JP2012170390A - 脱穀装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動力消費を抑え脱穀の効率を向上させた脱穀装置を提供する。
【解決手段】穂切れ処理装置14は、扱胴13で穀稈22を脱穀する際に発生した被処理物を処理するために、前記被処理物の落下位置に配置される。扱胴13は、扁平状に形成された扱歯17を複数有している。穂切れ処理装置14は、扱胴13の軸線と平行な軸線を中心に回転する穂切れ処理胴40と、穂切れ処理胴40の下方を覆う受網41と、を備える。そして、穂切れ処理胴40は、扱胴13と同じ方向に回転する。これにより、穂切れ処理胴40の回転により、穂切れ処理胴40内の被処理物が扱胴13に向けて排出されるので、被処理物が穂切れ処理胴40と受網41との間に過度に蓄積してしまうことを防止できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、主として脱穀装置に関する。詳細には、脱穀装置において、扱胴に隣接して設けられる処理装置の構成に関する。
略円筒状の扱胴の周囲に扱歯を設け、当該扱胴を回転させることにより脱穀を行う脱穀装置が知られている。当該扱胴により、穀稈の穂先に付いた穀粒を取り外すことができる。
しかし上記のような扱胴による脱穀では、穀粒のみが穂先から綺麗に取れるとは限らず、穀粒に枝梗が付いた状態のものなどが多く発生する。そこで、枝梗の付いた穀粒などを処理する処理装置を、扱胴に隣接させ、かつ扱胴と平行に設ける構成が知られている。
このような処理装置は、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1及び特許文献2に記載された処理装置は、回転駆動される処理胴と、当該処理胴の下を覆う受網(クリンプ網)と、を有している。この処理装置は、受網によって被処理物を受けとめるとともに、当該受網と、回転する処理胴と、による揉み解し作用により、被処理物に含まれる穀粒を脱粒する構成である。
特開2002−112618号公報 特開平11−75504号公報
しかし、この構成の処理装置は、大量の被処理物が投入されると、受網と処理胴との間の被処理物が多くなるため、処理胴を回転させるための消費動力が大きくなるという課題がある。また、このように大量の被処理物がある環境では、脱粒の効率も悪いのである。
一方、処理胴の下に受網を設けない構成も知られている。この場合は、受網と処理胴との間に被処理物が大量に溜まるという問題は発生しないが、受網による揉み解し効果を期待できないので脱粒の効率は極めて悪いものとなってしまう。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、扱胴に対して平行に設けられる処理装置の処理効率を向上させた脱穀装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の脱穀装置が提供される。即ち、この脱穀装置は、扱胴と、処理装置を備える。前記扱胴は、回転することで穀稈を脱穀する。前記処理装置は、前記扱胴で穀稈を脱穀する際に発生した被処理物を処理するために、前記被処理物の落下位置に配置される。また、前記扱胴は、当該扱胴の外周面において外側に向けて突出する扱歯を複数有している。前記扱歯は、前記扱胴の軸方向に平行な平面に沿って扁平に形成され、かつ当該軸方向に沿って複数並んでいる。また、前記軸方向で見たときに、前記扱歯は、当該扱歯の先端が前記扱胴の回転方向下流側を向くように配置されている。前記処理装置は、前記扱胴の軸線と平行な軸線を中心に回転する処理胴と、前記処理胴の下方を覆う受網と、を備える。前記処理胴は、その軸中心が前記扱胴の軸中心よりも低い位置に配置されるとともに、前記受網の前記扱胴側端部上方において、前記扱胴と前記処理胴との間は連通している。そして、前記処理銅は、前記扱胴と同じ方向に回転する。
上記のように、扱胴と処理胴との間を連通させておき、扱胴と処理胴を同じ方向に回転させることにより、処理胴の回転の勢いによって処理装置から扱胴に向けて被処理物が放出される。このように処理装置から被処理物を放出することで、被処理物が処理胴と受網との間に過度に蓄積してしまうことを防止できる。しかも、扱胴に放出された被処理物は、当該扱胴及び扱歯に衝突することで単粒化が促進される。これによって脱穀装置の処理能力を向上させることができる。
上記の脱穀装置は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記処理装置は、前記処理胴から外側に向けて突出する複数の処理歯と、前記処理歯同士の間を通過できるように前記受網側に設けられた複数の切歯と、を備える。前記受網は、前記処理歯の回転軌跡に沿って配置されている。前記切歯は、前記処理胴の回転方向で、少なくとも前記受網の下流側端部に設けられている。
この構成で、処理胴が回転することにより、処理歯と受網による揉み解し作用によって、被処理物を単粒化し、受網を通して下方に落下させることができる。受網から落下しなかった被処理物は、処理胴が回転する勢いによって受網の端部から回転方向下流側に向けて飛び出すことになるが、このときに処理歯と切歯との間を通過することで分離処理される。これにより、被処理物の単粒化を促進することができる。
上記の脱穀装置においては、前記扱胴の前記扱歯の間を通過できるように構成された複数の受歯を、前記受網の前記扱胴側端部に設けることが好ましい。
即ち、処理装置から扱胴に向けて放出された被処理物の一部は、処理装置と扱胴との間を通って下方に落下することになるが、このとき扱歯と受歯によって分離処理されるので、単粒化を促進させることができる。
上記の脱穀装置において、前記処理装置は、上下に複数並べて配置することもできる。
これにより、上段の処理装置で処理できなかった被処理物を下段の処理装置で再処理することができるため、処理性能を向上させることができる。
上記の脱穀装置においては、前記扱胴と前記処理胴の下端の位置が高さ方向で揃っていることが好ましい。
これにより、脱穀装置を上下方向でコンパクトに構成することができる。
本発明の一実施形態に係る脱穀装置の構成を示す側面断面図。 扱胴の前端部近傍における脱穀装置の正面断面図。 扱歯の外観斜視図。 穂切れ処理装置の外観斜視図。 扱室内の様子を示す平面図。 扱胴の後端部近傍における脱穀装置の正面断面図。 変形例に係る脱穀装置の正面断面図。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の脱穀装置10は、ケーシング11と、穀稈搬送機構12と、扱胴13と、穂切れ処理装置(処理装置)14と、選別装置15と、を主に備えている。
ケーシング11内には、脱穀を行うための空間である扱室16が形成されている。扱室16の内部には、扱胴13と、穂切れ処理装置14と、が配置されている。
ケーシング11は、扱室カバー18を有する。扱室カバー18は、扱胴13及び穂切れ処理装置14の上方を覆い、扱室16の天井部分を構成している。
扱胴13は、金属板にて略八角形柱状の中空状筒体として構成されており、その軸線が装置前後方向に沿うようにして略水平に配置されている。扱胴13の外周には、複数の扱歯17が外向きに突出するように設けられている。扱胴13は、図略の駆動源によって、その軸線を中心として回転駆動されるように構成されている。
図3に示すように、扱歯17は扁平状に形成され、かつその扁平な面の延長面内で一方向に並んで複数形成されている。扱歯17は、その扁平な面が、扱胴13の軸線に対して平行になるように、当該扱胴13に取り付けられている。これにより、複数の扱歯17が、扱胴13の軸線と平行な方向に並べて配置されている。図3に示すように、扱歯17の先端部は、先端に向かって幅が狭まる略V字状に構成されている。従って、隣接する扱歯17同士の間は、先端に向かって幅が広がるV型溝19が形成されている。また、V型溝19の奥には、丸型(又は多角形)の抜き孔20が、前記V型溝19に連通するように形成されている。
図1に示すように、扱室16の前側端部には、穀稈導入口21が形成されている。この穀稈導入口21から扱室16内に穀稈が導入されて、脱穀が行われる。
穀稈搬送機構12は、図2に示すように、ケーシング11の側方に設けられている。この穀稈搬送機構12は、無端チェーンからなるフィードチェーン23と、フィードチェーン23の上面に対して押圧されるように設けられた押圧部材24とから構成される。図2に示すようにフィードチェーン23と押圧部材24との間に穀稈を挟み込んだ状態で、図略の駆動源によってフィードチェーン23を回転駆動することにより、穀稈22を装置後方に向かって搬送する構成である。
穀稈搬送機構12によって搬送されることにより扱室16に導入された穀稈22は、扱歯17と扱歯17の間の部分(V型溝19及び抜き孔20)に嵌まり込み、この状態で扱胴13が回転することにより、穂先22aに向けて扱かれる。これにより、穀稈22から穂の部分のみが取られる。なお、このように穀稈22から取られた穂の部分を、穂切れと称する。
ここで図2に示すように、扱胴13の軸線方向で見たときに、扱歯17は、当該扱歯17の先端が、扱胴13の回転方向下流側を向くように、扱胴13の法線に対して斜めに配置されている。これにより、穂先22aを、扱胴13に向けて引き寄せるようにして扱くことができるので、より確実に穀稈22から穂切れを取ることができる。
扱胴13において、穂切れの他、穀粒や藁屑等が発生する。これらの混合物は、扱胴13の回転方向下流側に向けて放出され、落下する。穂切れ等の落下位置には、穂切れ処理装置14が配置されている。穂切れ処理装置14に投入される穂切れ、穀粒、藁屑等の混合物を、被処理物と称する。被処理物は、穂切れ処理装置14で処理され、単粒化(穀粒を枝梗から外すこと)される。
穂切れ処理装置14は、図4に示すように、穂切れ処理胴(処理胴)40と、受網41と、を備えている。
穂切れ処理胴40は、略四角筒状に形成されるとともに、その軸線が扱胴13の軸線と平行になるように配置されている。穂切れ処理胴40は、その軸中心の位置が、扱胴13の軸中心の位置よりも低くなるように配置されている。これにより、扱胴13から落下する被処理物を確実に受けとめることができる。穂切れ処理胴40は、その軸線を中心として、図略の駆動源により回転駆動される。また、穂切れ処理胴40は、外向きに突出する複数の処理歯42を有している。図4に示すように、各処理歯42は扁平棒状の部材として形成されている。また、複数の処理歯42は、穂切れ処理胴40の軸線方向に沿って並んで配置されている。また、図2に示すように、処理歯42は、後退角を有するように配置されている(即ち、処理歯42の先端が、穂切れ処理胴40の回転方向上流側を向いて傾くように配置されている)。
受網41は、穂切れ処理胴40の下半分を覆うように設けられている。図2に示すように、受網41は、穂切れ処理胴40の軸線方向で見たときに、回転する処理歯42の先端の軌跡に沿って形成されている。
この構成で、穂切れ処理装置14に導入された被処理物は、回転する処理歯42と、受網41と、の間で揉み解し作用を受け、単粒化が促進される。脱粒された穀粒は、受網41を通って、選別装置15に落下する。また、上記揉み解し作用によって細かくなった藁屑等も、受網41を通って選別装置15に落下する。このように、受網41から被処理物が次々と落下するので、藁屑等が少ない状態で単粒化を行うことができ、高い処理効率を維持することができる。
なお、図2に示すように、受網41の扱胴13側の端部には、その先端が扱胴13の方向を向くように配置された受歯45が取り付けられている。図5に示すように、受歯45は、その先端が略V字形になるように形成された板状部材であり、かつ扱胴13の軸線方向に沿って複数形成されている。図5に示すように、受歯45は、扱歯17同士の間(V型溝19)に入り込むように配置されている。
このような受歯45を設けたことにより、扱胴13で発生した穂切れが、穂切れ処理装置14によって処理されないまま、扱胴13と穂切れ処理装置14との間を通って選別装置15に落下しにくくなっている。これにより、扱胴13で発生した穂切れの大部分を穂切れ処理装置14で処理することができる。なお、一部の穂切れ等は、穂切れ処理装置14で処理されないまま、扱胴13と穂切れ処理装置14との間を通って落下してしまうが、その場合であっても、当該穂切れ等は扱歯17と受歯45との間を通過する際に揉み解し作用を受けて単粒化が促進される。以上のように、扱胴13で発生する穂切れ等を確実に処理したうえで選別装置15に供給することができるので、単粒化の効率が優れ、選別装置15における負荷も低減することができる。
ここで、線材からなる扱歯を備えた従来の脱穀装置と比較し、本実施形態のように扁平状に形成された扱歯を備えた脱穀装置の優れた点を説明すると、以下のとおりである。
即ち、線材からなる扱歯を備えた従来の脱穀装置は、扱歯が穂先に衝突する衝撃によって脱穀するものであったので、当該衝突によって藁屑が大量に発生する。このため、藁屑の多い環境で単粒化を行わなければならず、動力消費が多かった。
本実施形態の扱胴13は、扱歯17で穀稈22を挟み込んで扱ぐ構成であるから、扱歯を衝突させた衝撃で脱穀する従来の扱胴に比べて、藁屑の発生が少ない。そして本実施形態の脱穀装置10は、穀稈22から穂切れを取る装置(扱胴13)と、穂切れを処理して単粒化する装置(穂切れ処理装置14)と、を別にすることにより、藁屑の少ない環境で単粒化を実施できるので、省動力となる。
また、線材からなる従来の扱歯は、穂先に対する衝突頻度が小さいので、十分な脱穀性能を得るためには穂先に対する衝突回数を多くする必要があった。そこで、扱室のケーシングを、扱胴の形状に沿った形状とすることにより、扱胴の周囲に穀稈を巻き付けるように案内して、穂先と扱歯との衝突回数の増大を図っていた。しかしながら、このように扱胴の外周に穀稈を巻き付けるように案内する構成では、扱胴を回転させる際の抵抗が大きくなり、消費動力が増大するという課題がある。
この点、本実施形態の脱穀装置10においては、図2に示すように、扱胴13の上方及び穂切れ処理装置14の上方に空間を形成している。これにより、穀稈22の穂先22aは扱胴13の外周から離れることができるので、穀稈22が扱胴13に巻き付くことを防止している。即ち、本実施形態のように扁平形状の扱歯17は穂先に対する衝突頻度が高いので、扱胴13の外周に穀稈22を巻き付けるように構成しなくても、十分な脱穀性能を得ることができる。従って、穂先22aが扱胴13から離れてしまっても良いのである。
より具体的には、以下のとおりである。即ち、図2に示すように、扱胴13の軸線に直交する平面で切断した断面において、扱室カバー18は、少なくとも扱胴13の穀稈搬送機構12側の側方において、扱歯17の回転軌跡に沿って形成されている。これにより、穀稈搬送機構12で搬送される穀稈は、扱室カバー18によって案内されることにより扱胴13の側面に押し付けられ、扱歯17によって確実に扱かれる。
また、扱室カバー18は、扱胴13の回転方向下流側に向かうに従って徐々に扱胴13の外周から離れるように形成されている。ここで、図2に示すように、扱室カバー18は、少なくとも扱胴13の軸線の直上位置においては、扱歯17の先端の回転軌跡から離れるように形成されている。これにより、扱胴13の上方に空間が形成されている。従って、扱室16内において、穀稈22の穂先22aは、扱胴13の上面から上方に向けて離れることができる。
更に、本実施形態の脱穀装置10は、扱歯17によって穀稈22を上向きに扱く上扱ぎ式とされている。従って、穀稈搬送機構12は、扱胴13の上端の高さよりも低い高さで穀稈22の茎を挟持するように配置されている。また本実施形態において、穀稈搬送機構12は、扱胴13の軸線方向斜め上方に向けて穀稈を搬送するように構成されている。より具体的には、図1に示すように、フィードチェーン23が後方斜め上方向に沿って配置されている。
従って、扱室16に導入された直後の穀稈は、図2に示すごとく、扱胴13の側面に穂先22aが押し付けられるような姿勢になる。これにより、穂先22aが扱歯17によって扱かれるので、確実に穀稈22から穂の部分を取ることができる。そして、当該穀稈22は、穀稈搬送機構12によって後方斜め上方に搬送されることにより、当該穀稈搬送機構12によって挟持されている茎の部分に位置が上方に移動するので、当該穀稈22の穂先22aは、扱胴13の回転方向下流側に移動する。これにより、穂先22aが、扱胴13の上方に位置するようになる(図6参照)。
前述のように、扱胴13の上方には空間が形成されている。従って、穀稈搬送機構12によって装置後方に搬送された穀稈22の穂先22aは、図6のように、扱胴13の外周から上方に向けて離れることができる。なお、この時点では穀稈22の穂先22aの部分は既に扱歯17によって扱かれた後であるから、当該穂先22aが扱胴13から離れたとしても穀粒の回収率が低下することはない。
そして、このように穂先22aが扱胴13から離れることにより、穀稈22が扱胴13に巻き付くことを防止できるので、扱胴13の回転の際に余分な動力を抑えられ、藁屑等の発生量も低減することができる。
また、この扱室カバー18は、穂切れ処理装置14の上方にも空間を形成するように構成されている。扱胴13の上方の空間と、穂切れ処理装置14の上方の空間と、は連通しているので、扱胴13の回転によって発生した穀粒、穂切れ等は、上記空間に放出される。このように、穀粒、穂切れ等を空間に放出するので、当該穀粒、穂切れ等が穂先22aに再衝突しにくくなり、穀粒の回収率が向上する。
また、従来の脱穀装置は、扱胴の下側に、当該扱胴の形状に沿ったクリンプ網を配置する構成としていた。特許文献1及び特許文献2も、このように扱胴の下をクリンプ網で覆った構成を開示している。この構成は、扱胴で発生した穂切れなどを、クリンプ網で受け、クリンプ網と扱歯による揉み解し作用によって単粒化を促進することを狙ったものである。このように、扱胴で発生した穂切れなどクリンプ網でいったん受けとめることにより、選別装置に穂切れが直接落ちないので、選別装置の負荷を低減させることができる。
しかしながら、このように扱胴の下側をクリンプ網で覆うと、クリンプ網と扱胴との間に藁屑等が蓄積して、扱胴の動力消費が大きくなるという課題がある。またクリンプ網が扱胴の形状に沿って配置されるので、穀稈の穂先が扱胴とクリンプ網との間に入り込んだときに、当該穀稈が扱胴の外周に巻き付き易くなり、この点でも扱胴の動力消費が大きくなる。
この点、本実施形態の脱穀装置10において、扱胴13の下方にはクリンプ網を設置せず、当該扱胴13の下方は開放させて選別装置15に直接対面させている。これにより、扱胴13とクリンプ網との間に藁屑等が蓄積することもなく、扱胴13に穀稈が巻き付くことも防止できるので、扱胴13の余分な動力消費を抑えることができる。
なお、扱胴の下方のクリンプ網を省略した構成は、例えば特公1−21930号公報にも記載されている。しかし、特公1−21930号公報に記載の構成は、扱胴で発生した穂切れ等が選別装置に直接投入される構成であり、単粒化の効率は極めて低いと考えられる。本実施形態の脱穀装置10は、扱胴13の下方は開放されているものの、扱胴13で発生した穂切れ等は、選別装置15に直接投入されるのではなく、穂切れ処理装置14で処理されたのち選別装置15に投入される。従って、本実施形態の脱穀装置10は、扱胴13の下のクリンプ網を省略しているものの、穂切れ処理装置14によって穂切れの単粒化を効率良く行うことができる。
なお、本実施形態において扱歯17は扁平状に形成されているので、扱胴13が回転することにより風が発生する。扱歯17によって発生した風は、扱室16内を、図略の藁出口に向かって流れる。これにより、細かい塵が排出されることで選別装置15に落ちる塵が少なくなる。更に、本実施形態では、図2に示すように、フィードチェーン23の下方において、扱室16に開口するエア吸入口50を、ケーシング11に形成している。このエア吸入口50から空気を吸入させることにより、扱歯17の回転により発生する風を扱室16内で強力に流すことができるので、扱室16内の塵を効率良く藁出口から排出することができる。これにより、選別装置15に落ちる塵が更に減るので、選別装置15の選別効率を向上させることができる。
次に、選別装置15について説明する。選別装置15は、揺動選別部32と、風選別部33とを備えている。穂切れ処理装置14の受網41から落下する穀粒、藁屑、穂切れ等の混合物(以下、被選別物と称する)は、揺動選別部32及び風選別部33によって選別される。
揺動選別部32について説明する。この揺動選別部32は、前後揺動することにより、被選別物を選別するものである。揺動選別部32は、上から順に、フィードパン35と、チャフシーブ36と、山形板37と、を上下方向に並べて設けた構成である。
フィードパン35は、扱胴13及び穂切れ処理装置14と、とチャフシーブ36と、の間に配置されている。扱胴13及び穂切れ処理装置14から落下してきた被選別物は、このフィードパン35の上にいったん落下する。フィードパン35は略水平に配置された板状部材である。また、装置左右方向に直交する平面で切断したときの断面図(図1)において、フィードパン35の上面は略鋸歯状に形成されている。この鋸歯状の上面は、前側を向く面の傾きが、後側を向く面の傾きよりも急になっている。この構成で、フィードパン35を前後揺動させることにより、フィードパン35の上方に落ちた被選別物は、装置前側に向けて搬送される。また、このようにフィードパン35によって搬送されている間に、被処理物は装置左右方向で分散される。これにより、チャフシーブ36に対して装置左右方向で均一に被処理物を供給することができる。
なお、前述のように、扱歯17は扁平状に形成されているので、扱胴13が回転することにより強力な風が発生する。従って、この扱歯17によって発生する風が、風選別部33における選別風に悪影響を及ぼす可能性がある。この点、本実施形態の脱穀装置10においては、扱胴13の下にフィードパン35を配置することにより、当該フィードパン35が風避けの役割を果たす。これにより、扱胴13の回転によって発生する風が、風選別部33における選別風に悪影響を及ぼすことを防止できる。
フィードパン35によって装置前側に送られた被選別物は、当該フィードパン35の前側端部から、チャフシーブ36の上に落ちる。チャフシーブ36は、装置の略左右方向に横架された複数のチャフフィン46を、装置の略前後方向に複数並べて備えている。チャフシーブ36は、フィードパン35から送られた被選別物の粗選別を行うためのものである。即ち、チャフシーブ36を前後揺動させることで、穀粒等の重くて小さい被選別物はチャフフィン46の間を通って下に落ち、藁屑などの軽くて大きい被選別物はチャフフィン46に引っ掛かって残る。
各チャフフィン46は、その上面が斜め前方を向くようにして配置されている。これにより、チャフシーブ36全体を前後揺動させることで、被選別物は揺動選別されながら装置後側に向けて搬送されていく。チャフシーブ36の後端に達するまでの間に大部分の穀粒は落下し、チャフシーブ36の上には、穂切れや藁屑のみが残る。
しかしながら、チャフフィン46の間を通って落下する穂切れや藁屑も少なからず存在する。チャフシーブ36から穂切れや藁屑が大量に落下すると、グレンシーブ39の上に引っ掛かって風選別部33の選別能力が低下してしまうという問題がある。そこで本実施形態の脱穀装置10では、チャフシーブ36とグレンシーブ39との間に、複数の山形板37を配置している。
この山形板37は板状に形成されており、装置の略左右方向に直交するように配置されている。また、複数の山形板37は、装置の略左右方向で並んで配置されている。ここで前述のように、チャフフィン46は装置の略左右方向に配置されているので、チャフフィン46の間を通って落ちてくる穂切れ、藁屑などは、その長手方向が略左右方向を向いていることが多い。そこで、装置左右方向に直交するように配置された山形板37を複数設けることにより、チャフフィン46の間から落ちてきた穂切れ、藁屑などを、山形板37に引っ掛けるようにして受けとめることができる。これにより、穂切れ、藁屑などがグレンシーブの上に大量に落ちてしまうことを防止できる。なお、チャフシーブ36で選別されて落ちてきた穀粒は、山形板37の間を通ってグレンシーブ39まで落ちていくことができる。
この山形板37の上端面は略鋸歯状に形成されている。この鋸歯状の上端面は、後方を向く面の傾きが、前方を向く面の傾きよりも急になっている。これにより、山形板37を前後揺動させることで、当該山形板37の上に引っ掛かっている穂切れ、藁屑などを、装置後側に向けて搬送することができる。
次に風選別部33について説明する。この風選別部33は、唐箕ファン38と、グレンシーブ39と、を備えている。
グレンシーブ39は網目状のプレス、又はクリンプ網として構成されており、山形板37の下方に配置される。前記グレンシーブ39の下方には、スクリューコンベアとして構成された一番コンベア47が配置されている。
唐箕ファン38は、斜め後方上向きの選別風を発生させ、当該選別風をグレンシーブ39に対して下側から当てるように構成されている。
以上の構成で、グレンシーブ39上に落下した被選別物に対して、唐箕ファン38が生起する選別風が当てられる。そして、この選別風にかかわらず略垂直に落下する比重の重い物、即ち穀粒は一番物と呼ばれる。一番物は一番コンベア47に導入され、それ以外の比重の軽いものは後方に向けて吹き飛ばされる。
一番コンベア47に導入された一番物(穀粒)は、当該一番コンベア47によって搬送され、例えば図略のグレンタンクに貯蔵される。以上により、被選別物から穀粒を選別して取り出すことができる。
なお、本実施形態の脱穀装置10は、グレンシーブ39が穂切れや藁屑等で詰まることを防止するために、クリーニングブラシ51を有している。このクリーニングブラシは、装置左右方向に沿って配置された円筒状のブラシであり、その軸線を中心に回転駆動されるように構成されている。そしてこのクリーニングブラシ51は、歯付きベルトやラック&ピニオンなどの適宜の機構により、グレンシーブ39の上を装置前後方向に往復移動することができるように構成されている。クリーニングブラシ51の前後移動と回転により、グレンシーブ39に引っ掛かった穂切れや藁屑を落とし、選別能力の低下を防ぐことができる。なお、クリーニングブラシ51の回転及び前後移動は、常時行っても良いし間欠的に行っても良い。
チャフシーブ36、山形板37、及びグレンシーブ39の後側端部下方には、スクリューコンベアとして構成された二番コンベア48が配置されている。
チャフシーブ36や山形板37の上に残った穂切れ、藁屑等は、装置後側に搬送されて二番コンベア48に落下する。また、グレンシーブ39に落下した被処理物のうち、唐箕ファン38の選別風により吹き飛ばされた穂切れ、藁屑等も、二番コンベア48に落下する。風選別部33は、二番コンベア48に落下する被選別物に対して後方上向きの風を当てる送風ファン49を有している。
二番コンベア48に落下する被選別物のうち、穀粒の付いた穂切れ等は比較的重いので、送風ファン49の風にもかかわらず落下して二番コンベア48に導入される。一方、穀粒の付いていない藁屑等は、送風ファン49の風によって吹き飛ばされ、図略の藁出口から装置の外に排出される。
穀粒の付いた穂切れ等は、単粒化の処理を再度施すことにより穀粒を取り出すことができるので、回収する価値のあるものである。このように再度単粒化の対象とするものを、二番物と称する。風選別部33で選別されて二番コンベア48に導入された二番物は、当該二番コンベア48によって搬送され、図略の還元コンベアの端部に供給される。還元コンベアは、二番物を、穂切れ処理装置14に還元するように構成されている。穂切れ処理装置14に還元された二番物は、当該穂切れ処理装置14において再処理され、穀粒が取り出される。
なお、従来の脱穀装置は、扱胴で発生した穂切れを処理する装置と、二番物を処理する装置と、を別々に備える構成とされていた。この点、本実施形態の脱穀装置10が備える穂切れ処理装置14は、扱胴13で発生した穂切れを処理する役割と、二番物を処理する役割と、を兼ねている。このように1つの装置によって穂切れと二番物を処理するので、脱穀装置10のコストを削減することができる。
次に、本発明の特徴的構成について詳しく説明する。
前述のように、穂切れ処理装置14は、回転駆動される穂切れ処理胴40を備えている。穂切れ処理装置14に導入された被処理物は、前述の揉み解し作用によって単粒化・細断化され、受網41を通って選別装置15に落下する。しかし、被処理物の一部は受網41から落下せずに、穂切れ処理胴40の回転の勢いによって受網41の端部から飛び出そうとする。
ここで、穂切れ処理装置14から飛び出した被処理物が、扱胴13に巻き付いている穀稈22に再衝突した場合、当該被処理物が、穀稈22と穀稈22の間に入り込んでしまうことがある。このように穀稈22の間に被処理物が入り込むと、扱胴13の回転負荷が大きくなるだけでなく、最悪の場合は前記被処理物が回収されず穀稈22とともに機外へ排出されてしまう。このように、被処理物が穀稈に再衝突すると、脱穀の効率が悪化するので、当該再衝突は防ぐことが好ましい。
そこで、従来の脱穀装置が備える処理装置においては、処理装置内の被処理物が扱胴に向けて飛び出さないように工夫する場合が多かった。
例えば特許文献1は、当該特許文献1の図1に矢印で示されているように、処理胴を、扱胴とは反対方向に回転させている。このように、処理胴を扱胴とは反対方向に回転駆動することにより、処理胴の回転の勢いで被処理物が飛び出す方向は、扱胴とは反対方向となる。従ってこの構成によれば、扱胴に巻き付いている穀稈に対して被処理物が再衝突するおそれは少ない。
なお、特許文献1は、その図8に、処理胴を扱胴と同じ方向に回転させる構成を開示している。しかしこの処理胴は、扱胴で発生した被処理物の落下位置とは反対側に配置されているので、本実施形態の穂切れ処理装置14とは全く発想が異なるものである。なお、特許文献1の図8のように、被処理物の落下位置とは反対側に処理胴を配置している場合は、扱胴と処理胴を同じ方向に回転させたときに被処理物が飛び出す方向は、扱胴とは反対方向となる。従って、特許文献1の図8の構成であっても、被処理物が扱胴に向けて飛び出すことはない。
また、特許文献2は、処理胴が扱胴と同じ方向に回転駆動される構成を開示しているが、処理胴と扱胴との間に仕切板を設けて、処理胴から扱胴に向けて被処理物が飛び出さないようにしている。
何れにしても、従来の脱穀装置においては、処理胴内の処理物を扱胴に向けて放出するという構成を取ることは無かったのである。
しかしながら、上記のように被処理物が処理装置から飛び出さないように構成すると、被処理物が処理装置に蓄積し易くなる。特に、被処理物の流入量が多い場合には受網と処理胴との間に被処理物が蓄積していき、処理胴を回転させるための動力消費も大きくなるとともに、処理装置の脱粒性能も低下してしまうという問題がある。
一方、前述のように、本実施形態の脱穀装置10においては、穀稈22が扱胴13に巻き付かないようになっている。このように、穀稈22が扱胴13に巻き付いていないのであれば、穂切れ処理装置14から扱胴13に向けて被処理物を放出したとしても、当該被処理物が穀稈22に再衝突するおそれは少ない。
本願発明者は、上記の点に着目して、本願発明を完成させた。即ち、実施形態の脱穀装置10では、穂切れ処理装置14内の被処理物を、扱胴13に向けて放出するように構成している。
より具体的には、図2に示すように、穂切れ処理胴40を、扱胴13と同じ方向に回転駆動するように構成している。これにより、穂切れ処理装置14内の被処理物が、穂切れ処理胴40の回転する勢いによって、受網41の扱胴13側の端部から扱胴13に向けて放出されるのである。しかも、本実施形態において、受網41の扱胴13側の端部の上方は、開放されている(即ち、特許文献2に記載の脱穀装置が有しているような仕切板は、扱胴13と穂切れ処理胴40との間には存在していない)。これにより、穂切れ処理装置14から放出された被処理物は、遮られることなく扱胴13に飛んで行き、扱胴13の外周面、又は扱歯17に衝突することになる。
扱胴13に向けて放出された被処理物は、当該扱胴13又は扱歯17に衝突した衝撃により、単粒化が促進される。また、扱胴13又は扱歯17に衝突した被処理物は、一部は撥ね返って穂切れ処理装置14に再び導入され、一部は扱胴13と穂切れ処理装置14との間を通って選別装置15に落下する。このとき、当該被処理物は、扱歯17と受歯45との間を通るので、これにより揉み解し作用を受けて単粒化が促進される。
このように、本実施形態の脱穀装置10においては、穂切れ処理装置14内の被処理物を扱胴13に向けて放出することにより、当該被処理物を扱胴13と相互作用させて単粒化を促進することができる。
また、受網41は、処理歯42の間を通過する切歯43を有している。この切歯43は、穂切れ処理胴40の回転方向でみたときに、受網41の上流側端部と下流側端部にそれぞれ設けられている。この構成で、受網41から扱胴13に向けて飛び出そうとする被処理物は、処理歯42と切歯43との間を通過することにより分離処理され、細かく細断される。このように、被処理物を確実に処理してから扱胴13に向けて放出することができる。
以上のように、穂切れ処理装置14内の被処理物を、扱胴13に向けて放出することができるので、穂切れ処理胴40と受網41との間に被処理物がたまり過ぎることがない。これにより、穂切れ処理装置14は、穂切れ処理胴40を回転させる際の消費動力が過大になることを防ぐことができる。しかも、穂切れ処理装置14は、藁屑等の被処理物が少ない状態で単粒化を行うことができるので、当該穂切れ処理装置14の単粒化の効率が向上する。
なお本実施形態においては、図2に示すように、穂切れ処理胴40の下端の高さと、扱胴13の下端の高さと、が略一致するように両者が配置されている。穂切れ処理胴40をこの高さとすることにより、当該穂切れ処理胴40の回転によって斜め上方に放出される被処理物を、扱胴13に対して良好に衝突させることができる。また、このように穂切れ処理胴40と扱胴13の下端の高さを揃えることにより、扱室16が上下方向でコンパクトになるので、脱穀装置10全体を上下方向でコンパクトに構成することができる。
以上で説明したように、本実施形態の脱穀装置10は、扱胴13と、穂切れ処理装置14を備える。扱胴13は、回転することで穀稈22を脱穀する。穂切れ処理装置14は、扱胴13で穀稈22を脱穀する際に発生した被処理物を処理するために、前記被処理物の落下位置に配置される。また、扱胴13は、当該扱胴13の外周面において外側に向けて突出する扱歯17を複数有している。前記扱歯17は、扱胴13の軸方向に平行な平面に沿って扁平に形成され、かつ当該軸方向に沿って複数並んでいる。また、前記軸方向で見たときに、扱歯17は、当該扱歯17の先端が扱胴13の回転方向下流側を向くように配置されている。穂切れ処理装置14は、扱胴13の軸線と平行な軸線を中心に回転する穂切れ処理胴40と、穂切れ処理胴40の下方を覆う受網41と、を備える。穂切れ処理胴40は、その軸中心が扱胴13の軸中心よりも低い位置に配置されるとともに、受網41の扱胴13側端部上方において、扱胴13と穂切れ処理胴40との間は連通している。そして、穂切れ処理胴40は、扱胴13と同じ方向に回転する。
上記のように、扱胴13と穂切れ処理胴40との間を連通させておき、扱胴13と穂切れ処理胴40を同じ方向に回転させることにより、穂切れ処理胴40の回転の勢いによって穂切れ処理装置14から扱胴13に向けて被処理物が放出される。このように穂切れ処理装置14から被処理物を放出することで、被処理物が穂切れ処理胴40と受網41との間に過度に蓄積してしまうことを防止できる。しかも、扱胴13に放出された被処理物は、当該扱胴13及び扱歯17に衝突することで単粒化が促進される。これによって脱穀装置10の処理能力を向上させることができる。
また本実施形態の脱穀装置10は、以下のように構成されている。即ち、穂切れ処理装置14は、穂切れ処理胴40から外側に向けて突出する複数の処理歯42と、処理歯42同士の間を通過できるように受網41側に設けられた複数の切歯43と、を備える。受網41は、処理歯42の回転軌跡に沿って配置されている。切歯43は、穂切れ処理胴40の回転方向で、受網41の下流側端部に設けられている。
この構成で、穂切れ処理胴40が回転することにより、処理歯42と受網41による揉み解し作用によって、被処理物を単粒化し、受網41を通して下方に落下させることができる。受網41から落下しなかった被処理物は、穂切れ処理胴40が回転する勢いによって受網41の端部から回転方向下流側に向けて飛び出すことになるが、このときに処理歯42と切歯43との間を通過することで分離処理される。これにより、被処理物の単粒化を促進することができる。
また本実施形態の脱穀装置10においては、扱胴13の扱歯17の間を通過できるように構成された複数の受歯45を、受網41の扱胴13側端部に設けている。
即ち、穂切れ処理装置14から扱胴13に向けて放出された被処理物の一部は、穂切れ処理装置14と扱胴13との間を通って下方に落下することになるが、このとき扱歯17と受歯45によって分離処理されるので、単粒化を促進させることができる。
また本実施形態の脱穀装置10においては、扱胴13と穂切れ処理胴の下端の位置が高さ方向で揃っている。
これにより、脱穀装置10を上下方向でコンパクトに構成することができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
この変形例は、穂切れ処理装置を上下2段で設けたものである。この構成によれば、上段の穂切れ処理装置141で処理できなかった穂切れや穀粒付き枝梗を、下の段の穂切れ処理装置142で再処理するため、処理効率を向上させることができる。このように上下2段で単粒化の処理を行うことにより、単粒の割合が増加し、二番物として還元される割合が減るので、全体として処理効率が向上し、より大量の被処理物を処理することができるようになる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
本発明の脱穀装置は、据え置きの脱穀装置、ハーベスタ内蔵の脱穀装置、コンバイン内蔵の脱穀装置など、様々な脱穀装置に適用することができる。
扱胴13は、装置前側の径が小さく、装置後方の径が大きくなるように径が連続的に変化する円錐台形に形成されても良い。この場合、扱胴13の装置前側においては、当該扱胴13と扱室カバー18との間にスペースを十分に確保できるので、穀稈の取り込み性を向上させることができる。
受歯45は、先端が略V字形の板状部材としたが、受歯45の形状はこれに限らない。例えば特許文献1に記載の切り刃板を、受網41の扱胴13側端部に配置しても良い。
図7では、穂切れ処理装置を上下に2段備えた構成としているが、穂切れ処理装置を上下に3段以上備える構成であっても良い。
10 脱穀装置
13 扱胴
14 穂切れ処理装置(処理装置)
15 選別装置
16 扱室
17 扱歯
40 穂切れ処理胴(処理胴)
41 受網
42 処理歯
43 切歯
45 受歯

Claims (5)

  1. 回転することで穀稈を脱穀する扱胴と、
    前記扱胴で穀稈を脱穀する際に発生した被処理物を処理するために、前記被処理物の落下位置に配置される処理装置と、
    を備え、
    前記扱胴は、当該扱胴の外周面において外側に向けて突出する扱歯を複数有し、
    前記扱歯は、前記扱胴の軸方向に平行な平面に沿って扁平に形成され、かつ当該軸方向に沿って複数並んでおり、
    前記軸方向で見たときに、前記扱歯は、当該扱歯の先端が前記扱胴の回転方向下流側を向くように配置され、
    前記処理装置は、前記扱胴の軸線と平行な軸線を中心に回転する処理胴と、前記処理胴の下方を覆う受網と、を備え、
    前記処理胴は、その軸中心が前記扱胴の軸中心よりも低い位置に配置されるとともに、前記受網の前記扱胴側の端部上方において、前記扱胴と前記処理胴との間は連通しており、
    当該処理胴は、前記扱胴と同じ方向に回転することを特徴とする脱穀装置。
  2. 請求項1に記載の脱穀装置であって、
    前記処理装置は、前記処理胴から外側に向けて突出する複数の処理歯と、前記処理歯同士の間を通過できるように前記受網側に設けられた複数の切歯と、を備え、
    前記受網は、前記処理歯の回転軌跡に沿って配置され、
    前記切歯は、前記処理胴の回転方向で、少なくとも前記受網の下流側端部に設けられていることを特徴とする脱穀装置。
  3. 請求項1又は2に記載の脱穀装置であって、
    前記扱胴の前記扱歯の間を通過できるように構成された複数の受歯を、前記受網の前記扱胴側の端部に設けたことを特徴とする脱穀装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の脱穀装置であって、
    前記処理装置は、上下に複数並べて配置されることを特徴とする脱穀装置。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の脱穀装置であって、
    前記扱胴と前記処理胴の下端の位置が高さ方向で揃っていることを特徴とする脱穀装置。
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