JP2012169479A - ステンレス箔製太陽電池基板材およびその製造方法 - Google Patents

ステンレス箔製太陽電池基板材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光吸収層であるCu(In1-XGaX)Se2の被膜の剥離を防止したステンレス箔製太陽電池基板材、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】Crを7〜40質量%含有し、0〜100℃における線膨脹率が12.0×10-6/℃以下であり、厚みを20〜200μmとしたステンレス箔に、N2ガス,H2ガス,Arガス,AXガスおよびHNガスから選ばれる1種の雰囲気中または2種以上を混合した雰囲気中で、かつ250〜1050℃の範囲内で応力除去のための予備熱処理を施し、さらに予備熱処理を施したステンレス箔2の表面にMo層からなる裏面電極5を形成した後、またはステンレス箔2の表面に絶縁被膜を形成しさらにその上にMo層からなる裏面電極5を形成した後、被膜形成熱処理を施して裏面電極5上にCu(In1-XGaX)Se2からなる光吸収層4を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステンレス箔に光吸収層を形成した太陽電池基板材、およびその製造方法に関するものである。
太陽電池基板材の素材には、比較的安価な絶縁体であるガラスが広く使用されている。しかしガラスは脆いので、ガラスの表面に光吸収層を形成したガラス製太陽電池基板材を大量にかつ連続的に製造することは困難である。
そこで、大量生産が可能で、しかもガラスより安価な金属板(たとえばステンレス鋼板等)を用いた太陽電池基板材の開発が進められている。ただし金属板は導電体であるから、集積型の太陽電池の基板材として使用するためには、表面に絶縁被膜を形成する必要がある。もしくは、シリコン太陽電池と同じ様に表面集電電極を取り付けて太陽電池セルをつなぎ合わせていくことによって、グリッド型として使用することも可能である。
たとえば特許文献1,2には、ステンレス鋼板の表面を平滑にしてアルミナ被膜を形成した絶縁性板材が開示されている。この絶縁性板材にMo層からなる裏面電極を形成して、その上に光吸収層としてCu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する際に、そのCu(In1-XGaX)Se2の結晶を成長させるための熱処理を施して集積型の太陽電池基板材として使用すれば、ガラス製太陽電池基板材に比べて、製造コストの低減を図ることができる。
もしくはグリッド型の太陽電池基板材として使用する場合は、ステンレス鋼板の表面を平滑にしてその上にMo層からなる裏面電極を形成して、さらにその上に光吸収層としてCu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する際に、そのCu(In1-XGaX)Se2の結晶を成長させるための熱処理を施して太陽電池基板材とする。なお、Cu(In1-XGaX)Se2は、Cu(In)Se2とCu(Ga)Se2とを混晶させたCIGSと称される物質を指す。
これらのステンレス鋼板を用いた太陽電池基板材(すなわちステンレス鋼板製太陽電池基板材)では、絶縁被膜や裏面電極を形成する際に、予めバリア層と呼ばれるCr等の層を下地に形成することがある。この場合も、バリア層以外の絶縁被膜,裏面電極,光吸収層は、上記と同様に構成される。
特開平6-299347号公報 特開平5-306460号公報
ステンレス鋼板製太陽電池基板材の製造コストをさらに削減するために、使用するステンレス鋼板の薄肉化が求められており、ステンレス箔に光吸収層を形成する、あるいは絶縁被膜を形成した絶縁性箔材に光吸収層を形成して太陽電池基板材として使用する技術が検討されている。
ステンレス箔を素材とした太陽電池基板材(以下、ステンレス箔製太陽電池基板材という)では、グリッド型の場合、ステンレス箔を平滑にして、その表面にMo層からなる裏面電極を形成して、その上に光吸収層としてCu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する。もしくは集積型の場合、ステンレス箔の表面に絶縁被膜(たとえばアルミナ被膜等)を形成して絶縁性箔材とし、その絶縁被膜上に裏面電極を形成し、さらにその上に光吸収層であるCu(In1-XGaX)Seの被膜を形成する。
いずれの場合も、Cu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する際に施す熱処理によって、光吸収層や絶縁被膜,裏面電極が剥離し易くなるという問題がある。光吸収層であるCu(In1-XGaX)Se2の被膜が剥離すれば、太陽光を電気に変換する変換効率が低下する。また、裏面電極や絶縁被膜が剥離すると、その上に形成された光吸収層も脱落するので、変換効率の低下を招く。
本発明は、光吸収層であるCu(In1-XGaX)Se2の被膜の剥離を防止したステンレス箔製太陽電池基板材、およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、ステンレス箔製太陽電池基板材にて、光吸収層や絶縁被膜,裏面電極が剥離する原因を調査した。その結果、Cu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する際に施す熱処理によるステンレス箔の変形が原因であることが分かった。
つまり、ステレンス箔の製造工程で冷間加工を繰り返すことによって、ステンレス箔に残留応力が発生する。そのステンレス箔に絶縁被膜,裏面電極を積層した後に、光吸収層を形成するための被膜と加熱の両方を行なう処理(以下、被膜形成熱処理という)を施す(集積型)、あるいはステンレス箔に裏面電極を積層した後に光吸収層を形成するための被膜形成熱処理を施す(グリッド型)ことによって、ステンレス箔の残留応力が解放されて、ステンレス箔が変形し、光吸収層や裏面電極,絶縁被膜に亀裂が生じて剥離する。
したがって、予めステンレス箔に熱処理(以下、予備熱処理という)を施して残留応力を除去した後、集積型の場合は絶縁被膜,裏面電極を積層して光吸収層を形成する被膜形成熱処理を施す、あるいはグリッド型の場合はステンレス箔に裏面電極を積層して光吸収層を形成する被膜形成熱処理を施すことによって、被膜形成熱処理に起因するステンレス箔の変形が抑制され、ひいては光吸収層であるCu(In1-XGaX)Se2の被膜の剥離を防止することができる。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、Crを7〜40質量%含有し、0〜100℃における線膨脹率が12.0×10-6/℃以下であり、厚みを20〜200μmとしたステンレス箔に、N2ガス,H2ガス,Arガス,AXガスおよびHNガスから選ばれる1種の雰囲気中または2種以上を混合した雰囲気中で、かつ250〜1050℃の範囲内で応力除去のための予備熱処理を施し、さらに予備熱処理を施したステンレス箔の表面にMo層からなる裏面電極を形成した後、またはステンレス箔の表面に絶縁被膜を形成しさらにその上にMo層からなる裏面電極を形成した後、被膜形成熱処理を施して裏面電極上にCu(In1-XGaX)Se2からなる光吸収層を形成するステンレス箔製太陽電池基板材の製造方法である。
本発明のステンレス箔製太陽電池基板材の製造方法においては、予備熱処理を250〜900℃の範囲内で施すことが好ましい。より好ましくは250〜700℃である。また、被膜形成熱処理を450〜700℃の範囲内で施すことが好ましい。
また本発明は、Crを7〜40質量%含有し、0〜100℃における線膨脹率が12.0×10-6/℃以下であり、厚みを20〜200μmとし、さらにN2ガス,H2ガス,Arガス,AXガスおよびHNガスから選ばれる1種の雰囲気中または2種以上を混合した雰囲気中で、かつ250〜1050℃の範囲内で応力除去のための予備熱処理を施したステンレス箔の表面にMo層からなる裏面電極を形成した後、またはステンレス箔の表面に絶縁被膜を形成しさらにその上にMo層からなる裏面電極を形成した後、被膜形成熱処理を施して裏面電極上にCu(In1-XGaX)Se2からなる光吸収層を形成し、被膜形成熱処理を施す前後のステンレス箔の幅および長さの変化がそれぞれ下記の(1)式および(2)式を満足するステレンス箔製太陽電池基板材である。
100×|(W1−W0)|/W0≦0.037% ・・・(1)
100×|(L1−L0)|/L0≦0.037% ・・・(2)
0:被膜形成熱処理を施す前のステンレス箔の幅(mm)
1:被膜形成熱処理を施した後のステンレス箔の幅(mm)
0:被膜形成熱処理を施す前のステンレス箔の長さ(mm)
1:被膜形成熱処理を施した後のステンレス箔の長さ(mm)
本発明のステレンス箔製太陽電池基板材においては、被膜形成熱処理を施す前後のステンレス箔の幅および長さの変化がそれぞれ下記の(3)式および(4)式を満足することが好ましい。また、予備熱処理の温度が250〜700℃の範囲内であることが好ましい。さらに、被膜形成熱処理の温度が450〜700℃の範囲内であることが好ましい。
100×|(W1−W0)|/W0≦0.018% ・・・(3)
100×|(L1−L0)|/L0≦0.018% ・・・(4)
本発明によれば、安価でしかも大量生産が可能なステンレス箔を用いた太陽電池基板材(すなわちステンレス箔製太陽電池基板材)に形成される光吸収層の剥離を防止できる。そのため、太陽電池の製造コストの削減に寄与するだけでなく、太陽光を電気に変換する変換効率を向上することが可能となる。
本発明のステンレス箔製太陽電池基板材の例を模式的に示す断面図である。 本発明のステンレス箔製太陽電池基板材の他の例を模式的に示す断面図である。
図1,2は、本発明のステンレス箔製太陽電池基板材の例を模式的に示す断面図である。本発明では、ステンレス箔製太陽電池基板材1の素材であるステンレス箔2の箔圧延までの製造方法は特に限定しない。
まず、ステンレス箔2の成分について説明する。
Cr量が7質量%未満では長期使用時の耐食性が不足しており、ステンレス箔製太陽電池基板材としての耐久性が劣化する。一方、40質量%を超えるとステンレス箔の製造工程における中間製品である熱延鋼板の靭性が著しく低下し、製造ラインを通板することができなくなるという問題がある。そのため、Cr量は7〜40質量%とする必要がある。
ステンレス箔2は、上記の組成にNbおよび/またはMoを含有してもよい。
ステンレス箔2がNbを含有する場合は、Nb含有量が0.05質量%未満では、結晶化熱処理での耐変形効果が低下する。一方、1.5質量%を超えると、ステンレス箔の製造工程における中間製品である熱延鋼板の製造時の溶接性が著しく低下し、製造ラインを通板することができなくなるという問題がある。したがって、Nb含有量は0.05〜1.5質量%の範囲内が好ましい
ステンレス箔2がMoを含有する場合は、Mo含有量が0.3質量%未満では、被膜形成熱処理での耐変形効果が低下する。一方、3.0質量%を超えると、ステンレス箔の製造工程における中間製品である熱延鋼板の製造時の熱間加工性が低下し、製造ラインを通板することができなくなるという問題がある。したがって、Mo含有量は0.3〜3.0質量%の範囲内が好ましい。
ステンレス箔2の0〜100℃における線膨脹率が12.0×10-6/℃を超えると、被膜形成熱処理によって光吸収層の剥離が発生する。したがって、ステンレス箔2の0〜100℃における線膨脹率は12.0×10-6/℃以下とする。
このようなステンレス箔は、たとえばJIS規格のSUS430(いわゆる17%Cr鋼),SUS444(いわゆる18Cr-2Mo鋼),SUS447J1(いわゆる30Cr-2Mo鋼)等に相当するステンレス鋼を箔圧延することによって得られる。
次にステンレス箔2の厚みについて説明する。
ステンレス箔2の厚みが、20μm未満では、ステンレス箔2が極めて容易に折れ曲がる、あるいは破れるので、後述する絶縁被膜や光吸収層にステンレス箔2の折れ目や破れ目から亀裂が生じて剥離し易くなる。一方、200μmを超えると、ガラス基板よりコスト高となるからである。したがって、ステンレス箔2の厚みは20〜200μmの範囲内とする。
このような組成と厚みを有するステンレス箔2に、絶縁被膜3や裏面電極5等を形成する前に、予備熱処理を施して、ステンレス箔2の圧延工程で発生した残留応力を除去する。予備熱処理は、N2ガス,H2ガス,Arガス,AXガスおよびHNガスから選ばれる1種の雰囲気中または2種以上を混合した雰囲気中で行なう。予備熱処理をこのような不活性ガス雰囲気あるいは還元性ガス雰囲気で行なうことによって、ステンレス箔2の酸化を防止する。なお、AXガスは75体積%H2と25体積%N2の混合ガスを指し、HNガスは3〜10%体積%H2と残部25体積%N2の混合ガスを指す。
予備熱処理の温度が250℃未満では、ステンレス箔2の残留応力を十分に除去できない。一方、1050℃を超えると、ステンレス箔2の結晶粒が粗大化してステンレス箔2の表面が荒れるために変換効率の低下を招く。また、NbもしくはMoを添加しない場合には、900℃を超えると変態するので充分な耐食性を得ることができない。さらに、ステンレス箔2を軟質化させずに硬度を保持し、ステンレス箔2の剛性を上げるためには700℃以下が望ましい。したがって、予備熱処理の温度は250〜1050℃の範囲内とする。好ましくは250〜900℃、より好ましくは250〜700℃である。この温度範囲で予備熱処理を行なうことによって、ステンレス箔2の変形を防止しつつ残留応力を除去できる。その効果を顕著に発揮するために、予備熱処理の時間は到達温度で数秒保持すれば充分である。
図2に示すような集積型では、予備熱処理を施した後、ステンレス箔2に絶縁被膜3を形成する。絶縁被膜3の形成方法は特に限定しない。また、絶縁被膜3の材質は特に限定しないが、従来から広く使用されているアルミナ被膜が好ましい。次いで、絶縁被膜3上にMo層からなる裏面電極5を形成し、その上に光吸収層4としてCu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する。
図1に示すようなグリッド型では、予備熱処理を施した後、ステンレス箔2に裏面電極5を形成する。次いで、裏面電極5上に光吸収層4としてCu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する。
いずれの場合も、予備熱処理を施したステンレス箔2に絶縁被膜3や裏面電極5を形成するにあたって、予めバリア層と呼ばれるCr等の層を形成しても良い。この場合も、バリア層以外の絶縁被膜,裏面電極,光吸収層の構成は、上記と同じである。
なお本発明では、絶縁被膜3,裏面電極5,光吸収層4の形成方法は特に限定しないが、光吸収層4における被膜形成熱処理方法として、例えば、(A)固相法,(B)気相法,(C)蒸着法がある。各々の方法について、その概要を以下に示す。
(A)固相法
In/(CuGa)をスパッタリングにより、さらにSeを蒸着法により、基板上に積層させて、Se/In/(CuGa)を形成した後、450〜500℃で熱処理を施すことによってCu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する方法。
(B)気相法
In/(CuGa)をH2Seガスの雰囲気中で加熱処理してCIGS膜を形成した後、さらに500℃程度の温度で熱処理を施すことによってCu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する方法。
(C)蒸着法
In,Ga,Seを基板温度350〜500℃で照射した後、基板温度を500〜550℃に昇温してSe,Cuのみを照射し、さらに500〜550℃でIn,Ga,Cuを照射する、あるいはIn,Ga,Se,Cuを500℃程度の基板に同時に蒸着させることによってCu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成する方法。
被膜形成熱処理の温度が450℃未満では、Cu(In1-XGaX)Se2の結晶が十分に成長しない。一方、700℃を超えると、ステンレス箔2の変形量が増大するので、絶縁被膜3,裏面電極5や光吸収層4が剥離し易くなる。したがって、被膜形成熱処理の温度は450〜700℃の範囲内が好ましい。この温度範囲で被膜形成熱処理を行なうことによって、ステンレス箔2の変形を防止しつつCu(In1-XGaX)Se2の結晶を成長させることが可能となる。
このようにしてステンレス箔2に絶縁被膜3を形成し、その絶縁被膜3上に裏面電極5と光吸収層4を形成して得たステンレス箔製太陽電池基板材1(図2)は、絶縁被膜3を形成する前に予備熱処理を施して残留応力を除去するので、被膜形成熱処理に起因する変形が抑制される。また、ステンレス箔2に裏面電極5を形成し、その裏面電極5上に光吸収層4を形成して得たステンレス箔製太陽電池基板材1(図1)は、裏面電極5を形成する前に予備熱処理を施して残留応力を除去するので、被膜形成熱処理に起因する変形が抑制される。
すなわち、被膜形成熱処理を施す前のステンレス箔2の幅をW0(mm),被膜形成熱処理を施した後のステンレス箔2の幅をW1(mm),被膜形成熱処理を施す前のステンレス箔2の長さをL0(mm),被膜形成熱処理を施した後のステンレス箔2の長さL1(mm)として、幅と長さの変化が下記の(1)式および(2)式を満足し、光吸収層4や裏面電極5、絶縁被膜3の剥離を抑制できる。
100×|(W1−W0)|/W0≦0.037% ・・・(1)
100×|(L1−L0)|/L0≦0.037% ・・・(2)
光吸収層4や裏面電極5,絶縁被膜3の剥離を抑制する効果をより一層高めるためには、被膜形成熱処理に起因するステンレス箔2の変形をさらに抑制する必要があるので、ステンレス箔2の幅と長さの変化を下記の(3)式および(4)式の範囲に抑えることが好ましい。
100×|(W1−W0)|/W0≦0.018% ・・・(3)
100×|(L1−L0)|/L0≦0.018% ・・・(4)
以上に説明した通り、本発明のステンレス箔製太陽電池基板材1は、被膜形成熱処理に起因するステンレス箔2の変形を低減することによって、光吸収層4や裏面電極5,絶縁被膜3の剥離を抑制できる。その結果、本発明のステンレス箔製太陽電池基板材1から製造した太陽電池は、太陽光を効率良く電気に変換できる。
図1に示すステンレス箔製太陽電池基板材1を製造し、ステンレス箔2の変形を調査した。さらに電極を装着して太陽電池を製作し、その変換効率を調査した。その手順を以下に説明する。
表1に示す成分のステンレス箔2(厚み50μm)に、予備熱処理(温度400〜700℃)を施し、裏面電極5としてMo層を形成した後、光吸収層4として固相法による被膜形成熱処理を施すことによってCu(In1-XGaX)Se2の被膜を形成した。なお、固相法における熱処理温度は550℃とした。このようにして製作したものを、ステンレス箔製太陽電池基板材1とした。その際、被膜形成熱処理を施す前にステンレス箔2の中央部に幅方向と長さ方向にそれぞれ罫線を引き、被膜形成熱処理の後でそれらの罫線の長さを測定して、100×(W1−W0)/W0および100×(L1−L0)/L0を算出して、ステンレス箔2の変形として評価した。その結果を表2に示す。
このようにして得たステンレス箔製太陽電池基板材1に、バッファー層としてCdS被膜を製膜し、次いで透明伝導膜としてZnO被膜を形成し、最後にNi−Al電極を真空蒸着して、太陽電池を製作した。その太陽電池の変換効率を測定した。これを発明例とする。
なお、太陽光を電気に変換する変換効率は、発電された電流,電圧測定から得られた出力値を入射光強度で割った値で算出される。
一方、予備熱処理を施さず、その他の工程は発明例と同様にして太陽電池を製作し、その変換効率を測定した。これを比較例とする。
発明例および比較例について、ステンレス箔の変形と太陽電池の変換効率を表2に示す。ここで、ステンレス箔2の幅および長さの変化において、+は膨張側、−は収縮側を表している。
Figure 2012169479
Figure 2012169479
表2から明らかなように、発明例はステンレス箔の変形が小さく、その結果、光吸収層の剥離が抑制されたので、太陽電池の変換効率が高かった。
本発明によれば、安価でしかも大量生産が可能なステンレス箔を用いた太陽電池基板材(すなわちステンレス箔製太陽電池基板材)に形成される光吸収層の被膜の剥離を防止することができる。そのため、太陽電池の製造コストの削減に寄与するだけでなく、太陽光を電気に変換する変換効率を向上することが可能となるので、産業上格段の効果を奏する。
1 ステンレス箔製太陽電池基板材
2 ステンレス箔
3 絶縁被膜
4 光吸収層
5 裏面電極

Claims (8)

  1. Crを7〜40質量%含有し、0〜100℃における線膨脹率が12.0×10-6/℃以下であり、厚みを20〜200μmとしたステンレス箔に、N2ガス、H2ガス、Arガス、AXガスおよびHNガスから選ばれる1種の雰囲気中または2種以上を混合した雰囲気中で、かつ250〜1050℃の範囲内で応力除去のための予備熱処理を施し、さらに該予備熱処理を施した前記ステンレス箔の表面にMo層からなる裏面電極を形成した後、または前記ステンレス箔の表面に絶縁被膜を形成しさらにその上にMo層からなる裏面電極を形成した後、被膜形成熱処理を施して前記裏面電極上にCu(In1-XGaX)Se2からなる光吸収層を形成することを特徴とするステンレス箔製太陽電池基板材の製造方法。
  2. 前記予備熱処理を250〜900℃の範囲内で施すことを特徴とする請求項1に記載のステンレス箔製太陽電池基板材の製造方法。
  3. 前記予備熱処理を250〜700℃の範囲内で施すことを特徴とする請求項1または2に記載のステンレス箔製太陽電池基板材の製造方法。
  4. 前記被膜形成熱処理を450〜700℃の範囲内で施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のステンレス箔製太陽電池基板材の製造方法。
  5. Crを7〜40質量%含有し、0〜100℃における線膨脹率が12.0×10-6/℃以下であり、厚みを20〜200μmとし、さらにN2ガス、H2ガス、Arガス、AXガスおよびHNガスから選ばれる1種の雰囲気中または2種以上を混合した雰囲気中で、かつ250〜1050℃の範囲内で応力除去のための予備熱処理を施したステンレス箔の表面にMo層からなる裏面電極を形成した後、または前記ステンレス箔の表面に絶縁被膜を形成しさらにその上にMo層からなる裏面電極を形成した後、被膜形成熱処理を施して前記裏面電極上にCu(In1-XGaX)Se2からなる光吸収層を形成し、前記被膜形成熱処理を施す前後の前記ステンレス箔の幅および長さの変化がそれぞれ下記の(1)式および(2)式を満足することを特徴とするステレンス箔製太陽電池基板材。
    100×|(W1−W0)|/W0≦0.037% ・・・(1)
    100×|(L1−L0)|/L0≦0.037% ・・・(2)
    0:被膜形成熱処理を施す前のステンレス箔の幅(mm)
    1:被膜形成熱処理を施した後のステンレス箔の幅(mm)
    0:被膜形成熱処理を施す前のステンレス箔の長さ(mm)
    1:被膜形成熱処理を施した後のステンレス箔の長さ(mm)
  6. 前記被膜形成熱処理を施す前後の前記ステンレス箔の幅および長さの変化がそれぞれ下記の(3)式および(4)式を満足することを特徴とする請求項5に記載のステンレス箔製太陽電池基板材。
    100×|(W1−W0)|/W0≦0.018% ・・・(3)
    100×|(L1−L0)|/L0≦0.018% ・・・(4)
  7. 前記予備熱処理の温度が250〜700℃の範囲内であることを特徴とする請求項5または6に記載のステンレス箔製太陽電池基板材。
  8. 前記被膜形成熱処理の温度が450〜700℃の範囲内であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のステンレス箔製太陽電池基板材。
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