WO2006109400A1

WO2006109400A1 - 釣銭補充管理システムおよび棒金収納庫

Info

Publication number: WO2006109400A1
Application number: PCT/JP2006/305140
Authority: WO
Inventors: Ryuichi Tabata; Hiroshi Tone; Yoshiro Oie; Takahiro Washizu; Mikito Imai; Koichi Nishida; Tsutomu Iwata; Kazuyuki Shimizu
Original assignee: Glory Ltd.
Priority date: 2005-03-31
Filing date: 2006-03-15
Publication date: 2006-10-19
Also published as: KR20070114152A; EP1879155B1; US20110127286A1; US20090171498A1; US8127914B2; US7896149B2; EP1879155A1; EP1879155A4

Abstract

　管理システムは、棒金収納庫（１）、硬貨釣銭機（３）およびＰＯＳレジスタ（５）を備える。収納庫（１）の制御ユニット（１６）は、検出系（１８）の出力信号に基づいて、各ドロア（１１，１２，１３）の収納部に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知すると共に、その検知結果を硬貨釣銭機（３）へ送信する。釣銭機（３）ないしレジスタ（５）の制御ユニット（３６）ないし（５０）は、収納庫（１）から取り出された棒金硬貨である取出棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨が投入口（３０）へ投入された際に、次のような判定を行う。すなわち、識別手段（３１）によって識別された当該バラ硬貨の金種および枚数と、収納庫（１）から送信された検知結果に基づく取出棒金硬貨の金種および本数とを比較して、両者間の対応を判定する。

Description

明細書

釣銭補充管理システムおよび棒金収納庫

技術分野

[0001] 本発明は、棒金硬貨（同一金種の硬貨を一定枚数だけ棒状にまとめて包装したもの）の包装を解いて得られたバラ硬貨を釣銭用として硬貨釣銭機に補充する際の管理を行うための釣銭補充管理システムに関する。また本発明は、棒金硬貨を金種別に特定の収納部に収納して棒金硬貨の在高を管理し得るようにした棒金収納庫に関する。

背景技術

[0002] 上記のような釣銭補充管理システムとしては、例えば特開 2003— 263682号公報に記載されたものがある。特開 2003— 263682号公報に記載されたシステムは、硬貨釣銭機を含む POSレジスタと、この POSレジスタに通信接続された包装硬貨処理装置とを備えている。このシステムにおいては、必要に応じて包装硬貨処理装置から棒金硬貨 (包装硬貨)を投出し、その棒金硬貨の包装を解！、て得られたバラ硬貨を釣銭用として POSレジスタに補充するようにして!/、る。

[0003] このような釣銭補充管理システムには、次のような問題点がある。すなわち、包装硬貨処理装置が投出した棒金硬貨の情報は POSレジスタへ送信される力その棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨の補充についての情報は店員等によって PO Sレジスタに手人力されるだけである（特開 2003— 263682号公報 [0026]〜 [002 7]欄等を参照)。このため、取り出された棒金硬貨と、釣銭用として補充されたバラ硬貸との間の対応を管理する観点力もは、管理の正確さの点で問題がある。

[0004] 次に、上記のような棒金収納庫としては、例えば特開平 11— 250314号公報に記載されたものがある。特開平 11— 250314号公報に記載された棒金収納庫は、複数本の棒金硬貨を収納するカセットが収納庫本体内に納められた状態で、カセットに収納された各棒金硬貨の金種を順次検知するように構成されている。具体的には、収納庫本体内において、カセットに収納された棒金硬貨の配列方向に沿って一定速度で移動する反射型の光学式センサが設けられている。そして、そのような移動に伴うセンサ出力の時間変化に基づいて、各棒金硬貨の直径等から金種を検知するようになっている。

[0005] このような棒金収納庫には、次のような問題点がある。すなわち、棒金硬貨が収納されたカセットを収納庫本体内に納めた後、さらに上記のようにセンサを移動させて検出を行う必要があるため、金種検知に時間が掛カかってしまう。また、センサを一定速度で移動させるための機構等が必要となるため、コストの点でも不利となる。さらに、複数のカセットについてそれぞれ棒金硬貨の金種検知を行おうとすれば、各カセット毎にセンサを移動させながら検知を行う必要があり、ますます時間とコストが掛かることになる。

[0006] さらに、上記のような棒金収納庫としては、例えば特開 2003— 337969号公報に記載されたものがある。特開 2003— 337969号公報に記載された棒金収納庫は、複数本の棒金硬貨を収納するカセットが収納庫本体内に納められた状態で、カセットに収納された各棒金硬貨の金種を順次検知するように構成されて、る。具体的には、収納庫本体内において、カセットに収納された棒金硬貨の配列方向に沿って移動するイメージ読取り部 (スキャナ）が設けられている。このスキャナで読み取った画像に基づ、て、各棒金硬貨の金種を検知するようになって!/、る。

[0007] そして、各カセットの中に本来収納すべき金種とは異なる金種の棒金硬貨が収納されている（誤収納）と検知された場合には、表示画面に警告表示がなされるようになつている。また、その警告表示に基づいて、カセット内の誤収納硬貨を入れ直した後、表示画面上の再調査キーを押すことで、再度の金種検知（リトライ）が行われるように構成されている。

[0008] このような棒金収納庫には、次のような問題点がある。まず、操作者は、棒金硬貨が収納されたカセットを収納庫本体内に納め、上記のようなスキャナの移動による金種検知が行われた後に、表示画面で誤収納の有無を確認しなければならない。また、リトライを行う場合にも、カセット内の誤収納硬貨を入れ直した後、再調査キーを押して同様の手順が行われるようにしなければならない。このため、操作者が誤収納に気付くまでに時間が掛かり、また操作が煩雑でリトライを即座に行うことができない。また、スキャナの作動不良等に起因して誤検知が生じた場合、そのままでは棒金収納庫の在高異常が生じる可能性があるが、その対処につ!、ては何ら考慮されて!、な、。発明の開示

[0009] 本発明は、上記のような点を考慮してなされたものであり、第 1に、取り出された棒金硬貨と、釣銭用として補充されたバラ硬貨との間の対応を正確に管理することのできる釣銭補充管理システムを提供することを課題とする。

[0010] また、本発明は第 2に、ドロアにおける複数の収納部に収納された棒金硬貨の金種を短時間で正確に検知することのできる低コストの棒金収納庫を提供することを課題とする。

[0011] また、本発明は第 3に、操作者が速やかに誤収納に気付くと共に、即座にリトライを行うことのできる棒金収納庫を提供すること、並びに、誤検知による在高異常の発生を防止することのできる棒金収納庫を提供することを課題とする。

[0012] 第 1の課題を解決するために、本発明は、

複数金種の棒金硬貨を収納可能な棒金収納庫と、

この棒金収納庫の近傍に配設され、当該棒金収納庫と通信接続された硬貨釣銭機と、

を備え、

前記棒金収納庫から取り出された棒金硬貨である取出棒金硬貨の包装を解ヽて得られたバラ硬貨の前記硬貨釣銭機への補充を管理する釣銭補充管理システムであつて、

前記棒金収納庫は、

収納庫本体と、

この収納庫本体に対して引出し自在に設けられ、特定金種の棒金硬貨をそれぞれ 1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部が設けられた棒金ドロアと、

この棒金ドロアの各棒金収納部ごとに棒金硬貨の有無および金種を検知する棒金検知手段と、

この棒金検知手段による検知結果を前記硬貨釣銭機へ送信する検知結果送信手段と、

を有し、前記硬貨釣銭機は、

釣銭用として補充されるバラ硬貨が投入される投入口と、

この投入口へ投入されたバラ硬貨の金種および枚数を識別する識別手段と、前記取出棒金硬貨の包装を解!、て得られたバラ硬貨が前記投入口へ投入された際に、前記識別手段によって識別された当該バラ硬貨の金種および枚数と、前記棒金収納庫から送信された検知結果に基づく前記取出棒金硬貨の金種および本数とを比較して両者間の対応を判定する判定手段と、

を有する、ことを特徴とする釣銭補充管理システムを提供するものである。

[0013] この釣銭補充管理システムによれば、取出棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨が硬貨釣銭機の投入口へ投入された際に、硬貨釣銭機の判定手段によって、識別手段により識別されたバラ硬貨の金種および枚数と、棒金収納庫における棒金検知手段の検知結果に基づく取出棒金硬貨の金種および本数とを比較して、両者間の対応を判定することができる。これにより、取り出された棒金硬貨と、釣銭用として補充されたバラ硬貨との間の対応を正確に管理することができる。

[0014] 第 1の課題を解決するために、本発明はまた、

複数金種の棒金硬貨を収納可能な棒金収納庫と、

この硬貨釣銭機の近傍に配設され、当該硬貨釣銭機と通信接続された金銭登録機と、

を備え、

前記棒金収納庫は、

収納庫本体と、

この収納庫本体に対して引出し自在に設けられ、特定金種の棒金硬貨をそれぞれ 1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部が設けられた棒金ドロアと、この棒金ドロアの各棒金収納部ごとに棒金硬貨の有無および金種を検知する棒金検知手段と、

を有し、

前記硬貨釣銭機は、

釣銭用として補充されるバラ硬貨が投入される投入口と、

この投入口へ投入されたバラ硬貨の金種および枚数を識別する識別手段と、前記棒金収納庫から送信された検知結果に基づく前記取出棒金硬貨の金種および本数を前記金銭登録機へ送信する棒金情報送信手段と、

前記取出棒金硬貨の包装を解!、て得られたバラ硬貨が前記投入口へ投入された際に、前記識別手段によって識別された当該バラ硬貨の金種および枚数を前記金銭登録機へ送信するバラ硬貨情報送信手段と、

を有し、

前記金銭登録機は、前記硬貨釣銭機から送信された前記取出棒金硬貨の金種および本数と前記バラ硬貨の金種および枚数とを比較して両者間の対応を判定する判定手段を有する、ことを特徴とする釣銭補充管理システムを提供するものである。

[0015] この釣銭補充管理システムによれば、取出棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨が硬貨釣銭機の投入口へ投入された際に、金銭登録機の判定手段によって、棒金収納庫における棒金検知手段の検知結果に基づく取出棒金硬貨の金種および本数と、硬貨釣銭機の識別手段により識別されたバラ硬貨の金種および枚数とを比較して、両者間の対応を判定することができる。これにより、取り出された棒金硬貨と、釣銭用として補充されたバラ硬貨との間の対応を正確に管理することができる。

[0016] 第 2の課題を解決するために、本発明は、

収納庫本体と、

この本体に対して、少なくとも閉鎖位置と引出位置との間で水平な縦方向に手動で引出し自在に取り付けられ、特定金種の棒金硬貨をそれぞれ 1本ずつ軸線を横方向に向けて収納するための複数の棒金収納部が設けられると共に、少なくとも前記収納部の設けられる範囲に渡って前記縦方向に延びる透光部分が形成された棒金ドロァと、

前記本体に対する前記ドロアの縦方向変位を検出するための変位検出手段と、前記ドロアの透光部分を上下に挟んで互いに対向する位置で前記本体に固定された発光ユニットおよび受光ユニットを有し、棒金硬貨による遮光の有無に応じた信号を出力する棒金径センサと、

前記変位検出手段で検出した前記ドロアの縦方向変位と、前記径センサの出力とに基づ!/、て、前記ドロアの各収納部に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する棒金検知手段と、

を備えたことを特徴とする棒金収納庫を提供するものである。

[0017] この棒金収納庫によれば、収納庫本体に対して棒金ドロアを手動で引出し Z押込みする際に、変位検出手段で検出したドロアの縦方向変位と、棒金硬貨による遮光の有無に応じた径センサの出力とに基づ!/、て、棒金検知手段がドロアの各収納部に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する。その場合、棒金硬貨の金種は、ドロアの縦方向変位と径センサの出力とに基づいて特定される棒金硬貨の直径を基準として検知することができる。このように、ドロアの縦方向変位を用いることで、手動で引出し z押込みされるドロアに多少の速度変動があつたとしても、その影響を受けることなぐ棒金硬貨の直径を正確に特定することが可能となる。

[0018] このため、棒金ドロアを手動で引出し Z押込みするだけで、複数の収納部に収納された棒金硬貨の金種を短時間で正確に検知することができる。また、従来のようにセンサを一定速度で移動させるための機構等も必要なくなる。このため、棒金収納庫のコスト低減を図ることができる。なお、棒金収納庫における棒金硬貨の在高管理は、特に棒金ドロアの押込み時の検知に基づ!/、て行えばよ!、。

[0019] 第 2の課題を解決するために、本発明はまた、

収納庫本体と、

この本体に対して、それぞれ少なくとも閉鎖位置と引出位置との間で水平な縦方向に手動で引出し自在に取り付けられた複数の棒金ドロアであって、各ドロアには、特定金種の棒金硬貨をそれぞれ 1本ずつ軸線を横方向に向けて収納するための複数の棒金収納部が設けられると共に、少なくとも前記収納部の設けられる範囲に渡って前記縦方向に延びる透光部分が形成されてヽる棒金ドロアと、

前記本体に対する各ドロアの縦方向変位を検出するための変位検出手段と、前記複数のドロアの透光部分を上下に挟んで互いに対向する位置で前記本体に固定された発光ユニットおよび受光ユニットを有し、棒金硬貨による遮光の有無に応じた信号を出力する棒金径センサと、

前記変位検出手段で検出した特定のドロアの縦方向変位と、前記径センサの出力とに基づ、て、当該ドロアの各収納部に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する棒金検知手段と、

[0020] この棒金収納庫によれば、収納庫本体に対して特定の棒金ドロアを手動で引出し Z押込みする際に、変位検出手段で検出した当該ドロアの縦方向変位と、棒金硬貨による遮光の有無に応じた径センサの出力とに基づいて、棒金検知手段が当該ドロァの各収納部に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する。その場合、棒金硬貨の金種は、当該ドロアの縦方向変位と径センサの出力とに基づいて特定される棒金硬貨の直径を基準として検知することができる。このように、各ドロアの縦方向変位を用いることで、手動で引出し Z押込みされるドロアに多少の速度変動があったとしても、その影響を受けることなぐ棒金硬貨の直径を正確に特定することが可能となる。

[0021] このため、特定の棒金ドロアを手動で引出し Z押込みするだけで、当該ドロアの複数の収納部に収納された棒金硬貨の金種を短時間で正確に検知することができる。また、従来のようにセンサを一定速度で移動させるための機構等も必要なくなる。このため、棒金収納庫のコスト低減を図ることができる。なお、棒金収納庫における棒金硬貨の在高管理は、特に各棒金ドロアの押込み時の検知に基づいて行えばよい。

[0022] 第 3の課題を解決するために、本発明は、

収納庫本体と、

前記ドロアにおける各収納部の位置と、各収納部に収納されるべき棒金硬貨の金種との対応関係を予め記憶する記憶手段と、

前記本体から引き出されていた前記ドロアを前記本体に対して押し込むドロア押込み時に、前記ドロアの前記閉鎖位置力の引出しを阻止するためのロック動作を行うロック手段と、

前記ドロア押込み時において、前記ドロアの各収納部について、前記棒金検知手段によって検知された金種と前記記憶手段に記憶された金種とを対比して、対比した金種どうしが一致しな、収納部があった場合には、前記ロック動作を行わな、ように前記ロック手段を制御する制御手段と、

この棒金収納庫によれば、ドロア押込み時に、変位検出手段で検出したドロアの縦方向変位と、棒金硬貨による遮光の有無に応じた径センサの出力とに基づいて、棒金検知手段がドロアの各収納部に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する。その場合、棒金硬貨の金種は、ドロアの縦方向変位と径センサの出力とに基づいて特定される棒金硬貨の直径を基準として検知することができる。このように、ドロアの縦方向変位を用いることで、手動で押し込まれるドロアに多少の速度変動があったとしても、その影響を受けることなぐ棒金硬貨の直径を正確に特定することが可能となる。 [0024] このため、棒金ドロアを手動で押し込むだけで、複数の収納部に収納された棒金硬貨の金種を短時間で正確に検知することができる。そして、誤収納があった場合には、ドロア押込み時にロック手段によるロックがされないことで、手動でドロアを押し込んでいる操作者に誤収納があったことを気付力せることができる。また、誤収納に気付いた操作者は、ドロアを引き出して誤収納硬貨を入れ直した後、再びドロアを押し込むだけでリトライを行うことができる。すなわち、操作者が速やかに誤収納に気付くと共に、即座にリトライを行うことができる。

[0025] 第 3の課題を解決するために、本発明はまた、

収納庫本体と、

前記本体に対する前記ドロアの縦方向変位に比例した数のパルス信号を出力する変位検出手段と、

前記ドロアの透光部分を上下に挟んで互いに対向する位置で前記本体に固定された発光ユニットおよび受光ユニットを有し、棒金硬貨による遮光の有無に応じた信号を出力する棒金径センサと、

前記変位検出手段の出力から特定されるドロアの縦方向変位と、前記径センサの出力とに基づいて、前記ドロアの各収納部に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する棒金検知手段と、

前記ドロア押込み時において、単位時間当たりに前記変位検出手段が出力するパルス信号の数であるパルス速度が所定の制限速度を超えた場合、または当該パルス速度の時間変化率であるパルス加速度が所定の制限加速度を超えた場合には、前記ロック動作を行わな！/ヽように前記ロック手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする棒金収納庫を提供するものである。

[0026] この棒金収納庫によれば、ドロア押込み時に、変位検出手段の出力から特定されるドロアの縦方向変位と、棒金硬貨による遮光の有無に応じた径センサの出力とに基づ、て、棒金検知手段がドロアの各収納部に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する。その場合、棒金硬貨の金種は、ドロアの縦方向変位と径センサの出力とに基づいて特定される棒金硬貨の直径を基準として検知することができる。このように、ドロアの縦方向変位を用いることで、手動で押し込まれるドロアに多少の速度変動があつたとしても、その影響を受けることなぐ棒金硬貨の直径を正確に特定することが可能となる。

[0027] 一方、手動で押し込まれるドロアの速度が大きすぎたり、その速度の時間変化率（加速度）が大きすぎたりした場合には、ドロアの収納部内で棒金硬貨が動いたり、変位検出手段が検出不良を起こしたりして、誤検知を生じさせる可能性がある。そこで、ドロアの速度および加速度に対応するパルス速度またはパルス加速度力所定の制限速度または制限加速度を超えた場合には、ドロア押込み時にロック手段による口ックがされなヽことで、手動でドロアを押し込んでヽる操作者に誤検知の可能性があることを気付かせることができる。なお、誤検知の可能性に気付いた操作者は、一旦ドロアを引き出して力も再び押し込むだけでリトライを行うことができる。これにより、誤検知による在高異常の発生を防止することができる。

図面の簡単な説明

[0028] [図 1]は、本発明による、棒金収納庫を用いた釣銭補充管理システムの一実施形態を示すブロック図。

[図 2]は、図 1に示したシステムの棒金収納庫および硬貨釣銭機を示す斜視図。

[図 3]は、図 2に示した棒金収納庫の内部構造を示す (a)上側斜視図および (b)下側斜視図。

[図 4]は、図 2に示した棒金収納庫における 1つの棒金ドロアの変位を (a)押込位置、 (b)閉鎖位置、（c)検出開始 Z終了位置、（d)検出終了 Z開始位置、（e)引出位置の各位置で示す模式図。 [図 5]は、図 2に示した棒金収納庫における各棒金ドロアと変位検出手段との関係を模式的に示す側面図。

[図 6]は、図 2に示した棒金収納庫における、 1つの棒金ドロアと、対応するロック手段との関係を示す平面図。

[図 7]は、図 2に示した棒金収納庫の制御系を示すブロック図。

[図 8]は、図 3に示したエンコーダおよびセンサの出力信号の例を示す図。

発明を実施するための最良の形態

[0029] 次に、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図 1〜図 8は本発明による、棒金収納庫を用いた釣銭補充管理システムの実施の形態を示す図である。以下、図 1〜図 8を参照して、本実施形態のシステムの構成、棒金収納庫の具体的構成、硬貨釣銭機の構成、本実施形態の作用効果および変形例を順次説明する。

[0030] [システムの構成]

図 1に示すように、本実施形態の釣銭補充管理システムは、棒金収納庫 1、硬貨釣銭機 3および POSレジスタ (金銭登録機） 5を備えている。図 2に示すように、棒金収納庫 1は、硬貨釣銭機 3と互いに上下方向に隣接して一体的に構成されている。具体的には、棒金収納庫 1の本体 (筐体） laと硬貨釣銭機 3の筐体 3aとが一体的に形成されている。また、 POSレジスタ 5は、硬貨釣銭機 3および棒金収納庫 1の近傍に配置される。

[0031] 図 1に示すように、棒金収納庫 1、硬貨釣銭機 3および POSレジスタ 5は、それぞれ制御ユニット 16、 36および 50を有している。そのうち、棒金収納庫 1の制御ユニット 1 6は硬貨釣銭機 3の制御ユニット 36と通信接続され、硬貨釣銭機 3の制御ユニット 36 は POSレジスタ 5の制御ユニット 50と通信接続されている。

[0032] [棒金収納庫の構成]

図 1および図 2に示すように、棒金収納庫 1は、収納庫本体 laと、この本体 laに対してそれぞれ (水平な縦方向に）前方へ手動で引出し自在に取り付けられた 3つの棒金ドロア 11, 12, 13とを有している。各棒金ドロア 11, 12, 13には、特定金種の棒金硬貨をそれぞれ 1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部 14 (図 2)が設けられている。各収納部 14における棒金硬貨の収納姿勢は、棒金硬貨の軸線が棒金ドロア 11 , 12, 13の引出し方向（縦方向）と直交する横方向を向いた水平姿勢である。

[0033] 例えば、上段の棒金ドロア 11には、 8つの 1円棒金硬貨用の収納部 14と、 2つの 5 円棒金硬貨用の収納部 14が設けられる。また、中段の棒金ドロア 12には、 8つの 10 円棒金硬貨用の収納部 14と、 2つの 50円棒金硬貨用の収納部 14が設けられる。そして、下段の棒金ドロア 13には、 8つの 100円棒金硬貨用の収納部 14と、 2つの 500 円棒金硬貨用の収納部 14が設けられる。

[0034] また棒金収納庫 1は、棒金ドロア 11, 12, 13の各棒金収納部 14ごとに棒金硬貨の有無および金種を検知するための信号を出力する検出系 18 (図 1)を備えている。そして、棒金収納庫 1の制御ユニット 16は、検出系 18から出力された信号に基づいて特定のドロア 11, 12, 13の各収納部 14に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する棒金検知手段としての機能を有している。また、棒金収納庫 1の本体 la前面には、棒金検知手段としての制御ユニット 16の検知結果に基づいて各金種の棒金硬貨の FULL (満杯) ZEMPTY (品切）等の状態を表示する表示パネル lbが設けられている。

[0035] なお、本明細書においては、棒金収納庫 1の棒金ドロア 11, 12, 13から（通常、レジ係員によって)取り出された棒金硬貨を「取出棒金硬貨」と称する。

[0036] 図 3には、棒金収納庫 1の本体 la (図 2)内部に設けられた枠体 Fが示されている。

この枠体 Fは、各棒金ドロア 11, 12, 13を上記縦方向へスライド可能に保持している。各ドロア 11, 12, 13の底部には、横方向中央部を縦方向に延びる透光部分（開口ないし透明部分） 15が形成されている。この透光部分 15は、各ドロア 11, 12, 13における複数の収納部 14 (図 2)が設けられる範囲に渡って延びると共に、最前の収納部 14よりも前のドロア先端付近まで延びている。図 5にも示すように、各ドロア 11, 12 , 13の左側には、縦方向に延びるラック Rが設けられている。

[0037] 図 4には、 3つのドロア 11, 12, 13を代表して、 1つのドロア 11の、本体 laの前面パネル lc (図 3参照）を基準とした様々な縦方向位置が示されている。図 4において： (b)は、ドロア 11の前面が前面パネル lcと略面一となつた「閉鎖位置」；

(a)は、ドロア 11が閉鎖位置より更に押し込まれ、ドロア 11の前面が前面パネル lcから少し引っ込んだ「押込位置」； (c)は、ドロア 11の引出し時に検出系 18 (図 1)による検出が開始され、ドロア 11の押込み時には検出系 18による検出が終了する「検出開始 Z終了位置」；

(d)は、ドロア 11の引出し時に検出系 18による検出が終了し、ドロア 11の押込み時には検出系 18による検出が開始される「検出終了 Z開始位置」；

(e)は、ドロア 11の全ての収納部 14 (図 2)に対する棒金硬貨 Bの収納 Z取出しが可能となるまで引き出された「引出位置」；

をそれぞれ示している。なお、図 4では、上記検出系 18 (図 1)を代表して下記の棒金径センサ S 1が示されて!/、る。

[0038] 図 3に示すように、枠体 Fの前部には、 1つの棒金径センサ S1と、 3つの棒金孔センサ S21, S22, S23と力設けられている。径センサ S1は、 3つのドロア 11, 12, 13の透光部分 15を上下に挟んで互いに対向する位置でフレーム F (本体 la)に固定された発光ユニットおよび受光ユニットを有している。この径センサ S1は、閉鎖位置（図 4 (b) )にある各ドロア 11, 12, 13の最前の収納部 14よりも前方の透光部分 15を光軸が通るように配置されて、る（図 4および図 5参照）。

[0039] また、各孑しセンサ S21, S22, S23は、それぞれドロア 11, 12, 13に対応して設けられている。各孔センサ S21, S22, S23は、それぞれ対応するドロア 11, 12, 13を両側から挟んで互いに対向する位置でフレーム F (本体 la)に固定された発光ュ-ットおよび受光ユニットを有している。各孔センサ S21, S22, S23は、対応するドロア 1 1, 12, 13に収納される棒金硬貨 Bの中心に対応する高さを光軸が通るように配置されている。

[0040] また、フレーム Fの前部左側には、上段のドロア 11に略対応した高さに単一の 2相ロータリエンコーダ Eが設けられている。図 5に示すように、このロータリエンコーダ E は下方へ延びる入力軸 elを有している。入力軸 elには、各ドロア 11, 12, 13のラック Rに対応する 3つのピ-オン Pが固定されている。各ドロア 11, 12, 13のラック Rと、対応するピ-オン Pとは、少なくとも当該ドロア 11, 12, 13が検出開始 Z終了位置（図 4 (c) )と検出終了 Z開始位置 (図 4 (d) )との間（閉鎖位置 (図 4 (b) )と引出位置（図 4 (e) )との間で棒金検知手段による検知に必要な範囲内の位置）にあるときには互いに嚙み合い、少なくとも当該ドロア 11, 12, 13が閉鎖位置にあるときには互いに嚙み合わな、ように配置されて、る。

[0041] これにより、ロータリエンコーダ E力各ドロア 11, 12, 13の縦方向変位に比例した数のパルス信号を出力するように構成されている。すなわち、以上のロータリエンコーダE、ラック Rおよびピ-オン Pは、本体 laに対する各ドロア 11, 12, 13の縦方向変位を検出するための変位検出手段を構成してヽる。

[0042] 図 6には、 3つのドロア 11, 12, 13を代表して、 1つのドロア 11と、これに対応する口ック手段との関係が、ドロア 11の (a)閉鎖位置および (b)押込位置で示されている。ドロア 11の後部には、横方向に延びる仕切板 11aが設けられている。この仕切板 11a の後方には、ドロア 11に対して固定されたロック板 17および遮光板 19が配置されている。これらのロック板 17および遮光板 19に対応して、それぞれロックアーム 20および押込みセンサ S31が設けられて!/、る。ロックアーム 20および押込みセンサ S 31は、図 3に示すフレーム F (図 2に示す本体 la)の方に取り付けられている。また、スライド部材 26がフレーム Fに対して縦方向にスライド自在に取り付けられて！/、る。

[0043] 押込みセンサ S31は、図 6 (a)に示すドロア 11の閉鎖位置において、遮光板 19を横方向に挟んで互いに対向した発光ユニットおよび受光ユニットを有して、る。また、ロックアーム 20は、ロック板 17の前端と係合可能な係合部分 21と、当該アーム 20をフレーム Fに対して回動自在に取り付ける回動軸 22とを有している。このアーム 20に対しては、プル型ソレノイド等の駆動装置 D1と、戻しパネ 23とが連結されている。これらの駆動装置 D1および戻しパネ 23により、アーム 20を、係合部分 21がロック板 1 7と係合可能なロック位置と、係合部分 21がロック板 17と係合しないように退避した解放位置との間で回動させることができるようになって!/、る。

[0044] スライド部材 26には、これをフレーム Fに対して前方（図 6の右方)へ付勢する付勢パネ 27が連結されている。そして、図 6 (a)に示すドロア 11の閉鎖位置において、バネ 27の付勢力により、スライド部材 26の前端部が仕切板 11aに当接してドロア 11を前方へ僅かに付勢するようになって、る。

[0045] そして、ドロア 11を図 6 (a)の閉鎖位置から図 6 (b)の押込位置まで手動で押し込むと、遮光板 19の後退により、センサ S31の出力が遮光力透光へ切り換わる。これに応じて、（図 7に示す制御ユニット 16の制御により）駆動装置 D1がアーム 20を解放位置へ回動させる。そこでドロア 11を押し込んでいた力を緩めると、パネ 27の付勢力によりドロア 11が閉鎖位置力も僅かに引き出された位置（閉鎖位置と図 4 (c)の検出開始 Z終了位置との間）まで前進する。これにより、手動によるドロア 11の引き出しが容易となる。

[0046] 一方、引き出されていたドロア 11を本体 laに対して押し込む「ドロア押込み時」には、ドロア 11を (パネ 27の付勢力に抗して）図 6 (b)の押込位置まで押し込むことにより、センサ S31の出力が透光力遮光を経て再び透光へ切り換わる。これに応じて、 ( 図 7に示す制御ユニット 16の制御により）駆動装置 D1 (パネ 23)がアーム 20をロック位置へ回動させる。そこでドロア 11を押していた力を緩めると、パネ 27の付勢力によりドロア 11が閉鎖位置まで戻ったところで、アーム 20の係合部分 21がロック板 17と係合する。このようにして、各ドロア 11, 12, 13について、ドロア押込み時に当該ドロァ 11, 12, 13の閉鎖位置からの引出しを阻止するための「ロック動作」を行うロック手段が構成されている。

[0047] なお、駆動装置 D1を、通電時にのみアーム 20を解放位置へ回動させるソレノイドとすることで、停電時には常に（ドロアの押込みに拘わらず)ドロアの閉鎖位置からの引出しを阻止するロック状態とすることができる。これにより、棒金収納庫の設置された店舗が停電になって店内が暗くなつた状態での保安性を高めることができる。

[0048] 図 7に示すように、制御ユニット 16には、上記検出系 18を構成する棒金径センサ S

1、棒金孔センサ S21, S22, S23およびロータリエンコーダ Eが接続されている（図 3 参照)。また、制御ユニット 16には、各ドロア 11, 12, 13に対応した駆動装置 Dl, D

2, D3および押込みセンサ S31, S32, S33が接続されている（図 6参照）。その他、制御ユニット 16には、表示パネル lb (図 2参照）、メモリ（記憶手段) Mおよび通信ィンターフェイス Tが接続されている。メモリ Mには、全てのドロア 11, 12, 13における、各収納部 14の位置と、各収納部 14に収納されるべき棒金硬貨の金種との対応関係が予め記憶されている。また、通信インターフェイス Tは、硬貨釣銭機 3 (図 1)の制御ユニット 36と制御ユニット 16とを通信接続するためのものである。

[0049] 制御ユニット 16は、ロータリエンコーダ Eの出力力特定されるいずれ力 1つのドロァ 11, 12, 13の縦方向変位と、棒金径センサ S1の出力とに基づいて、当該ドロアの各収納部 14に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する棒金検知手段としての機能を有している。また、制御ユニット 16は、棒金検知手段としての検知結果を（通信インターフェイス Tを介して)硬貨釣銭機 3へ送信する検知結果送信手段としての機能も有している。

[0050] 具体的には、収納庫本体 laに対して棒金ドロアを手動で引出し Z押込みする際に、ロータリエンコーダ E、径センサ Sl、および当該ドロアに対応する孔センサ S21, S 22, S23は、それぞれ図 8に（それらの一部を)示すような信号 70、 72および 74を出力する。これらの出力信号のうち、ロータリエンコーダ Eのパルス信号 70によって、当該ドロア 11, 12, 13 (各収納部 14)の本体 laに対する、従って各センサ S1 ; S21, S 22, S23に対する縦方向の変位力 S特定される。また、各センサ S1 ; S21, S22, S23 の信号 72 ; 74によって、各棒金硬貨の半径方向外縁および内縁（5円および 50円の孔あき硬貨以外の場合は外縁のみ）による透光 Z遮光 (遮光の有無）の遷移が特定される。

[0051] これにより、特定の棒金ドロア 11, 12, 13の各収納部 14ごとに、棒金硬貨の有無だけでなぐ収納されて!ヽる棒金硬貨の直径および中心孔の有無も特定することが可能となる。これに基づいて、制御ユニット 16は、各収納部 14に存在する棒金硬貨 1S 本来収納すべき金種の棒金硬貨である力否かを検知できるようになって!/、る。

[0052] また、制御ユニット 16は、いずれ力 1つのドロア 11, 12, 13についてのドロア押込み時において、当該ドロアの各収納部 14について、検知された棒金硬貨の金種とメモリ Mに記憶された金種とを対比する。そして、制御ユニット 16は、対比した金種どうしが一致しな、収納部 14があった場合には、上記ロック動作を行わな、ようにロック手段 (この場合は駆動装置 Dl, D2, D3)を制御する第 1の制御手段としての機能を有している。

[0053] ここで、各ドロア 11, 12, 13のドロア押込み時において、単位時間当たりにロータリエンコーダ Eが出力するパルス信号 70の数を「パルス速度」と定義し、当該パルス速度の時間変化率を「パルス加速度」と定義する。具体的には、例えば、タイマ割り込み処理を利用して、一定時間間隔 Δ t内のパルス信号 70の数を時間間隔 Δ tで割つた値を「パルス速度」とし、隣接する 2つの時間間隔 A tについてのパルス速度間の差を時間間隔 A tで割った値を「パルス加速度」として、それぞれ近似的に用いることができる。そして、制御ユニット 16は、パルス速度が所定の制限速度を超えた場合、またはパルス加速度が所定の制限加速度を超えた場合には、上記ロック動作を行わないようにロック手段 (駆動装置 Dl, D2, D3)を制御する第 2の制御手段としての機能ち有している。

[0054] さらに、制御ユニット 16は、第 1または第 2の制御手段としてロック動作を行わないようにロック手段を制御する場合には、それと同時に、操作者に対する警告表示を行うよう表示パネル (表示手段） lbを制御する第 3の制御手段としての機能を有して、る。その場合の警告表示としては、例えば、当該ドロアに対応する表示ランプを (通常の点滅よりも高速で)点滅させる等の表示方法が考えられる。

[0055] [硬貨釣銭機の構成]

図 1および図 2に示すように、硬貨釣銭機 3は、筐体 3aの前側に形成された投入口 30、払出口 34および表示 ·操作パネル 3b (図 2)を備えている。また、図 1に示すように、硬貨釣銭機 3は、識別手段 31、選別手段 32および金種別収納部 33を備えている。識別手段 31は、投入口 30に投入されたバラ硬貨の金種および枚数を識別するように構成されている。また、選別手段 32は、識別手段 31によって識別されたバラ硬貨を金種ごとに選別するように構成されている。そして、金種別収納部 33は、選別手段 32によって選別されたバラ硬貨を金種別に収納するように構成されている。

[0056] そして、この硬貨釣銭機 3は、金種別収納部 33に収納されているバラ硬貨を、釣銭の払出し等の必要に応じて払出口 34へ投出するように構成されている。なお、投入口 30に投入されるバラ硬貨としては、釣銭用として補充される硬貨 (典型的には取出棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨)の他に、顧客力も受け取った入金硬貨も含まれるが、両者は特に区別することなく金種別収納部 33に収納され、釣銭として利用される。

[0057] 硬貨釣銭機 3の制御ユニット 36には、棒金収納庫 1の制御ユニット 16から検知結果が送信されるようになっている。そして、制御ユニット 36は、取出棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨が投入口 30へ投入された際に、識別手段 31によって識別された当該バラ硬貨の金種および枚数と、受信した検知結果に基づく取出棒金硬貨の金種および本数とを比較して、両者間の対応を判定する判定手段としての機能を有している。

[0058] 例えば、バラ硬貨の金種および枚数と取出棒金硬貨の金種および本数とが対応していない（同一金種で、バラ硬貨の合計枚数が、棒金硬貨 1本当たりの硬貨枚数 (通常 50枚） X本数と一致しない)と判定された場合には、釣銭補充管理システムのログデータにフラグを立てる等の対応が取られる。これにより、取り出された棒金硬貨と、釣銭用として補充されたバラ硬貨との間の対応を正確に管理することができる。

[0059] なお、棒金収納庫 1のロック手段（図 6)との関係では、不正防止の観点からは、制御ユニット 36および 16により次のような制御が行われるように構成するのが好ましい。すなわち、硬貨釣銭機 3の収納部 33内に全ての金種について十分な量の硬貨が存在する限り、棒金収納庫 1において常に（上記制御とは無関係に）ドロアの閉鎖位置からの引出しを阻止するロック状態を維持する。これにより、棒金収納庫 1から硬貨釣銭機 3へ硬貨の補充をする必要がある場合にのみ棒金収納庫 1のドロアを引き出せるよう〖こすることがでさる。

[0060] [作用効果]

次に、以上のように構成された本実施形態の作用効果について説明する。

[0061] 本実施形態の釣銭補充管理システムによれば、取出棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨が硬貨釣銭機 3の投入口 30へ投入された際に、硬貨釣銭機 3の判定手段 (制御ユニット 36)によって、識別手段 31により識別されたバラ硬貨の金種および枚数と、棒金収納庫 1における棒金検知手段 18の検知結果に基づく取出棒金硬貨の金種および本数とを比較して、両者間の対応を判定することができる。これにより、取り出された棒金硬貨と、釣銭用として補充されたバラ硬貨との間の対応を正確に管理することができる。

[0062] 本実施形態の棒金収納庫 1によれば、本体 laに対して特定の棒金ドロア 11, 12, 13を手動で引出し Z押込みする際に、変位検出手段としてのロータリエンコーダ Eの出力から特定される当該ドロア 11, 12, 13の縦方向変位と、棒金硬貨による遮光の有無に応じた径センサ S1および孔センサ S21, S22, S23の出力とに基づいて、棒金検知手段としての制御ユニット 16が当該ドロアの各収納部 14に収納された棒金硬貨の有無および金種を検知する。その場合、棒金硬貨の金種は、当該ドロアの縦方向変位と径センサ S1の出力とに基づいて特定される棒金硬貨の直径、および孔センサ S21, S22, S23の出力に基づいて特定される棒金硬貨の中心孔の有無を基準として検知することができる。このように、各ドロア 11, 12, 13の縦方向変位を用いることで、手動で引出し Z押込みされるドロアに多少の速度変動があつたとしても、その影響を受けることなぐ棒金硬貨の直径を正確に特定することが可能となる。

[0063] このため、特定の棒金ドロア 11, 12, 13を手動で押し込むだけで、当該ドロアの複数の収納部 14に収納された棒金硬貨の金種を短時間で正確に検知して、在高管理を行うことができる。また、従来のようにセンサを一定速度で移動させるための機構等も必要なくなる。このため、棒金収納庫のコスト低減を図ることができる。また、複数のドロア 11, 12, 13の縦方向変位を単一のロータリエンコーダ Eでそれぞれ検出することができる。このため、変位検出手段のコストを低減させ、ひいては棒金収納庫の更なるコス卜低減を図ることができる。

[0064] また、ドロア 11, 12, 13のいずれかの収納部 14に、本来収納すべき金種とは異なる金種の棒金硬貨が収納されている (誤収納）と検知された場合には、ドロア押込み時にロック手段によるロックがされない。このため、手動でドロア 11, 12, 13を押し込んでいる操作者に誤収納があったことを気付力せることができる。また、誤収納に気付いた操作者は、ドロア 11, 12, 13を引き出して誤収納硬貨を入れ直した後、再びドロアを押し込むだけで再度の金種検知（リトライ)を行うことができる。すなわち、操作者が速やかに誤収納に気付くと共に、即座にリトライを行うことができる。

[0065] 一方、手動で押し込まれるドロア 11, 12, 13の速度が大きすぎたり、その速度の時間変化率 (加速度）が大きすぎたりした場合には、ドロアの収納部 14内で棒金硬貨が動いたり、変位検出手段としてのロータリエンコーダ Eが検出不良を起こしたりして、誤検知を生じさせる可能性がある。そこで、ドロア 11, 12, 13の速度および加速度に対応するパルス速度またはパルス加速度が、所定の制限速度または制限加速度を超えた場合には、ドロア押込み時にロック手段によるロックがされないようにした。このため、手動でドロア 11, 12, 13を押し込んでいる操作者に誤検知の可能性があることを気付かせることができる。なお、誤検知の可能性に気付いた操作者は、一旦ドロァ 11, 12, 13を引き出して力も再び押し込むだけでリトライを行うことができる。これにより、誤検知による在高異常の発生を防止することができる。

[0066] また、以上のようにロック動作を行わないようにロック手段を制御する場合には、同時に表示パネル lbによる警告表示を行うことで、誤収納ゃ誤検知の可能性を操作者の視覚にも訴えて、より確実にリトライを促すことができる。

[0067] [変形例]

(1)棒金収納庫 1と硬貨釣銭機 3とが互いに隣接して一体的に構成されている場合について説明したが、棒金収納庫 1と硬貨釣銭機 3とは、必ずしも互いに一体的に構成されている必要はない。すなわち、棒金収納庫 1と硬貨釣銭機 3とが少なくとも互いに近傍に配置されていれば、棒金収納庫 1から硬貨釣銭機 3へと釣銭用の硬貨の補充を即座に行うことができるという利点が得られる。

[0068] (2)硬貨釣銭機 3の制御ユニット 36が判定手段としての機能を有する場合にっ、て説明したが、これに代えて、 POSレジスタ (金銭登録機） 5の制御ユニット 50が判定手段としての機能を有して、てもよ、。

[0069] その場合、硬貨釣銭機 3の制御ユニット 36が更に：

棒金収納庫 1から送信された検知結果に基づく取出棒金硬貨の金種および本数を

POSレジスタ 5へ送信する棒金情報送信手段；および

取出棒金硬貨の包装を解いて得られたバラ硬貨が投入口 30へ投入された際に、識別手段 31によって識別された当該バラ硬貨の金種および枚数を POSレジスタ 5へ送信するバラ硬貨情報送信手段としての機能を有し、

判定手段としての POSレジスタ 5の制御ユニット 50が、硬貨釣銭機 3から送信された取出棒金硬貨の金種および本数とバラ硬貨の金種および枚数とを比較して両者間の対応を判定する、

ように構成することができる。

[0070] この場合、取出棒金硬貨の包装を解!、て得られたバラ硬貨が硬貨釣銭機 3の投入口 30へ投入された際に、金銭登録機 5の判定手段 50によって、棒金収納庫 1における棒金検知手段 18の検知結果に基づく取出棒金硬貨の金種および本数と、硬貨釣銭機 3の識別手段 31により識別されたバラ硬貨の金種および枚数とを比較して、両者間の対応を判定することができる。

[0071] (3)各ドロア 11, 12, 13が、本体 laに対して押込位置（図 4 (a) )と引出位置（図 4 (e ) )との間で引出し自在となっている場合を説明したが、これには限定されない。すなわち、各ドロア 11, 12, 13の閉鎖位置（図 4 (b) )でロック手段が作動するように構成した場合は、各ドロア 11, 12, 13が本体 laに対して閉鎖位置（図 4 (b) )と引出位置との間で引出し自在となって、れば十分である。

[0072] (4)ロック手段（図 6)が光学式センサ S31, S32, S33の出力に基づいて作動する場合を説明したが、光学式以外の電気的な検知、ないしは機械的な検知に基づいて作動するようにしてもよヽ。

[0073] (5)各ピ-オン Pがロータリエンコーダ Eの入力軸 elに固定されている場合を説明した力各ピ-オン Pは、入力軸 elと連動して回転する限り、これに固定されていなくてもよい。例えば、各ピ-オン Pと入力軸 elとの間に他のギアや軸が介在されていてもよい。

[0074] (6)取扱対象の棒金硬貨に孔あき硬貨が含まれな!/、場合や、金種間で棒金硬貨の直径の差が十分大きくて棒金径センサ S1の出力のみで十分に金種の判定が可能な場合に ίま、棒金孑しセンサ S21, S22, S23を省略してもよ!/ヽ。

Claims

請求の範囲

[1] 複数金種の棒金硬貨を収納可能な棒金収納庫と、

を備え、

前記棒金収納庫は、

収納庫本体と、

この収納庫本体に対して引出し自在に設けられ、特定金種の棒金硬貨をそれぞれ

1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部が設けられた棒金ドロアと、

を有し、

前記硬貨釣銭機は、

釣銭用として補充されるバラ硬貨が投入される投入口と、

を有する、ことを特徴とする釣銭補充管理システム。

[2] 複数金種の棒金硬貨を収納可能な棒金収納庫と、

この棒金収納庫の近傍に配設され、当該棒金収納庫と通信接続された硬貨釣銭機と、この硬貨釣銭機の近傍に配設され、当該硬貨釣銭機と通信接続された金銭登録機と、

を備え、

前記棒金収納庫は、

収納庫本体と、

を有し、

前記硬貨釣銭機は、

釣銭用として補充されるバラ硬貨が投入される投入口と、

を有し、

前記金銭登録機は、前記硬貨釣銭機から送信された前記取出棒金硬貨の金種および本数と前記バラ硬貨の金種および枚数とを比較して両者間の対応を判定する判定手段を有する、ことを特徴とする釣銭補充管理システム。

収納庫本体と、この本体に対して、少なくとも閉鎖位置と引出位置との間で水平な縦方向に手動で引出し自在に取り付けられ、特定金種の棒金硬貨をそれぞれ 1本ずつ軸線を横方向に向けて収納するための複数の棒金収納部が設けられると共に、少なくとも前記収納部の設けられる範囲に渡って前記縦方向に延びる透光部分が形成された棒金ドロァと、

を備えたことを特徴とする棒金収納庫。

[4] 収納庫本体と、

を備えたことを特徴とする棒金収納庫。

[5] 前記変位検出手段は、入力軸を有する単一のロータリエンコーダと、

各ドロアに設けられた、前記縦方向に延びるラックと、

前記エンコーダの入力軸と連動して回転する複数のピ-オンであって、各ドロアの前記ラックにそれぞれ対応するピニオンと、

を有し、

各ドロアの前記ラックと、対応する前記ピ-オンとは、当該ドロアが前記閉鎖位置と前記引出位置との間で前記棒金検知手段による検知に必要な範囲内の位置にあるときには互いに嚙み合い、少なくとも当該ドロアが前記閉鎖位置にあるときには互いに嚙み合わなヽように配置されてヽる、ことを特徴とする請求項 4記載の棒金収納庫収納庫本体と、

前記本体から引き出されていた前記ドロアを前記本体に対して押し込むドロア押込み時に、前記ドロアの前記閉鎖位置力の引出しを阻止するためのロック動作を行うロック手段と、前記ドロア押込み時において、前記ドロアの各収納部について、前記棒金検知手段によって検知された金種と前記記憶手段に記憶された金種とを対比して、対比した金種どうしが一致しな、収納部があった場合には、前記ロック動作を行わな、ように前記ロック手段を制御する制御手段と、

を備えたことを特徴とする棒金収納庫。

[7] 前記制御手段によって制御される表示手段を更に備え、

前記制御手段は、前記対比した金種どうしが一致しな、収納部があった場合には、操作者に対する警告表示を行うよう前記表示手段を制御する、ことを特徴とする請求項 6記載の棒金収納庫。

[8] 収納庫本体と、

前記ドロア押込み時において、単位時間当たりに前記変位検出手段が出力するパルス信号の数であるパルス速度が所定の制限速度を超えた場合、または当該パルス速度の時間変化率であるパルス加速度が所定の制限加速度を超えた場合には、前記ロック動作を行わな！/ヽように前記ロック手段を制御する制御手段と、

を備えたことを特徴とする棒金収納庫。

前記制御手段によって制御される表示手段を更に備え、

前記制御手段は、前記パルス速度が前記制限速度を超えた場合、または前記パルス加速度が前記制限加速度を超えた場合には、操作者に対する警告表示を行うよう前記表示手段を制御する、ことを特徴とする請求項 8記載の棒金収納庫。