JP2012158088A - 光学素子の製造方法及び成形金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動金型に対する成形品の離型抵抗を適切にし、成形品の離型の際に成形品に変形が生じることを防止できる光学素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】可動金型42に対する樹脂成形品MPの離型抵抗を適切に調整することにより、型開きの際に、可動金型42側の樹脂成形品MP全体を保持しつつ、固定金型41から樹脂成形品MPを離型することができる。また、可動金型42に対する樹脂成形品MPの離型抵抗が適切であるため、可動金型42から樹脂成形品MPを離型する際にも無理な力を必要とせず、可動金型42から樹脂成形品MPを離型することができる。これにより、樹脂成形品MPに変形が生じることを防ぐことができ、離型時にレンズLPに外観不良や性能不良が生じることを防ぐことができる。
【選択図】図1
【解決手段】可動金型42に対する樹脂成形品MPの離型抵抗を適切に調整することにより、型開きの際に、可動金型42側の樹脂成形品MP全体を保持しつつ、固定金型41から樹脂成形品MPを離型することができる。また、可動金型42に対する樹脂成形品MPの離型抵抗が適切であるため、可動金型42から樹脂成形品MPを離型する際にも無理な力を必要とせず、可動金型42から樹脂成形品MPを離型することができる。これにより、樹脂成形品MPに変形が生じることを防ぐことができ、離型時にレンズLPに外観不良や性能不良が生じることを防ぐことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ピックアップ装置に組み込まれる光学素子の製造方法及び当該製造方法に用いられる成形金型に関する。
光学素子の製造方法として、射出成形により光学素子にランナが連結した成形品を成形し、金型から成形品を取り出す方法がある(特許文献1参照)。この際、固定金型に対して可動金型を相対的に移動する型開きにおいて固定金型から成形品を離型した後に、可動金型から可動金型に残った成形品を離型する。
しかしながら、可動金型に対する成形品のコールドスラグやランナ等の離型抵抗が小さい場合、型開きの際に成形品のスプルが固定金型側に引っ張られることで成形品のコールドスラグやランナ等が可動金型から引き剥がされて成形品が変形する。例えばレンズ成形の場合、レンズの離型抵抗がコールドスラグやランナ等の離型抵抗よりも比較的大きいため、可動金型にレンズが張り付いた状態で成形品が折れ曲がった状態となる。これにより、離型の際に光学面が可動金型に擦れて光学素子に傷がつき、外観不良の問題や性能不良の問題が生じる。
また、可動金型に対する成形品のコールドスラグやランナ等の離型抵抗が大きすぎる場合、型開きの際に問題は生じないが、例えばエジェクタピンによる突き出しの際に、可動金型から成形品を十分に離型することが困難となる。そのため、取り出し機によって成形品を簡単に取り出すことができなくなる。たとえ成形品を取り出すことができた場合でも、ランナ等が振動して光学面が可動金型に擦れて光学素子に傷がつき、外観不良の問題や性能不良が生じるおそれがある。
そこで、本発明は、可動金型に対する成形品の離型抵抗を適切にし、成形品の離型の際に成形品に変形が生じることを防止できる光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記光学素子の製造方法で用いるための成形金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る光学素子の製造方法は、光学素子のうち一方の光学面を形成するための第1転写面を有する可動金型と、光学素子のうち他方の光学面を形成するための第2転写面を有する固定金型とを合わせることによって成形空間を形成した状態で、成形空間中で光学素子含む成形品を成形する第1工程と、可動金型と固定金型とを離間させる型開きにより、成形品が可動金型に張り付いた状態で、固定金型から成形品を離型する第2工程と、第2工程後、可動金型から成形品を離型する第3工程と、を備え、可動金型に設けた調整手段によって成形品の離型抵抗を調整する。
上記光学素子の製造方法では、可動金型に対する成形品の離型抵抗を適切に調整することにより、型開きの際に、可動金型側の成形品全体を保持しつつ、固定金型から成形品を離型することができる。また、可動金型に対する成形品の離型抵抗が適切であるため、可動金型から成形品を離型する際にも無理な力を必要とせず、可動金型から成形品を離型することができる。これにより、成形品に変形が生じることを防ぐことができ、離型時に光学素子に外観不良や性能不良が生じることを防ぐことができる。
本発明の具体的な態様又は側面では、上記光学素子の製造方法において、固定金型は、成形品のスプルを形成するスプル流路を有し、調整手段は、スプル流路の延長上に設けられたスプルロックピンを含み、スプルロックピンの形状を変更することによって離型抵抗を調整する。ここで、スプルロックピンの形状は、直径等の大きさも含む。この場合、スプルロックピンの形状、例えば直径を適宜変更することにより、可動金型に対する成形品の離型抵抗を調整することができる。例えば、スプルロックピンの直径を比較的大きくすることにより、可動金型に対するコールドスラグの離型抵抗を大きくすることができる。また、スプルロックピンの直径を小さくすることにより、可動金型に対するコールドスラグの離型抵抗を小さくすることができる。
本発明のさらに別の態様では、調整手段は、第3工程で成形品を突き出すためのエジェクタピンを含み、エジェクタピンの長さを変更することによって離型抵抗調整する。この場合、エジェクタピンの長さを適宜変更することにより、可動金型に対する成形品の離型抵抗を調整することができる。例えば、エジェクタピンを成形品の成形面よりも短くすることにより、例えばランナが可動金型に食い込み、ランナの離型抵抗を大きくすることができる。また、エジェクタピンを成形品の成形面よりも長くすることにより、エジェクタピンが例えばランナに食い込み、ランナの離型抵抗を大きくすることができる。
本発明のさらに別の態様では、固定金型及び可動金型は、成形品のランナを形成するランナ流路をそれぞれ有し、調整手段は、ランナ流路を含み、可動金型のランナ流路の曲率と固定金型のランナ流路の曲率とを変更することによって離型抵抗を調整する。この場合、ランナ流路の曲率を適宜変更することにより、可動金型に対する成形品の離型抵抗を調整することができる。例えば、可動金型のランナ流路の曲率を固定金型のランナ流路の曲率よりも大きくすることにより、ランナが可動金型に食い込み、ランナの離型抵抗を大きくすることができる。また、可動金型のランナ流路の曲率と固定金型のランナ流路の曲率とを同じにすることにより、ランナの離型抵抗を比較的小さくすることができる。
本発明のさらに別の態様では、光学素子は、光情報記録媒体への情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置用の光学素子である。この場合、光ピックアップ装置用の光学素子は、小型であり、光学素子のレンズの離型抵抗がコールドスラグやランナ等の離型抵抗よりも比較的大きいため、コールドスラグやランナ等の離型抵抗が小さいと離型時の成形品の変形が起きやすくなる。そのため、可動金型に対する成形品の離型抵抗を調整することにより、離型の際の成形品の変形を防ぐことができる。
本発明のさらに別の態様では、光学素子は、光ピックアップ装置の対物レンズである。
本発明のさらに別の態様では、可動金型の第1転写面の曲率は、固定金型の第2転写面の曲率よりも大きい。この場合、曲率の大きい第1転写面における光学素子のレンズの離型抵抗がコールドスラグやランナ等の離型抵抗よりもより大きいため、コールドスラグやランナ等の離型抵抗が小さいと離型時の成形品の変形がより起きやすくなる。そのため、可動金型に対する成形品の離型抵抗を調整することにより、離型の際の成形品の変形を防ぐことができる。
本発明のさらに別の態様では、可動金型と固定金型との合わせ面であるパーティング面から可動金型の第1転写面の頂点までの距離は、パーティング面から固定金型の第2転写面の頂点までの距離よりも長い。
本発明のさらに別の態様では、光学素子は、開口数をNAとしたときに、0.75≦NA≦0.90を満たす。
本発明のさらに別の態様では、光学素子の光軸上の厚さをdとし、500nm以下の波長の光束における光学素子の焦点距離をfとしたときに、0.8≦d/f≦2.0を満たす。
上記課題を解決するため、本発明に係る成形金型は、光学素子のうち一方の光学面を形成するための第1転写面を有する可動金型と、光学素子のうち他方の光学面を形成するための第2転写面と、光学素子を含む成形品の離型抵抗を調整する調整手段を有する固定金型と、を備える。
上記成形金型では、可動金型に対する成形品の離型抵抗を適切に調整することができ、成形品の変形を防止しつつ、固定金型及び固定金型から成形品を離型することができる。これにより、離型時に光学素子に外観不良や性能不良が生じることを防ぐことができる。
本発明の別の態様では、固定金型は、成形品のスプルを形成するスプル流路を有し、調整手段は、スプル流路の延長上に設けられたスプルロックピンを含む。
本発明のさらに別の態様では、スプルロックピンは、可動金型を射出成形装置に組み込んだ状態で交換可能である。この場合、可動金型を射出成形装置から降ろしたり、分解したりせずにスプルロックピンを交換することができ、成形品の離型抵抗を簡単に調整することができる。
本発明のさらに別の態様では、調整手段は、成形品を突き出すためのエジェクタピンを含む。
本発明のさらに別の態様では、エジェクタピンは、可動金型を射出成形装置に組み込んだ状態で交換可能である。この場合、可動金型を射出成形装置から降ろしたり、分解したりせずにエジェクタピンを交換することができ、成形品の離型抵抗を簡単に調整することができる。
本発明のさらに別の態様では、固定金型及び可動金型は、成形品のランナを形成するランナ流路をそれぞれ有し、調整手段は、ランナ流路を含む。
本発明のさらに別の態様では、可動金型のランナ流路の曲率は、固定金型のランナ流路の曲率と同じである。この場合、可動金型及び固定金型のランナ流路の断面を同じ形状とすることにより、金型の作製を簡単にすることができる。また、量産した金型を用いることができ、コストを低減することができる。また、型合わせ時のランナ流路の断面が円形となり、ランナ流路の断面積が大きく、かつ表面積が小さくなる。そのため、樹脂の熱が金型に逃げにくくなり、樹脂の流動性をよくすることができる。
本発明のさらに別の態様では、固定金型のランナ流路の曲率は、可動金型のランナ流路の曲率よりも小さい。この場合、固定金型に対する成形品の離型抵抗が、可動金型に対する成形品の離型抵抗よりも小さくなり、型開きの際に成形品を確実に可動金型に残すことができる。また、可動金型のランナ流路の曲率が比較的大きいので、樹脂の流動性が良好となる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態である光学素子の製造方法と成形金型とについて、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明の第1実施形態である光学素子の製造方法と成形金型とについて、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、成形金型40は、固定金型41と可動金型42とを備える。固定金型41と可動金型42とをパーティング面PS1,PS2で型合わせして型締めを行うことにより、図2(A)に拡大して示すように、樹脂成形品MPのうち製品部分であるレンズを成形するための型空間であるキャビティCVが複数箇所に形成されるとともに、各キャビティCVに樹脂を供給するための流路空間FCが形成される。この流路空間FCは、スプル流路、ランナ流路を含み、図2(B)に示す樹脂成形品MPのスプルSP、コールドスラグCP、及びランナRPを形成する空間であり、流路空間FCの先端部は、樹脂成形品MPのゲートGPを形成するゲート部分GSを介してキャビティCVにそれぞれ連通している。なお、樹脂成形品MPのコールドスラグCPには、後述するスプルロックピンの痕跡としてロック穴91が形成されている。
図1に示す固定金型41は、パーティング面PS1を有するとともに図2(A)の流路空間FCを形成するための型板51と、型板51を背後から支持する取付板53とを備える。
図3に拡大して示すように、型板51は、スプルSPを形成する金型部品であるスプルブッシュ71の先端側を挿入するスプルブッシュ孔51aと、樹脂成形品MPのランナRPを形成するランナ凹部58bと、ゲートGPを形成するゲート凹部58cと、レンズLPを形成するレンズ凹部58dとを備える。これらのランナ凹部58b、ゲート凹部58c、及びレンズ凹部58dを一組とする部分は、樹脂成形品MPの外形を与えるための形状転写部51zとなっている。ゲート凹部58c及びレンズ凹部58dは、型板51に形成されたコア孔51bに挿入されて固定された転写部材55の先端面によって形成されている。
図1に示す取付板53は、スプルブッシュ71の根元側を挿入する貫通孔53aを有しており、型板51とともにスプルブッシュ71を支持し固定する。なお、射出成形時には、貫通孔53aすなわちスプルブッシュ71の根元側から、溶融して流体状の樹脂が流路71a内に導入される。この流路71aは、図2(A)の流路空間FCに連通するものとなっている。
図1に示す可動金型42は、パーティング面PS2を有するとともに図2(A)の流路空間FCを形成するための型板61と、型板61を背後から支持する受板62と、受板62を背後から支持する取付板63とを備える。
図3に拡大して示すように、型板61は、コールドスラグCPを形成するコールドスラグ凹部68aと、ランナRPを形成するランナ凹部68bと、ゲートGPを形成するゲート凹部68cと、レンズLPを形成するレンズ凹部68dとを備える。これらのコールドスラグ凹部68a、ランナ凹部68b、ゲート凹部68c、及びレンズ凹部68dを一組とする部分は、樹脂成形品MPの外形を与えるための形状転写部61zとなっている。コールドスラグ凹部68aは、型板61に形成されたエジェクタ孔61aに挿入されて軸AX方向に変位可能な円筒状のスプルエジェクタ65の先端面によって形成されている。ここで、スプルエジェクタ65の中心に形成されたピン孔61fには、スプルロックピン69が挿入されており、受板62に固定されている。このスプルロックピン69は、スプルエジェクタ65が型板61に対して軸AX方向に変位しても型板61に対して変位しないため、スプルエジェクタ65が固定金型41側に前進した場合、スプルエジェクタ65内に収納されるように移動する。一方、レンズ凹部68dは、型板61に形成された転写部材孔61bに挿入されて固定された外筒状の周辺部材66の先端面と、周辺部材66の中心に形成されたコア孔61cに挿入されて軸AX方向に変位可能なコアロッド67の先端面とによって形成されている。
受板62の本体部分62aは、スプルエジェクタ65を軸AX方向に進退させるための複数のスプル用ロッド72を挿通させるロッド孔62dと、複数のランナエジェクタピン73をそれぞれ軸AX方向に進退させるための複数のピン孔62eと、コアロッド67を進退させる複数のコア用ロッド74をそれぞれ軸AX方向に進退させるための複数のロッド孔62fと有する。
図1に示すように、受板62は、板状の本体部分62aを背後から支持する支持部62bを有しており、支持部62bの背面側に形成された凹部62hにエジェクタプレート76を収納している。エジェクタプレート76は、スプル用ロッド72とランナエジェクタピン73とコア用ロッド74とを根元側から支持しており、これらの部材72,73,74とともに軸AX方向に進退する。
エジェクタプレート76は、不図示の付勢手段によって取付板63側に付勢されており、後方から外力を受けて固定金型41側に前進するように押された場合、図4(A)に示すように上記付勢手段に抗して前進し、スプル用ロッド72とコア用ロッド74とを先端側に移動させ、スプルエジェクタ65とコアロッド67とを先端側に移動させる。この結果、樹脂成形品MPのうち、前進するスプルエジェクタ65を介してスプルエジェクタ65に当接するコールドスラグCPがコールドスラグ凹部68aから押し出され、前進するコアロッド67を介してコアロッド67に当接するレンズLPがレンズ凹部68dから押し出される。この際、エジェクタプレート76に直接駆動されたランナエジェクタピン73によって、ランナRPがランナ凹部68bから押し出される。つまり、型板61から樹脂成形品MPが一様に外されることになる。スプルロックピン69については、ランナエジェクタピン73が前進してもそのまま維持されるので、ランナエジェクタピン73の前進に伴ってコールドスラグCPから引き抜かれることになる。
一方、エジェクタプレート76は、外力が付与されなくなった場合、図4(B)に示すように上記付勢手段によって後退するので、スプル用ロッド72とランナエジェクタピン73とコア用ロッド74とが根元側に後退し、それぞれの退避位置に戻される。つまり、スプルエジェクタ65とランナエジェクタピン73とコアロッド67とが型板61内に収納された状態となる。ただし、スプルロックピン69の係合部69bは、スプルエジェクタ65の端面に突出した状態となる。この係合部69bは、後に詳述するが、型開きに際して樹脂成形品MPを可動金型42側に残すための手段となっている。なお、エジェクタプレート76の後退の際に、樹脂成形品MPは後述する取り出し装置のハンド21のチャック21aによって把持されており、樹脂成形品MPが可動金型42から離型されても落下しないようになっている。
図1に示す取付板63は、後述するエジェクタ駆動機構につながる開口63aを有し、当該エジェクタ駆動機構に設けた駆動部材45a(図4(A)及び4(B)等参照)によって、エジェクタプレート76に対して背後から軸AX方向に沿って前進させる適度な大きさの外力を適当なタイミングで与えることができるようにしている。
図2(B)に示す樹脂成形品MPのうち、本体であるレンズLPは、樹脂製であり、光学的機能を有する光学機能部OPと、光学機能部OPの外縁から半径方向外側に設けられた略環状のフランジ部FLとを備える。レンズLPは、第1光学面OS1側の突起が大きな肉厚型の光ピックアップ用の対物レンズである。具体的には、レンズLPは、例えば波長405nmで開口数(NA)0.85のBD(Blu-ray Disc)に対応した光情報の読み取り又は書き込みを可能にする。ここで、レンズLPの光学的な仕様については、NA0.85に限らず、例えばNA0.75以上具体的には0.75≦NA≦0.90の範囲の様々な光ピックアップ用の対物レンズの規格に対応するものとすることができる。
また、レンズLPは、レンズLPの光軸OA上の厚さをdとし、500nm以下の波長の光束におけるレンズLPの焦点距離をfとしたときに、0.8≦d/f≦2.0を満たす。
レンズLPのうち光学機能部OPにおいて、一方の第1光学面OS1は、レーザ光源側に配置されるものであり、光情報記録媒体である光ディスク側に配置される他方の第2光学面OS2よりも大きく突出し曲率が大きくなっている。言い換えれば、図2(A)に示す固定金型41と可動金型42との合わせ面であるパーティング面PS1,PS2から可動金型42の第1転写面S1の頂点Qまでの距離h1は、パーティング面PS1,PS2から固定金型41の第2転写面S2の頂点Pまでの距離h2よりも長くなっている。
フランジ部FLは、光学機能部OPの半径方向外側に略環状に設けられている。フランジ部FLは、第1光学面OS1側に光軸OAに垂直な方向に延びる第1フランジ面FLaと、第2光学面OS2側に光軸OAに垂直な方向に延びる第2フランジ面FLbとを有する。
図5(A)〜5(C)を参照して、スプルロックピン69の機能や設定について説明する。スプルロックピン69は、軸部分69aの先端において、樹脂成形品MPのコールドスラグCPの底部に設けたロック穴91と嵌合する紡錘状の係合部69bを有する。係合部69bは、軸方向に関する両端の中間において直径が大きくなっており、樹脂成形品MPをロック穴91から引き抜く際に所定以上の力を要するものとなっている。つまり、固定金型41と可動金型42とを離間させて型開きを行うと、樹脂成形品MPは、可動金型42側に引っ張られるだけでなく、樹脂成形品MPのスプルSPが固定金型41に密着しているため固定金型41側にも引っ張られる。このような固定金型41側の引っ張り力すなわち離型抵抗が強くなると、可動金型42側に樹脂成形品MPが残らず、固定金型41側に樹脂成形品MPが残ることになって、樹脂成形品MPの取り出しが困難になる。このため、スプルロックピン69を設けてその係合部69bに樹脂成形品MPを強く連結することで、可動金型42側に樹脂成形品MPを残すこととしている。スプルロックピン69は、受板62の本体部分62aに固定されているが、交換可能となっている。スプルロックピン69を交換して係合部69bの形状を調節することにより、可動金型42の型板61に設けたコールドスラグ凹部68aに対する樹脂成形品MPのコールドスラグCPの付着力又は離型抵抗を調整することができる。つまり、スプルロックピン69は、樹脂成形品MPの離型抵抗を調整する調整手段となっている。
例えば、図5(A)に示すように、スプルロックピン69の先端に設けた係合部69bの形状、例えば直径が基準の値d0である場合、樹脂成形品MPを係止するスプルロックピン69の連結力は標準的なものとなり、型開きの際に可動金型42側に樹脂成形品MPを残すことができ、可動金型42から樹脂成形品MPを分離する離型抵抗F20は、型開き後は多少低下するものの、中程度のものとなる。
図5(B)に示すように、スプルロックピン69の先端に設けた係合部69bの直径が基準よりも多少大きな値d1(d1>d0)である場合、樹脂成形品MPに対するスプルロックピン69の連結力は基準値よりも大きくなる。この場合も、型開きの際に可動金型42側に樹脂成形品MPを残すことができるが、可動金型42から樹脂成形品MPを分離する離型抵抗F21は、図5(A)の場合の離型抵抗F20よりも多少大きくなり、樹脂成形品MPが可動金型42から多少分離しにくくなる。
図5(C)に示すように、スプルロックピン69の先端に設けた係合部69bの直径が基準よりも多少小さな値d3(d3<d0)である場合、樹脂成形品MPに対するスプルロックピン69の連結力は基準値よりも小さくなる。この場合も、型開きの際に可動金型42側に樹脂成形品MPを残すことができるが、可動金型42から樹脂成形品MPを分離する離型抵抗F23は、図5(A)の場合の離型抵抗F20よりも多少小さくなり、樹脂成形品MPが可動金型42から多少分離しやすくなる。
以上のように、スプルロックピン69の先端に設けた係合部69bの形状、例えば直径を調節することで、スプルエジェクタ65等を利用して樹脂成形品MPを可動金型42から離型する際の離型抵抗を調整することができる。なお、以上の説明では、スプルロックピン69の係合部69bの直径を段階的に変化させるものとして説明したが、スプルロックピン69の係合部69bの直径を連続的に変化させることもできる。具体的な実施例では、係合部69bの直径を基準値に対して5%程度までの範囲で増減させた。
以上では、スプルロックピン69の係合部69bの直径を調節するとしたが、係合部69bの形状を変化させることできる。例えば図6(A)に示すように、スプルロックピン69の係合部69bの先端に平面69cを設けてもよい。これにより、樹脂が係合部69bに付着する表面積が増えて、離型抵抗を増やすことができる。また、図6(B)に示すように、スプルロックピン69が、円錐状、具体的には、平面69cと、平面69cからスプルエジェクタ65側に狭まるテーパ69dとを有するものとしてもよい。
図7(A)〜7(D)を参照して、ランナエジェクタピン73の機能や設定について説明する。ランナエジェクタピン73は、エジェクタプレート76に固定されているが、交換可能となっている。ランナエジェクタピン73を交換してその長さを調節することにより、可動金型42の型板61の端面に設けたランナ凹部68bに対する樹脂成形品MPの付着力又は離型抵抗を調整することができる。つまり、ランナエジェクタピン73は、樹脂成形品MPの離型抵抗を調整する調整手段となっている。
例えば、図7(A)に示すように、ランナエジェクタピン73の長さが標準的な場合、ランナエジェクタピン73の先端面73aは、ランナ凹部68bの成形面である底面BFと一致した状態となる。この場合、ランナRPには特別な凸部が形成されず、ランナRPのランナ凹部68bに対する付着力に相当する離型抵抗F10は極小になるので、ランナRP延いては樹脂成形品MPが可動金型42から最も分離しやすくなる。
図7(B)に示すように、ランナエジェクタピン73が標準よりも多少短い場合、ランナエジェクタピン73の先端面73aは、ランナ凹部68bの底面BFよりも型板61の内部に小さな距離k1だけ引っ込んだ状態となる。この場合、ランナRPに低い凸部92が形成され、この凸部92とランナ凹部68bの表面側とが嵌合するため、ランナRPのランナ凹部68bに対する付着力に相当する離型抵抗F11が標準的な離型抵抗の値F10よりも大きくなり、ランナRP延いては樹脂成形品MPが可動金型42から多少分離しにくくなる。
図7(C)に示すように、ランナエジェクタピン73が標準よりもかなり短い場合、ランナエジェクタピン73の先端面73aは、ランナ凹部68bの底面BFよりも型板61の内部に大きな距離k2(k2>k1)だけ引っ込んだ状態となる。この場合、ランナRPに高い凸部192が形成され、この凸部192とランナ凹部68bの表面側とが嵌合するため、ランナRPのランナ凹部68bに対する付着力に相当する離型抵抗F12(F12>F10,F11)がかなり大きくなり、ランナRP延いては樹脂成形品MPが可動金型42から分離しにくくなる。
図7(D)に示すように、ランナエジェクタピン73が多少長い場合、ランナエジェクタピン73の先端面73aは、ランナ凹部68bの底面BFよりも距離k3だけ突出した状態となる。この場合、ランナRPに浅い凹部93が形成され、この凹部93とランナエジェクタピン73とが嵌合するため、ランナRPのランナ凹部68bやランナエジェクタピン73に対する付着力に相当する離型抵抗F13が多少大きくなり、ランナRP延いては樹脂成形品MPが可動金型42から多少分離しにくくなる。この場合、樹脂成形品MPは、ランナエジェクタピン73に対しても付着力を持つようになり、このような付着力は、樹脂成形品MPを可動金型42から取り出す際の抵抗となる。
以上のように、ランナエジェクタピン73の長さを調節することで、ランナエジェクタピン73等を利用して樹脂成形品MPを可動金型42から離型する際の離型抵抗を調整することができる。また、固定金型41と可動金型42とを離間させて型開きを行う際に、樹脂成形品MPの可動金型42への残りやすさも調整可能である。なお、以上の説明では、ランナエジェクタピン73の長さを段階的に変化させるものとして説明したが、ランナエジェクタピン73の長さを連続的に変化させることもできる。具体的な実施例では、ランナエジェクタピン73の長さをランナエジェクタピン73の直径に対して1.5倍程度まで範囲で標準位置から増減させた。
図8(A)及び8(B)を参照して、型板51,61に形成するランナ凹部58b,68bの設定について説明する。ランナ凹部58b,68bは、固定金型41と可動金型42とを型閉じして型締めした場合、流路空間FCのうち樹脂成形品MPのランナRPに対応するランナ流路としての流路部分FC1を形成する。両ランナ凹部58b,68bは、型開きに際してランナRPに密着するので、両ランナ凹部58b,68bの深さのバランスを調整することで、樹脂成形品MPを可動金型42に残す際の残りやすさを調整することができるとともに、可動金型42から樹脂成形品MPを取り出す際の取り出し易さを調整することができる。つまり、型板51,61等の交換によって両ランナ凹部58b,68bの深さのバランスを調節することにより、可動金型42のランナ凹部68b等に対する樹脂成形品MPの付着力又は離型抵抗を調整することができる。
例えば、図8(A)に示すように、固定金型41に設けたランナ凹部58bの深さp01と、可動金型42に設けたランナ凹部68bの深さp02とが等しい、すなわち固定金型41側の流路部分FC1の曲率と可動金型42側の流路部分FC1の曲率とが略同じである場合、ランナRPの可動側のランナ凹部68bに対する付着力に相当する離型抵抗F31は、ランナRPの固定側のランナ凹部58bに対する付着力に相当する離型抵抗F32と略等しくなってつりあう。この場合、樹脂成形品MPを可動金型42から分離するための離型抵抗F31は、型開き後は多少低下するが、中程度のものとなる。
図8(B)に示すように、固定金型41に設けたランナ凹部58bの深さp11が、可動金型42に設けたランナ凹部68bの深さp12よりも浅い、すなわち固定金型41側の流路部分FC1の曲率が可動金型42側の流路部分FC1の曲率より小さい場合、ランナRPの可動側のランナ凹部68bに対する付着力に相当する離型抵抗F33は、ランナRPの固定側のランナ凹部58bに対する付着力に相当する離型抵抗F34よりも大きくなってバランスが崩れる。この場合、樹脂成形品MPを可動金型42から分離するための離型抵抗F33は、型開き後は多少低下するものの、比較的大きなものとなる。
図9は、図1に示す実施形態の成形金型40を組み込んだ射出成形装置の概念図である。図示の成形装置100は、射出成形を行って樹脂成形品MPを作製する本体部分である射出成形機10と、射出成形機10から樹脂成形品MPを取り出す付属部分である取出し装置20と、成形装置100を構成する各部の動作を統括的に制御する制御装置30とを備える。
射出成形機10は、固定盤11と、可動盤12と、型締め盤13と、開閉駆動装置15とを備える。射出成形機10は、固定盤11と可動盤12との間に固定金型41と可動金型42とを挟持して両金型41,42を型締めすることにより成形を可能にする。
固定盤11は、支持フレーム14の中央に固定されており、取出し装置20をその上部に支持する。固定盤11は、固定金型41を着脱可能に支持している。なお、固定盤11は、タイバーを介して型締め盤13に固定されており、成形時の型締めの圧力に耐え得るようになっている。
可動盤12は、固定盤11に対向して配置され、スライドガイド15aによって固定盤11に対して進退移動可能に支持されている。可動盤12は、可動金型42を着脱可能に支持している。なお、可動盤12には、エジェクタ駆動機構45が組み込まれている。このエジェクタ駆動機構45は、図1に示すエジェクタプレート76を動作させる部分であり、スプル用ロッド72、ランナエジェクタピン73、及びコア用ロッド74を突出し動作させることによって、可動金型42の形状転写部61zに保持された樹脂成形品MPを固定金型41側に押し出して離型するためのものであり、取出し装置20による樹脂成形品MPの移送を可能にする。
型締め盤13は、支持フレーム14の端部に固定されている。型締め盤13は、型締めに際して、開閉駆動装置15の動力伝達部15dを介して可動盤12をその背後から支持する。
開閉駆動装置15は、スライドガイド15aと、動力伝達部15dと、アクチュエータ15eとを備える。スライドガイド15aは、可動盤12を支持して固定盤11に対する進退方向に関する滑らかな往復移動を可能にしている。動力伝達部15dは、制御装置30の制御下で動作するアクチュエータ15eからの駆動力を受けて伸縮する。これにより、型締め盤13に対して可動盤12が近接したり離間したり自在に進退移動し、結果的に、可動盤12と固定盤11とを互いに近接・離間して固定金型41と可動金型42との型締め及び型開きを行う。
なお、射出装置16は、不図示の原料貯留部、シリンダ、スクリュ駆動部等を備え、制御装置30の制御下で樹脂射出ノズル16aから温度制御された状態の溶融樹脂を射出することができる。射出装置16は、固定金型41と可動金型42とを型締めした状態で、図1に示すスプルブッシュ71に樹脂射出ノズル16aを接触させ、流路空間FC(図2(A)参照)内に適度な温度及び圧力に設定された溶融樹脂を所望のタイミングで供給することができる。
取出し装置20は、樹脂成形品MPを把持することができるハンド21と、ハンド21を3次元的に移動させる3次元駆動装置22とを備える。取出し装置20は、制御装置30の制御下で適当なタイミングで動作するものであり、固定金型41と可動金型42とを離間させて型開きした後に、可動金型42に残る樹脂成形品MPを把持して外部に搬出する役割を有する。
制御装置30は、開閉制御部31、エジェクタ制御部33、取出し装置制御部34等を備える。開閉制御部31は、アクチュエータ15eを動作させることによって両金型41,42の型締めや型開きを可能にする。エジェクタ制御部33は、エジェクタ駆動機構45を動作させることによって型開き時に可動金型42に残る樹脂成形品MPを可動金型42内から押し出させる。取出し装置制御部34は、取出し装置20を動作させることによって型開き及び離型後に可動金型42に残る樹脂成形品MPを把持して射出成形機10外に搬出させる。
なお、以上では説明を省略したが、制御装置30は、射出装置16の動作を制御して、樹脂射出ノズル16aからスプルブッシュ71を介して両金型41,42間に形成されたキャビティ中に所望の圧力で樹脂を注入させる。また、制御装置30は、不図示の金型温度調節機を適宜動作させることにより、固定盤11に取り付けられた固定金型41と、可動盤12に取り付けられた可動金型42との温度を適切な状態に保持する。
図10は、図9等に示す成形装置100の基本的動作を概念的に説明するフローチャートである。
まず、不図示の金型温度調節機により、両金型41,42を成形に適する温度まで加熱する(ステップS10)。これにより、両金型41,42においてキャビティCVを形成する金型の表面やその近傍の温度を、射出装置16から供給される溶融樹脂のガラス転移温度よりも50℃低い温度以上であって同ガラス転移温度よりも10℃高い温度以下に加熱保持した状態とする。この際、好ましくは、両金型41,42においてキャビティCVを形成する金型の表面やその近傍の温度を、射出装置16から供給される溶融樹脂のガラス転移温度よりも10℃低い温度以上であって同ガラス転移温度よりも10℃高い温度以下に加熱保持した状態とする。
次に、開閉駆動装置15を動作させ、可動盤12を前進させて型閉じを開始させる(ステップS11)。開閉駆動装置15の閉動作を継続することにより、固定金型41と可動金型42とが接触する型当たり位置まで可動盤12が固定盤11側に移動して型閉じが完了し、開閉駆動装置15の閉動作を更に継続することにより、固定金型41と可動金型42とを必要な圧力で締め付ける型締めが行われる(ステップS12)。
次に、射出成形機10において、射出装置16を動作させて、型締めされた固定金型41と可動金型42との間のキャビティCV中に、必要な圧力で溶融樹脂を注入する射出を行わせる(ステップS13)。そして、射出成形機10は、キャビティCV中の樹脂圧を保つ。この際、不図示の金型温度調節機により、キャビティCVや流路空間FC(図2参照)が適度に加熱されており、射出装置16から供給される溶融樹脂が緩やかに冷却され、キャビティCV内での樹脂の適度な除冷を達成することができる。なお、溶融樹脂をキャビティCVに導入した後は、キャビティCV中の溶融樹脂が放熱によって徐々に冷却されるので、かかる冷却にともなって溶融樹脂が固化し成形が完了するのを待つ(ステップS14)。
次に、射出成形機10において、開閉駆動装置15を動作させて、可動盤12を後退させる型開きが行われる(ステップS15)。これに伴って、可動金型42が後退し、固定金型41と可動金型42とが離間する。この結果、樹脂成形品MPすなわちレンズLPは、可動金型42に保持された状態で固定金型41から離型される。
次に、射出成形機10において、エジェクタ駆動機構45を動作させ、スプルエジェクタ65、コアロッド67等の前進によって、レンズLP等を含む樹脂成形品MPの突き出しを行わせる(ステップS16)。この結果、樹脂成形品MPのうちレンズLPは、コアロッド67の先端面に付勢されて固定金型41側に押し出されて、可動金型42から離型される。
最後に、取出し装置20を動作させて、エジェクタ駆動機構45に駆動されて動作するスプル用ロッド72、ランナエジェクタピン73、及びコア用ロッド74によって突き出された樹脂成形品MPの適所をハンド21で把持して外部に搬出する(ステップS17)。
以上で説明した可動側離型工程(ステップS16)では、スプルエジェクタ65、コアロッド67、及びランナエジェクタピン73によって樹脂成形品MPの突き出しを行っているが、可動金型42のコールドスラグ凹部68a、ランナ凹部68b、レンズ凹部68d等に対する樹脂成形品MPの付着力が過剰に大きな場合、離型抵抗が大きくなって樹脂成形品MPの離型が不十分なものとなりやすい。このように離型が不十分な状態で、取出し装置20によって樹脂成形品MPを強引に取り出した場合、樹脂成形品MPのスプルSPやコールドスラグCPに対してランナRPが折れ曲がり、樹脂成形品MPが所謂逆傘状となってレンズLPの傷、変形等を生じさせ、レンズLPの不要品化を生じさせ、歩留まりを低下させる原因となる。そこで、本実施形態では、スプルロックピン69に設けた係合部69bの形状を調節することにより、可動金型42に樹脂成形品MPを残しつつも、樹脂成形品MPを可動金型42から離型する際の離型抵抗を調整することとする。また、本実施形態では、ランナエジェクタピン73の長さを調節することで、可動金型42に樹脂成形品MPを残しつつも、樹脂成形品MPを可動金型42から離型する際の離型抵抗を調整することとする。さらに、本実施形態では、型板51,61に設けた一対のランナ凹部58b,68bの深さのバランスを調節することにより、可動金型42に樹脂成形品MPを残しつつも、樹脂成形品MPを可動金型42から離型する際の離型抵抗を調整することとする。
図11は、離型状態すなわち可動金型42の離型抵抗の調整を概念的に説明するフローチャートである。なお、以下において、変形等した樹脂成形品MPは適宜可動金型42から突き出され取り出されており、型開きの際に変形しなかった樹脂成形品MPを可動金型42から突き出して取り出すことを本突き出し・本取り出しという。
まず、図5(A)に示すように、係合部69bの直径が基準の値d0となっているスプルロックピン69と、及び図7(A)に示すように、先端面73aがランナ凹部68bの底面BFと一致するランナエジェクタピン73とを可動金型42に組み込み、射出成形を行う(ステップS20)。なお、ランナRPを形成する流路部分FC1は、図8(A)に示すように、ランナ凹部58b,68bの深さp01,p02が略等しくなっている。
ステップS20の射出成形後、型開きの際にレンズLPのみが可動金型42に残り、樹脂成形品MPのランナRPやコールドスラグCPが可動金型42から離型して、樹脂成形品MPが所謂逆傘状に変形した場合(ステップS21のY)、スプルロックピン69を図5(B)に示すように、係合部69bの直径が基準よりも多少大きな値d1(d1>d0)となっているスプルロックピン69に交換して離型抵抗を大きくし、射出成形を行う(ステップS22)。なお、ステップS22において、図7(B)〜7(D)に示すように、異なる長さのランナエジェクタピン73に交換して離型抵抗を大きくしてもよい。また、図8(B)に示すように、ランナ凹部68bの深さp02が、ランナ凹部58b深さp01よりも小さい流路部分FC1になる型板61に交換して固定金型41側の離型抵抗を小さくしてもよい。
ステップS22の射出成形後、型開きの際に樹脂成形品MPが所謂逆傘状に変形した場合(ステップS23のY)、ステップS22に戻る。
ステップS20又はステップS22の射出成形後、型開きの際に樹脂成形品MPが所謂逆傘状に変形しなかった場合(ステップS21のN又はステップS23のN)、樹脂成形品MPの本突き出し・本取り出しを行う(ステップS24)。
ステップS24の本突き出し・本取り出し後、樹脂成形品MPのレンズLPに外観不良等が生じた場合(ステップS25のY)、図5(D)に示すように、係合部69bの直径が基準よりも多少小さな値d3となっているスプルロックピン69に交換して離型抵抗を小さくし、射出成形を行う(ステップS26)。
ステップS26の成形後、型開きの際に樹脂成形品MPが所謂逆傘状に変形した場合(ステップS27のY)、ステップS22に戻る。
ステップS26の成形後、型開きの際に樹脂成形品MPが所謂逆傘状に変形しなかった場合(ステップS27のN)、ステップS24に戻る。
ステップS24の本突き出し・本取り出し後、樹脂成形品MPのレンズLPに外観不良等が生じなかった場合(ステップS25のN)、離型抵抗の調整を終了する。
以上説明した本実施形態の光学素子の製造方法及び成形金型によれば、可動金型42に対する樹脂成形品MPの離型抵抗を適切に調整することにより、型開きの際に、可動金型42側の樹脂成形品MP全体を保持しつつ、固定金型41から樹脂成形品MPを離型することができる。また、可動金型42に対する樹脂成形品MPの離型抵抗が適切であるため、可動金型42から樹脂成形品MPを離型する際にも無理な力を必要とせず、可動金型42から樹脂成形品MPを離型することができる。これにより、樹脂成形品MPに変形が生じることを防ぐことができ、離型時にレンズLPに外観不良や性能不良が生じることを防ぐことができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る光学素子の製造方法と成形金型とについて説明する。第2実施形態に係る光学素子の製造方法等は、第1実施形態の製造方法等を変形したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態と同様であるものとする。
以下、第2実施形態に係る光学素子の製造方法と成形金型とについて説明する。第2実施形態に係る光学素子の製造方法等は、第1実施形態の製造方法等を変形したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態と同様であるものとする。
図12(A)に示すように、スプルロックピン169は、底部すなわち受板62側にネジ81を有する。受板62の本体部分62aのスプルロックピン169の接続部分には、ネジ81に螺合する不図示のネジが設けられている。これにより、可動金型42を射出成形機10から降ろしたり分解したりせずに、スプルロックピン169を交換することができる。なお、スプルロックピン169の軸部分69aの先端側には、スプルロックピン169を可動金型42の端面側すなわち形状転写部61z側から交換するための着脱用工具嵌合部169cが設けられている。
図12(B)に示すように、ランナエジェクタピン173は、底部すなわちエジェクタプレート76側にネジ82を有する。エジェクタプレート76のランナエジェクタピン173の接続部分には、ネジ82に螺合する不図示のネジが設けられている。これにより、可動金型42を射出成形機10から降ろしたり分解したりせずに、ランナエジェクタピン173を交換することができる。なお、ランナエジェクタピン173の先端面73a側には、ランナエジェクタピン173を可動金型42の端面側すなわち形状転写部61z側から交換するための着脱用工具嵌合部173cが設けられている。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態において、固定金型41及び可動金型42で構成される射出成形金型に設けるキャビティCVの形状は、様々な形状とすることができる。すなわち、レンズ凹部58d,68d等によって形成されるキャビティCVの形状は、単なる例示であり、レンズLPその他の光学素子の用途等に応じて適宜変更することができる。
また、上記実施形態において、レンズLPの光学機能部OPに用途に応じた様々な回折構造等を形成するように第1転写面S1に微細形状を設けてもよい。
また、上記実施形態において、コールドスラグ凹部68aの深さを変更することでも可動金型42に対する樹脂成形品MPの離型抵抗を調整することができる。例えば、コールドスラグ凹部68aをパーティング面PS2から比較的深くすることにより、離型抵抗を大きくすることができる。また、コールドスラグ凹部68aをパーティング面PS2から比較的浅くすることにより、離型抵抗を小さくすることができる。
また、上記実施形態において、レンズLPのうち曲率の大きい第1光学面OS1を可動金型42で形成したが、固定金型41で形成してもよい。この場合、型開き後は、可動金型42にレンズLPの第2光学面OS2が保持された状態で第1光学面OS1が固定金型41から離型される。
10…射出成形機、 OP…光学機能部、 11…固定盤、 FL…フランジ部、 12…可動盤、 13…型締め盤、 15…開閉駆動装置、 16…射出装置、 20…取出し装置、 21…ハンド、 30…制御装置、 40…成形金型、 41…固定金型、 42…可動金型、 45…エジェクタ駆動機構、 51,61…型板、 62…受板、 53,63…取付板、 58b,68b…ランナ凹部、 58c,68c…ゲート凹部、 58d,68d…レンズ凹部、 65…スプルエジェクタ、 66…周辺部材、 67…コアロッド、 68a…コールドスラグ凹部、 69,169…スプルロックピン、 69b…係合部、 71…スプルブッシュ、 72…スプル用ロッド、 73,173…ランナエジェクタピン、 74…コア用ロッド、 76…エジェクタプレート、 100…成形装置、 AX…軸、 CP…コールドスラグ、 CV…キャビティ、 FC…流路空間、 FC1…流路部分、 GP…ゲート、 GS…ゲート部分、 LP…レンズ、 MP…樹脂成形品、 OA…光軸、 OS1,OS2…光学面、 PS1,PS2…パーティング面、 RP…ランナ、 SP…スプル
Claims (22)
- 光学素子のうち一方の光学面を形成するための第1転写面を有する可動金型と、前記光学素子のうち他方の光学面を形成するための第2転写面を有する固定金型とを合わせることによって成形空間を形成した状態で、前記成形空間中で前記光学素子含む成形品を成形する第1工程と、
前記可動金型と前記固定金型とを離間させる型開きにより、前記成形品が前記可動金型に張り付いた状態で、前記固定金型から前記成形品を離型する第2工程と、
前記第2工程後、前記可動金型から前記成形品を離型する第3工程と、
を備え、
前記可動金型に設けた調整手段によって前記成形品の離型抵抗を調整することを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記固定金型は、前記成形品のスプルを形成するスプル流路を有し、
前記調整手段は、前記スプル流路の延長上に設けられたスプルロックピンを含み、
前記スプルロックピンの形状を変更することによって離型抵抗を調整することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。 - 前記調整手段は、前記第3工程で前記成形品を突き出すためのエジェクタピンを含み、
前記エジェクタピンの長さを変更することによって離型抵抗調整することを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。 - 前記固定金型及び前記可動金型は、前記成形品のランナを形成するランナ流路をそれぞれ有し、
前記調整手段は、前記ランナ流路を含み、
前記可動金型の前記ランナ流路の曲率と前記固定金型の前記ランナ流路の曲率とを変更することによって離型抵抗を調整することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。 - 前記光学素子は、光情報記録媒体への情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置用の光学素子であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記光学素子は、前記光ピックアップ装置の対物レンズであることを特徴とする請求項5に記載の光学素子の製造方法。
- 前記可動金型の前記第1転写面の曲率は、前記固定金型の前記第2転写面の曲率よりも大きいことを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記可動金型と前記固定金型との合わせ面であるパーティング面から前記可動金型の前記第1転写面の頂点までの距離は、前記パーティング面から前記固定金型の前記第2転写面の頂点までの距離よりも長いことを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記光学素子は、開口数をNAとしたときに、0.75≦NA≦0.90を満たすことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記光学素子の光軸上の厚さをdとし、500nm以下の波長の光束における前記光学素子の焦点距離をfとしたときに、0.8≦d/f≦2.0を満たすことを特徴とする請求項1から9までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 光学素子のうち一方の光学面を形成するための第1転写面を有する可動金型と、
前記光学素子のうち他方の光学面を形成するための第2転写面と、前記光学素子を含む成形品の離型抵抗を調整する調整手段を有する固定金型と、
を備えることを特徴とする成形金型。 - 前記固定金型は、前記成形品のスプルを形成するスプル流路を有し、
前記調整手段は、前記スプル流路の延長上に設けられたスプルロックピンを含むことを特徴とする請求項11に記載の成形金型。 - 前記スプルロックピンは、前記可動金型を射出成形装置に組み込んだ状態で交換可能であることを特徴とする請求項12に記載の成形金型。
- 前記調整手段は、前記成形品を突き出すためのエジェクタピンを含むことを特徴とする請求項11から13までのいずれか一項に記載の成形金型。
- 前記エジェクタピンは、前記可動金型を射出成形装置に組み込んだ状態で交換可能であることを特徴とする請求項14に記載の成形金型。
- 前記固定金型及び前記可動金型は、前記成形品のランナを形成するランナ流路をそれぞれ有し、
前記調整手段は、前記ランナ流路を含むことを特徴とする請求項請求項11から15までのいずれか一項に記載の成形金型。 - 前記可動金型の前記ランナ流路の曲率は、前記固定金型の前記ランナ流路の曲率と同じであることを特徴とする請求項16に記載の成形金型。
- 前記固定金型の前記ランナ流路の曲率は、前記可動金型の前記ランナ流路の曲率よりも小さいことを特徴とする請求項16に記載の成形金型。
- 前記光学素子は、光情報記録媒体への情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置用の光学素子であることを特徴とする請求項11から18までのいずれか一項に記載の光学素子の製造。
- 前記可動金型の前記第1転写面の曲率は、前記固定金型の前記第2転写面の曲率よりも大きいことを特徴とする請求項11から19までのいずれか一項に記載の成形金型。
- 前記光学素子は、開口数をNAとしたときに、0.75≦NA≦0.90を満たすことを特徴とする請求項11から20までのいずれか一項に記載の成形金型。
- 前記光学素子の光軸上の厚さをdとし、500nm以下の波長の光束における前記光学素子の焦点距離をfとしたときに、0.8≦d/f≦2.0を満たすことを特徴とする請求項11から21までのいずれか一項に記載の成形金型。
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2011
- 2011-01-31 JP JP2011019197A patent/JP2012158088A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109664476A (zh) * | 2019-01-08 | 2019-04-23 | 东莞市美光达光学科技有限公司 | 一种避免成型脱模时变形的光学镜片模具脱模结构 |
| CN109664476B (zh) * | 2019-01-08 | 2024-05-28 | 东莞市美光达光学科技有限公司 | 一种避免成型脱模时变形的光学镜片模具脱模结构 |
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