JP2012169134A - 太陽電池用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックフィルム基材層上に導電層などとの接着性を高めるために接着層を有し、かかる接着層が接着性とともに太陽電池の電解質に対する耐溶剤性および耐加水分解性を備えた太陽電池用フィルムを提供する。
【解決手段】プラスチックフィルム基材層の片面に下記式(1)で表わされる変性シリカを含む接着層を有し、該変性シリカの接着層中の含有率が接着剤層の重量を基準として30重量%以上100重量%未満である太陽電池用フィルムによって得られる。
SiOx ・・・(1)
(式(1)中、xは1を超え2未満である)
【選択図】なし

Description

本発明は太陽電池用フィルムに関し、さらに詳しくは太陽電池の電解質に対する耐溶剤性に優れる接着層をプラスチックフィルム基材層上に有する太陽電池用フィルムに関する。
プラスチックフィルムは、従来より様々な用途に用いられ、近年は太陽電池用部材としても用いられるようになってきている。
太陽電池には一般的にガラスを基板材料とするリジットタイプのものとフィルムを基板材料とするフレキシブルタイプがあるが、時計あるいは携帯電話や携帯端末のような移動体通信機器の補助電源として、最近ではフレキシブルタイプの太陽電池が多く活用されるようになってきた。特に近年、新たな変換素子を用いた太陽電池の開発が盛んとなりフレキシブルタイプの研究も盛んになっている。このフレキシブルタイプの太陽電池の部材としてポリエステル、ポリスルホン、ポリイミドなどといった種々の高分子フィルムが用いられるようになってきている(特許文献1など)。
この中でも色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池は、印刷技術を用いて加工することができることから、より安価により大量に生産されることが期待される一方、その効率や耐久性はまだ改善の必要があり、鋭意研究がすすめられている。
例えば特許文献2にはフレキシブルかつ軽量であり、有害物質をほとんど使っていない材料からなる大型の色素増感太陽電池の構成が開示されている。特許文献2によれば、基板上に反射シートを介して2液硬化型ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系などの接着剤層を設け、さらに熱可塑性樹脂フィルムを介して透明電極層を設ける太陽電池の構造が記載されている。
また特許文献3には薄膜太陽電池などの太陽電池モジュールにおいて、高湿度環境下での光電変換機能低下を抑制するために、光起電力素子の受光面側の有機高分子層中に透明無機絶縁体薄膜を表面に形成した高分子フィルム(透明防湿フィルム)を挿入することが記載されており、かかる透明無機絶縁体薄膜として、コーティングにより形成する場合にはアルコキシシランなどを含む金属アルコキシド化合物を主成分として用いた10μm以下、好ましくは5μm以下の層を設け、その上に封止樹脂である有機高分子層を積層することが記載されている。
また特許文献4には多孔質内部に電解質を浸透させると必然的に透明電極と電解質が接触してしまい、化学的耐久性が低いITOを電極として用いた場合に電解質中に含まれる酸化還元対や電解質溶媒により劣化し、電極としての機能が経時的に低下することを抑制するため、より化学的耐久性の高い金属酸化物からなる第1透明電極層を多孔質層とITOからなる第2透明電極層の間に設けた色素増感型太陽電池用積層体が提案されており、さらに第2透明電極層と基材とを熱溶融性樹脂からなる接着剤層を介して接合する構成が記載されている。また熱溶融性樹脂の中でもシラン変性樹脂が好ましく、特にポリオレフィン化合物とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体が好ましいことが記載されている。
一方、プラスチック基材フィルムと導電層との接着性を高めるために用いられる接着層については、太陽電池の電解質に対する安定性は着目されていなかったが、電解質液体が接着層に到達すると接着層が膨潤し、その上に積層されている導電層が経時的に不安定化して導電性に影響を与えることや、工程に有機溶剤を使用する場合においても導電性に影響を与えることが新たに問題視されるようになってきた。
特開平1−198081号公報 特開2005−216504号公報 特開平6−318728号公報 特開2006−278299号公報
本発明の目的はかかる課題を解消し、プラスチックフィルム基材層上に導電層などとの接着性を高めるための接着層を有し、かかる接着層が接着性とともに太陽電池の電解質や工程溶剤に対する耐溶剤性および耐加水分解性を備えた太陽電池用フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、接着層が変性シリカを一定量用いて形成され、かかる変性シリカのSiO結合量が一定範囲にあることにより、プラスチック基材および導電層双方との接着性を有し、さらに太陽電池の電解質及び工程溶剤に対する耐溶剤性および耐加水分解性を備え、その上に積層される導電層への経時的な影響を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の目的は、プラスチックフィルム基材層の片面に下記式(1)で表わされる変性シリカを含む接着層を有し、該変性シリカの接着層中の含有率が接着剤層の重量を基準として30重量%以上100重量%未満である太陽電池用フィルムによって達成される。
SiOx ・・・(1)
(式(1)中、xは1を超え2未満である)
また本発明の太陽電池用フィルムは、その好ましい態様として、プラスチックフィルムがポリエステルフィルムであること、該接着層の厚みが5μm未満であること、該接着層上にさらに導電層を有すること、プラスチックフィルム、接着層、導電層がかかる順に直接積層されてなること、該変性シリカがシランカップリング剤化合物の残基であること、該接着層が塗布により形成されること、該接着層がアルカリ性無機粒子を含むこと、該接着層が熱硬化性であること、色素増感太陽電池もしくは有機薄膜太陽電池の部材として用いられること、の少なくともいずれか一つを具備するものを包含する。
本発明によれば、導電層との接着性に優れ、湿熱や太陽電池の電解質などの溶剤に対して高い耐久性を持ち、長期にわたり光発電性能を維持することができる太陽電池用フィルムを提供することができる。
[プラスチックフィルム]
本発明におけるプラスチックフィルムはプラスチックから構成され、ポリエステル、ポリカーボネート、非晶質オレフィン、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリメタクリレート、ポリスチレン、アクリル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリスルホン酸、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンスルフィド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート、ポリウレタン、ケイ素樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドを例示することができる。中でも、耐溶剤性の高いポリエステルが好ましい。
かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。これらの共重合体またはこれと小割合の他樹脂とのブレンドであってもよい。これらのポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので好ましい。特にポリエチレン−2,6−ナフタレートは機械的強度の大きさ、熱収縮率の小ささ、加熱時のオリゴマー発生量の少なさなどの点で最も好ましい。
ポリエチレンテレフタレートとしては、ポリマーの全繰り返し単位を基準としてエチレンテレフタレート単位を好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、特に好ましくは97モル%以上有するものを用いるとよい。ポリエチレン−2,6−ナフタレートとしては、ポリマーの全繰り返し単位を基準としてエチレン−2,6−ナフタレート単位を好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、特に好ましくは97モル%以上有するものを用いるとよい。かかるポリエステルは、ホモポリマーでも、第三成分を共重合したコポリマーでもよいが、ホモポリマーが好ましい。
前記プラスチックの分子量は成型可能な範囲で十分に高い方が好ましい。分子量が高いことにより、すなわち固有粘度が高いことにより、太陽電池用途として用いた場合、長期に渡る耐加水分解性向上に好適である。一方で分子量が高く、固有粘度が高すぎると、成形性が乏しく生産性が低下することがある。例えばポリエステルの固有粘度は、好ましくは0.40dl/g以上、さらに好ましくは0.40〜0.90dl/gである。固有粘度が下限値に満たないと太陽電池用に用いた場合に耐久性が低下することがあり、他方、固有粘度が上限値を超えると溶融粘度が高いため、溶融押出が困難になったり、重合時間の長化につながることがある。例えばポリエステルの場合の固有粘度([η]dl/g)は、35℃のo−クロロフェノール溶液での測定値から算出される。
プラスチックフィルムのプラスチックは従来公知の方法で得ることができる。例えばポリエステルの場合はジカルボン酸とグリコールの反応で直接低重合度ポリエステルを得た後、重合反応触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。また、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応触媒を用いて反応させた後、重合反応触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。エステル交換反応触媒としては、従来公知のもの、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物を用いることができる。重合反応触媒としては、従来公知のもの、例えば三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウムで代表されるようなゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウム、チタントリスアセチルアセトネートのようなチタン化合物を用いることができる。エステル交換反応を経由して重合を行う場合は、重合反応前にエステル交換触媒を失活させる目的でトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、正リン酸等のリン化合物が通常は添加されるが、リン元素としてのポリエステル中の含有量が20〜100ppmであることが熱安定性の点から好ましい。なお、ポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素などの不活性気流中においてさらに固相重合を施してもよい。
また、本発明のプラスチックフィルムは、二軸延伸された二軸配向フィルムであることが好ましい。ポリマー鎖を十分に配向させることで、加熱時の熱膨張を抑えることが可能となり、太陽電池の積層過程中での熱膨張を抑えることが可能となる。
例として二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。なおガラス転位温度をTg、融点をTmと略記する。ポリエステルフィルムは、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上、合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸し、必要に応じてさらに180℃〜255℃で1〜60秒間熱処理を行うことにより得ることができる。ポリエステルフィルムの長手方向と幅方向における熱収縮率の差、および長手方向の熱収縮率を小さくするためには、例えば特開昭57−57628号公報に示されるような、熱処理工程で縦方向に収縮せしめる方法や、例えば特開平1−275031号公報に示されるような、フィルムを懸垂状態で弛緩熱処理する方法などを用いることができる。
また太陽電池作成工程においては、加熱工程を含むためにこの工程前後でも寸法が変化しにくいプラスチックフィルムが好ましい。
本発明におけるプラスチックフィルムは200℃で10分処理したときのフィルムの長手方向と幅方向における熱収縮率の差の絶対値が、好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.3%以下である。熱収縮率の差の絶対値が上限値を越えると、電池作成の加熱工程において寸法変化し、光電変換層等との密着性が悪化することがあり、安定な光発電性能が得られないことがある。
なお、200℃で10分処理した際のフィルム長手方向の熱収縮率は、プラスチックフィルム上に設置した層との密着性を良好にするために小さいほうが好ましく、好ましくは0〜0.5%、さらに好ましくは0〜0.3%である。
プラスチックフィルムの厚みは、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは20〜400μm、特に好ましくは50〜300μmである。フィルム厚みが下限値に満たないとハンドリング性が低下し、その後の太陽電池組み立て工程に影響することがある。他方、フィルム厚みが上限値を超えると柔軟性に乏しくなり、連続生産プロセスの際の加工性・生産性が低下することがある。
本発明の太陽電池用フィルムを太陽光を受光する側(窓側)の層に用いる場合、透明性が高い方が好ましい。波長400〜800nmの範囲の平均全光線透過率として70%以上であることが好ましく、さらに好ましくは75%以上である。かかる波長帯における平均全光線透過率が下限値に満たないと光が十分に入射せず、光電変換が十分に行なわれないことがある。なお、400〜800nmの範囲の平均全光線透過率は、400〜800nmの各波長の全光線透過率を平均したものである。
また本発明のプラスチックフィルムの接着層と反対側に、製膜時の生産性を向上させるために易滑層を設けてもよい。かかる易滑層は共押出法により形成される層、塗布により形成される層、ラミネートにより形成される層のいずれの方法で形成される層であってもよい。
[接着層]
本発明の太陽電池用フィルムはプラスチックフィルム基材層の片面に接着層を有する層構成を有しており、かかる接着層は下記式(1)で表わされる変性シリカを含む。
SiOx ・・・(1)
(式(1)中、xは1を超え2未満である)
変性シリカを構成する珪素原子に対して酸素原子の結合量xは1を超え2未満であり、好ましくは1.2から1.8である。
xが下限値に満たないと変性シリカがオイル状となり接着性が低下する。他方、xが上限値を超える場合、接着層が脆く柔軟性に乏しくなり、目的とする接着性の向上に寄与しなくなる。
該変性シリカの接着層中の含有率は、接着剤層の重量を基準として30重量%以上100重量%未満であり、好ましくは50重量%以上95重量%以下、さらに好ましくは70重量%以上90重量%以下である。該変性シリカの含有率が下限値に満たないと他の添加物の含量が多くなり、十分な耐加水分解性が得られず、太陽電池の電解質に対する耐溶剤性が低下する。
変性シリカを構成する成分としてはシランカップリング剤(以下、シラン化合物と称することがある)が挙げられる。
シランカップリング剤としては、一般式Y−R−Si−Z3で表わされる化合物である。ここでYとしてビニル基、エポシキ基、アミノ基、メルカプト基などの有機官能基が例示され、Rとしてメチレン、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基が例示され、かかるRが化合物中に含まれないシランカップリング剤であってもよい。
また、Zとしてメトキシ基、エトキシ基などの加水分解基や、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基が例示され、これらの置換基を1種用いてもよく、これらの中から複数の置換基を用いてもよい。
かかるシランカップリング剤の具体的化合物として、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N―β(アミノエチル)―γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β(アミノエチル)―γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。本発明におけるシランカップリング剤は、水溶性又は水分散性を有するカップリング剤であることが好ましい。
また本発明の接着層には、上述の変性シリカ以外に、少量の範囲でシリカ粒子を添加してもよい。かかるシリカ粒子は、接着剤層の均一性をより保つために平均粒径が1〜300nmのものが好ましく、1〜150nmのものがさらに好ましい。上限値を超える平均粒径のシリカ粒子の場合、接着層から脱落したり、光を散乱させることがある。
本発明の接着層は、上述の変性シリカ以外に、アルカリ性無機粒子を含むことが好ましい。接着層にアルカリ性無機粒子を含むことにより、変性シリカの架橋反応を促進し、接着層を熱硬化性にすることができる。アルカリ性無機粒子としては、例えば酸化鉄ゾル、アルミナゾル、酸化スズゾル、酸化ジルコニウムゾル、シリカゾル等を挙げることができるが、特にアルミナゾル、シリカゾルが好ましい。中でもシランカップリング剤の初期反応性(ダイマー化、トリマー化等)を促進する点から、シリカゾルが好ましい。
アルカリ性無機粒子は表面積の大きい小粒径のものが良く、平均粒径が1〜150nm、さらには2〜100nm、特に3〜50nmであるものが好ましい。平均粒径が上限値より大きくなると表面積が小さくなりすぎ、シラン化合物の脱水縮合反応促進作用が低下することがあり、さらに接着剤層の表面が荒れ、導電層などといった接着剤層上に設ける層の機能に影響を与えることがある。他方、アルカリ性無機粒子の平均粒径が下限値より小さくなると表面積が大きすぎてシラン化合物の縮合反応の反応制御が困難となることがある。粒径の測定方法としてはレーザー散乱式粒度分布測定装置を用いて添加前の粒子の平均粒径を評価することができる。
アルカリ性無機粒子の量は、変性シリカ量を100重量部として1〜50重量部、さらには2〜20重量部、特に2〜10重量部であることが好ましい。この量が下限値に満たない範囲であるとシラン化合物の架橋反応が進まず、他方上限値を超えると接着層を形成するための塗液の安定性に欠けることがあり、例えば無機粒子の添加後短時間で塗液中に沈澱が発生することがある。
本発明の接着層は、かかるシラン化合物の縮合反応により部分的に3次元架橋された熱硬化性の層であることが好ましい。接着層が熱硬化性であることにより、太陽電池の電解質による膨潤が生じにくくなり、耐溶剤性が向上する。
これらの剤を含む塗液、特に水性液には、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性などの界面活性剤を必要量添加して用いてもよい。かかる界面活性剤としては塗液の表面張力を50dyne/cm以下、好ましくは40dyne/cm以下に下げることができ、プラスチックフィルムへの濡れを促進するものがこのましい。界面活性剤の添加量としては変性シリカを100重量部として1〜20重量部程度である。
本発明の接着層は、太陽電池の電解質に対する耐溶剤性の観点より、本発明の変性シリカを上述の範囲内でより高濃度に含有することが好ましく、接着層には極力有機成分を含まないことが好ましい。有機成分量が増えると電解質に対する接着層の耐溶剤性が低下して膨潤しやすくなり、導電層など積層させる層の機能の経時的低下が生じることがある他、接着層の接着力低下や耐加水分解性低下につながることがある。かかる有機成分は接着層の重量を基準として40重量%以下であることが好ましく、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
本発明の接着層には、本発明の効果を消失させない範囲において、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤等の他の添加剤を混合することができるが、その量は上述の有機成分量の範囲内にとどめることが好ましい。
接着層を形成するための塗液は、特に水溶性の場合、そのpHを4.0〜7.0、好ましくは5.0〜6.7に調整する。このpHが下限値に満たないとアルカリ性無機粒子の触媒活性が失われることがあり、他方、上限値を超えると塗液が不安定となり、沈澱が生じやすくなる。このpHを調整する酸としては塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸や蓚酸、蟻酸、くえん酸、酢酸等の有機酸が用いられるが、特に有機酸が好ましい。
本発明の接着層はプラスチックフィルムの製造過程において塗布により形成されるのが、製造コスト、異物混入の抑制、薄膜化などの観点から好ましい。特に結晶性プラスチックの場合、配向結晶化が完了する前に該塗液を塗布するのがプラスチックフィルムへの接着性の観点から好ましい。
ここで、結晶配向が完了する前のプラスチックフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向させた一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向させたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸し、配向結晶化を完了させる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。
なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向させた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
上記塗液の固形分濃度は、塗液の重量を基準として通常30重量%以下であり、10重量%以下とすることがさらに好ましい。塗布量は走行しているフィルム1m2当り0.5〜20g、さらに1〜10gが好ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えば、キスコート法、バースコート法、ダイコート法、リバースコート法、オフセットグラビアコート法、マイヤバーコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコ
ート法、含浸法及びカーテンコート法などを単独又は組み合わせて適用するとよい。
塗液を塗布した結晶配向完了する前のプラスチックフィルムは、その後乾燥、延伸、熱固定等の工程に導かれる。例えば塗液を塗布した縦一軸延伸ポリエステルフィルムは、ステンターに導かれて横延伸及び熱固定される。この間、塗液は乾燥され熱架橋される。
本発明における接着層の厚みは5μm未満であることが好ましく、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは300nm以下、特に好ましくは100nm以下、特に好ましくは50nm以下であり、かかる範囲内でより薄い方が好ましい。接着層の厚みが上限値を超えると、太陽電池の電解質による膨潤が生じた場合によりその影響が大きくなりやすく、導電層など上に設ける層への影響が大きくなりやすい。また場合によっては、接着層内でのデラミ等が発生することがある。また接着層の厚みの下限値は好ましくは10nm、さらに好ましくは20nmである。
[導電層]
本発明の太陽電池用フィルムの接着層上に積層させる層として、導電層を積層することが好ましく、かかる構成により太陽電池用電極を作成することができる。これらの各層は、プラスチックフィルム、接着層、導電層がかかる順に直接積層されてなることが好ましい。
導電層として金属系化合物、金属酸化物系化合物、炭素化合物などにより構成される導電層が挙げられる。金属系化合物としてはTi、SUS、Al、Ni、Ag、Au、Cuなどがあげられ、耐腐食性の点からTi、SUS、Al、Niが好ましい。
金属酸化物系化合物としては、例えば、フッ素ドープ酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛複合酸化物、ガリウムドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛などが挙げられる。特に窓層電極として用いる場合には金属酸化物系導電層が好ましい。また本発明における導電層は、透明導電層であることが好ましい。
導電層の表面抵抗は、好ましくは100Ω/□以下、さらに好ましくは40Ω/□以下である。導電層の表面抵抗が上限値を超えると太陽電池の内部抵抗が上がり、十分に発電効率が上がらないことがある。
導電層の厚みは好ましくは10〜1000nmである。これより薄いと十分に表面抵抗値を低くすることができないことがあり、またこれより厚いと導電層がわれやすくなる。
[用途]
本発明の太陽電池用フィルムは、太陽電池一般に使用できる。特に色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池は光発電層積層プロセスにおいて多くの場合有機溶剤が用いられ、これらプロセスにおいて、接着層が溶剤により変質せず、その上に積層されている導電層や発電層の性能を安定に維持することができる。また特に色素増感太陽電池に用いる場合、電池内の電解質成分による接着層の変質や膨潤が抑制され、その上に積層される導電層の性能を安定に維持することができ、太陽電池用ベースフィルムとして光変換効率向上や太陽電池の耐久性向上につながる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。測定および評価は以下の方法で行った。なお、示差走査熱量計をDSCと表記することがある。
(1)接着層組成
接着層を塗布したフィルムについて、FE−SEM(電界放出型走査電子顕微鏡S−4700)のEMAX−550を用いて接着層の組成元素分析を行ない、Si元素の有無を確認した。
また、変性シリカに着目したSiOxのx価について、29Si‐NMRを用いてSiに結合している化合物を解析し、酸素の結合量を算出した。
(2)変性シリカ比率およびアルカリ無機粒子比率
変性シリカの添加量に対して、脱水縮合化後の重量を算出し、乾燥膜中に占める変性シリカ及びアルカリ無機粒子比率を算出した。
(3)アルカリ性無機粒子の平均粒径
粒子を水に分散して、島津製作所製レーザー散乱式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて測定した。粒度分布測定結果から50%体積粒径(D50)を求め、これを平均粒径とした。
(4)接着層厚み
自動波長走査型エリプソメーター(日本分光製M−220)を用いて10点の厚みを測定し、その平均を接着層厚みとした。
(5)フィルム厚み
マイクロメーター(アンリツ(株)製のK−402B型)を用いて、フィルムの連続製膜方向および幅方向に各々10cm間隔で測定を行い、全部で300ヶ所のフィルム厚みを測定した。得られた300ヶ所のフィルム厚みの平均値を算出してフィルム厚みとした。
(6)熱収縮率
200℃に温度設定されたオーブンの中に無緊張状態で10分間フィルムを保持し、フィルム長手方向(MD)および幅方向(TD)について各々の加熱処理前後での寸法変化を熱収縮率として下式により算出し、長手方向と幅方向の熱収縮率を求めた。測定には、35cm×35cmの大きさに切り出した試料を用い、標点間距離は30cmとした。
熱収縮率%=((L−L)/L)×100
ただし、Lは熱処理前の標点間距離、Lは熱処理後の標点間距離を表わす。
(7)全光線透過率
株式会社島津製作所製の分光光度計 MPC3100を用い、波長400〜800nmの範囲について、1nmごとの全光線透過率を測定し、各波長での全光線透過率の平均値を算出した。
(8)導電層の表面抵抗値
四探針式表面抵抗率測定装置(三菱化学(株)製、ロレスタGP)を用いて任意の5点について表面抵抗値を測定し、その平均値を代表値として用いた。
(9)耐湿熱試験
接着層付きサンプルを121℃、25時間、2気圧の条件で処理して評価を行った。結果、以下の(i)〜(iii)の全てを満たす場合を合格とした。なお、サンプルとして5cm×10cmの大きさに切り出したフィルムを用いた。またクロスカット試験は、1サンプルのフィルムを5マス×5マスにカットし、4サンプル評価して合計100マスのうち、接着層のはがれが1マスもないものを生存率100%と評価した。
(i)処理前後での試料の表面抵抗の変化率が30%以下
(ii)25マス×4(合計100マス)のクロスカット試験で生存率が100%
(iii)顕微鏡観察での変化がない
(10)耐溶剤試験(耐電解質試験)
アセトニトリル1リットルに対して、ヨウ化リチウム0.1モル、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド0.3モル、ヨウ素0.05モル、t−ブチルピリジン0.5モルを溶解して電解質を調製した。サンプルをこの電解質中に室温で1週間浸漬した。浸漬後のフィルムにおいて以下の(i)、(ii)の両方を満たす場合を合格とした。なお、試料として5cm×5cmの大きさに切り出したフィルムを用いた。
(i)処理前後での試料の表面抵抗の変化率が30%以下
(ii)顕微鏡観察において変化がない
[実施例1]
<接着層用塗液A>
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3.2重量%、日本ユニカー製シリコーン系界面活性剤FZ-77を0.6重量%、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム0.08重量%、平均粒径5nmのシリカ粒子水溶液(水溶液を基準とした固形分20重量%、PH9.0)0.6重量%にイオン交換水95.52重量%を添加し、PHが5.0〜6.7になるように調整し、塗液Aを調合した。
<太陽電池用フィルムの作成>
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート([η]=0.61)のペレットを170℃で6時間乾燥後、押出機ホッパーに供給し、溶融温度305℃で溶融し、平均目開きが17μmのステンレス鋼細線フィルターで濾過し、3mmのスリット状ダイを通して表面温度60℃の回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを得た。このようにして得られた未延伸フィルムを120℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で15mm上方より850℃のIRヒーターにて加熱して縦方向に3.2倍に延伸した。この状態で塗液Aを乾燥後の厚みが60nmとなるように塗布した。
続いてテンターに供給し、140℃にて横方向に.3.4倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを244℃の温度で5秒間熱固定し、ポリエステルの固有粘度0.59dl/g、厚み125μmのフィルムを得た。このフィルムを200℃で10分間処理したときのフィルムの長手方向熱収縮率は0.56%、幅方向熱収縮率は0.10%、長手方向熱収縮率と幅方向熱収縮率との差は0.46%であった。また得られたフィルムの平均厚みは125μm、全光線透過率は87%であった。
<導電層の積層>
さらにこの太陽電池用フィルムの接着層側の表面にITOターゲット(錫濃度は二酸化錫換算で10重量%)を用いた直流マグネトロンスパッタリング法により、ITOからなる透明導電層を400nm厚みで形成して色素増感型太陽電池用フィルムを得た。透明導電層のスパッタリング法による形成は、プラズマの放電前にチャンバー内を5×10−4Paまで排気した後、チャンバー内にアルゴンと酸素の混合ガス(酸素濃度は0.5体積%)を導入して圧力を0.3Paとし、ITOターゲットに1000W印加して行った。こうして得られた導電層の表面抵抗は30Ω/□であった。
この導電層が積層された太陽電池用フィルムの耐湿熱試験及び耐溶剤試験を実施したところ、いずれも変質はみられず、合格であった。
[実施例2]
接着層の塗布厚みを50nmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用フィルムを作成したのち、導電層を積層した。評価結果を表1に示す。耐湿熱試験及び耐溶剤試験はいずれも合格であった。
[実施例3]
接着層の塗布厚みを35nmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用フィルムを作成したのち、導電層を積層した。評価結果を表1に示す。耐湿熱試験及び耐溶剤試験はいずれも合格であった。
[実施例4]
接着層用塗液を塗液Bに変更し、塗布厚みを35nmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用フィルムを作成したのち、導電層を積層した。評価結果を表1に示す。耐湿熱試験及び耐溶剤試験はいずれも合格であった。
<接着層用塗液B>
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3.2重量%、日本ユニカー製シリコーン系界面活性剤FZ−77を0.6重量%、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム0.08重量%、平均粒径5nmのシリカ粒子水溶液(水溶液を基準とした固形分20重量%、PH9.0)0.6重量%、平均粒径100nmのシリカ粒子10重量%水溶液0.1重量%にイオン交換水95.42重量%を添加し、PHが5.0〜6.7になるように調整し、塗液Bを調合した。本塗液中の平均粒径100nmのシリカ粒子はPH調整されていないためアルカリ性無機粒子には該当しない。
[実施例5]
接着層用塗液を塗液Cに変更し、塗布厚みを35nmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用フィルムを作成したのち、導電層を積層した。評価結果を表1に示す。耐湿熱試験及び耐溶剤試験はいずれも合格であった。
<接着層用塗液C>
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3.3重量%、日本ユニカー製シリコーン系界面活性剤FZ−77を0.5重量%、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム0.08重量%、平均粒径5nmのシリカ粒子水溶液(水溶液を基準とした固形分20重量%、PH9.0)0.6重量%にイオン交換水95.52重量%を添加し、PHが5.0〜6.7になるように調整し、塗液Cを調合した。
[実施例6]
接着層用塗液を塗液Dに変更し、塗布厚みを35nmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用フィルムを作成したのち、導電層を積層した。評価結果を表1に示す。耐湿熱試験及び耐溶剤試験はいずれも合格であった。
<接着層用塗液D>
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル48部、イソフタル酸ジメチル14部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4部、エチレングリコール31部、ジエチレングリコール2部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。
次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。このポリエステル25重量%をテトラヒドロフラン75重量%に溶解させ、得られた溶液100部に10000回転/分の高速攪拌下で水75部を滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去し、固形分が25重量%のポリエステルの水分散体を得た。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3.2重量%、日本ユニカー製シリコーン系界面活性剤FZ−77を0.6重量%、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム0.08重量%、平均粒径5nmのシリカ粒子水溶液(水溶液を基準とした固形分20重量%、PH9.0)0.6重量%、平均粒径100nmのシリカ粒子10重量%水溶液0.1重量%に、上記ポリエステル水分散体0.16重量%、イオン交換水95.26重量%を添加し、PHが5.0〜6.7になるように調整し、塗液Dを調合した。本塗液中の平均粒径100nmのシリカ粒子はPH調整されていないためアルカリ性無機粒子には該当しない。
[比較例1]
接着層用塗液を塗液Eに変更し、塗布厚みを80nmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用フィルムを作成したのち、導電層を積層した。評価結果を表1に示す。本比較例の組成の塗布層は耐溶剤性が十分でなかった。
<接着層用塗液E>
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル48部、イソフタル酸ジメチル14部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4部、エチレングリコール31部、ジエチレングリコール2部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。
次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。このポリエステル25重量%をテトラヒドロフラン75重量%に溶解させ、得られた溶液100部に10000回転/分の高速攪拌下で水75部を滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去し、固形分が25重量%のポリエステルの水分散体を得た。
次に、四つ口フラスコに、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム3部、およびイオン交換水181部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メタクリル酸メチル30.1部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン21.9部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸39.4部、アクリルアミド8.6部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、攪拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が35重量%のアクリルの水分散体を得た。
一方で、ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−70)を0.3重量%添加した水溶液を作成した。
上記のポリエステルの水分散体10重量%、アクリルの水分散体5重量%と水溶液85重量%を混合して塗液Eを作成した。
[比較例2]
接着層用塗液を塗液Fに変更し、厚みを80nmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用フィルムを作成したのち、導電層を積層した。評価結果を表1に示す。耐湿熱試験及び耐溶剤試験のいずれも不合格であった。
<接着層用塗液F>
塗液Eの混合比を以下の混合比に変更し、さらにシランカップリング剤を追加した以外は塗液Eと同様の方法で作成した。すなわちポリエステルの水分散体11重量%、アクリルの水分散体2重量%、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4重量%および水溶液83重量%を混合して塗液Fを作成した。
[比較例3]
接着層用塗液を塗液Gに変更し、厚みを80nmとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用フィルムを作成したのち、導電層を積層した。評価結果を表1に示す。耐湿熱試験及び耐溶剤試験のいずれも不合格であった。
<接着層用塗液G>
塗液Eの混合比を以下の混合比に変更し、さらにシランカップリング剤を追加した以外は塗液Eと同様の方法で作成した。すなわちポリエステルの水分散体10重量%、アクリルの水分散体2重量%、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン8重量%および水溶液80重量%を混合して塗液Gを作成した。
[比較例4]
塗液Aにおいてシリカ粒子水溶液を添加せずに、イオン交換水96.12重量%に変更した以外は同じ組成を用いた塗液Hを準備し、実施例1と同様の方法で太陽電池用フィルムを作成したところ、架橋による硬化性が十分に進まなかったため、乾燥時に多数のクラックが発生し、膜の形状を維持することができなかった。
Figure 2012169134
導電層との接着性に優れ、湿熱や太陽電池の電解質などの溶剤に対して高い耐久性を持ち、長期にわたり光発電性能を維持することができる太陽電池用フィルムを提供することができる。

Claims (10)

  1. プラスチックフィルム基材層の片面に下記式(1)で表わされる変性シリカを含む接着層を有し、該変性シリカの接着層中の含有率が接着剤層の重量を基準として30重量%以上100重量%未満であることを特徴とする太陽電池用フィルム。
    SiOx ・・・(1)
    (式(1)中、xは1を超え2未満である)
  2. プラスチックフィルムがポリエステルフィルムである請求項1に記載の太陽電池用フィルム。
  3. 該接着層の厚みが5μm未満である請求項1または2に記載の太陽電池用フィルム。
  4. 該接着層上にさらに導電層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用フィルム。
  5. プラスチックフィルム、接着層、導電層がかかる順に直接積層されてなる請求項4に記載の太陽電池用フィルム。
  6. 該変性シリカがシランカップリング剤化合物の残基である請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池用フィルム。
  7. 該接着層が塗布により形成される請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池用フィルム。
  8. 該接着層がアルカリ性無機粒子を含む請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池用フィルム。
  9. 該接着層が熱硬化性である請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池用フィルム。
  10. 色素増感太陽電池もしくは有機薄膜太陽電池の部材として用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の太陽電池用フィルム。
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