JP2012168502A - レジスト組成物、及びこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、カルボン酸はPHSのフェノール酸性に比べて強酸であるため、現像時にレジスト膜の膨潤が起こり易く、LWR不良やパターン倒れの原因となった。
膨潤を軽減させるためには、ベース樹脂としては脂溶性を低減させることが効果的であり、単環構造の酸不安定基で溶解性基であるカルボン酸を保護した単位を用いることで脂溶性を低減でき、LWRが改善されることが知られている。しかしながら、脂溶性を低減させたベース樹脂を用いた場合、溶解コントラストが不足するため、微細なパターンにおいて十分な矩形性が得られないという問題が生じる。
しかしながら、先端リソグラフィーにおいてはパターン寸法が酸の拡散長に近づくため、これまで以上に酸拡散抑制能を高める必要がある。
光照射により発生した酸を捕捉するクエンチャー成分を添加することが更なる酸拡散の抑制に有効であり、クエンチャーとしては一級、二級、三級のアミン類に代表される塩基性の含窒素有機化合物が広く用いられている。しかし、これらの含窒素有機化合物はレジスト膜内での偏在やレジスト膜表層からの揮発(ケミカルフレア)によるダーク(遮光部が広いエリア)・ブライト(露光部が広いエリア)寸法差を引き起こし、また、表面難溶化等の形状不良の原因となる。
一方、弱酸オニウム塩クエンチャーはアミン類等の含窒素有機化合物に比べて、強酸クエンチ能が低く、酸拡散を十分に抑制できないという傾向が見られ、微細なパターンにおいてはテーパー形状やフッティング形状となる恐れがある。
また、微細パターンにおいては、絶対寸法が縮小することによるパターン倒れの問題も深刻である。特に弱酸オニウム塩クエンチャーを使用する場合、塩交換反応で発生した弱酸が中和されずにレジスト膜中に残るため、アルカリ現像液がパターンに浸透し易く、パターン倒れが一層深刻となっている。
(A)下記一般式(1)及び/又は(2)で示される構造の繰り返し単位を1つ以上有し、酸によってアルカリ溶解性が向上する高分子化合物、
(B)高エネルギー線に感応し下記一般式(3)で示されるスルホン酸を発生する光酸発生剤、及び、
(C)下記一般式(4)で示されるスルホン酸オニウム塩
を含むものであることを特徴とするレジスト組成物を提供する。
本発明者らは、上記した問題を解決するため鋭意検討及び研究を重ねた結果、上記の(A)特定の構造を有する高分子化合物、(B)特定の光酸発生剤、及び(C)特定のオニウムスルホン酸塩のクエンチャーを含有するレジスト組成物は、良好なLWRとパターンプロファイル形状、及びパターン倒れ耐性において極めて優れた性能を示すことを見出した。
本発明のレジスト組成物中の(A)成分である高分子化合物の必須単位である上記一般式(1)及び(2)で示される繰り返し単位、及び上記一般式(6)で示される繰り返し単位は、カルボン酸が酸不安定基により保護された構造である。
Xはこれが結合する炭素原子と共に置換または非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、またはノルボルナン環を形成する二価の基を表す。RL21、RL22はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状の一価炭化水素基を表し、または、RL21とRL22は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換または非置換のシクロペンタン環、またはシクロヘキサン環を形成する二価の基を表す。pは1または2を表す。
Yはこれが結合する炭素原子と共に置換または非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、またはノルボルナン環を形成する二価の基を表す。RL24、RL25はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状の一価炭化水素基を表し、または、RL24とRL25は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換または非置換のシクロペンタン環、またはシクロヘキサン環を形成する二価の基を表す。qは1または2を表す。
Zはこれが結合する炭素原子と共に置換または非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、またはノルボルナン環を形成する二価の基を表す。R27、R28はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状の一価炭化水素基を表し、または、R27とR28は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換または非置換のシクロペンタン環、またはシクロヘキサン環を形成する二価の基を表す。
水酸基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位としては、具体的には下記ものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
しかしながら、特にカルボキシル基においては、カルボキシル基を含む繰り返し単位の含有率は全繰り返し単位合計に対して10モル%以下が好ましい。この範囲であれば、パターンの矩形性が損なわれたり、膨潤によりパターン倒れ耐性が劣化する恐れがなく、溶解速度制御の点で有効な場合がある。
また、酸不安基単位については更に有橋環式構造を有した単位を含むこともできる。
この単位の含有率は全繰り返し単位合計に対し、10モル%未満で加えると現像時に生じるパターン倒れをより確実に解消することが認められ、LWRが悪化する恐れがないために好ましい。
a+b+c+d=100
30≦a≦80
0≦b≦50
0≦c≦50
20≦d≦70
を満たすことが好ましく、特に、
a+b+c+d=100
30≦a≦80
0≦b≦40
0≦c≦20
20≦d≦50
を満たす組成比が好ましい。
例えば、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールを出発原料として開発された1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン−2−イルベンゾエート(特開平6−157381号公報参照)に代表される1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン−2−イル脂肪族カルボン酸エステルあるいは芳香族カルボン酸エステルを亜硫酸水素ナトリウムあるいは亜硫酸ナトリウムとアゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイル等のラジカル開始剤存在下、溶剤として水あるいはアルコール及びその混合物中で反応させることにより行うことができる。更にいえば、上記方法で得たスルホン酸塩のスルホネートのカルボン酸エステル部位を水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリを用いて加水分解又はアルコールと塩基を用いて加溶媒分解した後に、適宜、脂肪族カルボン酸ハライドや脂肪族カルボン酸無水物、芳香族カルボン酸ハライドや芳香族カルボン酸無水物などで反応させることにより、当初有していたカルボン酸エステル構造とは異なるカルボン酸エステル構造を有するスルホニウム塩を得ることができる。これらは特開2007−145797号公報などに詳しい。
例えば、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエタノールを、種々のカルボン酸クロリドと反応させることによって、含フッ素臭化エステルを得て、この含フッ素臭化エステルを、亜ジチオン酸塩などのスルフィン化剤を用いてスルフィン化して、含フッ素スルフィン酸塩を得る。この含フッ素スルフィン酸塩を、過酸化水素などの酸化剤を用いて酸化し、含フッ素スルホン酸塩を得て、公知のオニウム塩と反応させることでフッ素スルホン酸オニウム塩を得ることが出来る。これらは特開2009−7327号公報に詳しい。
本発明のレジスト組成物における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト組成物中のベース樹脂100質量部に対し2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。2質量部以下であれば、酸拡散の制御が難しく、解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こる恐れがないために好ましい。
また、界面活性剤を混合して使用してもよく、その合計の添加量は、レジスト組成物のベース樹脂100部に対して0.001〜20部、好ましくは0.01〜10部の範囲である。
本発明のレジスト組成物を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができ、例えば、集積回路製造用の基板(Si,SiO2,SiN,SiON,TiN,WSi,BPSG,SOG,有機反射防止膜付基板等)、あるいはマスク回路製造用の基板(Cr,CrO,CrON,MoSi等)にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.05〜2.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜150℃、1〜10分間、好ましくは80〜140℃、1〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、遠紫外線、エキシマレーザー、X線、電子線等の高エネルギー線を露光量1〜200mJ/cm2、好ましくは10〜100mJ/cm2となるように照射する。あるいは、パターン形成のためのマスクを介さずに電子線を直接描画する。露光は通常の露光法の他、特に、マスクとレジストの間を液浸するImmersion法を用いることも可能である。その場合には水に不溶な保護膜を用いることも可能である。次いで、ホットプレート上で、60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜140℃、1〜3分間ポストエクスポージャーベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像して、基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明のレジスト組成物は、特に高エネルギー線の中でも250〜180nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、X線及び電子線による微細パターニングに最適である。
後者は特に水に不溶でアルカリ現像液に溶解する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する高分子化合物をベースとし、炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8〜12のエーテル系溶剤、及びこれらの混合溶媒に溶解させた材料が好ましい。また、上述した水に不溶でアルカリ現像液に可溶な界面活性剤を炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8〜12のエーテル系溶剤、又はこれらの混合溶媒に溶解させた材料とすることもできる。
また、パターン形成方法の手段として、フォトレジスト膜形成後に、純水リンス(ポストソーク)を行うことによって膜表面からの酸発生剤などの抽出、あるいはパーティクルの洗い流しを行ってもよいし、露光後に膜上に残った水を取り除くためのリンス(ポストソーク)を行ってもよい。
窒素雰囲気下でメタクリル酸1−(1−メチルエチル)シクロペンチル21.27g、メタクリル酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル14.7g、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル5.12g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.57gと2−メルカプトエタノール0.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.09gとγ−ブチロラクトン18.97gに溶解させ溶液を調製した。その溶液を窒素雰囲気下80℃で撹拌したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6.28gとγ−ブチロラクトン5.39gに4時間かけて滴下した。滴下終了後80℃を保ったまま2時間撹拌し、室温まで冷却した後重合液を320gのメタノールに滴下した。析出した固形物を濾別し、メタノール120gで二回洗浄した後50℃で16時間真空乾燥して、下記式Polymer4で示される白色粉末固体状の高分子化合物が得られた。収量は17.19g、収率は86%であった。なお、Mwはポリスチレン換算でのGPCを用いて測定した重量平均分子量を表す。
各単量体の種類、配合比を変えた以外は、上記ポリマー4の合成と同様の手順により樹脂(Polymer1〜3、5〜38)を製造した。
本評価に用いた高分子化合物を構成する繰り返し単位の組成比(モル%)と分子量及び分散度を表1に示す。また、各繰り返し単位の構造を表2、3に示す。表2中、ALU−1〜4は本発明の(A)成分の高分子化合物において必須の酸不安定単位(上記一般式(1)又は(2)で示される構造の繰り返し単位)である。表2中、ALU−5〜8および表3に示すUnit1〜Unit5は、(A)成分の高分子化合物において必須の酸不安定単位(上記一般式(1)又は(2)で示される構造の繰り返し単位)以外の構成単位である。従ってPolymer−1〜30が本発明の高分子化合物(A)に該当する。Polymer−31〜38は比較例のポリマーである。
次に、上記高分子化合物の他、光酸発生剤、スルホン酸オニウム塩のクエンチャー、熱酸発生剤、アルカリ可溶型界面活性剤を溶剤に溶解し、溶解後にテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)を用いて濾過し、下記表4〜表8に示す本発明のレジスト組成物を調製した(PR1〜PR230)。また、比較試料として下記表9、10に示すレジスト組成物を調製した(PR231〜PR310)。表4〜10中の光酸発生剤の構造を表11に、クエンチャーとして用いたスルホン酸オニウム塩の構造を表12、13に、熱酸発生剤(TAG−1)の構造を表14に、アルカリ可溶型界面活性剤(SF−1、SF−2)の構造を表15に示す。表11のPAG1〜3は、本発明のレジスト組成物の必須成分である光酸発生剤(B)に相当し、PAG4、5は比較例の光酸発生剤である。表12のスルホン酸オニウム塩SQ1−SQ6は本発明のレジスト組成物の必須成分であるスルホン酸オニウム塩(C)に相当し、表13のSQ7−SQ10は比較例のスルホン酸オニウム塩である。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
GBL:γ-ブチロラクトン
界面活性剤A:3−メチル−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)オキセタン・テトラヒドロフラン・2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール共重合物(オムノバ社製)(下記式)
シリコン基板上に反射防止膜溶液(日産化学工業(株)製、ARC−29A)を塗布し、200℃で60秒間ベークして作製した反射防止膜(100nm膜厚)基板上にレジスト溶液をスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、90nm膜厚のレジスト膜を作製した。これをArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S610C、NA=1.30、4重極、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いて液浸露光し、任意の温度で60秒間ベーク(PEB)を施し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で60秒間現像を行った。
・良好:パターン側壁の垂直性が高い。好ましい形状。
・表層難溶:ラインパターン表層部が閉塞気味。好ましくない形状。
・裾引き:基板に近い部分でライン寸法が増幅する傾向が強い。好ましくない形状。
・パターン倒れ:表層難溶の症状がさらに増大し、形成されたラインパターンが倒れる。
・表層溶解過多:ラインパターンが過剰溶解気味。パターンに高さがなく好ましくない形状。
しかしながら、特にカルボキシル基においては、カルボキシル基を含む繰り返し単位の含有率は全繰り返し単位合計に対して10モル%以下が好ましい。この範囲であれば、パターンの矩形性が損なわれたり、膨潤によりパターン倒れ耐性が劣化する恐れがなく、溶解速度制御の点で有効な場合がある。
また、酸不安定基単位については更に有橋環式構造を有した単位を含むこともできる。
この単位の含有率は全繰り返し単位合計に対し、10モル%未満で加えると現像時に生じるパターン倒れをより確実に解消することが認められ、LWRが悪化する恐れがないために好ましい。
Claims (10)
- 少なくとも、
(A)下記一般式(1)及び/又は(2)で示される構造の繰り返し単位を1つ以上有し、酸によってアルカリ溶解性が向上する高分子化合物、
(B)高エネルギー線に感応し下記一般式(3)で示されるスルホン酸を発生する光酸発生剤、及び、
(C)下記一般式(4)で示されるスルホン酸オニウム塩
を含むものであることを特徴とするレジスト組成物。
- 前記(C)成分のスルホン酸オニウム塩が、下記一般式(5)で示されるスルホン酸スルホニウム塩であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト組成物。
- 前記(A)成分の高分子化合物が、前記一般式(1)及び/又は(2)で示される繰り返し単位に加え、更に水酸基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
- 前記(B)成分の光酸発生剤の含有量が、前記(A)成分の高分子化合物の含有量に対して2〜10質量%であり、かつ、モル換算で前記(C)成分のスルホン酸オニウム塩の含有量が前記(B)成分の光酸発生剤の含有量以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
- 更に、有機溶剤、塩基性化合物、溶解制御剤、及び界面活性剤のいずれか1つ以上を含有するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
- 少なくとも、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
- 前記高エネルギー線を波長180〜250nmの範囲のものとすることを特徴とする請求項7に記載のパターン形成方法。
- 前記高エネルギー線で露光する工程を、液体を介して露光する液浸露光により行うことを特徴とする請求項7又は8に記載のパターン形成方法。
- 前記液体として水を用いることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
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