JP5557769B2 - 放射線画像検出装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用のX線撮影装置などに用いられる放射線画像検出装置及びその製造方法に関する。
近年、X線像をデジタルデータに変換するFPD(Flat Panel Detector)等のX線画像検出装置を用いたDR(Digital Radiography)が実用化されている。X線画像検出装置は、輝尽性蛍光体(蓄積性蛍光体)からなるイメージングプレートを用いる従来のCR(Computed Radiography)方式に比べて、即時に画像を確認できるといったメリットがあり、急速に普及が進んでいる。
X線画像検出装置として種々の方式のものが提案されているが、その一つとしてX線を一旦、CsI:Tl、GOS(GdS:Tb)などのシンチレータで可視光に変換し、当該可視光を半導体層で電荷に変換して蓄積する間接変換方式が知られている(例えば、特許文献1〜3)。
X線画像検出装置では、例えば生体のX線撮影に使用される場合など、X線照射量が低い方が好ましいことが多く、従ってX線に対する感度が高く、発光量の多いシンチレータが望まれている。特許文献1では、光検出器を挟んで両側にシンチレータを設けることによって発光量を高めている。
また、特許文献2では、蛍光物質の母体に付活剤を添加することで発光量を高めている。特許文献2には、光検出器とシンチレータとを有し、シンチレータに光検出器とは反対側からX線が入射するX線画像検出装置において、シンチレータのX線入射側の領域における付活剤濃度を高くすることが記載されている。
そして、特許文献3では、シンチレータに光検出器側からX線を照射し、光検出器に近接する側をシンチレータの主発光領域とすることによって発光量を高めている。
特開2007−163467号公報 特開2008−51793号公報 特開2011−17683号公報
ここで、特許文献2のようにX線入射側での付活剤濃度を増やすとともに、特許文献3のように光検出器側をシンチレータの主発光領域とすることが考えられる。このようにして、X線入射側でかつ光検出器に近い側での付活剤濃度を高くすれば、発光量及びMTF(Modulation Transfer Function)を良化させる一定の効果は得られる。しかしながら、このようなシンチレータの主発光領域を詳細に検討すると、次のような課題が残されている。すなわち、付活剤濃度増大は、以下のような技術的課題を顕著に呈する。
付活剤濃度増大により、主発光領域でかつ光検出器に近い部分の結晶性が乱れ、これによってMTFが悪化してしまう。特に、シンチレータの蒸着初期の領域で付活剤濃度を高くすると、シンチレータの結晶成長への悪影響が大きく、結晶性が乱れて柱状結晶間で光が拡散するため、MTFが悪化してしまう。
また、付活剤濃度増大により、シンチレータにおける光の吸収が増えてしまう。いま、図17のように、シンチレータ91のX線入射側の部分を主発光領域Sとして付活剤濃度を高くした場合を考えると、図18に示すように、主発光領域S内にあって光検出器92(図17)から離れた部分P2では、光検出器92に入射する発光量が小さく、かつ発光状態が拡がってしまい、画像ボケが生じる(MTFが悪化する)。このような課題を解決しない限り、図17のように光検出器92側からシンチレータ91にX線が照射される構成としても、発光量の一層の増大及びMTFのさらなる良化は見込めない。
本発明の目的は、発光量の一層の増大及びMTFのさらなる良化を図ることができる放射線画像検出装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の放射線画像検出装置は、
放射線の照射によって蛍光を発する第1シンチレータ及び第2シンチレータと、
前記蛍光を検出する第1光検出器及び第2光検出器と、を備え、
放射線入射側から、前記第1光検出器、前記第1シンチレータ、前記第2光検出器、及び前記第2シンチレータの順に配置され、
前記第1シンチレータにおける前記第1光検出器近傍、及び前記第2シンチレータにおける前記第2光検出器近傍の少なくとも一方には、当該シンチレータにおける平均の付活剤濃度よりも付活剤濃度が相対的に高い高付活剤濃度領域が設けられる。
また、上述の放射線画像検出装置を製造する方法は、基板上に、前記第2光検出器を形成する第2光検出器形成工程と、前記第2光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、を備え、前記基板剥離工程では、前記第1光検出器上に形成した前記第1シンチレータ、及び支持体上に形成した前記第2シンチレータの一方と、前記基板上に形成した前記第2光検出器とを貼り合わせた後に、前記第2光検出器を前記基板から剥離し、前記基板剥離工程後、前記第1、第2シンチレータの他方と、前記第2光検出器とを貼り合わせる。
また、上述の放射線画像検出装置を製造する方法は、基板上に、前記第2光検出器を形成する第2光検出器形成工程と、前記第2光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、支持部材上に、前記第1シンチレータを形成し、当該第1シンチレータと前記第1光検出器とを貼り合わせた後に、前記第1シンチレータから前記支持部材を除去する支持部材除去工程とを備え、前記基板剥離工程では、支持体上に形成した前記第2シンチレータと、前記第2光検出器とを貼り合わせた後に、前記第2光検出器から前記基板を剥離し、前記支持部材除去工程及び前記基板剥離工程の後、前記第1シンチレータと前記第2光検出器とを貼り合わせる。
また、上述の放射線画像検出装置を製造する方法は、基板上に、前記第2光検出器を形成する第2光検出器形成工程と、前記第2光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、基板上に、前記第1光検出器、及び前記第1シンチレータをこの順に形成する第1光検出器形成工程とを備え、前記第2光検出器形成工程では、前記基板上に、前記第2光検出器、及び前記第2シンチレータをこの順に形成し、前記基板剥離工程では、前記第2シンチレータの前記第2光検出器側とは反対側に、支持部材を貼り合わせた後、前記第2光検出器から前記基板を剥離し、前記第1光検出器形成工程及び前記基板剥離工程の後、前記第1シンチレータと前記第2光検出器とを貼り合わせる。
また、上述の放射線画像検出装置を製造する方法は、基板上に、前記第2光検出器を形成する第2光検出器形成工程と、前記第2光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、支持部材上に、前記第1シンチレータを形成し、当該第1シンチレータと前記第1光検出器とを貼り合わせた後に、前記第1シンチレータから前記支持部材を除去する支持部材除去工程とを備え、前記第2光検出器形成工程では、前記基板上に、前記第2光検出器、及び前記第2シンチレータをこの順に形成し、前記基板剥離工程では、前記第2シンチレータの前記第2光検出器側とは反対側に、支持部材を貼り合わせた後、前記第2光検出器から前記基板を剥離し、前記支持部材除去工程及び前記基板剥離工程の後、前記第1シンチレータと前記第2検出器とを貼り合わせる。
本発明によれば、放射線入射側から、第1光検出器、第1シンチレータ、第2光検出器、第2シンチレータの順に配置された放射線画像検出装置において、発光量の一層の増大及びMTFのさらなる良化を図ることができる。
X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 光検出器の概略構成を模式的に示す側断面図である。 光検出器の構成を模式的に示す平面図である。 シンチレータの結晶構造を模式的に示す側断面図である。 柱状結晶断面を示す電子顕微鏡写真である(SEM画像)。 非柱状結晶断面を示す電子顕微鏡写真である(SEM画像)。 第1、第2シンチレータの付活剤濃度及び発光量を示す図である。 第1、第2シンチレータの付活剤濃度及び発光量を示す図である。 第1、第2シンチレータの付活剤濃度及び発光量を示す図である。 第1、第2シンチレータの付活剤濃度及び発光量を示す図である。 第1、第2シンチレータの付活剤濃度及び発光量を示す図である。 X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 光検出器の変形例を示す模式図である。 光検出器の他の変形例を示す模式図である。 X線画像検出装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。 図17の構成におけるシンチレータの付活剤濃度及び発光量を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明するためのX線画像検出装置(放射線画像検出装置)の一例を図1〜図7を参照して説明する。
なお、既に述べた構成と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
以下では、放射線画像検出装置の一種としてX線画像検出装置を例にとり説明するが、以下に述べる構成は、α線、β線、γ線等の各種の放射線を用いた放射線画像検出装置に適用可能であり、これらα線、β線、γ線等の各種の放射線を用いた放射線画像検出装置においても、以下に述べる作用効果と略同様の作用効果が得られる。
〔1.全体構成〕
図1は、間接変換方式のX線画像検出装置1の概略構成を模式的に示す側断面図である。X線画像検出装置1は、X線(図1の白抜き矢印)の照射により蛍光を発する蛍光物質を含有する第1シンチレータ10及び第2シンチレータ20と、これらの第1、第2シンチレータ10,20から発せられた蛍光を電気信号として検出する第1、第2光検出器40,50と、第1、第2シンチレータ10,20を被覆する保護膜30と、第2シンチレータ20のX線入射側とは反対側に設けられる図示しない制御モジュールとを備えている。
すなわち、X線画像検出装置1においては、X線入射側から第1光検出器40、第1シンチレータ10、第2光検出器50、第2シンチレータ20、及び制御モジュールがこの順に配置されている。
保護膜30は、第1シンチレータ10が蒸着された絶縁性基板40Aと、第2シンチレータ20が蒸着された支持体21との間に第1、第2シンチレータ10,20及び第2光検出器50を封止しており、パリレン等により形成されている。気相堆積法によって形成されたパリレンの保護膜は、シンチレータ10,20との密着性が良く、その上柔軟性を有するので、絶縁性基板40A及び支持体21のソリ等への追従性が良い。
X線画像検出装置1では、被写体を通過したX線(白抜き矢印)が第1シンチレータ10側から第2シンチレータ20側に向かって照射される。第1光検出器40の表面は、X線入射面11Aを構成する。X線は、第1シンチレータ10において吸収され蛍光に変換されるともに、第2光検出器40を通過して第2シンチレータ20にも入射し、第2シンチレータ20においても蛍光に変換される。第1シンチレータ10から発せられた蛍光は、第1光検出器40及び第2光検出器50の両方に入射する。第2シンチレータ20から発せられた蛍光は、主として第2光検出器50に入射する。これにより、第1、第2光検出器40,50のそれぞれが有するPDに電荷が蓄積され、当該電荷はTFTによって電気信号として出力される。
図1に示した例では、X線入射面11Aから遠い第2シンチレータ20の厚みを第1シンチレータ10の厚みよりも大きくすることによって第2シンチレータ20の発光量増大を図っているが、第1、第2シンチレータの厚みは適宜決めることができる。
制御モジュール(不図示)は、光検出器40を駆動制御する制御部としてのICや、画像信号を処理するIC等が実装された回路基板、及び電源回路などを有し、第1、第2シンチレータ10,20及び第1、第2光検出器40,50に一体に組み付けられている。
〔2.光検出器の構成〕
(第1光検出器)
図2は、第1、第2光検出器40、50を模式的に示す側断面図である。図3は、二次元配列された素子を示す平面図である。
第1光検出器40は、a−Si等で形成されたPD(Photodiode)41と、a−Si等で形成された薄膜スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)42と、これらPD41及びTFT42が形成される絶縁性基板40Aとを備えている。第1光検出器40上に、第1シンチレータ10が蒸着されている。
PD41は、主として第1シンチレータ10から入射した光(図2の実線矢印)を電荷に変換する光導電層を有する。各PD41は、第1光検出器40によって検出される画像の画素に対応している。
TFT42のPD41側の端部には、TFT42のスイッチングノイズの発生を抑制するための光反射層42Aが設けられている。
各PD41には、図3に示すように、TFT42、ゲート線43、及びデータ線44がそれぞれ設けられている。各ゲート線43及び各データ線44は、接続端子45まで延設され、この接続端子45に接続された異方性導電膜等のフレキシブル配線46を介して制御モジュールの回路基板に接続されている。その回路基板に実装された制御部からゲート線43を通じて送られる制御信号により、各TFT42のオンオフが行単位で切り替えられ、TFT42がオン状態にあるPD41の電荷が、データ線44を介して回路基板の信号処理部に画像信号として読み出される。PD41の電荷が行単位で順に読み出されることにより、二次元画像が検出される。
(第2光検出器)
第2光検出器50は、a−Si等で形成されたPD(Photodiode)51と、a−Si等で形成された薄膜スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)52とを備えている。これらPD51及びTFT52も、図3に示したPD41及びTFT42と同様に二次元配列されている。
PD51は、第1、第2シンチレータ10,20の両方から入射した光(図2の実線矢印)を電荷に変換する光導電層を有する。各PD51は、第2光検出器50によって検出される画像の画素に対応している。上述の第1光検出器40の解像度と第2光検出器50の解像度とは同じでも違っていてもよい。
TFT52は、PD51と平面的に隣接する位置に、PD51と同一面上あるいは略同一面上に配置されている。TFT52の厚み方向両側には、TFT52のスイッチングノイズの発生を抑制するための光反射層52A,52Aが設けられている。
上述のPD51及びTFT52は、Al等の金属製、あるいはガラス製等の図示しない基板上にフォトエッチングプロセス等によって形成された後、当該基板から剥離されたものである。すなわち、第2光検出器50におけるPD51及びTFT52から基板が除去されているため、当該基板によってX線が吸収されることなく、第1シンチレータ10を介して第2シンチレータ20に入射するX線量を増加させることができるとともに、第2シンチレータ20から発せられた光が基板に吸収されることなくPD51に入射するので、PD51への入射光量をも増加させることができる。また、剥離した基板を再利用することが可能となるので、コストダウンできる。
PD51及びTFT52を基板から剥離する方法については、特開2000-133809号公報、特開2003-66858号公報、特開2003-45890号公報などの記載が参考となる。
ここで、基板を剥離する以外に、化学的溶解法又は研磨法によって基板を薄くする、あるいは除去することによっても、基板剥離と同様の効果が得られる。
図2では、第2光検出器50の厚み方向両側の面は、樹脂製の膜47によって平坦化されているが、この樹脂製の膜47はなくてもよい。第2光検出器50は、第1、第2シンチレータ10,20のそれぞれに接着層48を介して貼り合わせられており、第1、第2シンチレータ10,20はそれぞれ、第2光検出器50に接着層48を介して密着する。
なお、第1、第2シンチレータ10,20と第2光検出器50とのそれぞれの間には、接着層48や樹脂製の膜47がなくてもよく、光検出器50の表面に第1、第2シンチレータ10,20をそれぞれ押し当てて直接密着させてもよい。
第2光検出器50と第1、第2シンチレータ10,20とのそれぞれの間に設けられる平坦化層、接着層、透明な液体又はゲルであるマッチングオイル層などの樹脂層を構成する樹脂は、シンチレータ10,20から発せられるシンチレーション光をほぼ減衰させることなく第2光検出器50に到達させうるものであれば特に制限はない。
平坦化層を形成する樹脂としては、ポリイミドやパリレン等を使用することができ、製膜性が良好なポリイミドが好ましい。
接着層を形成する接着剤としてはシンチレータ10,20から発せられるシンチレーション光に対して光学的に透明なものが好ましく、例えば、熱可塑性樹脂、UV硬化接着剤、加熱硬化型接着剤、室温硬化型接着剤、両面接着シート、などが挙げられるが、画像の鮮鋭度を低下させないという観点からは、第2光検出器50の画素サイズに対して十分に薄い接着層を形成しうるという点で、低粘度エポキシ樹脂製の接着剤を用いることが好ましい。
また、平坦化層、接着層等の樹脂層の厚みは、感度、画質の観点からは50μm以下であることが好ましく、5μm〜30μmの範囲であることがより好ましい。
〔3.シンチレータの構成〕
〔3−1.支持体〕
第2シンチレータ20が蒸着されている支持体21は、光を反射するAl等の材料で板状に形成されている。支持体21としては、Al製の板に限らず、カーボン板、CFRP(carbon fiber reinforced plastic)、ガラス板、石英基板、サファイア基板などから適宜選ぶことができ、支持体表面にシンチレータを形成させうる限りにおいて特にこれらに限定されない。ただし、支持体21が光の反射部材を兼ねる場合には、Alなどの軽金属を支持体の材料として用いるとよい。支持体21は、X線入射面11Aとは反対側に配置されるため、X線透過率が低い材料で形成してもよい。
第1シンチレータ10は、上述のように第1光検出器40上に蒸着されている。
なお、X線画像検出装置1において、支持体21及び絶縁性基板40Aは必須ではない。つまり、支持体21や第1光検出器40上にシンチレータを蒸着形成した後、支持体21や絶縁性基板40Aからシンチレータを剥離して用いることも可能である。第2シンチレータ20の第2光検出器50側とは反対側に、光の反射部材を設けることができる。
〔3−2.蛍光物質〕
第1、第2シンチレータ10,20は、CsIを母体に付活剤としてTlを添加することによって形成されている。Tl付活により、発光量を高めることができる。
本例の第1、第2シンチレータ10,20は、蛍光物質を柱状に成長させた柱状結晶の群で形成されており、CsI:Tl(タリウム付活ヨウ化セシウム)を材料に用いて形成されている。その他、第1、第2シンチレータ10,20の材料にNaI:Tl(タリウム付活ヨウ化ナトリウム)、CsI:Na(ナトリウム付活ヨウ化セシウム)等を用いることも可能である。発光スペクトルがa−Siフォトダイオードの分光感度の極大値(550nm付近)と適合する点で、CsI:Tlを材料に用いることが好ましい。
なお、第1、第2シンチレータ10,20が柱状結晶を含んでいなくてもよく、例えばGOS(GdS:Tb(テルビウム付活酸硫化ガドリニウム))を支持体に塗布することなどによって第1、第2シンチレータが形成されていてもよい。
〔3−3.シンチレータ間の距離〕
上述のように、第2光検出器50が基板から剥離されたものであることと、PD51及びTFT52が平面的に隣接するように配置されていることにより、第1、第2シンチレータ10,20間は極めて近接している。第1、第2シンチレータ10,20の互いに対向する表面間の距離は、40μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以下である。このように第1、第2シンチレータ10,20間の距離を短くすることで、MTFを良化させることができる。
なお、第2光検出器のPD及びTFTを形成する基板として、X線、蛍光の吸収量が低い有機材料により形成された基板を用いることにより、基板の剥離をしないことも検討できる。但し、基板を剥離することによって第1、第2シンチレータ間の距離を小さくできるので、基板を剥離することが好ましい。
〔3−4.シンチレータの結晶構造〕
図4は、第1シンチレータ10の結晶構造を模式的に示す側断面図である。第1シンチレータ10は、柱状結晶12Aの群で形成された柱状部12と、柱状結晶12Aの基端に形成された非柱状結晶13Aを含む非柱状部13とを有する。第1シンチレータ10の非柱状部13は、第1光検出器40と第1シンチレータ10との密着性を向上させる役目を果たす。
第2シンチレータ20も、第1シンチレータ10とほぼ同様に、柱状部12と、非柱状部13とほぼ同様に形成された非柱状部14(図1)と、を有する。第2シンチレータ20の非柱状部14は、支持体21と第2シンチレータ20との密着性向上の機能に加え、光反射特性を有する。
X線の照射によって第1シンチレータ10から発せられた蛍光は、柱状結晶12Aによって柱の高さ方向(結晶成長方向)にガイドされ、第1、第2光検出器40,50にそれぞれ入射する。また、第2シンチレータ20へのX線入射により第2シンチレータ20から発せられた蛍光は、第2光検出器50に入射する。このとき、支持体21側に向かって進行した光は、非柱状部14及び支持体21によって反射されて第2光検出器50に入射する。
〔柱状部の構成〕
柱状部12は、多数の柱状結晶12Aの集合体であり、図4に示した例では、各柱状結晶12Aは第1光検出器40上にほぼ垂直に起立する。柱状結晶12Aは、先端側がすぼまった形状とされている。柱状結晶12Aの先端部は研磨されていてもよい。第1、第2光検出器40,50の1つの画素(PD41,51)に対して、複数の柱状結晶12Aの先端部、基端部がそれぞれ対向する。
柱状結晶12Aは非柱状結晶に比べ結晶性が良く、蛍光の発光量が高い。また、空隙を介して隣り合う柱状結晶12Aがシンチレータの厚み方向に立設されているので、柱状結晶12Aは、光のガイドとなって柱の高さ方向に光を導光する。この柱状結晶12Aによる光ガイド効果によって画素間の光拡散が抑制されることから、検出画像を鮮鋭化できる。
図5は、図4のA−A断面(柱状部12の高さ方向略中央の断面)における柱状部12の電子顕微鏡写真である。隣り合う柱状結晶12Aの間には、空隙がある(図5で濃く見える部分)。柱状結晶12Aは、結晶の成長方向に対しほぼ均一な断面径を有する。柱状部12の領域の一部では、隣り合う柱状結晶12Aが互いに結合して一体の柱状体を構成している(例えば、図5のP)。
柱状部12の厚みは、必要な感度に対応するX線吸収能を考慮して、マンモグラフィー用途では200μm前後、一般撮影用では500μm以上に決められる。ただし、柱状部12の厚みが厚すぎても、光の吸収及び散乱等のため発光の利用効率が低下しがちである。このため、柱状部12の厚みは、感度及び発光の利用効率のそれぞれを考慮した適切な値に決められる。
〔非柱状部の構成〕
まず、第2シンチレータ20の非柱状部14(図1)について説明する。
非柱状部14は、図4に示した非柱状部13の結晶構造とほぼ同様に、略球形あるいは不定形の非柱状結晶13Aを含んで構成されている。なお、非柱状部14及び非柱状部13は、アモルファス(非晶質)の部分を含むことがある。
非柱状結晶13Aの形状は、結晶間に空隙が維持され易く、反射効率を高くできる観点から、略球状であることが好ましい。すなわち、非柱状部14は、球状に近い結晶(略球状結晶である非柱状結晶13A)の集合体で構成されることが好ましい。
図6は、非柱状部14の厚み方向基端側の断面における非柱状部14の電子顕微鏡写真である。非柱状部14では、図5の柱状結晶12Aに比較して径の小さい非柱状結晶13Aが互いに不規則に結合したり重なり合ったりしており、結晶間の明確な空隙は殆ど認められない。図6における空隙は、図5における空隙よりも少ない。図5及び図6の観察結果から、非柱状部14の空隙率は柱状部12の空隙率よりも低い。
非柱状部14の空隙率は、非柱状部14の支持体21への蒸着面積、非柱状部14の厚み、CsI密度、及び実際に測定したシンチレータパネルの重量などに基づいて算出される。そのようにして算出された非柱状部14の厚み方向全体の空隙率は、10%以下である。
非柱状部14は、支持体21上に蒸着初期において形成された領域である。非柱状部14において支持体21表面に接する部分の空隙率は0あるいは略0であり、非柱状部14の基端部は支持体21との接触面全体において支持体21に密着する。
非柱状部14の厚みは、柱状部12の厚みよりも薄く、5μm以上、125μm以下であることが好ましい。支持体21との密着性を確保するためには、非柱状部14の厚みは5μm以上あることが好ましい。また、光ガイド効果を有しない非柱状部14の厚みが厚すぎると、非柱状部14において光が画素間で交錯して画像ボケが生じ易くなるので、非柱状部14の厚みは125μm以下であることが好ましい。
また、非柱状部14の厚みは、支持体21との密着性と光の反射機能とが得られる最小の厚みで足りる。
なお、非柱状部14は、製造時の条件等によっては単一の層でなく複数の層が積層された構造とされる場合もある。このような場合、非柱状部14の厚みは、支持体21表面から非柱状部14の最表層の表面までの厚みをいう。
非柱状部14の如く、結晶間が癒着している場合の結晶径の測定は、隣接する非柱状結晶13A間に生じる窪み(凹)同士を結んだ線を結晶間の粒界と見なし、癒着した結晶同士を最小多角形となるように分離して結晶径を測定し、柱状部12における柱状結晶12Aの径と同様にして平均値をとり、その値を採用した。
非柱状部14の非柱状結晶13Aの径は、0.5μm以上7.0μm以下であることが、効率的な反射特性、及び支持体21との密着性を与える観点から好ましい。非柱状結晶13Aの径は、柱状結晶12Aの径よりも小さい。
ここで、非柱状結晶13Aの径が小さい方が略球形の結晶形状が維持され易いので好ましいが、非柱状結晶13Aの径が小さすぎると空隙率が0に近づき、非柱状部14が光の反射層としての役目を有しなくなるので、非柱状結晶13Aの径は0.5μm以上であることが好ましい。また、径が大きすぎると、非柱状部14の平坦性及び表面積が低下し、支持体21との密着性が低下するとともに、結晶同士が結合して空隙率が低下し反射効果が減少するので、非柱状部14の結晶径は7.0μm以下であることが好ましい。
このような非柱状部14が形成されていることにより、非柱状部14をベースに柱状結晶12Aを結晶性が良い状態で成長させることができる。
また、結晶性が良い第2シンチレータ20の柱状部12で発光し、第2光検出器50側とは反対側に進行した光を非柱状部14によって反射し、第2光検出器50に入射させることが可能となるので、第2光検出器50への入射光量が増加し、利用可能な発光量を高めることが可能となる。非柱状結晶13Aの径、厚み、空隙率などは、光の反射特性、支持体21との密着性などを考慮して決められる。
第2シンチレータ20において非柱状部14を設けることにより、支持体21と第2シンチレータ20との密着性が向上するので、制御モジュールからの熱の伝搬に際しても第2シンチレータ20が支持体21から剥離しにくくできる。
第1シンチレータ10が有する非柱状部13も、第2シンチレータ20の非柱状部14と略同様に形成されている。但し、第1シンチレータ10の非柱状部13は、第2シンチレータ20が有する非柱状部14とは違って、光反射特性を有していない。非柱状部13の厚み、径、空隙率は、第1光検出器40と第1シンチレータ10との密着性を保持するために適宜決めればよい。第1光検出器40との密着性を向上させるために、非柱状部13において第1光検出器40表面に接する部分の空隙率は、0あるいは略0であることが好ましい。
〔3−5.製造方法〕
上述の第1、第2シンチレータ10,20は、気相堆積法により形成されることが好ましい。ここでは、CsI:Tlを用いた態様を例に挙げて説明する。
気相堆積法の概要としては、真空度0.01〜10Paの環境下、母体であるCsIと付活剤であるTlとをそれぞれ抵抗加熱式のるつぼに通電するなどの手段で加熱して気化させ、支持体(あるいは光検出器の基板)の温度を室温(20℃)〜300℃としてCsI:Tlを支持体上に堆積させる。
ここで、Tlのるつぼへの印加電力の変更によってTlの加熱温度を変更したり、真空度などを変更することなどによって、結晶成長方向において付活剤濃度の異なるシンチレータを形成することができる。例えば、Tlるつぼへの印加電力を上げると付活剤濃度を高くすることができ、Tlるつぼへの印加電力を下げると付活剤濃度を低くすることができる。その他、硫酸タリウム、酸化タリウム、ヨウ化タリウム、炭酸タリウム等、付活剤の種類を変える(Tl含有化合物を変更する)ことにより、付活剤濃度を変更することも可能である。Tl含有化合物の変更と、蒸着セル温度の変更とを組み合わせることで、付活剤濃度を変更してもよい。また、イオン注入によるドーピングによって付活剤濃度を変更してもよい。
そして、真空度や支持体温度、蒸着レート等を変更することによって、シンチレータ20の結晶の形状や結晶径、空隙率などを制御することができる。
上述した第1、第2シンチレータ10,20及び第1、第2光検出器40,50は、次のように組み立てられる。第1光検出器40及び第1シンチレータ10に関しては、絶縁性基板40A上に、第1光検出器40のTFT42及びPD41、第1シンチレータ10を形成する。また、支持体21上に第2シンチレータ20を蒸着し、図示しない基板上に第2光検出器50を形成する(第2光検出器形成工程)。次に、一体の第1光検出器40及び第1シンチレータ10と、第2光検出器50とを貼り合わせ、第2光検出器50と第2シンチレータ20とを貼り合わせる。
このとき、第1、第2シンチレータ10,20の一方を第2光検出器50に接着層48を介して貼り合わせた後、第2光検出器50から基板(不図示)を剥離する(基板剥離工程)。そして、第1、第2シンチレータ10,20の他方と、第2光検出器50とを接着層48を介して貼り合わせ、保護膜30を形成することにより、X線画像検出装置1が製造される。
ここで、第2光検出器50の蒸着基板はいずれ第2光検出器50から剥離除去されるため、第2光検出器50の蒸着基板にガラス等の透明基板を用いる必要はなく、金属蒸着基板の使用が可能となる。熱伝導率が低いガラス等とCsIとの密着性は良いとは言えないため、金属蒸着基板に形成された光検出器上にシンチレータを蒸着することにより、第2光検出器50とシンチレータ10との密着性を向上させることができる。
なお、保護膜30は、防湿フィルムで第1、第2シンチレータ10,20を気密水密に包むなどの他の手段によって各シンチレータの防湿が図られる場合には、形成されなくてもよい。
また、第1、第2シンチレータ10,20のそれぞれと第2光検出器50との貼り合わせ方法には特に制限はなく、両者が光学的に結合されればよい。両者を貼り合わせる方法としては、両者を直接対向させて密着させる方法と、樹脂層を介して密着させる方法とのいずれをとってもよい。
〔3−6.付活剤濃度(付活剤濃度)〕
図7(B)は、第1、第2シンチレータ10,20の付活剤濃度の分布を示す。図7(B)には、第1、第2光検出器40,50が設けられている位置を破線で模式的に示した。
第1シンチレータ10における第1光検出器40近傍には、第1シンチレータ10における付活剤濃度の平均よりも付活濃度が相対的に高い高付活剤濃度領域R1が設けられている。
また、第2シンチレータ20における第2光検出器50近傍には、第2シンチレータ20における付活剤濃度の平均よりも付活濃度が相対的に高い高付活剤濃度領域R2が設けられている。
高付活剤濃度領域R1,R2のそれぞれの厚みは適宜決められる。第1、第2シンチレータ10,20のそれぞれにおける付活剤濃度の平均は、図7(B)の場合、各シンチレータにおいて高濃度Dとされた領域の厚みと、低濃度Dとされた領域の厚みとに基づいて決まり、高濃度Dと低濃度Dとの間の濃度(例えば、中濃度D)である。
高付活剤濃度領域R1,R2における付活剤濃度は、図7(B)の例では同じ高濃度Dであるが、違っていても良い。低濃度Dは、0であってもよい。すなわち、低濃度の部分は、Tlが添加されていないCsIから形成されていてもよい。
図7(A)は、第1、第2シンチレータ10,20毎の発光量を示す。図7(A)に実線で示した発光量は、第1シンチレータ10から発せられ、第1、第2光検出器40,50に入射する発光量である。この発光量は、図7(B)に示した第1シンチレータ10の部分P11における発光量と、第1シンチレータ10の部分P12における発光量とを含む。
一方、図7(A)に一点鎖線で示した発光量は、第2シンチレータ20から発せられ、主として第2光検出器50に入射する発光量である。この発光量は、図7(B)に示した第2シンチレータ20の部分P2における発光量を含む。
図7(A)に実線及び一点鎖線でそれぞれ示した発光量を示す2つの山形形状は、各部分P1、P11、及びP12の幅相応に対する発光量の急峻さを示す。これらP1、P11、及びP12の付活剤濃度は、図7(B)の横軸に関係しておらず、部分P1、P11、及びP12のそれぞれにおける付活剤濃度はいずれも高濃度DHである。
ここで、1つのシンチレータのみを用いる場合(図17)の付活剤濃度分布を示した図18(A)と図7(A)とを比較すると、図7(A)に一点鎖線で示した第2シンチレータ20の発光量の方が、図18(A)に一点鎖線で示した発光量よりも大きくかつ急峻である。図17のX線画像検出装置のように光検出器92がシンチレータ91のX線入射側にのみ設けられている構成とは異なり、図7の構成ではX線入射面11Aを構成する第1光検出器40に加えて、第1、第2シンチレータ10,20間にも第2光検出器50が設けられているため、第2シンチレータ20の部分P2で発光した蛍光が第1光検出器40までの光路長よりも光路長の短い第2光検出器50に入射する。光路長が短いことで光吸収が低下する。ここで、上述のように第2光検出器50から基板が剥離され、第1、第2シンチレータ10,20間の距離が極めて小さい(40μm以下)ことから、光路長を非常に小さくできる。以上から、第2シンチレータ20で発光し、第2光検出器50に入射する利用可能な発光量が、図7(B)の一点鎖線で示した発光量のように大きくかつ急峻となる。
また、図18(A)では、実線で示した発光量と、一点鎖線で示した発光量との大きさ及び急峻さに差があるのに対して、図7(A)では、実線で示した第1シンチレータ10の発光量と、一点鎖線で示した第2シンチレータ20の発光量との大きさ及び急峻さがほぼ等しい。
図17に示したX線画像検出装置のシンチレータ91では、図18(B)に示すようにシンチレータの厚み全体の付活剤濃度が高いのに対して、図7(B)の構成では第1シンチレータ10における第1光検出器40近傍の付活剤濃度のみが高く、第1シンチレータ10における第1光検出器40から離れた部分の付活剤濃度が低いため、この点で図7(A)に実線で示した発光量は図17(A)に実線で示した発光量よりも低い。
一方、シンチレータのX線入射側にのみ光検出器が設けられている図17の構成とは異なり、図7の構成では、第1光検出器40には遠くても第2光検出器50には近い第1シンチレータ10の部分P12で発光した蛍光が第2光検出器50に入射する。すなわち、第1シンチレータ10の部分P12の付活剤濃度がたとえ高付活剤濃度領域R1のように高くなくても、部分P12が第2光検出器50に近いことで、第1シンチレータ10の発光量は十分に大きい。部分P12と第2光検出器50との光路長が短いことで、急峻さも十分に大きい。
以上のように、第1、第2シンチレータ10,20間に第2光検出器50が設けられている構成において、第1、第2シンチレータ10,20における光検出器近傍の付活剤濃度が高いことにより、X線入射側でかつ光検出器92側からシンチレータ91にX線が照射される構成(図17)に対しても、発光量の一層の増大及びMTFのさらなる良化が図られる。
このため、図7に実線で示した第1シンチレータ10の発光量が図17に実線で示した発光量よりも小さい場合であっても、実線で示した発光量と、一点鎖線で示した発光量とを足したトータルの発光量は、図17よりも図7の方が大きくなる。
すなわち、1つのシンチレータのみを用いる場合(図17)のシンチレータ厚みt1よりも、図7に示したシンチレータ全体の厚みt2(第1、第2シンチレータの厚みの合計)を小さくできるので、薄型化を促進できるとともに、高価な蛍光体材料の使用量を減らしてコストダウンできる。
なお、図7(B)の例では、第1、第2シンチレータ10,20のいずれにも高付活剤濃度領域が設けられているが、第1、第2シンチレータ10,20の少なくとも一方において高付活剤濃度領域が設けられていればよい。
例えば、第1シンチレータ10に高付活剤濃度領域R1が設けられ、第2シンチレータ20には高付活剤濃度領域R2が設けられておらず、第2シンチレータ20の部分P2における付活剤濃度が低い、又は0の場合には、図7(A)に一点鎖線で示した発光量よりも発光量が小さくなるが、その場合でも、第1シンチレータ10における第1光検出器40近傍の付活剤濃度が高いことと、第1、第2シンチレータ10,20間に第2光検出器50が設けられていることによって、第1、第2シンチレータ10,20のそれぞれの発光量を足したトータルの発光量の一層の増大及び、トータルMTFのさらなる良化を実現できる。
一方、第2シンチレータ20において高付活剤濃度領域R2が設けられ、第1シンチレータ10において高付活剤濃度領域R1が設けられておらず、第2シンチレータ20の部分P11における付活剤濃度が低い、又は0の場合には、図7(A)に実線で示した発光量よりも発光量が小さくなるが、その場合でも、第2シンチレータ20における第2光検出器50近傍の付活剤濃度が高いことと、第1、第2シンチレータ10,20間に第2光検出器50が設けられていることによって、第1、第2シンチレータ10,20のそれぞれの発光量を足したトータルの発光量及び、トータルのMTFのさらなる良化を実現できる。
なお、高付活剤濃度領域R1,R2はそれぞれ、高付活剤濃度領域の例示に過ぎない。第1シンチレータ10における第1光検出器40近傍の付活剤濃度、あるいは第2シンチレータ20における第2光検出器50近傍の付活濃度が当該シンチレータにおける付活剤濃度の平均よりも高い限り、付活剤濃度の具体的分布は限定されず、例えば、図7(B)の第1、第2シンチレータ10,20の付活剤濃度分布において、付活剤濃度が勾配を有して連続的に変化していてもよい。あるいは、付活剤濃度が結晶高さ方向において段階的に変化していてもよい。
上述の第1、第2光検出器40,50、絶縁性基板40A、及び支持体21等には、例えばOPC(有機光電変換材料)、有機TFT、非晶質酸化物(例えば、a−IGZO)を用いたTFT、フレキシブル材料(アラミド、バイオナノファイバー)などを使用することができる。これらのデバイス関連材料については後述する。
〔4.付活剤濃度に関する作用効果〕
以上説明したX線画像検出装置1によれば、次のような作用及び効果が得られる。X線入射側から、第1光検出器40、第1シンチレータ10、基板から剥離された第2光検出器50、及び第2シンチレータ20を備える構成において、第1シンチレータ10における第1光検出器40近傍に高付活剤濃度領域R1が設けられていることにより、第1光検出器40に近い部分P11で発光量増大の効果を最大限に得つつ、第1光検出器40から離れた部分P12においても発光量を増大させることが可能となる。
また、X線入射側から、第1光検出器40、第1シンチレータ10、基板から剥離された第2光検出器50、及び第2シンチレータ20を備える構成において、第2シンチレータ20における第2光検出器50近傍に高付活剤濃度領域R2が設けられていることにより、X線入射面11Aから離れた側にある第2シンチレータ20における発光量の増加及び発光の拡がり抑制とが実現する。
以上により、X線入射側でかつ光検出器92側からシンチレータ91にX線が照射される構成においてシンチレータのX線入射側の主発光領域Sにおける付活剤濃度を高くすること(図16)に対して、発光量の一層の増大及びMTFのさらなる良化を図ることができる。これにより、検出感度及び検出画像の鮮鋭度を向上させることができる。
〔5.他の態様の付活剤濃度分布〕
図8は、第1、第2シンチレータ10,20に適用し得る他の付活剤濃度分布を示す。図7に示した第1シンチレータ10では、第1光検出器40近傍にのみ高付活剤濃度領域R1が設けられていたが、図8の第1シンチレータ10では、第2光検出器50近傍にも、第1シンチレータ10の付活剤濃度の平均よりも付活剤濃度が高い高付活剤濃度領域R3が設けられている。このように第2光検出器50近傍の付活濃度が高いことにより、第1シンチレータ10において第1光検出器40には遠いが第2光検出器50には近い部分P12の発光量を増大させることができる。部分P12から発せられた蛍光が第1光検出器40よりも光路長の短い第2光検出器50に入射することにより、部分P12の発光量が増大し、かつMTFも良化する。
また、第1シンチレータ10における高付活剤濃度領域R1、R3の間には、第1シンチレータ10の付活剤濃度の平均よりも付活剤濃度が低い低付活剤濃度領域R4が設けられている。すなわち、第1シンチレータ10の付活剤濃度分布は、X線入射側から順に、高、低、高となっている。
ここで、第1シンチレータ10の付活剤濃度に関しては、第1光検出器40近傍を含む領域における付活剤濃度が高い限り限定されず、第1シンチレータ10厚みの略全体に亘り付活剤濃度を高くしてもよいが、第1、第2光検出器40,50のほぼ中間に位置する領域で付活剤濃度を高くすることは、当該領域への付活によって得られる発光量増大分よりも当該領域での光の吸収量が多くなるため、画像の鮮鋭度の低下に繋がる。このため、当該領域では低付活剤濃度領域R4のように付活剤濃度を減らすことが好ましい。このようにすることで、付活剤濃度増大によるMTFの悪化を抑制できる。
実線で示した発光量と一点鎖線で示した発光量とを足したトータルの発光量において、図8は図18を上回る。また、実線で示した発光量と一点鎖線で示した発光量との差が大きい図18とは異なり、図8では第1、第2シンチレータ10,20のそれぞれの発光量の差があまりない。また、上述の図7との比較では、第1シンチレータ10における第2光検出器50近傍に高付活剤濃度領域R3が設けられたことにより、主として第2光検出器50に入射する発光量が更に大きくなるため、発光量をより一層増大させることができる。
図9は、第1、第2シンチレータ10,20に適用し得る他の付活剤濃度分布を示す。第1シンチレータ10における付活剤濃度は、結晶高さ方向において、高濃度Dと低濃度Dとに繰り返し変化している。図9に示した付活剤濃度は、矩形波の繰り返しパルス状に変化している。付活剤濃度変化の繰り返し回数は限定されない。このような構成において、第1シンチレータ10における第1光検出器40近傍に、第1シンチレータ10における付活剤濃度の平均よりも付活剤濃度が高い高濃度付活領域R1が設けられている。
また、第1シンチレータ10における第2光検出器50近傍にも、第1シンチレータ10における付活剤濃度の平均よりも付活剤濃度が高い高付活剤濃度領域R3が設けられている。
なお、付活剤濃度のパルス幅、パルス間隔等によっては、第1シンチレータ10における第1光検出器40近傍に複数の高付活剤濃度領域R1が設けられることを想定できる。同様に、第1シンチレータ10における第2光検出器50近傍に複数の高付活剤濃度領域R3が設けられることを想定できる。
一方、第2シンチレータ20の付活剤濃度は、上述した図7等と同様に、第2シンチレータ20の少なくとも第2光検出器50側の一部において、高濃度Dでほぼ一定とされている。
図9の付活剤濃度分布によっても、高付活剤濃度領域R1〜R3についてそれぞれ前述した作用効果を享受できる。
なお、第1シンチレータ10の付活剤濃度の平均が高濃度Dと低濃度Dとの中間の中濃度Dであるため、図8のように第1シンチレータ10の少なくとも一部において、付活剤濃度の平均よりも高い付活剤濃度でほぼ一定に保持される場合との比較においては、発光量が低い。但し、図18との比較において、実線で示した発光量と一点鎖線で示した発光量とを足したトータルの発光量としては、図9(A)の発光量は図18(A)の発光量に対して十分に大きい。
以上に加えて、図9のように付活剤濃度を高濃度と低濃度とに変化させることにより、低濃度の部分で、付活による結晶性の乱れを抑制する効果を得ることができる。特に、図1のように第1シンチレータ10が第1光検出器40上に蒸着される構成では、X線入射側(第1光検出器40側)でかつ付活剤濃度が高い部分が結晶成長初期の部分にあたり、この成長初期の部分の結晶性の乱れは、その後に成長する部分の結晶性を悪化させる大きな要因となるので、図9のように付活剤濃度を結晶成長方向において増減させることの効果が大きい。
なお、シンチレータの結晶性などを考慮して、パルスの幅、パルス間隔等を適宜決めることができる。また、パルスにおける高濃度及び低濃度はそれぞれ、一定であってもよいし、連続的にあるいは不連続に増加又は減少するものであってもよい。
図10は、第1、第2シンチレータ10,20に適用し得る他の付活剤濃度分布を示す。図10の付活剤濃度分布は、図9のように付活剤濃度が繰り返し変化する構成において図8に示したような付活剤濃度分布を具現したものである。
第1シンチレータ10における高付活剤濃度領域R1と高付活剤濃度領域R3との間には、第1シンチレータ10における付活剤濃度の平均よりも付活剤濃度が低い低付活剤濃度領域R4が設けられている。
図10の付活剤濃度分布によれば、高付活剤濃度領域R1〜R3、低付活剤濃度領域R4、及び付活剤濃度の繰り返し変化のそれぞれについて、前述した作用効果を享受できる。
図11は、第1、第2シンチレータ10,20に適用し得る他の付活剤濃度分布を示す。図11のように、第1光検出器40近傍の高付活剤濃度領域R1の付活剤濃度よりも、第2光検出器50近傍の高付活剤濃度領域R3の付活剤濃度を低くしてもよい。すなわち、同じ付活剤濃度を付与するとき、X線入射面11A(図1)に近い高付活剤濃度領域R1の発光量増大効果の方が第2光検出器50近傍の高付活剤濃度領域R3の発光量増大効果よりも大きいので、付与する付活剤濃度に見合う発光量増大効果を得るという観点からは、高付活剤濃度領域R3の付活剤濃度を高付活剤濃度領域R1の付活剤濃度よりも低くすることが好ましい。
〔6.他の態様のX線画像検出装置〕
以下、図1に示したX線画像検出装置1とは異なる構成のX線画像検出装置2〜4(図12〜図14)について説明する。これらX線画像検出装置2〜4は、前述したX線画像検出装置1の詳細構成と同様の構成を具備することが可能であって、これにより、X線画像検出装置1について述べた作用効果と同様の作用効果を奏する。また、X線画像検出装置2〜4には、後述する各種の光検出器や各種デバイス材料を採用することが可能である。
図12は、本発明の実施形態を説明するためのX線画像検出装置の他の一例を示す。
図1のX線画像検出装置1では、第1シンチレータ10が第1光検出器40上に蒸着されていたが、図12のX線画像検出装置2では、第1シンチレータ10が図示しない支持部材に蒸着された後、第1光検出器40に貼り合わせられている。
図12のX線画像検出装置2を製造する際には、絶縁性基板40A上に第1光検出器40のPD41及びTFT42を形成し、Al製等の図示しない支持部材上に第1シンチレータ10を形成する。また、図示しない基板上に第2光検出器50を形成し(第2光検出器形成工程)、支持体21上に第2シンチレータ20を形成する。これら第1、第2光検出器40、50及び第1、第2シンチレータ10,20の形成は順序を問わずに実施できる。次に、第1光検出器40と第1シンチレータ10間、第1シンチレータ10と第2光検出器50間、及び第2光検出器50と第2シンチレータ20間をそれぞれ、接着層48を介して貼り合わせる。
この場合の貼り合わせ方法としては、例えば、第1光検出器40と第1シンチレータ10とを貼り合わせた後で、第1シンチレータ10から図示しない支持部材を剥離して除去する(支持部材除去工程)。このように支持部材を除去すれば、温度変化時に支持部材のソリなどが生じることによるシンチレータの歪み、損傷等を防止できる。
一方、第2光検出器50と第2シンチレータ20とを貼り合わせた後で、第2光検出器50から図示しない基板を剥離する(基板剥離工程)。そして、第2光検出器50と第1シンチレータ10とを貼り合わせることにより、X線画像検出装置2が製造される。
また、次のようにしてもよい。まず、第1光検出器40と第1シンチレータ10とを貼り合わせた後で、第1シンチレータ10から図示しない支持部材を剥離して除去する(支持部材除去工程)。この後、第1シンチレータ10と第2光検出器50とを貼り合わせる。次に、第2光検出器50から図示しない基板を剥離する(基板剥離工程)。そして、第2光検出器50と第1シンチレータ10とを貼り合わせ、保護膜30を形成することにより、X線画像検出装置2が製造される。
図12のX線画像検出装置2では、第1光検出器40側に柱状結晶12Aの先端部が配置されるため、図1の構成と比較して、第1光検出器40側における第1シンチレータ10の結晶性が良い。図1のように、結晶成長初期の結晶性が良くない柱状結晶基端部が第1光検出器40に対向する場合、結晶性の良くない部分での光吸収が多くなるため、画像の鮮鋭度が低下するおそれがある。第1光検出器40近傍の付活剤濃度を高くすることで、図1の第1シンチレータの結晶性と図12の第1シンチレータの結晶性との差は大きくなる。すなわち、図12の構成によれば、図1の構成に対して、MTFを更に良化させることができる。
上記のように第1シンチレータ10から支持部材を除去する手間は、図1に示したX線画像検出装置1の製造に際しては不要なため、この点で図12の構成よりも図1の構成が有利である。
また、図1、図12のそれぞれのX線画像検出装置1,2を比べると、第1光検出器40に近い主発光領域での発光量を如何に大きくするという観点からは、図12のように結晶性の良い柱状結晶12A先端部が第2光検出器50に対向する構成が有利である。
図13は、本発明の実施形態を説明するためのX線画像検出装置の他の一例を示す。
図1のX線画像検出装置1では、第2シンチレータ20が第2光検出器50に貼り合わせられていたが、図13のX線画像検出装置3では、第2シンチレータ20が第2光検出器50に蒸着されている。すなわち、図13の構成では、第1、第2シンチレータ10,20のいずれも光検出器上に蒸着されている。
図13のX線画像検出装置3を製造する際には、絶縁性基板40A上に、第1光検出器40のTFT42及びPD41、第1シンチレータ10を形成する(第1光検出器形成工程)。また、図示しない基板上に、第2光検出器50、第2シンチレータ20をこの順で形成する(第2光検出器形成工程)。そして、第2シンチレータ20の第2光検出器50側とは反対側に、Al製、プラスチック製などの支持部材23を貼り合わせて第2シンチレータ20を支持した後、第2光検出器50から基板(不図示)を剥離する(基板剥離工程)。この支持部材23により、柱状結晶12A間の距離を維持できるので、第2光検出器50を基板から剥離する際に、柱状結晶12A同士が接触して損傷することを予防できる。
次に、一体の第1光検出器40及び第1シンチレータ10と、一体の第2光検出器50及び第2シンチレータ20とを接着層48を介して貼り合わせ、保護膜30を形成することにより、X線画像検出装置3が製造される。なお、第1シンチレータ10と第2シンチレータ20とを貼り合わせた後、支持部材23を除去してもよいが、支持部材23がAl製等であれば、第2シンチレータ20で発生した光の反射部材として機能する。支持部材23による光の反射により、第2光検出器50に入射する発光量を増大できる。
図1、図13のそれぞれのX線画像検出装置1,3を比べると、第2光検出器50からの基板剥離時に支持部材23を用いることが不要という点で、図1の構成が有利である。
図14は、本発明の実施形態を説明するためのX線画像検出装置の他の一例を示す。図14のX線画像検出装置4では、図12の第1シンチレータ10のように第1シンチレータ40が第1光検出器40に貼り合わせられており、図13の第2シンチレータ20のように第2光検出器50上に蒸着されている。
図14のX線画像検出装置4を製造する際には、絶縁性基板40A上に第1光検出器40のPD41及びTFT42を形成し、図示しない支持部材上に第1シンチレータ10を形成する。第1光検出器40と第1シンチレータ10とを貼り合わせた後で、第1シンチレータ10から図示しない支持部材を剥離して除去する(支持部材除去工程)。また、図示しない基板上に、第2光検出器50、第2シンチレータ20をこの順で形成する(第2光検出器形成工程)。
そして、第2シンチレータ20の第2光検出器50側とは反対側に、支持部材23を貼り合わせて第2シンチレータ20を支持した後、第2光検出器50から基板(不図示)を剥離する(基板剥離工程)。次に、貼り合わせて一体化した第1光検出器40及び第1シンチレータ10と、一体の第2光検出器50及び第2シンチレータ20とを接着層48を介して貼り合わせ、保護膜30を形成することにより、X線画像検出装置4が製造される。なお、第1シンチレータ10と第2シンチレータ20とを貼り合わせた後、支持部材23を除去してもよいが、支持部材23がAl製等であれば、第2シンチレータ20で発生した光の反射部材として機能する。支持部材23による光の反射により、第2光検出器50に入射する発光量を増大できる。
図14のX線画像検出装置4では、図1のX線画像検出装置1と同様に、第1シンチレータ10の柱状結晶12Aの先端部が第1光検出器40に対向しており、この柱状結晶212A先端部における付活剤濃度を高めることにより、上述したように、結晶性の乱れを抑制しつつ、発光量を増大させることができる。
図1、図14のそれぞれのX線画像検出装置1,4を比べると、第2光検出器50からの基板剥離時に支持部材23を用いることが不要という点で、図1の構成が有利である。
上述した図12〜図14の各X線画像検出装置2〜4についても、図7〜図11に示したような第1、第2シンチレータの付活剤濃度分布を適用できる。また、図7〜図11の付活剤濃度分布を組み合わせてもよい。
図1、図12〜図14の各X線画像検出装置において、上述した非柱状部13,14のような非柱状結晶を含む非柱状部が形成されていなくてもよい。但し、非柱状部を形成することにより、次のような効果が得られる。この非柱状部は、第1、第2シンチレータのそれぞれの任意の位置に形成することができる。
第1、第2シンチレータのそれぞれの結晶成長方向における基端部又は先端部に非柱状部を形成する場合には、第1、第2シンチレータのそれぞれと貼り合わせられる支持体や光検出器、あるいは、第1、第2シンチレータがそれぞれ蒸着される基板との密着性を確保することができる。密着性の確保により、支持体や光検出器からの剥離を防止でき、シンチレータの吸湿による性能劣化を防止できる。また、柱状結晶12Aの先端側に非柱状部が形成される場合には、非柱状部によってシンチレータ表面が平坦化されるので、シンチレータと光検出器とを均一に密着させることができる。これにより、検出画像の画質を均一化できる。
また、柱状部の端部に非柱状部を形成することによって、シンチレータ先端の強度を向上させることができる。これにより、耐衝撃性を向上させることができるほか、シンチレータと支持体あるいは光検出器が貼り合わせられる際の負荷に対する強度を確保することができるので、シンチレータと光検出器等とを強く押し当てて均一に密着させることができる。更に、シンチレータの強度確保により、シンチレータの耐荷重を大きくできるので、シンチレータパネルを装置筐体の天板に貼り合わせて用いることもできる。この際、第2光検出器から基板が剥離されていることで、天板と各光検出器とを極めて近接させることが可能となり、感度及び画質向上の効果をより大きなものとできる。なお、柱状部先端部への非柱状部の形成によって保護膜材料が柱状結晶間に流入することを防止できるため、MTF悪化を抑制する効果も得られる。
また、シンチレータの基端部(蒸着初期の部分)に非柱状部が形成される場合には、非柱状部をベースに柱状結晶12Aを結晶性良く成長させることができる。
非柱状結晶の径、厚み、空隙率などに応じて、非柱状部に反射特性を持たせることも可能であり、図1の例では、非柱状部14が第2シンチレータ20の支持体21側の端部に設けられていることにより、第2光検出器50に入射する発光量を増加させることができる。
〔7.光検出器の変形例〕
図15は、図2に示した第2光検出器50に置換可能な他の第2光検出器55を示す。第2光検出器55は、1つの画素について1つのTFT552と、TFT552を挟んで厚み方向両側に配置された2つのPD551,551とを備え、これらPD551とTFT552とが積層されて構成されている。このようにPD551とTFT552とが積層されているため、第2光検出器45を挟んで両側に配置される第1、第2シンチレータ間の距離を短くできる。これら第1、第2シンチレータ10,20間の距離は、前述したように40μm以下である。
図2の構成では、PD51とTFT52とが同一面上、あるいは略同一面上に配置され、第1、第2シンチレータ10,20の両方からの光がPD51に入射していたが、図15の構成ではTFT452のX線進行方向両側にPD551,551が設けられているため、第1シンチレータ10側に設けられた一方のPD551には第1シンチレータから発せられた光が入射し、他方のPD551には第2シンチレータから発せられた光が入射する。図2のPD51と比較して図15のPD551では受光面を広く確保できるため、PDへの光の入射量を大きくでき、光収集効率を向上させることができる。
また、PD551,551はそれぞれ、TFT551側に光反射層551Aを有しており、これによってTFT551のスイッチングノイズを低減できる。
また、図2の光検出器50、図15の光検出器55のいずれにおいても、アモルファス酸化物半導体(a−IGZO)によって形成されたTFTを用いることができる。a−IGZOの感度は波長350nm以上であり、可視光域には殆ど感度を持たないことから、光反射層を不要にできる。
また、PD、TFTには、有機材料を用いることもできる。図16は、OPC(有機光電変換材料)により形成された光電変換素子561と、有機材料により形成されたTFT562とを示す。これら光電変換素子561及びTFT562を有する第2光検出器56もまた、図2に示した第2光検出器50に置換可能である。
光電変換素子561及びTFT562に用いられる有機材料によるX線吸収が殆どないため、光電変換素子561及びTFT562を透過して第2シンチレータに到達するX線量を多くできる。ここで、シンチレータに緑光を発光するCsI:Tlが用いられかつ、光電変換素子561のOPCがキナクリドンであって、TFTの透明有機材料が例えば特開2009−212389号公報に記載されている化学式1のフタロシアニン化合物や化学式2のナフタロシアニン化合物などである場合には、図16のように光反射層を設けなくてもTFTのスイッチングノイズが生じ難い。光反射層を設けない場合には、第1シンチレータ側に配置された光電変換素子561から第2シンチレータ側へ光が漏れる場合があるが、漏れた光の殆どは、同一画素に対応する第2シンチレータ側の光電変換素子561に入射するので問題ない。
なお、図16にはTFTを挟んで両側に光電変換素子561が配置された例を示したが、図2のように、同一面上あるいは略同一面上に光電変換素子561及びTFT562が配置されていてもよい。
〔8.エネルギーサブトラクション撮影用パネル〕
ところで、2つのシンチレータを用いてエネルギーサブトラクション撮影用パネルを構成することも可能である。この場合には、第1、第2のシンチレータは、放射線Xに対する感度(K吸収端及び発光波長)が互いに異なる蛍光材料で構成されている。具体的には、第1シンチレータは、被写体を透過した放射線のうち低エネルギーの放射線が現す軟部組織の低圧画像を撮影するため、放射線吸収率μが高エネルギー部分にK吸収端を持たない、すなわち高エネルギー部分で吸収率μが不連続的に増加することのない蛍光材料で構成されている。また、第2シンチレータは、被写体を透過した放射線のうち高エネルギーの放射線が現す硬部組織の高圧画像を撮影するため、高エネルギー部分の放射線吸収率μが第1シンチレータに用いる蛍光材料よりも高くなっている蛍光材料で構成されている。
なお、「軟部組織」とは、筋肉、内臓等を含み、皮質骨及び/又は海綿骨等の骨組織以外の組織を意味する。また、「硬部組織」とは、硬組織とも呼ばれ、皮質骨及び/又は海綿骨等の骨組織を意味する。
第1、第2シンチレータにそれぞれ用いる蛍光材料は、放射線のエネルギーに対する感度が互い異なる蛍光材料であれば、シンチレータとして一般的に用いられるもの全てから適宜選択できるが、例えば以下の表1に列挙した蛍光材料から選択することができる。なお、第1、第2シンチレータにそれぞれ用いる蛍光材料は、撮影により得られる低圧画像と高圧画像の区別を明確にする観点から、放射線に対する感度が互いに異なるだけではなく、発光色も互いに異なることが好ましい。
なお、表1の蛍光材料の他にも、CsBr:Eu、ZnS:Cu、Gd22 S:Eu、Lu22S:Tb等も選択可能である。
ただし、高画質が得られるという観点から、上述の中でも柱状構造となる母体材料がCsIやCsBrを選択することが好ましい。特に、低圧画像は軟部組織の微細な部分を十分に表現できるような高画質が求められるため、第1シンチレータが柱状構造となる蛍光材料で構成することがより好ましい。具体的に、第1シンチレータを柱状構造とすると、第1シンチレータで変換された光は柱状構造の中を当該柱状構造の境界で反射しつつ進むことができ、光散乱が少なくなる。したがって、PD51の光の受光量が多くなり、もって高画質の低圧画像を得ることができるようになる。
また、所定の波長の光を吸収(遮光)するカラーフィルターが無くても撮影した放射線画像にノイズを与えないという観点から、上述の材料の中でもCsI:Tl、(Zn,C
d)S:Ag、CaWO:Pb、LaOBr:Tb、ZnS:Ag、CsI:Na以外の、ブロードでないシャープ(発光波長の狭い)な波長の光を発光するものが好ましい。このようなシャープな波長の光を発光する蛍光材料としては、例えば緑発光のGdS:Tb、La22S:Tb、青発光のBaFX:Eu(ただし、Xは、Br、Cl等のハロゲン元素)が挙げられる。この中でも、特に、第1、第2シンチレータに用いる蛍光材料の組み合わせは、青発光のBaFX:Euと緑発光のGdS:Tbの組み合わせが好ましい。
エネルギーサブトラクション撮影パネルを構成する場合には、第1、第2シンチレータの間に、第1、第2シンチレータ毎に光検出器(例えば、PDとTFT)を設ける。そして、第1、第2シンチレータのそれぞれの発光が混合することを回避するため、第1シンチレータ用のPDと、第2シンチレータ用のPDとの間には、遮光層が設けられる。
ここで、エネルギーサブトラクション撮影パネルに用いる第1、第2シンチレータにおいても、上述した構成、例えば付活剤濃度変化に係る構成を具備することにより、上述と同様の効果が得られる。そして、上述したX線画像検出装置をエネルギーサブトラクション撮影パネルとして構成することにより、写体を透過した放射線のうち低エネルギーの放射線が現す軟部組織の低圧画像、高エネルギーの放射線が現す硬部組織の高圧画像のいずれをも高精細に検出できる。
〔9.適用可能なデバイス材料〕
〔9−1.有機光電変換(OPC;Organic photoelectric conversion)材料〕
上述したPD51(図2)に、例えば特開2009−32854号公報に記載されたOPC(有機光電変換)材料を用いることができる。このOPC材料により形成された膜(以下、OPC膜という)をPD51の光導電層として使用できる。OPC膜は、有機光電変換材料を含み、シンチレータから発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。このように有機光電変換材料を含むOPC膜であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータによる発光以外の電磁波がOPC膜に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線がOPC膜で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
OPC膜を構成する有機光電変換材料は、シンチレータで発光した光を最も効率良く吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータの発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータの発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータから発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータの放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えば、アリーリデン系有機化合物、キナクリドン系有機化合物、及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータを構成する蛍光物質としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、OPC膜で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
PD51のバイアス電極及び電荷収集電極の間に設けられる有機層の少なくとも一部をOPC膜によって構成することができる。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、及び層間接触改良部位等の積み重ね若しくは混合により形成することができる。
上記有機層は、有機p型化合物又は有機n型化合物を含有することが好ましい。有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。更に詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物としては、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これらに限らず、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いることができる。
有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。更に詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これらに限らず、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いることができる。
p型有機色素又はn型有機色素としては、公知のものを用いることができるが、好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)等が挙げられる。
1対の電極間に、p型半導体層とn型半導体層とを有し、該p型半導体とn型半導体の少なくともいずれかが有機半導体であり、かつ、それらの半導体層の間に、該p型半導体及びn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を中間層として有する光電変換膜(感光層)を好適に用いることができる。このように、光電変換膜において、バルクへテロ接合構造層を含ませることにより有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。なお、上記バルクへテロ接合構造については、特開2007−303266号公報において詳細に説明されている。
光電変換膜の厚みは、シンチレータからの光を吸収する点では膜厚は大きいほど好ましいが、電荷分離に寄与しない割合を考慮すると、30nm以上300nm以下が好ましく、より好ましくは、50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
上述したOPC膜に関するその他の構成は、例えば、特開2009−32854号公報の記載が参考となる。
〔9−2.有機TFT(Thin Film Transistor)〕
上述したTFTTFT52には、無機材料が使われることが多いが、例えば特開2009−212389号公報に記載されたように、有機材料を使用することができる。有機TFTはいかなるタイプの構造でもよいが、最も好ましいのは電界効果型トランジスタ(FET)構造である。このFET構造は、最下層に基板を配置し、その上面の一部にゲート電極を設け、更に該電極を覆い、かつ電極以外の部分で基板と接するように絶縁体層を設けている。更に絶縁体層の上面に半導体活性層を設け、その上面の一部にソース電極とドレイン電極とを隔離して配置している。なお、この構成はトップコンタクト型素子と呼ばれるが、ソース電極とドレイン電極とが半導体活性層の下部にあるボトムコンタクト型素子も好ましく用いることができる。また、キャリアが有機半導体膜の膜厚方向に流れる縦型トランジスタ構造であってもよい。
(半導体活性層)
半導体活性層は、p型有機半導体材料を用いてなる。このp型有機半導体材料は実質的に無色透明である。有機半導体薄膜の膜厚は、例えば触針式膜厚計により測定できる。膜厚の異なる薄膜を複数作製して吸収スペクトルを測定し、検量線から膜厚30nmあたりの最大吸光度に換算してもよい。
ここでいう有機半導体材料とは、半導体の特性を示す有機材料のことであり、無機材料からなる半導体と同様に、正孔(ホール)をキャリアとして伝導するp型有機半導体材料(あるいは単にp型材料、正孔輸送材料とも言う。)と、電子をキャリアとして伝導するn型有機半導体材料(あるいは単にn型材料、電子輸送材料とも言う。)がある。有機半導体材料は一般にp型材料の方が良好な特性を示すものが多く、また、一般に大気下でのトランジスタ動作安定性もp型トランジスタの方が優れているため、ここでは、p型有機半導体材料について説明する。
有機薄膜トランジスタの特性の一つに、有機半導体層中のキャリアの動きやすさを示すキャリア移動度(単に移動度とも言う)μがある。用途によっても異なるが、一般に移動度は高い方がよく、1.0×10-7cm2/Vs以上であることが好ましく、1.0×10-6cm2/Vs以上であることがより好ましく、1.0×10-5cm2/Vs以上であることが更に好ましい。移動度は電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
前記p型有機半導体材料は、低分子材料でも高分子材料でも良いが、好ましくは低分子材料である。低分子材料は、昇華精製や再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの様々な精製法が適用できるため高純度化が容易であること、分子構造が定まっているため秩序の高い結晶構造を取りやすいこと、などの理由から高い特性を示すものが多い。低分子材料の分子量は、好ましくは100以上5000以下、より好ましくは150以上3000以下、更に好ましくは200以上2000以下である。
このようなp型有機半導体材料の好ましい具体例を示す。Buはブチル基、Prはプロピル基、Etはエチル基、Phはフェニル基をそれぞれ表す。
(半導体活性層以外の素子構成材料)
以下に、有機薄膜トランジスタにおける半導体活性層以外の素子構成材料について説明する。これらの各材料は、いずれも可視光又は赤外光の透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
基板としては、必要な平滑性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、ガラス、石英、光透過性プラスチックフィルムなどが挙げられる。光透過性プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。また、これらのプラスチックフィルムに、有機あるいは無機のフィラーを含有させてもよい。なお、基板として、アラミド、バイオナノファイバーなどを用いて形成されたフレキシブル基板をも好適に使用しうる。
ゲート電極、ソース電極、又はドレイン電極を構成する材料としては、必要な導電性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、ITO(インジウムドープ酸化スズ)、IZO(インジウムドープ酸化亜鉛)、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)などの導電性酸化物、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸)などの導電性ポリマー、カーボンナノチューブなどの炭素材料が挙げられる。これらの電極材料は、例えば真空蒸着法、スパッタリング、溶液塗布法等の方法で成膜することができる。
絶縁層に用いられる材料としては、必要な絶縁効果を有するものであれば特に制限はないが、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナなどの無機材料、ポリエステル(PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)など)、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリパラキシリレン樹脂、ノボラック樹脂、PVA(ポリビニルアルコール)、PS(ポリスチレン)、などの有機材料が挙げられる。これらの絶縁膜材料は、例えば真空蒸着法、スパッタリング、溶液塗布法等の方法で成膜することができる。
上述した有機TFTに関するその他の構成は、例えば、特開2009−212389号公報の記載が参考となる。
〔9−3.非晶質酸化物半導体〕
上述したTFTTFT52には、例えば特開2010−186860号公報に記載された非晶質酸化物を使用することができる。ここで、特開2010−186860号に記載された電界効果型トランジスタが有する非晶質酸化物含有の活性層について示す。この活性層は、電子又はホールの移動する電界効果型トランジスタのチャネル層として機能する。
活性層は、非晶質酸化物半導体を含んだ構成とされている。この非晶質酸化物半導体は、低温で成膜可能であるために、可撓性のある基板上に好適に形成される。
活性層に用いられる非晶質酸化物半導体としては、好ましくはIn、Sn、Zn、又はCdよりなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む非晶質酸化物であり、より好ましくは、In、Sn、Znよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物、更に好ましくは、In、Znよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物である。
活性層に用いられる非晶質酸化物としては、具体的には、In、ZnO,SnO、CdO,Indium−Zinc−Oxide(IZO)、Indium−Tin−Oxide(ITO)、Gallium−Zinc−Oxide(GZO)、Indium−Gallium−Oxide(IGO)、Indium−Gallium−Zinc−Oxide(IGZO)が挙げられる。
活性層の成膜方法としては、酸化物半導体の多結晶焼結体をターゲットとして、気相成膜法を用いるのが好ましい。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)が適している。更に、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。例えば、RFマグネトロンスパッタリング蒸着法により、真空度及び酸素流量を制御して成膜される。
成膜された活性層は、周知のX線回折法によりアモルファス膜であることが確認される。活性層の組成比は、RBS(ラザフォード後方散乱)分析法により求められる。
また、この活性層の電気伝導度は、好ましくは10−4Scm−1以上10Scm−1未満であり、より好ましくは10−1Scm−1以上10Scm−1未満である。この活性層の電気伝導度の調整方法としては、公知の酸素欠陥による調整方法や、組成比による調整方法、不純物による調整方法、酸化物半導体材料による調整方法が挙げられる。
上述した非晶質酸化物に関するその他の構成は、例えば、特開2010−186860号公報の記載が参考となる。
〔9−4.フレキシブル材料〕
フレキシブルでかつ低熱膨張、高強度といった、既存のガラスやプラスチックでは得られない特性を有するアラミド、バイオナノファイバー等を放射線画像検出装置に用いることも考えられる。
(1)アラミド
上述した支持体11や、制御モジュールの回路基板などとして、フレキシブル材料であるアラミドによって形成されたフィルム(あるいはシート、基板)を使用することができる。アラミド材料は、ガラス転移温度315℃という高い耐熱性、ヤング率が10GPaという高い剛性、熱膨張率が−3〜5ppm/℃という高い寸法安定性を有する。このため、アラミド製のフィルムを用いると、一般的な樹脂フィルムを用いる場合と比べて、半導体層やシンチレータの高品質の成膜が容易に行える。また、アラミド材料の高耐熱性により、透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化できる。更に、ハンダのリフロー工程を含むICの自動実装にも対応できる。また更に、ITO(indium tin oxide)やガス・バリア膜、ガラス基板と熱膨張係数が近いために、製造後の反りが少ない。そして,割れにくい。ここで、ハロゲンを含まないハロゲンフリー(JPCA−ES01−2003の規定に適合)なアラミド材料を用いることが環境負荷低減の点で好ましい。
アラミドフィルムは、ガラス基板やPET基板と積層されてもよいし、デバイスの筐体に貼り付けられてもよい。
アラミドの分子間の凝集力(水素結合力)の高さによる溶媒への低溶解性を分子設計によって解決することにより、無色透明で薄いフィルムへの成形が容易とされたアラミド材料についても、好適に用いることができる。モノマーユニットの秩序性、及び芳香環上の置換基種・位置を制御する分子設計により、アラミド材料の高剛性や寸法安定性に繋がる直線性の高い棒状の分子構造を維持しつつ、溶解性が良い成形の容易さが得られる。この分子設計により、ハロゲンフリーをも実現できる。
また、フィルムの面内方向の特性が最適化されたアラミド材料についても、好適に用いることができる。成型中に逐次変化するアラミドフィルムの強度に応じて、溶液キャスト、縦延伸、横延伸の工程ごとに張力条件を制御することにより、直線性の高い棒状分子構造であって物性に異方性が生じやすいアラミドフィルムの面内方向の特性をバランスできる。
具体的に、溶液キャスト工程では、溶媒の乾燥速度の制御による面内厚み方向の物性の等方化、溶媒を含んだ状態のフィルムの強度とキャスト・ドラムからの剥離強度の最適化、を図る。縦延伸工程では、延伸中に逐次変化するフィルムの強度、溶媒の残留量に応じた延伸条件を精密に制御する。横延伸工程では、加熱によって変化するフィルム強度の変化に応じた横延伸の条件の制御、フィルムの残留応力を緩和するための横延伸の条件の制御を図る。このようなアラミド材料の使用により、成型後のアラミドフィルムがカールしてしまう問題を解決できる。
上記の成形容易さに対する工夫、及びフィルム面内方向の特性のバランスに対する工夫のいずれにおいても、アラミドならではの直線性の高い棒状の分子構造が維持されているので、熱膨張係数を低く維持できる。製膜時の延伸条件の変更などにより、熱膨張係数を更に低減することも可能である。
(2)バイオナノファイバー
光の波長に対して十分に小さなコンポーネントは光散乱を生じないことから、ナノファイバーによって補強されたフレキシブルなプラスチック材料などを上述した絶縁性基板40Aや、制御モジュールの回路基板などに好適に使用することができる。ナノファイバーの中でも、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束が幅50nmと、可視光波長に対して約1/10のサイズでかつ、高強度、高弾性、低熱膨である特徴を有するバクテリアセルロースと透明樹脂との複合材料(バイオナノファイバーということがある)を好適に使用できる。
バクテリアセルロースシートにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を約60〜70%と高い比率で含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示す透明バイオナノファイバーが得られる。このバイオナノファイバーにより、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(約3〜7ppm)、鋼鉄並の強度(約460MPa)、及び高弾性(約30GPa)が得られる。
上述したバイオナノファイバーに関する構成は、例えば、特開2008−34556号公報の記載が参考となる。
以上説明したX線画像検出装置1は、医療用のX線撮影装置をはじめ、様々な装置に組み込んで使用することができる。特に、低放射線照射量で鮮鋭な画像を検出することを要求されるマンモグラフィ装置には、高感度、高精細であるという特徴を有する本例のX線画像検出装置1を好適に使用できる。
また、X線画像検出装置1は、医療用のX線撮影装置のほか、例えば、工業用のX線撮影装置として非破壊検査に用いたり、或いは、電磁波以外の粒子線(α線、β線、γ線)の検出装置として用いたりすることができ、その応用範囲は広い。
〔10.本明細書の開示内容〕
以上、説明したように、本明細書には、
放射線の照射によって蛍光を発する第1シンチレータ及び第2シンチレータと、
前記蛍光を検出する第1光検出器及び第2光検出器と、を備え、
放射線入射側から、前記第1光検出器、前記第1シンチレータ、前記第2光検出器、及び前記第2シンチレータの順に配置され、
前記第1シンチレータにおける前記第1光検出器近傍、及び前記第2シンチレータにおける前記第2光検出器近傍の少なくとも一方には、当該シンチレータにおける平均の付活剤濃度よりも付活剤濃度が相対的に高い高付活剤濃度領域が設けられる、放射線画像検出装置が開示されている。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第2光検出器は、基板上に形成され、当該基板から剥離されたものである、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1シンチレータにおける前記第2光検出器近傍にも、第1シンチレータにおける平均の付活剤濃度よりも付活剤濃度が相対的に高い高付活剤濃度領域が設けられる、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1シンチレータにおける前記第1光検出器近傍には、前記高付活剤濃度領域が設けられ、
前記第1シンチレータにおける前記第1光検出器近傍の前記高付活剤濃度領域と、前記第1シンチレータにおける前記第2光検出器近傍の前記高付活剤濃度領域との間には、第1シンチレータにおける平均の付活剤濃度よりも付活濃度が相対的に低い低付活剤濃度領域が設けられる、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1、第2シンチレータのうち少なくとも一方の付活剤濃度が、当該シンチレータの少なくとも一部で、放射線進行方向において高濃度と低濃度とに繰り返し変化する、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1シンチレータの付活剤濃度が、放射線進行方向において高濃度と低濃度とに繰り返し変化し、
前記第2シンチレータの付活剤濃度が、前記第2シンチレータの少なくとも前記第2光検出器側の一部において、前記第2シンチレータにおける付活剤濃度の平均よりも高い付活剤濃度でほぼ一定とされる、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1シンチレータにおける前記第2光検出器近傍の前記高付活剤濃度領域の付活剤濃度は、前記第1シンチレータにおける前記第1光検出器近傍の前記高付活剤濃度領域の付活剤濃度よりも相対的に低い、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1、第2シンチレータの対向する表面間の距離が40μm以下である、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1、第2光検出器のうち少なくとも第2光検出器が、受光により導電性を呈する光導電層と、当該導電層から電荷を取り出すための薄膜スイッチング素子とが積層あるいは平面的に配置されてなるものである、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1、第2光検出器のうち少なくとも第2光検出器が、有機材料を用いて形成される、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記第1、第2シンチレータはそれぞれ、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶の群で形成された柱状部を含む、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記柱状部の結晶成長方向端部には、非柱状の結晶を含む非柱状部が形成される、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置にあっては、
前記蛍光物質の母体はCsIであり、付活剤はTlである、ことが好ましい。
また、本願明細書には、
基板上に、前記第2光検出器を形成する第2光検出器形成工程と、
前記第2光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、を備える、放射線画像検出装置の製造方法が開示されている。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置の製造方法にあっては、
前記基板剥離工程では、前記第1光検出器上に形成した前記第1シンチレータ、及び支持体上に形成した前記第2シンチレータの一方と、前記基板上に形成した前記第2光検出器とを貼り合わせた後に、前記第2光検出器を前記基板から剥離し、
前記基板剥離工程後、前記第1、第2シンチレータの他方と、前記第2光検出器とを貼り合わせる、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置の製造方法にあっては、
支持部材上に、前記第1シンチレータを形成し、当該第1シンチレータと前記第1光検出器とを貼り合わせた後に、前記第1シンチレータから前記支持部材を除去する支持部材除去工程を備え、
前記基板剥離工程では、支持体上に形成した前記第2シンチレータと、前記第2光検出器とを貼り合わせた後に、前記第2光検出器から前記基板を剥離し、
前記支持部材除去工程及び前記基板剥離工程の後、前記第1シンチレータと前記第2光検出器とを貼り合わせる、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置の製造方法にあっては、
基板上に、前記第1光検出器、及び前記第1シンチレータをこの順に形成する第1光検出器形成工程を備え、
前記第2光検出器形成工程では、前記基板上に、前記第2光検出器、及び前記第2シンチレータをこの順に形成し、
前記基板剥離工程では、前記第2シンチレータの前記第2光検出器側とは反対側に、支持部材を貼り合わせた後、前記第2光検出器から前記基板を剥離し、
前記第1光検出器形成工程及び前記基板剥離工程の後、前記第1シンチレータと前記第2光検出器とを貼り合わせる、ことが好ましい。
本願明細書に開示された放射線画像検出装置の製造方法にあっては、
支持部材上に、前記第1シンチレータを形成し、当該第1シンチレータと前記第1光検出器とを貼り合わせた後に、前記第1シンチレータから前記支持部材を除去する支持部材除去工程を備え、
前記第2光検出器形成工程では、前記基板上に、前記第2光検出器、及び前記第2シンチレータをこの順に形成し、
前記基板剥離工程では、前記第2シンチレータの前記第2光検出器側とは反対側に、支持部材を貼り合わせた後、前記第2光検出器から前記基板を剥離し、
前記支持部材除去工程及び前記基板剥離工程の後、前記第1シンチレータと前記第2検出器とを貼り合わせる、ことが好ましい。
1〜4 X線画像検出装置(放射線画像検出装置)
10 第1シンチレータ
12 柱状部
12A 柱状結晶
13 非柱状部
13A 非柱状結晶
14 非柱状部
20 第2シンチレータ
21 支持体
23 支持部材
30 保護膜
40 第1光検出器
40A 絶縁性基板
41 PD(光導電層)
42 TFT(薄膜スイッチング素子)
42A 反射層
43 ゲート線
44 データ線
45 接続端子
46 フレキシブル配線
47 樹脂製の膜
48 接着層
50 第2光検出器
51 PD
52 TFT
52A 反射層
11A X線入射面
55 第2光検出器
551 PD
551A 光反射層
552 TFT
56 第2光検出器
561 光電変換素子
562 TFT
高濃度
低濃度
中濃度
P1,P2 部分
P2 部分
R1,R2,R3 高付活剤濃度領域
R4 低付活剤濃度領域
S 主発光領域

Claims (17)

  1. 放射線の照射によって蛍光を発する第1シンチレータ及び第2シンチレータと、
    前記蛍光を検出する第1光検出器及び第2光検出器と、を備え、
    放射線入射側から、前記第1光検出器、前記第1シンチレータ、前記第2光検出器、及び前記第2シンチレータの順に配置され、
    前記第1シンチレータにおける前記第1光検出器近傍、及び前記第2シンチレータにおける前記第2光検出器近傍の少なくとも一方には、当該シンチレータにおける平均の付活剤濃度よりも付活剤濃度が相対的に高い高付活剤濃度領域が設けられる、放射線画像検出装置。
  2. 請求項1に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第2光検出器は、基板上に形成され、当該基板から剥離されたものである、放射線画像検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1シンチレータにおける前記第2光検出器近傍にも、第1シンチレータにおける平均の付活剤濃度よりも付活剤濃度が相対的に高い高付活剤濃度領域が設けられる、放射線画像検出装置。
  4. 請求項3に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1シンチレータにおける前記第1光検出器近傍には、前記高付活剤濃度領域が設けられ、
    前記第1シンチレータにおける前記第1光検出器近傍の前記高付活剤濃度領域と、前記第1シンチレータにおける前記第2光検出器近傍の前記高付活剤濃度領域との間には、第1シンチレータにおける平均の付活剤濃度よりも付活濃度が相対的に低い低付活剤濃度領域が設けられる、放射線画像検出装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1、第2シンチレータのうち少なくとも一方の付活剤濃度が、当該シンチレータの少なくとも一部で、放射線進行方向において高濃度と低濃度とに繰り返し変化する、放射線画像検出装置。
  6. 請求項5に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1シンチレータの付活剤濃度が、放射線進行方向において高濃度と低濃度とに繰り返し変化し、
    前記第2シンチレータの付活剤濃度が、前記第2シンチレータの少なくとも前記第2光検出器側の一部において、前記第2シンチレータにおける付活剤濃度の平均よりも高い付活剤濃度でほぼ一定とされる、放射線画像検出装置。
  7. 請求項4から6のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1シンチレータにおける前記第2光検出器近傍の前記高付活剤濃度領域の付活剤濃度は、前記第1シンチレータにおける前記第1光検出器近傍の前記高付活剤濃度領域の付活剤濃度よりも相対的に低い、放射線画像検出装置。
  8. 請求項2から7のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1、第2シンチレータの対向する表面間の距離が40μm以下である、放射線画像検出装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1、第2光検出器のうち少なくとも第2光検出器が、受光により導電性を呈する光導電層と、当該導電層から電荷を取り出すための薄膜スイッチング素子とが積層あるいは平面的に配置されてなるものである、放射線画像検出装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1、第2光検出器のうち少なくとも第2光検出器が、有機材料を用いて形成される、放射線画像検出装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記第1、第2シンチレータはそれぞれ、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶の群で形成された柱状部を含む、放射線画像検出装置。
  12. 請求項11に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記柱状部の結晶成長方向端部には、非柱状の結晶を含む非柱状部が形成される、放射線画像検出装置。
  13. 請求項11又は12に記載の放射線画像検出装置であって、
    前記蛍光物質の母体はCsIであり、付活剤はTlである、放射線画像検出装置。
  14. 請求項2から13のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置を製造する方法であって、
    基板上に、前記第2光検出器を形成する第2光検出器形成工程と、
    前記第2光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、を備え、
    前記基板剥離工程では、前記第1光検出器上に形成した前記第1シンチレータ、及び支持体上に形成した前記第2シンチレータの一方と、前記基板上に形成した前記第2光検出器とを貼り合わせた後に、前記第2光検出器を前記基板から剥離し、
    前記基板剥離工程後、前記第1、第2シンチレータの他方と、前記第2光検出器とを貼り合わせる、放射線画像検出装置の製造方法。
  15. 請求項2から13のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置を製造する方法であって、
    基板上に、前記第2光検出器を形成する第2光検出器形成工程と、
    前記第2光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、
    支持部材上に、前記第1シンチレータを形成し、当該第1シンチレータと前記第1光検出器とを貼り合わせた後に、前記第1シンチレータから前記支持部材を除去する支持部材除去工程を備え、
    前記基板剥離工程では、支持体上に形成した前記第2シンチレータと、前記第2光検出器とを貼り合わせた後に、前記第2光検出器から前記基板を剥離し、
    前記支持部材除去工程及び前記基板剥離工程の後、前記第1シンチレータと前記第2光検出器とを貼り合わせる、放射線画像検出装置の製造方法。
  16. 請求項2から13のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置を製造する方法であって、
    基板上に、前記第2光検出器を形成する第2光検出器形成工程と、
    前記第2光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、
    基板上に、前記第1光検出器、及び前記第1シンチレータをこの順に形成する第1光検出器形成工程を備え、
    前記第2光検出器形成工程では、前記基板上に、前記第2光検出器、及び前記第2シンチレータをこの順に形成し、
    前記基板剥離工程では、前記第2シンチレータの前記第2光検出器側とは反対側に、支持部材を貼り合わせた後、前記第2光検出器から前記基板を剥離し、
    前記第1光検出器形成工程及び前記基板剥離工程の後、前記第1シンチレータと前記第2光検出器とを貼り合わせる、放射線画像検出装置の製造方法。
  17. 請求項2から13のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置を製造する方法であって、
    基板上に、前記第2光検出器を形成する第2光検出器形成工程と、
    前記第2光検出器から前記基板を剥離する基板剥離工程と、
    支持部材上に、前記第1シンチレータを形成し、当該第1シンチレータと前記第1光検出器とを貼り合わせた後に、前記第1シンチレータから前記支持部材を除去する支持部材除去工程を備え、
    前記第2光検出器形成工程では、前記基板上に、前記第2光検出器、及び前記第2シンチレータをこの順に形成し、
    前記基板剥離工程では、前記第2シンチレータの前記第2光検出器側とは反対側に、支持部材を貼り合わせた後、前記第2光検出器から前記基板を剥離し、
    前記支持部材除去工程及び前記基板剥離工程の後、前記第1シンチレータと前記第2検出器とを貼り合わせる、放射線画像検出装置の製造方法。
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