする耐熱性の一液加熱硬化型接着剤といった、難燃性材料から成る外周部難燃層1cが設けられ、この外周部難燃層1cと強化ガラス層1a、1bとにより、シランカップリング剤層2a、2b、下地層3a、3b、加飾層4及びFRP層5a、5bの周囲全体が覆われて封入された状態となっている。
ここで、強化ガラス層1a、1bは、ガラス材料を材質とするものに限らず、難燃性を有し且つ光透過性の材料であれば、熱硬化性の硬質透明樹脂材料といったものでもよい。また、FRP層5a、5bは、例えば不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ビニルエステル樹脂といった熱硬化性樹脂を母相とする繊維強化プラスチックであり、強化相として、ガラス繊維を用いたもの(GFRP)もしくは炭素繊維を用いたもの(CFRP)を使用する。FRP層5a、5bを積層板100に使用することにより、強化ガラス層1a、1bを薄くすることが可能であり、これにより積層板全体の軽量化を図ることができる。なお、FRP層5a、5b中の強化相として、ガラス繊維や炭素繊維に限定されない。
加飾層4は、加飾シート4aと、これを封入する透明で難燃性の熱硬化性樹脂4bとにより構成されている。加飾シート4aは、例えば、フラットな織地部分と膨れ織りされた模様部分で凹凸が形成され、これらが組み合わされて高級感のある複雑な意匠を有する西陣織である。西陣織の特徴として、その繊維の断面形状により、見る角度によって色が変化し、独特の風合を醸し出す。
熱硬化性樹脂4bは、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ビニルエステル樹脂などであり、加飾シート4aを封入した状態では、この熱硬化性樹脂4bが加飾シート4a(西陣織)のそれぞれの繊維の間に含浸される。これにより、加飾層4に圧力が作用したとしても、加飾シート4aのそれぞれの繊維が硬化した熱硬化性樹脂4b内にしっかりと保持されるため、加飾シート4aとして表面に柔らかな凹凸のある西陣織のような高級素材を用いた場合でも、織地の凹凸や独特の風合が損なわれない。
以下では、上記のように構成された建物の外壁用の積層板100(壁面パネル)の製造方法について説明する。なお、以下で説明する積層板100の大きさは、後述する燃焼試験用の試験片の大きさに対応しており、100mm(縦)×100mm(横)×約10mm(厚)となっている。
まず、100mm四方で厚さが5mmの強化ガラス層1aの成形面(シランカップリング剤層2aが積層される側の面)をエタノールを用いて脱脂処理する。続いて、強化ガラス層1aの成形面にシランカップリング剤を数μmの厚さとなるよう塗布することによりシランカップリング剤層2aを形成する。シランカップリング剤の塗布は、ウエスにシランカップリング剤を少量染み込ませ、強化ガラス層1aの成形面に一定の低い圧力を保持しながら行う。シランカップリング剤の塗布後、10分乾燥する。無機材料と有機材料とを結び付けるシランカップリング剤の塗布により、強化ガラス層1aとその上層の下地層3aとが結合し易くなる。
次に、上記シランカップリング剤層2aと加飾層4に含まれる熱硬化性樹脂との間の界面接着強度を高めることを目的として、シランカップリング剤層2a上に厚さ0.5mm程度の下地層3aを塗布する。下地層3aの塗布は、例えばフェノール樹脂といった熱硬化性樹脂に重合剤を1%添加してよく撹拌し、1.0kg/mの一定の圧力を保持しながら行われる。塗布後、15分間自然硬化させ、さらに50℃で40分間、アフターキュアを行う。アフターキュアは、加熱によって樹脂の硬化状態をさらに進めて、寸法安定性を向上させることを目的としている。その後、24時間以上かけて自然冷却する。
続いて、下地層3a上に、以下のようにして加飾層4を積層させる。まず、例えば不飽和ポリエステル樹脂といった熱硬化性樹脂に重合剤を1%添加してよく撹拌する。そして、用意した西陣織(加飾シート4a)を液体の状態の熱硬化性樹脂に浸す。これにより、西陣織の繊維と繊維との間に熱硬化性樹脂が入り込む。なお、西陣織に浸す熱硬化性樹脂の重量は、西陣織に対して50重量%である。次に、熱硬化性樹脂が含浸した西陣織を下地層3a上に載置する。そして、熱硬化性樹脂を含浸させてから熱硬化性樹脂がゲル化するまでの15分以内に、ハンドルの付いた豚毛ローラを、熱硬化性樹脂が含浸した西陣織の上を転がせる。豚毛ローラを用いることにより、熱硬化性樹脂が含浸する時間を短縮できる。また、腰の強い豚毛が西陣織の繊維に突き刺さり、西陣織に残留する気泡を除去することが可能である。さらに、豚毛ローラの使用により、加飾層4を下地層3a上に良くなじませることができる。豚毛ローラの使用の後、10分間、自然硬化させる。加飾層4の積層(成形)が完了すると、図2に示すように、熱硬化性樹脂4b内に、装飾が施された西陣織(加飾シート4a)が保持された状態となる。
続いて、加飾層4上に、以下のようにしてFRP層5aを積層させる。まず、例えば不飽和ポリエステル樹脂といった熱硬化性樹脂に重合剤を1%添加してよく撹拌する。そして、10数μm程度の直径及び数mm程度の長さを有する数十本~数百本程度のガラスフィラメントが分散したチョップドストランドマット(ガラスマット)を、液体の状態の熱硬化性樹脂に浸す。これにより、チョップドストランドマットに熱硬化性樹脂が含浸する。次に、熱硬化性樹脂が含浸したチョップドストランドマットを加飾層4上に載置する。そして、熱硬化性樹脂を含浸させてから熱硬化性樹脂がゲル化するまでの15分以内に、ハンドルの付いた豚毛ローラを、熱硬化性樹脂が含浸したチョップドストランドマットの上を転がせる。豚毛ローラを用いることにより、熱硬化性樹脂が含浸する時間を短縮できる。また、腰の強い豚毛がガラスフィラメントに突き刺さり、ガラスフィラメントに残留する気泡を除去することが可能である。さらに、豚毛ローラの使用により、FRP層5aを加飾層4上に良くなじませることができる。豚毛ローラの使用の後、10分間、自然硬化させ、図3に示すように、加飾層4上にFRP層5aが積層される。
その後、FRP層5a上に、次のようにしてFRP層5bを積層させる。まず、FRP層5aの積層の場合と同じように、熱硬化性樹脂に重合剤を1%添加してよく撹拌し、チョップドストランドマット(ガラスマット)を熱硬化性樹脂に浸す。次に、熱硬化性樹脂が含浸したチョップドストランドマットをFRP層5a上に載置し、上記のようにして豚毛ローラを転がして気泡を除去する。その後、10分間、自然硬化させ、図4に示すように、FRP層5bがFRP層5a上に積層される。
続いて、別に成形された強化ガラス層1b、シランカップリング剤層2b、下地層3bから成る積層体(下地層3bは、まだ硬化していない)を、FRP層5bの上に載置し(図5)、さらにその上に500g程度の石を重しとして載せる。重しを載せた状態で60分かけて下地層3bを自然硬化させる。その後、重しを外し、120℃で2時間、アフターキュアを行い、加熱によって樹脂の硬化状態をさらにすすめ、さらに、24時間以上かけて自然冷却する。
そして、上記のようにして作製された積層体の外周部に端部処理を施すことで、外周部難燃層1cから成る難燃層を形成する。具体的には、まず、積層体のうち、シランカップリング剤層2a、2b、下地層3a、3b、FRP層5a、5b及び加飾層4の外周部を、内側(積層体の面内方向)に向かって3mm程度削り取る。これにより、強化ガラス層1aと強化ガラス層1bとの間に挟まれた空間が、シランカップリング剤層2a、2b、下地層3a、3b、加飾層4及びFRP層5a、5bの外周部に沿って形成される(図6)。さらに、この削り取った部分に、アルミナなどの耐熱性セラミックスと無機ポリマーを主成分とする耐熱性の一液加熱硬化型接着剤を充填する。そして、室温で24時間、当該接着剤を硬化させ、90℃で2時間乾燥後、150℃で1時間、自然硬化させてから、24時間以上かけて自然冷却する。これにより、外周部難燃層1cが、積層体の外周部に形成される。最後に、端部処理の仕上げとして、シリカテープやアルミナテープといった耐熱テープを外周部難燃層1cに沿ってその上から貼付することにより、積層体の外周部を保護する。このようにして、図1に示すような積層板100ができあがる。
なお、上記の説明では、加飾層4と一方の強化ガラス層1bとの間にFRP層を設けるようにしたが、これを省略することも可能である。一方で、これとは反対に、加飾層4と双方の強化ガラス層1a、1bとの間にFRP層をそれぞれ設けるようにしてもよく、その場合、FRP層の層数はそれぞれ2層に限られるものではなく、1層又は3層以上とすることも可能である。FRP層を用いた場合には、その分、強化ガラス層を薄くすることが可能であり、これにより積層板全体の軽量化を図ることができる。
ここで、上記のようにして作製された積層板100を用いた発熱性試験の結果について示す。発熱性試験は、コーンカロリーメータ試験により行った。コーンカロリーメータは、円錐型の電熱ヒーターによって積層板を加熱し、着火、燃焼させて、積層板の発熱量等を測定する試験装置である。用いた発熱性試験は、ISO 5660-1:2002に準拠しており、材料の難燃性の評価が試験に基づいて可能となっている。
上記のような方法により作製した10cm(縦)×10cm(横)×約10mm(厚)のシート状の積層板を数枚(試料1~3)用意した。測定条件として、輻射熱量:50kW/m、加熱時間:5分間であり、測定項目は、5分間における最大発熱速度(kW/m)と、燃焼開始から5分間の発熱速度を累積した値である総発熱量(MJ/m)である。
コーンカロリーメータ試験の試験結果を以下の表1に示す。ISO 5660-1:2002による材料の発熱性試験では、加熱時間が5分間で、総発熱量が8MJ/m以下で、最大発熱速度が200kW/m以下の場合に、その材料は難燃材料であるとされる。表から分かるように、いずれの試料1~3においても、総発熱量が8MJ/mを超えるものはなく、且つ、最大発熱速度が200kW/mを超えるものはない。したがって、本発明に係る積層板は、難燃材料であるといえる。なお、表1に示すように、いずれの試料1~3においても、発熱速度が200kW/mを超える時間はなかった(0秒)。
Figure 0007215679000001
以上のことから、本発明では、特に、加飾層の外周部を覆う耐熱性の材料から成る外周部難燃層を用いることにより、加飾層が、外周部難燃層及び難燃性の透明材料(強化ガラス層)によりその全体が覆われて封入された状態となるため、所定の加熱条件下においても積層板に破損、変形、発火等が生じることはなく、所望の難燃性能を発揮することができる。
100 積層板
1a 強化ガラス層(難燃性の第1の透明材料)
1b 強化ガラス層(難燃性の第2の透明材料)
1c 外周部難燃層(耐熱性の材料)
2a、2b シランカップリング剤層
3a、3b 下地層
4 加飾層
4a 加飾シート(西陣織)
4b 熱硬化性樹脂
5a FRP層(繊維強化プラスチック層)
5b FRP層(繊維強化プラスチック層)

Claims (13)

  1. 装飾が施された加飾シートを含む建材用の積層板の製造方法において、
    前記加飾シートに熱硬化性樹脂を含浸させるステップと、
    難燃性の第1の透明材料の表面上に、熱硬化性樹脂が含浸した前記加飾シートを載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化させて加飾層を成形するステップと、
    前記加飾層の表面上に、熱硬化性樹脂が積層された難燃性の第2の透明材料を載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化させて、前記加飾層が前記第1及び第2の透明材料によって挟持された積層体を形成するステップと、
    前記加飾層の外周部を前記積層体の面内方向に所定の長さだけ除去することにより、前記第1の透明材料と前記第2の透明材料とに挟まれた空間を前記加飾層の外周部に沿って形成するステップと、
    耐熱性の材料を前記空間内に充填するステップと、
    前記耐熱性の材料を硬化させるステップと、
    を具えることを特徴とする積層板の製造方法。
  2. 装飾が施された加飾シートを含む建材用の積層板の製造方法において、
    前記加飾シートに熱硬化性樹脂を含浸させるステップと、
    難燃性の第1の透明材料の表面上に、熱硬化性樹脂が含浸した前記加飾シートを載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化させて加飾層を成形するステップと、
    強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させるステップと、
    前記加飾層の表面上に、熱硬化性樹脂が含浸した前記強化繊維を載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化させて繊維強化プラスチック層を成形するステップと、
    前記繊維強化プラスチック層の表面上に、熱硬化性樹脂が塗布された難燃性の第2の透明材料を載置し、当該熱硬化性樹脂を硬化させて、前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層が前記第1及び第2の透明材料によって挟持された積層体を形成するステップと、
    前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層の外周部を、前記積層体の面内方向に所定の長さだけ除去することにより、前記第1の透明材料と前記第2の透明材料とに挟まれた空間を前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層の外周部に沿って形成するステップと、
    耐熱性の材料を前記空間内に充填するステップと、
    前記耐熱性の材料を硬化させるステップと、
    を具えることを特徴とする積層板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の積層板の製造方法において、
    前記積層板が、さらに、前記加飾層の少なくとも一方の面の側に形成された第2の繊維強化プラスチック層を具えており、
    前記耐熱性の材料が、前記加飾層、前記繊維強化プラスチック層及び前記第2の繊維強化プラスチック層の外周部に沿って形成される前記第1の透明材料と前記第2の透明材料とに挟まれた空間内に充填されることを特徴とする積層板の製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の積層板の製造方法において、
    前記加飾層を成形するステップが、前記加飾シートを載置してから所定の時間内に気泡除去手段を用いて熱硬化性樹脂に発生した気泡を除去するステップを具えることを特徴とする積層板の製造方法。
  5. 請求項4に記載の積層板の製造方法において、前記気泡除去手段が、豚毛ブラシを用いることを特徴とする積層板の製造方法。
  6. 請求項2又は3に記載の積層板の製造方法において、
    前記繊維強化プラスチック層を成形するステップが、前記強化繊維を載置してから所定の時間内に気泡除去手段を用いて熱硬化性樹脂に発生した気泡を除去するステップを具えることを特徴とする積層板の製造方法。
  7. 請求項6に記載の積層板の製造方法において、
    前記気泡除去手段が、豚毛ブラシを用いることを特徴とする積層板の製造方法。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の積層板の製造方法において、
    前記加飾シートが西陣織のシートであることを特徴とする積層板の製造方法。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の積層板の製造方法において、
    前記難燃性の第1の透明材料及び前記難燃性の第2の透明材料が、強化ガラスから成ることを特徴とする積層板の製造方法。
  10. 熱硬化性樹脂に封入された加飾シートを含む加飾層と、
    前記加飾層の外周部を覆う耐熱性の材料から成る外周部難燃層と、
    前記加飾層を間に挟むよう配置された一対の難燃性の透明材料とを具え、
    前記加飾層が、前記外周部難燃層及び前記一対の難燃性の透明材料により全体が覆われて封入された状態となっていることを特徴とする壁面パネル。
  11. 熱硬化性樹脂に封入された加飾シートを含む加飾層と、
    前記加飾層の少なくとも一方の面上に積層された繊維強化プラスチック層と、
    前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層の外周部を覆う耐熱性の材料から成る外周部難燃層と、
    前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層を間に挟むよう配置された一対の難燃性の透明材料とを具え、
    前記加飾層及び前記繊維強化プラスチック層が、前記外周部難燃層及び前記一対の難燃性の透明材料により全体が覆われて封入された状態となっていることを特徴とする壁面パネル。
  12. 請求項10又は11に記載の壁面パネルにおいて、
    前記加飾シートが西陣織のシートであることを特徴とする壁面パネル。
  13. 請求項10~12のいずれか一項に記載の壁面パネルにおいて、
    前記一対の難燃性の透明材料が、強化ガラスから成ることを特徴とする壁面パネル。
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