JP2012153635A - アニリン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体の中間体として有用なアニリン誘導体を高収率で製造方法の提供。
【解決手段】(3)のアニリン誘導体を(1)のアニリン誘導体と(2)のヨウ化化合物とを不活性溶剤又は不活性溶剤と水との混合液とを含む反応液中で、前記反応液のpHを所定の酸性の範囲に保ちながら、反応させて製造する。
(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y1は炭素数1〜3のハロアルキル基などを示し、Y2及びY4は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y3は水素原子を示し、R3は炭素数1〜5のハロアルキル基を示す。)
【選択図】なし
【解決手段】(3)のアニリン誘導体を(1)のアニリン誘導体と(2)のヨウ化化合物とを不活性溶剤又は不活性溶剤と水との混合液とを含む反応液中で、前記反応液のpHを所定の酸性の範囲に保ちながら、反応させて製造する。
(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y1は炭素数1〜3のハロアルキル基などを示し、Y2及びY4は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y3は水素原子を示し、R3は炭素数1〜5のハロアルキル基を示す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、アニリン誘導体の製造方法に関する。
国際公開第2010/013567パンフレット及び国際公報第2010/018714号パンフレットには下記一般式(1a)で表されるアニリン誘導体を中間体として有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体の製造方法が記載されている。
また下記一般式(1a)で表されるアニリン誘導体の製造方法が特許第4126638号公報に開示されている。
また下記一般式(1a)で表されるアニリン誘導体の製造方法が特許第4126638号公報に開示されている。
一般式(1a)中、R1aは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。Y1aは炭素数1〜3のハロアルキル基を示し、Y5aは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のハロアルコキシ基又は炭素数1〜4のハロアルキル基を示し、Y3aは炭素数2〜4のパーフルオロアルキル基を示す。Y2a及びY4aはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
しかしながら、特許第4126638号公報に記載の製造方法には、収率向上の余地があった。
本発明は、有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体の中間体として有用なアニリン誘導体を高収率で製造することができる製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体の中間体として有用なアニリン誘導体を高収率で製造することができる製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、国際公開第2010/013567号パンフレット、国際公報第2010/018714号パンフレット等に記載されている有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体の中間体として有用なアニリン誘導体の新規な製造方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、反応中における反応液のpHを酸性の範囲(好ましくは弱酸性)を維持するように細かく調節することにより、かかるアニリン誘導体を高収率で製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
<1> 下記一般式(1)
すなわち、本発明は以下の通りである。
<1> 下記一般式(1)
(一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y1はハロゲン原子、炭素数1〜6のハロアルコキシ基又は炭素数1〜3のハロアルキル基を示し、Y2及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y3は水素原子を示す。)で表されるアニリン誘導体と、下記一般式(2)
(一般式(2)中、R3は炭素数1〜5のハロアルキル基を示す。)で表されるヨウ化化合物と、不活性溶剤又は不活性溶剤と水との混合液とを含む反応液中で、
前記反応液のpHを所定の酸性の範囲に保ちながら、前記一般式(1)で表されるアニリン誘導体と、前記一般式(2)で表されるヨウ化化合物とを反応させる工程を含む、下記一般式(3)
前記反応液のpHを所定の酸性の範囲に保ちながら、前記一般式(1)で表されるアニリン誘導体と、前記一般式(2)で表されるヨウ化化合物とを反応させる工程を含む、下記一般式(3)
(一般式(3)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y1はハロゲン原子、炭素数1〜6のハロアルコキシ基又は炭素数1〜3のハロアルキル基を示し、Y2及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3は炭素数1〜5のハロアルキル基を示す。)で表されるアニリン誘導体の製造方法。
<2> 前記反応液のpHの範囲が4.0〜6.0である、前記<1>に記載の製造方法。
<3> 前記一般式(1)〜一般式(3)において、R1及びR2が水素原子を示し、Y1が炭素数1〜3のハロアルキル基を示し、Y2及びY4が水素原子を示し、R3が炭素数3〜4のパーフルオロアルキル基である、前記<2>に記載の製造方法。
本発明によれば、有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体の中間体として有用なアニリン誘導体を高収率で製造することができる製造方法を提供することができる。
本発明の下記一般式(3)で表されるアニリン誘導体の製造方法は、下記一般式(1)で表されるアニリン誘導体と、下記一般式(2)で表されるヨウ化化合物と、不活性溶剤又は不活性溶剤と水との混合液とを含む反応液中で、反応液のpHを所定の酸性の範囲に保ちながら、前記一般式(1)で表されるアニリン誘導体と、前記一般式(2)で表されるヨウ化化合物とを反応させるハロアルキル化工程を含むことを特徴とする。
反応中における反応液のpHを酸性の範囲(好ましくは弱酸性)を維持するように調節することにより、従来の製造方法に比べて優れた収率で、下記一般式(3)で表されるアニリン誘導体を製造することができる。
反応中における反応液のpHを酸性の範囲(好ましくは弱酸性)を維持するように調節することにより、従来の製造方法に比べて優れた収率で、下記一般式(3)で表されるアニリン誘導体を製造することができる。
式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。Y1はハロゲン原子、炭素数1〜6のハロアルコキシ基又は炭素数1〜3のハロアルキル基を示す。Y2及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。Y3は水素原子を示し、R3は炭素数1〜5のハロアルキル基を示す。
本明細書の一般式において使用される文言はその定義においてそれぞれ以下に説明されるような意味を有する。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
「ハロゲン原子」とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
「n−」とはノルマルを意味し、「i−」はイソを意味し、「s−」はセカンダリーを意味し、「t−」はターシャリーを意味する。
「n−」とはノルマルを意味し、「i−」はイソを意味し、「s−」はセカンダリーを意味し、「t−」はターシャリーを意味する。
「炭素数1〜4のアルキル基」とは例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4個のアルキル基を示す。
「炭素数1〜6のハロアルコキシ基」とは例えば、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2−クロロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロ−n−プロポキシ基、ヘプタフルオロ−i−プロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、3−フルオロ−n−プロポキシ基、1−クロロシクロプロポキシ基、2−ブロモシクロプロポキシ基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−2−ブトキシ基、ノナフルオロ−n−ブトキシ基、ノナフルオロ−2−ブトキシ基、5,5,5−トリフルオロ−n−ペンチルオキシ基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−2−ペンチルオキシ基、3−クロロ−n−ペンチルオキシ基、4−ブロモ−2−ペンチルオキシ基、4−クロロブチルオキシ基、2−ヨード−n−プロピルオキシ基などの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜6個のアルコキシ基を示す。
「炭素数1〜6のハロアルコキシ基」とは例えば、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2−クロロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロ−n−プロポキシ基、ヘプタフルオロ−i−プロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、3−フルオロ−n−プロポキシ基、1−クロロシクロプロポキシ基、2−ブロモシクロプロポキシ基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−2−ブトキシ基、ノナフルオロ−n−ブトキシ基、ノナフルオロ−2−ブトキシ基、5,5,5−トリフルオロ−n−ペンチルオキシ基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−2−ペンチルオキシ基、3−クロロ−n−ペンチルオキシ基、4−ブロモ−2−ペンチルオキシ基、4−クロロブチルオキシ基、2−ヨード−n−プロピルオキシ基などの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜6個のアルコキシ基を示す。
「炭素数1〜3のハロアルキル基」とは例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、1,3−ジフルオロ−2−プロピル基、1,3−ジクロロ−2−プロピル基、1−クロロ−3−フルオロ−2−プロピル基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル基、2,3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−クロロ−2−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ブロモ−2−プロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−クロロ−n−プロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ブロモ−n−プロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−ブロモ−2−プロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、3−フルオロ−n−プロピル基、3−クロロ−n−プロピル基、3−ブロモ−n−プロピル基などの同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子によって置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜3個のアルキル基を示す。
「炭素数1〜5のハロアルキル基」とは例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、1,3−ジフルオロ−2−プロピル基、1,3−ジクロロ−2−プロピル基、1−クロロ−3−フルオロ−2−プロピル基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル基、2,3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、4,4,4−トリフルオロ−n−ブチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−クロロ−2−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ブロモ−2−プロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−クロロ−n−プロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ブロモ−n−プロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−ブロモ−2−プロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、3−フルオロ−n−プロピル基、3−クロロ−n−プロピル基、3−ブロモ−n−プロピル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−2−ブチル、ノナフルオロ−n−ブチル基、ノナフルオロ−2−ブチル基、5,5,5−トリフルオロ−n−ペンチル基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−2−ペンチル基、3−クロロ−n−ペンチル基、4−ブロモ−2−ペンチル基などの同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子によって置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜5個のアルキル基を示す。
「炭素数3〜4のパーフルオロアルキル基」とは、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−i−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−i−ブチル基、パーフルオロ−s−ブチル基、パーフルオロ−t−ブチル基などの全ての水素原子がフッ素原子によって置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数3〜4個のアルキル基を示す。
本発明の一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表される化合物は、その構造式中に、1個又は複数個の不斉炭素原子又は不斉中心を含む場合があり、2種以上の光学異性体が存在する場合もあるが、本発明は各々の光学異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。また、本発明の一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表される化合物は、その構造式中に、炭素−炭素二重結合に由来する2種以上の幾何異性体が存在する場合もあるが、本発明は各々の幾何異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。
本発明の一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表される化合物中の置換基等の好ましい置換基又は原子の組合せは以下のとおりである。
R1及びR2として好ましくは、水素原子である。
Y1として好ましくは、炭素数1〜3のハロアルキル基である。
Y2及びY4として好ましくは、水素原子である。
R3として好ましくは、炭素数3〜4のパーフルオロアルキル基である。
R1及びR2として好ましくは、水素原子である。
Y1として好ましくは、炭素数1〜3のハロアルキル基である。
Y2及びY4として好ましくは、水素原子である。
R3として好ましくは、炭素数3〜4のパーフルオロアルキル基である。
以下に本発明の詳細な説明を示す。なお、以下の製造方法に示される一般式においては、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3及びY4は前記一般式(1)及び前記一般式(2)におけるR1、R2、R3、Y1、Y2、Y3及びY4とそれぞれ同じものを示す。
一般式(1)+一般式(2) → 一般式(3)
一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とを、不活性溶剤を含む溶媒中で、反応液のpHが所定の酸性の範囲を保つように調整しつつ、反応を行なうことにより、一般式(3)で表されるアニリン誘導体を製造することができる。
一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とを、不活性溶剤を含む溶媒中で、反応液のpHが所定の酸性の範囲を保つように調整しつつ、反応を行なうことにより、一般式(3)で表されるアニリン誘導体を製造することができる。
前記反応液のpHの範囲は、反応収率の観点から、4.0〜6.0の範囲であることが好ましく、4.5〜5.5の範囲がより好ましく、4.8〜5.2の範囲がさらに好ましく、4.9〜5.0の範囲が特に好ましい。
また反応液のpHは、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とが反応可能な状態になった時点から、反応を止める時点まで弱酸性の範囲に維持することが好ましい。
また反応液のpHは、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とが反応可能な状態になった時点から、反応を止める時点まで弱酸性の範囲に維持することが好ましい。
反応液のpHが所定の酸性の範囲を保つように調整する方法は、特に制限されず通常用いられる方法を適宜選択することができる。例えば、反応液中に緩衝剤を添加する方法、反応の進行に応じて塩基を添加する方法等を挙げることができる。
緩衝剤としては反応液のpHを所定の酸性の範囲に維持できるものであれば特に制限されない。例えば、酢酸と酢酸ナトリム、酢酸カリウムなどの酢酸塩類を組み合わせた酢酸緩衝液、リン酸ニ水素ナトリウム、リン酸水素ニナトリウムなどのリン酸緩衝液、クエン酸とクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなどのクエン酸塩類を組み合わせたクエン酸緩衝液、クエン酸とリン酸水素ニナトリウムを組み合わせたクエン酸−リン酸緩衝液などを示すことができる。
また緩衝剤の添加量は、反応液のpHを所定の酸性の範囲に維持できれば特に制限されず、製造条件に応じて適宜選択することができる。
また緩衝剤の添加量は、反応液のpHを所定の酸性の範囲に維持できれば特に制限されず、製造条件に応じて適宜選択することができる。
塩基としては反応液のpHを所定の酸性の範囲に維持できるものであれば特に制限されない。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属類、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩類等の無機塩基類、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基類などを示すことができる。
塩基としては、反応収率の観点から、無機塩基類を使用することが好ましく、炭酸塩類を使用することがより好ましい。
また塩基の添加量は、反応液のpHを所定の酸性の範囲に維持できれば特に制限されず、製造条件等に応じて適宜選択することができる。
塩基としては、反応収率の観点から、無機塩基類を使用することが好ましく、炭酸塩類を使用することがより好ましい。
また塩基の添加量は、反応液のpHを所定の酸性の範囲に維持できれば特に制限されず、製造条件等に応じて適宜選択することができる。
本発明においては、反応溶媒として不活性溶剤、又は、不活性溶剤と水との混合物を用いる。
不活性溶剤としては、本反応の進行を著しく阻害しない有機溶剤であればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状又は環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを示すことができる。これらの不活性溶剤は単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
不活性溶剤としては、本反応の進行を著しく阻害しない有機溶剤であればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状又は環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを示すことができる。これらの不活性溶剤は単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
反応溶媒として不活性溶剤と水との混合物を用いる場合、不活性溶剤は水と混和する有機溶剤であっても、水と混和しない有機溶剤であってもよい。不活性溶剤は反応収率の観点から、水と混和しない有機溶剤であることが好ましく、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類及びエステル類から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、エステル類から選ばれる少なくとも1種であることがさらに好ましい。
不活性溶剤加えて水を用いる場合、不活性溶剤と水の使用量は特に制限されない。例えば2:1〜1:2(不活性溶剤:水)とすることができる。
不活性溶剤加えて水を用いる場合、不活性溶剤と水の使用量は特に制限されない。例えば2:1〜1:2(不活性溶剤:水)とすることができる。
反応溶媒として不活性溶剤と水との混合物を用いる場合、相間移動触媒を用いてもよい。
相間移動触媒としては、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラブチルアンモニウムブロミドなどの四級アンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロミドなどの有機リン塩化合物、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンなどのアルキルポリエーテルアルキルアミン化合物などを例示することができる。
これらの相間移動触媒を使用する場合は、一般式(1)で表される化合物に対して1/500から2倍モル当量の範囲で適宜選択して使用すればよい。
相間移動触媒としては、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラブチルアンモニウムブロミドなどの四級アンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロミドなどの有機リン塩化合物、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンなどのアルキルポリエーテルアルキルアミン化合物などを例示することができる。
これらの相間移動触媒を使用する場合は、一般式(1)で表される化合物に対して1/500から2倍モル当量の範囲で適宜選択して使用すればよい。
本発明におけるハロアルキル化工程は、反応開始剤の存在下又は光照射下で行なうことが好ましい。
反応開始剤としては還元剤等を挙げることができる。還元剤としては例えば、亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウムなど亜ジチオン酸塩、亜鉛−亜鉛硫水などを示すことができる。これらの還元剤は一般式(1)で表される化合物に対して1/100から2倍モル当量の範囲で適宜選択して使用すればよい。
反応開始剤としては還元剤等を挙げることができる。還元剤としては例えば、亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウムなど亜ジチオン酸塩、亜鉛−亜鉛硫水などを示すことができる。これらの還元剤は一般式(1)で表される化合物に対して1/100から2倍モル当量の範囲で適宜選択して使用すればよい。
光照射として使用する光源は反応開始に十分なエネルギーを有するものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、高圧水銀ランプなどを挙げることができる。
ハロアルキル化工程においては、還元剤又は光照射を、それぞれ単独で使用してもよく、両方を併用して使用することもできる。
ハロアルキル化工程においては、還元剤又は光照射を、それぞれ単独で使用してもよく、両方を併用して使用することもできる。
ハロアルキル化工程における反応温度は特に制限されず、−20℃から使用する溶媒の還流温度の範囲で適宜選択すればよい。また反応時間は、数分から96時間の範囲で適宜選択すればよい。
本発明の製造方法において、目的物である一般式(3)で表されるアニリン誘導体は、反応液から常法に従って単離すればよいが、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留などの操作を行って精製することができる。また、反応液から目的物を単離せずに次の反応工程に供することも可能である。
一般式(3)で表されるアニリン誘導体において、R1及びR2の少なくとも一方が炭素数1〜6のアルキル基の場合、一般式(1)で表される化合物としてR1及びR2の少なくとも一方が炭素数1〜6のアルキル基である化合物に本発明の製造方法を適用してもよく、また、一般式(1)で表される化合物としてR1及びR2が水素原子である化合物に本発明の製造方法を適用した後、常法に従って炭素数1〜6のアルキル基を窒素原子上に導入してもよい。
炭素数1〜6のアルキル基を窒素原子上に導入する方法としては例えば、アルキル化剤との反応によるN−アルキル化、又はアルデヒド類と反応させた後、水素雰囲気下、パラジウム触媒、ニッケル触媒などを反応させることによるN−アルキル化、アルデヒド類と反応させた後、還元剤を処理することによるN−アルキル化により一般式(3)で表されるアニリン誘導体を製造することができる。
還元剤としては、ソディウムボロハイドライド、ソディウムシアノボロハイドライド、ソディウムトリアセテートボロハイドライドなどのボロハイドライド類などを示すことができる。
還元剤としては、ソディウムボロハイドライド、ソディウムシアノボロハイドライド、ソディウムトリアセテートボロハイドライドなどのボロハイドライド類などを示すことができる。
本発明のアニリン誘導体の製造方法により得られる一般式(3)で表されるアニリン誘導体は、有害生物防除作用に卓効を示すアミド誘導体の製造方法において極めて有用な製造中間体である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。1H−NMRの化学シフト値は、特に記載がない限り、テトラメチルシランを内部基準物質として使用した値である。また、特記しない限り「%」は質量基準である。
<実施例1>
4−(パーフルオロプロパン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリンの製造
4−(パーフルオロプロパン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリンの製造
2−(トリフルオロメチル)アニリン10.0g(62.1mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.18g(3.48mmol)、80%ハイドロサルファイトナトリウム13.5g(62.1mmol)、を酢酸エチル100ml、水100mlの混合溶液に装入した。次いで、酢酸エチル24mlに溶解したヘプタフルオロイソプロピルヨージド36.8g(124mmol)を室温で90分かけて滴下した後、室温でさらに5時間攪拌した。滴下中および滴下後の攪拌中における反応液のpHが4.9〜5.0の範囲を維持するように10%炭酸ナトリウム水溶液を連続的に添加した。
分液後、有機層のHPLC分析によると目的物の収率は85%であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm)δ4.49(2H,broad−s),6.81(1H,d,J=8.3Hz),7.48(1H,d,J=8.3Hz),7.64(1H,s).
分液後、有機層のHPLC分析によると目的物の収率は85%であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm)δ4.49(2H,broad−s),6.81(1H,d,J=8.3Hz),7.48(1H,d,J=8.3Hz),7.64(1H,s).
<実施例2>
4−(パーフルオロプロパン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリンの製造
2−(トリフルオロメチル)アニリン40.0g(0.25mol)と水50mlの混合液に80%ハイドロサルファイトナトリウム54.0g(0.25mmol)を加えた後、N,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解したヘプタフルオロイソプロピルヨージド73.5g(0.25mol)を室温で90分かけて滴下した後、室温でさらに5時間攪拌した。滴下中および滴下後の攪拌中は、反応液のpHが4.9〜5.0の範囲を維持するように10%炭酸ナトリウム水溶液を連続的に添加した。
分液後、有機層のHPLC分析によると目的物の収率は63%であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm)δ4.49(2H,broad−s),6.81(1H,d,J=8.3Hz),7.48(1H,d,J=8.3Hz),7.64(1H,s).
<比較例1>
4−(パーフルオロプロパン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリンの製造
4−(パーフルオロプロパン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリンの製造
2−(トリフルオロメチル)アニリン40.0g(0.25mol)と水50mlの混合液に80%ハイドロサルファイトナトリウム54.0g(0.25mmol)を加えた後、N,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解したヘプタフルオロイソプロピルヨージド73.5g(0.25mol)を室温で90分かけて滴下した後、室温でさらに5時間攪拌した。滴下中および滴下後の攪拌中は、反応液のpHが4.9〜5.0の範囲を維持するように10%炭酸ナトリウム水溶液を連続的に添加した。
分液後、有機層のHPLC分析によると目的物の収率は63%であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm)δ4.49(2H,broad−s),6.81(1H,d,J=8.3Hz),7.48(1H,d,J=8.3Hz),7.64(1H,s).
<比較例1>
4−(パーフルオロプロパン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリンの製造
20mlの酢酸エチルに溶解した2−(トリフルオロメチル)アニリン7.00g(43.4mmol)に水70mlを加え、さらに水酸化ナトリウム2.69g(65.2mmol)を加えて溶解させた。次いで、80%ハイドロサルファイトナトリウム14.2g(65.2mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.62g(4.78mmol)を加え、さらに酢酸エチル溶液15mlに溶解したヘプタフルオロイソプロピルヨージド12.9g(43.4mmol)を加えて室温で6時間攪拌した。
分液後、有機層のHPLC分析によると目的物の収率は29%であった。
尚、80%ハイドロサルファイトナトリウムを加える前の反応液のpHは9.4であり、反応終了後の反応液のpHは4.9であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm)δ4.49(2H,broad−s),6.81(1H,d,J=8.3Hz),7.48(1H,d,J=8.3Hz),7.64(1H,s).
分液後、有機層のHPLC分析によると目的物の収率は29%であった。
尚、80%ハイドロサルファイトナトリウムを加える前の反応液のpHは9.4であり、反応終了後の反応液のpHは4.9であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm)δ4.49(2H,broad−s),6.81(1H,d,J=8.3Hz),7.48(1H,d,J=8.3Hz),7.64(1H,s).
以上から、本発明のアニリン誘導体の製造方法によって、一般式(3)で表されるアニリン誘導体を優れた収率で製造できることが分かる。
Claims (3)
- 下記一般式(1)
(一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y1はハロゲン原子、炭素数1〜6のハロアルコキシ基又は炭素数1〜3のハロアルキル基を示し、Y2及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y3は水素原子を示す。)で表されるアニリン誘導体と、下記一般式(2)
(一般式(2)中、R3は炭素数1〜5のハロアルキル基を示す。)で表されるヨウ化化合物と、不活性溶剤又は不活性溶剤と水との混合液とを含む反応液中で、
前記反応液のpHを所定の酸性の範囲に保ちながら、前記一般式(1)で表されるアニリン誘導体と、前記一般式(2)で表されるヨウ化化合物とを反応させる工程を含む、下記一般式(3)
(一般式(3)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y1はハロゲン原子、炭素数1〜6のハロアルコキシ基又は炭素数1〜3のハロアルキル基を示し、Y2及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3は炭素数1〜5のハロアルキル基を示す。)で表されるアニリン誘導体の製造方法。 - 前記反応液のpHの範囲が4.0〜6.0である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記一般式(1)〜一般式(3)において、R1及びR2が水素原子を示し、Y1が炭素数1〜3のハロアルキル基を示し、Y2及びY4が水素原子を示し、R3が炭素数3〜4のパーフルオロアルキル基である、請求項2に記載の製造方法。
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EP3943483A1 (de) | 2021-05-26 | 2022-01-26 | Bayer AG | Verfahren zur herstellung von substituierten anilinen |
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-
2011
- 2011-01-25 JP JP2011013411A patent/JP2012153635A/ja active Pending
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JP7547340B2 (ja) | 2018-12-20 | 2024-09-09 | バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト | 置換アニリンの製造方法 |
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