JP3444267B2 - 鋼板の圧延方法 - Google Patents

鋼板の圧延方法

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JP3444267B2
JP3444267B2 JP2000130730A JP2000130730A JP3444267B2 JP 3444267 B2 JP3444267 B2 JP 3444267B2 JP 2000130730 A JP2000130730 A JP 2000130730A JP 2000130730 A JP2000130730 A JP 2000130730A JP 3444267 B2 JP3444267 B2 JP 3444267B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板の圧延方法に
関する。より具体的には、本発明は、例えば、連続鋳造
鋳片等の鋼片に粗圧延および仕上圧延を行うことにより
製造される熱延鋼板の圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、熱延鋼板0の圧延工程10を模
式的に示す説明図である。同図に示すように、図示しな
い連続鋳造機により製造されたスラブ1は、加熱炉2に
装入されて所定の温度に加熱される。スラブ1は加熱炉
2により加熱された後、粗圧延機3により粗圧延を行わ
れて被圧延材(本明細書では「粗バー」という)4に薄
く延ばされる。粗バー4は、図示しない搬送テーブルに
より粗圧延機3から仕上圧延機5まで所定の搬送パター
ンで搬送される。この間に粗バー4は、加熱装置6によ
り加熱された後、複数スタンド(図示例ではスタンドF
1〜F7の7スタンド)からなる仕上圧延機5により所
定の板厚に仕上圧延され、続く冷却装置7により所定の
巻取温度に冷却され、巻取機8でコイル9に巻き取られ
る。この巻取温度とは、巻取機8の入り口での熱延鋼板
0の温度である。
【0003】この時の仕上圧延機5の出口における熱延
鋼板0の目標温度は、例えば低炭素鋼等では熱延鋼板0
の機械特性の関係から下限値(この場合の鋼板では83
0℃)が決まっており、また、仕上圧延機5の圧延ロー
ルのロール肌荒れの関係から上限値(この場合の鋼板で
は880℃)が決まっており、この830〜880℃の
間で目標とする機械特性が得られるように、仕上圧延機
5の出口における熱延鋼板0の目標温度は、例えば86
0℃として設定されている。
【0004】図2は、仕上圧延機5の通板速度の変更パ
ターンの一例を示すグラフである。同図に示すように、
仕上圧延機5の通板速度は、先端部および後端部の圧延
不良を抑制するとともに圧延時間を短縮するために、先
端部を圧延する際の通板速度V1 から徐々に加速されて
最高速度V2 まで上昇され、その後に後端部を圧延する
際の通板速度V3 まで低下される。
【0005】ところで、「鉄と鋼」(第77年(199
1)第4号、ホットストリップミルにおけるスタンド間
厚み計を用いた板厚制御システムの開発、529頁右段
5〜7行)には、仕上圧延機5の最高速度V2 は仕上出
口温度目標値と冷却装置7の冷却能力とに基づき決定す
ると記載されているだけであり、具体的な決定手法は何
ら記載されていない。また、特開平10−230313
号公報にも、仕上圧延機5において加速圧延を行うこと
が開示されているが、仕上圧延機5の最高速度V2 につ
いては仕上圧延機5の駆動電動機が有する出力範囲内で
決定する旨記載されているだけであり、具体的な決定手
法は何ら記載されていない。
【0006】さらに、特開平10−230313号公報
にも記載されているように、仕上圧延機5の圧延速度
は、仕上圧延機5の出口における熱延鋼板0の温度に大
きく影響し、熱延鋼板0の板厚が薄くなればなるほど熱
延鋼板0自体の熱容量が小さくなり、抜熱が大きくなっ
て温度低下が顕著になる。しかし、圧延速度をいくらで
も大きくすれば良いという訳ではなく、仕上圧延機5の
駆動電動機の出力の制約や、仕上圧延機5の前段スタン
ドF1、F2のロール肌荒れ抑制なども勘案する必要が
ある。
【0007】このため、仕上圧延機5の最高速度V
2 は、これらを勘案して操業経験に基づいて適宜設定さ
れてきた。このため、得られる熱延鋼板0の長手方向の
仕上出口温度を精度良く制御することは、難しかった。
【0008】そこで、特開平10−230313号公報
には、仕上圧延機5の入側に設置したソレノイダ型誘導
加熱装置を用いて粗バー4を加熱することにより、熱延
鋼板0の長手方向の温度を精度よく制御する発明が提案
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この発明で
も、仕上圧延機5の最高速度は経験的に決められている
ため、この最高速度が最適値ではない場合には、熱延鋼
板0の長手方向の温度を精度よく制御できない。つま
り、最高速度が最適値よりも低く設定されている場合
は、ソレノイダ型誘導加熱装置の昇温量を非常に大きく
設定する必要が生じ、エネルギーコストが著しく嵩む。
すなわち、ソレノイダ型誘導加熱装置は、電気エネルギ
を熱エネルギに変換するため、電磁モータのように電気
エネルギを回転エネルギに変換する場合に比較すると、
エネルギ変換効率が悪いためである。また、近年は交流
モータが多用されるが、この交流モータはメンテナンス
に要するランニングコストが低いのに対し、ソレノイダ
型誘導加熱装置の場合には、加熱コイルが消耗品であ
り、交流モータよりも寿命が非常に短いことも相まって
ランニングコストが増加する。
【0010】さらに、この発明では、仕上圧延機5の入
側の加熱装置6の昇温量を大きくしすぎると仕上圧延機
7の前段スタンドF1、F2における鋼板温度が高くな
り過ぎ、ロール肌荒れ等が発生してしまう。
【0011】ここに、本発明の目的は、エネルギコスト
の上昇をできるだけ抑制しながら、熱延鋼板0の長手方
向の仕上出口温度を精度良く制御することが可能な鋼板
の圧延方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱された鋼
片に対して粗圧延を行って被圧延材とし、加熱装置によ
り、この被圧延材に対して加熱を行って、仕上圧延機に
より、被圧延材の先端部から一般部へ向けて上昇すると
ともに一般部において最高速度となるように、被圧延材
の通板速度を変更しながら仕上圧延を行った後、冷却装
置により、所定温度まで冷却することを、順次行うこと
によって、複数の熱延鋼板を連続的に製造する際に、最
高速度が、仕上圧延機の駆動電動機が有する出力範囲で
許容される第1の最高速度と、冷却装置が有する冷却能
力範囲で許容される第2の最高速度とのうちの小さい速
度以下の速度に、設定されるとともに、加熱装置の昇温
量が、設定された最高速度で仕上圧延を行った際の仕上
圧延機の出口における熱延鋼板の温度が目標温度域を満
足するように、設定されることを特徴とする鋼板の圧延
方法である。
【0013】この本発明にかかる鋼板の圧延方法では、
さらに、最高速度が、第1の最高速度および第2の最高
速度のうちの小さい速度以下の範囲内で、圧延実績から
作成された、熱延鋼板の材質および寸法等に基づいた圧
延実績テーブルを用いて、設定されることが望ましい。
【0014】また、これらの本発明にかかる鋼板の圧延
方法では、さらに、最高速度および/または昇温量が、
最高速度と加熱装置の昇温量とから決定されるエネルギ
消費量が最小となるように、設定されることが望まし
い。
【0015】また、これらの本発明にかかる鋼板の圧延
方法では、さらに、最高速度および/または昇温量が、
仕上圧延機の入側の第1スタンドおよび/または第2ス
タンドにおける被圧延材の表面温度が950℃以下とな
るように、設定されることが望ましい。
【0016】さらに、これらの本発明にかかる鋼板の圧
延方法では、鋼片が、連続鋳造機により連続的に製造
された連続鋳造鋳片であること、被圧延材が、加熱装
置により、幅方向の全域にわたって加熱されることが、
例示される。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる鋼板の圧延方法の実施の形態を、添付図面を参照
しながら、詳細に説明する。
【0018】本実施形態においても、図1を参照しなが
ら前述した、熱延鋼板0の圧延工程10を用いた。そこ
で、この圧延工程10について簡単に説明する。同図に
示すように、図示しない連続鋳造機により製造された、
厚さが例えば250mmのスラブ1は、加熱炉2に装入
されて所定の温度に加熱される。スラブ1は加熱炉2に
より加熱された後、粗圧延機3により粗圧延を行われ
て、板厚が例えば30mmの粗バー4に薄く引き延ばさ
れる。
【0019】この粗圧延の段階で、粗圧延機3の出口温
度計(図示しない)にて粗バー4の温度が測定される。
粗バー4の測定された温度は、サンプリング装置により
粗バー4の長手方向の定長ピッチにて各サンプリング点
にひも付けされた形でサンプリングされる。
【0020】粗バー4は、図示しない搬送テーブルによ
り粗圧延機3から仕上圧延機5まで所定の搬送パターン
で搬送される。この間に粗バー4は、誘導加熱装置6に
より加熱される。この際、粗バー4は、誘導加熱装置6
の直前に設置されたメジャリングロール(図示しない)
により、この到達時点から、粗バー4の各サンプリング
点が誘導加熱装置6に到達するタイミングを逐次トラッ
キングされる。そして、各サンプリング点が誘導加熱装
置6の直下に到達したタイミングで、後述する計算方法
に基づいて昇温量が計算される。
【0021】粗バー4は、誘導加熱装置6により加熱さ
れた後、複数スタンド(図示例ではスタンドF1〜F7
の7スタンド)からなる仕上圧延機5により所定の板厚
に仕上圧延され、続く冷却装置7により所定の巻取温度
に冷却され、巻取機8でコイル9に巻き取られる。
【0022】本実施形態では、仕上圧延機5における最
高速度V2 が、仕上圧延機5の駆動電動機が有する出力
範囲で許容される第1の最高速度と、冷却装置7が有す
る冷却能力範囲で許容される第2の最高速度とのうちの
小さい速度以下の速度V2 ’に、設定される。また、本
実施形態では、誘導加熱装置6の昇温量が、設定された
最高速度V2 ’で仕上圧延を行った際の仕上圧延機5の
出口における熱延鋼板0の温度が目標温度域を満足する
ように、設定される。
【0023】すなわち、熱延鋼板0が特に薄物鋼板であ
る場合に問題となる仕上圧延機5の出口における鋼板温
度の確保のためには、仕上圧延機5の最高速度V2 を大
きくするか、または誘導加熱装置6の昇温量を大きくす
るかを行う必要がある。本実施形態では、加熱装置6の
昇温量を大きくするとエネルギコストの増加を招くこと
から、仕上圧延機5の最高速度V2 を極力大きく設定す
ることにより仕上出口温度を確保し、その不足分を誘導
加熱装置6で補償するものである。
【0024】具体的には、仕上圧延機5の最高速度V2
を、仕上圧延機5の駆動電動機の出力範囲で許容される
第1の最高速度と、冷却設備7での冷却能力範囲で許容
される第2の最高速度とのうちの小さいほうの速度以下
の速度V2 ’とすることにより、仕上圧延機5の能力を
最大限発揮するとともに、不足分を誘導加熱装置6で加
熱することにより補うのである。
【0025】ここで、仕上圧延機5の下流に設けられた
冷却装置7の能力も無限大ではないため、仕上圧延機5
の最高速度を高くし過ぎると単位時間当たりの抜熱量が
低下し、所定の巻取温度まで冷却できないおそれがる。
このため、本実施形態では、仕上圧延機5の最高速度
を、冷却装置7の冷却能力内の速度に設定する。
【0026】本実施形態では、粗バー4が誘導加熱装置
6の直前に設置されたメジャリングロールに到達した時
点から、粗バー4の各サンプリング点が誘導加熱装置6
に到達するタイミングを逐次トラッキングし、各サンプ
リング点が誘導加熱装置6の直下に到達したタイミング
で、下記に示す計算方法に基づいて昇温量を計算する。
【0027】図3は、加熱装置6による昇温量の計算フ
ローを示すフローチャートである。ステップ(以下、単
に「S」と略記する)1において、鋼板0の材質、寸法
(厚さ、幅等)および圧延情報(仕上圧延機5の入側板
厚、仕上出口目標温度、仕上圧延機5の各スタンドF1
〜F7の出口板厚等)が、図示しない圧延ラインプロセ
スコンピュータから入力されて設定される。そして、S
2に移行する。
【0028】S2において、仕上圧延機5以降の冷却装
置7の能力で熱延鋼板0を目標の巻取り温度まで冷却可
能な最大速度を計算し、それを最高速度の初期値とす
る。そして、S3へ移行する。
【0029】S3において、誘導加熱装置6の昇温量Δ
THを0とする。そして、S4へ移行する。S4におい
て、仕上圧延機5の最終スタンドF7の最高速度Vmax
の初期値を設定する。また、それより上流スタンドF6
の速度はマスフロー一定条件に基づいて設定する。そし
て、S5に移行する。
【0030】S5において、それより上流スタンドF5
〜F1の速度はマスフロー一定条件に基づいて設定す
る。そして、S6に移行する。S6において、実際に温
度計算を行い、S6に移行する。この際、粗圧延機3の
出口温度(測定値あるいは計算値)を温度降下計算の初
期値として、仕上圧延機5の入側テーブル、仕上圧延機
5の最高速度に基づき、仕上圧延機5の各スタンドF1
〜F7の出口の温度及び仕上圧延機5の出口の温度を下
記(1)式〜(6)式に基づいて予測する。
【0031】 T=T0−△T ・・・・・・・(1) △T=△Tw+△Ta+△Tr−△Tq ・・・・・・・(2) △Tw=hw( tw)(T−Tw) ・・・・・・・(3) △Ta=ha( ta)(T−Ta) ・・・・・・・(4) △Tr=hr( tm)(T−Tr) ・・・・・・・(5) △Tq=hq( tm)・G・η ・・・・・・・(6) ここで、Tは鋼板温度であり、T0は鋼板の初期温度で
あり、△Tは鋼板の温度降下量であり、△Tw( tw)は
水冷による温度降下量であり、△Ta( ta)は空冷によ
る温度降下量であり、△Tr( tr)はロール接触による
温度降下量であり、△Tq( tq)は加工発熱による温度
上昇量であり、tw 、ta 、tm はそれぞれ水冷、空
冷、圧延に要した時間であり、圧延機や搬送テーブルの
速度パターンから求める。また、Gは圧延トルクであ
り、hw、ha、hr、hqは熱伝達係数であり、ηは
圧延トルクの加工発熱に変化する割合を表す。
【0032】S7において、S6における温度計算値に
基づいて、次式の公知の式に基づき圧延荷重、圧延トル
ク及び圧延パワー(モータパワー)P Mi(Vmax ) (i=1.
・・・・.N) 、加熱装置パワーが計算される。そして、
S8へ移行する。
【0033】
【数1】
【0034】ここで、Pは圧延荷重であり、bは板幅で
あり、Kfmは平均変形抵抗であり、R’は偏平ロール半
径であり、Hは入口板厚であり、hは出口板厚であり、
Mはミル剛性係数であり、φはロールの接触角度であ
り、QP は圧下力関数であり、iはスタンド番号であ
り、αはトルクアーク係数であり、Rはロール半径であ
り、σb は後方張力であり、σf は前方張力であり、V
はロール周速度であり、P M はモータパワーであり、ΔT
HTは加熱装置の昇温量であり、φは加熱効率であり、
aは係数であり、H0 は粗バー厚であり、V0 は粗バー
の加熱装置通過速度であり、θは密度であり、cは比熱
である。
【0035】S8において、圧延パワーが最大値か否か
が判断される。最大値である場合にはS9へ移行し、最
大値でない場合にはS10へ移行する。S9では、仕上
出口温度が目標値であるか否かが判断される。最大値で
ある場合にはS11へ移行し、最大値でない場合にはS
12へ移行する。
【0036】S11において、決定された最高速度に基
づいて仕上圧延機5の最終スタンドF7の最高速度V
max と、誘導加熱装置6の昇温量ΔTTHとが設定され
る。そして、これらの設定値に基づいて、圧延が行われ
る。
【0037】一方、S10においては仕上圧延機5の最
終スタンドF7の最高速度Vmax が修正され、S5へ移
行する。これにより、モータパワーが最大値に成るまで
最高速度が修正される。
【0038】また、S12において、仕上出口温度が目
標温度になるように誘導加熱装置6の昇温量ΔTTHが修
正される。これにより、誘導加熱装置6の昇温量ΔTTH
を修正しながら最適な最高速度Vmax と昇温量ΔTTH
がともに決定される。
【0039】このようにして、本実施形態により、誘導
加熱装置6のエネルギ消費が最小に抑制される。 (第2実施形態)次に、第2の実施形態を説明する。な
お、以降の各実施形態の説明では、第1実施形態と相違
する部分を説明し、共通する部分については重複する説
明を省略する。
【0040】本実施形態では、仕上圧延機5の最高速度
max が、第1の最高速度および第2の最高速度のうち
の小さい速度以下の範囲内で、圧延実績から作成され
た、熱延鋼板0の材質および寸法等に基づいた圧延実績
テーブルを用いて、設定される。
【0041】すなわち、本実施形態は、仕上圧延機5の
最高速度Vmax をモータパワーの最大値に設定するので
はなく、予め作成したテーブル値から設定するのであ
り、図3のフローチャートにおいて、S10の最高速度
の修正を行わずに、テーブル値で決めた最高速度Vmax
に基づいて、仕上出口温度が目標値になるような誘導加
熱装置6の昇温量ΔTTHを決定する。
【0042】(第3実施形態)図4は、本実施形態の加
熱装置6による昇温量の計算フローを示すフローチャー
トである。
【0043】本実施形態では、仕上圧延機5の最高速度
max および/または昇温量ΔTTHを、ともに、最高速
度Vmax と誘導加熱装置6の昇温量ΔTTHとから決定さ
れるエネルギ消費量が最小となるように、設定する。
【0044】すなわち、本実施形態では、第1実施形態
において、S7の後のS13において誘導加熱装置6の
パワーPTH(ΔTTH)を計算し、S14において、(1
1)式により規定されるエネルギー消費の評価関数Jを
計算する。
【0045】
【数2】
【0046】ここで、T rollは圧延時間であり、w 1
w2は重み係数であってどちらのエネルギー消費を節約す
るかという配分を付けることができる。そして、S15
において、評価関数Jの値が十分小さいか否かを判定
し、十分小さい場合にはS11へ移行し、十分小さくな
い場合にはS16へ移行して、仕上圧延機5の最高速度
および誘導加熱装置6の昇温量をともに修正し、S5へ
移行する。
【0047】(第4実施形態)図5は、本実施形態の加
熱装置6による昇温量の計算フローを示すフローチャー
トである。
【0048】本実施形態では、最高速度Vmax および/
または昇温量ΔTTHが、ともに、仕上圧延機5の入側の
第1スタンドF1および/または第2スタンドF2にお
ける粗バー4の表面温度が950℃以下となるように、
設定される。
【0049】すなわち、本実施形態では、第3実施形態
におけるS15に置き換えたS15’において、評価関
数Jを最小にするとともに、スタンドF1、F2におけ
る粗バー4の表面温度は制約値(950℃)以下かどう
かを判定する。
【0050】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながら説明
する。製造板厚が1.2〜6.9mm、製造板幅が81
0〜1450mm、抗張力55MPa以下の熱延鋼板を
約100本製造する圧延チャンスにおいて、第1実施形
態、第3実施形態および第4実施形態の3形態にかかる
本発明をそれぞれ適用した本発明例と、特開平10−2
30313号公報により開示された従来法を適用した従
来例とについて、エネルギー消費コストを比較した。
【0051】結果を図6にグラフにまとめて示す。図6
では、従来法を100%として示す図6から、本発明に
より、エネルギーコストを8〜22%と大幅に削減でき
たことがわかる。
【0052】また、本発明例により、熱延鋼板0の長手
方向の仕上出口温度を精度良く制御することもできた。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、エネルギコストの上昇をできるだけ抑制しながら、
熱延鋼板の長手方向の仕上出口温度を精度良く制御する
ことができた。
【0054】かかる効果を有する本発明の意義は、極め
て著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延鋼板の圧延工程を模式的に示す説明図であ
る。
【図2】仕上圧延機の通板速度の変更パターンの一例を
示すグラフである。
【図3】第1実施形態の加熱装置による昇温量の計算フ
ローを示すフローチャートである。
【図4】第3実施形態の加熱装置による昇温量の計算フ
ローを示すフローチャートである。
【図5】第4実施形態の加熱装置による昇温量の計算フ
ローを示すフローチャートである。
【図6】実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
5 仕上圧延機 6 加熱装置 7 冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−225505(JP,A) 特開 平9−308903(JP,A) 特開2001−1024(JP,A) 特開2000−202515(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱された鋼片に対して粗圧延を行って
    被圧延材とし、加熱装置により、該被圧延材に対して加
    熱を行って、仕上圧延機により、前記被圧延材の先端部
    から一般部へ向けて上昇するとともに一般部において最
    高速度となるように、前記被圧延材の通板速度を変更し
    ながら仕上圧延を行った後、冷却装置により、所定温度
    まで冷却することを、順次行うことによって、複数の熱
    延鋼板を連続的に製造する際に、 前記最高速度は、前記仕上圧延機の駆動電動機が有する
    出力範囲で許容される第1の最高速度と、前記冷却装置
    が有する冷却能力範囲で許容される第2の最高速度との
    うちの小さい速度以下の速度に、設定されるとともに、 前記加熱装置の昇温量は、設定された該最高速度で前記
    仕上圧延を行った際の前記仕上圧延機の出口における前
    記熱延鋼板の温度が目標温度域を満足するように、設定
    されることを特徴とする鋼板の圧延方法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記最高速度は、前記第1の最
    高速度および前記第2の最高速度のうちの小さい速度以
    下の範囲内で、圧延実績から作成された、熱延鋼板の材
    質および寸法等に基づいた圧延実績テーブルを用いて、
    設定される請求項1に記載された鋼板の圧延方法。
  3. 【請求項3】 さらに、前記最高速度および/または前
    記昇温量は、前記最高速度と前記加熱装置の昇温量とか
    ら決定されるエネルギ消費量が最小となるように、設定
    される請求項1または請求項2に記載された鋼板の圧延
    方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記最高速度および/または前
    記昇温量は、前記仕上圧延機の入側の第1スタンドおよ
    び/または第2スタンドにおける前記被圧延材の表面温
    度が950℃以下となるように、設定される請求項1か
    ら請求項3までのいずれか1項に記載された鋼板の圧延
    方法。
  5. 【請求項5】 前記鋼片は、連続鋳造機により連続的に
    製造された連続鋳造鋳片である請求項1から請求項4ま
    でのいずれか1項に記載された鋼板の圧延方法。
  6. 【請求項6】 前記被圧延材は、前記加熱装置により、
    幅方向の全域にわたって加熱される請求項1から請求項
    5までのいずれか1項に記載された鋼板の圧延方法。
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