JP2011110810A - 成形金型及び成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ形状を精密に転写するとともに、レンズの光学面の変形を防止しつつ簡易かつ低コストに成形品を離型することができる成形金型及び成形方法を提供すること。
【解決手段】リーク部64cを先端方向に突き出さないため、成形するレンズLPが小径であっても光学面OS1の面崩れの発生を防ぐことができる。また、リーク部64cの断面積、配置箇所、及び断面形状をほとんど自在に設定できるため、リーク部64cや挿通孔91cの加工コストを低減することができる。また、第1転写面S1の真空状態を解除することにより、必要以上の力を加えることなくレンズLPを第1金型41から分離することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズの成形に用いられる成形金型、及びかかる成形金型を用いた成形方法に関する。
成形金型として、第1の金型部と第2の金型部とを備え、両金型部を合わせることによって両金型部間にキャビティを形成するものがあり、このような成形金型から成形品を取り出す方法として、例えば型開き後に可動側の金型部のうちコアの中心に設けた棒状の突き出し部材を突き出して可動側の金型部に残った成形品を分離するものがある(特許文献1参照)。
特開2007−326371号公報
しかし、特許文献1のようにコアの中心の突き出し部材を突き出して離型すると、成形品の中央部に応力がかかることにより、レンズの光学面が変形し或いは光学面上の凹凸形状が崩れるなど、所望のレンズ精度を確保できない可能性がある。まして、特許文献1のような突き出し部材は、レンズの光学面に比べて断面積が小さいものとなっている。そのため、レンズが小径になるにつれ、光学面の単位面積あたりにかかる力が大きくなり、光学面の面崩れが大きくなる問題が生じうる。また、レンズが小径になるにつれ、突き出し部材や突き出し部材を挿入するコアの孔の外径を小さくしなければならないため、突き出し部材やコアの孔の加工コストが増大するという問題もある。
そこで、本発明は、レンズ形状を精密に転写するとともに、レンズの光学面の変形を防止しつつ簡易かつ低コストに成形品を離型することができる成形金型及び成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る成形金型は、レンズのうち光学面を形成するための第1転写面を先端方向に設けた中心部と、型閉じ時に中心部の周囲に配置される周辺部と、中心部に対して根元方向に相対的に可動な状態で配置され中心部の先端方向の一部に露出するリーク部とを有する第1金型と、第1転写面よりも浅く形成された第2転写面を設けた第2金型と、を備えることを特徴とする。
上記成形金型では、リーク部を中心部の先端方向の一部に露出させており、レンズの離型時において、リーク部を中心部に対して根元方向に相対的に可動な状態で配置している。これにより、リーク部を先端方向に突き出さないため、成形するレンズが小径であっても光学面の面崩れの発生を防ぐことができる。また、レンズが小径であっても中心部の先端方向に露出するリーク部の断面積、配置箇所、及び断面形状をほとんど自在に設定できるため、リーク部やリーク部を挿入する中心部の孔の加工コストを低減することができる。また、リーク部と中心部との相対位置を先端方向の基準位置から根元方向のリーク位置へ変化させることによって、リーク部のうち露出していた部分の近くに空間を形成することができる。これにより、第1転写面の真空状態が解除され、比較的深く形成されている第1転写面と硬化が進んだレンズの光学面との間に空気が入り込みやすくなる。そのため、必要以上の力を加えることなくレンズを第1金型から分離することができる。以上のことから、光学面の変形を防止しつつ簡易かつ低コストに成形品を離型することができる。なお、真空状態とは、第1転写面に樹脂が密着して空気が入り込まない状態を意味するものとする。
また、本発明の具体的な態様又は側面では、上記成形金型において、リーク部は、中心部の軸心に沿って延びる挿通孔に挿通されるリーク棒と、中心部の周囲からリーク棒を支持する支持部材とを有することを特徴とする。この場合、リーク棒を中心部の軸心に沿って配置させることにより、バランスのよいリークによってレンズの光学面への影響を最小限に抑えることができる。また、リーク棒を支持部材によって支持することにより、リーク棒を中心部に対して独立させて周囲から支持することができる。
また、本発明の別の側面では、中心部は、挿通孔を介して第1転写面の真空状態を解除させるためにリーク棒の先端に対して相対的に先端方向に移動可能であることを特徴とする。この場合、中心部の相対的移動によってリーク棒の先端に対する中心部の先端の相対位置が変化することにより、真空状態から非真空状態へと簡単に切り替えることができる。
また、本発明のさらに別の側面では、中心部は、リーク部の支持部材の軸心方向に沿った相対的な移動を許容する溝を有し、溝と支持部材の一部とは、摺動可能に嵌合していることを特徴とする。この場合、中心部の溝を介して中心部の先端とリーク棒の先端との相対位置を簡単かつ滑らかに変えることができる。
また、本発明のさらに別の側面では、中心部は周辺部に対して可動であり、型開き後に中心部を周辺部に対して第2金型側に前進させる突き出し動作により、第1転写面の真空状態が解除されることを特徴とする。この場合、中心部を第1金型から突き出すことにより、レンズのうち第1転写面に対応する光学面以外の部分を第1金型から分離することができる。また、中心部の突き出し動作により、リーク棒の先端に対して中心部の先端が相対的に先端方向に移動するため、突き出し動作とともに真空状態を解除させることができる。
また、本発明のさらに別の側面では、第1金型は、周辺部に突き出し部をさらに有することを特徴とする。この場合、例えばリーク部の露出する先端をリーク部の根元方向に移動させることで、中心部の先端がリーク部の露出する先端に対して相対的に先端方向に移動し真空状態が解除される。これにより、第1転写面と光学面との間に空気が入り込みやすくなる。この状態において、突き出し部がレンズを突き出すことにより、必要以上の力を加えることなくレンズを第1金型から分離することができる。
また、本発明のさらに別の側面では、第1転写面は、微細な凹凸形状を有することを特徴とする。この場合、微細な凹凸形状を精密に転写することができる。
また、本発明に係る第1の成形方法は、レンズのうち光学面を形成するための第1転写面を先端方向に設けた中心部を有する第1金型と、第1転写面よりも浅く形成された第2転写面を設けた第2金型とを合わせることによって型空間を形成した状態で、型空間中においてレンズを成形する第1工程と、第1金型と第2金型とを離間させる型開きにより、第2金型からレンズを離型する第2工程と、第2工程後に中心部を周辺部に対して第2金型側に前進させることにより、中心部の先端を中心部の先端方向の一部に露出するリーク部の先端よりも相対的に先端方向に移動させて、第1転写面の真空状態を解除する第3工程と、第3工程後に中心部からレンズを離型させる第4工程と、を備えることを特徴とする。
上記第1の成形方法では、リーク部の先端と中心部の先端との相対位置に応じて、真空状態と非真空状態とを切り替えることにより、レンズの成形時において真空状態を保つことができる。また、レンズの離型時において、リーク部を先端方向に突き出さずに真空状態を解除することができる。これにより、レンズ形状を精密に転写するとともに、光学面の変形を防止しつつ簡易かつ低コストに成形品を離型することができる。また、中心部の突き出し動作とともに真空状態が解除されるため、離型工程を簡単なものとすることができる。
また、本発明に係る第2の成形方法は、レンズのうち光学面を形成するための第1転写面を先端方向に設けた中心部を有する第1金型と、第1転写面よりも浅く形成された第2転写面を設けた第2金型とを合わせることによって型空間を形成した状態で、型空間中においてレンズを成形する第1工程と、第1金型と第2金型とを離間させる型開きにより、第2金型からレンズを離型する第2工程と、第2工程後に中心部の先端方向の一部に露出するリーク部を中心部に対して第1金型の根元方向に後退させることにより、中心部の先端をリーク部の先端よりも相対的に先端方向に移動させて、第1転写面の真空状態を解除する第3工程と、中心部からレンズを離型させる第4工程と、を備えることを特徴とする。
上記第2の成形方法では、リーク部の先端と中心部の先端との相対位置に応じて、真空状態と非真空状態とを切り替えることにより、レンズの成形時において真空状態を保つことができる。また、レンズの離型時において、リーク部を先端方向に突き出さずに真空状態を解除することができる。これにより、レンズ形状を精密に転写するとともに、光学面の変形を防止しつつ簡易かつ低コストに成形品を離型することができる。
第1実施形態の成形金型を説明する部分側方断面図である。 (A)は、型空間に樹脂を供給するための流路空間を説明する図であり、(B)は、レンズを成形するための型空間を説明する図である。 (A)は、図1の成形金型によって形成される成形品の外観を説明する斜視図であり、(B)は、製品としてのレンズの側面図である。 (A)は、成形金型の要部を説明する側方断面図であり、(B)は、成形金型の要部を説明する端面図である。 成形金型の要部を説明する斜視図である。 (A)は、図1の成形金型のうちコア型を説明する正面図であり、(B)は、(A)のコア型の側面図であり、(C)は、(A)のコア型の底面図であり、(D)は、(A)のコア型の側断面図である。 (A)は、図1の成形金型のうちリーク部を説明する正面図であり、(B)は、(A)のリーク部の側面図であり、(C)は、(A)のリーク部の底面図であり、(D)は、(A)のリーク部の側断面図である。 (A)〜(D)は、第1実施形態の第1金型における離型動作を説明する側断面図である。 図1に示す成形金型を組み込んだ成形装置を説明する図である。 図1に示す成形金型を用いた成形方法を説明するフローチャートである。 図1の成形金型の要部の変形例を説明する側方断面図である。 第2実施形態の成形金型の要部を説明する側方断面図である。 (A)は、図12のコア型を説明する正面図であり、(B)は、(A)のコア型の側面図であり、(C)は、(A)のコア型の底面図であり、(D)は、(A)のコア型の側断面図である。 (A)は、図12の可動ロッドを説明する正面図であり、(B)は、(A)の可動ロッドの側面図であり、(C)は、(A)の可動ロッドの側断面図である。 (A)は、図12のリーク部を説明する正面図であり、(B)は、(A)のリーク部の側面図であり、(C)は、(A)のリーク部の底面図であり、(D)は、(A)のリーク部の側断面図である。 第3実施形態の成形金型の要部を説明する側方断面図である。 (A)〜(D)は、第3実施形態の第1金型における離型動作を説明する側断面図である。 図16に示す成形金型を用いた成形方法を説明するフローチャートである。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態である成形金型について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の成形金型40は、第1金型41と第2金型42とを備える。ここで、第1金型41は、詳細は後述するがAB方向に往復移動可能になっている。この第1金型41を第2金型42に向けて移動させ、両金型41,42をパーティング面PS1,PS2で型合わせして型締めすることにより、図2(A)に部分的に拡大して示すように、レンズを成形するための型空間CVと、これに樹脂を供給するための流路空間FCとが形成される。
図2(A)において、流路空間FCは、図3(A)に示す成形品MPのスプル部SPとランナ部RPとを形成する空間である。この流路空間FCは、4つのランナ部RPに対応して4つに分岐されている。流路空間FCは、4分岐された先端側において、成形品MPのゲート部GPを形成するゲート部分GSを介して4つの型空間CVにそれぞれ連通している。
図2(B)に拡大して示すように、型空間CVは、第1及び第2転写面S1,S2に挟まれた本体空間CV1と、第3及び第4転写面S3,S4に囲まれたフランジ空間CV2とを備える。ここで、第1及び第2転写面S1,S2は、図3(B)に拡大して示すレンズLPのうち中央の光機能部OPの光学面OS1,OS2を形成するためのもので、後述するコア型64a,74aの端面に対応している。この場合、一方の第1転写面S1は、レーザ光源側に配置されるものであり、情報記録媒体側に配置される他方の第2転写面S2よりも深く曲率が大きくなっている。また、図示を省略するが、一方の第1転写面S1には、回折構造に対応する微細な凹凸形状が設けられており、転写されたレンズLPの一方の光学面OS1は、回折構造を備えるものとなる。一方、第3及び第4転写面S3,S4は、レンズLPのうちフランジ部FLを形成するための部分であり、後述する外周型64b,74bの端面に対応している。
なお、図3(B)に示すレンズLPは、光ピックアップ用の対物レンズであり、特に本実施形態の場合、3規格互換タイプの単玉対物レンズであるものとする。具体的には、レンズLPは、その光学面OS1に形成した回折構造等の光学特性により、例えば波長405nmでNA0.85のBD(Blu-ray Disc)と、波長655nmでNA0.65のDVD(Digital Versatile Disc)と、波長780nmでNA0.53のCDとの3つの規格に対応した光情報の読み取り又は書き込みを可能にする。ここで、BD規格については、NA0.85に限らず、NA0.85以上の高い曲率の対物レンズとすることができる。また、本実施形態の成形方法では、特に回折構造がある3規格互換タイプでより簡易に成形品を離型できるものであるが、回折構造のないBD専用の対物レンズやDVD/CD用の対物レンズ等においても有効である。
図1に戻って、可動側の第1金型41は、パーティング面PS1を形成する型板61と、型板61を背後から支持する受板62と、受板62を背後から支持する取付板63と、図2(B)等に示す型空間CVを可動側から形成する中心部としてのコア型64aと、型空間CVを可動側から形成する周辺部としての外周型64bと、コア型64aの先端方向の中央に露出するリーク部64cと、成形品MPのランナ部RP等を突き出して離型する突き出しピン65,66と、コア型64aを背後から押す可動ロッド67aと、突き出しピン65,66を背後から押す可動ロッド67bと、可動ロッド67a,67bを進退移動させる進退機構部69とを備える。ここで、コア型64aは、前進する可動ロッド67aに駆動されて第2金型42側に前進し、後退する可動ロッド67aに伴って自動的に後退して元の位置に復帰する。また、突き出しピン65,66は、可動ロッド67bに駆動されて第2金型42側に前進し、例えば可動ロッド67bを後退させてもそのまま保持されるが、外力を与えた場合に後退して元の位置に復帰する。
第1金型41において、型面側の金型部品である型板61は、図3(A)に示す成形品MPのコールドスラグ部分00に対応するコールドスラグ凹部61aと、ランナ部RPに対応するランナ凹部61bの一部と、外周型64bを挿入するための貫通孔61eと、突き出しピン66を挿入するための貫通孔61gとを備える。また、外周型64bは、図3(A)に示す成形品MPのランナ部RPに対応するランナ凹部61bの残りの一部と、ゲート部GPを形成するゲート凹部61cと、突き出しピン65を挿入するために設けた貫通孔61fとを備える。
型板61内部には、成形時に金型の温度を適切な温度に保つため、熱媒体を流通させるための流路であるジャケット51が形成されている。また、型板61には、第1金型41の温度、すなわち型板61によって形成される型空間CVの表面温度等を計測するための温度センサ52が埋め込まれている。
固定側の第2金型42は、パーティング面PS2を形成する型板71と、型板71を背後から支持する取付板72と、図2(B)等に示す型空間CVを固定側から形成する中心部としてのコア型74aと、型空間CVを固定側から形成する周辺部としての外周型74bと、スプルブッシュ77とを備える。
第2金型42において、型面側の金型部品である型板71は、スプルブッシュ77を挿入するために設けたスプルブッシュ孔71aと、図3(A)に示す成形品MPのランナ部RPを形成するランナ凹部71bと、ゲート部GPを形成するゲート面71cと、外周型74bを挿入するために設けた貫通孔71eとを備える。なお、スプルブッシュ77は、型板71のスプルブッシュ孔71aと取付板72のスプルブッシュ孔72aとに挿入されて固定されている。スプルブッシュ77内に形成された流路77aは、図3(A)に示す成形品MPのスプル部SPを形成する。
型板71内部には、成形時に金型の温度を適切な温度に保つため、熱媒体を流通させるための流路であるジャケット53が形成されている。また、型板71には、第2金型42の温度、すなわち型空間CVの表面温度等を計測するための温度センサ54が埋め込まれている。
以下、図4(A)、4(B)、図5、図6(A)〜6(D)、及び図7(A)〜7(D)を参照して、第1金型41の型板61に埋め込まれたコア型64aと、外周型64bと、リーク部64cと、これらの周辺構造とについて説明する。
図4(A)、4(B)、及び図5に示すように、コア型64aは、軸心XIがパーティング面PS1に垂直に延びる状態で外周型64bの中心に進退移動可能に組み込まれ、リーク部64cは、コア型64aの軸心XIに沿って延びる状態で固定的に組み込まれている。すなわち、外周型64bは、コア型64aの周囲に同心状態で配置されている。また、リーク部64cは、コア型64aの根元方向の周囲や先端方向の内部に同心状態で配置されている。コア型64aは、軸心XIに沿って進退動作するが、コア型64aを基準とした場合、リーク部64cは、コア型64aに対して軸心XI方向に相対移動可能になっているとみることができる。
図4(A)、4(B)、及び図6(A)〜6(D)に示すように、コア型64aは、略円柱状の外形を有し、先端方向に比較的細い小径部91aと、根元方向に比較的太い大径部91bとを有する。コア型64aは、図1に示す第2金型42に対向する小径部91aの先端91fに、図3(B)に示すレンズLPの光学面OS1を形成するための第1転写面S1が形成されている。コア型64aには、軸心XIに沿ってリーク部64cを挿入するための挿通孔91cが先端方向の先端91fから根元方向の底面91eに向けて形成されている。コア型64aの根元方向には、リーク部64cをコア型64aに嵌合させるためのスリット状の溝91dが放射状に4つ形成されている。図6(B)に示すように、この溝91dは、コア型64aの側面から見て大径部91bの軸心XI方向中央の位置からコア型64aの根元の底面91eまで軸心XIに平行に延びており、コア型64aの底面91eから見て挿通孔91cを中心としてコア型64aの半径方向外側に90°の角度間隔で均等に延びている。コア型64aは、外周型64b内に収納されるとともに、外周型64bの内側に遊嵌して図1のAB方向に対応する可動軸AX方向に移動可能になっている。図4(A)に示すように、コア型64aは、背後から可動ロッド67aに支持されつつ押されて移動し、可動軸AXに沿って前方にある第2金型42側に前進し、その先端部が型板61のパーティング面PS1から突出する。なお、コア型64aは、周囲に戻しバネ81を巻回して配しており、可動ロッド67aが後退すると、可動軸AXに沿った後方に後退して外周型64b内に自動に収まるようになっている。
図4(A)及び4(B)に示すように、外周型64bは、筒状の外形を有し、型板61の貫通孔61eに埋め込まれた状態で固定されている。外周型64bは、コア型64aが進退動作しても、型板61の貫通孔61eに収まって変位しない。外周型64bの内側には、コア型64aを挿入するための挿通孔92aを有する。挿通孔92aは、先端方向に比較的細い小径孔92bと根元方向に比較的太い大径孔92cとを有する。挿通孔92aのうち小径孔92bは、樹脂漏れが生じずかつコア型64aが挿通孔92a内を移動可能な程度にコア型64aの小径部91aよりもわずかに径が大きくなっている。大径孔92cは、コア型64aの大径部91bよりも径が大きくなっており、コア型64aが移動可能な程度の軸心XI方向の長さに設定されている。外周型64bは、図1に示す第2金型42に対向する先端の一部に、図3(B)に示すレンズLPのフランジ部FLを形成する第3転写面S3の段差を有している。
図4(A)、4(B)、及び図7(A)〜7(D)に示すように、リーク部64cは、太い円筒状の外形を有する根元方向の支持部材93bと、細長い円柱状の外形を有する先端方向のリーク棒93aとを有する。支持部材93bの外径は、外周型64bの内外径と略同寸にされており、支持部材93bは、型板61の貫通孔61eに嵌め込まれている。支持部材93bにおいて、先端面93gは外周型64bの底面92eに当接しており、後端面93hは受板62に支持されている(図1参照)。すなわち、リーク部64cは、外周型64bと同様に型板61内に固定されており、コア型64aが進退動作しても、型板61の貫通孔61e内に収まって変位しない。リーク棒93aは、コア型64aの挿通孔91cに挿通されている。リーク棒93aは、樹脂漏れが生じずかつコア型64aに対してリーク棒93aの先端93cが相対的に移動可能な程度にコア型64aの小径部91aよりもわずかに径が小さくなっている。また、リーク棒93aの軸心XI方向の全長は、外周型64bの軸心XI方向の長さと略同じとなっている。リーク棒93aの先端93cは、成形金型40の型閉じ時にコア型64aの第1転写面S1の中央に周囲の第1転写面S1部分から連続して曲面を形成する状態で露出しており、第1転写面S1の一部を形成している。リーク棒93aは、コア型64aの周囲側から支持部材93bによって支持されている。支持部材93bは、コア挿通孔93dと、溝摺動部93eと、貫通孔93fとを有する。コア挿通孔93dは、軸心XIに沿ってコア型64aを挿通させ、コア型64aの根元方向を支持するためのものである。コア挿通孔93dの内径は、コア型64aの大径部91bの外径よりも大きくなっており、外周型64bの大径孔92cの内径と略同一となっている。溝摺動部93eは、コア型64aの溝91dに嵌合するためのものであり、支持部材93bのコア挿通孔93dの先端方向に放射状に延びる4つの摺動板を有している。溝91dと溝摺動部93eとが嵌合することにより、コア型64aは、支持部材93bの軸心XI方向に沿って滑らかに進退移動することができる。貫通孔93fは、突き出しピン65を挿入するためのものであり、外周型64bの貫通孔61fに対応する位置に設けられている。貫通孔93fの先端方向は、外周型64bの貫通孔61fと略同径となっている。貫通孔93fの根元方向は、突き出しピン65の突き出しのため、可動ロッド67bの前進を許容するべく、可動ロッド67bよりもやや大きい径となっている。
リーク部64cは、成形のための基準位置においてコア型64aに対して相対的に前進しており、第1転写面S1をリーク棒93aの先端93cによって塞いでいる。一方、リーク部64cは、離型のためのリーク位置においてコア型64aに対して相対的に後退しており、コア型64aの先端91fとリーク棒93aの先端93cとの位置ずれに対応して後述する空間K(図8(B)参照)を形成している。この空間Kには、リーク棒93aの根元方向から空気が流れ込む。この空間Kが形成されることにより、第1転写面S1と光学面OS1との間に空気が入り込みやすくなり、第1転写面S1の真空状態が解除される。
突き出しピン65は、ランナ突き出し部材として機能する。すなわち、突き出しピン65は、背後から可動ロッド67bに押されて移動し、可動軸AXに平行な前方に前進し、外周型64bのパーティング面PS1から突出する。突き出しピン65は、可動ロッド67bが後退しても、所定以上の外力を与えられない限り、パーティング面PS1から突出した状態に保持される。つまり、突き出しピン65は、前進して一旦突き出し状態となった場合、ある程度以上の強い力で押し戻されない限りその状態に保持され、比較的強い力で押し戻された場合、外周型64bの貫通孔61f内に収納されて退避状態に復帰する。なお、突き出しピン66も、可動ロッド67bに駆動されて突き出しピン65と同様に動作する。
以下、図8(A)〜8(D)を参照して、成形品MPすなわちレンズLPの第1金型41からの離型について説明する。図8(A)は、第1金型41を後退させる型開きによって成形品MPを第2金型42から離型させた状態を示す。この場合、窪みの大きな第1金型41に成形品MPが保持され、レンズLPは、コア型64aや外周型64bに密着した状態となっている。次に、図8(B)に示すように、コア型64aや突き出しピン65等を第2金型42側に前進させる突き出し動作を行う。これにより、成形品MPについて全体的な離型が行われる。すなわち、レンズLPのフランジ部FLを外周型64bから離型させ、ランナ部RP等を外周型64b及び型板61から離型させる。この際、リーク部64cは、型板61及び外周型64bに固定されているため、コア型64aの突き出し動作が行われると、リーク棒93aの先端93cに対してコア型64aの先端91fが相対的に先端方向に移動する。これにより、コア型64aの先端91fとリーク棒93aの先端93cとの間に位置ずれが生じ、挿通孔91cの先端部に空間Kが生じる。そのため、挿通孔91c先端の空間Kから開口91gを介して第1転写面S1とレンズLPの光学面OS1との間に空気が入り込み、真空状態が解除され、光学面OS1がコア型64aから離れやすい状態となる。なお、この段階で、成形品MPは、後述する取り出し用のハンドに緩く把持される。次に、図8(C)に示すように、コア型64aを後退させて、レンズLPの光機能部OPの離型を行う。これにより、コア型64aの第1転写面S1とレンズLPの光機能部OPの光学面OS1とが離間し、光機能部OPのコア型64aからの離型が達成される。この際、コア型64aが後退しても、すでに光学面OS1とコア型64aとが離れやすい状態となっているため、成形品MPとして大きな力を受けることにはならない。これにより、レンズLPに対して局所的な力が加えられることを回避でき、離型に際しての光学面OS1の変形や転写不良を防止できる。なお、突き出しピン65等は、型板61のパーティング面PS1から突出した状態に維持される。次に、図8(D)に示すように、後述するハンドによりレンズLPを含む成形品MPが第1金型41から離れた場所に搬送される。
図9は、図1に示す成形金型40を組み込んだ成形装置を説明する正面図である。図示の成形装置100は、射出成形を行って成形品MPを作製する本体部分である射出成形機10と、射出成形機10から成形品MPを取り出す付属部分である取出し装置20と、成形装置100を構成する各部の動作を統括的に制御する制御装置30とを備える。
射出成形機10は、横型の成形機であり、成形金型40と、可動盤11と、固定盤12と、型締め盤13と、開閉駆動装置15と、射出装置16とを備える。射出成形機10は、可動盤11と固定盤12との間に成形金型40を構成する第1金型41と第2金型42とを挟持して両金型41,42を型締めすることにより成形を可能にする。
可動盤11は、スライドガイド15aによって固定盤12に対して進退移動可能に支持されている。可動盤11は、第1金型41を着脱可能に支持している。なお、可動盤11には、エジェクタ45が組み込まれている。このエジェクタ45は、図1に示す進退機構部69を動作させる部分であり、可動ロッド67a,67bを進退動作させることによって、第1金型41内の成形品MPを離型して第2金型42側に押し出すものであり、取出し装置20による移送を可能にする。
固定盤12は、可動盤11に対向して支持フレーム14の中央に固定されており、取出し装置20をその上部に支持する。固定盤12は、第2金型42を着脱可能に支持している。なお、固定盤12は、タイバーを介して型締め盤13に固定されており、成形時の型締めの圧力に耐え得るようになっている。
型締め盤13は、支持フレーム14の端部に固定されている。型締め盤13は、型締めに際して、開閉駆動装置15の動力伝達部15dを介して可動盤11をその背後から支持する。
開閉駆動装置15は、スライドガイド15aと、動力伝達部15dと、アクチュエータ15eとを備える。スライドガイド15aは、可動盤11を支持して固定盤12に対する進退方向に関する滑らかな往復移動を可能にしている。動力伝達部15dは、制御装置30の制御下で動作するアクチュエータ15eからの駆動力を受けて伸縮する。これにより、型締め盤13に対して可動盤11が近接したり離間したり自在に進退移動し、結果的に、可動盤11と固定盤12とを互いに近接・離間して第1金型41と第2金型42との型締め及び型開きを行う。
射出装置16は、シリンダ16a、原料貯留部16b、スクリュ駆動部16c等を備える。射出装置16は、制御装置30の制御下で適当なタイミングで動作するものであり、樹脂射出ノズル16dから温度制御された状態で溶融樹脂を射出することができる。射出装置16は、第1金型41と第2金型42とを型締めした状態で、図1に示すスプルブッシュ77に樹脂射出ノズル16dを接触させ、流路空間FC(図2(A)参照)に対してシリンダ16a中の溶融樹脂を所望のタイミング及び圧力で供給することができる。
射出成形機10に付随して設けられた金型温度調節機46は、両金型41,42中に形成されているジャケット51,53(図1参照)に温度制御された熱媒体を循環させる。これにより、成形時に両金型41,42の温度を適切な温度に保つことができる。この際、両金型41,42に埋め込まれた温度センサ52,54(図1参照)によって両金型41,42の温度を監視することもできる。
取出し装置20は、成形品MPを把持することができるハンド21と、ハンド21を3次元的に移動させる3次元駆動装置22とを備える。取出し装置20は、制御装置30の制御下で適当なタイミングで動作するものであり、第1金型41と第2金型42とを離間させて型開きした後に、第1金型41に残る成形品MPを把持して外部に搬出する役割を有する。
制御装置30は、開閉制御部31と、射出装置制御部32と、エジェクタ制御部33と、取出し装置制御部34とを備える。開閉制御部31は、アクチュエータ15eを動作させることによって両金型41,42の型締めや型開きを可能にする。射出装置制御部32は、スクリュ駆動部16c等を動作させることによって両金型41,42間に形成された型空間中に所望の圧力で樹脂を注入させる。エジェクタ制御部33は、エジェクタ45を動作させることによって型開き時に第1金型41に残る成形品MPを第1金型41内から押し出させて離型を行わせる。取出し装置制御部34は、取出し装置20を動作させることによって型開き及び離型後に第1金型41に残る成形品MPを把持して射出成形機10外に搬出させる。
図10は、図9に示す成形装置100の動作を概念的に説明するフローチャートである。まず、金型温度調節機46により、両金型41,42の表面を成形に適する温度まで加熱する(ステップS10)。次に、開閉駆動装置15を動作させ、可動盤11を前進させて型閉じを開始させる(ステップS11)。開閉駆動装置15の閉動作を継続することにより、第1金型41と第2金型42とが接触する型当たり位置まで可動盤11が固定盤12側に移動して型閉じが完了し、開閉駆動装置15の閉動作を更に継続することにより、第1金型41と第2金型42とを必要な圧力で締め付ける型締めが行われる(ステップS12)。次に、射出成形機10において、射出装置16を動作させて、型締めされた第1金型41と第2金型42との間の型空間CV中に、必要な圧力で溶融樹脂を注入する射出を行わせる(ステップS13)。そして、射出成形機10は、型空間CV中の樹脂圧を保つ。この際、金型温度調節機46により、型空間CVや流路空間FC(図2(A)参照)が適度に加熱されており、溶融樹脂を型空間CV内に速やかに導入することができ、型空間CV内での樹脂の適度な除冷を達成することができる。なお、溶融樹脂を型空間CVに導入した後は、型空間CV中の溶融樹脂が放熱によって徐々に冷却されるので、かかる冷却にともなって溶融樹脂が固化し成形が完了するのを待つ(ステップS14)。次に、射出成形機10において、開閉駆動装置15を動作させて、可動盤11を後退させる型開きが行われる(ステップS15)。これに伴って、第1金型41が後退し、第1金型41と第2金型42とが離間する。この結果、図8(A)に示すように、成形品MPすなわちレンズLPは、第1金型41に保持された状態で第2金型42から離型される。次に、射出成形機10において、エジェクタ45を動作させて、可動ロッド67a,67bによる成形品MPの突き出しを行わせる(ステップS16)。これにより、図8(B)に示すように、成形品MPについて全体的な離型が行われる。つまり、レンズLPのフランジ部FLを外周型64bから離型させることができ、ランナ部RPを型板61等から離型させることできる。また、コア型64aの挿通孔91cの先端部であってリーク部64cのリーク棒93aの先端方向に空間Kが生じることにより、真空状態が解除され、コア型64aの第1転写面S1とレンズLPの光学面OS1とが離れやすい状態となる。なお、この際、成形品MPの適所を取出し装置20のハンド21で支持して成形品MPの落下を防止する。次に、射出成形機10において、エジェクタ45を動作させて、可動ロッド67a,67bを後退させる(ステップS17)。以上により、図8(C)に示すように、レンズLPの光機能部OPの離型が行われる。つまり、光機能部OPをコア型64aから完全に離型させることができ、成形品MPの第1金型41からの離型を完了することができる。この際、突き出しピン65等によってレンズLPが元の位置に保持されるので、レンズLP外周の一部に偏った力が加えられることをより抑制できる。最後に、取出し装置20を動作させて、第1金型41から完全に離型された成形品MPをハンド21で把持して外部に搬出する(ステップS18)。
なお、ステップS17は、第1転写面S1と光学面OS1とが離れやすい状態となるため、行わなくてもよい場合がある。また、成形品MPの搬出後には、例えば取出し装置20のハンド21に設けたピンや空気噴射ノズルによって、突き出しピン65,66を型板61内に後退させた退避状態に戻すことができる。或いは、ハンド21によって成形品MPを第1金型41側に近接させることによっても、突き出しピン65,66を型板61内の退避状態に戻すことができる。
以上説明した第1実施形態の成形金型や成形方法によれば、リーク部64cのリーク棒93aの先端93cがコア型64aの先端方向の一部に露出している。また、レンズLPの離型時において、リーク部64cをコア型64aに対して根元方向に相対的に可動な状態で配置している。これにより、リーク棒93aを先端方向に突き出さないため、成形するレンズLPが小径であっても光学面OS1の面崩れの発生を防ぐことができる。また、レンズLPが小径であってもコア型64aの先端方向に露出するリーク棒93aの断面積、配置箇所、及び断面形状をほとんど自在に設定できるため、リーク棒93aやリーク棒93aを挿入するコア型64aの挿通孔91cの加工コストを低減することができる。また、リーク部64cのコア型64aに対する相対位置を先端方向の基準位置から根元方向に後退させたリーク位置に変化させることによって、第1転写面S1の真空状態が解除され、第1転写面S1と光学面OS1との間に空気が入り込みやすくなる。そのため、必要以上の力を加えることなくレンズLPを第1金型41から分離することができる。結果的に、光学面OS1の変形を防止しつつ簡易かつ低コストに成形品MPを離型することができる。
なお、図11に示すように、リーク孔91jとリーク孔92jとを設けてもよい。リーク孔91jは、コア型64aの先端方向の挿通孔91cから半径方向の側面に貫通するように設けられている。リーク孔92jは、外周型64bの先端方向の小径孔92bから大径孔92c内面に貫通するように設けられている。基準位置において、リーク孔91jとリーク孔92jとは開口の位置がずれているが、リーク位置において、開口の位置が略一致するようになっている。これにより、コア型64aの挿通孔91cと外周型64bの大径孔92cとが連通し、より簡単に図8(B)に示すような空間Kに空気を導入することができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る成形金型等について説明する。なお、第2実施形態に係る成形金型等は、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
図12及び図13(A)〜13(D)に示すように、第1金型41において、コア型164aに溝は設けられていない。代わりに、図12及び図14(A)〜14(C)に示すように、コア型164aを突き出す可動ロッド167aの先端方向に、リーク部164cの溝摺動部193eと遊嵌する溝94aが放射状に4つ形成されている。図14(B)に示すように、この溝94aは、可動ロッド167aの側面から見て可動ロッド167aの軸心XI方向の略中央の位置から可動ロッド167aの先端面94bまで軸心XIに平行に延びている。また、図14(A)に示すように、4つの溝94aは、可動ロッド167aの先端面94bから見て軸心XIを中心として可動ロッド167aの半径方向外側に90°の角度間隔で均等に延びている。
図12及び図15(A)〜15(D)に示すように、リーク部164cのうち支持部材193bは、ロッド挿通孔193dと、溝摺動部193eと、貫通孔93fとを有する。ロッド挿通孔193dは、軸心XIに沿って可動ロッド167aを挿通させるためのものである。ロッド挿通孔193dの内径は、可動ロッド167aの外径よりも大きくなっており、外周型164bの大径孔92cの内径と略同一となっている。溝摺動部193eは、可動ロッド167aの溝94aに対応するものであり、支持部材193bのロッド挿通孔193d内に放射状に4つ形成されている。溝94aと溝摺動部193eとが嵌合することにより、可動ロッド167aは、支持部材193bの軸心XI方向に沿って型板61内で進退移動することができる。一方、リーク部164cは、型板61内に固定されている。ここで、コア型164aは、リーク部164cの溝摺動部193eに軸心XI方向に摺動可能に支持されており、可動ロッド167aの前進移動により、コア型164aの突き出し動作をすることができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る成形金型等について説明する。なお、第3実施形態に係る成形金型等は、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
図16(A)及び16(B)に示すように、第1金型41は、外周型264bに突き出し部264dをさらに備える。突き出し部264dは、コア型264aの周囲に4つ配置されている。突き出し部264dの先端方向は、外周型264bの先端方向に設けられて可動軸AXに平行に延びる挿通孔92fに軸方向に可動な状態で挿入されている。突き出し部264dは、外周型264bの先端方向から根元方向まで延びており、先端方向の先端95aは、外周型264bの第3転写面S3に露出している。突き出し部264dは、根元方向に設けられた可動ロッド67cの進退移動に伴って前進したり後退したりする。
第3実施形態において、コア型264aは、溝を有していない。また、コア型264aの軸心XI方向の全長は、外周型264bの軸心XI方向の長さと略同じとなっており、外周型264bに固定され変位しない。
また、第3実施形態において、リーク部264cは、ロッド状で、支持部材93bを有していない。代わりに、コア型264aの挿通孔91cに挿通されたリーク棒293aの根元方向にヘッド293k及び戻しバネ82が設けられており、可動ロッド67dによって進退移動可能となっている。リーク棒293aは、型閉じ時に可動ロッド67dに押されており、リーク棒293aの先端93cがコア型264aの先端91fに露出している。一方、リーク棒293aは、離型時に可動ロッド67dが後退すると、可動軸AXに沿った後方に後退してリーク棒293aとコア型264aとの間に後述する空間Kが生じる。なお、可動ロッド67b,67cと可動ロッド67dとは、それぞれ独立して進退移動し、動作タイミングも異なるものとすることができる。
図17(A)〜17(D)及び図18を参照して成形装置の動作について説明する。ステップS15によって、図17(A)に示すように、成形品MPすなわちレンズLPは、第1金型41に保持された状態で第2金型42から離型される。次に、射出成形機10において、エジェクタ45を動作させて、可動ロッド67dを後退させる(スッテプS26)。これにより、図17(B)に示すように、コア型264aの先端91fとリーク部264cの先端93cとの間に空間Kが生じ、真空状態が解除される。つまり、コア型264aの第1転写面S1とレンズLPの光学面OS1とが離れやすい状態となる。なお、この際、成形品MPの適所を取出し装置20のハンド21で支持して成形品MPの落下を防止する。次に、エジェクタ45を動作させて、可動ロッド67b,67cによる成形品MPの突き出しを行わせる(ステップS27)。これにより、図17(C)に示すように、成形品MPについて全体的な離型が行われる。つまり、レンズLPの光機能部OPをコア型264aから離型させることができ、フランジ部FLを外周型264bから離型させることができ、ランナ部RPを型板61から離型させることできる。最後に、図17(D)に示すように、取出し装置20を動作させて、第1金型41から完全に離型された成形品MPをハンド21で把持して外部に搬出する(ステップS18)。
以上説明した第3実施形態の成形金型や成形方法によれば、リーク棒293aの先端93cをリーク棒293aの根元方向に移動し、コア型264aの先端91fがリーク棒293aの先端93cに対して相対的に先端方向になり真空状態が解除される。これにより、第1転写面S1と光学面OS1との間に空気が入り込みやすくなる。この状態において、突き出し部264dがレンズLPを突き出すことにより、必要以上の力を加えることなくレンズLPを第1金型41から分離することができる。また、リーク棒293aを先端方向に突き出さずに真空状態を解除することにより、レンズLPの形状を精密に転写するとともに、光学面の変形を防止しつつ簡易かつ低コストにレンズLPを含む成形品MPを離型することができる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、第2金型42及び第1金型41で構成される射出成形金型に設ける型空間CVの形状は、図示のものに限らず、様々な形状とすることができる。すなわち、コア型64a,74a等によって形成される型空間CVの形状は、単なる例示であり、レンズLPの用途等に応じて適宜変更することができる。また、第1転写面S1に凹凸形状を設けなくともよい。なお、レンズLPの用途は、互換に限らず、例えばBD単独とすることもできる。
また、上記実施形態において、リーク棒93a,293aの位置はコア型64aの軸心XI上になくてもよく、軸心XIの周囲でもよい。また、リーク棒93a,293aは、複数設けてもよい。
また、リーク棒93a,293aの外形は、同径の円柱に限らず、例えば先細り状のものでもよい。また、リーク棒93a,293aの断面形状は、円状に限らず、例えばリング形状や多角形等、様々な形状とできる。また、リーク棒93a,293aの断面積は、自由に設定することができる。
また、第1及び第2実施形態では、溝91d,94aを4つ設けたが、3つ以下又は5つ以上設けてもよい。
また、第3実施形態では、突き出し部264dを4つ設けたが、3つ以下又は5つ以上設けてもよい。
また、第3実施形態において、突き出し部264dを設けない構成としてもよい。この場合でも、リーク棒293aを後退することにより、第1転写面S1と光学面OS1とが離れやすい状態となっており、そのままステップS18を行うことができる。
10…射出成形機、 11…可動盤、 12…固定盤、 15…開閉駆動装置、 16…射出装置、 20…取出し装置、 21…ハンド、 30…制御装置、 40…成形金型、 41…第1金型、 42…第2金型、 45…エジェクタ、 61…型板、 61b…ランナ凹部、 61e,61f,61g…貫通孔、 62…受板、 63…取付板、 64a,74a…コア型、 64b,74b…外周型、 64c…リーク部、 264d…突き出し部 65,66…突き出しピン、 67a,67b,67c,67d…可動ロッド、 69…進退機構部、 71…型板、 71b…ランナ凹部、71e…貫通孔、 72…取付板、 77…スプルブッシュ、 100…成形装置、 CV…型空間、CV1…本体空間、 CV2…フランジ空間、SP…スプル部、 FC…流路空間、GS…ゲート部分、 MP…成形品、 LP…レンズ、 OP…光機能部、 FL…フランジ部、 GP…ゲート部、 RP…ランナ部、 OS1,OS2…第1,2光学面、 PS1,PS2…パーティング面、 S1,S2,S3,S4…第1〜第4転写面

Claims (9)

  1. レンズのうち光学面を形成するための第1転写面を先端方向に設けた中心部と、型閉じ時に前記中心部の周囲に配置される周辺部と、前記中心部に対して根元方向に相対的に可動な状態で配置され前記中心部の先端方向の一部に露出するリーク部とを有する第1金型と、
    前記第1転写面よりも浅く形成された第2転写面を設けた第2金型と、
    を備えることを特徴とする成形金型。
  2. 前記リーク部は、前記中心部の軸心に沿って延びる挿通孔に挿通されるリーク棒と、前記中心部の周囲から前記リーク棒を支持する支持部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の成形金型。
  3. 前記中心部は、前記挿通孔を介して前記第1転写面の真空状態を解除させるために前記リーク棒の先端に対して相対的に先端方向に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の成形金型。
  4. 前記中心部は、前記リーク部の前記支持部材の軸心方向に沿った相対的な移動を許容する溝を有し、
    前記溝と前記支持部材の一部とは、摺動可能に嵌合していることを特徴とする請求項2及び請求項3のいずれか一項に記載の成形金型。
  5. 前記中心部は、前記周辺部に対して可動であり、
    型開き後に前記中心部を前記周辺部に対して前記第2金型側に前進させる突き出し動作により、前記第1転写面の真空状態が解除されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の成形金型。
  6. 前記第1金型は、前記周辺部に突き出し部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の成形金型。
  7. 前記第1転写面は、微細な凹凸形状を有することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の成形金型。
  8. レンズのうち光学面を形成するための第1転写面を先端方向に設けた中心部を有する第1金型と、前記第1転写面よりも浅く形成された第2転写面を設けた第2金型とを合わせることによって型空間を形成した状態で、前記型空間中においてレンズを成形する第1工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを離間させる型開きにより、前記第2金型からレンズを離型する第2工程と、
    前記第2工程後に前記中心部を周辺部に対して前記第2金型側に前進させることにより、前記中心部の先端を前記中心部の先端方向の一部に露出するリーク部の先端よりも相対的に先端方向に移動させて、前記第1転写面の真空状態を解除する第3工程と、
    前記第3工程後に前記中心部からレンズを離型させる第4工程と、
    を備えることを特徴とする成形方法。
  9. レンズのうち光学面を形成するための第1転写面を先端方向に設けた中心部を有する第1金型と、前記第1転写面よりも浅く形成された第2転写面を設けた第2金型とを合わせることによって型空間を形成した状態で、前記型空間中においてレンズを成形する第1工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを離間させる型開きにより、前記第2金型からレンズを離型する第2工程と、
    前記第2工程後に前記中心部の先端方向の一部に露出するリーク部を前記中心部に対して前記第1金型の根元方向に後退させることにより、前記中心部の先端を前記リーク部の先端よりも相対的に先端方向に移動させて、前記第1転写面の真空状態を解除する第3工程と、
    前記中心部からレンズを離型させる第4工程と、
    を備えることを特徴とする成形方法。
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