JP2012173275A - 放射線画像検出装置及び放射線撮影用カセッテ - Google Patents

放射線画像検出装置及び放射線撮影用カセッテ Download PDF

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Abstract

【課題】光検出部の基板を有しない場合の上記課題を解決することにより、耐衝撃性と、支持部材の交換に関するリワーク性とを向上させることができるとともに、更なる高画質化を図ることができる放射線画像検出装置及び放射線撮影用カセッテを提供すること。
【解決手段】X線画像検出装置は、被写体を介して照射されたX線を蛍光に変換するシンチレータ10、及びシンチレータ10のX線入射側に設けられた光検出部50を有するX線画像検出装置本体1と、X線画像検出装置本体1のX線入射側に配置されて被写体を支持する支持部材60Aとを備え、光検出部50は、蛍光を電気信号として検出する薄膜部40と、薄膜部40のシンチレータ10側とは反対側に設けられた補強部材49とを有し、補強部材49と支持部材60Aとが接合され、接合面に沿って密接している。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療用のX線撮影装置などに用いられる放射線画像検出装置及び放射線撮影用カセッテに関する。
近年、X線像などの放射線像をデジタルデータに変換するFPD(Flat Panel Detector)等の放射線画像検出装置を用いたDR(Digital Radiography)が実用化されている。放射線画像検出装置は、輝尽性蛍光体(蓄積性蛍光体)からなるイメージングプレートを用いる従来のCR(Computed Radiography)方式に比べて、即時に画像を確認できるといったメリットがあり、急速に普及が進んでいる。
放射線画像検出装置として種々の方式のものが提案されているが、その一つとしてX線を一旦、CsI:Tl、GOS(GdS:Tb)などのシンチレータで可視光に変換し、当該可視光を半導体層で電荷に変換して蓄積する間接変換方式が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1のX線画像検出装置では、シンチレータに対して光検出部側からX線が照射される。すなわち、シンチレータにおける被写体(患者)側に光検出部が配置されており、被写体を支持する支持部材の裏面に光検出器が対向する。特許文献1にも示されているように、支持部材に、光検出器及びシンチレータで構成されたパネルを直接貼り付けてもよい。但し、支持部材とパネルとの貼り合わせに際しては、支持部材を容易に交換できるように留意する必要がある。
また、X線画像検出装置の本体が筺体に収納されてカセッテとして構成される場合には、筺体天板の裏面に光検出器が対向する。このように配置された光検出器を天板に直接貼り合わせることにより、カセッテの薄型化が図られる。
上記のようなシンチレータのX線入射側(被写体側)に光検出器が配置された構成においては、シンチレータにおけるX線入射側の主発光領域と光検出部との距離が近いことから高精細な検出画像が得られる一方で、シンチレータのX線入射側に配置された光検出部の基板によるX線吸収が不可避なため、基板のX線吸収により、シンチレータへのX線入射量が減少してしまうという欠点がある。
光検出部は、a−Si等でそれぞれ形成されるフォトダイオード(PD)やTFT(Thin Film Transistor)を含んで構成されており、これらPDやTFTを支持する基板には通常、無アルカリガラスが使用される。その理由は、ソーダガラスが使用される場合には、高温下でのa−Si成膜時に、ガラスからのNa汚染によってa−Siが汚染され、素子性能劣化のおそれがあるためである。しかしながら、無アルカリガラスはソーダガラスに比べて高価な上に、ソーダガラスよりもX線吸収が大きい。例えば、Al当量2mmのフィルタを適用して管電圧50kVのX線整形ビームを用いる場合、無アルカリガラス基板によるX線吸収率は16.8%にもなる。すなわち、光検出部に照射されたX線の15%以上が基板の吸収により失われてシンチレータに到達することになる。このように、a−Si膜の性能維持を考えれば基板として無アルカリガラスを使用することは不可欠であり、当該基板のX線吸収によってシンチレータへの入射X線量は大きく減少せざるを得ない。すなわち、光検出部側からシンチレータにX線を照射することで得られる高画質性が減殺されてしまう。
ところで、光検出部の基板を有しない放射線画像検出装置を構成することができれば、基板による放射線吸収を回避できる点で好ましい。特許文献2,3では、基板上にPD、TFTなどの薄膜部を形成した後、基板を剥離し除去している。この場合、シンチレータ及び薄膜部の積層体であるパネルは、シンチレータの自重によって容易に撓む。パネルが撓んでいると支持部材とパネルとの間に隙間ができ、衝撃を受けた際にパネルがガタついてシンチレータが損傷するおそれがある。パネルの撓みを防ぐためには、被写体を支持する支持部材と、薄膜部との略全面を強固に貼り合わせる必要がある。
特開2011−17683号公報 特開2009−133837号公報 特開2008−235649号公報
上述のように、シンチレータの光検出部側から放射線を照射する方式において更なる高画質化を図るためには、光検出部の基板のない放射線画像検出装置が望まれるが、特許文献2,3のように基板を剥離してしまうと、シンチレータ及び薄膜部と、支持部材とを撓み防止のため全面的に強固に貼り合わせることが必要となる。このように全面的に強固に貼り合わせると、支持部材の交換が困難となり、また、支持部材とパネルとを分離させる際に薄膜部を損傷させてしまう。ここで、支持部材には例えば、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)が用いられており、支持部材表面が傷つくと繊維が切れてささくれ状となるため、患者に違和感を与えたり、不衛生な状態となりやすい。支持部材の傷は検出画像の欠陥発生にも繋がり、支持部材に比べてパネルは高価であって支持部材交換の度にパネルを捨てることは不経済であることから、支持部材の交換が不可欠である。すなわち、パネルと支持部材とを容易に分離可能に貼り合わせることが重要である。
本発明の目的は、光検出部の基板を有しない場合の上記課題を解決することにより、耐衝撃性と、支持部材の交換等に関するリワーク性とを向上させることができるとともに、更なる高画質化を図ることができる放射線画像検出装置及び放射線撮影用カセッテを提供することにある。
本発明の放射線画像検出装置は、
被写体を介して照射された放射線を蛍光に変換するシンチレータ、及び前記シンチレータの放射線入射側に設けられた光検出部を有する放射線画像検出装置本体と、
前記放射線画像検出装置本体の放射線入射側に配置されて被写体を支持する支持部材とを備え、
前記光検出部は、前記蛍光を電気信号として検出する薄膜部と、前記薄膜部の前記シンチレータ側とは反対側に設けられた補強部材とを有し、
前記補強部材と前記支持部材とが接合され、接合面に沿って密接している。
本発明の放射線撮影用カセッテは、
上述の放射線画像検出装置を備え、
前記支持部材を含んで構成される筺体内に、前記放射線画像検出装置本体が収納されている。
本発明の放射線撮影装置は、
被写体に放射線を照射する放射線源と、
前記支持部材と、
上述の放射線画像検出装置とを備える。
本発明の放射線画像検出装置は、
被写体を介して照射された放射線を蛍光に変換するシンチレータと、前記シンチレータの放射線入射側に設けられた光検出部とを備え、
前記光検出部は、前記蛍光を電気信号として検出する薄膜部と、前記薄膜部の前記シンチレータ側とは反対側に設けられた補強部材とを有し、
前記補強部材と、被写体を支持する支持部材とが接合され、接合面に沿って密接している。
本発明によれば、光検出部の薄膜部から基板が剥離された場合であっても、薄膜部が補強部材に支持されて補強される。このような補強部材が設けられていることにより、シンチレータ及び薄膜部が不用意に撓まず、これらシンチレータ、薄膜部、及び補強部材の積層体(パネル)と支持部材とが接合面に沿って密接した状態で一体化される。これにより、シンチレータ及び薄膜部と、支持部材との互いの対向面の間に隙間が空くことを回避でき、衝撃を受けた際に支持部材にぶつかってシンチレータ等が損傷することを防止できるので、耐衝撃性を向上させることができる。そして、本発明によれば、支持部材と薄膜部との間に補強部材が介在することで、薄膜部を損傷させることなく、パネルと支持部材とを容易に分離できる。更に、補強部材を含むパネルと支持部材との接合面に沿った密接を実現するに際して、パネルと支持部材とを全面的に強固に貼り合わせることを不要にできることから、パネルと支持部材との分離を一層容易化できる。これにより、リワーク性をも向上させることができる。
以上のように、光検出部の基板を剥離したことによって生じる問題が解決されるので、シンチレータに対して光検出部側からX線が照射される構成による高画質化の効果を十分に享受できる。
X線撮影用カセッテの概略構成を模式的に示す側断面図である。 光検出部の概略構成を模式的に示す側断面図である。 光検出部の構成を模式的に示す平面図である。 シンチレータの結晶構造を模式的に示す側断面図である。 柱状結晶断面を示す電子顕微鏡写真である(SEM画像)。 非柱状結晶断面を示す電子顕微鏡写真である(SEM画像)。 基板及び薄膜部を模式的に示す側断面図である。 図7に示した基板及び薄膜部と、支持体に蒸着したシンチレータとを貼り合わせる工程を示す側断面図である。 薄膜部から基板を剥離して除去する工程を示す側断面図である。 薄膜部に補強部材を設ける工程を示す側断面図である。 カセッテ筐体に組み込まれた状態のX線画像検出装置を模式的に示す側断面図である。 補強部材に係る変形例を示す側断面図である。 天板と補強部材とが略全面的に貼り合わせられた状態を示す側断面図である。 保護膜に係る変形例を示す側断面図である。 図1とは異なるX線撮影用カセッテの概略構成を模式的に示す側断面図である。 凹状に湾曲したX線画像検出パネルを備えるX線撮影装置の概略構成を示す模式図である。 凸状に湾曲した補強部材と、凹状に湾曲したシンチレータパネルとを示す模式図である。 凸状に湾曲した天板と、凹状に湾曲したX線画像検出パネルとを示す模式図である。 光検出部の薄膜部の変形例を示す模式図である。 光検出部の薄膜部の他の変形例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を説明するためのX線画像検出装置(放射線画像検出装置)の一例を図1〜図11を参照して説明する。
なお、既に述べた構成と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
〔1.全体構成〕
図1は、間接変換方式のX線撮影用カセッテ100の概略構成を模式的に示す側断面図である。カセッテ100は、放射線画像検出装置本体としての装置本体1と、装置本体1を収納する筺体60とを備えている。
装置本体1は、X線(図1の白抜き矢印)の照射により蛍光を発する蛍光物質を含有するシンチレータ10と、シンチレータ10のX線入射側に配置され、シンチレータ10から発せられた蛍光を電気信号として検出する光検出部50と、シンチレータ10のX線入射側とは反対側に設けられる制御モジュール19とを備えている。
制御モジュール19は、光検出部50を駆動制御する制御部としてのICや、画像信号を処理するIC等が実装された回路基板、及び電源回路などを有し、シンチレータ10及び光検出部50に組み付けられている。
筐体60は、シンチレータ10、光検出部50、及び制御モジュール19を収容する。 シンチレータ10及び光検出部50のそれぞれの実際の厚みは、模式図である図1とは違って薄いため、筺体60も図1に示したものよりも薄型に形成されている。なお、一体化されたシンチレータ10及び光検出部50は互いに積層されてパネル状に形成されており、以降の説明において、シンチレータ10及び光検出部50を含む積層体のことをX線画像検出パネルP10ということがある。
また、筺体60は、装置本体1のX線入射側に配置される天板60Aを有しており、この天板60Aに、図示しない被写体が載置される。
〔2.光検出部の構成〕
図2は、光検出部50を模式的に示す側断面図である。図3は、素子が二次元配列された光検出部50の構成を模式的に示す平面図である。
光検出部50は、薄膜部40と、薄膜部40のシンチレータ10側とは反対側に設けられた板状の補強部材49とを備えている。これら薄膜部40と補強部材49とは、接着層58を介して接合されている。接着層58は、必ずしも、薄膜部40と補強部材49との接合面の略全体に設けられている必要はないが、接着層58には、シンチレータ10の自重で撓まない程度の接合面積が必要とされる。
ここで、補強部材49と薄膜部40との接合手段は、接着剤を用いた貼り合わせに限らず、圧着、融着などの適宜な手段を含む。以降の説明では、接合手段として、接着層を介した貼り合わせを例に取り、説明する。後述する天板60Aと補強部材49との接合手段に関しても、貼り合わせを例示するが、これに限らず、圧着、融着などの適宜な接合手段を採用しうる。
(薄膜部の構成)
薄膜部40は、a−Si等で形成されたPD(Photodiode)41、及びa−Si等で形成された薄膜スイッチング素子であるTFT42を有する。これらPD41及びTFT42は、図2に示すように光検出部50の厚み方向に重ねられている。
PD41は、シンチレータ10から入射した光(図2の実線矢印)を電荷に変換する光導電層を有する。各PD41は、光検出部50によって検出される画像の画素に対応している。
各PD41には、図3に示すように、TFT42、ゲート線43、及びデータ線44がそれぞれ設けられている。各ゲート線43及び各データ線44は、接続端子45まで延設され、この接続端子45に接続された異方性導電膜等のフレキシブル配線46を介して制御モジュール19の回路基板に接続されている。その回路基板に実装された制御部からゲート線43を通じて送られる制御信号により、各TFT42のオンオフが行単位で切り替えられ、TFT42がオン状態にあるPD41の電荷が、データ線44を介して回路基板の信号処理部に画像信号として読み出される。PD41の電荷が行単位で順に読み出されることにより、二次元画像が検出される。
図2では、光検出部50の厚み方向両側の面は、平坦化層(樹脂製の膜)47によって平坦化されている。この平坦化層47は、設けられるのが好ましいが、設けられなくてもよい。
光検出部50は、シンチレータ10に接着層48を介して貼り合わせられている。
なお、シンチレータ10と光検出部50との間には、接着層48や平坦化層47がなくてもよく、光検出部50の表面にシンチレータ10を押し当てて直接密着させてもよい。
光検出部50とシンチレータ10との間に設けられる平坦化層、接着層、透明な液体又はゲルであるマッチングオイル層などの樹脂層を構成する樹脂は、シンチレータ10から発せられるシンチレーション光を実質的に減衰させることなく光検出部50に到達させうるものであれば特に制限はない。
平坦化層を形成する樹脂としては、ポリイミドやパリレン等を使用することができ、製膜性が良好なポリイミドが好ましい。
接着層を形成する接着剤としてはシンチレータ10から発せられるシンチレーション光に対して光学的に透明なものが好ましく、例えば、熱可塑性樹脂、UV硬化接着剤、加熱硬化型接着剤、室温硬化型接着剤、両面接着基板、などが挙げられるが、画像の鮮鋭度を低下させないという観点からは、光検出部50の画素サイズに対して十分に薄い接着層を形成しうるという点で、低粘度エポキシ樹脂製の接着剤を用いることが好ましい。
また、平坦化層、接着層等の樹脂層の厚みは、感度、画質の観点からは50μm以下であることが好ましく、5μm〜30μmの範囲であることがより好ましい。
(補強部材の構成)
補強部材49は、薄膜部40におけるX線入射側に設けられている。この補強部材49は、ガラス材料よりもX線吸収率が低くかつ、後述する基板51よりもX線吸収率が低い低X線吸収性材料により形成されており、管電圧60kVのX線に対する補強部材49のAl当量は、1.8mm未満である。
Al当量とは、X線の吸収性をアルミニウムの透過性と比較し、何mmのアルミニウム板(純度99%以上)の板厚に相当するかで示す指標である。Al当量を測定する際には、X線源から典型的には1〜2m離れた位置に試験対象の部材を置き、当該部材を通過したX線量を測定する。X線源と部材との間には障害物を置かず、障害物によるX線吸収が生じない状態にして測定する。ここで、X線画像検出装置の使用状態によっては、補強部材49のX線入射側にX線吸収を生じさせる他の部材が配置されることが想定されるので、その部材と補強部材49との総X線吸収量を考慮すると、補強部材49のAl当量(管電圧60kV)は、1.0mm以下であることが好ましい。
一方、補強部材49は薄膜部40を支持するものであるため一定の強度は必要であり、この点と、被写体の被曝量低減とを考慮すると、補強部材49の管電圧60kVのX線に対するAl当量が0.1mm以上、1.0mm以下であるのが好ましい。
ここでは、補強部材のX線吸収能を上記のように管電圧60kVのX線に対するAl当量として規定したが、このときのAl当量に基づいて、60kV以外の管電圧(例えば、80kV)のX線に対するAl当量を算出できることは言うまでもない。なお、X線の吸収性に関しては、JESRA(Japan Engineering Standards of Radiation Apparatus)の規格に基づいて試験することができる。例えば、JESRAの類似条件である80kV、2mA、40secでAl当量の測定を実施しても良い。
また、図1に示すように装置本体1が筺体60に収納されてX線撮影用カセッテが構成される場合、筺体60の天板60A及び補強部材49の両方を用いた際のAl当量(管電圧60kV)は、1.8mm未満であることが好ましい。より好ましくは、当該Al当量が0.1mm以上、1.0mm以下である。ここで、筺体60の天板60A及び補強部材49の両方を用いた際のAl当量(管電圧60kV)は、天板60A及び補強部材49が重ねられた状態において、X線源から射出されたX線が天板60A、補強部材49の順に通過した後のX線量に基づいて測定されたものであってもよいし、天板60A、補強部材49のそれぞれのAl当量を別々に測定し、これらの測定値を合計したものであってもよい。
なお、補強部材49、天板60A等のAl当量は、照射されるX線のエネルギーを考慮して決められる。例えば、マンモグラフィー用途では一般に、照射されるX線エネルギーが28keV程度と低エネルギーであるため、それよりも高エネルギーである場合と比較して、補強部材49及び天板60AのAl当量を相対的に低くすることが好ましい。
補強部材49の管電圧60kVのX線に対するAl当量が1.8mm未満である限りにおいて、補強部材49を形成する低X線吸収性材料に特に制限はないが、金属(金属化合物及び合金を含む)及び/又は樹脂を用いるのが好ましい。前記金属としては、Al、Mg、Cr、Zr、Ti、並びにMnの各単体金属、当該各単体金属の酸化物、及び当該各単体金属を含む合金のうちの少なくとも一種であることが好ましい。ここで、Mg、Cr、Zr、Ti、及びMnの少なくともいずれかを補強部材49の金属材料として用いることにより、薄膜部40等の耐腐食性を改善できる。例えば、Mg、Cr、Zr、Ti、及びMnの少なくともいずれかを含むAl合金を補強部材49に用いることにより、耐腐食性を改善できる。また、このようなAl合金の表面処理によってAl合金表面にアルミ酸化物層(Al)等を形成することにより、耐腐食性を更に改善できる。
また、前記樹脂としては、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、及びアラミド(全芳香族ポリアミド)のうちの少なくとも一種であることが好ましい。また、補強部材49に用いることができる単体の樹脂フィルムとしては、例えば、透明ポリイミドフィルム、ポリアリレート(PAR)フィルム、OPS(登録商標)フィルム(ポリスチレンフィルム)、アラミドフィルム等が挙げられる。これらのフィルムはいずれもX線吸収率が低く、耐熱性が高いという利点を有する。OPSフィルムとしては、東ソー株式会社製や、旭化成ケミカルズ株式会社製のもの等があり、これらは機械的強度に優れ(コシがある)、吸水率が十分に低いという利点を有する。機械的強度に優れる点は、基板51剥離後の薄膜部40を支持する上で有利であり、また、吸水率が低い点は、薄膜部40やシンチレータ10の腐食や劣化を防止する上で有利である。
補強部材49の耐熱温度に関しては、透明ポリイミドフィルムが約300℃、ポリアリレートフィルムが約175℃、OPSフィルムが約250℃、アラミドフィルム200℃以上であり、このような耐熱性の高さは、シンチレータが補強部材49上に蒸着される場合(図15参照)に特に有効である。
補強部材49は、金属のみ、あるいは樹脂のみで形成されていてもよく、あるいは金属粒子が分散された樹脂等、金属と樹脂とが併用されて形成されていてもよい。また、補強部材49は単一の層で形成されていてもよく、あるいは図12に例示するように、2つ以上の層で形成されていてもよい。更に、補強部材49はシンチレータ10からの蛍光を反射する光反射部材であることが好ましい。
補強部材49の厚みは、補強部材49を構成する低X線吸収性材料にもよるが、一般に0.01mm以上、1mm以下であることが好ましい。後述する基板51の厚みよりも、補強部材49の厚みを薄くすることによって、天板60Aに載置される被写体と薄膜部40との距離を短くできるので、高画質化を促進できる。
ところで、補強部材49は、後述するX線撮影用カセッテ100の製造過程において、基板51(図7)上に薄膜部40が形成された後、基板51から薄膜部40が剥離された際の薄膜部40の剥離面に設けられたものである。基板51の剥離により、シンチレータ10に入射するX線量が増加する。基板51が剥離された状態において、薄膜部40は補強部材49によって支持される。
基板51は、補強部材49形成のための補助部材であり、いずれ剥離除去されることから、基板51の材料については勿論、X線吸収を考慮することなく適宜決めることができる。基板51が剥離されることにより、剥離した基板51を再利用することが可能となるので、コストダウンとなる。
基板を剥離することでX線吸収低減の効果を得つつ、上記の補強部材49を設けることによって薄膜部40を補強することが可能となる。この補強部材49が天板60Aの裏面に貼り付けられることにより、光検出部50が天板60Aに一体化されている。このとき、補強部材49によって薄膜部40が補強されることで、シンチレータ10の自重などによるX線画像検出パネルP10の撓みを低減できるので、X線画像検出パネルP10と支持部材60Aとが貼り合わせ面に沿ってほぼ隙間がない状態で密接する。このため、衝撃を受けた際にX線画像検出パネルP10が支持部材60Aにぶつかってシンチレータ10等が損傷することを防止でき、耐衝撃性を向上させることができる。
ここで、補強部材49が設けられていることから、撓み防止のため補強部材49の略全面が天板60Aに強固に貼り合わせられている必要はない。このため、補強部材49における天板60Aへの対向面の一部(図1では補強部材49の外周部)のみが接着層18を介して天板60Aに貼り合わせられている。すなわち、補強部材49と天板60Aとの略全面が貼り合わせられる構成と比較して、接合面積の相違により、接合強度(貼り合わせ強度)が低められている。その結果、補強部材49と天板60Aとの接合強度よりも、補強部材49と薄膜部40との接合強度が大きい。補強部材49と天板60Aとの間の接着層18と、補強部材49と薄膜部40との間の接着層58とのそれぞれには、同等の接着力を有する接着剤を使用することができる。
なお、模式図である図1では、接着層18の厚みの分、天板60Aと補強部材49との間に隙間が生じているように図示されているが、接着層18の厚みは多くても100μm(典型的には数十μm)であり、補強部材49と天板60Aとの間に、衝撃時に天板60Aと補強部材49とのガタツキ(相対移動)を許容する隙間は形成されていない。すなわち、天板60Aと補強部材49とは、貼り合わせ面に沿って実質的に隙間がない状態で密接している。
ところで、天板60Aの交換時など天板60Aと光検出部50とを分離する際には、補強部材49と天板60Aとが引き剥がされる。このとき、補強部材49が薄膜部40と天板60Aとの間に介装されているため、薄膜部40と天板60Aとが貼り合わせられた場合に比べ、薄膜部40を損傷させることなく天板60Aと光検出部50とを容易に分離できる。その上、補強部材49と薄膜部40との接合強度が補強部材49と天板60Aとの接合強度よりも大きいことから、天板60Aと光検出部50とを分離する際に薄膜部40と補強部材49とが分離してしまって薄膜部40が損傷することなく、より一層容易に天板60Aと光検出部50とを分離できる。
なお、補強部材49は、いくつかの画素毎に設けられていてもよいが、補強の観点からは、薄膜部40の全面に一体に設けられることが好ましい。
上述の通り、補強部材49の材料としてAl等の軽金属や、樹脂などを用いることができる。補強部材49がAlなどであって、光の反射部材として機能する場合には、PD41を通過して補強部材49に入射した光をPD41に向けて反射させることができるので、PD41への入射光量が増え、検出感度を向上させることができる。
ここで、基板51が薄膜部40から剥離除去されない場合に、薄膜部40を通過して基板51側に抜けた光を薄膜部40に向けて反射させるためには、基板51の薄膜部40側とは反対側に反射膜等を設けることが考えられるが、基板51を介して光を反射させることは散乱が大きく画像ボケが生じかねないためあまり好ましくない。これに対して、基板51が剥離除去され、薄膜部40に反射部材としての補強部材49が設けられる構成では、薄膜部40と補強部材49との接合に用いられる接着層18の厚みが100μm以下(典型的には数十μm)であって、一般に厚み0.7mm程度の基板51が存在する場合と比べ大幅にX線吸収を低減できることから、基板51が剥離されて代わりに補強部材49が設けられる構成では、補強部材49を反射部材として構成することが好ましい。
更に、反射部材とする目的などでAl等の金属を補強部材49に用いる場合には、ガラス基板に比較して金属部材の熱伝導率が高いため、被写体から光検出部50への熱の伝搬による画像ムラを抑制することができる。すなわち、光検出部を支持するガラス部材における熱ムラ(温度不均一)により、画像形成領域におけるPD41の温度不均一、ひいては性能不均一が生じうるため、熱伝導率の良い金属部材を補強部材とすることにより、画質を向上させることができる。
また、補強部材49がAl等の単体金属あるいは合金である場合には、補強部材49による薄膜部40の封止効果が高い。すなわち、そのような補強部材49を用いることで、薄膜部40の気密水密性を確保しやすいので、シンチレータ10の吸湿による性能劣化をより十分に防止することができる。
〔3.シンチレータの構成〕
シンチレータ10は、光を反射するAl等の材料からなる支持体11上に蒸着されている。支持体11としては、Al製の板に限らず、カーボン板、CFRP(carbon fiber reinforced plastic)、ガラス板、石英基板、サファイア基板などから適宜選ぶことができ、支持体表面にシンチレータを形成させうる限りにおいて特にこれらに限定されない。ただし、支持体11が光の反射部材を兼ねる場合には、Alなどの軽金属を支持体の材料として用いるとよい。支持体11は、装置本体1においてX線入射側とは反対側に配置されるため、X線透過率が低い材料で形成されていてもよい。
なお、装置本体1において、支持体11は必須ではない。つまり、支持体11上にシンチレータを蒸着形成した後、支持体11からシンチレータを剥離して用いることも可能である。シンチレータ10の光検出部50側とは反対側に、光の反射部材が設けられてもよい。
シンチレータ10は、パリレン等で形成された保護膜30によって被覆されている。保護膜30は、気相堆積法によって形成され、シンチレータ10を支持体11上に封止している。気相堆積法によって形成されたパリレンの保護膜は、シンチレータ10との密着性が良く、その上柔軟性を有するので、支持体11及び補強部材49のソリ等への追従性が良い。
なお、保護膜30は、防湿フィルムでシンチレータ10を気密水密に包むなどの他の手段によってシンチレータの防湿が図られる場合には、形成されなくてもよい。
シンチレータ10は、蛍光物質を柱状に成長させた柱状結晶の群で形成されており、蛍光物質としてCsI:Tl(タリウム付活ヨウ化セシウム)が用いられている。その他、シンチレータ10の蛍光物質として、NaI:Tl(タリウム付活ヨウ化ナトリウム)、CsI:Na(ナトリウム付活ヨウ化セシウム)等を用いることも可能である。発光スペクトルがa−Siフォトダイオードの分光感度の極大値(550nm付近)と適合する点で、CsI:Tlを材料に用いることが好ましい。
また、シンチレータ10が柱状結晶を含んでいなくてもよく、例えばGOS(GdS:Tb(テルビウム付活酸硫化ガドリニウム))を支持体に塗布することなどによってシンチレータが形成されていてもよい。
ここで、シンチレータ10は、気相堆積法により形成されることが好ましい。気相堆積法の概要としては、真空度0.01〜10Paの環境下、母体であるCsIと付活剤であるTlとのそれぞれを抵抗加熱式のるつぼ中で通電などの手段により加熱して気化させ、支持体11の温度を室温(20℃)〜300℃としてCsI:Tlを支持体11上に堆積させる。真空度や支持体温度、蒸着レート等を変更することによって、シンチレータ10の結晶の形状や結晶径、空隙率などを制御することができる。
図4は、シンチレータ10の結晶構造を模式的に示す側断面図である。シンチレータ10は、柱状結晶12Aの群で形成された柱状部12と、柱状結晶12Aの基端に形成された非柱状結晶13Aを含む非柱状部13とを有する。
X線の照射によってシンチレータ10から発せられた蛍光は、柱状結晶12Aによって柱の高さ方向(結晶成長方向)にガイドされ、光検出部50に入射する。このとき、支持体11側に向かって進行した光は、非柱状部13及び支持体11によって反射されて光検出部50に入射する。
〔柱状部の構成〕
柱状部12は、多数の柱状結晶12Aの集合体であり、図4に示した例では、各柱状結晶12Aは支持体11上にほぼ垂直に起立する。柱状結晶12Aは、先端側がすぼまった形状とされている。柱状結晶12Aの先端部は研磨されていてもよい。光検出部50の1つの画素(PD41)に対して、複数の柱状結晶12Aが対向する。
柱状結晶12Aは非柱状結晶に比べ結晶性が良く、蛍光の発光量が多い。また、空隙を介して隣り合う柱状結晶12Aがシンチレータの厚み方向に立設されているので、柱状結晶12Aは、光のガイドとなって柱の高さ方向に光を導光する。この柱状結晶12Aによる光ガイド効果によって画素間の光拡散が抑制されることから、検出画像を鮮鋭化できる。
図5は、図4のA−A断面(柱状部12の高さ方向略中央の断面)における柱状部12の電子顕微鏡写真である。隣り合う柱状結晶12Aの間には、空隙がある(図5で濃く見える部分)。柱状結晶12Aは、結晶の成長方向に対しほぼ均一な断面径を有する。柱状部12の領域の一部では、隣り合う柱状結晶12Aが互いに結合して一体の柱状体を構成している(例えば、図5のP)。
柱状部12の厚みは、必要な感度に対応するX線吸収能を考慮して、マンモグラフィー用途では200μm前後、一般撮影用では500μm以上に決められる。ただし、柱状部12の厚みが厚すぎる場合には、光の吸収及び散乱等のため発光の利用効率が低下しがちである。このため、柱状部12の厚みは、感度及び発光の利用効率のそれぞれを考慮した適切な値に決められる。
〔非柱状部の構成〕
非柱状部13は、略球形あるいは不定形の非柱状結晶13Aを含んで構成されている。なお、非柱状部13は、アモルファス(非晶質)の部分を含むことがある。
非柱状結晶13Aの形状は、結晶間に空隙が維持され易く、反射効率を高くできる観点から、略球状であることが好ましい。すなわち、非柱状部13は、球状に近い結晶(略球状結晶である非柱状結晶13A)の集合体で構成されることが好ましい。
図6は、図4のB−B断面(非柱状部13の厚み方向基端側の断面)における非柱状部13の電子顕微鏡写真である。非柱状部13では、図5の柱状結晶12Aに比較して径の小さい非柱状結晶13Aが互いに不規則に結合したり重なり合ったりしており、結晶間の明確な空隙は殆ど認められず、図6における空隙は、図5における空隙よりも少ない。図5及び図6の観察結果から明らかなように、非柱状部13の空隙率は柱状部12の空隙率よりも低い。
非柱状部13の空隙率は、非柱状部13の支持体11への蒸着面積、非柱状部13の厚み、CsI密度、及び実際に測定したシンチレータパネルの重量などに基づいて算出される。そのようにして算出された非柱状部13の厚み方向全体の空隙率は、10%以下である。
非柱状部13は、蒸着初期に支持体11上に形成された領域である。非柱状部13において支持体11表面に接する部分の空隙率は0あるいは略0であり、非柱状部13の基端部は支持体11との接触面全体において支持体11に密着する。
非柱状部13の厚みは、柱状部12の厚みよりも薄く、5μm以上、125μm以下であることが好ましい。すなわち、支持体11との密着性を確保するためには、非柱状部13の厚みは5μm以上あることが好ましい。また、光ガイド効果を有しない非柱状部13の厚みが厚すぎると、非柱状部13において光が画素間で交錯して画像ボケが生じ易くなるので、非柱状部13の厚みは125μm以下であることが好ましい。
また、非柱状部13の厚みは、支持体11との密着性と光の反射機能とが得られる最小の厚みで足りる。
なお、非柱状部13は、製造時の条件等によっては単一の層でなく複数の層が積層された構造とされる場合もある。このような場合、非柱状部13の厚みは、支持体11表面から非柱状部13の最表層の表面までの厚みをいう。
非柱状部13の如く、結晶間が癒着している場合の結晶径の測定は、隣接する非柱状結晶13A間に生じる窪み(凹)同士を結んだ線を結晶間の粒界とみなし、癒着した結晶同士を最小多角形となるように分離して結晶径を測定し、柱状部12における柱状結晶12Aの径と同様にして平均値をとり、その値を採用した。
非柱状部13の非柱状結晶13Aの径は、0.5μm以上7.0μm以下であることが、効率的な反射特性、及び支持体11との密着性を与える観点から好ましい。非柱状結晶13Aの径は、柱状結晶12Aの径よりも小さい。
ここで、非柱状結晶13Aの径は小さい方が略球形の結晶形状が維持され易いので好ましいが、非柱状結晶13Aの径が小さすぎると空隙率が0に近づき、非柱状部13が光の反射層としての役目を有しなくなるので、非柱状結晶13Aの径は0.5μm以上であることが好ましい。また、径が大きすぎると、非柱状部13の平坦性及び表面積が低下し、支持体11との密着性が低下するとともに、結晶同士が結合して空隙率が低下し反射効果が減少するので、非柱状部13の結晶径は7.0μm以下であることが好ましい。
このような非柱状部13が形成されていることにより、非柱状部13をベースに柱状結晶12Aを結晶性が良い状態で成長させることができる。非柱状結晶13Aの径、厚み、空隙率などは、光の反射特性、支持体11との密着性などを考慮して決められる。
非柱状部13を設けることにより、支持体11とシンチレータ10との密着性が向上するので、制御モジュール19からの熱の伝搬があるような場合でも、シンチレータ10が支持体11から剥離しにくくなる。
上述の光検出部50(補強部材49を含む)、及び支持体11等には、例えば有機光電変換材料(OPC)、有機TFT、非晶質酸化物(例えば、a−IGZO)を用いたTFT、フレキシブル材料(アラミド、バイオナノファイバー)などを使用することができる。これらのデバイス関連材料については後述する。
〔4.X線撮影用カセッテの製造方法〕
上述した各構成を備えるカセッテ100の製造方法の一例について、図7〜図11を参照して説明する。
図7に示すように、薄膜部40は、無アルカリガラス等の基板51上に形成される。薄膜部40を形成する際には、基板51上に、フォトリソグラフィー及びエッチング等のプロセスを用いて、薄膜部40を構成するPD41及びTFT42(図2)を形成する。
ここで、基板51は後の工程で剥離・除去され、最終的に光検出部50を構成するものではないため、そのX線吸収特性を考慮する必要はなく、後の工程でのハンドリング性、剥離容易性などを確保するのに足りる十分な厚みの基板51を使用することが好ましい。
基板51を剥離する前に、図8に示すように、基板51及び薄膜部40と、別途作製したシンチレータ10とを貼り合わせ、薄膜部40とシンチレータ10とを均一に密着させて一体化させる。シンチレータ10を作製する際には、シンチレータ10を支持体11に蒸着した後、保護膜30の形成によって支持体11上に封止する。こうして作製されたシンチレータ10と薄膜部40とが、接着層48を介して貼り合わせられる。
なお、シンチレータ10と薄膜部40とを密着させる方法に特に制限はなく、両者が光学的に結合されればよい。両者を密着させる方法としては、両者を直接対向させて密着させる方法と、樹脂層を介して密着させる方法とのいずれをとってもよい。
次に、図9に示すように、薄膜部40から基板51を剥離して除去する。この際、シンチレータ10及び支持体11によって薄膜部40が支持されるので、基板51を剥離する際の薄膜部40のハンドリング性が良い。但し、適当なハンドリング手段によって薄膜部40の保持が可能である場合には、基板51を剥離した後に、シンチレータ10と薄膜部40とを一体化してもよい。
次に、薄膜部40の基板51からの剥離面に、図10に示すように、補強部材49を接着層58を介して貼り合わせる。これにより、シンチレータ10、薄膜部40、及び補強部材49が一体化されたX線画像検出パネルP10が作製される。X線画像検出パネルP10は、制御モジュール19と組み付けられる。これにより、装置本体1が製造される。
次に、図11に示すように、装置本体1をカセッテ筺体60に収納し、天板60Aの裏面に接着層18を介して補強部材49を貼り合わせる。天板60Aが支持する被写体の荷重は、天板60A及び装置本体1で受ける。このように天板60Aと装置本体1とを積層して一体化することで、X線撮影用カセッテ100の耐荷重を大きくすることができる。
以上により、X線撮影用カセッテ100が製造される。
〔5.光検出器の補強部材に係る作用効果〕
以上説明したX線撮影用カセッテ100によれば、次のような作用及び効果が得られる。
上述のように、補強部材49によって薄膜部40が補強されているため、X線画像検出パネルP10が撓んで当該パネルP10と天板60Aとの間に隙間が空くことなく、パネルP10と天板60Aとが密接するので、耐衝撃性を向上させることができる。耐衝撃性の向上は、可搬なカセッテ100において特に重要である。
また、薄膜部40と天板60Aとの間に補強部材49が設けられることによって、天板60Aの交換時に、薄膜部40を損傷させせることなく、天板60Aから光検出部50を分離し易くなる。その上、天板60AとパネルP10との接着力を強固にしなくても、補強部材49が設けられることで天板60AとパネルP10とが隙間がほぼない状態で密接するので、天板60Aと光検出部50とを貼り合わせ面に沿って強固に接着する意味で全面的に貼り合わせることを不要にできる。これにより、薄膜部40と補強部材49との接着力よりも、天板60Aと補強部材49との接着力を低めることが可能となるので、天板60Aの交換時に、薄膜部40を損傷させることなく、天板60Aから光検出部50を容易に剥がして分離することができる。すなわち、天板60Aを交換する際などにおけるリワーク性を向上させることができる。
更に、補強部材49が薄膜部40に設けられていることにより、外気中の水分等に対する薄膜部40及びシンチレータ10の防湿が図られるので、薄膜部40の腐食やシンチレータ10の性能劣化を防止することができる。
以上のように、薄膜部40を補強及び保護する補強部材49が設けられていることにより、光検出部50の基板51を剥離したことによって生じる問題が解決されるので、シンチレータに対して光検出部側からX線が照射される構成による高画質化の効果を十分に享受できる。また、補強部材49のAl当量は1.8mm未満であって、このようにX線吸収率の低い補強部材49を用いることによってシンチレータ10のX線入射側におけるX線吸収を極力低減させることができるので、シンチレータ10への入射X線量増大により、検出画像の高画質化を達成することができる。補強部材49の厚みを適宜決めることによって、光検出部におけるX線吸収の低減と、光検出部に必要とされる強度の維持とを両立させることができる。
以上から、X線が光検出部50を介してシンチレータ10に入射する構成において、より一層の高画質化を促進できる。
また、X線撮影用カセッテ100においては、装置本体1の光検出部50がカセッテの天板60Aの裏面に貼り付けられるので、天板60A上に載置される被写体と光検出部50との距離が短くなり、感度向上及びMTF良化に繋がるところ、基板51が剥離され光検出部50が薄型化されることによってより一層、高画質化を図ることができる。すなわち、補強部材49を備えて基板51が剥離されることによる効果は、シンチレータ10に対して光検出部50側からX線が照射され、かつ天板60Aに光検出部50が貼り付けられる構成においてより一層際立つ。
なお、上記説明では、装置本体1がカセッテ筺体60に収納された態様を示したが、装置本体1が筺体60に収納されていることは必須ではなく、装置本体1と、被写体を支持する支持部材とを具備する構成によって、X線撮影用カセッテ100と同様の作用効果が得られる。
〔6.変形例〕
光検出部が備える補強部材の構成は、上述に限らず、例えば、図12のように、樹脂製の基体(樹脂層)49Aと、この基体49AのX線入射側に積層されたAl製等の光反射膜(光反射層)49Bとを有するものであってもよい。
また、上記においては、リワーク性を考慮して補強部材49と天板60Aとの接合面積を小さくすることにより、補強部材49と天板60Aとの接合強度を低めていたが、これに限らず、補強部材49と天板60Aとの接着に用いる接着剤として、補強部材49と薄膜部40との接着に用いる接着剤の接着力よりも接着力が小さい接着剤を用いることによっても、補強部材49と天板60Aとの接合強度を、補強部材49と薄膜部40との接合強度よりも小さくすることができる。この場合には、図13に示すように、補強部材49と天板60Aとが、補強部材49と薄膜部40との接着に用いられた第1接着剤よりも接着力の小さい第2接着剤が用いられた接着層18´を介して略全面に亘って接着されていてもよい。
また、図14は、X線画像検出装置の変形例を示す。この変形例においては、基板51の剥離及び除去の工程後、支持体11、シンチレータ10、及び光検出部50の全体を被覆する保護膜35が形成されている。シンチレータ10に保護膜30を設けることに加えてこの保護膜35を設けることにより、シンチレータ10及び薄膜部40が確実に封止されるので、シンチレータ10及び薄膜部40の性能劣化を十分に抑制することができる。なお、保護膜35は、図14のように全体を被覆するものでなくてもよく、薄膜部40及び補強部材49のそれぞれの側面及び補強部材49の基板51からの剥離面を被覆するように設けられていてもよい。
図15は、X線撮影用カセッテ200を示す。X線撮影用カセッテ200は、X線画像検出装置本体2と、筺体60とを備えている。図1のX線画像検出装置本体1では、シンチレータ10と光検出部50とが接着層48を介して貼り合わせられていたが、図15のX線画像検出装置本体2では、シンチレータ15が光検出部50上に蒸着されている。この点を除いて、X線画像検出装置本体2はX線画像検出装置本体1と同様に構成されている。
X線撮影用カセッテ200を製造する際には、図7に示したように基板51上に薄膜部40を形成し、その後、薄膜部40上にシンチレータ15を直接蒸着し、シンチレータ15を保護膜30で封止する。薄膜部40上にシンチレータ15を蒸着することにより、シンチレータ15と光検出部50とが一体化される。次に、基板51を剥離するに際して、支持部材21をシンチレータ15の薄膜部40側とは反対側に設けてシンチレータ15を支持させた後、薄膜部40から基板51を剥離して除去する。支持部材21は、Al等の光反射部材であることが好ましい。
以上により、基板51を有しないX線画像検出パネルP20が製造される。このように、基板51を剥離する前に、シンチレータ15を蒸着し、更に支持部材21を設けることにより、薄膜部40のハンドリング性を向上できるとともに、基板剥離時に柱状結晶12A同士が接触して損傷することなどを防止できる。以上のように作製されたX線画像検出パネルP20を、上述したX線画像検出パネルP10と同様に筺体60内に組み込むことにより、X線撮影用カセッテ200が製造される。
上述のX線画像検出装置本体1,2のシンチレータ10, 15については、上述したような非柱状結晶13Aを含む非柱状部13が形成されていなくてもよい。但し、非柱状部を形成することにより、次のような効果が得られる。非柱状部は、シンチレータの結晶成長方向の任意の位置に形成することができる。
シンチレータの結晶成長方向における基端部又は先端部に非柱状部が形成される場合には、シンチレータ形成後に当該シンチレータと一体化される支持体や光検出部、あるいは、シンチレータが蒸着される支持体や薄膜部との密着性を確保することができる。密着性の確保により、支持体や光検出部からのシンチレータの剥離を防止でき、シンチレータの吸湿による性能劣化を防止できる。また、柱状結晶の先端側に非柱状部が形成される場合には、非柱状部によってシンチレータ表面が平坦化されるので、シンチレータと光検出部とを均一に密着させることができる。これにより、検出画像の画質を向上させることができる。シンチレータの基端部(蒸着初期の部分)に非柱状部が形成される場合には、非柱状部をベースに柱状結晶を結晶性良く成長させることができる。
また、柱状部に非柱状部を設けることによって、シンチレータの強度を向上させることができる。これにより、耐衝撃性を向上させることができるほか、シンチレータと支持体あるいは光検出部が貼り合わせられる際の負荷に対する強度を確保することができるので、シンチレータと光検出部等とを強く押し当てて均一に密着させることができる。更に、シンチレータの強度向上により、シンチレータを含んで構成されたパネルを装置筐体の天板に貼り合わせて構成されたカセッテの耐荷重を大きくすることができる。この際、光検出部から基板が剥離されていることで、天板と各光検出部とがより一層近接するため、感度及び画質向上の効果をより大きなものとできる。なお、柱状部先端部への非柱状部の形成によって保護膜材料が柱状結晶間に流入することを防止できるため、MTF悪化を抑制する効果も得られる。
図16〜図18は、上記とは異なるX線撮影用カセッテ310を備えたX線撮影装置300の概略構成を模式的に示す。X線撮影装置300は、放射線源としてのX線源301と、X線源301から図示しないコリメータ等を介して射出されたX線が照射されるX線撮影用カセッテ310とを備えている。カセッテ310は、天板70Aを含んで構成された筺体70と、筺体70内に収納される放射線画像検出装置本体としての装置本体3とを備えている。なお、図16〜図18に示された各部材の湾曲形状は、その湾曲の度合が大きく誇張して示されている。
装置本体3は、図16において簡略に示されているが、シンチレータ、薄膜部、及び補強部材が一体化されたX線画像検出パネルP30を有している。X線画像検出パネルP30は、図16のように筺体70内に組み込まれた状態において、制御モジュール19側に向かって凸状に湾曲している。これを言い換えると、X線画像検出パネルP30は,X線入射側から制御モジュール19側に向かって凹状に窪むように湾曲している。これ以降の説明では、部材の湾曲の向きに関し、X線入射側に向かって突出する向きに湾曲する場合を凸状に湾曲すると言い、これとは逆に、X線入射側とは反対側に向かって突出する向きに湾曲する場合を凹状に湾曲すると言う。すなわち、X線画像検出パネルP30は、凹状に湾曲している。
図17は、X線画像検出パネルP30の分解模式図である。X線画像検出パネルP30は、X線入射側に向かって凸状に湾曲した補強部材79と、凹状に湾曲したシンチレータパネル80とを有する。シンチレータパネル80は、図9のように基板51が剥離された薄膜部40とシンチレータ10とを一体化した後、凹状に湾曲させたものである。光検出部50から基板51が剥離されているため、薄膜部40及びシンチレータ10の積層体をこのように湾曲させることは容易である。このように凹状とされたシンチレータパネル80と、凸状の補強部材79とが、図示しない接着層を介して貼り合わせられる。このとき、シンチレータパネル80と補強部材79とが貼り合わせ面に沿って押し当てられ、均一に密着した状態に一体化される。これにより、X線画像検出パネルP30が形成される。
ここで、湾曲した補強部材79をシンチレータパネル80に押し当てた際の反発力が補強部材79とシンチレータパネル80との積層体の強度増大に寄与する。これにより、補強部材79及びシンチレータパネル80の材質、厚み等の寸法以上の強度が得られる。補強部材79が凸状に湾曲していることに加え、シンチレータパネル80が凹状に湾曲しており、このように湾曲方向が異なる部材同士を貼り合わせた際の互いの反発力が奏功することにより、貼り合わせられた積層体の強度をより一層向上させることができる。
このように強度を増大させることができるため、補強部材79の厚みを薄くしても、シンチレータ10の自重などによるシンチレータパネル80の撓みを防止できる。すなわち、補強部材79を凸状に湾曲させることにより、シンチレータ10のX線入射側でのX線吸収をより一層低減することができるので、画質向上を図ることができる。また、補強部材49の厚みが薄いため被写体と薄膜部40との距離を短くでき、これによって検出感度向上及びMTFの良化を図ることができる。
ここで、凸状の補強部材79と凹状のシンチレータパネル80とが貼り合わせられて形成されるX線画像検出パネルP30の形状は、略平坦とされていてもよいし、図18のように湾曲していてもよい。また、図17に示した薄膜部40は、凹状に湾曲しているが、薄膜部40は略平坦な形状であってもよい。補強部材79の凸形状によって、X線画像検出パネルP30の湾曲形状(撓みの度合)を制御することができる。
図18は、凹状に湾曲したX線画像検出パネルP30と、X線入射側に向かって凸状に湾曲した天板70Aとの模式図である。これら天板70AとX線画像検出パネルP30とを押し当てることにより、天板70A及びX線画像検出パネルP30のそれぞれの反発力が強度増大に寄与するので、補強部材79の厚みを薄くすることができるとともに、天板70AとX線画像検出パネルP30との耐荷重を大きくすることができる。薄い補強部材79によっても薄膜部40は十分に補強される。天板70Aと補強部材79との接着については、リワーク性を考慮して必要最小限の接着力を確保しうるように接着面積や接着剤の接着力が決められる。
なお、X線画像検出パネルP30は、平坦な形状とされていてもよいが、強度向上のためには凹状に形成されて凸状の天板70Aと貼り合わせられることが好ましい。
凸状の天板70Aと凹状のX線画像検出パネルP30とが貼り合わせられた積層体の形状は、略平坦とされていてもよいし、図16のように湾曲していてもよい。図16のように凹状に湾曲している場合には、X線源301からコリメータ(不図示)を介して射出された円錐状のコーンビームをシンチレータ10の柱状結晶12A(図4)に平行に入射させることができるので、画素間のクロストークを低減でき画質向上を図ることができる。
また、X線画像検出パネルP30が凹状に湾曲していることで、複数のカセッテを重ねて運搬する際などに天板60Aの表面が傷つき難いという利点もある。
X線撮影用カセッテ310は、以上説明した点を除いて、上述のX線撮影用カセッテ100、あるいはX線撮影用カセッテ200と同様に構成されており、上述と同様の作用効果を奏する。
なお、補強部材79、シンチレータパネル80、天板70A、及びX線画像検出パネルP30は、図16〜図18に図示したように、X線進行方向(z方向)の一方側から他方側に向かって、x方向において湾曲しており、y方向(紙面直交方向)には湾曲していない。すなわち、補強部材79、シンチレータパネル80、天板70A、及びX線画像検出パネルP30はそれぞれ、断面略C字状のチャンネル部材として形成されている。
ここで、X線撮影装置による画像取得には、種々の方式があるが、被写体を通過したX線の強度や位相差を図16〜図18のx方向に走査することで画像を形成する場合には、クロストークが問題となるx方向のみにおいて、X線画像検出パネルP30が湾曲していれば足りる。但し、x方向及びy方向の両方に走査が行われるなどの場合には、補強部材79などの各部材が、x方向及びy方向の両方において湾曲していてもよい。
図19は、図2に示した薄膜部40に置換可能な他の薄膜部65を示す。薄膜部65が有するPD651とTFT652とは、同一面上あるいは略同一面上に配置されている。このようにPD651とTFT652とが平面的に隣り合う位置に配置されていることによって薄膜部65をより薄くできる。
また、図2の薄膜部40、図19の薄膜部65のいずれにおいても、アモルファス酸化物半導体(a−IGZO)によって形成されたTFTを用いることができる。a−IGZOの感度は波長350nm以上であり、可視光域には殆ど感度を持たないことから、TFTのスイッチングノイズが発生しない。TFTに光反射層を設けることを不要にできる。
また、PD、TFTには、有機材料を用いることもできる。図20は、OPC(有機光電変換材料)により形成された光導電層を有する光電変換素子661と、有機材料により形成されたTFT662とを示す。これら光電変換素子661及びTFT662を有する薄膜部66もまた、図2に示した薄膜部40に置換可能である。
光電変換素子661及びTFT662に用いられる有機材料はX線吸収が殆どないため、光電変換素子661及びTFT662を透過してシンチレータ10に到達するX線量を多くできる。ここで、緑色光を発光するCsI:Tlがシンチレータに用いられかつ、TFTの透明有機材料が例えば特開2009−212389号公報に記載されている化学式1のフタロシアニン化合物や化学式2のナフタロシアニン化合物などである場合には、発光波長域に感度がないため、TFTのスイッチングノイズが発生しない。この場合、光電変換素子661のOPCがキナクリドンであることが好ましい。
なお、有機材料を用いて形成された光電変換素子661及びTFT662は、図19のように同一面上あるいは略同一面上に配置されていてもよい。
上記のような非晶質酸化物あるいは有機材料を用いたPD等の光電変換素子及びTFTは、a−Si形成時の温度に比較して低温で成膜できる。このため、補強部材49の材料選択の幅が広がり、樹脂性の補強部材の使用も可能となる。なお、図19、図20のそれぞれの薄膜部65,66に対して、凸状の補強部材79を設けることも勿論可能である。
〔7.適用可能なデバイス材料〕
〔7−1.有機光電変換(OPC;Organic photoelectric conversion)材料〕
上述したPD41(図2)等に、例えば特開2009−32854号公報に記載されたOPC(有機光電変換)材料を用いることができる。このOPC材料により形成された膜(以下、OPC膜という)をPD41の光導電層として使用できる。OPC膜は、有機光電変換材料を含み、シンチレータから発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。このように有機光電変換材料を含むOPC膜であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータによる発光以外の電磁波がOPC膜に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線がOPC膜で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
OPC膜を構成する有機光電変換材料は、シンチレータで発光した光を最も効率良く吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータの発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータの発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータから発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータの放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えば、アリーリデン系有機化合物、キナクリドン系有機化合物、及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータを構成する蛍光物質としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、OPC膜で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
PD41のバイアス電極及び電荷収集電極の間に設けられる有機層の少なくとも一部をOPC膜によって構成することができる。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、及び層間接触改良部位等の積み重ね若しくは混合により形成することができる。
上記有機層は、有機p型化合物又は有機n型化合物を含有することが好ましい。有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。更に詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物としては、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これらに限らず、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いることができる。
有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。更に詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これらに限らず、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いることができる。
p型有機色素又はn型有機色素としては、公知のものを用いることができるが、好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)等が挙げられる。
1対の電極間に、p型半導体層とn型半導体層とを有し、該p型半導体とn型半導体の少なくともいずれかが有機半導体であり、かつ、それらの半導体層の間に、該p型半導体及びn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を中間層として有する光電変換膜(感光層)を好適に用いることができる。このように、光電変換膜において、バルクへテロ接合構造層を含ませることにより有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。なお、上記バルクへテロ接合構造については、特開2007−303266号公報において詳細に説明されている。
光電変換膜の厚みは、シンチレータからの光を吸収する点では膜厚は大きいほど好ましいが、電荷分離に寄与しない割合を考慮すると、30nm以上300nm以下が好ましく、より好ましくは、50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
上述したOPC膜に関するその他の構成は、例えば、特開2009−32854号公報の記載が参考となる。
〔7−2.有機TFT(Thin Film Transistor)〕
上述したTFT42等には、無機材料が使われることが多いが、例えば特開2009−212389号公報に記載されたように、有機材料を使用することができる。有機TFTはいかなるタイプの構造でもよいが、最も好ましいのは電界効果型トランジスタ(FET)構造である。このFET構造は、最下層に基板を配置し、その上面の一部にゲート電極を設け、更に該電極を覆い、かつ電極以外の部分で基板と接するように絶縁体層を設けている。更に絶縁体層の上面に半導体活性層を設け、その上面の一部にソース電極とドレイン電極とを隔離して配置している。なお、この構成はトップコンタクト型素子と呼ばれるが、ソース電極とドレイン電極とが半導体活性層の下部にあるボトムコンタクト型素子も好ましく用いることができる。また、キャリアが有機半導体膜の膜厚方向に流れる縦型トランジスタ構造であってもよい。
(半導体活性層)
半導体活性層は、p型有機半導体材料を用いてなる。このp型有機半導体材料は実質的に無色透明である。有機半導体薄膜の膜厚は、例えば触針式膜厚計により測定できる。膜厚の異なる薄膜を複数作製して吸収スペクトルを測定し、検量線から膜厚30nmあたりの最大吸光度に換算してもよい。
ここでいう有機半導体材料とは、半導体の特性を示す有機材料のことであり、無機材料からなる半導体と同様に、正孔(ホール)をキャリアとして伝導するp型有機半導体材料(あるいは単にp型材料、正孔輸送材料とも言う。)と、電子をキャリアとして伝導するn型有機半導体材料(あるいは単にn型材料、電子輸送材料とも言う。)がある。有機半導体材料は一般にp型材料の方が良好な特性を示すものが多く、また、一般に大気下でのトランジスタ動作安定性もp型トランジスタの方が優れているため、ここでは、p型有機半導体材料について説明する。
有機薄膜トランジスタの特性の一つに、有機半導体層中のキャリアの動きやすさを示すキャリア移動度(単に移動度とも言う)μがある。用途によっても異なるが、一般に移動度は高い方がよく、1.0×10-7cm2/Vs以上であることが好ましく、1.0×10-6cm2/Vs以上であることがより好ましく、1.0×10-5cm2/Vs以上であることが更に好ましい。移動度は電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
前記p型有機半導体材料は、低分子材料でも高分子材料でも良いが、好ましくは低分子材料である。低分子材料は、昇華精製や再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの様々な精製法が適用できるため高純度化が容易であること、分子構造が定まっているため秩序の高い結晶構造を取りやすいこと、などの理由から高い特性を示すものが多い。低分子材料の分子量は、好ましくは100以上5000以下、より好ましくは150以上3000以下、更に好ましくは200以上2000以下である。
このようなp型有機半導体材料の好ましい具体例を示す。Buはブチル基、Prはプロピル基、Etはエチル基、Phはフェニル基をそれぞれ表す。
(半導体活性層以外の素子構成材料)
以下に、有機薄膜トランジスタにおける半導体活性層以外の素子構成材料について説明する。これらの各材料は、いずれも可視光又は赤外光の透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
基板としては、必要な平滑性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、ガラス、石英、光透過性プラスチックフィルムなどが挙げられる。光透過性プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。また、これらのプラスチックフィルムに、有機あるいは無機のフィラーを含有させてもよい。なお、基板として、アラミド、バイオナノファイバーなどを用いて形成されたフレキシブル基板をも好適に使用しうる。
ゲート電極、ソース電極、又はドレイン電極を構成する材料としては、必要な導電性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、ITO(インジウムドープ酸化スズ)、IZO(インジウムドープ酸化亜鉛)、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)などの導電性酸化物、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸)などの導電性ポリマー、カーボンナノチューブなどの炭素材料が挙げられる。これらの電極材料は、例えば真空蒸着法、スパッタリング、溶液塗布法等の方法で成膜することができる。
絶縁層に用いられる材料としては、必要な絶縁効果を有するものであれば特に制限はないが、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナなどの無機材料、ポリエステル(PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)など)、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリパラキシリレン樹脂、ノボラック樹脂、PVA(ポリビニルアルコール)、PS(ポリスチレン)、などの有機材料が挙げられる。これらの絶縁膜材料は、例えば真空蒸着法、スパッタリング、溶液塗布法等の方法で成膜することができる。
上述した有機TFTに関するその他の構成は、例えば、特開2009−212389号公報の記載が参考となる。
〔7−3.非晶質酸化物半導体〕
上述したTFT42には、例えば特開2010−186860号公報に記載された非晶質酸化物を使用することができる。ここで、特開2010−186860号に記載された電界効果型トランジスタが有する非晶質酸化物含有の活性層について示す。この活性層は、電子又はホールの移動する電界効果型トランジスタのチャネル層として機能する。
活性層は、非晶質酸化物半導体を含んだ構成とされている。この非晶質酸化物半導体は、低温で成膜可能であるために、可撓性のある基板上に好適に形成される。
活性層に用いられる非晶質酸化物半導体としては、好ましくはIn、Sn、Zn、又はCdよりなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む非晶質酸化物であり、より好ましくは、In、Sn、Znよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物、更に好ましくは、In、Znよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物である。
活性層に用いられる非晶質酸化物としては、具体的には、In、ZnO,SnO、CdO,Indium−Zinc−Oxide(IZO)、Indium−Tin−Oxide(ITO)、Gallium−Zinc−Oxide(GZO)、Indium−Gallium−Oxide(IGO)、Indium−Gallium−Zinc−Oxide(IGZO)が挙げられる。
活性層の成膜方法としては、酸化物半導体の多結晶焼結体をターゲットとして、気相成膜法を用いるのが好ましい。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)が適している。更に、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。例えば、RFマグネトロンスパッタリング蒸着法により、真空度及び酸素流量を制御して成膜される。
成膜された活性層は、周知のX線回折法によりアモルファス膜であることが確認される。活性層の組成比は、RBS(ラザフォード後方散乱)分析法により求められる。
また、この活性層の電気伝導度は、好ましくは10−4Scm−1以上10Scm−1未満であり、より好ましくは10−1Scm−1以上10Scm−1未満である。この活性層の電気伝導度の調整方法としては、公知の酸素欠陥による調整方法や、組成比による調整方法、不純物による調整方法、酸化物半導体材料による調整方法が挙げられる。
上述した非晶質酸化物に関するその他の構成は、例えば、特開2010−186860号公報の記載が参考となる。
〔7−4.フレキシブル材料〕
フレキシブルでかつ低熱膨張、高強度といった、既存のガラスやプラスチックでは得られない特性を有するアラミド、バイオナノファイバー等を放射線画像検出装置に用いることも考えられる。
(1)アラミド
上述した支持体11や、制御モジュール70の回路基板などとして、フレキシブル材料であるアラミドによって形成されたフィルムを使用することができる。アラミド材料は、ガラス転移温度315℃という高い耐熱性、ヤング率が10GPaという高い剛性、熱膨張率が−3〜5ppm/℃という高い寸法安定性を有する。このため、アラミド製のフィルムを用いると、一般的な樹脂フィルムを用いる場合と比べて、半導体層やシンチレータの高品質の成膜が容易に行える。また、アラミド材料の高耐熱性により、透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化できる。更に、ハンダのリフロー工程を含むICの自動実装にも対応できる。また更に、ITO(indium tin oxide)やガス・バリア膜、ガラス基板と熱膨張係数が近いために、製造後の反りが少ない。そして,割れにくい。ここで、ハロゲンを含まないハロゲンフリー(JPCA−ES01−2003の規定に適合)なアラミド材料を用いることが環境負荷低減の点で好ましい。
アラミドフィルムは、ガラス基板やPET基板と積層されてもよいし、デバイスの筐体に貼り付けられてもよい。
アラミドの分子間の凝集力(水素結合力)の高さによる溶媒への低溶解性を分子設計によって解決することにより、無色透明で薄いフィルムへの成形が容易とされたアラミド材料についても、好適に用いることができる。モノマーユニットの秩序性、及び芳香環上の置換基種・位置を制御する分子設計により、アラミド材料の高剛性や寸法安定性に繋がる直線性の高い棒状の分子構造を維持しつつ、溶解性が良い成形の容易さが得られる。この分子設計により、ハロゲンフリーをも実現できる。
また、フィルムの面内方向の特性が最適化されたアラミド材料についても、好適に用いることができる。成型中に逐次変化するアラミドフィルムの強度に応じて、溶液キャスト、縦延伸、横延伸の工程ごとに張力条件を制御することにより、直線性の高い棒状分子構造であって物性に異方性が生じやすいアラミドフィルムの面内方向の特性をバランスできる。
具体的に、溶液キャスト工程では、溶媒の乾燥速度の制御による面内厚み方向の物性の等方化、溶媒を含んだ状態のフィルムの強度とキャスト・ドラムからの剥離強度の最適化、を図る。縦延伸工程では、延伸中に逐次変化するフィルムの強度、溶媒の残留量に応じた延伸条件を精密に制御する。横延伸工程では、加熱によって変化するフィルム強度の変化に応じた横延伸の条件の制御、フィルムの残留応力を緩和するための横延伸の条件の制御を図る。このようなアラミド材料の使用により、成型後のアラミドフィルムがカールしてしまう問題を解決できる。
上記の成形容易さに対する工夫、及びフィルム面内方向の特性のバランスに対する工夫のいずれにおいても、アラミドならではの直線性の高い棒状の分子構造が維持されているので、熱膨張係数を低く維持できる。製膜時の延伸条件の変更などにより、熱膨張係数を更に低減することも可能である。
(2)バイオナノファイバー
光の波長に対して十分に小さなコンポーネントは光散乱を生じないことから、ナノファイバーによって補強されたフレキシブルなプラスチック材料などを絶縁性基板や、制御モジュール70の回路基板などに好適に使用することができる。ナノファイバーの中でも、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束が幅50nmと、可視光波長に対して約1/10のサイズでかつ、高強度、高弾性、低熱膨である特徴を有するバクテリアセルロースと透明樹脂との複合材料(バイオナノファイバーということがある)を好適に使用できる。
バクテリアセルロース基板にアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を約60〜70%と高い比率で含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示す透明バイオナノファイバーが得られる。このバイオナノファイバーにより、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(約3〜7ppm)、鋼鉄並の強度(約460MPa)、及び高弾性(約30GPa)が得られる。
上述したバイオナノファイバーに関する構成は、例えば、特開2008−34556号公報の記載が参考となる。
以上説明したX線画像検出装置(及びX線撮影用カセッテ)は、医療用のX線撮影装置をはじめ、様々な装置に組み込んで使用することができる。特に、低放射線照射量で鮮鋭な画像を検出することを要求されるマンモグラフィ装置には、高感度、高精細であるという特徴を有する上述の各X線画像検出装置を好適に使用できる。
また、上述のX線画像検出装置は、医療用のX線撮影装置のほか、例えば、工業用のX線撮影装置として非破壊検査に用いることができる。更に、前述の実施形態の説明では、X線を用いるX線画像検出装置を例に挙げたが、X線以外の放射線(電磁波以外の粒子線であるα線、β線、γ線等)の検出装置についても、前述のX線画像検出装置1等とほぼ同様に構成することができる。
〔8.本明細書の開示内容〕
以上、説明したように、本明細書には、
被写体を介して照射された放射線を蛍光に変換するシンチレータ、及び前記シンチレータの放射線入射側に設けられた光検出部を有する放射線画像検出装置本体と、
前記放射線画像検出装置本体の放射線入射側に配置されて被写体を支持する支持部材とを備え、
前記光検出部は、前記蛍光を電気信号として検出する薄膜部と、前記薄膜部の前記シンチレータ側とは反対側に設けられた補強部材とを有し、
前記補強部材と前記支持部材とが接合され、接合面に沿って密接している、放射線画像検出装置が開示されている。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材と前記薄膜部とが接合され、
前記補強部材と前記薄膜部との接合強度が、前記補強部材と前記支持部材との接合強度よりも大きい、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材と前記薄膜部との互いの対向面の略全体が接合され、
前記補強部材の前記支持部材への対向面における一部が、前記支持部材に接合される、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材と前記薄膜部とが第1接着剤によって接合されるとともに、前記補強部材と前記支持部材とが、前記第1接着剤の接着力よりも接着力が小さい第2接着剤によって接合される、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材が放射線入射側に向かって凸状に湾曲し、
前記補強部材と前記薄膜部とが接合された状態において、前記補強部材、前記薄膜部、及び前記シンチレータが平坦あるいは略平坦である、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材が放射線入射側に向かって凸状に湾曲し、
前記補強部材と前記薄膜部とが接合された状態において、前記補強部材、前記薄膜部、及び前記シンチレータが前記補強部材の湾曲方向とは逆方向に湾曲する、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記薄膜部及び前記シンチレータが前記補強部材の湾曲方向とは逆方向に湾曲し、
前記湾曲した前記薄膜部及び前記シンチレータと、前記凸状に湾曲した前記補強部材とが接合される、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材と前記薄膜部とが接合された状態において、前記補強部材、前記薄膜部、及び前記シンチレータが前記補強部材の湾曲方向とは逆方向に湾曲し、
前記支持部材が放射線入射側に向かって凸状に湾曲し、
前記支持部材に、前記補強部材、前記薄膜部、及び前記シンチレータが接合される、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材は、ガラス材料よりもX線吸収率が低い低X線吸収性材料により形成され、
前記補強部材の管電圧60kVのX線に対するAl当量が、1.8mm未満である、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記支持部材と前記補強部材とを用いた際における管電圧60kVのX線に対するAl当量が、1.8mm未満である、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記低X線吸収性材料が、金属(金属化合物及び合金を含む)及び/又は樹脂である、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材が、樹脂層と、当該樹脂層のX線入射側に設けられる金属からなる光反射層とを含む、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材が、前記シンチレータから発せられた蛍光を前記薄膜部に向けて反射する光反射部材である、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材と前記薄膜部とが接着層を介して接合され、
前記接着層の厚みが100μm以下である、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記薄膜部の少なくとも一部が、非晶質酸化物あるいは有機材料により形成される、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記シンチレータが、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶の群で形成された柱状部を含む、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記補強部材が、前記薄膜部を支持していた基板から前記薄膜部が剥離された際の当該薄膜部の剥離面に設けられる、ことが好ましい。
また、本願明細書には、
上述の放射線画像検出装置を備え、
前記支持部材を含んで構成される筺体内に、前記放射線画像検出装置本体が収納された、放射線撮影用カセッテが開示されている。
更に、本願明細書には、
被写体に放射線を照射する放射線源と、
前記支持部材と、
上述の放射線画像検出装置とを備えた、放射線撮影装置が開示されている。
そして、本願明細書には、
被写体を介して照射された放射線を蛍光に変換するシンチレータと、前記シンチレータの放射線入射側に設けられた光検出部とを備え、
前記光検出部は、前記蛍光を電気信号として検出する薄膜部と、前記薄膜部の前記シンチレータ側とは反対側に設けられた補強部材とを有し、
前記補強部材と、被写体を支持する支持部材とが接合され、接合面に沿って密接している、放射線画像検出装置が開示されている。
1〜3 X線画像検出装置本体(放射線画像検出装置本体)
10 シンチレータ
11 支持体
12 柱状部
12A 柱状結晶
13 非柱状部
13A 非柱状結晶
15 シンチレータ
18 接着層
19 制御モジュール
21 支持部材
30 保護膜
35 保護膜
40 薄膜部
41 PD
42 TFT
43 ゲート線
44 データ線
45 接続端子
46 フレキシブル配線
47 平坦化層
48 接着層
49 補強部材
49A 基体(樹脂層)
49B 光反射膜(光反射層)
50 光検出部
51 基板
58 接着層
60 筺体
60 光検出器
60 カセッテ筺体
60 筺体
60A 天板(支持部材)
65,66 薄膜部
70A 天板(支持部材)
79 補強部材
80 シンチレータパネル
100,200,301 X線撮影用カセッテ(放射線撮影用カセッテ)
300 X線撮影装置(放射線撮影装置)
301 X線源
651 PD
652 TFT
661 光電変換素子
662 TFT
P10,P20,P30 X線画像検出パネル

Claims (20)

  1. 被写体を介して照射された放射線を蛍光に変換するシンチレータ、及び前記シンチレータの放射線入射側に設けられた光検出部を有する放射線画像検出装置本体と、
    前記放射線画像検出装置本体の放射線入射側に配置されて被写体を支持する支持部材とを備え、
    前記光検出部は、前記蛍光を電気信号として検出する薄膜部と、前記薄膜部の前記シンチレータ側とは反対側に設けられた補強部材とを有し、
    前記補強部材と前記支持部材とが接合され、接合面に沿って密接している、放射線画像検出装置。
  2. 請求項1に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材と前記薄膜部とが接合され、
    前記補強部材と前記薄膜部との接合強度が、前記補強部材と前記支持部材との接合強度よりも大きい、放射線画像検出装置。
  3. 請求項2に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材と前記薄膜部との互いの対向面の略全体が接合され、
    前記補強部材の前記支持部材への対向面における一部が、前記支持部材に接合される、放射線画像検出装置。
  4. 請求項2又は3に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材と前記薄膜部とが第1接着剤によって接合されるとともに、前記補強部材と前記支持部材とが、前記第1接着剤の接着力よりも接着力が小さい第2接着剤によって接合される、放射線画像検出装置。
  5. 請求項2から4のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材が放射線入射側に向かって凸状に湾曲し、
    前記補強部材と前記薄膜部とが接合された状態において、前記補強部材、前記薄膜部、及び前記シンチレータが平坦あるいは略平坦である、放射線画像検出装置。
  6. 請求項2から4のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材が放射線入射側に向かって凸状に湾曲し、
    前記補強部材と前記薄膜部とが接合された状態において、前記補強部材、前記薄膜部、及び前記シンチレータが前記補強部材の湾曲方向とは逆方向に湾曲する、放射線画像検出装置。
  7. 請求項5又は6に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記薄膜部及び前記シンチレータが前記補強部材の湾曲方向とは逆方向に湾曲し、
    前記湾曲した前記薄膜部及び前記シンチレータと、前記凸状に湾曲した前記補強部材とが接合される、放射線画像検出装置。
  8. 請求項6又は7に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材と前記薄膜部とが接合された状態において、前記補強部材、前記薄膜部、及び前記シンチレータが前記補強部材の湾曲方向とは逆方向に湾曲し、
    前記支持部材が放射線入射側に向かって凸状に湾曲し、
    前記支持部材に、前記補強部材、前記薄膜部、及び前記シンチレータが接合される、放射線画像検出装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材は、ガラス材料よりもX線吸収率が低い低X線吸収性材料により形成され、
    前記補強部材の管電圧60kVのX線に対するAl当量が、1.8mm未満である、放射線画像検出装置。
  10. 請求項9に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記支持部材と前記補強部材とを用いた際における管電圧60kVのX線に対するAl当量が、1.8mm未満である、放射線画像検出装置。
  11. 請求項9又は10に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記低X線吸収性材料が、金属(金属化合物及び合金を含む)及び/又は樹脂である、放射線画像検出装置。
  12. 請求項11に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材が、樹脂層と、当該樹脂層のX線入射側に設けられる金属からなる光反射層とを含む、放射線画像検出装置。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材が、前記シンチレータから発せられた蛍光を前記薄膜部に向けて反射する光反射部材である、放射線画像検出装置。
  14. 請求項13に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材と前記薄膜部とが接着層を介して接合され、
    前記接着層の厚みが100μm以下である、放射線画像検出装置。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記薄膜部の少なくとも一部が、非晶質酸化物あるいは有機材料により形成される、放射線画像検出装置。
  16. 請求項1から15のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記シンチレータが、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶の群で形成された柱状部を含む、放射線画像検出装置。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記補強部材が、前記薄膜部を支持していた基板から前記薄膜部が剥離された際の当該薄膜部の剥離面に設けられる、放射線画像検出装置。
  18. 請求項1から17のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置を備え、
    前記支持部材を含んで構成される筺体内に、前記放射線画像検出装置本体が収納された、放射線撮影用カセッテ。
  19. 被写体に放射線を照射する放射線源と、
    前記支持部材と、
    請求項1から17のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置とを備えた、放射線撮影装置。
  20. 被写体を介して照射された放射線を蛍光に変換するシンチレータと、前記シンチレータの放射線入射側に設けられた光検出部とを備え、
    前記光検出部は、前記蛍光を電気信号として検出する薄膜部と、前記薄膜部の前記シンチレータ側とは反対側に設けられた補強部材とを有し、
    前記補強部材と、被写体を支持する支持部材とが接合され、接合面に沿って密接している、放射線画像検出装置。
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