JP2012167410A - 保温性編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄くて軽くて保温性能の高い保温性編地を提供する。
【解決手段】アクリル繊維紡績糸及びポリプロピレンマルチフィラメント糸或いはさらにポリウレタン弾性糸からなり、編地表面にアクリル繊維紡績糸を配し、編地裏面にポリプロピレンマルチフィラメント糸或いはさらにポリウレタン弾性糸を配した編地であって、アクリル繊維紡績糸を構成する短繊維が単繊維繊度0.5〜1.3dtex、ポリプロピレンマルチフィラメント糸が単繊維繊度1.1〜2.3dtex、フィラメント数30〜50であり、編地の目付が130〜180g/m、布厚が0.6〜1.0mmであることを特徴する。
【選択図】なし

Description

本発明は、肌着、インナー等に用いられる保温性能の高い保温性編地及びその製造方法に関する。
従来より衣服の保温性を高めるための提案が種々なされている。例えば、熱収縮率の異なる繊維を組み合わせた複合糸を用いることにより、布帛内部に静止空気層を含む構造を構成して保温性を高めることが提案されている(特許文献1)。
また、熱収縮性繊維と自発伸長性中空繊維の混繊糸とし、より空気層を含むようにする提案(特許文献2)、C字型の異形断面繊維を用い、空気層を多くして保温性を高める提案(特許文献3)がなされている。その他にも海島型複合繊維の島部分を溶出除去して得た多孔型中空繊維を用い空気層を形成する提案(特許文献4)、ポリビニルアルコール繊維混の紡績糸とした後、ポリビニルアルコール繊維を溶解除去して空気層を形成する提案(特許文献5)がなされている。
さらには、太陽光吸収蓄熱繊維を用い、太陽光エネルギーを利用して蓄熱保温性を高める提案(特許文献6)、赤外線吸収剤を含ませた織編物により蓄熱保温性を高める提案(特許文献7)がなされている。
特開2000−170061号公報 特開平10−325029号公報 特開平6−65837号公報 特開平7−316977号公報 特開平9−302544号公報 特開2000−160450号公報 特開2006−132021号公報
本発明の目的は、従来の繊維内部或いは布帛内部に空気層を形成して保温性を高める方法或いは提案をさらに改良発展させ、薄くて軽くて保温性能の高い保温性編地を提供することにある。
本発明の第1の発明の要旨は、アクリル繊維紡績糸及びポリプロピレンマルチフィラメント糸からなり、編地表面にアクリル繊維紡績糸が配され、編地裏面にポリプロピレンマルチフィラメント糸が配された編地であって、アクリル繊維紡績糸を構成する短繊維が単繊維繊度0.5〜1.3dtex、ポリプロピレンマルチフィラメント糸が単繊維繊度1.1〜2.3dtex、フィラメント数30〜50であり、編地の目付が130〜180g/m、布厚が0.6〜1.0mmである保温性編地、にある。
本発明の第2の発明の要旨は、アクリル繊維紡績糸、ポリプロピレンマルチフィラメント糸及びポリウレタン弾性糸からなり、編地表面にアクリル繊維紡績糸が配され、編地裏面にポリプロピレンマルチフィラメント糸が配され、ポリウレタン弾性糸が少なくともポリプロピレンマルチフィラメント糸と引き揃えられて配された編地であって、アクリル繊維紡績糸を構成する短繊維が単繊維繊度0.5〜1.3dtex、ポリプロピレンマルチフィラメント糸が単繊維繊度1.1〜2.3dtex、フィラメント数30〜50であり、編地の目付が130〜180g/m、布厚が0.6〜1.0mmである保温性編地、にある。
また、本発明の第3の発明の要旨は、アクリル繊維紡績糸、ポリプロピレンマルチフィラメント糸及び予め1.5〜2.5倍に引き伸ばしたポリウレタン弾性糸を編機に供給し、編地表面にアクリル繊維紡績糸を配し、編地裏面にポリプロピレンマルチフィラメント糸を配し、ポリウレタン弾性糸を少なくともポリプロピレンマルチフィラメント糸と引き揃えて配して編成する編地の製造方法であって、アクリル繊維紡績糸として短繊維の単繊維繊度0.5〜1.3dtexの紡績糸、ポリプロピレンマルチフィラメント糸として単繊維繊度1.1〜2.3dtex、フィラメント数30〜50のフィラメント糸を用い、編地の目付130〜180g/m、布厚0.6〜1.0mmに編成することからなる保温性編地の製造方法にある。
本発明によれば、本発明の保温性編地は、アクリル繊維紡績糸とポリプロピレンマルチフィラメント糸或いはさらにポリウレタン弾性糸からなる編地であり、編地を構成する繊維間に多くの空気層を含ませることにより、薄地の編地でありながら高い保温性を有するものであり、肌着、インナー等に好適な素材を提供することができ、ポリウレタン弾性糸を編地の構成糸として含むときは、より高いストレッチ性を、さらにアクリル繊維紡績糸に芯部にカーボンブラック含有の芯鞘型アクリル複合繊維を含有させるときは、より高い保温性能を有するものとなる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明において、編地を構成するアクリル繊維紡績糸は、アクリル繊維の短繊維を紡績してなるものである。紡績糸に用いるアクリル繊維は、好ましくはアクリロニトリルを90質量%以上含む、アクリロニトリルと、アクリロニトリルと共重合可能な不飽和単量体との共重合体であるアクリロニトリル系ポリマーを、公知の紡糸法によって紡糸して得られ、紡績可能な一定の或いはバリアブルの繊維長にカットし短繊維とする。
アクリロニトリルと共重合可能な不飽和単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、メタクリルスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドメチルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、アクリル繊維は、カーボンブラックを含有するアクリル繊維、好ましくは芯部にカーボンブラックを含有する芯鞘型アクリル複合繊維がアクリル繊維紡績糸の構成に含まれていてもよく、かかるカーボンブラック含有芯鞘型アクリル複合繊維が混用された紡績糸を用いた場合は、発熱機能が編地に付与され保温効果が増すだけでなく、静電気の発生を抑止できる。
本発明において、編地を構成するアクリル繊維紡績糸でのアクリル繊維短繊維は、単繊維繊度が0.5〜1.3dtexであることが必要である。アクリル繊維短繊維の単繊維繊度が0.5〜1.3dtexの範囲にあることにより、薄い編地を得るために必要な細い、所謂、毛番手で1/80、1/100等の細番手の紡績糸を得ることが容易になり、また紡績糸を構成する短繊維本数を多くすることもでき糸物性の維持も容易になる。さらにアクリル繊維短繊維の単繊維繊度が0.5〜1.3dtexであることによって編地の外観品位が低下せず商品価値を劣らせることもない。
本発明におけるアクリル繊維紡績糸は、単繊維繊度が0.5〜1.3dtexのアクリル繊維短繊維を主体とし、公知の紡績方式により紡績された紡績糸であり、必要により異繊度のアクリル繊維、他の合成繊維或いは天然繊維との混紡した紡績糸であってもよいが、単繊維繊度が0.5〜1.3dtexのアクリル繊維短繊維は80質量%以上含まれることが好ましい。
前記のカーボンブラック含有芯鞘型アクリル複合繊維を混紡する場合は、紡績糸中にカーボンブラック含有芯鞘型アクリル複合繊維を2〜20質量%を含むアクリル繊維紡績糸とするのが好ましく、また編地全体にカーボンブラック含有芯鞘型アクリル複合繊維が2〜10質量%含まれている構成とすることが好ましい。
また、本発明において、編地を構成するポリプロピレンマルチフィラメント糸は、ポリプロピレン樹脂を公知の溶融紡糸法によって紡糸して得られるマルチフィラメント糸である。紡糸に用いるポリプロピレン樹脂は、特に制限はなく、繊維物性を損なわない範囲で、着色剤、蛍光増白剤、艶消剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、消臭剤、光安定剤等の添加剤が配合されていてもよい。
本発明においては、ポリプロピレンマルチフィラメント糸は、単繊維繊度1.1〜2.3dtex、フィラメント数30〜50であることが必要である。ポリプロピレンマルチフィラメント糸の単繊維繊度が1.1dtex未満、或いはフィラメント数が30未満の場合は、マルチフィラメント糸としての取り扱い、編成が困難となり、またコストも高くなる。ポリプロピレンマルチフィラメント糸の単繊維繊度が2.3dtexを超える、或いはフィラメント数が50を超える場合は、マルチフィラメント糸としての糸繊度が太くなるため目付の低い薄い編地を得ることが困難となる。
また、ポリプロピレンマルチフィラメント糸は、単繊維の繊維断面形状には特に制限はなく、円形断面、三角等の異形断面、中空断面等のいずれの断面形状であってもよい。ポリプロピレンマルチフィラメント糸は、比重が軽く嵩高であるため、繊度が太くなり過ぎると編地の布厚が増すことから、糸繊度が84dtex以下であることが好ましく、また、仮撚加工されていてもよく、ポリプロピレン仮撚加工糸は、空気層の形成が多くなることから、好ましいポリプロピレンマルチフィラメント糸の糸形態である。
本発明においては、アクリル繊維紡績糸、ポリプロピレンマルチフィラメント糸或いはさらにポリウレタン弾性糸を編地の構成糸とし、編地全体としてアクリル繊維紡績糸の混率が60質量%以上、ポリプロピレンマルチフィラメント糸の混率が30質量%以上であることが保温性と軽量感のバランスを取るうえで好ましく、またポリウレタン弾性糸は身体へのフィット感を得るために編地の構成糸とすることが好ましく、その他に風合いの改良等から綿等の天然繊維、レーヨン等の再生セルロース繊維、アセテート繊維等の半合成繊維等を構成糸として混用することもできる。
本発明の保温性編地は、編地表面にアクリル繊維紡績糸が配され、編地裏面にポリプロピレンマルチフィラメント糸が配され、或いはさらにポリウレタン弾性糸が少なくともポリプロピレンマルチフィラメント糸と引き揃えられて配された編地である。
編地の編組織としては特に限定はないが、薄い編地を得るためには、スムース、フライス、天竺等のフラットな編組織とすることが好ましい。また、編地表面にアクリル繊維紡績糸を配し、編地裏面にポリプロピレンマルチフィラメント糸を配するためには、例えばダイヤル側にアクリル繊維紡績糸を供給し、シリンダー側にポリプロピレンマルチフィラメント糸を供給して、リバーシブル組織や袋編組織等の2重組織に編成する、アクリル繊維紡績糸とポリプロピレンマルチフィラメント糸の給糸張力に差をつけて天竺組織に編成する等で行う。また、裏面の構成として、アクリル繊維紡績糸とポリプロピレンマルチフィラメント糸を1:1の交互に交編してもよく、また風合いの改良等から天然繊維等を交編してもよい。
さらに、本発明の保温性編地には、ポリウレタン弾性糸を構成糸として含んでいてもよく、ポリウレタン弾性糸は、編地にストレッチ性を付与し身体へのフィット感を発現する。編地の編成に際しては、編地裏面をポリプロピレンマルチフィラメント糸を配し、ポリウレタン弾性糸を少なくともポリプロピレンマルチフィラメント糸と引き揃えて配して編成するが、ポリウレタン弾性糸を予め1.5〜2.5倍に引き伸ばした状態で編機に供給することにより、編地により大きなストレッチ性を付与することができる。また、ポリウレタン弾性糸は、ポリプロピレンマルチフィラメント糸と引き揃えて配されるだけでなく、アクリル繊維紡績糸とポリプロピレンマルチフィラメント糸の両方に配されていてもよい。またポリウレタン弾性糸は、交編によって配されていてもよい。
本発明の保温性編地は、目付が130〜180g/m、布厚が0.6〜1.0mmであることを要件として備え、特定の単繊維繊度アクリル繊維紡績糸及びポリプロピレンマルチフィラメント糸からなる構成糸により、目付が130〜180g/m、布厚が0.6〜1.0mmの範囲に編成することによって、編地の破裂強度を十分に保持しながら、薄くて軽い編地を得ることができる。
本発明において、次の保温性の評価方法でのclo値で示すと、本発明の編地は、clo値が0.25以上であり、clo値が0.25未満では、保温性能が不十分であり、保温性のある肌着、インナーの用途としては不適なるものである。編地が十分な保温性能を有するといえるためには、clo値が0.30以上であることがより望ましい。
本発明におけるclo(クロー)値は、GaggeA.P、BartonA.Lらによって提案された保温性の評価手法による指数であって、1cloは、気温21℃、湿度50%以下、風速5cm/秒の室内で椅子に座っている人の皮膚温を平均33℃に保つのに必要な断熱性であると定義している。実際の評価方法は、40℃の高温側恒温体と20℃の低温側恒温体の2枚の恒温体の間にサンプルを挟み、定常状態となるまで待ってから、高温側恒温体から低温側恒温体に流れる熱流量B(kcal/m×hr)を測定し、下記式にてclo値(℃×hr/kcal)を算出する。
clo値(℃×hr/kcal)=[40(℃)−20(℃)]/[0.18×B]
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中の各評価項目は以下の方法に拠った。
(編地の目付)
JIS L1018 8.4.2の方法により測定した。
(編地の布厚)
JIS L1018 8.5.1の方法(加圧0.7kPa)により測定した。
(保温性・軽量感)
被験者10人にサンプルを着用してもらい、以下の判定で評価した。
◎:被験者10人全員が満足
○:被験者6人以上が満足
△:満足した被験者が5人以下
(実施例1)
アクリル繊維短繊維(三菱レイヨン社製、単繊維繊度0.8dtex、繊維長51mm)と、芯部にカーボンブラック含有の芯鞘型アクリル複合繊維(三菱レイヨン社製、単繊維繊度3.3dtex、繊維長51mm)を、アクリル繊維短繊維96質量部、カーボンブラック含有芯鞘型アクリル複合繊維4質量部の割合で混紡して毛番手1/80のアクリル繊維紡績糸を作成した。得られたアクリル繊維紡績糸とポリプロピレンマルチフィラメント仮撚加工糸(三菱レイヨン社製、56dtex/30フィラメント(f)、単繊維繊度1.87dtex)を用い、編機として21ゲージ丸編機(2重編機)を用い、アクリル繊維紡績糸をダイヤル側に供給し、ポリプロピレン仮撚加工糸をシリンダー側に供給してスムース組織でアクリル繊維66.2質量%、カーボンブラック含有芯鞘型アクリル複合繊維2.8質量%、ポリプロピレンマルチフィラメント31質量%の編地構成に編成して編地とした。
得られた編地を、カチオン染料にて沸騰染色し、仕上げセットした後、インナーに縫製した。このインナーの目付、布厚、clo値を測定し、その結果と、インナーの保温性・軽量感の評価結果とを表1に示した。なお、表1中に%とあるは質量%の意味である。
(実施例2〜3、比較例1〜3)
表1に示すように、アクリル繊維紡績糸の構成、ポリプロピレンマルチフィラメント糸の構成及び編地構成をそれぞれ変更し、実施例1と同様にして表1に示す編組織で編地構成の編地を作成した。得られた編地を、実施例1と同様に染色し、仕上げセットした後、インナーに縫製し、このインナーにての評価結果を表1に示した。なお、各ポリプロピレンマルチフィラメント糸の単繊維繊度は(糸の繊度数)/(糸のf数)で求めることができ、表中での記載は省略した。
(実施例4)
アクリル繊維短繊維(三菱レイヨン社製、単繊維繊度1dtex、長さ51mm)を紡績して毛番手1/80のアクリル繊維紡績糸を作成した。得られたアクリル繊維紡績糸とポリプロピレンマルチフィラメント仮撚加工糸(三菱レイヨン社製、84dtex/40f単繊維繊度2.10dtex)とポリウレタン弾性糸(22dtex)を用い、編機として28ゲージ丸編機(1重編機)を用い、アクリル繊維紡績糸と、ポリプロピレン仮撚加工糸にポリウレタン弾性糸を1.8倍に引き伸ばして引き揃えた引き揃え糸を供給して天竺組織で表1に示す編地構成に編成して編地とした。得られた編地を、実施例1と同様に染色し、仕上げセットした後、インナーに縫製し、このインナーにての評価結果を表1に示した。
(比較例4)
アクリル繊維短繊維(三菱レイヨン社製、単繊維繊度1dtex、繊維長51mm)とレーヨン短繊維(単繊維繊度1.4dtex)を、アクリル繊維短繊維60質量部、レーヨン短繊維40質量部の割合で混紡して毛番手1/80のアクリル繊維紡績糸を作成した。得られたアクリル繊維紡績糸とポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚加工糸(84dtex/36f、単繊維繊度2.33dtex)とポリウレタン弾性糸(22dtex)を用い、編機として28ゲージ丸編機(1重編機)を用い、アクリル繊維紡績糸と、前記ポリエステル仮撚加工糸にポリウレタン弾性糸を1.8倍に引き伸ばして引き揃えた引き揃え糸を供給して天竺組織で表1に示す編地構成に編成して編地とした。得られた編地を、実施例1と同様に染色し、仕上げセットした後、インナーに縫製し、このインナーにての評価結果を表1に示した。
(比較例5)
アクリル繊維短繊維(三菱レイヨン社製、単繊維繊度1dtex、繊維長51mm)の毛番手1/80のアクリル繊維紡績糸とポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚加工糸(190dtex/40f、単繊維繊度4.75dtex)を用い、編機として28ゲージ丸編機(2重編機)を用い、アクリル繊維紡績糸をダイヤル側に供給し、前記ポリエステル仮撚加工糸をシリンダー側に供給してフライス組織に編成して編地とした。得られた編地を、実施例1と同様に染色し、仕上げセットした後、インナーに縫製し、このインナーにての評価結果を表1に示した。
本発明による保温性編地は、アクリル繊維紡績糸とポリプロピレンマルチフィラメント糸或いはさらにポリウレタン弾性糸からなる編地であり、編地を構成する繊維間に多くの空気層を含ませることにより、薄地の編地でありながら高い保温性能を有するものであり、さらにアクリル繊維紡績糸に芯部にカーボンブラック含有の芯鞘型アクリル複合繊維を含有させるときは、カーボンブラックに基づくより高い保温性を有し、肌着、インナー等の用途だけでなく、高い保温性能が要求される衣料分野の素材として極めて有用なるものである。


Claims (8)

  1. アクリル繊維紡績糸及びポリプロピレンマルチフィラメント糸からなり、編地表面にアクリル繊維紡績糸が配され、編地裏面にポリプロピレンマルチフィラメント糸が配された編地であって、アクリル繊維紡績糸を構成する短繊維が単繊維繊度0.5〜1.3dtex、ポリプロピレンマルチフィラメント糸が単繊維繊度1.1〜2.3dtex、フィラメント数30〜50であり、編地の目付が130〜180g/m、布厚が0.6〜1.0mmである保温性編地。
  2. アクリル繊維紡績糸、ポリプロピレンマルチフィラメント糸及びポリウレタン弾性糸からなり、編地表面にアクリル繊維紡績糸が配され、編地裏面にポリプロピレンマルチフィラメント糸が配され、ポリウレタン弾性糸が少なくともポリプロピレンマルチフィラメント糸と引き揃えられて配された編地であって、アクリル繊維紡績糸を構成する短繊維が単繊維繊度0.5〜1.3dtex、ポリプロピレンマルチフィラメント糸が単繊維繊度1.1〜2.3dtex、フィラメント数30〜50であり、編地の目付が130〜180g/m、布厚が0.6〜1.0mmである保温性編地。
  3. ポリプロピレンマルチフィラメント糸が、ポリプロピレン仮撚加工糸である請求項1または請求項2に記載の保温性編地。
  4. アクリル繊維紡績糸が、芯部にカーボンブラックを含有する芯鞘型アクリル複合繊維を2〜20質量%含むアクリル繊維紡績糸である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の保温性編地。
  5. clo値が、0.25以上である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の保温性編地。
  6. アクリル繊維紡績糸、ポリプロピレンマルチフィラメント糸及び予め1.5〜2.5倍に引き伸ばしたポリウレタン弾性糸を編機に供給し、編地表面にアクリル繊維紡績糸を配し、編地裏面にポリプロピレンマルチフィラメント糸を配し、ポリウレタン弾性糸を少なくともポリプロピレンマルチフィラメント糸と引き揃えて配して編成する編地の製造方法であって、アクリル繊維紡績糸として短繊維の単繊維繊度0.5〜1.3dtexの紡績糸、ポリプロピレンマルチフィラメント糸として単繊維繊度1.1〜2.3dtex、フィラメント数30〜50のフィラメント糸を用い、編地の目付130〜180g/m、布厚0.6〜1.0mmに編成することを特徴とする保温性編地の製造方法。
  7. ポリプロピレンマルチフィラメント糸として、ポリプロピレン仮撚加工糸を用いる請求項6に記載の保温性編地の製造方法。
  8. アクリル繊維紡績糸として、芯部にカーボンブラックを含有する芯鞘型アクリル複合繊維を2〜10質量%含むアクリル繊維紡績糸を用いる請求項6または請求項7に記載の保温性編地の製造方法。
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