JP2012160121A - 硬貨処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出金トレイ上の硬貨を確実に検出する。
【解決手段】本実施形態の硬貨処理装置は、払い出し口6から払い出された硬貨を受ける出金トレイ7と、この一側部に設けられ開口する発光側スリット8と、他側部に設けられ発光側スリットと相対向して開口する受光側スリット9と、発光側スリットへ投光し発光側スリットから相対向する受光側スリットへ光軸14を形成する発光センサ11と、受光側スリットに入る光を受ける受光センサ12を備え、受光センサの出力にもとづいて出金トレイ内の硬貨Zを検出する残留硬貨光検出装置10とを具備し、出金トレイの一側部は複数の発光側スリットを互いに所定の間隔を存して配置し、出金トレイの他側部は複数の受光側スリットを互いに所定の間隔を存して配置し、発光側スリットと受光側スリットの間隔を、出金トレイが受ける硬貨のうちの最小径硬貨Zaの直径にもとづいて定める。
【選択図】 図3

Description

本発明の実施態様は、硬貨処理装置に関する。
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどのレジには、POS(販売時点情報管理)システムのような上位装置に接続する紙幣処理装置と、硬貨を投入できるとともに、受け取った硬貨から釣銭として出金する硬貨処理装置とが用いられる。
前記硬貨処理装置は、投入口に投入された硬貨を鑑別した後、内部に自動的に取り込み、硬貨を硬貨収納庫に収納し、入金情報を外部の上位装置に送信する硬貨保持機能を備える。さらに、外部上位装置からの釣銭払い出し要求に応じて、該当する金額の硬貨(釣銭)を硬貨収納庫から払い出し口へ払い出すリサイクル機能を備える。
特許第4552871号公報
このような硬貨処理装置において、払い出し口から払い出された硬貨を受ける出金トレイが備えられる。この出金トレイへと払い出された硬貨は、人手によって取り出される。しかし、取り出しきれずに、出金トレイに硬貨が残留してしまうことがあり得る。
このような事情から、出金トレイ上の硬貨を確実に検出できることが望まれていた。
本実施形態では、払い出し口から払い出された硬貨を受ける出金トレイと、前記出金トレイの一側部に設けられ開口する第1スリットと、前記出金トレイの他側部に設けられ第1スリットと相対向して開口する第2スリットと、前記第1スリットもしくは第2スリットへ投光し投光されたスリットから相対向する第2スリットもしくは第1スリットへ光軸を形成する発光素子と、前記発光素子からの光を受ける受光素子と、この受光素子の出力にもとづいて出金トレイ内の硬貨を検出する硬貨光検出手段とを具備し、前記出金トレイの一側部は複数の第1のスリットを互いに所定の間隔を存して配置し、かつ、前記出金トレイの他側部は複数の第2のスリットを互いに所定の間隔を存して配置し、第1スリット相互の間隔と第2スリット相互の間隔とを、出金トレイが受ける硬貨のうちの最小径硬貨の直径にもとづいて定めた。
本実施形態に係る、硬貨処理装置の外観斜視図。 同実施形態に係る、硬貨処理装置の要部の斜視図。 同実施形態に係る、硬貨処理装置に設けられる出金トレイの概略の平面図。 同実施形態に係る、出金トレイにおける残留硬貨の検出状態を説明する図。 同実施形態に係る、発光側スリットの相互間隔を説明する図と、発光側スリット相互間隔に対する最小径硬貨の直径との関係を説明する図。 同実施形態に係る、発光側スリットの相互間隔に対する受光側スリットとの関係を説明する図。 同実施形態に係る、出金トレイにおける硬貨の払い出し状態を説明する図と、遮光部材を説明する図。
以下、本実施形態の硬貨処理装置を図面にもとづいて説明する。
図1は硬貨処理装置の外観構成を示す斜視図であり、図2は硬貨処理装置の要部を拡大して示す斜視図である。
硬貨処理装置1は、前後方向と比較して左右幅方向に狭い長さで、所定の高さの筐体2を備えているが、この構成に限定されない。筐体2の上面で手前側右側部に、複数枚の硬貨を同時に投入可能な投入口3が設けられ、この投入口3の左側部にディスプレイ4および複数の操作ボタンを備えた操作パネル5が設けられる。
筐体2の前面のディスプレイ4に近接した位置には払い出し口6が設けられ、払い出し口6の下方部位には、後述する残留硬貨光検出装置(硬貨光検出手段)を備えた出金トレイ7が設けられる。また、前記投入口3に近接した位置に、一旦投入された硬貨を返却するための返却口(図示しない)が設けられる。
さらに筐体2内部には、金種別収納庫(図示しない)が備えられていて、前記投入口3に投入された硬貨は、筐体2内部で一時保留され、金額が確定された後に、前記金種別収納庫に金種別に収納される。そのときの投入金額は、前記ディスプレイ4に表示されるようになっている。
前記ディスプレイ4には投入金額および、硬貨処理装置1としての作動状態や操作指示なども表示できる。そして、払い出し口6からは釣銭として払い出しされる硬貨ばかりでなく、鑑別不能なリジェクト硬貨や、硬貨処理装置1内から回収された硬貨を、前記出金トレイ7へ排出できるように構成してもよい。
つぎに、硬貨処理装置1の払い出し口6から硬貨を受け取る出金トレイ7の形状構造と、ここに設けられる残留硬貨光検出装置10について説明する。
図3は出金トレイ7の平面図であり、図4は出金トレイ7に残留硬貨Zがある場合の、出金トレイ7の斜視図である。
出金トレイ7は、レジ担当者あるいは顧客等、払い出しを受ける者の手前側であり硬貨取り出し側となる前側斜面7aと、前記払い出し口6に連なる後側斜面7bと、左右側面である左側斜面7cおよび右側斜面7dと、これら前後左右斜面7a〜7dの下端部を連結する平坦な水平底面7eとからなる。
前側斜面7aと後側斜面7bおよび左右両側斜面7c,7dは、全て上端から下端に向かって斜めに狭まる傾斜面に形成される。したがって、出金トレイ7として上端部が広い開口部となり、底部である水平底面7eと連結する部位の下端部が狭まっている。
実際に、払い出し口6から出金される硬貨は、出金トレイ7の後側斜面7bをシュートとして滑落し、水平底面7e上に溜る。この状態で、出金トレイ7の前側斜面7aと左右両側斜面7c,7dは、払い出し口6から払い出された硬貨が跳ね返って外部へ落下することのない、適宜な深さ寸法をなす。
水平底面7eの左右幅寸法は、成人男子の片手の手指(親指を除く)に合わせて形成されていて、余裕を持って手指を挿入できる。そして、払い出された硬貨が散乱せず、ほぼ1塊りにまとまるような最適面積に設定される。前側斜面7aの傾斜角度と傾斜長さは、水平底面7eから硬貨を容易、かつ確実に取り出せる最適値が選択される。
したがって、払い出しを受ける者は、出金トレイ7内の水平底面7e上の硬貨を目視により確認し易く、親指を除く4本の手指を挿入し易く、手前側に掻き集めし易い。そして、掻き集めた硬貨を水平底面7eから前側斜面7aを介して取り出し易い。すなわち、ここでの出金トレイ7は、人間工学的に最適形状構造をなすように設計製作されている。
それでもなお、出金トレイ7に残留硬貨が存在する場合に備えて、出金トレイ7には複数の発光側スリット(第1スリットもしくは第2スリット)8および受光側スリット(第2スリットもしくは第1スリット)9と、残留硬貨光検出装置(硬貨光検出手段)10が備えられている。
特に図3に示すように、出金トレイ7を構成する左側斜面7cの最下部で水平底面7eと接する部位に、前後方向に所定間隔を存して複数(3個)の発光側スリット8が開口される。また、各発光側スリット8と相対向する部位である、右側斜面7dの最下部で水平底面7eと接する部位に、複数(3個)の受光側スリット9が開口される。
なお説明すると、発光側スリット8と受光側スリット9ともに、その最下端部が出金トレイ7の水平底面7eと一致するよう設けられる。この最下端部に対して上端部が平行、左右両側部が互いに平行であり、矩形状の開口部をなす。そして、上下方向寸法よりも左右幅方向寸法が、ある程度長く形成される。
これら発光側スリット8および受光側スリット9の形状は、必ずしも上述のように限定する必要はないが、左側斜面7cと右側斜面7dにおいて互いに同一位置に設け、同一形状をなすことで、設計製作上、有利となる。
このような出金トレイ7の左側斜面7c外側の空間スペースに、発光センサ(発光素子)11が配置され、その発光面を発光側スリット8に向けている。また、出金トレイ7の右側斜面7d外側の空間スペースに、受光センサ(受光素子)12が配置され、その受光面を受光側スリット9に向けている。
それぞれの発光センサ11と受光センサ12は、図示しないセンサ取付け板に支持され、制御部(図示しない)を介して上述したディスプレイ4に電気的に接続されている。このような3組の発光センサ11と受光センサ12で、前記残留硬貨光検出装置10が構成されることになる。
前記発光センサ11から発せられる光の光軸14は、発光側スリット8を介して水平底面7e上を進む。そして、光軸14は水平底面7eを横断し、前記発光側スリット8と相対向する受光側スリット9に至り、この受光側スリット9を介して前記受光センサ12に到達し、受光されるようになっている。
図4に示すように、出金トレイ7を極めて最適な形状構造にしてもなお、取り急ぎ等、何らかの事情で、ここに硬貨Zが残留する場合がある。このとき、いずれかの発光センサ11から発光側スリット8を介して水平底面7e上を進む光の光軸14が残留硬貨Zによって遮られ、相対向する受光側スリット9および受光センサ12には到達しない。
なお説明すると、払い出し口6から出金トレイ7へ硬貨が出金されると同時に、制御部は各発光センサ11へ発光指示信号を送るので、これらは一斉に発光する。この光は発光側スリット8を介して水平底面7e上を進むが、ここに存在する硬貨により遮られ受光センサ12には到達しない。さらに制御部は、内蔵するタイマにカウント開始を指示する。
払い出しを受ける者は、出金トレイ7上の硬貨を目視して手指を挿入し、硬貨を取り出す。したがって、それまで硬貨によって遮られた光軸14が受光側スリット9を介して受光センサ12に至ることとなり、その受光センサ12から制御部へ受光を確認する信号が送られる。
制御部は、タイマがカウントを開始してから所定の時間内で、全ての受光センサ12が光軸14を感知し、全ての受光センサ12から確認信号を受けた状態で、出金トレイ7に出金された硬貨の全てが取り出されたものと判断する。そして、発光センサ11への発光指示信号を断(オフ)にする。
タイマのカウントが所定時間を経過した後でもなお、いずれかの発光センサ11からの光を相対向する受光センサ12が受光できず、その受光センサ12から制御部へ受光を確認する信号が送られてこない場合もある。
このとき制御部は、出金トレイ7に残留硬貨Zがあるものと判断し、ディスプレイ4に対して、たとえば「残留硬貨有り」の表示を指示する。もしくは、別途備えたランプを点滅するよう指示し、もしくは警報を発するよう制御信号を送る。いずれにしても、制御部は払い出しを受ける者の注意を引く制御をなす。
払い出しを受ける者は、ディスプレイ4の表示や、ランプの点滅もしくは警報を察知して、出金トレイ7に残留硬貨Zがあることを容易に認める。この残留硬貨Zを取り出すと、制御部は全ての受光センサ12からの受光確認信号を受けることとなり、発光センサ11への発光指示信号と、ディスプレイ4の表示および警報を、断とする。
さらに、発光側スリット8および受光側スリット9と、残留硬貨光検出装置10および残留硬貨Zとの関係について説明する。なお、発光側スリット8と受光側スリット9は、互いに相対向して設けられ、それぞれの形状構造および相互間隔は全く同一であるので、以下、これらを総称して、「スリットS」と呼ぶ。
ここでスリットS相互の間隔は、出金トレイ7が受ける硬貨のうちの、最小径硬貨(たとえば、1円硬貨)の直径にもとづいて定められている。具体的には、以下に述べるように設定される。
図5(A)は、隣り合うスリットS相互の間隔寸法設定を説明する図であり、図5(B)は残留硬貨Zのうちの、特に最小径硬貨Zaに対する隣り合うスリットS相互の間隔寸法設定を説明する図である。
図5(A)に示すように、隣り合うスリットS相互の間隔寸法、詳しくは、一方のスリットSの外側縁aと、他方のスリットSの外側縁aとの間の寸法を、「L」とする。したがって、ここではスリットSの外側縁aから内側縁bまでの、スリットS自体の左右幅寸法については言及していない。
さらに、スリットSの高さ寸法、詳しくは、それぞれのスリットSの最下端部から上端部までの寸法を、「f」とする。上述したように、スリットSの最下端部は出金トレイ7の水平底面7eと一致していて、スリットSの高さ寸法fは出金トレイ7の水平底面7eが基準となる。
一方、図5(B)に示すように、硬貨処理装置1が扱う硬貨のうちで最小径の硬貨Zaの直径を、「φD」とし、その厚み寸法を、「t」とする。我が国において、最小径硬貨は、「1円」であるので、その直径は20mm、厚みは約1.5mmである。
ここでは、スリットS相互の間隔寸法Lは、最小径硬貨Zaの直径φD以下(L < φD)に定められる。1円を基準にした場合、スリットS相互の間隔寸法Lを、たとえば18.5mmに設定する。
また、スリットSの高さ寸法fは、最小径硬貨Zaの厚み寸法tよりも小(f< t)に定められる。1円を基準にした場合、スリットSの高さ寸法fを、たとえば1.3mmに設定する。
このことにより、最小径硬貨Zaが1枚だけ出金トレイ7に残留した場合でも、隣り合うスリットSのうちの、少なくとも、いずれか一方のスリットSを完全遮蔽し、発光センサ11からの光軸14を遮り、残留硬貨の検出を確実なものとする。当然ながら、残留硬貨の位置によっては両方のスリットSを遮蔽し、残留硬貨をより確実に検出できる。
また、スリットSの高さ寸法fを最小径硬貨Zaの厚み寸法tよりも小さく定めたので、スリットSの高さ方向の全ては最小径硬貨Zaによって完全に遮られることとなり、残留硬貨をより確実に検出できる。
以上述べた寸法設定のうえで、さらに以下に説明する条件を備える。
すなわち、発光側スリット8と受光側スリット9との間に、ある程度の長い距離が存在する。したがって発光側スリット8から出た光の光束が、そのままの太さ(直径もしくは断面積)で受光側スリット9に到達することはなく、ある程度は太くなった光束となる。
スリットSの外側縁aを基準として、隣り合うスリットS相互の間隔Lの条件は満足したうえで、スリットSの内側縁bを必要以上に長く延長することが考えられる。すなわち、スリットSの外側縁aを基準として、左右幅寸法が大になり、隣り合うスリットSの内側縁b相互の間隔寸法「M」が極端に狭くなる。
この場合、発光側スリット8から出た光束が受光側スリット9に到達した状態で太くなり、相対向する受光側スリット9ばかりでなく、隣り合う受光側スリット9まで到達し、このスリットに対向する受光センサ12に感知されてしまう。したがって、本来、硬貨に遮られ光を感知しないはずの受光センサ12までが、光を感知してしまう。
以上の不具合を防止するために、複数の発光側スリット8および複数の受光側スリット9は、発光センサ11から発光側スリット8を介して出た光が相対向する受光側スリット9のみに入光し、隣り合う受光側スリット9へは入光しない間隔を存して開口する、ことの条件を満たすよう構成する。
上述したような不具合を防止するためには、以下の条件も備える。
図6は、残留硬貨光検出装置10および出金トレイ7の構成を模式的に示す平面図である。
複数の発光側スリット8と、複数の受光側スリット9が、互いに相対向するよう所定間隔を存して設けられ、発光側スリット8に対向して発光センサ11が取付けられ、受光側スリット9に対向して受光センサ12が取付けられることは、変りがない。
しかしながら、少なくとも発光側スリット8の開口面積を必要以上に大きく設定すると、図に二点鎖線で示すように光束が拡大して、相対向する受光側スリット9ばかりでなく、隣り合う受光側スリット9に入光してしまう。結果として、上述のような誤検出の原因となる。
そこで、発光側スリット8の開口面積を縮小し、発光センサ11から発光側スリット8を介して出た光が相対向する受光側スリット9のみに入光し、隣り合う受光側スリット9へは入光しないように設定する。すなわち、発光側スリット8の開口面積を絞る、ことの条件を満たすよう構成する。
上述したように出金トレイ7は、払い出し口6から水平底面7eに向かって傾斜面である後側斜面7bが形成されていて、払い出し口6から払い出された硬貨が後側斜面7bをシュートとして滑り落ち水平底面7eに溜る。
硬貨の枚数が少ない場合は勿論のこと、多い場合であっても、そのほとんどは水平底面7eに到達して完全に載り、残留硬貨光検出装置10の検出対象となる。しかるに、硬貨の枚数が少なくても何らかの原因で、あるいは多い場合は、最後尾の硬貨は一端が水平底面7eに載り、他端は後側斜面7bの曲面部に載って、斜め姿勢となることがある。
この状態を、図7(A)に示す。すなわち、出金トレイ7に払い出されたが、一端が水平底面7eに載り、他端が後側斜面7bの曲面部に載る硬貨Zbの場合がある。その一方で、後側斜面7bに近い部位の水平底面7e上に発光側スリット8と、この発光側スリット8と相対向して受光側スリット9が設けられている。
上述のように斜め姿勢にある硬貨Zbが、発光側スリット8と受光側スリット9との間に介在した場合、この硬貨Zbは全面的に水平底面7eに接触せず、水平底面7eとは斜めに間隙を存している。そのため、発光側スリット8から出た光が斜め姿勢の硬貨Zbに当ったとしても、その硬貨Zbによって完全に遮られることはない。
一部の光は斜め姿勢の硬貨Zb下面と水平底面7eとの間の隙間を透過して受光側スリット9に到達し、受光センサ12に受光されてしまう。極めて高精度の受光センサ12であれば光量の低下を感知でき、硬貨Zbの存在を検出できるが、通常持ちいられる一般的な受光センサ12ではその判別は困難であり、硬貨Zbの存在を検出できない。
そこで、図7(B)に示すように、後側斜面7bに最も近い側に設けられる発光側スリット8のみは、この開口一部を遮光部材15で覆うよう構成する。なお説明すると、遮光部材15は後側斜面7b側に高く、発光側スリット8の最上端位置にある。その一方で、水平底面7e側に低く、ほとんど最下端位置にあり、傾斜状をなす。
したがって、出金トレイ7に払い出された状態で、一端部が水平底面7eに載り、他端部が後側斜面7bの曲面部に載る斜め姿勢の硬貨Zbがあったとしても、本来生じる硬貨Zbと水平底面7eとの間の隙間が、予め遮光部材15で覆われるうえに、残りの部分が硬貨Zbによって光を遮断される。すなわち、残留硬貨の検出が確実に行われる。
なお、開口一部を遮光部材15で覆うのは、後側斜面7bに最も近い側に設けられる受光側スリット9のみであってもよい。
このように本実施形態によれば、複数の発光側スリット8および、複数の受光側スリット9相互の間隔を、出金トレイ7が受ける硬貨のうちの、最小径硬貨Zaの直径にもとづいて定めるので、必要以上に残留硬貨光検出装置10の構成部品数を多くすることがなく、しかも出金トレイ7を最適な形状構造として、取り扱い性の向上を得られる。
本実施形態における硬貨処理装置は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで用いられるPOS(販売時点情報管理)システムのような上位装置に接続し、紙幣処理装置とともに受け取った硬貨を釣銭として出金する硬貨処理装置として説明したが、これに限定されるものではない。
たとえば、自動販売機としての釣銭払い出し部に用いることも可能であり、あるいは、駅等の自動券売機における釣銭払い出し部に用いることも可能である。その他、硬貨を出金する装置全てに適用できる。
また、上述の実施形態は、例として提示したものであり、実施形態の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
3…投入口、6…払い出し口、7…出金トレイ、8…発光側スリット(第1スリットもしくは第2スリット)、9…受光側スリット(第2スリットもしくは第1スリット)、14…光軸、11…発光センサ(発光素子)、12…受光センサ(受光素子)、Z…残留硬貨、10…残留硬貨光検出装置(硬貨光検出手段)、Za…最小径硬貨・最小厚硬貨、7e…水平底面、7b…後側斜面(傾斜面)、15…遮光部材、7a…前側斜面。

Claims (6)

  1. 払い出し口から払い出された硬貨を受ける出金トレイと、
    前記出金トレイの一側部に設けられ、開口する第1スリットと、
    前記出金トレイの他側部に設けられ、前記第1スリットと相対向して開口する第2スリットと、
    前記第1スリットもしくは第2スリットへ投光し、この投光されたスリットから相対向する第2スリットもしくは第1スリットへ光軸を形成する発光素子と、
    前記発光素子からの光を受ける受光素子と、
    前記受光素子の出力にもとづいて、前記出金トレイ内の硬貨を検出する硬貨光検出手段と、を具備し、
    前記出金トレイの一側部は、複数の前記第1のスリットを互いに所定の間隔を存して配置し、かつ、前記出金トレイの他側部は、複数の前記第2のスリットを互いに所定の間隔を存して配置し、前記第1スリット相互の間隔と、前記第2スリット相互の間隔とを、前記出金トレイが受ける前記硬貨のうちの、最小径硬貨の直径にもとづいて定めた
    ことを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 隣り合う前記第1スリット相互の外側縁間の間隔と、隣り合う前記第2スリット相互の外側縁間の間隔とを、前記出金トレイが受ける前記硬貨のうちの、最小径硬貨の直径以下に定めた
    ことを特徴とする請求項1記載の硬貨処理装置。
  3. 前記出金トレイは、前記払い出し口から払出された硬貨を受ける平坦な水平底面を備えていて、
    前記第1スリットおよび前記第2スリットともに、その最下端部が前記出金トレイの水平底面と一致するよう設けた
    ことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の硬貨処理装置。
  4. 前記第1スリットおよび前記第2スリットそれぞれの最下端部から最上端部までの距離を、前記出金トレイが受ける硬貨のうちの、最小厚硬貨の厚さ以下に定めたことを特徴とする請求項3記載の硬貨処理装置。
  5. 前記第1スリットおよび前記第2スリットは、前記発光素子から出た光が相対向するスリットのみに入光し、隣り合うスリットへは入光しない間隔を存して開口する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の硬貨処理装置。
  6. 前記出金トレイは、前記払い出し口から前記水平底面に向かって傾斜する傾斜面を有し、
    前記傾斜面に最も近い側に設けられる前記第1スリットもしくは第2スリットは、前記払い出し口から払い出された硬貨が前記傾斜面から前記水平底面に亘って斜め姿勢にあるときでも、その硬貨を検出するよう、開口一部を遮光部材で覆った
    ことを特徴とする請求項3および請求項4のいずれかに記載の硬貨処理装置。
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