JP2007219734A - 棒金収納庫および釣銭補充管理システム - Google Patents

棒金収納庫および釣銭補充管理システム Download PDF

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Abstract

【課題】棒金収納庫に収納された棒金硬貨に棒金割れや盗難等のトラブルが発生した場合にこのことを検出することができる棒金収納庫およびこの棒金収納庫を備えた釣銭補充管理システムを提供する。
【解決手段】棒金収納庫1は、収納庫本体1aと、棒金硬貨をそれぞれ1本ずつ収納可能な棒金収納部14が複数設けられた棒金ドロア11(12、13)とを備えている。棒金有無検出手段18は、棒金ドロア11が収納庫本体1aに押し込まれるときおよびこの押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されるときの両方において当該棒金ドロアの各棒金収納部14ごとに棒金硬貨の有無を検出する。棒金ドロア11が収納庫本体1aに押し込まれるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが引き出されるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無とを比較する。
【選択図】図1

Description

本発明は、棒金硬貨(同一金種の硬貨を一定枚数だけ棒状にまとめて包装したもの)を金種別に特定の収納部に収納して棒金硬貨の在高を管理し得るようにした棒金収納庫およびこの棒金収納庫を備えた釣銭補充管理システムに関する。
従来より、棒金硬貨を金種別に特定の収納部に収納して棒金硬貨の在高を管理し得るようにした棒金収納庫が知られている。このような棒金収納庫としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された棒金収納庫は、複数本の棒金硬貨を収納するカセットが収納庫本体に納められた状態で、カセットに収納された各棒金硬貨の金種を順次判定するように構成されている。具体的には、収納庫本体内において、カセットに収納された棒金硬貨の配列方向に沿って一定方向で移動する反射型の光学式センサが設けられている。そして、そのような移動に伴うセンサ出力の時間変化に基づいて、各棒金硬貨の直径等から金種を判定するようになっている。
特開平11−250314号公報
上述した従来の棒金収納庫には、次のような問題点がある。
すなわち、棒金硬貨が収納されたカセットを収納庫本体内に納めた後、さらに上記のようにセンサを移動させて検出を行う必要があるため、金種判定に時間がかかってしまう。また、センサを一定速度で移動させるための機構等が必要となるため、製造コストの点でも不利となる。さらに、複数のカセットについてそれぞれ棒金硬貨の金種判別を行おうとすれば、各々のカセット毎にセンサを移動させながら検出を行う必要があり、ますます時間と製造コストがかかることになる。
また、棒金硬貨が収納されたカセットが収納庫本体に納められている状態において、例えばこのカセットに収納された棒金硬貨に棒金割れが発生したり、棒金収納庫の電源がOFFとなっているときにこの棒金収納庫が強引にこじ開けられてカセット内の棒金硬貨が不正に抜き取られたりした場合において、棒金収納庫はこのようなトラブルの発生を検出することができず、レジ係員には棒金収納庫に収納された棒金硬貨にトラブルが発生したことが報知されないという問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、棒金ドロアにおける複数の棒金収納部に収納された棒金硬貨の金種を短時間で正確に判定することができ、製造コストを低減させることができ、さらに、棒金収納庫に収納された棒金硬貨に棒金割れや盗難等のトラブルが発生した場合にはこのことを検出することができ、このためセキュリティ性能が向上した棒金収納庫およびこの棒金収納庫を備えた釣銭補充管理システムを提供することを目的とする。
本発明は、収納庫本体と、前記収納庫本体に対して引き出し自在に設けられ、特定金種の棒金硬貨をそれぞれ1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部が設けられた棒金ドロアと、前記収納庫本体に取り付けられ、前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときおよびこの押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときの両方において当該棒金ドロアの各棒金収納部ごとに棒金硬貨の有無を検出する棒金有無検出手段と、棒金有無検出手段により検出された、前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときの当該棒金ドロアの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときの当該棒金ドロアの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無とを比較する比較手段と、を備えたことを特徴とする棒金収納庫である。
このような棒金収納庫によれば、収納庫本体に対して棒金ドロアを手動で引き出し/押込みする際に、棒金有無検出手段が棒金ドロアの各棒金収納部に収納された棒金硬貨の有無および金種を判定する。このため、棒金ドロアを手動で引き出し/押込みするだけで、複数の棒金収納部に収納された棒金硬貨の金種を短時間で正確に判定することができる。また、従来のようにセンサを一定速度で移動させるための機構等も必要なくなる。このため、棒金収納庫の製造コストの低減を図ることができる。
また、このような棒金収納庫によれば、棒金有無検出手段は、棒金ドロアが収納庫本体に押し込まれるときおよびこの押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体から引き出されるときの両方において当該棒金ドロアの各棒金収納部ごとに棒金硬貨の有無を検出し、比較手段により、棒金ドロアが収納庫本体に押し込まれるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体から引き出されるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無とを比較するようになっている。このことにより、棒金ドロアが収納庫本体に押し込まれた状態において、例えばこの棒金ドロアの棒金収納部に収納された棒金硬貨に棒金割れが発生したり、棒金収納庫の電源がOFFとなっているときにこの棒金収納庫が強引にこじ開けられて棒金ドロア内の棒金硬貨が不正に抜き取られたりした場合には、棒金ドロアが収納庫本体に押し込まれるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体から引き出されるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無とが異なることとなるので、この不一致情報に基づいて棒金収納庫にトラブルが発生したことを検出することができるようになる。
本発明の棒金収納庫においては、前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無とが異なることが前記比較手段により検出されたときにこの不一致情報を報知する報知手段を更に備えたことが好ましい。
このような棒金収納庫によれば、当該棒金収納庫に収納された棒金硬貨に棒金割れや盗難等のトラブルが発生した場合には、このことをレジ係員等に報知することができる。
上述の棒金収納庫においては、前記報知手段は、情報を表示するための表示部を有し、当該報知手段は、前記表示部における表示により前記不一致情報の報知を行うことが好ましい。
本発明の棒金収納庫においては、前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときに前記棒金有無検出手段により検出された各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無、およびこの押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときに前記棒金有無検出手段により検出された各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無をそれぞれ記憶する記憶手段を更に備え、前記比較手段は、当該記憶手段に記憶された情報に基づいて比較を行うことが好ましい。
このような棒金収納庫によれば、棒金ドロアが収納庫本体に押し込まれた後、棒金収納庫自体の電源がOFFとなった場合であっても、比較手段は、棒金ドロアが収納庫本体に押し込まれたときの、記憶手段に記憶された各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体から引き出されたときの、記憶手段に記憶された各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無とを比較することができるようになる。
本発明は、上記の棒金収納庫と、前記棒金収納庫の近傍に配設され、当該棒金収納庫に通信接続された硬貨釣銭機と、を備え、前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無とが異なることが前記比較手段により検出されたときにこの不一致情報が前記棒金収納庫から前記硬貨釣銭機に送られるようになっていることを特徴とする釣銭補充管理システムである。
このような釣銭補充管理システムによれば、棒金収納庫から硬貨釣銭機に不一致情報が送られるので、棒金収納庫に収納された棒金硬貨に棒金割れや盗難等のトラブルが発生したことを硬貨釣銭機においても検出することができるようになる。このため、例えば、棒金収納庫にトラブルが発生したことを硬貨釣銭機の表示パネル等に表示させることができ、レジ係員が硬貨釣銭機を操作する際に、棒金収納庫にトラブルが発生したことをこのレジ係員に報知することができる。
本発明の棒金収納庫およびこの棒金収納庫を備えた釣銭補充管理システムによれば、棒金ドロアにおける複数の棒金収納部に収納された棒金硬貨の金種を短時間で正確に判定することができ、製造コストを低減させることができ、さらに、棒金収納庫に収納された棒金硬貨に棒金割れや盗難等のトラブルが発生した場合にはこのことを検出することができ、このためセキュリティ性能を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図7は、本発明による棒金収納庫およびこの棒金収納庫を備えた釣銭補充管理システムの実施の形態を示す図である。
このうち図1は、本発明による棒金収納庫の一の実施の形態を、釣銭補充管理システムに組み込んだ状態で示すブロック図であり、図2は、図1に示したシステムの棒金収納庫および硬貨釣銭機を示す斜視図であり、図3は、図2に示した棒金収納庫の内部構造を示す(a)上側斜視図および(b)下側斜視図である。
また、図4は、図2に示した棒金収納庫における1つの棒金ドロアの変位を(a)閉鎖位置、(b)押込位置、(c)検出開始/終了位置、(d)検出終了/開始位置、(e)引出位置の各位置で示す模式図であり、図5は、図2に示した棒金収納庫における各棒金ドロアと変位検出手段との関係を模式的に示す側面図である。
また、図6は、図2に示した棒金収納庫の制御系を示すブロック図であり、図7は、図3に示したロータリエンコーダおよびセンサの出力信号の例を示す図である。
以下、図1乃至図7を参照して、本実施の形態の棒金収納庫を備えた釣銭補充管理システムの構成、棒金収納庫の具体的な構成、当該システムにおける硬貨釣銭機の構成、本実施の形態の作用効果および変形例を順次説明する。
〔釣銭補充管理システムの構成〕
図1に示すように、本実施の形態の棒金収納庫1は、硬貨釣銭機3およびPOSレジスタ(金銭登録機)5と組み合わされて釣銭補充管理システムを構成する。図2に示すように、本実施の形態の棒金収納庫1は、硬貨釣銭機3と互いに上下方向に隣接して一体的に構成されている。具体的には、棒金収納庫1の収納庫本体(筐体)1aと硬貨釣銭機3の筐体3aとが一体的に形成されている。また、POSレジスタ5は、硬貨釣銭機3および棒金収納庫1の近傍に配置されている。
図1に示すように、棒金収納庫1、硬貨釣銭機3およびPOSレジスタ5は、それぞれ制御ユニット16、36および50を有している。そのうち、棒金収納庫1の制御ユニット16は硬貨釣銭機3の制御ユニット36と通信接続され、硬貨釣銭機3の制御ユニット36はPOSレジスタ5の制御ユニット50と通信接続されている。
〔棒金収納庫の構成〕
図2および図3に示すように、棒金収納庫1は、収納庫本体1aと、この収納庫本体1aに対してそれぞれ(水平な縦方向に)前方へ手動で引き出し自在に取り付けられた3つの棒金ドロア11、12、13とを有している。各棒金ドロア11、12、13には、特定金種の棒金硬貨を1本ずつ収納可能な棒金収納部14(図2)が複数設けられている。各棒金収納部14における棒金硬貨の収納姿勢は、棒金硬貨の軸線が棒金ドロア11、12、13の引き出し方向(縦方向)と直行する横方向を向いた水平姿勢である。
具体的には、例えば、上段の棒金ドロア11には、8つの1円棒金硬貨用の棒金収納部14と、2つの5円棒金硬貨用の棒金収納部14が設けられている。また、中段の棒金ドロア12には、8つの10円棒金硬貨用の棒金収納部14と、2つの50円棒金硬貨用の棒金収納部14が設けられている。そして、下段の棒金ドロア13には、8つの100円棒金硬貨用の棒金収納部14と、2つの500円棒金硬貨用の棒金収納部14が設けられている。
また、棒金収納庫1は、棒金ドロア11、12、13の各棒金収納部14ごとに棒金硬貨の有無および金種を判定するための信号を出力する検出系18(図1)を備えている。この検出系18は、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれるとき、およびこの押し込まれた棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aから引き出されるときの両方の場合において、各棒金収納部14ごとに棒金硬貨の有無および金種を判定するようになっている。
そして、棒金収納庫1の制御ユニット16は、検出系18から出力された信号に基づいて特定の棒金ドロア11、12、13の各棒金収納部14に収納された棒金硬貨の有無および金種を判定する判定手段としての機能を有している。また、棒金収納庫1の収納庫本体1aの前面には、判定手段としての制御ユニット16の判定結果に基づいて各金種の棒金硬貨のFULL(満杯)/EMPTY(品切)等の状態を表示する表示パネル1bが設けられている。
なお、本明細書においては、棒金収納庫1の棒金ドロア11、12、13から(通常、レジ係員によって)取り出された棒金硬貨を「取出棒金硬貨」と称する。
図3には、棒金収納庫1の収納庫本体1a(図2)内部に設けられた枠体Fが示されている。この枠体Fは、各棒金ドロア11、12、13を上記縦方向へスライド可能に保持している。各棒金ドロア11、12、13の底部には透光部分(開口ないし透明部分)15が形成されている。この透光部分15は、各棒金ドロア11、12、13における複数の棒金収納部14(図2)が設けられる範囲にわたって延びるとともに、最前の棒金収納部14よりも前の棒金ドロア先端付近まで延びている。図5にも示すように、各棒金ドロア11、12、13の左側には、縦方向に延びるラックRが設けられている。
図4には、3つの棒金ドロア11、12、13を代表して、1つの棒金ドロア11の、収納庫本体1aの前面パネル1c(図2参照)を基準とした様々な縦方向位置が示されている。図4において:
(a)は、棒金ドロア11の前面が前面パネル1cと略面一となった「閉鎖位置」;
(b)は、棒金ドロア11が閉鎖位置より更に押し込まれ、棒金ドロア11の前面が前面パネル1cから少し引っ込んだ「押込位置」;
(c)は、棒金ドロア11の引き出し時に検出系18(図1)による検出が開始され、棒金ドロア11の押込み時には検出系18による検出が終了する「検出開始/終了位置」;
(d)は、棒金ドロア11の引き出し時に検出系18による検出が終了し、棒金ドロア11の押込み時には検出系18による検出が開始される「検出終了/開始位置」;
(e)は、棒金ドロア11の全ての棒金収納部14(図2)に対する棒金硬貨Bの収納/取り出しが可能となるまで引き出された「引出位置」;
をそれぞれ示している。なお、図4では、上記検出系18(図1)を代表して、下記の棒金径センサS1が示されている。
図3に示すように、枠体Fの前部には、1つの棒金径センサS1と、3つの棒金孔センサS21、S22、S23とが設けられている。棒金径センサS1は、3つの棒金ドロア11、12、13の透光部分15を上下に挟んで互いに対向する位置でフレームF(収納庫本体1a)に固定された発光ユニットおよび受光ユニットを有している。棒金径センサS1は、閉鎖位置(図4(a))にある各棒金ドロア11、12、13の最前の棒金収納部14よりも前方の透光部分15を光軸が通るように配置されている(図4および図5参照)。
また、各棒金孔センサS21、S22、S23は、それぞれ棒金ドロア11、12、13に対応して設けられている。各棒金孔センサS21、S22、S23は、それぞれ対応する棒金ドロア11、12、13を両側から挟んで互いに対向する位置でフレームF(収納庫本体1a)に固定された発光ユニットおよび受光ユニットを有している。各棒金孔センサS21、S22、S23は、対応する棒金ドロア11、12、13に収納される棒金硬貨Bの中心に対応する高さを光軸が通るよう配置されている。
また、フレームFの前部左側には、上段の棒金ドロア11に略対応した高さに単一の2相ロータリエンコーダEが設けられている。図5に示すように、このロータリエンコーダEは、下方に延びる入力軸e1を有している。入力軸e1には、各棒金ドロア11、12、13のラックRに対応する3つのピニオンPが固定されている。各棒金ドロア11、12、13のラックRと、対応するピニオンPとは、少なくとも当該棒金ドロア11、12、13が検出開始/終了位置(図4(c))と検出終了/開始位置(図4(d))との間(閉鎖位置(図4(a))と引出位置(図4(e))との間で判定手段による判定に必要な範囲内の位置)にあるときには互いに噛み合い、少なくとも当該棒金ドロア11、12、13が閉鎖位置にあるときには互いに噛み合わないように配置されている。
これにより、ロータリエンコーダEが、各棒金ドロア11、12、13の縦方向変位に比例した数のパルス信号を出力するように構成されるようになる。すなわち、以上のロータリエンコーダE、ラックRおよびピニオンPは、収納庫本体1aに対する各棒金ドロア11、12、13の縦方向変位を検出するための変位検出手段を構成している。
また、図2に示すように、棒金収納庫1の収納庫本体1aの側面には、報知手段としての表示パネル25が設けられている。この表示パネル25における表示内容については後述する。
図6に示すように、制御ユニット16には、上記検出系18を構成する棒金径センサS1、棒金孔センサS21、S22、S23およびロータリエンコーダEが接続されている。また、制御ユニット16には、表示パネル1b(図2参照)、表示パネル25、メモリ(記憶手段)26および通信インターフェイスTが接続されている。メモリ26には、全ての棒金ドロア11、12、13における、各棒金収納部14の位置と、各棒金収納部14に収納されるべき棒金硬貨の金種との対応関係が予め記憶されている。また、通信インターフェイスTは、硬貨釣銭機3(図1)の制御ユニット36と制御ユニット16とを通信接続するためのものである。
制御ユニット16は、ロータリエンコーダEの出力から特定されるいずれか1つの棒金ドロア11、12、13の縦方向変位と、棒金径センサS1および棒金孔センサS21、S22、S23の各出力とに基づいて、当該棒金ドロアの各棒金収納部14に収納された棒金硬貨の有無および金種を判定する判定手段としての機能を有している。
具体的には、収納庫本体1aに対して棒金ドロアを手動で引き出す際、あるいは手動で押込みする際に、ロータリエンコーダE、棒金径センサS1および当該棒金ドロアに対応する棒金孔センサS21、S22、S23は、それぞれ図7に(それらの一部を)示すような信号70、72、74を出力する。これらの出力信号のうち、ロータリエンコーダEのパルス信号70によって、収納庫本体1aに対する棒金ドロア11、12、13の縦方向の変位が特定され、従って各棒金収納部14の各棒金センサS1;S21、S22、S23に対する縦方向の変位が特定される。また、各棒金センサS1;S21、S22、S23の信号72;74によって、各棒金硬貨の半径方向外縁および内縁(5円および50円の孔あき硬貨以外の場合は外縁のみ)による透光/遮光(遮光の有無)の遷移が特定される。
このことにより、特定の棒金ドロア11、12、13の各棒金収納部14ごとに、棒金硬貨Bの有無だけでなく、収納されている棒金硬貨Bの直径および中心孔の有無も特定することが可能となる。これに基づいて、制御ユニット16は、各棒金収納部14に存在する棒金硬貨Bが、本来収納すべき金種の棒金硬貨Bであるか否かを判定できるようになっている。
また、制御ユニット16は、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれるときに検出系18により検出された各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されるときに検出系18により検出された各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無とを比較するよう構成されている。この場合、制御ユニット16は比較手段としての機能を発揮することとなる。
そして、比較手段としての制御ユニット16は、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無とが互いに異なるときに、棒金硬貨に不一致が発生したことを検出するようになっている。
そして、制御ユニット16が棒金硬貨の不一致情報を検出したときに、表示パネル25にはこのことが表示されるようになっている。具体的には、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無とが異なるときには、表示パネル25には例えば「棒金割れがないか確認してください」と表示され、このことによりレジ係員に棒金硬貨の不一致が発生したことを報知することができるようになっている。
なお、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれるときに検出系18により検出された各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無、および、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されるときに検出系18により検出された各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無は、それぞれメモリ26に記憶されるようになっている。このことにより、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれた後、棒金収納庫1自体の電源がOFFとなった場合であっても、制御ユニット16は、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれたときの、メモリ26に記憶された各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されたときの、メモリ26に記憶された各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無とを比較することができるようになる。
〔硬貨釣銭機の構成〕
図1および図2に示すように、硬貨釣銭機3は、筐体3aの前側に形成された投入口30、払出口34および表示・操作パネル3b(図2)を備えている。また、図1に示すように、硬貨釣銭機3は、識別手段31、選別手段32および金種別収納部33を備えている。識別手段31は、投入口30に投入されたバラ硬貨の金種および枚数を識別するように構成されている。また、選別手段32は、識別手段31によって識別されたバラ硬貨を金種ごとに選別するように構成されている。そして、金種別収納部33は、選別手段32によって選別されたバラ硬貨を金種別に収納するように構成されている。
そして、この硬貨釣銭機3は、金種別収納部33に収納されているバラ硬貨を、釣銭の払出し等の必要に応じて払出口34へ投出するように構成されている。なお、投入口30に投入されるバラ硬貨としては、釣銭用として補充される硬貨(典型的には取出棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨)の他に、顧客から受け取った入金硬貨も含まれるが、両者は特に区別することなく金種別収納部33に収納され、釣銭として利用される。
硬貨釣銭機3の制御ユニット36には、棒金収納庫1の制御ユニット16から判定結果が送信されるようになっている。そして、制御ユニット36は、取出棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨が投入口30へ投入された際に、識別手段31によって識別された当該バラ硬貨の金種および枚数と、受信した判定結果に基づく取出棒金硬貨の金種および本数とを比較して、両者間の対応を管理する機能を有している。
なお、硬貨釣銭機3の制御ユニット36を経由して、棒金収納庫1の制御ユニット16からPOSレジスタ5の制御ユニット50にも判定結果が送られるようになっている。
例えば、バラ硬貨の金種および枚数と取出棒金硬貨の金種および本数とが対応していない(同一金種で、バラ硬貨の合計枚数が、棒金硬貨1本あたりの硬貨枚数(通常50枚)と本数とを掛けることにより算出される取出棒金硬貨の合計枚数と一致しない)と判定された場合には、釣銭補充管理システムのログデータにフラグを立てる等の対応が取られる。これにより、取出棒金硬貨と、釣銭用として補充されたバラ硬貨との間の対応を正確に管理することができる。なお、硬貨釣銭機3の制御ユニット36に代えて、POSレジスタ5の制御ユニット50がそのような対応関係を管理する機能を有していてもよい。
また、制御ユニット16により、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無とが異なることが検出された場合には、この不一致情報が当該制御ユニット16から硬貨釣銭機3の制御ユニット36に送信されるようになっている。このことにより、硬貨釣銭機3の表示・操作パネル3bにこの不一致情報を表示させることができるようになり、表示パネル25が棒金収納庫1に設置されていない場合であっても、代わりに表示・操作パネル3bにおいてエラー表示を行うことによりレジ係員に棒金収納庫1のトラブルを報知することができる。
〔作用効果〕
次に、以上のように構成された本実施の形態の棒金収納庫の作用効果について説明する。
本実施の形態の棒金収納庫1によれば、収納庫本体1aに対して特定の棒金ドロア11、12、13を手動で引き出す際に、または押込みする際に、変位検出手段としてのロータリエンコーダEの出力から特定される当該棒金ドロア11、12、13の縦方向変位と、棒金硬貨による遮光の有無に応じた棒金径センサS1および棒金孔センサS21、S22、S23の各出力とに基づいて、判定手段としての制御ユニット16が当該棒金ドロアの各棒金収納部14に収納された棒金硬貨の有無および金種を判定する。この場合、棒金硬貨の金種は、棒金ドロア11、12、13の縦方向変位と棒金径センサS1の出力とに基づいて特定される棒金硬貨の直径、および棒金孔センサS21、S22、S23の出力に基づいて特定される棒金硬貨の中心孔の有無を基準として判定することができる。このように、各棒金ドロア11、12、13の縦方向変位を用いることで、手動で引き出し/押込みされる棒金ドロアに多少の速度変動があったとしても、その影響を受けることなく、棒金硬貨の直径を正確に特定することが可能となる。
このため、特定の棒金ドロア11、12、13を手動で押し込むだけで、当該棒金ドロアの複数の棒金収納部14に収納された棒金硬貨の金種を短時間で正確に判定して、在高管理を行うことができる。また、従来のようにセンサを一定速度で移動させるための機構等も必要なくなる。このため、棒金収納庫の製造コスト削減を図ることができる。また、複数の棒金ドロア11、12、13の縦方向変位を単一のロータリエンコーダEでそれぞれ検出することができる。このため、変位検出手段の製造コストを低減させ、ひいては棒金収納庫の更なる製造コスト削減を図ることができる。
また、本実施の形態の棒金収納庫1によれば、検出系18は、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれるときおよびこの押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されるときの両方において当該棒金ドロアの各棒金収納部14ごとに棒金硬貨の有無を検出し、制御ユニット16により、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれるときの当該棒金ドロアの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されるときの当該棒金ドロアの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無とを比較するようになっている。このことにより、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれた状態において、例えばこの棒金ドロアの棒金収納部14に収納された棒金硬貨に棒金割れが発生したり、棒金収納庫1の電源がOFFとなっているときにこの棒金収納庫1が強引にこじ開けられて棒金ドロア内の棒金硬貨が不正に抜き取られたりした場合には、棒金ドロア11、12、13が収納庫本体1aに押し込まれるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが収納庫本体1aから引き出されるときの各棒金収納部14ごとの棒金硬貨の有無とが異なることとなるので、この不一致情報に基づいて棒金収納庫1にトラブルが発生したことを検出することができるようになる。
また、棒金収納庫1の制御ユニット16から硬貨釣銭機3の制御ユニット36に不一致情報が送られるようになっているので、棒金収納庫1に収納された棒金硬貨に棒金割れや盗難等のトラブルが発生したことを硬貨釣銭機3においても検出することができるようになる。このため、棒金収納庫1にトラブルが発生したことを硬貨釣銭機3の表示・操作パネル3bに表示させることができ、レジ係員が硬貨釣銭機3を操作する際に、棒金収納庫1にトラブルが発生したことをこのレジ係員に気づかせることができる。
〔変形例〕
本実施の形態による棒金収納庫1は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
例えば、上記の態様においては棒金収納庫1の制御ユニット16が判定手段および比較手段としての機能を有する場合を説明したが、これに代えて、硬貨釣銭機3の制御ユニット36やPOSレジスタ5の制御ユニット50が判定手段および/または比較手段としての機能を有するように構成することも可能である。
また、各ピニオンPがロータリエンコーダEの入力軸e1に固定されている場合を説明したが、各ピニオンPは、入力軸e1と連動して回転する限り、これに固定されていなくてもよい。例えば、各ピニオンPと入力軸e1との間に他のギアや軸が介在されていてもよい。
また、取扱対象の棒金硬貨に孔あき硬貨が含まれない場合や、金種間で棒金硬貨の直径差が十分大きくて棒金径センサS1の出力のみで十分に金種の判定が可能な場合には、棒金孔センサS21、S22、S23を省略してもよい。
また、表示パネル25は、図2に示すように棒金収納庫1の収納庫本体1aの側面に取り付けられるものに限定されることはなく、レジ係員が視覚により確認することができる場所であれば収納庫本体1aの外面の任意の場所に取り付けることができる。
また、制御ユニット16により棒金硬貨の不一致が検出されたときにこの不一致情報を報知する報知手段としては、表示パネル25のような視覚的効果によりレジ係員に不一致情報の報知を行うものに限定されることはなく、例えば警報ブザーのような聴覚的効果によりレジ係員に不一致情報の報知を行うものであってもよい。
さらに、表示パネル25を収納庫本体1aの外面に取り付けることを省略することもできる。この場合には、前述のように棒金収納庫1の制御ユニット16から硬貨釣銭機3の制御ユニット36に棒金硬貨の不一致情報が送られ、硬貨釣銭機3の表示・操作パネル3bにこの不一致情報を表示させることにより、レジ係員に棒金収納庫1のトラブルを気づかせる。
本発明による棒金収納庫の一の実施の形態を、釣銭補充管理システムに組み込んだ状態で示すブロック図である。 図1に示したシステムの棒金収納庫および硬貨釣銭機を示す斜視図である。 図2に示した棒金収納庫の内部構造を示す(a)上側斜視図および(b)下側斜視図である。 図2に示した棒金収納庫における1つの棒金ドロアの変位を(a)閉鎖位置、(b)押込位置、(c)検出開始/終了位置、(d)検出終了/開始位置、(e)引出位置の各位置で示す模式図である。 図2に示した棒金収納庫における各棒金ドロアと変位検出手段との関係を模式的に示す側面図である。 図2に示した棒金収納庫の制御系を示すブロック図である。 図3に示したロータリエンコーダおよびセンサの出力信号の例を示す図である。
符号の説明
1 棒金収納庫
1a 収納庫本体
1b 表示パネル
1c 前面パネル
3 硬貨釣銭機
3a 筐体
3b 表示・操作パネル
5 POSレジスタ(金銭登録機)
11、12、13 棒金ドロア
14 棒金収納部
15 透光部分
16 制御ユニット(判定手段、比較手段)
18 検出系(棒金有無検出手段)
25 表示パネル(報知手段)
26 メモリ(記憶手段)
30 投入口
31 識別手段
32 選別手段
33 金種別収納部
34 払出口
36 制御ユニット
50 制御ユニット
70、72、74 信号

Claims (5)

  1. 収納庫本体と、
    前記収納庫本体に対して引き出し自在に設けられ、特定金種の棒金硬貨をそれぞれ1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部が設けられた棒金ドロアと、
    前記収納庫本体に取り付けられ、前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときおよびこの押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときの両方において当該棒金ドロアの各棒金収納部ごとに棒金硬貨の有無を検出する棒金有無検出手段と、
    棒金有無検出手段により検出された、前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときの当該棒金ドロアの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときの当該棒金ドロアの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無とを比較する比較手段と、
    を備えたことを特徴とする棒金収納庫。
  2. 前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無とが異なることが前記比較手段により検出されたときにこの不一致情報を報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の棒金収納庫。
  3. 前記報知手段は、情報を表示するための表示部を有し、
    当該報知手段は、前記表示部における表示により前記不一致情報の報知を行うことを特徴とする請求項2記載の棒金収納庫。
  4. 前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときに前記棒金有無検出手段により検出された各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無、およびこの押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときに前記棒金有無検出手段により検出された各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無をそれぞれ記憶する記憶手段を更に備え、
    前記比較手段は、当該記憶手段に記憶された情報に基づいて比較を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の棒金収納庫。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の棒金収納庫と、
    前記棒金収納庫の近傍に配設され、当該棒金収納庫に通信接続された硬貨釣銭機と、
    を備え、
    前記棒金ドロアが前記収納庫本体に押し込まれるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無と、この押し込まれた棒金ドロアが前記収納庫本体から引き出されるときの各棒金収納部ごとの棒金硬貨の有無とが異なることが前記比較手段により検出されたときにこの不一致情報が前記棒金収納庫から前記硬貨釣銭機に送られるようになっていることを特徴とする釣銭補充管理システム。
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