JP2012170963A - 熱間圧延ラインの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】目標の圧延所要時間を実現し、且つ、エネルギー消費量を抑制できる熱間圧延ラインの制御装置を提供する。
【解決手段】冷却スプレーの流量及び圧延速度の速度パターンを計算する初期スケジュール計算装置と、冷却スプレーの流量を修正し、冷却スプレーの流量の修正のみでは仕上ミル出側温度を対象被圧延材の全長に亘って目標値にできない場合、及び速度パターンに関する速度変更率を入力した場合に、速度パターンを修正するスケジュール修正装置と、速度パターンを用いて対象被圧延材の圧延所要時間を算出する圧延時間予測算出装置と、圧延所要時間が目標圧延時間以内であるように算出した速度変更率をスケジュール修正装置に出力する圧延時間調整装置と、速度パターンを用いて計算した圧延パワーを時間積分して得られるエネルギー消費量が最小となるように計算された速度変更率をスケジュール修正装置に出力するエネルギー消費量調整装置とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属製品を製造する熱間圧延ラインの制御装置に関する。
通常、熱間圧延ラインは、被圧延材を加熱する加熱炉、加熱された被圧延材を圧延する粗ミル及び仕上ミル、被圧延材を冷却する冷却装置、及び圧延後の被圧延材をコイル状に巻取る巻取り機から構成される。
熱間圧延ラインにおける被圧延材の温度履歴は、被圧延材の材質(機械的性質)に影響を与える。また、圧延処理中の被圧延材の温度は被圧延材の硬度を変化させ、圧延処理に要するエネルギー消費量に大きく影響を与える。このため、熱間圧延ラインの粗ミル出側、仕上ミル入側、仕上ミル出側などに温度計を配置し、温度計測を行っている。
被圧延材について所望の材質を実現するために、加熱炉内の雰囲気温度が調整され、被圧延材が加熱される。1つの被圧延材が加熱炉から抽出されてから次の被圧延材が加熱炉から抽出されるまでの時間を表す「抽出間隔時間」は、最大生産ピッチを達成するために、操業条件や搬送順序の予測などから決定される。例えば、先に圧延処理された被圧延材と後続の被圧延材とが熱間圧延ライン上で衝突しない最短の間隔となるように、抽出間隔時間は決定される。
この時、仕上ミルの圧延スタンド間に設置された冷却スプレー(以下において「ISC」という。)の流量、及び被圧延材が仕上ミル内を搬送される圧延速度を調整することで、被圧延材の全長に亘り、仕上ミル出側における被圧延材の目標温度を達成・保持している。
上記のように、被圧延材の圧延処理においては、製品の材質、生産量を考慮して圧延スケジュールが計画され、熱間圧延ラインが制御される。仕上ミル出側温度(以下において、「FDT」という。)は、製品の材質を確保するために、指定の目標値に制御される必要がある。また、仕上ミル入側において、被圧延材の先端から尾端に向けて被圧延材の温度が徐々に低下する「サーマルランダウン」と呼ばれる現象が起こる。このため、被圧延材の全長に亘りFDTを目標温度に維持するために、被圧延材全長に亘り、加速しながらISC流量を調整する必要がある。
一方、製品の生産量を増やすためには、被圧延材の抽出間隔時間を短くする必要がある。抽出間隔時間を短くするには、熱間圧延ライン上で被圧延材同士が衝突しない範囲で圧延速度を上げる必要がある。しかし、一般に金属材料を変形させる場合、付与するひずみが同一であっても、ひずみ速度が大きいほど変形に要する応力(変形抵抗)が増大する。このため、圧延速度を上げると圧延に要するエネルギー消費量は増加する。
したがって、圧延速度は、FDTを目標値に制御できる範囲で、生産量を増やすためにはできるだけ上げる必要があり、エネルギー消費量を低減するためにはできるだけ下げる必要がある。
エネルギー消費量を抑制する方法として、仕上ミルの前に加熱装置を設置している熱間圧延ラインを対象として、仕上ミルによる圧延の最高速度と加熱装置の昇温量とから決定されるエネルギー消費量が最小となるように、仕上ミルでの圧延最高速度及び加熱装置の昇温量を決定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ただし、特許文献1で提案された方法では、圧延速度を下げることにより生産量が低下することについて考慮されていない。
また、エネルギー消費量を予測計算する方法として、圧延処理の実績データに基づいて被圧延材一本あたりの圧延所要時間を予測し、加熱炉内のスラブデータから被圧延材毎の圧延時刻を予測し、被圧延材一本毎の圧延電力を圧延加工量に基づいて予測し、圧延工場のエネルギー消費量を予測する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。ただし、特許文献2で提案された方法では、圧延速度の変化によるエネルギー消費量への影響は考慮されていない。
特許第3444267号公報 特開昭64−15201号公報
熱間圧延ラインにおけるエネルギー消費量を抑制するために圧延速度を下げることにより、圧延所要時間が増大し、目標とする生産量を達成するために必要な抽出間隔時間を確保できなくなる可能性がある。一方、圧延速度を上げることにより、目標の圧延所要時間を実現できるものの、エネルギー消費量が増加してしまうという問題があった。
上記問題点に鑑み、本発明は、目標の圧延所要時間を実現し、且つ、エネルギー消費量を抑制できる熱間圧延ラインの制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、加熱炉、及び、連続して配置された複数の圧延スタンドと複数の圧延スタンド間に配置された冷却スプレーを有する仕上ミルを備える熱間圧延ラインの制御装置であって、(イ)圧延処理予定の複数の被圧延材に関する圧延処理スケジュールを含む操業情報に基づいて、加熱炉から複数の被圧延材が抽出される抽出間隔時間を算出する抽出間隔算定装置と、(ロ)抽出間隔時間と操業情報を用いて、複数の被圧延材の1つである対象被圧延材の目標圧延時間を算出する目標圧延時間算出装置と、(ハ)操業情報に基づき、冷却スプレーの流量、及び対象被圧延材が熱間圧延ラインを搬送される圧延速度の速度パターンを計算する初期スケジュール計算装置と、(ニ)冷却スプレーの流量を修正し、且つ、冷却スプレーの流量の修正のみでは仕上ミル出側温度を対象被圧延材の全長に亘って目標値にできない場合、及び速度パターンに関する速度変更率を入力した場合に、速度パターンを修正するスケジュール修正装置と、(ホ)速度パターンを用いて対象被圧延材の圧延所要時間を算出する圧延時間予測算出装置と、(ヘ)圧延所要時間が目標圧延時間以内であるように速度変更率を算出し、算出された速度変更率をスケジュール修正装置に出力する圧延時間調整装置と、(ト)熱間圧延ラインに設定された複数の狙い点における圧延パワーを速度パターンを用いて計算し、圧延パワーを時間積分して得られるエネルギー消費量が最小となるように計算された速度変更率をスケジュール修正装置に出力するエネルギー消費量調整装置とを備え、圧延所要時間が目標圧延時間以下である範囲において、エネルギー消費量が最小であるように冷却スプレーの流量及び速度パターンを決定する制御装置が提供される。
本発明によれば、目標の圧延所要時間を実現し、且つ、エネルギー消費量を抑制できる熱間圧延ラインの制御装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る制御装置の構成を示す模式図である。 熱間圧延ラインの構成例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る制御装置によって制御基準値を算出する方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示した熱間圧延ラインの圧延ミル周辺の構成例を示す模式図である。 被圧延材のセグメント番号と狙い点番号を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る制御装置による圧延時間の決定方法を説明するための概念図である。 被圧延材の長手方向における圧延パワーの変化を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る制御装置による、冷却スプレーの流量を変化させた場合の収束計算の例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る制御装置による速度修正方法の例を説明するための概念図である。 本発明の第2の実施形態に係る制御装置によって抽出間隔時間を決定する方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る制御装置の構成を示す模式図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1乃至第4の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る熱間圧延ラインの制御装置10は、図1に示すように、熱間圧延ライン20の制御装置であって、操業条件処理装置11、抽出間隔算出装置12、目標圧延時間算出装置13、初期スケジュール計算装置14、スケジュール修正装置15、圧延時間予測算出装置16、圧延時間調整装置17、エネルギー消費量調整装置18を備える。
制御装置10によって制御される熱間圧延ライン20は、加熱炉、及び、連続して配置された複数の圧延スタンドと複数の圧延スタンド間に配置された冷却スプレーを有する仕上ミルを備える。制御装置10の詳細を説明する前に、熱間圧延ライン20について図2を参照して説明する。図2に示した熱間圧延ライン20は、加熱炉21、粗ミル23、仕上ミル26、巻取り機28を有する。図2は、被圧延材100が加熱炉21から搬出された状態を示す。
加熱炉21から抽出された被圧延材100は、可逆式の粗ミル23により圧延される。粗ミル23は、通常1台〜数台の圧延スタンドを有し、被圧延材100を往復させながら粗ミル23に数回通過させることにより、粗ミル出側で目標の中間バー板厚まで圧延される。粗ミル23の圧延スタンドに被圧延材100を通過させることを以下において「パス」という。
粗ミル23で圧延された後、被圧延材100は粗ミル23出側から仕上ミル26入側まで搬送され、例えば5〜7基の圧延スタンド260からなる仕上ミル26によって所望の製品板厚まで圧延される。仕上ミル26の圧延スタンド260間には、図2では図示を省略された冷却スプレー(ISC)が設置されている。
また、図2に示すように、粗ミル23の入側に粗ミル入側デスケーラ22が配置され、仕上ミル26の入側に仕上ミル入側デスケーラ25が配置されている。更に、粗ミル23と仕上ミル26間の搬送テーブルエリアにコイルボックス24が配置されている。
仕上ミル26から搬出された被圧延材100は、冷却装置27で冷却された後、巻取り機28によってコイル状に巻取られる。冷却装置27は、例えば水冷装置である。
なお、熱間圧延ライン20の被圧延材100の搬送方向に沿って、粗ミル出側温度計291、仕上ミル入側温度計292、仕上ミル出側温度計293等の複数の温度計が配置されている。これらの温度計によって、熱間圧延ライン20の各位置における被圧延材100の温度が測定される。
次に、図1に示した制御装置10について説明する。
操業条件処理装置11は、入力された操業情報から、抽出間隔算出装置12及び初期スケジュール計算装置14に必要な操業条件PDIを出力する。操業情報は、所望の生産量を実現するために設定された操業指令や、オペレータによって指定された入力情報などとして制御装置10に入力される。操業情報には、圧延処理予定の複数の被圧延材に対する圧延処理スケジュールが含まれており、例えばFDTの目標値、製品の板厚・板幅、加熱炉21に抽入されるスラブの板厚・板幅・長さ、加熱炉21の抽出温度などを含む情報である。
抽出間隔算出装置12は、被処理材の本数や総処理時間等の操業条件PDIに基づき、加熱炉21から順次抽出される被圧延材100の抽出間隔時間tEXを算出する。なお、抽出間隔時間tEXは、1つの被圧延材100が加熱炉21から抽出されてから次の被圧延材100が加熱炉21から抽出されるまでの時間である。
目標圧延時間算出装置13は、抽出間隔時間tEXと操業情報に含まれる圧延速度の情報などを用いて、熱間圧延ライン20で処理予定の被圧延材100について目標圧延時間tTarを算出する。
初期スケジュール計算装置14は、操業条件PDIに基づき、仕上ミル出側における目標とする板厚や被圧延材温度を達成するために必要な制御基準値の初期値SV0を算出する。具体的には、圧延に必要なロールギャップ、熱間圧延ライン20に配置された冷却スプレー(ISC)の流量、及び処理対象の被圧延材100が熱間圧延ライン20を搬送される圧延速度の速度パターンを計算する。
スケジュール修正装置15は、被圧延材100全長に亘り目標仕上ミル出側温度(目標FDT)を達成するように、ISCの流量を修正する。更に、ISCの流量の修正のみでは仕上ミル出側温度(FDT)を全長に亘り目標値に一致できない場合、圧延速度の速度パターンを修正する。或いは、圧延速度の速度パターンに関する速度変更率αVを入力した場合には、入力された速度変更率αVを用いて圧延速度の速度パターンを修正する。
修正されたISCの流量や速度パターンは、熱間圧延ライン20を制御するための制御基準値SVとして熱間圧延ライン20に出力される。例えば、ISCの流量は、熱間圧延ライン20に配置されたISCのバルブを調整して流量を制御するアクチュエータに出力され、速度パターンは、仕上ミル26の圧延スタンド260のロールを駆動するドライブに出力される。
圧延時間予測算出装置16は、スケジュール修正装置15により決定された制御基準値SVに含まれる速度パターンを用いて、被圧延材100の圧延所要時間trmを算出する。
圧延時間調整装置17は、圧延時間予測算出装置16によって算出された圧延所要時間trmと、目標圧延時間算出装置13によって算出された目標圧延時間tTarとを比較する。そして、圧延所要時間trmが目標圧延時間tTar以内であるように、圧延速度の速度変更率αVを算出する。算出された速度変更率αVは、スケジュール修正装置15に出力される。
エネルギー消費量調整装置18は、スケジュール修正装置15により算出された速度パターンに基づいて、熱間圧延ライン20に設定された複数の計算点における圧延パワーを計算し、計算された圧延パワーを時間積分してエネルギー消費量を算出する。圧延パワーは、圧延スタンドを駆動するモータの駆動電流などを用いて算出される。また、エネルギー消費量が削減可能である場合、エネルギー消費量調整装置18は、エネルギー消費量を最小化するように速度変更率αVを計算し、スケジュール修正装置15に出力する。
上記のように、図1に示した制御装置10では、圧延所要時間trmを目標圧延時間tTar以内とする条件の下でエネルギー消費量を最小化するように、ISCの流量及び熱間圧延ライン20を搬送される被圧延材100の圧延速度の速度パターンが決定される。
以下に、図1に示した制御装置10によって熱間圧延ライン20を制御する方法の例を、図3を参照して説明する。図3において、左側のフローチャート31は圧延キャンペーンの計算方法を示す。「圧延キャンペーン」とは、連続して圧延処理が予定されている被圧延材の単位であり、例えば、熱間圧延ライン20のロール交換までに圧延処理が予定されている被圧延材の単位である。図3の右側のフローチャート32は、熱間圧延ライン20で処理予定の複数の被圧延材の1つである対象被圧延材100[a]の計算方法を示す。対象被圧延材100[a]は、ISCの流量及び速度パターンの作成対象であり、a番目に圧延処理が予定されている被圧延材である。
まず、フローチャート31に示した処理について説明する。
ステップS311において、操業条件処理装置11から送られてくる圧延キャンペーン内の操業条件PDIが抽出間隔算出装置12に入力される。
ステップS312において、抽出間隔算出装置12が、操業条件PDIに基づき抽出間隔時間tEX[a]を算出する。この抽出間隔時間tEX[a]は、被圧延材一本毎ではなく、圧延キャンペーン及び加熱炉操業条件に基づいて決定される。なお、符号[a]は、対象被圧延材100[a]に関する数値であることを表す(以下において同様)。
抽出間隔時間tEX[a]は、例えば加熱炉21内での加熱時間が決まっている場合、被圧延材100の加熱時間と加熱炉21に抽入された、若しくは抽入されると予測される時刻によって、決定される。
圧延キャンペーン、若しくは未圧延の被圧延材100の材数Pと、これらすべての被圧延材を圧延するために必要な時間の目標(以下において、「目標総圧延時間」という。)tTgtを用いて、対象被圧延材100[a]の抽出間隔時間tEX[a]は、以下の式(1)で計算される:

EX[a]=tTgt/P+f(FDTa[a],SGF[a],dh[a],l[a]) ・・・(1)

式(1)の右辺第二項は補正項であり、目標仕上ミル出側温度FDTa、材種区分SGF、総圧下量dh、圧延材長さlの関数で表される。これらの数値は予め決定されている。
抽出間隔時間tEX[a]の総和は、目標総圧延時間tTgtと等しくなる必要があるので、以下の式(2)、式(3)の関係が満たされる:

Tgt=ΣtEX[a] ・・・(2)
Σ(f(FDTa[a],SGF[a],dh[a],l[a]))=0 ・・・(3)

式(2)、式(3)で、Σはa=1からPまでの総和を表す。
次に、ステップS313において、目標圧延時間算出装置13が目標圧延時間tTarを算出する。目標圧延時間tTarは、圧延キャンペーン内の被圧延材を対象として計算される。以下に、目標圧延時間tTarの計算方法を示す。
a番目に圧延を予定している対象被圧延材100[a]の目標圧延時間tTar[a]は、次に圧延処理予定であるa+1番目の被圧延材100[a+1]に追いつかれずに圧延される必要がある。したがって、対象被圧延材100[a]の目標圧延時間tTar[a]は、以下の式(4)により計算される:

Tar[a]=tEX[a+1]+tR[a+1] ・・・(4)

式(4)で、tR[a]は、対象被圧延材100[a]の仕上ミル圧延開始位置到達時間である。「仕上ミル圧延開始位置到達時間」は、対象被圧延材100[a]が加熱炉21から抽出されてから仕上ミル圧延開始位置に到達するまでの時間である。「仕上ミル圧延開始位置」は任意に設定することができるが、例えば、対象被圧延材100[a]が先行する前被圧延材100[a-1]に近づきすぎた場合に、対象被圧延材100[a]が待機する位置に設定される。
仕上ミル圧延開始位置到達時間tR[a]は、以下の式(5)で表される:

R[a]=ΣtRr[n][a]+ΣtT[n][a]+tTFM[a] ・・・(5)

式(5)で、Σはn=1からNRまでの総和を表す。NRは粗ミル23の圧延スタンドの数である。また、tRr[n]は粗ミル23のn番目の圧延スタンドでの圧延所要時間、tT[n]は粗ミル23のn番目スタンド入側搬送時間、tTFMは粗ミル23の最終スタンド出側搬送時間である。
仕上ミル圧延開始位置は仕上ミル26よりも熱間圧延ライン20の上流側に位置している。このため、仕上ミル圧延開始位置より上流工程である粗ミル23による圧延時の速度や被圧延材が搬送される速度は、温度制御の影響を受けない。したがって、この段階で仕上ミル圧延開始位置到達時間tR[a]は精度よく予測することができる。
粗ミル23による圧延途中で次材に追いつかれる場合には、対象被圧延材100[a]若しくは次材の圧延速度を変更する必要がある。このため、粗ミル23のm台目の圧延スタンドにおいて、以下の式(6)の条件が満たされる必要がある:

ΣmRr[n][a]+ΣmT[n][a]≦tEX[a+1]+Σm-1Rr[n][a+1]+ΣmT[n][a+1] ・・・(6)

式(6)で、Σmはn=1からmまでの総和を表し、Σm-1はn=1からm−1までの総和を表す。
ここまでで算出された各被圧延材100の抽出間隔時間tEX[a]及び仕上ミル圧延開始位置到達時間tR[a]は、圧延時間調整装置17による圧延所要時間trmと目標圧延時間tTarとの比較に使用される。
以上により、フローチャート31に示した処理が終了する。
上記のように、圧延キャンペーンに対するフローチャート31に示した計算を行うタイミングにおいて、目標圧延時間tTarの計算が予め行われる。また、オペレータによる手動介入等によって圧延速度や抽出間隔時間tEXが変更された場合には、目標圧延時間tTarを再計算する必要がある。
次に、対象被圧延材100[a]に対するフローチャート32に示す処理を説明する。対象被圧延材100[a]に対する計算を実行するタイミングは、対象被圧延材100[a]を圧延する前の任意のタイミングで行う。
ステップS321において、初期スケジュール計算装置14が、操業条件処理装置11から送信される対象被圧延材100[a]の操業条件PDIを受信する。
ステップS322において、初期スケジュール計算装置14が、操業条件PDIに基づいてスケジュール計算を行う。スケジュール計算においては、仕上ミル出側における目標とする板厚や圧延材温度を達成するために、熱間圧延ライン20の操業条件やオペレータの入力データに基づいて、圧延に必要なロールギャップ、冷却水の流量及び被圧延材100の仕上ミル26圧延中の速度パターンなどが決定される。
図4に、仕上ミル26に関するスケジュール計算の対象である仕上ミルスケジュール計算エリアを示す。対象被圧延材100[a]の温度を予測するために、仕上ミル26の各スタンド間に設置されたISC265の流量の影響を考慮して、仕上ミル入側温度計292から仕上ミル出側温度計293まで、初期スケジュール計算装置14によって温度降下計算が行われる。
このとき、サーマルランダウン若しくは対象被圧延材100[a]の加減速により、対象被圧延材100[a]の長手方向の各位値において、目標FDTを達成するために必要なISC265の流量が異なる。このため、対象被圧延材100[a]の長手方向の任意の計算点毎に温度降下計算を行う必要がある。この計算点を、以下において「狙い点」という。図5(a)〜図5(c)に、被圧延材100のセグメント番号と狙い点番号を示す。
図5(a)は被圧延材100を示しており、図右端が先端、図左端が尾端である。被圧延材100の長手方向の任意の点を分かりやすく示すために、被圧延材100を等間隔に仮想的に分割した単位をセグメントと呼ぶ。図5(b)は、被圧延材100のセグメントを示す。簡単のために、セグメント番号は、被圧延材100の先端から尾端にかけて順につけられている。図5(c)は、狙い点番号を示す。狙い点0〜Mには、圧延処理において重要なポイントが選ばれる。狙い点は、例えば噛み込み点、圧延速度が最も大きくなる中間点、温度が低くなる尾端点などに設定される。
図3のステップS323〜S325において、スケジュール修正装置15が、目標FDTを対象被圧延材100[a]の全長に亘り達成できるように、以下のようにISC265の流量及び速度パターンを計算する。
ステップS323において、スケジュール修正装置15は、目標FDTを達成するようにISC265の流量を計算する。そのために、ISC265の流量を変化させて温度降下計算を行い、計算されたFDTが目標FDTと一致するように収束計算を行う。ISC265の流量を変化させた場合の収束計算の詳細については後述する。
上記の収束計算によって得られたISC265の流量を適用しても目標FDTを達成できない場合には、圧延速度の速度パターンを変更して目標FDTを達成する必要がある。具体的には、ISC265の流量を修正した場合に狙い点の一つでも目標FDTを達成できない場合は、ステップS324においてスケジュール修正装置15が、対象被圧延材100[a]の全長に亘っては目標FDTが達成できないと判定する。この場合、速度パターンを変更して目標FDTを達成するために、ステップS325において、スケジュール修正装置15が圧延速度の速度パターンを修正する。速度パターンの修正方法の詳細については後述する。
速度パターンを修正した後、処理はステップS323に戻り、修正した速度パターンを用いてISC265の流量が再度計算される。ステップS323〜S325を繰り返して、対象被圧延材100[a]の全長に亘り目標FDTを達成する速度パターンが決定される。
次いで、ステップS326において、圧延時間予測算出装置16が、対象被圧延材100[a]の圧延所要時間trm[a]を計算する。圧延所要時間trm[a]は、以下の式(7)によって表される:

rm[a]=tR[a]+tF[a] ・・・(7)

式(7)で、tF[a]は仕上ミル圧延開始位置以降、対象被圧延材100[a]の尾端が仕上ミル26を抜けるまでに要する圧延時間(以下において、「仕上ミル圧延時間」という。)である。
ステップS326においては、スケジュール修正装置15によって修正された速度パターンから、圧延所要時間trm[a]が計算される。式(7)に示すように、式(5)によって計算される仕上ミル圧延開始位置到達時間tR[a]と、仕上ミル圧延時間tF[a]の和が圧延所要時間trm[a]である。
次いで、ステップS327〜S329において、圧延時間調整装置17によって、圧延所要時間trm[a]が目標圧延時間tTar[a]以内となるように速度変更率αVが計算される。
ステップS327において、ステップS326で計算された圧延所要時間trm[a]が、目標圧延時間tTar[a]以内か否かが判断される。図6(a)〜図6(c)に、圧延時間の決定方法の概念図を示す。
図6(a)は、対象被圧延材100[a]が加熱炉21から抽出されたタイミングの状態を示す。図6(b)は、仕上ミル圧延開始位置到達時間tR[a]後における、仕上ミル圧延開始位置に対象被圧延材100[a]が到達したタイミングの状態を示す。このとき、対象被圧延材100[a]の次に処理される被圧延材100[a+1]の抽出間隔時間tEX[a+1]の方が、対象被圧延材100[a]の抽出間隔時間tEX[a]よりも小さければ、被圧延材100[a+1]は既に加熱炉21から抽出されていることになる。図6(c)は、仕上ミル圧延時間tF[a]後における、対象被圧延材100[a]の仕上ミル圧延が完了したタイミングの状態を示す。
圧延所要時間trm[a]が目標FDT以内であるためには、対象被圧延材100[a]が、次材に追いつかれることなく、仕上ミル圧延開始位置に到達している必要がある。したがって、対象被圧延材100[a]の仕上ミル圧延開始位置到達時間tR[a]と仕上ミル圧延時間tF[a]の和が、次材の抽出間隔時間tEX[a+1]と仕上ミル圧延開始位置到達時間tR[a+1]の和より小さければよい。つまり、以下の式(8)が成立すればよい:

R[a]+tF[a](cur)≦tEX[a+1]+tR[a+1]−deltaM ・・・(8)

式(8)において、deltaMは余裕分の時間を示しており、被圧延材同士が熱間圧延ライン20内で近づきすぎるのを避けるために予め決めておく固定値である。また、tF[a](cur)は、仕上ミル圧延時間tF[a]の現在値である。
式(8)の条件が満たされる場合、処理はステップS330に進み、消費エネルギー計算が行われる。
式(8)の条件が満たされない場合、図3のステップS328において、ISC265の流量、速度パターンが変更可能か否かが判断される。変更可能であれば、ステップS329において速度変更率αVが計算される。ISC265の流量、速度パターンが変更可能か否かは、ISC265の最大流量や圧延スタンド260を駆動するモータの能力などに基づいて判断される。
一方、ステップS328においてISC265の流量、速度パターンが変更可能でないならば、圧延時間調整装置17は、これ以上は仕上ミル圧延時間tF[a]を変更できないと判断する。その場合、速度パターンの修正を行わず、処理はステップS330に進む。
上記のステップS329の速度変更率計算では、式(8)を満たすように仕上ミル26における圧延速度について速度変更率αVが計算される。新たな仕上ミル圧延時間tF[a](new)は、以下の式(9)のように計算される:

F[a](new)=tEX[a+1]+tR[a+1]−tR[a]−deltaM ・・・(9)

圧延時間調整装置17は、仕上ミル圧延時間の現在値tF[a](cur)と、仕上ミル圧延時間の目標速度とを比較して、必要とする速度変更率αVを以下の式(10)を用いて計算する:

αV=C1×(tF[a](cur)/tF[a](new)) ・・・(10)

式(10)において、C1は経験的に決定された定数であり、固定値若しくはデータベースなどに記録されたテーブル値である。
ステップS329において仕上ミル速度の速度変更率αVを計算後、その速度変更率αVを用いて、ステップS325において速度パターンの修正が行われ、再びステップS323においてISC265の流量の修正計算が行われる。これにより、目標FDTを達成するように速度パターン及びISC265の流量が修正される。
ステップS327において圧延所要時間trm[a]が目標圧延時間tTar[a]以内である場合、若しくは、ステップS328においてISC265の流量及び速度パターンをこれ以上変更できない場合、処理はステップS330に進み、対象被圧延材100[a]の圧延に要するエネルギー消費量が計算される。
ステップS330〜S333において、エネルギー消費量調整装置18は、エネルギー消費量を計算し、エネルギー消費量を最小化するために必要な速度変更率αVを計算する。
ステップS330におけるエネルギー消費量の計算では、スケジュール修正装置15によって計算された速度パターンを用いて、狙い点における圧延パワー(kW)を計算する。エネルギー消費量調整装置18は、計算された圧延パワーを用いて、対象被圧延材100[a]が噛みこまれてから尾端抜けするまで、即ち、対象被圧延材100[a]全長に亘るエネルギー消費量(kWh)を計算する。
対象被圧延材100[a]を圧延するために必要なエネルギー消費量EPは、以下の式(11)によって表される:

P=ΣEj=Σ{(1/3600)×∫PWj(t)dt ・・・(11)

式(11)において、∫dtはt=0からsまでの時間積分を表す。ここで、s(sec)は圧延時間である。また、Σは粗ミル23又は仕上ミル26によって圧延されたすべての和を表し、Ej(kWh)はj回目の圧延おけるエネルギー消費量である。「j回目の圧延」は、粗ミル23のパス(R[1]〜R[NRP])及び仕上ミル26の圧延スタンド1〜NFのいずれかにおける圧延を意味する。
式(11)の狙い点iにおける圧延パワーPWi(kW)は以下のように計算される:

Wi=(1000×Vi×Gi)/Ri+PWLOSSi ・・・(12)

式(12)の圧延ロール速度Vi(m/s)、ロールトルクGi(kNm)、ロール半径Ri(mm)、損失パワーPWLOSSi(kW)は、スケジュール修正装置15により算出された値或いは経験的に得られた値を使用する。
圧延パワーPWiは、式(12)に示すように、圧延ロール速度ViとロールトルクGiに比例して変化する。図7に、被圧延材長手方向における圧延パワーPWiの変化を示す。図7の太線部Aが圧延パワーPWiの変化を示しており、狙い点間は線形補間されている。面積E0〜E4は、それぞれ狙い点間でのエネルギー消費量を示している。図7にハッチングで示した面積がエネルギー消費量である。即ち、エネルギー消費量は以下の式(13)で表される:

∫PWj(t)dt=Σ{(PWi+PW(i+1))×Si/2} ・・・(13)

式(13)で、∫dtはt=0からSまでの時間積分を表し、Σはi=0〜Mまでの総和を表す。Mは最終狙い点である。なお、Siは狙い点間の圧延時間を示しており、このSiは速度変化のケースによって異なる手段で算出される。例えば、ISC265を用いてFDTを制御する場合、狙い点間の速度は指定した加速度に基づいて等加速度で変化している。このため、圧延時間Siは以下の式(14)のように表される:

i=2Li/(Vi+1+Vi) ・・・(14)

式(14)で、Liは各狙い点間の距離である。
ステップS330でのエネルギー消費量の計算後、ステップS331において、エネルギー消費量調整装置18は、エネルギー消費量が削減可能かどうかを判定する。圧延時間調整装置17がこれ以上は仕上ミルの圧延時間を変更できないと判定した場合、若しくは直前のエネルギー消費量の計算においてエネルギー消費量の削減が見込めないと判断した場合、エネルギー消費量調整装置18は速度変更率αVを変更せず、ステップS334においてスケジュール修正装置15が制御基準値SVを出力して、処理を終了する。
一方、エネルギー消費量の削減が可能な場合は、ステップS332において、ISC265の流量や速度パターンが変更可能かどうかが判定される。ISC265の流量や速度パターンが変更可能であるならば、ステップS333において、新たな速度変更率αVを計算する。
エネルギー消費量の削減が可能であるか否かは、例えば以下のようにして判定される。
エネルギー消費量は、一般に、圧延速度を小さくすると減少する。これは、圧延に要するひずみ速度が小さくなるため、圧延荷重が小さくなるためである。一方、圧延スタンドのロールと被圧延材の間に潤滑油を適用する場合(潤滑圧延)には、圧延速度が増加するほど潤滑油の膜厚が厚くなり、ロールと被圧延材の間の摩擦による発熱量が低下し、熱間圧延ラインのエネルギー消費量が減少する。通常、前者の影響が大きいことが知られている。
そこで、速度変更率αVを一回目のエネルギー消費量の計算では圧延速度を下げる方向に決定し、二回目以降の計算では、速度変更率αVと、前回及び今回のエネルギー消費量計算結果を用いて、以下のように影響係数を算出する。
一回目のエネルギー消費量の計算では、式(15)のように、圧延速度を下げる方向に速度変更率αV(old)を決定にする:

αV(old))=C2 ・・・(15)

式(15)で、C2は定数であり、固定値若しくはデータベースのテーブル値などである。C2は、1.0よりも小さい。
二回目以降のエネルギー消費量の計算では、速度変更率αV、並びに前回計算されたエネルギー消費量EP(old)及び今回計算されたエネルギー消費量EP(new)を比較し、以下の式(16)、式(17)のように影響係数を算出する:

(∂E/∂αV(new)=(EP(new)−EP(old))/(αV(old)−1) ・・・(16)
αV(new)=1−C/(∂E/∂αV(new)×|EP(new)−EP(old)| ・・・(17)

前回及び今回のエネルギー消費量の差が小さい場合、即ち以下の式(18)を満たす場合、若しくは、速度変更率αVが小さい場合、即ち以下の式(19)を満たす場合には、エネルギー消費量の削減が可能ではないと判定される。その場合、次回のエネルギー消費量の計算時にステップS331において、エネルギー消費量は削減可能ではないとされ、ステップS334において制御基準値SVが出力される。

|EP(new)−EP(old)|<C ・・・(18)
|αV(old)−1|<C ・・・(19)

ここで、C3、C4、C5は経験的に得られた定数であり、固定値若しくはデータベースのテーブル値などである。
計算された速度変更率αV(new)を使用して、ステップS325において速度パターン修正され、ステップS323においてISC265の流量が修正される。これにより、被圧延材100の全長に亘ってFDTが目標温度に保持され、且つ、目標圧延時間tTar以内の条件下でエネルギー消費量が最小であるように、速度パターン及びISC265の流量が決定される。
以上により、フローチャート32に示した処理が終了する。
ここで、図8を参照して、図3のステップS323においてISC265の流量を変化させた場合の収束計算の例を説明する。図8のフローチャートにおいて、iは狙い点の番号を示し、nsは計算対象となる狙い点番号の最も小さい番号、neは最も大きい番号である。また、jは仕上ミル26の圧延スタンド260の番号を示し、最終圧延スタンド番号はNFである。図8に示したステップS600〜S613において、狙い点番号ns〜neのすべてについて、FDTが目標FDTであるように、ISC265の流量を変化させる。
S601において、FDTの計算に必要な狙い点iのデータを読み込む。必要となるデータは、少なくとも、仕上ミル入側温度FETi cal、被圧延材100の寸法、温度分布である。これらのデータは、既に算出されている場合はその算出値、算出されていない場合は予測値が用いられる。
ステップS602〜S611において、狙い点毎に計算温度FDTi calが目標FDTの許容値内であるように、ISC265の流量が修正される。
まず、ステップS602において、初期スケジュール計算装置14が、仕上ミル入側温度計292が配置された仕上ミル入側温度計位置から仕上ミル26の1番目の圧延スタンド入側まで温度降下計算を行う。
次いで、ステップS603〜S607において、仕上ミル26の1番目の圧延スタンド260[1]から最終の圧延スタンド260[NF]まで、圧延スタンド出側温度SDjTと圧延スタンド入側温度SEjTを計算する。圧延スタンド出側温度SDjTは、被圧延材100が圧延スタンド260との接触で失う温度降下量、圧延に伴なう加工発熱と摩擦熱による温度上昇量を考慮して算出される。ステップS606においては、仕上ミル26の圧延スタンド間に設置されているISC265の流量、大気との熱伝達による熱損失、及び大気への放射熱が考慮された温度降下計算を行う。
ステップS608において、仕上ミル出側温度計位置におけるFDTの計算温度FDTi calが算出される。
ステップS609において、計算温度FDTi calが目標FDTの許容値内であるか否かが判断される。計算温度FDTi calが目標FDTの許容値内であれば、ステップS612に進む。すべての狙い点iでの計算が終了していなければ、ステップS613において狙い点番号が1つ進められて、処理はステップS602に戻る。すべての狙い点iでの計算が終了していれば、処理を終了する。
一方、ステップS609において、計算温度FDTi calが目標FDTの許容値内でなければ、ステップS610に進み、ISC265の流量が変更可能かどうかが判断される。ISC265の流量が変更可能かどうかは、操業条件やオペレータ介入の変更可不可の情報、若しくはISC265の流量がリミット内であるかどうかに依存する。ISC265の流量が変更可能な場合には、ステップS611において、変更可能な範囲でISC265の流量を変更する。その後、処理はステップS602に戻る。
上記のように、仕上ミル入側温度計位置から仕上ミル出側温度計位置までの温度降下計算を行うことで、各狙い点における計算温度FDTi calを求めることができる。
次に、図3のステップS325における速度修正方法を、図9を参照して説明する。以下に説明する速度修正方法は、(1)圧延時間調整装置17又はエネルギー消費量調整装置18から出力された速度変更率αVを適用する方法であり、圧延速度の限界値チェック、及びISC265の流量の変更量の限界値チェックを行う。
図9(a)に破線で示した速度パターンSP1は、修正前の速度パターンの例である。図9(a)の横軸は時間軸であり、各タイミングを示している。「FETON」は被圧延材100の先端が仕上ミル入側温度計292を通過する時間、「FDTON」は被圧延材100の尾端が仕上ミル出側温度計293を通過する時間、「FDTOFF」は被圧延材100の尾端が仕上ミル出側温度計293を通過する時間である。「コイラON」は、被圧延材100の先端が巻取り機28に到達する時間である。
先ず、圧延速度の限界値チェックが行われる。図9(b)に、速度変更率αVを適用前後の速度パターンを示す。速度変更率αVが与えられた場合、予測されている速度パターンに速度変更率αVを積算して、速度パターンを修正する。図9(b)に実線で示した速度パターンSP2が、速度変更率αVを適用後の速度パターンである。
次に、ISC265の流量の変更量の限界値チェックが行われる。ここでは、速度変更率αVを適用後の図9(b)に示した速度パターンSP2を用いて、ISC265の流量を最大及び最小にした2つの条件下で、速度パターンの変更の必要性を調べる。速度パターンの変更の必要性は、仕上ミル入側温度計から仕上ミル出側温度計まで、セグメント毎に、温度降下計算を行って調べられる。図9(c)に実線で示したFDTTgが目標FDTであり、破線で示したFDTMAXがISC265の流量を最小とした条件におけるFDTの計算結果であり、FDTMINがISC265の流量を最大とした条件におけるFDTの計算結果である。図9(c)の横軸は各セグメントの先端からの位置である。各セグメントにおいてFDTTgが、FDTMAXとFDTMINの間である場合に、ISC265の流量を変更することにより被圧延材100全長に亘り目標FDTを達成できる。
したがって、ISC265の流量が最小の条件において、FDTがその目標温度よりも低くなるセグメントがある場合は、全てのセグメントが目標温度を達成するように速度パターンの速度を大きくする。
一方、ISC265の流量が最大の条件において、FDTがその目標温度よりも高くなるセグメントがある場合は、全てのセグメントが目標温度を達成するように速度パターンの速度を小さくする。
最後に、設定された圧延速度が圧延速度の限界値以内になるように、速度パターンを修正する。図9(d)に破線で示したSRMAXが圧延速度の上限値、SRMINが圧延速度の下限値である。被圧延材100が巻取り機28に到達するまでの圧延速度が、巻取り機28の空転限界値から決定される通板速度限界値を超えないように、速度パターンが修正される。巻取り機28到達後は、圧延スタンドを駆動するモータの回転速度限界値から決定される圧延速度限界値を超えないように、速度パターンが修正される。また、被圧延材100の尾端が仕上ミル26の最終圧延スタンドを抜ける速度の限界値が決定されている場合、その限界値を超えないように、速度パターンが修正される。
以上の手順によって速度パターンを修正した後、図3のステップS323におけるISC265の流量の修正計算を行うことにより、被圧延材100全長に亘り目標仕上ミル出側温度を達成する速度パターン及び流量が決定される。
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態に係る制御装置10によれば、被圧延材100の全長に亘り仕上ミル出側温度を目標温度に保つように、ISC265の流量及び被圧延材100の速度パターンが決定され、決定された速度パターンから圧延所要時間trmが正確に算出される。算出された圧延所要時間が、生産量に関わる操業指令やオペレータの入力情報に基づき計算した目標圧延時間tTar以内となるように、ISC265の流量及び速度パターンが修正される。
また、速度パターンを用いて複数の狙い点における圧延パワーが計算され、計算された圧延パワーを時間積分することによって圧延に要するエネルギー消費量が正確に算出される。目標圧延時間tTar以内でエネルギー消費量を最小化するように、ISC265の流量及び速度パターンが決定される。したがって、図1に示した制御装置10によれば、目標の圧延所要時間を実現し、且つ、熱間圧延ライン20のエネルギー消費量を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図10に、図1に示した熱間圧延ライン20の制御装置10によって行う、第2の実施形態に係る抽出間隔時間を決定する方法を説明するためのフローチャートを示す。
先ず、ステップS1010において、図3のフローチャート31を参照して説明した方法と同様に、被圧延材100の総材数がPである圧延キャンペーンの計算を実行する。続いて、ステップS1020〜S1140において、圧延キャンペーン内の被圧延材100[1]〜100[P-1]に対して、圧延順序に従って以下の計算を実施する。
ステップS1030において、計算済みの被圧延材100[a]の抽出間隔時間tEX[a]と被圧延材100[a+1]の抽出間隔時間tEX[a+1]との組合わせを、第1の抽出間隔時間組合せとする。
ステップS1040において、エネルギー消費量調整装置18が、抽出間隔時間tEX[a]、tEX[a+1]を使用して、被圧延材100[a]と被圧延材100[a+1]について、図3のフローチャート32を参照して説明したエネルギー消費量の計算を行って、エネルギー消費量EP[a]、EP[a+1]をそれぞれ算出する。更に、ステップS1050において、エネルギー消費量EP[a]とエネルギー消費量EP[a+1]の和Ptotを以下のように算出する:

tot= EP[a]+EP[a+1] ・・・(20)

続いて、ステップS1060において、被圧延材100[a]の抽出間隔時間tEX[a]を微小時間Δtだけ減少させ、被圧延材100[a+1]の抽出間隔時間tEX[a+1]を微小時間Δtだけ増加させる:

EX SU[a]=tEX[a]−Δt ・・・(21)
EX SU[a+1]=tEX[a+1]+Δt ・・・(22)

Δtは、例えば1〜5(sec)程度である。式(21)及び式(22)に表される抽出間隔時間tEX SU[a]、tEX SU[a+1]の組合せを第2の抽出間隔時間組合せとする。
ステップS1070において、抽出間隔時間tEX SU[a]、tEX SU[a+1]を用いて、被圧延材100[a]と被圧延材100[a+1]について、図3のフローチャート32を参照して説明したエネルギー消費量の計算を行って、エネルギー消費量EP SU[a]、EP SU[a+1]をそれぞれ算出する。更に、ステップS1080において、エネルギー消費量EP SU[a]とエネルギー消費量EP SU[a+1]の和Ptot SUを算出する:

tot SU= EP SU[a]+EP SU[a+1] ・・・(23)

次いで、ステップS1090において、被圧延材100[a]の抽出間隔時間tEX[a]を微小時間Δtだけ増加させ、被圧延材100[a+1]の抽出間隔時間tEX[a+1]を微小時間Δtだけ減少させる:AD

EX AD[a]=tEX[a]+Δt ・・・(24)
EX AD[a+1]=tEX[a+1]−Δt ・・・(25)

式(24)及び式(25)に表される抽出間隔時間tEX AD[a]、tEX AD[a+1]の組合せを第3の抽出間隔時間組合せとする。
ステップS1100において、抽出間隔時間tEX AD[a]、tEX AD[a+1]を用いて、被圧延材100[a]と被圧延材100[a+1]について、図3のフローチャート32を参照して説明したエネルギー消費量の計算を行って、エネルギー消費量EP AD[a]、EP AD[a+1]をそれぞれ算出する。更に、ステップS1110において、エネルギー消費量EP AD[a]とエネルギー消費量EP AD[a+1]の和Ptot ADを算出する:

tot AD= EP AD[a]+EP AD[a+1] ・・・(26)

ステップS1120において、エネルギー消費量の和Ptot、Ptot SU、Ptot ADのうちで最もエネルギー消費量が小さい場合の抽出間隔時間の組合せである第1、第2、及び第3の抽出間隔時間組合せのいずれかを採用する。採用した抽出間隔時間組合せを用いて、ISC265の流量及び速度パターンが決定される。
抽出間隔時間の組合せによっては、例えば、後から処理される被圧延材100[a+1]が、先の被圧延材100[a]の処理待ちのために熱間圧延ライン20において停止する場合がある。停止時間などによっては被圧延材100[a+1]が冷えてしまうという問題が生じる。しかし、上記の抽出間隔時間の決定方法によれば、最適な抽出間隔時間の組合せを採用することができる。
以上に説明したように、図10を参照して説明した抽出間隔時間の決定方法によれば、予定された被圧延材100全ての総抽出間隔時間は変わらない。このため、生産量を確保したまま、予定された被圧延材の総計のエネルギー消費量を削減する抽出間隔時間を決定することができる。他は、第1の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
(第3の実施形態)
抽出間隔時間tEXは、式(1)以外にも、以下の式(27)を用いて計算することができる:

EX=tTgt/P+χ(dh)(dh[a]−dhAV)+χ(l)(l[a]−lAV)+
χ(FDTa)(FDTa[a]−FDTaAV)+χ(Rp(GC))(Rp(GC[a])−Rp(GC)AV) ・・・(27)

式(27)で、dhは圧下量、lは被圧延材長さ、FDTaは目標FDT、GCは材種コードである。各項目について添え字AVがついている値は、予定される被圧延材全ての平均値であることを示す。関数Rp()は、材種コードGCに従って粗ミル23の圧延パス数を計算する。
また、関数χ()は、式(27)の各項目xの変化に対する圧延所要時間tの変化で計算される:

χ(x)=dt/dx ・・・(28)

つまり、本発明の第3の実施形態に係る制御装置10では、抽出間隔算出装置12が、処理予定のすべての対象被圧延材100[a]の平均圧下量dhAV、平均圧延材長lAV、平均仕上ミル出側温度FDTaAVを計算する。そして、対象被圧延材100[a]の圧下量dh[a]と平均圧下量dhAVとの差、圧延材長[a]と平均圧延材長lAVとの差、及び、目標仕上ミル出側温度FDTa[a]と平均仕上ミル出側温度FDTaAVとの差を用いて、抽出間隔時間を計算する。
上記の方法によれば、各被圧延材の圧下量、圧延材の長さ、目標FDT及び材種コードの抽出間隔時間への影響が考慮される。対象被圧延材100[a](a=1〜P)の式(27)で表される抽出間隔時間tEXの総和は目標総圧延時間tTgtであり、式(2)、式(3)を満たすことから、目標総圧延時間tTgtを達成する抽出間隔時間tEXを決定できる。他は、第1の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
(第4の実施形態)
図11に示す本発明の第4の実施形態に係る制御装置10は、抽出間隔算出装置12、目標圧延時間算出装置13を備えない点が、図1に示した制御装置10と異なる。その他の構成については、図1に示す第1の実施形態と同様である。 目標圧延時間tTarは、ミルペーシング等の外部の機能によって計算される場合も考えられる。図11に示した制御装置10は、加熱炉21側のミルペーシング機能を有する外部装置30によって計算された目標圧延時間tTarを用いて、熱間圧延ライン20を制御する。
圧延時間調整装置17において、外部装置30から入力される目標圧延時間tTarと、圧延時間予測算出装置16で算出された圧延所要時間trmとを比較して、圧延所要時間trmが目標圧延時間tTar以内となるように、圧延速度の速度変更率αVを計算する。この速度変更率αVに基づいて、スケジュール修正装置15によって速度パターンなどが修正される。そして、エネルギー消費量を削減可能である場合、エネルギー消費量調整装置18において、熱間圧延ライン20のエネルギー消費量を最小化するように速度変更率αVが算出される。
図11に示した制御装置10によれば、圧延所要時間trmがミルペーシング機能から入力される目標圧延時間tTar以内である条件の下で、エネルギー消費量を最小化することができる。他は、第1の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
上記のように、本発明は第1乃至第4の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10…制御装置
11…操業条件処理装置
12…抽出間隔算出装置
13…目標圧延時間算出装置
14…初期スケジュール計算装置
15…スケジュール修正装置
16…圧延時間予測算出装置
17…圧延時間調整装置
18…エネルギー消費量調整装置
20…熱間圧延ライン
21…加熱炉
23…粗ミル
26…仕上ミル
28…巻取り機
30…外部装置
100…被圧延材
260…圧延スタンド
265…ISC
291…粗ミル出側温度計
292…仕上ミル入側温度計
293…仕上ミル出側温度計

Claims (4)

  1. 加熱炉、及び、連続して配置された複数の圧延スタンドと前記複数の圧延スタンド間に配置された冷却スプレーを有する仕上ミルを備える熱間圧延ラインの制御装置であって、
    圧延処理予定の複数の被圧延材に関する圧延処理スケジュールを含む操業情報に基づいて、前記加熱炉から前記複数の被圧延材が抽出される抽出間隔時間を算出する抽出間隔算出装置と、
    前記抽出間隔時間と前記操業情報を用いて、前記複数の被圧延材の1つである対象被圧延材の目標圧延時間を算出する目標圧延時間算出装置と、
    前記操業情報に基づき、前記冷却スプレーの流量、及び前記対象被圧延材が前記熱間圧延ラインを搬送される圧延速度の速度パターンを計算する初期スケジュール計算装置と、
    前記冷却スプレーの流量を修正し、且つ、前記冷却スプレーの流量の修正のみでは仕上ミル出側温度を前記対象被圧延材の全長に亘って目標値にできない場合、及び前記速度パターンに関する速度変更率を入力した場合に、前記速度パターンを修正するスケジュール修正装置と、
    前記速度パターンを用いて前記対象被圧延材の圧延所要時間を算出する圧延時間予測算出装置と、
    前記圧延所要時間が前記目標圧延時間以内であるように前記速度変更率を算出し、算出された前記速度変更率を前記スケジュール修正装置に出力する圧延時間調整装置と、
    前記熱間圧延ラインに設定された複数の狙い点における圧延パワーを前記速度パターンを用いて計算し、前記圧延パワーを時間積分して得られるエネルギー消費量が最小となるように計算された前記速度変更率を前記スケジュール修正装置に出力するエネルギー消費量調整装置と
    を備え、
    前記圧延所要時間が前記目標圧延時間以下である範囲において、前記エネルギー消費量が最小であるように前記冷却スプレーの流量及び前記速度パターンを決定することを特徴とする熱間圧延ラインの制御装置。
  2. 前記抽出間隔算出装置が、前記加熱炉から第1の被圧延材が抽出されてから前記第1の被圧延材の次に第2の被圧延材が抽出されるまでの第1の抽出間隔時間、及び、前記加熱炉から前記第2の被圧延材が抽出されてから前記第2の被圧延材の次に第3の被圧延材が抽出されるまでの第2の抽出間隔時間を算出し、
    前記エネルギー消費量調整装置が、
    前記第1の抽出間隔時間と前記第2の抽出間隔時間からなる第1の抽出間隔時間組合せ、
    前記第1の抽出間隔時間を一定時間増加させ、且つ前記第2の抽出間隔時間を前記一定時間減少させた第2の抽出間隔時間組合せ、及び、
    前記第1の抽出間隔時間を前記一定時間減少させ、且つ前記第2の抽出間隔時間を前記一定時間増加させた第3の抽出間隔時間組合せ
    のそれぞれについて、前記第1の被圧延材の圧延処理で消費される第1のエネルギー消費量と前記第2の被圧延材の圧延処理で消費される第2のエネルギー消費量とのエネルギー消費量の和を算出し、
    前記エネルギー消費量の和が最小となる前記第1乃至第3の抽出間隔時間組合せのいずれかを用いて、前記冷却スプレーの流量及び前記速度パターンを決定することを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延ラインの制御装置。
  3. 前記抽出間隔算出装置が、前記対象被圧延材の圧下量と前記複数の被圧延材の平均圧下量との差、前記対象被圧延材の圧延材長と前記複数の被圧延材の平均圧延材長との差、及び、前記対象被圧延材の目標仕上ミル出側温度と前記複数の被圧延材の平均目標仕上ミル出側温度との差を用いて、前記抽出間隔時間を計算することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱間圧延ラインの制御装置。
  4. ミルペーシング機能によって算出された圧延時間を前記目標圧延時間として使用することを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延ラインの制御装置。
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