JP4928274B2 - 反射防止導電性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、反射防止導電性フィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、従来様々な用途に用いられ、近年は太陽電池用の部材としても用いられるようになってきている。
太陽電池には、ガラスを基板材料とするリジットタイプと、フィルムを基板材料とするフレキシブルタイプがある。最近では、時計や携帯電話、携帯端末のような移動体通信機器の補助電源として、フレキシブルタイプの太陽電池が多く用いられるようになってきている。
特開平1−198081号公報 特開平2−260577号公報 特公平6−5782号公報 特開2005−216504号公報 特開2005−158727号公報 特開2003−31272号公報 特開平6−318728号公報 特開2003−257509号公報 特開2001−077396号公報 特開2005−244073号公報
太陽電池の発電効率向上のためには、光電変換素子への入射光量を十分とる必要があるため、反射率を低減することが重要である。
本発明は、ベースフィルムとしてポリエステルフィルムを用い、寸法安定性を備えながら、高い光線透過率と、優れた反射防止性を備える透明な反射防止導電性フィルムを提供すること、特に、太陽電池用ベースフィルムとして有用な反射防止導電性フィルムを提供することを課題とする。
すなわち本発明は、二軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムおよびその上に設けられた反射防止層、ならびに該反射防止層の上に設けられた透明導電層からなり、
透明導電層がIZO(インジウム−亜鉛複合酸化物)からなり、
反射防止層は金属化合物を含み、厚みが84〜99nmであり、
反射防止層の屈折率と厚みが下記式(1)および式(2)の条件を満たすことを特徴とする反射防止導電性フィルムである。
105−40.0×N≦d≦180−40.0×N (1)
1.78≦N≦1.95 (2)
(式中、Nは反射防止層の屈折率、dは反射防止層の厚み(nm)である。)
また本発明は太陽電池の部材として用いられる上記の反射防止導電性フィルムである。
本発明によれば、ベースフィルムとしてポリエステルフィルムを用い、寸法安定性を備えながら、高い光線透過率と、優れた反射防止性を備える透明な反射防止導電性フィルムを提供すること、特に、太陽電池用ベースフィルムとして有用な反射防止導電性フィルムを提供することができる。
[ポリエステル]
本発明において、導電層を支えるベースフィルムとして二軸延伸ポリエステルフィルムを用いる。この二軸延伸ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。
かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。ポリエステルは、ホモポリマーでも、第三成分を共重合したコポリマーでもよいが、ホモポリマーが好ましい。これらのポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので好ましい。ポリエチレン−2,6−ナフタレートは、機械的強度が大きく、熱収縮率が小く、加熱時のオリゴマー発生量が少ないことから特に好ましい。
ポリエチレンテレフタレートとしては、エチレンテレフタレート単位を好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、特に好ましくは97モル%以上有するものを用いることが好ましい。ポリエチレン−2,6−ナフタレートとしては、ポリエチレン−2,6−ナフタレート単位を好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、特に好ましくは97モル%以上有するものを用いることが好ましい。
ポリエステルの固有粘度は、好ましくは0.40dl/g以上、さらに好ましくは0.40〜0.90dl/gである。固有粘度が0.40dl/g未満であると工程切断が多発することがあり好ましくなく、0.90dl/gを超えると溶融粘度が高いため溶融押出しが困難になり、重合時間が長く不経済であり好ましくない。
ポリエステルは、従来公知の方法で得ることができる。例えば、ジカルボン酸とグリコールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法で得ることができる。また、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応触媒を用いて反応させた後、重合反応触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。エステル交換反応触媒としては、従来公知のもの、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物を用いることができる。重合反応触媒としては、従来公知のもの、例えば三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウムで代表されるようなゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウム、チタントリスアセチルアセトネートのようなチタン化合物を用いることができる。エステル交換反応を経由して重合を行う場合は、重合反応前にエステル交換触媒を失活させる目的でトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、正リン酸等のリン化合物が通常は添加されるが、リン元素としてのポリエステル中の含有量が20〜100ppmであることが熱安定性の点から好ましい。なお、ポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素などの不活性気流中においてさらに固相重合を施してもよい。
[二軸延伸ポリエステルフィルム]
本発明においてベースフィルムとして用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、その面内屈折率の平均が1.63〜1.78であることが好ましい。面内屈折率の平均が1.63未満であると十分にポリマーが配向しておらず十分な熱寸法安定性が得られないため好ましくない。他方、1.78を越えるとフィルムの十分な靭性が得られず、取り扱いが困難となるため好ましくない。
本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムは、200℃で10分処理したときのフィルムの長手方向と幅方向における熱収縮率の差の絶対値が、好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.3%以下である。熱収縮率の差の絶対値が0.8%を越えると、電池作成の加熱工程において寸法変化し、光電変換層等との密着性が悪化し安定な光発電性能が得られないため好ましくない。
また、本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムを200℃で10分処理したときのフィルムの長手方向の熱収縮率は、フィルム上に設置した層との密着性を良好にするために小さいほうが好ましく、好ましくは0〜0.5%、さらに好ましくは0〜0.3%である。
本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムは、波長370nmにおける光線透過率が好ましくは3%以下、400nmでの光線透過率が好ましくは70%以上である。なお、光線透過率は、(株)島津製作所製分光光度計MPC3100を用いて測定した数値である。この光線透過率は、2,6−ナフタレンジカルボン酸のような紫外線を吸収するモノマーを構成成分とするポリエステルを用いることにより、また、紫外線吸収剤をポリエステルに含有させることにより得ることができる。
紫外線吸収剤を用いる場合、紫外線吸収剤としては、例えば2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(6−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(6−クロロ−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などの環状イミノエステル化合物を用いることができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、機械的強度と生産性を両立する観点から、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは20〜400μm、特に好ましくは50〜300μmである。
次に、本発明のおける二軸延伸ポリエステルフィルムの好ましい製造方法について説明する。なお、ガラス転位温度をTgと略記する。まず、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸し、必要に応じてさらに、160〜255℃で1〜60秒間熱処理を行うことにより得ることができる。二軸延伸ポリエステルフィルムの長手方向と幅方向における熱収縮率の差を小さくし、さらに長手方向の熱収縮を小さくするためには、例えば、特開平57−57628号公報に示される熱処理工程で縦方向に収縮せしめる方法や、特開平1−275031号公報に示されるフィルムを懸垂状態で弛緩熱処理する方法を用いることができる。
[反射防止層]
本発明の反射防止導電性フィルムにおいて、反射防止層は、ポリエステルフィルムの上に設けられる。すなわち、反射防止層は、ポリエステルフィルムと透明導電層との間に設けられる。そして、本発明の反射防止導電性フィルムにおいては、反射防止層の屈折率および厚みが下記の式(1)および式(2)の条件を満たすことが必要である。
105−40.0×N≦d≦180−40.0×N (1)
1.75≦N≦2.0 (2)
(式中、Nは反射防止層の屈折率、dは反射防止層の厚み(nm)である。)
屈折率Nが1.75未満であると反射防止層−フィルム間の反射が十分に抑制されず、他方、屈折率Nが2.0を超えると反射防止層−透明導電層間の反射が十分に抑制されず目的とする低反射率が達成されない。屈折率Nは好ましくは1.78〜1.95である。
反射防止層の厚みdは、上記式(1)で表わされる範囲にあることが必要である。この範囲にあることによって、目的とする太陽電池の吸収波長での反射率を低下させるために、反射防止層−大気間での反射と反射防止層―フィルム間の反射が干渉しあって打ち消しあい、反射防止の機能を得ることができる。なお、厚みdが式(1)で規定される範囲を外れると光の干渉により反射率の低下が十分行われない。
反射防止層の層の数は、経済性・生産性の点から、好ましくは3層以下。さらに好ましくは1層からなる。
本発明において反射防止層は、金属化合物を含む。金属化合物としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化シリコン、チタン酸バリウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化インジウムおよびこれらの合金を例示することができる。金属化合物は1種類で用いてもよく、また屈折率調整のため複数の組み合わせで用いてもよい。
本発明においては、反射防止層の好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上が金属化合物からなる。反射防止層における金属化合物の含有量が10重量%未満であると必要な屈折率が得られないため好ましくない。
反射防止層は上述のように金属化合物を含有するが、これ以外にポリマー成分や添加剤等を含んでもよい。特にコーティングにより反射防止層を設ける場合には、ポリマー成分を用いると、こればバインダーとして働きより、良好な塗膜、すなわち反射防止層を得ることができる。
ポリマー成分としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコンアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリメタクリル樹脂及びポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、UV硬化系樹脂、エポキシ系樹脂およびこれらの架橋物を挙げることができる。これらの樹脂は、単独、または2種以上の混合物として用いることができる。
ポリマー成分は、溶液の状態・微粒子の状態で用いてもよくまた前躯体の状態でフィルム上に塗布し、反応させてもよい。
添加剤としては、例えばオキサゾリン基含有化合物、界面活性剤を挙げることができる。これらは併用してもよい。併用することによって反射防止層とベースフィルムとの密着性が高くなり好ましい。
反射防止層を、ポリエステルフィルムのうえに設ける方法、場合により複数積層する方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーテイング法などのドライコーティング法を用いることができ、また例えばグラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティング法を用いることができる。
反射防止層の形成に先立って、ポリエステルフィルムにコロナ放電処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの前処理を施してもよい。
[透明導電層]
透明導電層としては、例えば導電性の金属酸化物、炭素材料を用いることができる。
導電性の金属酸化物としては、例えばガリウムドープ酸化亜鉛、アルミドープ酸化亜鉛、ゲルマニウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、チタンドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、金属の薄膜(例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム)を用いることができる。
透明導電層は、単層であってもよく、2層以上の積層や、複合化構造のものであってもよい。透明導電層は好ましくはITOまたはIZOからなる。この場合には高い光線透過率と低い抵抗を得ることができる。
透明導電層の表面抵抗は、好ましくは100Ω/□以下、さらに好ましくは40Ω/□以下である。100Ω/□を超えると電池内抵抗が大きくなりすぎて光発電効率が低下するため好ましくない。
透明導電層の厚みは、好ましくは100〜500nmである。100nm未満であると十分に表面抵抗値を低くすることができず好ましくなく、500nmを超えると光線透過率が低下するとともに、透明導電層がわれやすくなり好ましくない。
透明導電層の形成は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーテイング法などのドライコーティング法を用いて行うことができる、また、塗布法を用いてもよく、例えばグラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティング法を用いることができる。
[易接着層]
本発明の反射防止導電性フィルムは、好ましくは太陽電池用の部材に用いられる。製造工程でのハンドリング性、例えばフィルムをロールを用いた連続生産の際のハンドリング性の向上を目的として、また、他の部材との接着性向上を目的として、易接着層を積層してもよい。
この場合の易接着層を設ける場合、その厚みは、好ましくは1〜200nm、さらに好ましくは10〜150nmである。易接着層の厚みが1nm未満であると密着性を向上させる効果が乏しく、200nmを超えると易接着層の凝集破壊が発生しやすくなり密着性が低下することがあり好ましくない。
易接着層の構成材としては、ポリエステルフィルムと、さらに上に積層する導電層や光電変換素子等との双方に優れた接着性を示すものを用いればよい。例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、シリコンアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリシロキサン樹脂を例示することができる。これらの樹脂は、単独、または2種以上の混合物として用いてもよい。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお、例中の各特性値は、下記の方法により測定した。「部」は重量部を表わす。
(1)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、35℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。
(2)フィルム厚み
マイクロメーター(アンリツ(株)製K−402B型)を用い、フィルムの連続製膜方向および幅方向に各々10cm間隔で測定を行い、全部で300ヶ所のフィルム厚みを測定した。得られた300ヶ所のフィルム厚みの平均値を算出してフィルム厚みとした。
(3)熱収縮率
200℃に温度設定されたオーブンの中に無緊張状態で10分間フィルムを保持し、フィルム長手方向(MD)および幅方向(TD)について各々の加熱処理前後での寸法変化を熱収縮率として下式により算出し、長手方向(MD)と幅方向(TD)の熱収縮率を求めた。ただし、Lは熱処理前の標点間距離、Lは熱処理後の漂点間距離である。
熱収縮率%=((L−L)/L)×100
(4)反射防止層の厚み
フィルムの小片をエポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)中に包埋し、Reichert−Jung社製Microtome2050を用いて包埋樹脂ごと50nm厚さにスライスし、透過型電子顕微鏡(LEM−2000)にて加速電圧100KV、倍率10万倍にて観察し、塗膜層の厚みを測定した。
(5)光線透過率
(株)島津製作所製分光光度計MPC3100を用い、波長300nm〜800nmの光線透過率を2nm刻みで測定した。光線透過量の評価としては550nmの光線透過率及び400〜800nmの平均光線透過率を用いた。
(6)反射防止層の屈折率
Metricon社製のレーザー屈折率計プリズムカプラ、モデル2010を用い、633nmの波長を用いて測定を行った。反射防止層の屈折率は反射防止層用塗液の乾固物の測定値を用いた。
(7)フィルムの面内屈折率の平均
Metricon社製のレーザー屈折率計プリズムカプラ、モデル2010を用い、633nmの波長を用いて測定を行った。フィルムの面内屈折率の平均は、フィルムのMD方向での面内屈折率とTD方向での面内屈折率との平均値である。
[実施例1]
<フィルム用ポリマーの作成>
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100部、およびエチレングリコール60部を、エステル交換触媒として酢酸マンガン四水塩0.03部を使用し、150℃から238℃に徐々に昇温させながら120分間エステル交換反応を行なった。途中反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.024部を添加し、エステル交換反応終了後、リン酸トリメチル(エチレングリコール中で135℃、5時間0.11〜0.16MPaの加圧下で加熱処理した溶液:リン酸トリメチル換算量で0.023部)を添加した。その後反応生成物を重合反応器に移し、290℃まで昇温して、27Pa以下の高真空下にて重縮合反応を行って、固有粘度が0.62dl/gの、実質的に粒子を含有しない、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを得た。
<易接着層用塗液>
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル66部、イソフタル酸ジメチル47部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル8部、エチレングリコール54部、ジエチレングリコール62部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。このポリエステル25部をテトラヒドロフラン75部に溶解させ、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水75部を滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去して、固形分が25重量%のポリエステルの水分散体を得た。
次に、四つ口フラスコに、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム3部、およびイオン交換水181部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、さらにモノマーである、メタクリル酸メチル30.1部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン21.9部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸39.4部、アクリルアミド8.6部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、攪拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が35%重量のアクリルの水分散体を得た。
一方で、シリカフィラー(平均粒径:100nm)(日産化学株式会社製 商品名スノーテックスZL)を0.2重量%、濡れ剤として、ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−70)を0.3重量%添加した水溶液を作成した。
上記のポリエステルの水分散体8重量部、アクリルの水分散体7重量部、および上記の水溶液85重量部を混合して、易接着層用塗液を作成した。
<ポリエステルフィルムの作成>
先にフィルム用ポリマーとして作成したポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートのペレットを170℃で6時間乾燥後、押出機ホッパーに供給し、溶融温度305℃で溶融し、平均目開きが17μmのステンレス鋼細線フィルターで濾過し、3mmのスリット状ダイを通して表面温度60℃の回転冷却ドラム上で押出し、急冷して未延伸フィルムを得た。このようにして得られた未延伸フィルムを120℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で15mm上方より850℃のIRヒーターにて加熱して縦方向に3.2倍に延伸した。この縦延伸後のフィルムの片面に、上記易接着用塗液を塗膜の厚みが100nmになるようにロールコーターで塗工し易接層を形成した。
続いてテンターに供給し、140℃にて横方向に3.3倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムを244℃の温度で5秒間熱固定し、ポリマーの固有粘度が0.58dl/g、フィルムの厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。200℃で10分間処理したときの二軸延伸ポリエステルフィルムの長手方向の熱収縮率は0.58%、幅方向の熱収縮率は0.12%、長手方向と幅方向の熱収縮率の差は0.46%であった。
こうして得られた二軸延伸ポリエステルフィルム上の反射率最小値は718nmであり、550nmの光線透過率は89.6%であった。
<反射防止層の設置>
酸化チタン成分を1.7wt%含む酸化チタンゾル(PTAsol 吉川総合開発製)35.3g、及び界面活性剤(フタージエント250 株式会社ネオス製)0.014g及びエタノール4.7gからなる塗液を作成した。この塗液をポリエステルフィルム上にバーコーターにより塗布し乾燥した。こうして作成した反射防止層の厚みは84nmであり屈折率は1.87であった。
<透明導電層の設置>
主として酸化インジウムからなり酸化亜鉛が10重量%添加されたIZOターゲットを用いた直流マグネトロンスパッタリング法により、膜厚260nmのIZOからなる透明導電層を形成した。透明導電層のスパッタリング法による形成は、プラズマの放電前にチャンバー内を5×10−4Paまで排気した後、チャンバー内にアルゴンと酸素を導入して圧力を0.3Paとし、IZOターゲットに2W/cmの電力密度で電力を印加して行った。酸素分圧は3.7mPaであった。透明導電層の表面抵抗値は15Ω/□であった。
こうして得られた反射防止導電性フィルムの550nmの光線透過率は80.9%、400〜800nmの平均光線透過率は78.6%であった。
[実施例2]
反射防止層の設置において反射防止層の厚みを99nmとした以外は実施例1と同様にして、反射防止導電性フィルムを得た。得られた反射防止導電性フィルムの550nmの光線透過率は82.0%、400〜800nmの平均光線透過率は79.0%であった。
[比較例1]
反射防止層を設置しない以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。得られた導電性フィルムの550nmの光線透過率は80.5%、400〜800nmの平均光線透過率は77.4%であった。
本発明の反射防止導電性フィルムは太陽電池の部材として好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 二軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムおよびその上に設けられた反射防止層、ならびに該反射防止層の上に設けられた透明導電層からなり、
    透明導電層がIZO(インジウム−亜鉛複合酸化物)からなり、
    反射防止層は金属化合物を含み、厚みが84〜99nmであり、
    反射防止層の屈折率と厚みが下記式(1)および式(2)の条件を満たすことを特徴とする反射防止導電性フィルム。
    105−40.0×N≦d≦180−40.0×N (1)
    1.78≦N≦1.95 (2)
    (式中、Nは反射防止層の屈折率、dは反射防止層の厚み(nm)である。)
  2. 太陽電池の部材として用いられる、請求項1記載の反射防止導電性フィルム。
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