JP2012167894A - ドレン排水装置用の蒸発シート - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍装置や大型冷蔵庫などに設置するドレン排水装置の受け皿内に配置するフェルト製の蒸発シートを提供し、該蒸発シートは長期間使用しても吸水能力が低下することが少ない。
【解決手段】吸水性繊維25〜70重量%と、熱融着性繊維25〜45重量%、耐熱性繊維0〜35重量%とを含有するフェルトからなり、カーディングおよびニードルパンチによって全体を一体化し、熱処理してから熱プレスによって薄いシート状に成形する。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷凍装置や大型冷蔵庫などに設置するドレン排水装置の受け皿内に配置する蒸発シートに関し、長期間使用しても吸水能力が低下することが少ないフェルト製の蒸発シートに関する。
冷凍装置、大型冷蔵庫、室内空調機、大型加湿器は、稼働中に大量に発生する凝縮水や徐霜水を含むドレン排水を保留する受け皿を備えており、該受け皿においてドレン排水を自動的に除去するために効率良く蒸発させなければならない。特開2004−53049号では、ドレン排水装置として、既存の冷凍装置や大型冷蔵庫などのドレン受け皿内において、多数枚の蒸発板を一定間隔で垂直に立設させたドレン排水装置を配置し、吸水性の各蒸発板はドレン受け皿内の排水に浸漬され、その排水を各蒸発板から効果的に蒸発させる。このドレン排水装置において、多数枚の蒸発板はすべて紙または合成繊維で構成され(段落0002)、各蒸発板の両横側面に上方の切り込み溝と下方の切り込み溝とを形成し、両側の上方および下方の切り込み溝にそれぞれ補強支持板を水平に差し込み、各蒸発板を垂直状態で安定支持する。
このドレン排水装置を搭載する冷凍装置や大型冷蔵庫は、その仕様および使用態様に応じて、通風量やドレン排水量がそれぞれ異なるため、各蒸発板に求められる湿潤時や乾燥時の耐変形強度が相違する。特開2004−53049号では、蒸発板の耐変形強度を高く保つために、矩形環状の鋼線枠を蒸発板の並列側面に直線状の補強支持板とともに差し込んだり、広幅の矩形環状の補強枠体を蒸発板の並列側面に直接差し込んでいる。この結果、この蒸発板が吸水性の紙製であっても、鋼線枠などの補強部材を取り付けることで蒸発板の耐変形強度を多少高くすることができる反面、経時的な吸水性の低下を回避することはできない。
一方、レーヨン繊維は、吸水性能の高い繊維として公知であり、レーヨン繊維を用いた各種のフェルト材が存在する。例えば、特開2005−37076号は、レーヨン繊維と熱融着性繊維とから得た不織布を用い、コンパクトで気化性能の高い気化フィルタを提案している。また、本出願人が出願した実用新案登録第3142589号は、フェルト製のインクジェットプリンタ用の廃インク吸収体を提案しており、該フェルトにはレーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、架橋カルボキシメチルセルロース系繊維などが使用可能である(段落0013参照)。
特開2004−53049号公報 特開2005−37076号公報 実用新案登録第3142589号明細書
ドレン排水装置において、並列させた蒸発板が吸水性の紙製である限り、どのような補強部材を取り付けても蒸発板の耐変形強度を高くすることに限界があり、経時的な吸水性能の低下は改善不可能である。特開2004−53049号は、蒸発板が紙または合成繊維で構成されると開示しており、合成繊維製の蒸発板とは比較的薄い湿式不織布を意味するのでないかと推定できる。湿式不織布が蒸発板として使用されているならば、該不織布の原料繊維には、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、ビスコース、スフなどが目的に応じて単独または混合して添加されている。
蒸発板が湿式不織布製であれば、その吸水性能を改善するためにレーヨン繊維を混合することは容易に予測できる。しかしながら、レーヨン繊維は、木綿に比べて強度、ウェットモデュラス、耐水性、耐アルカリ性が低いので、蒸発板用の湿式不織布に適用することは困難であった。一方、特開2005−37076号は、レーヨン繊維を熱融着性繊維と混合してから成形加工し、コルゲート加工の不織布を平坦な不織布と一体的に熱融着していても、気化フィルタとして適用できる程度の耐変形強度を有するにすぎず、蒸発板のように水中で垂直に立てて使用すれば瞬時に座屈変形してしまう。
本発明は、ドレン排水装置に用いる従来の蒸発板に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、高い耐変形強度を有することにより、水中で垂直に立設するとその垂直状態を長期間維持し、しかも高い吸水性能を長期間保持できる蒸発シートを提供することを目的としている。本発明の他の目的は、環境温度が140℃近くになっても、膨張したり倒れたりすることがない蒸発シートを提供することである。
本発明に係る蒸発シートは、ドレン排水装置用であって、受け皿内において垂直に立設して多数枚を並列させて使用する。本発明の蒸発シートは、吸水性繊維25〜70重量%と、熱融着性繊維25〜45重量%、耐熱性繊維0〜35重量%とを含有するフェルトからなり、カーディングおよびニードルパンチによって全体を一体化し、熱処理してから熱プレスによって薄いシート状に成形する。
好ましくは、本発明の蒸発シートは、耐熱性繊維を添加しないならば、吸水性繊維55〜70重量%と、熱融着性繊維30〜45重量%とを含有するフェルトからなる。また、吸水性繊維25〜60重量%と、熱融着性繊維25〜45重量%と、耐熱性繊維10〜35重量%とを含有するフェルトからなっていてもよい。
本発明に係る蒸発シートにおいて、吸水性繊維がレーヨン繊維であり、耐熱性繊維が親水性または抗菌性ポリエステル繊維であると好ましい。本発明の蒸発シートは、所望に応じて、熱プレスの前に樹脂加工を施すか、または樹脂加工を施さない熱プレスのみであると好ましい。この樹脂加工において、アクリル樹脂に添加する薬剤が、防かび剤、抗菌剤、界面活性剤またはこれらの混合であればよい。
本発明に係る蒸発シートは、吸水性繊維を多量に含んでいても高い耐変形強度を有し、水中で垂直に立設すると膨潤したり座屈することがなく、その垂直状態を長期間安定して維持できる。しかも、本発明の蒸発シートは、レーヨン繊維などの吸水性繊維を多量に含有することによって吸水性能が高く、長期間使用しても吸水性能が低下することが少ないので、多数枚の蒸発シートの交換回数が減り、しかもドレン排水装置のメンテナンス期間を長く設定できて経済的である。
本発明に係る蒸発シートは、乾燥状態や湿潤状態であっても、その直後に水に浸漬されると一定の吸水性能を発揮することができ、該シートが乾燥後に水に浸漬されても膨張したり倒れたりすることも起こらない。したがって、本発明の蒸発シートは、大型商業施設における厳しい環境下でも十分に使用可能であり、商業施設の冷凍装置、大型冷蔵庫、室内空調機、大型加湿器に配置するドレン排水装置として実に好適である。
本発明に係る蒸発シートを例示する拡大断面図である。 ドレン排水装置の一部として、図1の蒸発シートを多数枚並列させて立設させた状態を示す斜視図である。 ドレン排水装置を受け皿内に配置した状態を示す斜視図である。 初期吸水および吸水サイクル試験の結果を示すグラフである。 耐熱試験後の吸水評価の結果を示すグラフである。
本発明に係る蒸発シート1は、少なくとも吸水性繊維2および熱融着性繊維3を含有するフェルトからなり、所望に応じて耐熱性繊維を添加すると好ましい。したがって、蒸発シート1は、吸水性繊維25〜70重量%と、熱融着性繊維25〜45重量%、耐熱性繊維0〜35重量%とを含有するフェルトからなる。このフェルトは、カーディングおよびニードルパンチによって全体を一体化し、ニードルパンチに代えるかまたはそれに加えてウオータージェットパンチで処理してもよい。
例えば、蒸発シート1は、図1に示すように吸水性繊維2と、熱融着性繊維3、耐熱性繊維4とを含有するフェルトからなり、該フェルトを熱処理し、さらにプレス加工や樹脂加工を行う。蒸発シート1は、図2に示すように、多数枚を一定間隔で垂直に立設して並置することによってドレン排水装置5(図3参照)を構成し、該装置をドレン受け皿6内に配置する。
本発明において、吸水性繊維2とは、通常、公定水分率が10%以上である親水性の高い繊維を意味し、改質によって親水性を高めた天然または合成繊維も包含される。吸水性繊維2として、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、麻、絹、羊毛、架橋ポリアクリル酸塩系繊維、架橋カルボキシメチルセルロース系繊維またはこれらの混綿繊維などが例示できる。特に、レーヨン繊維は、特に湿潤時における引張強度が低いけれども、高い親水性とコストの点から好適である。親水性ポリエステル繊維は、一般に、公定水分率が8.5%である木綿並みの吸水性を有するけれども、公定水分率が10%未満であれば、本発明における吸水性繊維2には含まれない。
吸水性繊維2は、耐熱性繊維4を加えない場合には全繊維量の55〜70重量%を添加し、特に60〜70重量%を添加すると好ましい。また、吸水性繊維2は、耐熱性繊維4を加える場合には全繊維量の25〜60重量%を添加し、特に30〜40重量%を添加すると好ましい。この際に、吸水性繊維2が25重量%未満であると、蒸発シート1に所定の吸水性能を付与することができない。一方、吸水性繊維2が60重量%を超えると、蒸発シート1の耐変形強度が低くなって耐用性が低下してしまう。
吸水性繊維2は、原糸改質、親水加工または後加工改質によって親水性などをいっそう高めてもよい。例えば、レーヨン繊維として、キチン、キトサンなどを添加して湿式紡糸することで抗菌性と防臭性を付与した繊維(商品名:クラビオン、オーミケンシ製)などを用いたり、またはユーカリなどの木材パルプが原料であるレンチングレーヨン、リヨセル(商標)やテンセル(商標)を使用してもよく、これらは湿式紡糸の際にアミンオキサイド系の溶剤を添加しており、通常のレーヨンに比べてはるかに強く、特にぬれた状態での縮みや強度低下が少ない。
本発明において、熱融着性繊維3とは、通常、140℃前後の熱処理時に少なくとも部分的に溶融して融着する繊維を意味し、通常、その融点が110℃以下であると好ましい。熱融着性繊維3として、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、低融点ポリエステル繊維、低融点ポリアミドまたはこれらの混綿繊維などが例示でき、エチレンまたはブテンなどとのコポリマーも使用可能である。熱融着性繊維3は、吸水性繊維よりも低融点であれば、融点が90〜170℃である公知の繊維や樹脂フィラメントでも、並列や芯鞘構造などの複合繊維であってもよい。
熱融着性繊維3は、耐熱性繊維4を加えない場合には全繊維量の30〜45重量%を添加し、特に30〜40重量%を添加すると好ましい。また、熱融着性繊維3は、耐熱性繊維4を加える場合には全繊維量の25〜45重量%を添加し、特に30〜40重量%を添加すると好ましい。熱融着性繊維3が25重量%未満であると、蒸発シート1の耐変形強度が高くならず、水中への浸漬を継続すると蒸発シート1が膨潤したり座屈するおそれがある。一方、熱融着性繊維3が50重量%を超えると、蒸発シート1が硬くなりすぎて該シートの吸水性能が低下してしまう。
本発明において、耐熱性繊維4は所望に応じて添加し、耐熱性繊維4とは、通常、180℃前後に達する熱処理時に溶融せず、標準時および湿潤時の引張強度が約4g/D以上である繊維を意味し、この引張強度の点で、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、絹、羊毛は本発明における耐熱性繊維に包含されない。耐熱性繊維4として、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、ナイロン66繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素系繊維、PPS繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ヘテロ環繊維、ポリ−p−ベンズアミド繊維、ポリイミド繊維またはこれらの混綿繊維などが例示できる。特に、ポリエステル繊維は、耐用性があって物性とコストの点からも好適である。
耐熱性繊維4は、添加する場合には全繊維量の10〜35重量%を加えると好ましく、特に20〜30重量%を加えると好ましい。耐熱性繊維4が10重量%未満であると、耐熱性繊維4の添加の効果が小さく、蒸発シート1の耐変形強度を高くすることが困難になる。耐熱性繊維4の添加量が30重量%を超える場合には、親水性ポリエステル繊維などの親水性繊維を使用すると好ましい。一方、耐熱性繊維4が35重量%を超えると、親水性繊維であっても、蒸発シート1に所定の吸水性能を付与することが困難になる。
耐熱性繊維4であるポリエステル繊維は、例えば、キチンやキトサンを原糸に練り込んで抗菌性としたり、原糸改質または後加工改質として、繊維表面積の拡大と毛細管現象の増大によって親水性を高めてもよい。この親水加工には、ポリエステル重合時にコロダイルシリカをポリマー中に分散させ、繊維化後にアルカリ減量処理によって繊維表面に微細な凹凸を形成させる方法がある。また、ポリエステル繊維中に微細孔形成剤を介在させ、アルカリ減量処理によって連通微細孔を形成してもよい。
吸水性繊維2および熱融着性繊維3である原料繊維には、所望に応じて耐熱性繊維4を添加してカーディングを行い、生地の目付は200〜600g/m程度である。カーディングの後に、ニードルパンチによって全体を一体化し、さらに140〜180℃でオーブンで熱処理する。この熱処理によって、熱融着性繊維3を全部または部分的に溶融させて全体のフェルト化を促進する。得たシート素材について、熱処理後の厚みは2〜4mmであり、その目付は250〜650g/m程度であって、生地の目付とほぼ同様または多少上昇する場合が多い。
熱処理後のシート素材は、熱プレスだけによって薄いシート状に成形して蒸発シート1を得ても、さらに熱プレスの前に樹脂加工を施すか、または熱プレスの後に樹脂加工を施してもよい。この際の熱プレスは必須であり、140〜180℃の平板プレスによって薄シート化を促進し、厚さと目付を適切に調整する。加熱した平板プレスにより、シート素材の厚みは1.0〜1.5mmになり、熱プレス後の目付は250〜650g/m程度であり、生地の目付とほぼ同様である。
前記の樹脂加工は、蒸発シート1を水に長期間浸漬した際の耐水性を良化させ、この際の含浸樹脂は20〜100g/m2であり、樹脂を含浸した後に乾燥する。この樹脂加工に用いる樹脂はアクリル樹脂、メラミン樹脂または尿素樹脂などであり、該樹脂に添加可能な薬剤は、防かび剤、抗菌剤またはその両方などである。樹脂加工の方法は、特に限定されることがなく、ロールコータ方式などのコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、パッドマングル法などを選択すればよい。
蒸発シート1は、図2に示すように、得たシート素材を矩形状に裁断して製造する。蒸発シート1は、ドレン排水装置5の大きさに応じてA6版からB4版程度の平面形状に定める。蒸発シート1は、複数本の補強板7(図2)によって、多数枚を一定間隔で垂直に立設して並置し、各2枚の蒸発シートは5〜6mm間隔である。蒸発シート1は、実際には30〜40枚程度(図3では20枚)を並置してドレン排水装置5を構成し、該装置を冷凍装置や大型冷蔵庫などのドレン受け皿6(図3参照)内に配置する。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。吸水繊維2である繊度1.5dのレーヨン繊維(商品名:クラビオン、オーミケンシ製)40重量%と、熱融着性繊維3である繊度4dの芯鞘構造の低融点ポリエステル繊維(商品名:9611、東レ製)30重量%と、耐熱性繊維4である親水性ポリエステル繊維(商品名:K047、東レ製)30重量%とからカードラップを形成する。
このカードラップをニードルパンチによって全体を一体化する。ニードルパンチの後に、約180℃のオーブンで熱処理し、アクリル樹脂で樹脂加工すると厚さが2.1mm、目付が520g/mであった。得たシート素材を140℃の平板プレスで1分間加熱・加圧すると、厚さが1.0mm、目付が522g/mになった。
吸水繊維2である繊度1.5dのレーヨン繊維(商品名:クラビオン)60重量%と、熱融着性繊維3である繊度4dの芯鞘構造の低融点ポリエステル繊維(商品名:9611)40重量%とからカードラップを形成する。
このカードラップをニードルパンチによって全体を一体化する。ニードルパンチの後に、約180℃のオーブンで熱処理し、アクリル樹脂で処理すると厚さが1.9mm、目付が432g/mであった。得たシート素材を140℃の平板プレスで1分間加熱・加圧すると、厚さが1.0mm、目付が447g/mになった。
試験例
蒸発シートは、製品規格では初期の吸水性を定めている。実際には、ドレン排水装置は長期間使用されるから、蒸発シートもその吸水性能を持続することが必要である。この観点から、以下の試験を行っている。
1.初期吸水性および吸水サイクル試験
500mlビーカに250mlの水を入れ、実施例1、2で得た蒸発シート1を10分間垂直に立て、水の吸い上げ高さを見た。その結果を図4のグラフに示す。この試験は、吸水性の低下の試験も兼ねているので22回同じ試料で実験した。実際には、30回の予定であったが、吸水性の低下が全く見られなかったので22回で打ちきった。
この結果から、実施例1、2で得た蒸発シート1は、いずれも吸い上げ高さが規定値の140mm以上であった。また、使用後21日間では、吸水性の低下は全く生じないので、長期間の使用が可能である。
2.蒸発性能試験
実施例1、2で得た蒸発シート1および既存品をそれぞれ10分間水に浸漬し、その後に各シートを宙づりして、1時間ごとの重さを乾燥するまで測定する。比較のための既存品は、気孔率が50容積%以上の連続気孔を有するポリエステル繊維の硬質多孔体(商品名:ユニベックス)であり、その厚さと平面形状は蒸発シート1とほぼ同一である。
前記の既存品は、蒸発シート1よりも若干早く乾燥状態になったが、初期の吸水量が低いために早く乾燥状態になったものである。結果として、実施例1、2で得た蒸発シート1は、既存品とほぼ同等の蒸発性能を有している。
3.悪条件下での吸水性能試験
実施例1、2で得た蒸発シート1および前記の既存品に関して、泥、埃、油を混入した汚水について、前記1の初期吸水性試験と同じ方法で吸水性能を測定した。この結果として、実施例1、2で得た蒸発シート1は、既存品よりも若干良好な初期吸水性能を有する。また、吸い上げ高さは、規格値が140mm以上であるのに、20℃の試験環境で170mm以上、50℃の試験環境で155mm以上であった。
4.耐熱試験後の吸水評価試験
実施例1、2で得た蒸発シート1および前記の既存品に関して、乾燥状態のものと10分間水に浸漬したものとを、200℃に設定したオーブンに2時間放置し、各シートにおける吸水評価を数サイクル行った。この結果を図5のグラフに示す。
実施例1、2で得た蒸発シート1は、変色したものの吸水性能自体は熱処理前と変わらなかった。一方、既存品は、変色しなかったけれども厚みが膨張するなどで形状が保たれなかった。吸水性能は、図5のグラフから判るように、実施例1、2で得た蒸発シート1の方が遙かに優れている。
5.12日間連続耐熱試験後の性能変化試験
実施例1および2で得た蒸発シート1を140℃に設定したオーブンに12日間垂直に立てた状態で放置し、その後に試料の形状と吸水性能を測定した。この測定試験は、実機で3年間使用した状態に近い。
この結果として、蒸発シート1は、変色が見られるものの倒れることがなく、その吸水性能は、1日目160mm、2日目142mm、3日目144mmであった。蒸発シート1の吸水性能は、いずれも規格値の140mm以上になり、その吸水性能については問題がない。
フェルトの繊維組成は実施例1と同一であり、カーディングによって厚さ3.1mm、目付357g/mのカードラップを形成する。
このカードラップを針番36NKでニードルパンチの後に熱処理すると厚さが3.25mm、目付が364g/mであり、ついで抗菌・防かび剤2%を添加して樹脂加工すると目付が430g/mであった。最後に、得たシート素材を平板プレスで加熱・加圧すると、厚さが1.1mmになった。
得た蒸発シートは、実施例1とほぼ同様の耐熱性および吸水性能を有する。
フェルトの繊維組成は実施例1と同一であり、カーディングによって厚さ2.2mm、目付443g/mのカードラップを形成する。
このカードラップは、ニードルパンチの後に熱処理すると厚さが2.5mm、目付が451g/mであり、ついでアクリル樹脂(商品名:XA5395)20%および抗菌・防かび剤2%を添加して樹脂加工すると厚さが2.2mm、目付が479g/mであった。。最後に、得たシート素材を平板プレスで加熱・加圧すると、厚さが1.2mm、目付が488g/mになった。
得た蒸発シートは、実施例1とほぼ同様の耐熱性および吸水性能を有する。
繊度1.5dのレーヨン繊維(商品名:クラビオン)30重量%と、繊度4dの低融点ポリエステル(商品名:9611)40重量%と、耐熱性繊維である繊度6dの抗菌性ポリエステル繊維(商品名:バクテキラーPET)30重量%とから、厚さ2.5mm、目付429g/mのカードラップを形成する。
このカードラップをニードルパンチの後に熱処理すると厚さが2.7mm、目付が428g/mであり、ついで平板プレスで加熱・加圧すると、厚さが1.3mm、目付が409g/mになった。最後に、得たシート素材をアクリル樹脂で樹脂加工すると厚さが2.2mm、目付が425g/mであった。
得た蒸発シートは、実施例1とほぼ同様の耐熱性および吸水性能を有する。
繊度1.5dのレーヨン繊維(商品名:クラビオン)40重量%と、繊度4dの低融点ポリエステル繊維(商品名:9611)40重量%と、抗菌性ポリエステル繊維(商品名:バクテキラー)20重量%とから、厚さ2.2mm、目付403g/mのカードラップを形成する。
このカードラップをニードルパンチの後に熱処理すると厚さが2.5mm、目付が407g/mであり、ついで樹脂(商品名:ペレックスOT−P)で樹脂加工すると厚さが2.2mm、目付が465g/mであった。最後に、得たシート素材を平板プレスで加熱・加圧すると、厚さが1.3mmになった。
得た蒸発シートは、実施例1とほぼ同様の耐熱性および吸水性能を有する。
繊度1.5dのレーヨン繊維(商品名:クラビオン)40重量%と、繊度4dの低融点ポリエステル繊維(商品名:9611)20重量%と、繊度2dの低融点ポリエステル繊維(商品名:9611)20重量%と、抗菌性ポリエステル繊維(商品名:バクテキラー)20重量%とから、厚さ2.3mm、目付431g/mのカードラップを形成する。
このカードラップをニードルパンチの後に熱処理すると厚さが2.5mm、目付が435g/mであり、ついでアクリル樹脂で樹脂加工すると厚さが2.1mm、目付が436g/mであった。最後に、得たシート素材を平板プレスで加熱・加圧すると、厚さが1.1mm、目付が424g/mになった。
得た蒸発シートは、実施例1とほぼ同様の耐熱性および吸水性能を有する。
吸水繊維2である繊度1.5dのレーヨン繊維(レンチング製)60重量%と、繊度4dの低融点ポリエステル繊維(商品名:9611)30重量%と、親水性ポリエステル繊維(商品名:K047)10重量%とからカードラップを形成する。このカードラップをニードルパンチの後に熱処理し、ついでアクリル樹脂で樹脂加工を施した。最後に、シート素材を平板プレスで加熱・加圧して蒸発シートを得た。
得た蒸発シートは、実施例1とほぼ同様の耐熱性および吸水性能を有する。
フェルトの繊維組成は実施例2と同一であり、カーディングによって厚さ2.8mm、目付370g/mのカードラップを形成する。
このカードラップをニードルパンチの後に熱処理すると厚さが3.3mm、目付が383g/mであった。最後に、得たシート素材を平板プレスで加熱・加圧すると、厚さが1.2mm、目付が409g/mになった。
得た蒸発シートは、実施例2とほぼ同様の高い吸水性能を有する。
繊度1.5dのレーヨン繊維(レンチング製)30重量%と、繊度1.5dのレーヨン繊維(商品名:クラビオン)40重量%と、繊度4dの低融点ポリエステル繊維(商品名:9611)30重量%とから、厚さ2.95mm、目付357g/mのカードラップを形成する。
このカードラップをニードルパンチの後に熱処理すると厚さが2.85mm、目付が363g/mであった。最後に、得たシート素材を平板プレスで加熱・加圧すると、厚さが1.2mm、目付が359g/mになった。
得た蒸発シートは、実施例2とほぼ同様の高い吸水性能を有する。
繊度3dのレーヨン繊維(オーミケンシ製)30重量%と、繊度1.5dのレーヨン繊維(商品名:クラビオン)40重量%と、繊度4dの低融点ポリエステル繊維(商品名:9611)30重量%とから、厚さ2.95mm、目付365g/mのカードラップを形成する。
このカードラップをニードルパンチの後に熱処理すると厚さが3.2mm、目付が374g/mであった。最後に、得たシート素材を平板プレスで加熱・加圧すると、厚さが1.2mm、目付が367g/mになった。
得た蒸発シートは、実施例2とほぼ同様の高い吸水性能を有する。
1 蒸発シート
2 吸水性繊維
3 熱融着性繊維
4 耐熱性繊維
5 ドレン排水装置
6 ドレン受け皿

Claims (6)

  1. 受け皿内において垂直に立設して多数枚を並列させて使用する蒸発シートであって、吸水性繊維25〜70重量%と、熱融着性繊維25〜45重量%、耐熱性繊維0〜35重量%とを含有するフェルトからなり、カーディングおよびニードルパンチによって全体を一体化し、熱処理してから熱プレスによって薄いシート状に成形するドレン排水装置用の蒸発シート。
  2. 吸水性繊維55〜70重量%と、熱融着性繊維30〜45重量%とを含有するフェルトからなる請求項1記載の蒸発シート。
  3. 吸水性繊維25〜60重量%と、熱融着性繊維25〜45重量%と、耐熱性繊維10〜35重量%とを含有するフェルトからなる請求項1記載の蒸発シート。
  4. 吸水性繊維がレーヨン繊維であり、耐熱性繊維が親水性または抗菌性ポリエステル繊維である請求項1記載の蒸発シート。
  5. 熱プレスの前に樹脂加工を施すか、または樹脂加工を施さない熱プレスのみである請求項1記載の蒸発シート。
  6. 樹脂加工において、アクリル樹脂に添加する薬剤が、防かび剤、抗菌剤、界面活性剤またはこれらの混合である請求項5記載の蒸発シート。
    シート。
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