JP2006286528A - 色素増感型太陽電池用電極およびその製造方法 - Google Patents

色素増感型太陽電池用電極およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持体としてガラスに比較して柔軟なプラスチック基材を用いながら、十分な量の色素を吸着し高い電荷輸送効率を得ることのできる、光発電性能の高い色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】多孔質半導体層の金属酸化物粒子は結晶性粒子Aの5〜95重量%および結晶性粒子Bの5〜95重量%からなり、結晶性粒子Aおよび結晶性粒子Bは下記条件を全て満足することを特徴とする色素増感型太陽電池用電極。5≦dla/dsa≦20、50≦dsa≦250、1≦dlb/dsb≦2(ここで、dsaは結晶性粒子Aの平均粒子最小径(nm)、dsbは結晶性粒子Bの平均粒子最小径(nm)、dlaは結晶性粒子Aの平均粒子最大径(nm)、dlbは結晶性粒子Bの平均粒子最大径(nm)である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は色素増感型太陽電池用電極およびその製造方法に関し、詳しくは、プラスチック基材を使用しても光発電性能の高い色素増感太陽電池を製造することができる色素増感型太陽電池用電極およびその製造方法に関する。
色素増感型太陽電池は、色素増感半導体微粒子を用いた光電変換素子が提案されて以来(「ネイチャー(Nature)」 第353巻、第737〜740ページ、(1991年))、シリコン系太陽電池に替る新たな太陽電池として注目されている。特に、支持体としてプラスチックフィルムを用いた色素増感型太陽電池は、柔軟化や軽量化が可能であり、数多くの検討がなされてきた。
特開平11−288745号公報 特開2001−160426号公報 特開2002−50413号公報 特開2001−93590号公報 特開2001−358348号公報
色素増感型太陽電池の金属酸化物半導体層は、色素の吸着量を増加させるために、通常酸化物半導体の微粒子を焼結させて多孔質体としたものを使用する。
支持体としてガラス基材を用いる場合には、金属材料を酸化させながら針状結晶をガラス基材上に成長させ、配向した針状結晶を生成させる方法をとることができる。しかし、この方法は加工温度が高いためプラスチック基材を用いる場合には適用できない。
ところで、特開2001−93590号公報および特開2001−358348号公報には、金属酸化物の針状結晶を太陽電池用電極に用いることで電荷輸送の効率を向上させることが記載されている。しかし、良好な多孔質構造を得て高い電荷輸送効率を達成するためには、金属酸化物の結晶状態を適切に制御する必要があり、ガラス基材を用いて十分に高い温度で酸化物半導体層を焼結した場合でさえも、光発電性能を1〜2割程度向上させることができるにとどまっている。
本発明は、支持体としてガラスに比較して柔軟なプラスチック基材を用いながら、十分な量の色素を吸着し高い電荷輸送効率を得ることのできる、光発電性能の高い色素増感型太陽電池を製造できる、色素増感型太陽電池用電極を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルム、その一方の面に設けられた透明導電層、および透明導電層のうえに設けられた金属酸化物粒子からなる多孔質半導体層から構成される色素増感型太陽電池用電極において、金属酸化物粒子は結晶性粒子Aを5〜95重量%および結晶性粒子Bを5〜95重量%からなり、結晶性粒子Aは下記条件を全て満足し、結晶性粒子Bはその結晶サイズが12nm以下であることを特徴とする、色素増感型太陽電池用電極である。
5 ≦ dla/dsa ≦ 20
50 ≦ dsa ≦ 250
ここで、dlaは結晶性粒子Aの平均粒子最大径(nm)、dsaは結晶性粒子Aの平均粒子最小径(nm)である。
本発明によれば、支持体としてガラスに比較して柔軟なプラスチック基材を用いながら、十分な量の色素を吸着し高い電荷輸送効率を得ることのできる、光発電性能の高い色素増感型太陽電池を製造できる、色素増感型太陽電池用電極を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[多孔質半導体層]
多孔質半導体層を構成する金属酸化物粒子としては、金属酸化物半導体の粒子を用いる。金属酸化物半導体としては、n型半導体である酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)を用いることが好ましい。これらの金属酸化物の複数を複合させたものを用いてもよい。
多孔質半導体層は、金属酸化物粒子の分散液である塗液を透明導電層のうえに塗布することにより形成され、さらに加熱および乾燥することによって透明導電層のうえに固定化される。
金属酸化物粒子は、下記結晶粒子Aの5〜95重量%および下記結晶性粒子Bの5〜95重量%からなる。結晶性粒子Aの割合は、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは40〜60重量である。結晶性粒子Aの割合が5重量%未満であると電荷輸送効率を高める効果が発揮されず、色素増感型太陽電池を作成したときに十分な光発電効率が得られない。結晶性粒子Bの割合は、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは40〜60重量%である。この範囲で用いることにより色素吸着量を増加させることができる。
[結晶性粒子A]
結晶性粒子Aは下記条件を全て満足する。この条件については後述する。
5 ≦ dla/dsa ≦ 20
50 ≦ dsa ≦ 250
ここで、dsaは結晶性粒子Aの平均粒子最小径(nm)、dlaは結晶性粒子Aの平均粒子最大径(nm)である。
[平均粒子最小径dsa]
結晶性粒子Aの平均粒子最小径dsaは50〜250nm、好ましくは70〜200nmである。50nm未満であると粒子の結晶性が低下するため電荷輸送効率が低下し、色素増感型太陽電池を作成したときに十分な光発電効率が得られなくなる。250nmを超えると表面積が大きくなりすぎて色素の吸着量が低下し、色素増感型太陽電池を作成したときに十分な光発電効率が得られなくなる。
ここで、平均粒子最小径は粒子最小径の平均値である。そして、粒子最小径は、電子顕微鏡で観察される粒子の平面図について粒子の輪郭に外接する2本の平行な線の間隔が最も狭くなるときの平行線間の距離である。
[平均粒子最大径dla]
結晶性粒子Aの平均粒子最大径dlaは、好ましくは500〜4000nm、さらに好ましくは1000〜2500nmである。500nm未満であると電荷輸送効率が低下し光発電効率が低下して好ましくない。4000nmを超えると色素吸着量が低下し光発電効率が低下して好ましくない。
ここで、平均粒子最大径は粒子最大径の平均値である。そして、粒子最大径は、電子顕微鏡で観察される粒子の平面図について粒子の輪郭に外接する2本の平行な線の間隔が最も広くなるときの平行線間の距離である。
[dla/dsa]
結晶性粒子Aの平均粒子最大径dlaと平均粒子最小径dsaとの比dla/dsaは5〜20である。5未満であると電荷輸送効率が低下し光発電効率が低下する。20を超えると粒子の分散が劣り均一な構造の多孔質半導体層を形成できない。
[結晶性粒子Aの結晶サイズ]
結晶性粒子Aの平均最小粒子径dsaと結晶性粒子Aの結晶サイズdxaは、好ましくは下記条件を満足する。
1.5 ≦ dsa/dxa ≦ 5.0
上記dsa/dxaが1.5未満であると電荷輸送効率が低下して好ましくない。5.0を超えると色素の吸着量が低下して好ましくない。ここで、dsaは結晶性粒子Aの平均最小粒子径(nm)、dxaは結晶性粒子Aの結晶サイズ(nm)である。
[結晶性粒子Aの製造方法]
結晶性粒子Aは、例えば、特開平7−2598号公報に記載されている方法に従って製造することができる。すなわち、四塩化チタン水溶液を加熱加水分解して、遊離塩酸を含む含水酸化チタンスラリーを生成し、得られた該スラリーにアルカリ金属化合物を添加して、塩化アルカリ金属塩を形成させた後オキシリン化合物を添加し、次いで脱水し、しかる後該脱水ケーキを700〜1000℃で焼成する方法である。この方法においては、含水酸化チタンスラリーのpHを調整することによって、平均粒子最小粒径および平均粒子最大粒径を調整することができ、脱水ケーキを焼成する温度および時間によって、結晶サイズを調整することができる。
[多孔質半導体層の形成]
多孔質半導体層を設けるために使う塗液は、金属酸化物の粒子を分散媒に分散させた分散液である。分散媒としては、水または有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としてはアルコールが好ましい。分散媒への分散の際には、必要に応じて分散助剤を少量添加してもよい。分散助剤としては、例えば界面活性剤、酸、キレート剤を用いることができる。
塗液の塗布は、従来から塗布加工に際し慣用されている任意の方法を用いて行うことができる。例えば、ローラ法、ディッブ法、エアーナイフ法、ブレード法、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法を例示することができる。また汎用機によるスピン法やスプレー法を用いてもよく、凸版、オフセットおよびグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷のような湿式印刷を用いて塗布してもよい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を用いることができる。
塗布は、多孔質半導体粒子の量が支持体1m2当り、好ましくは0.5〜20g/m2、さらに好ましくは5〜10g/m2となるように行なう。
塗液を塗設したあと熱処理を行ない、多孔質半導体層を形成する。この加熱処理は、時の乾燥工程で行なってもよく、乾燥後の別工程で行なってもよい。加熱処理は、好ましくは170〜250℃で1〜120分間、さらに好ましくは180〜230℃で3〜90分間、特に好ましくは190〜220℃で5〜60分間である。この加熱処理を行うことで、ポリエステルフィルム支持体の加熱による変形を防ぎながら多孔質半導体層の抵抗上昇を小さくすることができる。
最終的な多孔質半導体層の厚さは、好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは2〜10μmである。特に透明度を高める場合には2〜6μmが最も好ましい。
さらに、多孔質半導体層を構成することになる金属酸化物粒子に対して粒子が強く吸収する紫外光などを照射したり、マイクロ波を照射して微粒子層を加熱することにより、粒子の間の物理的接合を強める処理を行ってもよい。
多孔質半導体層の形成は、電着によって粒子の薄膜を担持する方法も用いることができる。すなわち、半導体微粒子を適当な低伝導度の溶媒、例えば純水、アルコールやアセトニトリル、THFなどの極性有機溶媒、ヘキサン、クロロホルムなどの非極性有機溶媒、あるいはこれらの混合溶媒に添加し、凝集のないよう均一に分散し、電着すべき導電性樹脂シート電極と対極とを一定の間隔で平行に対向させ、この間隙に上記の分散液を注入し、両電極間に直流電圧を印加する。このようにして、分散液の濃度と電極間隔を選択することにより、基板電極に一定かつ均一な厚みの電着膜である多孔質半導体層が形成される。
なお、多孔質半導体を担持する透明導電層が対極と電気的に短絡することを防止するな
どの目的のため、予め透明導電層の上に下塗り層を設けておくこともできる。この下塗り層としては、TiO2、SnO2、ZnO、Nb25、特にTiO2が好ましい。この下塗り層は、例えばElectrochim、Acta40、643〜652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法の他、スパッタ法などにより設けることができる。この下塗り層の膜厚は、好ましくは5〜1000nm以下、さらに好ましくは10〜500nmである。
[ポリエステルフィルム]
本発明において、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。
かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等を例示することができ、これらの共重合体またはこれと小割合の他樹脂とのブレンドであってもよい。これらのポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので好ましい。
特にポリエチレン−2,6−ナフタレートは機械的強度の大きさ、熱収縮率の小ささ、加熱時のオリゴマー発生量の少なさなどの点でポリエチレンテレフタレートに勝っているので最も好ましい。
ポリエチレンテレフタレートとしては、エチレンテレフタレート単位を好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上有するものを用いる。ポリエチレン−2,6−ナフタレートとしては、ポリエチレン−2,6−ナフタレート単位を好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上有するものを用いる。
ポリエステルは、ホモポリマーでも、第三成分を共重合したコポリマーでもよいが、ホモポリマーが好ましい。
ポリエステルの固有粘度は、好ましくは0.40dl/g以上、さらに好ましくは0.40〜0.90dl/gである。固有粘度が0.40dl/g未満では工程切断が多発することがあり好ましくなく、0.90dl/gを超えると溶融粘度が高いため溶融押出しが困難になり、重合時間が長く不経済であり好ましくない。
ポリエステルは従来公知の方法で得ることができる。例えば、ジカルボン酸とグリコールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法で得ることができる。また、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応触媒を用いて反応させた後、重合反応触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。
エステル交換反応触媒としては、従来公知のもの、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物を用いることができる。
重合反応触媒としては、従来公知のもの、例えば三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウムで代表されるようなゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウム、チタントリスアセチルアセトネートのようなチタン化合物を用いることができる。
エステル交換反応を経由して重合を行う場合は、重合反応前にエステル交換触媒を失活させる目的でトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、正リン酸等のリン化合物が通常は添加されるが、リン元素としてのポリエステル中の含有量が20〜100ppmであることが熱安定性の点から好ましい。
なお、ポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素などの不活性気流中において更に固相重合を施してもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、実質的に粒子を含有しないことが好ましい。粒子を含有していると高透明性が損なわれたり、表面が粗面化し透明導電層の加工が困難になることがある。フィルムのヘーズ値は、好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下、特に好ましくは0.5%以下である。
本発明におけるポリエステルフィルムは、波長370nmにおける光線透過率が3%以下、400nmでの光線透過率が70%以上であることが好ましい。この光線透過率は、、2,6−ナフタレンジカルボン酸のような紫外線を吸収するモノマーを構成成分とするポリエステルを用いることにより、また紫外線吸収剤をポリエステルに含有させることにより得ることができる。
この際用いる紫外線吸収剤としては、例えば2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(6−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(6−クロロ−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などの環状イミノエステル化合物を用いることができる。
本発明におけるポリエステルフィルムは、3次元中心線平均粗さが、両面共に好ましくは0.0001〜0.02μm、さらに好ましくは0.0001〜0.015μm、特に好ましくは0.0001〜0.010μmである。特に、少なくとも片面の3次元中心線平均粗さが0.0001〜0.005μmであると、透明導電層の加工がしやすくなるので好ましい。少なくとも片面の最も好ましい表面粗さは、0.0005〜0.004μmである。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは20〜400μm、特に好ましくは50〜300μmである。
次に、本発明のポリエステルフィルムの好ましい製造方法について説明する。なおガラス転位温度をTgと略記する。
本発明におけるポリエステルフィルムは、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸し、必要に応じて更にTm180℃〜255℃で1〜60秒間熱処理を行うことにより得ることができる。ポリエステルフィルムの長手方向と幅方向における熱収縮率の差、および長手方向の熱収縮を小さくするためには、特開平57−57628号公報に示されるような、熱処理工程で縦方向に収縮せしめる方法や、特開平1−275031号公報に示されるような、フィルムを懸垂状態で弛緩熱処理する方法などを用いることができる。
[透明導電層]
本発明における透明導電層としては、例えば導電性の金属酸化物(フッ素ドープ酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、金属の薄膜(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウムなど)、炭素材料を用いることができる。この透明導電層は2種以上を積層したり、複合化させたものでもよい。これらのなかでもITOおよびIZOは、光線透過率が高く低抵抗であるため、特に好ましい。
透明導電層の表面抵抗は、好ましくは100Ω/□以下、さらに好ましくは40Ω/□以下である。100Ω/□を超えると電池内抵抗が大きくなりすぎて光発電効率が低下すて好ましくない。
透明導電層の厚みは、好ましくは100〜500nmである。100nm未満であると十分に表面抵抗値を低くすることができず、500nmを超えると光線透過率が低下するとともに、透明導電層がわれやすくなり好ましくない。
本発明における透明導電層の表面張力は、好ましくは40mN/m以上、さらにが好ましくは65mN/m以上である。表面張力が40mN/m未満であると、透明導電層と多孔質半導体の密着性が劣ることがあり、65mN/m以上であると溶媒の主成分が水である水性塗液の塗布による多孔質半導体層の形成が容易になりより好ましい。
上記性質を備える透明導電層は、例えばITOやIZOを用いて透明導電層を形成し、下記のいずれかの方法で加工を施すことにより得ることができる。
(1)酸性もしくはアルカリ性溶液で透明導電層表面を活性化する方法
(2)紫外線や電子線を透明導電層表面に照射して活性化する方法
(3)コロナ処理やプラズマ処理を施して透明導電層表面を活性化する方法
中でもプラズマ処理により表面を活性化する方法は、高い表面張力が得られるため特に好ましい。
[易接着層]
ポリエステルフィルムと透明導電層との密着性を向上させるために、ポリエステルフィルムと透明導電層の間に易接着層を設けることが好ましい。易接着層の厚みは好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは20〜150nmである。易接着層の厚みが10nm未満であると密着性を向上させる効果が乏しく、200nmを超えると易接着層の凝集破壊が発生しやすくなり密着性が低下することがあり好ましくない。
易接着層を設ける場合、ポリエステルフィルムの製造過程で塗工により設けること好ましく、さらには配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布することが好ましい。ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
易接着層は、ポリエステルフィルムと透明導電層の双方に優れた接着性を有する素材からなることが好ましく、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、シリコンアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリシロキサン樹脂を用いることができる。これらの樹脂は単独で用いても良く、2種以上の混合物として用いてもよい。
[ハードコート層]
ポリエステルフィルムと透明導電層との密着性、特に密着の耐久性を向上させるために、易接着層と透明導電層との間にハードコート層を設けてもよい。ハードコート層の厚みは好ましくは0.01〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
ハードコート層を設ける場合、易接着層を設けたポリエステルフィルム上に塗工により設けることが好ましい。ハードコート層は、易接着層と透明導電層の双方に優れた密着性を有する素材からなることが好ましく、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、UV硬化系樹脂、エポキシ系樹脂といった樹脂成分やこれらと無機粒子の混合物を用いることができる。無機粒子としては、例えばアルミナ、シリカ、マイカの粒子を用いることができる。
[反射防止層]
本発明においては、光線透過率を上げて光発電効率を高めることを目的として、透明導電層とは反対側の面に反射防止層を設けるてもよい。
反射防止層を設ける方法としては、ポリエステルフィルムの屈折率とは異なる屈折率を有する素材を単層もしくは2層以上に積層形成する方法が好ましい。単層構造の場合は、基材フィルムよりも小さな屈折率を有する素材を使用するのがよく、また2層以上の多層構造とする場合は、積層フィルムと隣接する層はポリエステルフィルムよりも大さな屈折率を有する素材とし、その上に積層される層には、これよりも小さな屈折率を有する素材を選択することが好ましい。
この様な反射防止層を構成する素材としては、有機材料、無機材料の如何を問わず上記屈折率の関係を満足するものであればよいが、好ましくは、CaF2,MgF2,NaAlF4,SiO2,ThF4,ZrO2,Nd23,SnO2,TiO2,Ce、O2,ZnS,In23からなる群から選ばれる誘電体を用いる。
反射防止層を積層する方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーテイング法などのドライコーティング法を用いることができ、また例えばグラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティング法を用いることができる。
反射防止層の積層に先立って、コロナ放電処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの前処理を施してもよい。
[色素増感太陽電池の作成]
本発明の電極を用いて色素増感型太陽電池を作成するには、公知の方法を用いることができる。具体的は例えば下記の方法で作成することができる。
(1)本発明の電極の多孔質半導体層に色素を吸着させる。ルテニウムビピリジン系錯体(ルテニウム錯体)に代表される有機金属錯体色素、シアニン系色素、クマリン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素など、可視光領域および赤外光領域の光を吸収する特性を有する色素を、アルコールやトルエンなどの溶媒に溶解させて色素溶液を作成し、多孔質半導体層を浸漬するか、多孔質半導体層に噴霧または塗布する。(電極A)
(2)対極としては、本発明の積層フィルムの透明導電層側に、薄い白金層をスパッタ法により形成したものを用いる。(電極B)
(3)上記電極Aと電極Bを、熱圧着性のポリエチレンフィルム製フレーム型スペーサー(厚さ20μm)を挿入して重ね合わせ、スペーサー部を120℃に加熱し、両電極を圧着する。さらに、そのエッジ部をエポキシ樹脂接着剤でシールする。
(4)シートのコーナー部にあらかじめ設けた電解液注入用の小孔を通して、ヨウ化リチウムとヨウ素(モル比3:2)ならびにスペーサーとして平均粒径20μmのナイロンビーズを3重量%含む電解質水溶液を注入する。内部の脱気を十分に行い、最終的に小孔をエポキシ樹脂接着剤で封じる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、例中の各特性値は、下記の方法により測定した。
(1)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、35℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。
(2)フィルム厚み
マイクロメーター(アンリツ(株)製のK−402B型)を用いて、フィルムの連続製膜方向および幅方向に各々10cm間隔で測定を行い、全部で300ヶ所のフィルム厚みを測定する。得られた300ヶ所のフィルム厚みの平均値を算出してフィルム厚みとした。
(3)光線透過率
(株)島津製作所製分光光度計MPC3100を用い、波長370nmおよび400nmの光線透過率を測定した。
(4)塗布層の厚み
フィルムの小片をエポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)中に包埋し、Reichert−Jung社製Microtome2050を用いて包埋樹脂ごと50nm厚さにスライスし、透過型電子顕微鏡(トプコンLEM−2000)にて加速電圧100KV、倍率10万倍にて観察し、塗膜層の厚みを測定した。
(5)表面抵抗値
4探針式表面抵抗率測定装置(三菱化学(株)製、ロレスタGP)を用いて任意の5点を測定し、その平均値を代表値として用いた。
(6)表面張力
表面張力が既知である水、およびヨウ化メテレンの透明導電性薄膜に対する接触角:θw、θyを接触角計(協和界面科学社製「CA−X型」)を使用し、25℃、50%RHの条件で測定した。これらの測定値を用い、以下の様にして透明導電性薄膜の表面張力γsを算出した。
透明導電性薄膜の表面張力γsは、分散性成分γsdと極性成分γspとの和である。即ち、
γs=γsd+γsp (式1)
また、Youngの式より、
γs=γsw+γw・cosθw (式2)
γs=γsy+γy・cosθy (式3)
ここで、γswは透明導電性薄膜と水との間に働く張力、γswは透明導電性薄膜とヨウ化メチレンとの間に働く張力、γwは水の表面張力、γyはヨウ化メチレンの表面張力である。
また、Fowkesの式より、
γsw=γs+γw−2×(γsd・γwd1/2−2×(γsp・γwp1/2 (式4)
γsy=γs+γy−2×(γsd・γyd1/2−2×(γsp・γyp1/2 (式5)
である。ここで、γwdは水の表面張力の分散性成分、γwpは水の表面張力の極性成分、γydはヨウ化メテレンの表面張力の分散性成分、γypはヨウ化メチレンの表面張力の極性成分である。
式1〜5の連立方程式を解くことにより、透明導電性薄膜の表層張力γs=γsd+γspを算出できる。この時、水の表面張力(γw):72.8mN/m、よう化メチレンの表面張力(γy):50.5mN/m、水の表面張力の分散性成分(γwd):21.8mN/m、水の表面張力の極性成分(γwp):51.0mN/m、ヨウ化メチレンの表面張力の分散性成分(γyd):49.5mN/m、ヨウ化メテレンの表面張力の極性成分(γyp):1.3mN/mを用いた。
(7)平均粒子最大径、平均粒子最小径、平均粒子径
粒子のスラリーをメタノールと水の混合溶媒で希釈し、粒子を分散してコロジオン膜に固定し、透過電子顕微鏡(トプコンLEM−2000)にて加速電圧100KVで、粒子の大きさに応じて10,000倍から50,000倍の範囲で分散し独立した粒子を観察する。観察した粒子の平面図に対して、粒子の輪郭に外接する平行な2本の線を引いたときに、その間隔が最も広くなるときの平行線間の距離を粒子最大径、間隔が最も狭くなるときの平行線間の距離を粒子最小径とした。粒子最大径と粒子最小径との平均値を粒子径とした。任意に選んだ1000個の粒子について測定を行い、粒子最大径の平均値を平均粒子最大径、粒子最小径の平均値を平均粒子最小径、粒子径の平均値を平均粒子径とした。
(8)粒子の結晶サイズ
粉末X線回折装置(理学電機RINT2500HL)を用いて、以下の条件にて測定した。X線源としてCuK−αをもちいて、発散スリット1/2°、散乱スリット1/2°、受光スリット0.15mm、スキャンスピード1.000°/分の条件で2Θ角度10°から80°まで測定し、Pseudo Voight ピークモデルを用いた多重ピーク分離法により、結晶面由来の回折ピーク、アモルファス由来のハロー、バックグラウンドを分離する。結晶面由来の回折ピークの内、最もピーク強度が大きい回折ピークの半値幅から、下記Scherrerの式を用いて、結晶サイズを算出した。
Figure 2006286528
ここで、λはX線の波長(nm)、Bは回折ピークの半値幅(°)θはブラッグ角(°)である。
(9)I−V特性(光電流−電圧特性)
25mm大の色素増感太陽電池を形成し、下記の方法で光発電効率を算出した。500Wのキセノンランプ(ウシオ電気社製)に太陽光シミュレーション用補正フィルター(オリエール社製AM1.5Global)を装着し、上記の光発電装置に対し、入射光強度が100mW/cmの模擬太陽光を、水平面に対する入射角度を様々変えて照射した。システムは屋内、気温18℃、湿度50%の雰囲気に静置した。電流電圧測定装置(ケースレー製ソースメジャーユニット238型)を用いて、システムに印加するDC電圧を10mV/秒の定速でスキャンし、素子の出力する光電流を計測することにより、光電流−電圧特性を測定し、光発電効率を算出した。
<酸化半導体粒子の調製>
TiO濃度207.9g/リットルの四塩化チタン水溶液をTiO重量基準で462.5g相当量を、5リットルの四つ口フラスコの採取し撹拌下75℃に加温し、次いで予め分散させたルチル型種晶スラリーをTiO重量基準で37.5g相当量添加し、75℃で2時間加熱加水分解させてTiO濃度163.2g/リットルのルチル結晶の二酸化チタンスラリーを2941ml得た。
このスラリーを、500mlづつ1リットルのビーカーに分取し、撹拌下NaCO粉末を添加して、スラリーpHを表1に示す通りに調整後、それぞれにNa粉末をTiO 100重量部に対し、30重量部添加して良く混合後、濾過、脱水したケーキを得る。該ケーキをそれぞれマッフル炉にて、表1に示す温度、時間で焼成した。得られた焼成物は粉砕後、脱イオン水中に投入し、ミキサーで約10分間混合後、濾過、洗浄して可溶性塩を除去した後、乾燥して粒子A1〜粒子A3を得た。
粒子A1〜粒子A3の焼成条件および焼成後の粒子の特性を表1に示す。
Figure 2006286528
また、粒子A4〜粒子B2については、下記市販品をマッフル炉にて、表2に示す温度および時間で焼成し、粉砕後、脱イオン水中ミキサーで焼く10分混合ののち、濾過、洗浄して得た。
粒子A4:テイカ株式会社製酸化チタンTITANIX JA−1
粒子A5:チタン工業株式会社製光触媒用酸化チタンPC−101A
粒子B1:テイカ株式会社製光触媒用酸化チタンAMT−100
粒子B2:日本アエロジル製AEROXIDE(R) TiO P25
粒子A4〜粒子B2の焼成条件および焼成後の粒子の特性を表2に示す。
Figure 2006286528
[実施例1]
<ポリエステルフィルムの作成>
固有粘度が0.63で、実質的に粒子を含有しないポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートのペレットを170℃で6時間乾燥後、押出機ホッパーに供給し、溶融温度305℃で溶融し、平均目開きが17μmのステンレス鋼細線フィルターで濾過し、3mmのスリット状ダイを通して表面温度60℃の回転冷却ドラム上で押出し、急冷して未延伸フィルムを得た。このようにして得られた未延伸フィルムを120℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で15mm上方より850℃のIRヒーターにて加熱して縦方向に3.1倍に延伸した。この縦延伸後のフィルムの片面に下記の塗剤Aを乾燥後の塗膜厚みが0.25μmになるようにロールコーターで塗工し易接層を形成した。
続いてテンターに供給し、140℃にて横方向に.3.3倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを245℃の温度で5秒間熱固定し、固有粘度が0.58dl/g、厚み125μmのポリエステルフィルムを得た。その後、このフィルムを懸垂状態で、弛緩率0.7%、温度205℃で熱弛緩させた。
<塗剤Aの調製>
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル66部、イソフタル酸ジメチル47部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル8部、エチレングリコール54部、ジエチレングリコール62部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。このポリエステル25部をテトラヒドロフラン75部に溶解させ、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水75部を滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去し、固形分が25重量%のポリエステルの水分散体を得た。
次に、四つ口フラスコに、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム3部、およびイオン交換水181部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メタクリル酸メチル30.1部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン21.9部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸39.4部、アクリルアミド8.6部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、攪拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が35%重量のアクリルの水分散体を得た。
一方で、シリカフィラー(平均粒径:100nm)(日産化学株式会社製 商品名スノーテックスZL)を0.2重量%、濡れ剤として、ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−70)の0.3重量%添加した水溶液を作成した。
上記のポリエステルの水分散体8重量部、アクリルの水分散体7重量部と水溶液85重量部を混合して、塗剤Aを作成した。
<ハードコート>
得られたポリエステルフィルムを用い、この易接層側にUV硬化性ハードコート剤(JSR製 デソライトR7501)を厚さ約5μmになるよう塗布し、UV硬化させてハードコート層を形成した。
<透明導電層形成>
ハードコート層が形成された片面に、主として酸化インジウムからなり酸化亜鉛が10重量%添加されたIZOターゲットを用いた直流マグネトロンスパッタリング法により、膜厚260nmのIZOからなる透明導電層を形成した。透明導電層のスパッタリング法による形成は、プラズマの放電前にチャンバー内を5×10−4Paまで排気した後、チャンバー内にアルゴンと酸素を導入して圧力を0.3Paとし、IZOターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を印加して行った。酸素分圧は3.7mPaであった。透明導電層の表面抵抗値は15Ω/□であった。
次いで、常圧プラズマ表面処理装置(積水化学工業製AP−T03−L)を用いて、窒素気流下(60L/分)、1m/分にて透明導電層表面にプラズマ処理を施した。このとき、表面抵抗値16Ω/□、表面張力は71.5mN/mであった。
<反射防止層>
積層フィルムの透明導電層を形成した面とは反対側の面に、厚さ75nmで屈折率1.89のY23層、その上に厚さ120nmで屈折率2.3のTiO2層、更にその上に厚さ90nmで屈折率1.46のSiO2を、夫々高周波スパッタリング法によって製膜し、反射防止処理層とした。各静電体薄膜を製膜するに際し、いずれも真空度は1×10-3Torrとし、ガスとしてAr:55sccm、O2:5sccmを流した。また、基板は製膜行程中、加熱もしくは冷却をすることなく室温のままとした。
<多孔質半導体層形成>
前述の粒子A1:10gと粒子B1:5gの混合物を130mlのエタノール中で分散し、30分攪拌する。その後、攪拌しながら5gのテトライソプロピルチタネートを5分かけて滴下し、更に30分攪拌する。攪拌終了後、この塗液を直ちにバーコーターにて塗布し、大気中200℃で30分間の熱処理を行って厚み6μmになるように多孔質二酸化チタン層を形成し、色素増感型太陽電池の電極を作成した。
<色素増感型太陽電池の作成>
この電極をルテニウム錯体(Ru535bisTBA、Solaronix製)の300μMエタノール溶液中に24時間浸漬し、光作用電極表面にルテニウム錯体を吸着させた。また、前記の積層フィルムの透明導電層上にスパッタリング法によりPt膜を堆積して対向電極を作成した。電極と対向電極を、熱圧着性のポリエチレンフィルム製フレーム型スペーサー(厚さ20μm)を介して重ね合わせ、スペーサー部を120℃に加熱し、両電極を圧着する。さらに、そのエッジ部をエポキシ樹脂接着剤でシールする。電解質溶液(0.5Mのヨウ化リチウムと0.05Mのヨウ素と0.5Mのtert−ブチルピリジン、平均粒径20μmのナイロンビーズ3重量%を含む3−メトキシプロピオニトリル溶液)を注入した後、エポキシ系接着剤でシールした。
完成した色素増感型太陽電池のI−V特性の測定(有効面積25mm)を行った結果、開放電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ、0.71V、8.4mA/cm、0.68であり、その結果、光発電効率は4.1%であった。
[実施例2および比較例1〜3]
実施例1と同様に、ポリエステルフィルムを作成し、ハードコート、透明導電層、反射防止層を形成した。塗液を作成する際に表3に示す粒子を使用した他は、実施例と同様に多孔質半導体層を形成し、色素増感型太陽電池を作成した。色素増感型太陽電池のI−V特性を測定した結果を表3に示す。
Figure 2006286528
[実施例3]
下記式(A)に示す紫外線吸収剤を1重量%含有するポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.66)のペレットを150℃で6時間乾燥後、押出機ホッパーに供給し、溶融温度295℃で溶融し、平均目開きが17μmのステンレス鋼細線フィルターで濾過し、3mmのスリット状ダイを通して表面温度20℃の回転冷却ドラム上で押出し、急冷して20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。
Figure 2006286528
このようにして得られた未延伸フィルムを80℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で15mm上方より850℃のIRヒーターにて加熱して縦方向に3.2倍に延伸した。この縦延伸後のフィルムの片面に下記の塗剤Aを乾燥後の塗膜厚みが0.25μmになるようにロールコーターで塗工し易接層を形成した。
続いてテンターに供給し、110℃にて横方向に.3.4倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを232℃の温度で5秒間熱固定し、固有粘度が0.60dl/g、厚み125μmのポリエステルフィルムを得た。その後、このフィルムを懸垂状態で、弛緩率0.5%、温度150℃で熱弛緩させた。
実施例1と同様に、ハードコート層、透明導電層の順に形成し、積層フィルムを得た。酸化物半導体層を形成する際に、塗布後の熱処理温度を150℃にした他は実施例1と同様に多孔質半導体層を形成し、色素増感型太陽電池の電極を作成した。
この電極を用いて実施例1と同様に色素増感太陽電池を作成した。I−V測定(有効面積25mm)を行った結果、開放電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ、0.67V、8.1mA/cm、0.60であり、その結果、光発電効率は3.3%であった。
本発明の色素増感型太陽電池用電極は、色素増感型太陽電池の電極として好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルム、その一方の面に設けられた透明導電層、および透明導電層のうえに設けられた金属酸化物粒子からなる多孔質半導体層から構成される色素増感型太陽電池用電極において、金属酸化物粒子は結晶性粒子Aを5〜95重量%および結晶性粒子Bを5〜95重量%からなり、結晶性粒子Aは下記条件を全て満足し、結晶性粒子Bはその結晶サイズが12nm以下であることを特徴とする、色素増感型太陽電池用電極。
    5 ≦ dla/dsa ≦ 20
    50 ≦ dsa ≦ 250
    (ここで、dlaは結晶性粒子Aの平均粒子最大径(nm)、
    dsaは結晶性粒子Aの平均粒子最小径(nm)である。)
  2. 結晶性粒子Aの結晶サイズdxaと平均最小粒子径dsaが、下記式を満たす多結晶性粒子である、請求項1に記載の色素増感型太陽電池用電極。
    1.5 ≦ dsa/dxa ≦ 5.0
    (ここで、dsaは結晶性粒子Aの平均最小粒子径(nm)、
    dxaは結晶性粒子Aの結晶サイズ(nm)である。)
  3. 多孔質半導体層が、金属酸化物粒子の分散液である塗液を透明導電層のうえに塗布することにより設けられた請求項1記載の色素増感型太陽電池用電極。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の色素増感型太陽電池用電極を備える色素増感型太陽電池。
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