JP2012144714A - アクリル系樹脂組成物、アクリル系樹脂フィルム、積層シート及び積層成形品 - Google Patents

アクリル系樹脂組成物、アクリル系樹脂フィルム、積層シート及び積層成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】表面硬度及びカッターカット性に優れ、インサート成形又はインモールド成形時の耐成形白化性に優れ、且つトリミング加工性に優れたアクリル系樹脂フィルムを得るために好適なアクリル系樹脂組成物、それから得られるアクリル系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルムと熱可塑性樹脂シートが積層された積層シート及びアクリル系樹脂フィルム又は積層シートを基材の表面に積層して得られる積層成形品を提供する。
【解決手段】特定の単量体成分(a)の重合体(A)の存在下に特定の単量体成分(c)の重合体(C)を形成して得られるゴム含有重合体を含有するアクリル系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物から得られるアクリル系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルムと熱可塑性樹脂シートが積層された積層シート及びアクリル系樹脂フィルム又は積層シートを基材の表面に積層して得られる積層成形品。
【選択図】なし

Description

本発明はアクリル系樹脂組成物、アクリル系樹脂フィルム、積層シート及び積層成形品に関する。
低コストで成形品に意匠性を付与する方法として、例えば、インサート成形法及びインモールド成形法が挙げられる。
インサート成形法は、印刷等の加飾を施した、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等のシートを予め真空成形等によって三次元の形状に成形し、不要な部分を除去して得られる成型物を射出成形金型内に移し、基材となる樹脂を射出成形することにより成型物と基材とが一体化された成形品を得る方法である。
一方、インモールド成形法は、印刷等の加飾を施した、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等のシートを射出成形金型内に設置して真空成形した後に、同じ金型内で基材となる樹脂を射出成形することにより真空成形されたシートと基材とが一体化された成形品を得る方法である。
インサート成形やインモールド成形に用いることができる表面硬度及び耐熱性に優れ、且つ耐成形白化性に優れるアクリル樹脂フィルムとして、例えば特許文献1には、特定の組成からなるゴム含有重合体と特定の組成からなる熱可塑性重合体とを特定の割合で混合して得られるアクリル樹脂フィルムが提案されている。
上記のアクリル樹脂フィルムは成形品に加飾性を付与することができるばかりでなく、クリア塗装用塗料の代替材料としての機能を有すると共に、従来のアクリル樹脂フィルムに比べ、下記(1)〜(3)のような成形白化による意匠性の低下を招く可能性が低いため、工業的利用価値の高いものであった。
(1)インサート成形では真空成形後にアクリル樹脂フィルムの不要部分を取り除くために、また、インモールド成形では成形品からはみ出したアクリル樹脂フィルムを取り除くために、打ち抜き加工を行うと打ち抜き加工後の成形品の端部に白化が生じる。
(2)アンダーカットデザインの成形品を金型から取り外す際に成形品の表面に白化が生じる。
(3)凸又は凹の形状の文字等のデザインを有する成形品を得るために凹み又は凸のある金型を使用した際に、真空成形又は圧空成形の後も凹み又は凸部分ではアクリル樹脂フィルムが金型に完全に追従しない状態でアクリル樹脂フィルムのTg以下の温度で基材樹脂を射出成形した場合には、射出成形時の樹脂圧によりアクリル樹脂フィルムが延伸されてアクリル樹脂フィルムの延伸部に白化が生じ易く、場合によっては割れが生じる。
しかしながら、特許文献1のアクリル樹脂フィルム又はこれを含む積層シートを用いてインサート成形する際に、真空成形後にアクリル樹脂フィルム又はこれを含む積層シートの不要部分を取り除くための打ち抜き加工(以下、「トリミング加工」という)の工程において、アクリル樹脂フィルムに割れやクラックが発生する場合がある。
従って、アクリル樹脂フィルムのトリミング加工に際しては、刃を当てる際の角度、打ち抜きプレス圧力、刃とのクリアランス等の良好な成形品を得るための最適な加工条件幅が狭いという問題があり、また、使用する刃のメンテナンスに細心の注意を払う必要があることから、アクリル樹脂フィルムのトリミング加工性は十分とは言えなかった。
特開2005−163003号公報
本発明は、表面硬度及びカッターカット性に優れ、インサート成形又はインモールド成形時の耐成形白化性に優れ、且つトリミング加工性に優れたアクリル系樹脂フィルムを得るために好適なアクリル系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物から得られるアクリル系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルムと熱可塑性樹脂シートが積層された積層シート及びアクリル系樹脂フィルム又は積層シートを基材の表面に積層して得られる積層成形品を提供することを目的とする。
本発明の要旨とするところは、下記の単量体成分(a)の重合体(A)の存在下に下記の単量体成分(c)の重合体(C)を形成して得られるゴム含有重合体を含有するアクリル系樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」という)を第1の発明とする。
<単量体成分(a)の組成>
(a−1)成分:アクリル酸アルキル40〜99.9質量%
(a−2)成分:(a−1)成分以外の共重合性モノビニル単量体0〜59.9質量%
(a−3)成分:下記式(1)で表される多官能性単量体0.1〜20質量%
(a−4)成分:(a−3)成分以外の多官能性単量体0〜10質量%
<単量体成分(c)の組成>
(c−1)成分:メタクリル酸アルキル50〜100質量%
(c−2)成分:(a−1)成分及び(c−1)成分以外の共重合性モノビニル単量体0〜50質量%
(c−3)成分:下記(1)で表される多官能性単量体0〜20質量%
(c−4)成分:(c−3)成分以外の多官能性単量体0〜10質量%
CH2=CR1−CO−(X)−COCR1=CH2・・・(1)
(但し、R1はH又はCH3であり、Xはポリアルキレンの繰り返し単位、ポリアルキレングリコールの繰り返し単位、ポリエステルジオールの繰り返し単位、ポリカーボネートジオールの繰り返し単位、エチレンオキシド変性ビスフェノールA、プロピレンオキシド変性ビスフェノールA、エチレンオキシド変性水添ビスフェノールA及びプロピレンオキシド変性水添ビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種の二価残基を示し、数平均分子量(Mn)が300以上のもの。)。
また、本発明の要旨とするところは、重合体(A)が、単量体成分(a)を予め水及び界面活性剤と混合して調製した乳化液を重合容器に供給して重合して得られたものであるアクリル系樹脂組成物を第2の発明とする。
また、本発明の要旨とするところは、本樹脂組成物から得られるアクリル系樹脂フィルム(以下、「本フィルム」という)を第3の発明とする。
また、本発明の要旨とするところは、少なくとも一方の面の60度表面光沢度が100%以下であるアクリル系樹脂フィルム(以下、「本艶消しフィルム」という)を第4の発明とする。
更に本発明の要旨とするところは、本フィルムまたは本艶消しフィルムと熱可塑性樹脂シートが積層された積層シート(以下、「本積層シート」という)を第5の発明とする。
また、本発明の要旨とするところは、本フィルムまたは本艶消しフィルム、あるいは、本積層シートを、基材の表面に積層して得られる積層成形品(以下、「本積層成形品」という)を第6の発明とする。
本発明のアクリル樹脂フィルムは、表面硬度及びカッターカット性に優れ、インサート成形又はインモールド成形の際に耐成形白化性に優れる。特に本フィルムは、積層成形品に深み感を付与するための塗装による厚膜塗膜の代替膜とすることができ、インストルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバー、ドアロックペゼル、ステアリングホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッシュボード等の自動車内装用途;ウェザーストリップ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドアモール、ウインドモール、窓、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、風防部品等の自動車外装用途;AV機器や家具製品のフロントパネル、エンブレム、携帯電話等のハウジング用途;表示窓用途;ボタン用途;家具用外装材用途;壁面、天井、床等の建築用内装材用途;サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材用途;窓枠、扉、手すり、敷居、鴨居等の家具類の表面化粧材用途;各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラス等の光学部材用途;電車、航空機、船舶等の自動車以外の各種乗り物の内外装用途;瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器;景品、小物材料等の雑貨用途等の種々の用途への使用に好適である。
(単量体成分(a))
本発明において、単量体成分(a)は重合体(A)を得るための単量体成分である。
単量体成分(a)は後述する(a−1)成分、(a−2)成分、(a−3)成分及び(a−4)成分を含有する。
(a−1)成分はアクリル酸アルキルである。
(a−1)成分としては、例えば、アルキル基が直鎖状又は分岐鎖状のアクリル酸アルキルが挙げられる。
(a−1)成分の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸n−オクチルが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。中でも、アクリル酸n−ブチルが好ましい。
(a−2)成分は(a−1)成分と共重合可能な(a−1)成分以外の共重合性モノビニル単量体である。
(a−2)成分としては、例えば、メタクリル酸アルキル、低級アルコキシアクリレート、シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル系単量体;スチレン、アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物;及びN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のイミド系単量体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記のメタクリル酸アルキルのアルキル基は直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよい。
メタクリル酸アルキルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル及びメタクリル酸n−ブチルが挙げられる。中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
(a−3)成分は式(1)で表される多官能性単量体である。
式(1)中のXはポリアルキレンの繰り返し単位、ポリアルキレングリコールの繰り返し単位、ポリエステルジオールの繰り返し単位、ポリカーボネートジオールの繰り返し単位、エチレンオキシド変性ビスフェノールA、プロピレンオキシド変性ビスフェノールA、エチレンオキシド変性水添ビスフェノールA及びプロピレンオキシド変性水添ビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種の二価残基を示す。
本発明において、XのMnとしては300以上でなければならない。600以上がより好ましく、900以上がさらに好ましい。XのMnを300以上とすることにより本フィルムはカッターカット性に優れ、インサート成形又はインモールド成形後の本フィルムのトリミング加工性及び耐成形白化性に優れる傾向にある。
またXのMnとしては、(a−3)成分の合成のし易さの点で、10,000以下が好ましく、2,000以下がより好ましい。
Xの形態としては、一種の繰返し単位の連鎖又は二種以上の繰返し単位の連鎖のいずれでもよい。また、Xの形態が二種以上の繰返し単位の連鎖である場合、繰返し単位の配列組成としては、ランダム組成、ブロック組成又は交互組成のいずれでもよい。
(a−3)成分の具体例としては、新中村化学工業(株)製の「NKエステル9G」、NKエステルAPG−700(ポリプロピレングリコールジアクリレート、XのMn:696)、NKエステル14G(ポリエチレングリコールジメタクリレート、XのMn:616)及びNKエステル23G(ポリエチレングリコールジメタクリレート、XのMn:1012)、「NKエステルBPE−100」、「NKエステルBPE−200」、「NKエステルBPE−500」、「NKエステルBPE−900」、「NKエステルBPE−1300N」、「NKエステル1206PE」、「NKエステルA−400」、「NKエステルA−600」(ポリエチレングリコールジアクリレート、XのMn:616)、「NKエステルA−1000」(ポリエチレングリコールジアクリレート、XのMn:1012)、「NKエステルA−B1206PE」、「NKエステルABE−300」、「NKエステルA−BPE−10」、「NKエステルA−BPE−20」、「NKエステルA−BPE−30」及び「NKエステルA−BPE−4」;日油(株)製「ブレンマーPDE−400」、「ブレンマーPDE−600」(ポリエチレングリコールジメタクリレート、XのMn:616)、「ブレンマーPDP−400N」、「ブレンマーPDP−700」(ポリプロピレングリコールジメタクリレート、XのMn:696)、「ブレンマーPDT−650」(ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、XのMn:648)、「ブレンマー40PDC−1700」(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのランダム共重合体ジメタクリレート、XのMn:1704)、「ブレンマーPDBE−200」、「ブレンマーPDBE−250」、「ブレンマーPDBE−450」、「ブレンマーPDBE−1300」、「ブレンマーPDBP−600」、「ブレンマーADE−400」、「ブレンマーADE−600」(ポリエチレングリコールジアクリレート、XのMn:616)及び「ブレンマーADP−400」;宇部興産(株)製「PCD−DA」及び「PCD−DM」;三菱レイヨン(株)製「アクリエステルPBOM」(ポリブチレングリコールジメタクリレート、XのMn:648);共栄社化学(株)製「ライトエステル9EG」及び「ライトエステル14EG」;並びに日立化成(株)製「ファンクリルFA−321M」及び「ファンクリルFA−023M」(いずれも商品名)等が挙げられる。
(a−3)成分は単独で又は2種以上を混合して使用できる。
(a−4)成分は重合性二重結合を1分子内に2個以上有する(a−3)成分以外の多官能性単量体である。
(a−4)成分の具体例としては、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジメタクリレート;及びジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼンが挙げられる。中でも、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
また、本発明においては(a−4)成分として、異なる共重合性の二重結合を1分子内に2個以上有する単量体(以下、「グラフト交叉剤」という)を使用することができる。
グラフト交叉剤としては、例えば、共重合性のα,β−不飽和カルボン酸又はジカルボン酸のアリル、メタリル又はクロチルエステルが挙げられる。中でも、メタクリル酸アリルが好ましい。
また、グラフト交叉剤としてはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌレート系化合物も有効である。
(a−4)成分は単独で又は2種以上を混合して使用できる。
本発明においては、必要に応じて単量体成分(a)中に連鎖移動剤を含有することができる。
連鎖移動剤としては、例えば、炭素数2〜20のアルキルメルカプタン、メルカプト酸類、チオフェノール及び四塩化炭素が挙げられる。
単量体成分(a)中の(a−1)成分の含有量は40〜99.9質量%である。
単量体成分(a)中の(a−1)成分の含有量としては、本フィルムの耐成形白化性の点で、45質量%以上が好ましい。また、単量体成分(a)中の(a−1)成分の含有量としては、本フィルムの表面硬度や耐熱性の点で、79.9質量%以下が好ましく、69.9質量%以下がより好ましい。
単量体成分(a)中の(a−2)成分の含有量は0〜59.9質量%である。
単量体成分(a)中の(a−2)成分の含有量としては、本フィルムの表面硬度や耐熱性の点で、20質量%以上が好ましい。また、単量体成分(a)中の(a−2)成分の含有量としては、本フィルムの耐成形白化性の点で、54.9質量%以下が好ましい。
単量体成分(a)中の(a−3)成分の含有量は0.1〜20%質量である。
単量体成分(a)中の(a−3)成分の含有量としては、本フィルムのカッターカット性やインサート成形又はインモールド成形後のトリミング加工性の点で、6質量%以上が好ましい。また、単量体成分(a)中の(a−3)成分の含有量としては、単量体成分(a)の原料コストの点で、18質量%以下が好ましい。
単量体成分(a)中の(a−4)成分の含有量は0〜10質量%である。
単量体成分(a)中の(a−4)成分の含有量としては、本フィルムの耐成形白化性の点で、0.1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。また、単量体成分(a)中の(a−4)成分の含有量としては、本フィルムのカッターカット性やインサート成形又はインモールド成形後のトリミング加工性の点で、5質量%以下が好ましい。
(重合体(A))
本発明において、重合体(A)は単量体成分(a)を重合して得られる重合体である。
重合体(A)を得るための単量体成分である(a−1)成分と(a−2)成分の単量体の種類及び組成比としては、(a−1)成分と(a−2)成分の2成分を用いて共重合して得られる重合体のTgが25℃以下、好ましくは10℃以下、より好ましくは0℃以下となるように設定することが好ましい。(a−1)成分と(a−2)成分の2成分を用いて共重合して得られる重合体のTgが25℃以下で、本フィルムの耐衝撃性が良好となる傾向にある。
尚、本発明において、Tgはポリマーハンドブック〔Polymer HandBook,J.Brandrup,Interscience,1989〕に記載されている値を用いてFOXの式から算出される温度を示す。
重合体(A)を得るための単量体成分(a)の重合方法としては、例えば、単量体成分(a)を一括で重合する方法及び単量体成分(a)を2段階以上に分けて多段で重合する方法が挙げられる。
これらの中で、単量体成分(a)を2段階以上に分けて多段で重合する方法が好ましい。この場合、各重合段階での単量体の組成及び含有量としてはそれぞれ異なっていることが好ましい。
単量体成分(a)を2段階以上に分けて多段で重合する場合、本フィルムの耐成形白化性、耐衝撃性、耐熱性及び表面硬度の点で、1段階目に使用する単量体成分(以下、「第1段目単量体」という)から得られる重合体のTgとしては、2段重合法では2段目の重合に使用する単量体成分(以下、「第2段目単量体」という)、3段階以上の多段重合法では2段目以降の重合に使用する単量体成分(以下、「第2段目以降単量体」という)から得られる重合体のTgよりも低いことが好ましい。
例えば、単量体成分(a)を2段階に分けて2段重合する場合、第1段目単量体から得られる重合体のTgとしては、本フィルムの耐成形白化性及び耐衝撃性の点で、−30℃以下が好ましい。また、第2段目単量体から得られる重合体のTgとしては、本フィルムのカッターカット性、インサート成形又はインモールド成形後のトリミング加工性、表面硬度及び耐熱性の点で、−20〜20℃が好ましく、−15〜10℃がより好ましい。
単量体成分(a)を2段階に分けて2段重合する場合、本フィルムの耐成形白化性、表面硬度や耐熱性、カッターカット性の点で、単量体成分(a)中の第1段目単量体の含有量としては1〜20質量%が好ましく、第2段目単量体の含有量としては80〜99質量%が好ましい。
本発明においては、必要に応じて予め重合体のTgが25℃以上となる単量体成分(以下、「硬質単量体」という)を重合しておき、その後に単量体成分(a)をグラフト重合させて重合体(A)を得ることができる。
(単量体成分(c))
本発明において、単量体成分(c)は重合体(C)を得るための単量体成分である。
単量体成分(c)は後述する(c−1)成分、(c−2)成分、(c−3)成分及び(c−4)成分を含有する。
(c−1)成分はメタクリル酸アルキルである。
(c−1)成分としては、例えば、アルキル基が直鎖状又は分岐鎖状のメタクリル酸アルキルが挙げられる。
(c−1)成分の具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル及びメタクリル酸n−ブチルが挙げられる。中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
(c−2)成分は(c−1)成分と共重合可能な(a−1)成分及び(c−1)成分以外の共重合性モノビニル単量体である。
(c−2)成分としては(a−1)成分及び(c−1)成分以外の(a−2)成分と同様の単量体が挙げられる。
(c−3)成分は式(1)で表される多官能性単量体である。
(c−3)成分としては(a−3)成分と同様の単量体が挙げられる。
(c−4)成分は重合性二重結合を1分子内に2個以上有する(c−3)成分以外の多官能性単量体である。
(c−4)成分としては(a−4)成分と同様の単量体が挙げられる。
単量体成分(c)中の(c−1)成分の含有量は50〜100質量%である。
単量体成分(c)中の(c−1)成分の含有量としては、本フィルムの表面硬度又は耐熱性の点で、90質量%以上が好ましく、93質量%以上がより好ましい。また、単量体成分(c)中の(c−1)成分の含有量としては、本フィルムの透明性の点で、99質量%以下が好ましい。
単量体成分(c)中の(c−2)成分の含有量は0〜50質量%である。
単量体成分(c)中の(c−2)成分の含有量としては、本フィルムの透明性の点で、1質量%以上が好ましい。また、単量体成分(c)中の(c−2)成分の含有量としては、本フィルムの表面硬度又は耐熱性の点で、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましい。
単量体成分(c)中の(c−3)成分の含有量は0〜20質量%である。
本発明においては、必要に応じて単量体成分(c)中に連鎖移動剤を含有することができる。
連鎖移動剤としては単量体成分(a)中に添加されるものと同様の化合物が挙げられる。
(重合体(C))
本発明において、重合体(C)は単量体成分(c)を重合して得られる重合体である。
重合体(C)を得るための単量体成分である(c−1)成分と(c−2)成分の単量体の種類及び組成比としては、(c−1)成分と(c−2)成分の2成分を用いて共重合して得られる重合体のTgが60℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上となるように設定することが好ましい。
単量体成分(c)の重合方法としては、例えば、単量体成分(c)を一括で重合する方法及び単量体成分(a)を2段階以上に分けて多段重合する方法が挙げられる。
(ゴム含有重合体)
本発明において、ゴム含有重合体は重合体(A)の存在下に重合体(C)を形成して得られる重合体である。
ゴム含有重合体中の重合体(A)と重合体(C)の含有率としては、重合体(A)と重合体(C)を得るための単量体成分での比率として、単量体成分(a)と単量体成分(c)の合計量を100質量%としたときに単量体成分(a)15〜50質量%が好ましい。
単量体成分(a)を15質量%以上とすることにより、本フィルムに耐成形白化性を付与することができ、本フィルムを得るための製膜性とインサート成形又はインモールド成形に必要な本フィルムの靭性とを両立させることができる傾向にある。また、単量体成分(a)を50質量%以下、好ましくは40質量%以下とすることにより、車輌用部材の積層体に必要な表面硬度並びに耐熱性を兼ね備えた本積層シート、本フィルム積層成形品及び本積層シート積層成形品を得ることができる傾向にある。
ゴム含有重合体のゲル含有率は50〜80質量%が好ましい。
尚、本発明において、ゲル含有率とは、所定量(抽出前質量)のゴム含有重合体をアセトン溶媒中還流下で抽出処理した処理液を遠心分離により分別し、乾燥した後に、アセトン不溶分の質量(抽出後質量)を測定し、下式にて算出した値を示す。
ゲル含有率(質量%)=抽出後質量(g)/抽出前質量(g)×100
本発明において、ゴム含有重合体の質量平均粒子径としては0.03〜0.3μmが好ましい。ゴム含有重合体の質量平均粒子径としては、本フィルムの機械的特性の点で、0.03μm以上が好ましく、0.07μm以上がより好ましく、0.09μm以上が特に好ましい。また、ゴム含有重合体の質量平均粒子径としては、本フィルムの耐成形白化性、透明性及びインサート成形又はインモールド成形における加熱成形時の透明性保持の点で、0.3μm以下が好ましく、0.15μm以下がより好ましく、0.13μm以下が特に好ましい。
本発明においては、必要に応じて、重合体(C)を形成する前に、予め重合体(A)を得た後に以下に示す単量体成分(b)をグラフト重合させることができる。
<単量体成分(b)の組成>
(b−1)成分:アクリル酸アルキルエステル9.9〜90質量%
(b−2)成分:(b−1)成分以外の共重合性モノビニル単量体9.9〜90質量%
(b−3)成分:式(1)で表される多官能性単量体0〜20質量%
(b−4)成分:(b−3)成分以外の多官能性単量体0〜10質量%
(b−1)成分としては(a−1)成分と同様の単量体が挙げられる。
(b−2)成分としては(a−2)成分と同様の単量体が挙げられる。
(b−3)成分としては(a−3)成分と同様の単量体が挙げられる。
(b−4)成分としては(a−4)成分と同様の単量体が挙げられる。
単量体成分(b)中には必要に応じて連鎖移動剤を含有することができる。
連鎖移動剤としては単量体成分(a)中に添加されるものと同様の化合物が挙げられる。
単量体成分(b)中の(b−1)成分の含有量としては9.9〜90質量%が好ましい。
単量体成分(b)中の(b−1)成分の含有量としては、本フィルムの耐成形白化性、表面硬度及び耐熱性の点で、19.9質量%以上がより好ましく、29.9質量%以上が特に好ましい。
また、単量体成分(b)中の(b−1)成分の含有量としては、本フィルムの耐成形白化性、表面硬度及び耐熱性の点で、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
単量体成分(b)中の(b−2)成分の含有量としては9.9〜90質量%が好ましい。
単量体成分(b)中の(b−2)成分の含有量としては本フィルムの耐成形白化性、表面硬度及び耐熱性の点で、39.9質量%以上が好ましく、49.9質量%以上が特に好ましい。
単量体成分(b)中の(b−3)成分の含有量としては、原料コスト、本フィルムのカッターカット性やインサート成形又はインモールド成形後のトリミング加工性の点で、0〜20質量%が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
単量体成分(b)中の(b−4)成分の含有量としては0〜10質量%が好ましい。
単量体成分(b)中の(b−4)成分の含有量としては、本フィルムの耐成形白化性の点で、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。
また、単量体成分(b)中の(b−4)成分の含有量としては、本フィルムのカッターカット性及びインサート成形又はインモールド成形後のトリミング加工性の点で、5質量%以下がより好ましい。
(b−1)成分と(b−2)成分の単量体の種類及び組成比としては、(b−1)成分と(b−2)成分の2成分を用いて共重合して得られる重合体のTgが25〜105℃となるように設定することが好ましい。(b−1)成分と(b−2)成分の2成分を用いて共重合して得られる重合体のTgが25℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上で、本フィルムの表面硬度及び耐熱性が車輌用部材に必要なレベルとなる傾向にある。
ゴム含有重合体中の重合体(B)の含有量としては、単量体成分(a)、単量体成分(b)及び単量体成分(c)での比率として単量体成分(a)、単量体成分(b)及び単量体成分(c)の合計量を100質量%としたときに単量体成分(b)5〜35質量%が好ましい。単量体成分(b)を5〜35質量%、好ましくは5〜20質量%とすることにより、本フィルムの耐成形白化性、表面硬度及び耐熱性を良好とすることができると共に本フィルムを得るための製膜性及びインサート成形又はインモールド成形に必要とされる本フィルムの靭性を付与することができる傾向にある。
また、単量体成分(b)の使用量としては、単量体成分(a)及び単量体成分(b)の合計量を100質量%としたときに5〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。単量体成分(b)の使用量を5〜50質量%とすることにより、本フィルムのカッターカット性、耐成形白化性、表面硬度、耐熱性及びインサート成形又はインモールド成形後のトリミング加工性を良好とすることができると共に、本フィルムを得る際の製膜性及びインサート成形又はインモールド成形に必要とされる本フィルムの靭性を付与することができる傾向にある。
単量体成分(b)の重合方法としては、例えば、単量体成分(b)を一括で重合する方法及び単量体成分(b)を2段階以上に分けて多段で重合する方法が挙げられる。
ゴム含有重合体の重合法としては、乳化重合による逐次多段重合法が好ましいが、例えば、単量体成分(a)及び単量体成分(b)を乳化重合した後に重合系を懸濁重合系に転換させて単量体成分(c)を懸濁重合させる乳化懸濁重合法によっても行うこともできる。
ゴム含有重合体を乳化重合により製造する場合は、例えば、単量体成分(a)を予め水及び界面活性剤と混合して調製した乳化液を重合容器に供給して重合した後に、単量体成分(c)を重合容器に供給又は単量体成分(b)及び単量体成分(c)をそれぞれ順に重合容器に供給し重合する方法が挙げられる。重合カレットの発生を抑制することが出来る点で、単量体成分(a)を予め水及び界面活性剤と混合して調製した乳化液を重合容器に供給して重合することが好ましい。
また、上記の方法において、単量体成分(b)及び単量体成分(c)をそれぞれ予め水及び界面活性剤と混合して調製した乳化液として重合容器に供給することができる。
乳化液を調製する際に使用される界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系及びノニオン系の界面活性剤が使用できる。中でも、アニオン系界面活性剤が好ましい。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ロジン石鹸、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム等のカルボン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩;及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩が挙げられる。
界面活性剤の具体例としては、三洋化成工業(株)製のNC−718、東邦化学工業(株)製のフォスファノールLS−529、フォスファノールRS−610NA、フォスファノールRS−620NA、フォスファノールRS−630NA、フォスファノールRS−640NA、フォスファノールRS−650NA、フォスファノールRS−660NA、花王(株)製のラテムルP−0404、ラテムルP−0405、ラテムルP−0406及びラテムルP−0407(いずれも商品名)が挙げられる。
単量体成分の乳化液を調製する方法としては、例えば、水中に単量体成分を仕込んだ後に界面活性剤を投入する方法、水中に界面活性剤を仕込んだ後に単量体成分を投入する方法及び単量体成分中に界面活性剤を仕込んだ後に水を投入する方法が挙げられる。
単量体成分の乳化液を調製するための装置としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー等の各種強制乳化装置及び膜乳化装置が挙げられる。
単量体成分の乳化液としては、単量体成分の油中に水滴が分散したW/O型、水中に単量体成分の油滴が分散したO/W型のいずれでもよい。
単量体成分(a)、単量体成分(b)又は単量体成分(c)を重合する際に使用する重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ系開始剤又は酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。レドックス系開始剤としては、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好ましい。
重合開始剤の使用量は重合条件等に応じて適宜決められる。
重合開始剤の添加方法としては、水相又は単量体相(油相)のいずれか片方又は水相及び単量体相の双方に添加する方法のいずれでもよい。
ゴム含有重合体の重合方法の具体例としては以下の方法が挙げられる。
まず、重合容器に仕込んだ硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩及びロンガリットを含む水溶液を重合温度にまで昇温した後、単量体成分(a)、重合開始剤、水及び界面活性剤を混合して調製した乳化液を重合容器に供給して重合する。
次いで、単量体成分(b)を使用する場合には単量体成分(b)を重合開始剤と共に重合容器に供給して重合する。
更に、単量体成分(c)を重合開始剤と共に重合容器に供給して重合する。
重合温度は重合開始剤の種類又は量によって任意に設定できるが、通常、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、又、120℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましい。
上記の方法で得られたゴム含有重合体のラテックスは濾過装置を用いて濾過処理できる。この濾過処理により、重合中に発生するスケール、原料中の夾雑物や重合中に外部から混入する夾雑物等をラテックスから除去することができる。
濾過装置としては、例えば、袋状のメッシュフィルターを利用したISPフィルターズ・ピーテーイー・リミテッド社製GAFフィルターシステム、円筒型濾過室内の内側面に円筒型の濾材を配し、濾材内に攪拌翼を配した遠心分離型濾過装置並びに濾材が濾材面に対して水平の円運動及び垂直の振幅運動をする振動型濾過装置が挙げられる。
ゴム含有重合体は上記の方法で製造したゴム含有重合体のラテックスからゴム含有重合体を回収することによって製造できる。
ゴム含有重合体のラテックスからゴム含有重合体を回収する方法としては、例えば、塩析凝固法、酸析凝固法、噴霧乾燥法及び凍結乾燥法が挙げられる。これらの方法により、ゴム含有重合体は粉状で回収される。
金属塩を用いた塩析によってゴム含有重合体を回収する場合にはゴム含有重合体中の残存金属含有量を800ppm以下にすることが好ましい。特に、マグネシウム塩、ナトリウム塩等の水との親和性の強い金属塩を塩析剤として使用した場合には、本フィルムを沸騰水中に浸漬した際の白化現象を抑制する上でできるだけ残存金属含有量を少なくすることが好ましい。また、カルシウム塩を用いた塩析又は硫酸を用いた場合には、上記金属塩を使用する場合よりも上記白化現象については比較的良好な傾向を示すが、優れた耐水白化性を得る上で残存金属量を800ppm以下にすることが好ましく、微量であるほどよい。
(本樹脂組成物)
本樹脂組成物はゴム含有重合体、及び必要に応じてメタクリル酸アルキルを主成分とする熱可塑性重合体(以下、「本熱可塑性重合体」という)を含有するものである。本樹脂組成物中に本熱可塑性重合体を含有させることにより、本フィルムを得る際の製膜性並びに本フィルムの表面硬度及び耐熱性を良好とすることができる傾向にある。本樹脂組成物中の本熱可塑性重合体の比率は0〜90質量%が好ましい。ゴム含有重合体及び本熱可塑性重合体の合計を100質量%とした場合、ゴム含有重合体は50〜80質量%が好ましい。
本熱可塑性重合体を得るための単量体成分としては、例えば、炭素数1〜4のメタクリル酸アルキル(以下、「本熱可塑性重合体用メタクリル酸アルキル」という)50〜100質量%、アクリル酸アルキル(以下、「本熱可塑性重合体用アクリル酸アルキル」という)0〜50質量%及び前記メタクリル酸アルキル及び前記アクリル酸アルキル以外の共重合性ビニル単量体(以下、「本熱可塑性重合体用共重合性ビニル単量体」という)0〜50質量%の単量体成分が挙げられる。
本熱可塑性重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、25℃で測定した値)としては、本フィルムを得る際の製膜性並びに本フィルムの表面硬度、耐熱性及びインサート成形性又はインモールド成形性の点で、0.15L/g以下が好ましく、0.1L/g以下がより好ましい。また、本熱可塑性重合体の還元粘度としては、本フィルムを得る際の製膜性の点で、0.01L/g以上が好ましく、0.03L/g以上がより好ましい。
本熱可塑性重合体のTgとしては、本フィルムの表面硬度及び耐熱性の点で、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。
本熱可塑性重合体用メタクリル酸アルキルとしては、例えば、(c−1)成分と同様の単量体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。
本熱可塑性重合体用アクリル酸アルキルとしては、例えば、(a−1)成分と同様の単量体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。中でも、アクリル酸メチルが好ましい。
本熱可塑性重合体用共重合性ビニル単量体としては、例えば、(a−2)成分と同様の単量体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
本熱可塑性重合体を得るための単量体成分中の本熱可塑性重合体用メタクリル酸アルキルの含有量としては、本フィルムの表面硬度及び耐熱性の点で、50〜100質量%が好ましく、80〜99.9質量%がより好ましい。
本熱可塑性重合体を得るための単量体成分中の本熱可塑性重合体用アクリル酸アルキルの含有量としては、本フィルムの製膜性及びインサート成形又はインモールド成形に必要な靭性の付与の点で、0〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。
本熱可塑性重合体を得るための単量体成分中の本熱可塑性重合体用共重合性ビニル単量体の含有量としては0〜50質量%が好ましい。本熱可塑性樹脂としてはメタクリル酸メチルを主成分とする重合体が好ましく、中でもメタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルの共重合体が好ましい。
本熱可塑性重合体の製造方法としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法及び塊状重合法が挙げられる。
(本フィルム)
本フィルムは本樹脂組成物を製膜して得られるものである。
本フィルムの厚みとしては10〜500μmが好ましい。本フィルムの厚みを500μm以下、より好ましくは300μm以下、特に好ましくは200μm以下とすることにより、インサート成形又はインモールド成形に適した本フィルムの剛性が得られ、より安定に本フィルムを製造することができる傾向にある。また、本フィルムの厚みを10μm以上、より好ましくは30μm以上、特に好ましくは50μm以上とすることにより、後述する基材の保護性と共に、本積層シート、本フィルム積層成形品又は本積層シート成形品に深み感をより十分に付与することができる。
本フィルムの表面は表面硬度に優れたものである。本フィルムの表面の鉛筆硬度としてはBより高いことが好ましく、HB以上がより好ましく、F以上が特に好ましい。
本フィルムの表面の鉛筆硬度がBより高い本フィルムを用いることにより、本フィルムをインサート成形又はインモールド成形に使用する工程中でも傷がつきにくく、得られる成形品の耐擦傷性も良好とすることができる。
また、本フィルムを車輌用途に使用する場合、本フィルムの表面の鉛筆硬度をHB以上とすることが好ましい。本フィルムの表面の鉛筆硬度がHB以上とすることにより、本フィルムを用いて得られる積層体をドアウエストガーニッシュ、フロントコントロールパネル、パワーウィンドウスイッチパネル、エアバッグカバー等の各種車輌用部材として使用するのに好適である。
更に、本フィルムの表面の鉛筆硬度をF以上とすると、ガーゼ等の表面の粗い布で擦傷しても傷が目立たなく、鉛筆硬度が2Hのアクリル系樹脂フィルムを用いた成形品と同等の耐擦傷性能を付与することができるため、工業的利用価値が高い。
本フィルムの製造法としては、例えば、溶融流延法、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出法及びカレンダー法が挙げられるが、経済性の点で、Tダイ法が好ましい。
Tダイ法により本フィルムを得る場合、金属ロール、非金属ロール及び金属ベルトから選ばれる複数のロール又はベルトに狭持して製膜すると、本フィルムの表面平滑性を良好とすることができ、本フィルムに印刷処理した際の印刷抜けを抑制することができる。
尚、金属ロールとしては、例えば、金属製の鏡面タッチロール並びに特許第2,808,251号公報及びWO97/28,950号公報に記載の金属スリーブ(金属製薄膜パイプ)と成型用ロールで構成されたスリーブタッチ方式で使用されるロールが挙げられる。
また、非金属ロールとしては、例えば、シリコーンゴム性のタッチロールが挙げられる。
更に、金属ベルトとしては、例えば、金属製のエンドレスベルトが挙げられる。
本発明においては、上記の金属ロール、非金属ロール及び金属ベルトを複数組み合わせて使用することができる。
本発明においては、金属ロール、非金属ロール及び金属ベルトから選ばれる複数のロール又はベルトに狭持して製膜する方法では、溶融押出後の樹脂組成物の溶融物を、実質的にバンク(樹脂溜まり)が無い状態で狭持し、実質的に圧延されることなく面転写させて製膜することが好ましい。バンクを形成することなく製膜した場合は、冷却過程にある樹脂組成物の溶融物が圧延されることなく面転写されて製膜されるため、本フィルムの加熱収縮率を低減することができる。
Tダイ法により本フィルムを得る場合には、200メッシュ以上のスクリーンメッシュで本フィルムの溶融物を濾過しながら押出しすることが本フィルム中のフィッシュアイ(FE)低減の点から好ましい。
本フィルム中には、必要に応じて、安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、艶消し剤、光拡散剤等の添加剤を配合することができる。
本フィルム中には、耐候性を付与して基材を保護するために、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
紫外線吸収剤としては公知のものを用いることができ、必要に応じてラジカル重合性のものを使用してゴム含有重合体中に共重合された形で導入することができる。
紫外線吸収剤の分子量としては、一般的に分子量が大きい紫外線吸収剤ほど本フィルムを得た後の長期的なブリードアウトが起こりにくく、分子量が小さいものよりも紫外線吸収性能が長期間に渡り持続する傾向にある。
紫外線吸収剤の分子量としては300以上が好ましく、400以上がより好ましい。紫外線吸収剤の分子量が300以上で、本フィルムを射出成形金型内で真空成形又は圧空成形を施す際の紫外線吸収剤の揮発による金型汚れ等を防止することができる傾向にある。また、紫外線吸収剤の分子量が300以上で、本フィルムがTダイから押し出され冷却ロールで冷やされるまでの間の揮発する紫外線吸収剤量が少ない傾向にある。
紫外線吸収剤の分子量を上記の範囲とすることにより良好な紫外線吸収性を示し、また、揮発した紫外線吸収剤がTダイ上部にあるTダイを吊るすチェーンや排気用のフードの上で再結晶して経時的に成長したものが本フィルムの上に落ちて、外観上の欠陥になるという問題も抑制することができる傾向にある。
紫外線吸収剤としては、例えば、分子量400以上のベンゾトリアゾール系化合物又はトリアジン系化合物が挙げられる。
分子量400以上のベンゾトリアゾール系化合物の具体例としては、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のチヌビン234及び(株)ADEKA製のアデカスタブLA−31(いずれも商品名)が挙げられる。また、分子量400以上のトリアジン系化合物の具体例としては、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のチヌビン1577(商品名)が挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量としては、ゴム含有重合体及び必要に応じて熱可塑性重合体の合計(以下、「本樹脂組成物原料」という)100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。紫外線吸収剤の配合量としては、本フィルムの耐候性の点で、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上が特に好ましい。また、紫外線吸収剤の配合量としては、本フィルムを得る際の製膜時のロール汚れ並びに本フィルムの耐薬品性及び透明性の点で、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が特に好ましい。
本フィルム中には、耐候性の点で光安定剤を配合することが好ましい。
光安定剤としては公知のものを用いることができるが、本フィルムの耐光性及び耐薬品性の向上、例えば整髪料が付着した際の本フィルムの外観変化の改善の点で、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカル捕捉剤を用いることが好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤として、例えば、(株)ADEKA製アデカスタブLA57、アデカスタブLA67及び三共ライフテック(株)製サノールLS770(いずれも商品名)が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤の配合量としては本樹脂組成物原料100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤の配合量としては、本フィルムの耐光性及び耐薬品性改良の点で、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上が特に好ましい。また、ヒンダードアミン系光安定剤の配合量としては、本フィルムを得る際の製膜時のロール汚れの点で、2質量部以下がより好ましく、1質量部以下が特に好ましい。
上記の各種添加剤の配合方法としては、例えば、本フィルムを成形するための押出機に本樹脂組成物原料と共に供給する方法及び本樹脂組成物原料に予め配合剤を添加した混合物を各種混練機にて混練混合する方法が挙げられる。
上記の後者の方法に使用する混練機としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー及びロール混練機が挙げられる。
(本艶消しフィルム)
市場からイメージの高級化が要望される場合の対応として、本フィルムは、艶消し剤を添加することにより、少なくとも一方の面の60度表面光沢度を100%以下とすることが出来る。
艶消し外観及びイメージの高級化の点で、45%以下がより好ましく、20%以下が特に好ましい。
艶消し剤としては有機系、無機系に関わらず公知のものを用いることができる。特に、艶消し性、製膜性、成形性の点から、以下に示す水酸基を有する重合体を、艶消し剤として用いることが好ましい。
水酸基を有する重合体とは、具体的には、アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルおよび/またはメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル1〜80質量%、メタクリル酸アルキルエステル10〜99質量%、アクリル酸アルキルエステル0〜79質量%、および、共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも一種0〜50質量%を含むモノマー類を重合して得られる重合体である。
水酸基を有する重合体に用いられるアクリル酸ヒドロキシアルキルエステルおよび/またはメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては特に限定されず、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が挙げられるが、中でもメタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。これらは1種類を用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
メタクリル酸アルキルエステルとしては特に限定されないが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等の低級メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、中でもメタクリル酸メチルが好ましい。これらは1種類を用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル酸アルキルエステルとしては特に限定されないが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の低級アクリル酸アルキルエステルが好ましい。これらは1種類を用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合可能な他のビニル単量体としては特に限定されないが、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体等が好ましい。これらは1種類を用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合可能な他のビニル単量体の使用量は、50質量%以下である。
また、分子量の調節のために、メルカプタン等の重合調節剤を用いることが好ましい。メルカプタンとしてはn−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等が使用されるが、特にこれらのものに限定されず、公知のものが使用できる。
艶消し剤である水酸基を有する重合体の配合量は、十分な艶消し効果が発現し、良好な艶消し性が得られるので、本樹脂組成物原料100質量部に対して0.1質量部以上であり、また、40質量部以下である。
本発明の水酸基を有する重合体の製造方法は特に限定されないが、懸濁重合や乳化重合による方法が好ましい。重合は公知の方法にしたがって行えばよい。
懸濁重合の開始剤としては、通常の懸濁重合に使用されるものが用いられ、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物を挙げることができる。
懸濁安定剤としては、通常用いられる公知のものが用いられ、例えば、有機コロイド性高分子物質、無機コロイド性高分子物質、無機微粒子、および、これらと界面活性剤との組み合わせを挙げることができる。
懸濁重合は、通常、懸濁安定剤の存在下にモノマー類を重合開始剤とともに水性懸濁して行われる。それ以外にもモノマーに可溶な重合物をモノマーに溶かし込んで使用して行うこともできる。
本艶消しフィルムは、上記した本フィルムの製造法と同様にし、単層の艶消しフィルムとすることが出来る。また、印刷適性の観点から、上記した艶消し剤を含む樹脂組成物からなる層(以下、「艶消し層(M)」という)と上記した艶消し剤を実質含まない樹脂組成物からなる層(以下、「非艶消し層(G)」という)とからなる積層構造の艶消しフィルムとすることも出来る。本艶消しフィルムを積層構造とする場合の具体的な製造方法としては、従来より知られる各種の方法を用いることが出来るが、特に、フィードブロックダイまたはマルチマニホールドダイを解した共押出し成形法が経済的な面から好ましい。その他方法としては、艶消し層(M)と非艶消し層(G)とを夫々Tダイを用いた溶融押出し法等によりフィルム状に成形した後、その2種のフィルムを熱ラミネート法により積層する方法、一方の樹脂組成物(例えば艶消し層(M))をフィルム状にし、その後、他方の樹脂組成物(例えば非艶消し層(G))を溶融押出し法により積層する押出ラミネーション法等がある。艶消し層(M)と非艶消し層(G)の層厚みの比率(以下、単に「(M)/(G)」という)は、特に制限されない。ただし、本艶消しフィルムのコスト、表面硬度、透明性、艶消し外観及び印刷適性の観点から、(M)/(G)=1/99〜20/80が好ましい。なお、本発明において、艶消し層(M)と非艶消し層(G)の各層の厚みは、本艶消しフィルムを断面方向に70nmの厚みに切断したサンプルを、透過型電子顕微鏡にて観察し、5箇所でそれぞれの厚みを測定し、それらを平均することで算出する。透過型電子顕微鏡の市販品としては、例えば日本電子(株)製J100S(商品名)がある。
(絵柄層)
本発明においては、本フィルムに意匠性を付与するために、必要に応じて本フィルムの少なくとも片面に絵柄層を有することができる。
絵柄層としては、例えば、印刷法で形成された印刷層及び蒸着法で形成された蒸着層から選ばれる少なくとも1層が挙げられる。
印刷層の形成により、インサート成形又はインモールド成形によって得られた本積層シート、本フィルム積層成形品又は本積層シート積層成形品の表面に模様、文字等を構成することができる。
印刷層の印刷柄としては、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、全面ベタ、メタリック等の絵柄が挙げられる。
印刷層のバインダーとしては、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等のポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂及び塩素化ポリオレフィン樹脂が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、例えば、本発明におけるゴム含有重合体を含むアクリル系樹脂組成物が挙げられる。
印刷層の形成に際しては、バインダー及び適切な色の顔料又は染料を含有する着色インキを用いることができる。
上記の顔料としては、例えば、以下に示す着色顔料及び公知の染料が挙げられる。
黄色顔料としては、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン等の有機顔料及び黄鉛等の無機顔料が挙げられる。
赤色顔料としては、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有機顔料及び弁柄等の無機顔料が挙げられる。
青色顔料としては、フタロシアニンブルー等の有機顔料及びコバルトブルー等の無機顔料が挙げられる。
黒色顔料としては、アニリンブラック等の有機顔料が挙げられる。
白色顔料としては、二酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。
印刷層の形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア輪転印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法、ロールコート法、スプレーコート法等のコート法及びフレキソグラフ印刷法が挙げられる。
印刷層の厚さとしては、本積層シート、本フィルム積層成形品又は本積層シート積層成形品において所望の表面外観が得られるように適宜厚さを選択すれば良く、通常、0.5〜30μm程度である。
蒸着層としては、少なくとも一つの金属又はこれらの合金若しくは化合物の層が挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、インジウム、スズ、銀、チタニウム、鉛及び亜鉛が挙げられる。
蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びメッキ法が挙げられる。
蒸着層の厚さとしては、本積層シート、本フィルム積層成形品又は本積層シート積層成形品において所望の表面外観が得られるように適宜厚さを選択すればよい。
本フィルムの表面に絵柄層を形成する場合、必要に応じて、絵柄層を形成する前に本フィルムの表面を、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカー処理、プライマー処理等により処理することができる。
上記の表面処理により、本フィルムと絵柄層との間の密着性を向上させることができる。
(熱可塑性樹脂シート)
本発明で使用される熱可塑性樹脂シートは本フィルムと積層して後述する本積層シートを得るためのシートである。
熱可塑性樹脂シートとしては、例えば、以下に示す熱可塑性樹脂のフィルム又はシートが挙げられる。
上記の熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂;ABS樹脂;AS樹脂;塩化ビニル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン樹脂;セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素含有樹脂;及びこれらの樹脂から選ばれる2種以上の共重合体又はその混合物、複合体若しくは積層体が挙げられる。
前記の熱可塑性樹脂は単独で又は2種以上を混合して使用できる。
本発明においては、必要に応じて絵柄層を本フィルムの表面に形成する代わりに熱可塑性樹脂シートの表面に形成することができる。
熱可塑性樹脂シートとしては、絵柄層の形成性及び本積層シートの二次成形性の点で、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン及びポリカーボネートが好ましい。
熱可塑性樹脂シートとしては、本積層シートを後述する基材の表面に積層して本積層シート積層成形品を得る際の、基材との密着性を高める点で、基材との相溶性が良好なものが好ましく、基材と同じ樹脂がより好ましい。
本発明においては、熱可塑性樹脂シート中には、必要に応じて、安定剤、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤等の添加剤を配合することができる。
熱可塑性樹脂シートの厚さは必要に応じて適宜決めればよく、通常、20〜2000μm程度である。
また、熱可塑性樹脂シートの厚さとしては、本積層シート積層成形品を得る場合には、基材の表面欠陥を吸収して本フィルムの外観を損なわない厚み又は基材を構成するための射出成形時に絵柄層が消失しない程度の厚さを有することが好ましい。
(本積層シート)
本積層シートは本フィルムと熱可塑性樹脂シートが積層されたものである。
本積層シートは、本フィルムの片面に絵柄層を有する場合には、本フィルムの絵柄層を有する面と熱可塑性樹脂シートが接するように積層される。
本積層シートを得るための本フィルムと熱可塑性樹脂シートのラミネーションの方法としては、例えば、熱ラミネーション法、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びホットメルトラミネーション法並びに本フィルムと熱可塑性樹脂シートの同時押出ラミネーション法が挙げられる。
本フィルムを本積層シートとすることにより、衝撃、変形等の外力に対して取り扱い上十分な強度を発現することが可能となる。例えば、インサート成形等でフィルムを真空成形した後に金型から取り外したり、その真空成形品を射出成形用金型に装着したりするときに被る衝撃、変形等に対しても、本積層シートを使用することにより割れ等が生じ難く、取り扱い性が良好となる。とりわけ、本積層シートを使用する場合、インサート成形におけるトリミング加工の際に本フィルムの割れ・クラック不良を著しく低減させることが可能となる。更に、トリミング加工における加工条件幅を広く設定することが可能となる。
トリミング加工の方法としては、レーザー光線を照射して焼き切る方法、トリミング用の打ち抜き型を作製してプレス加工により打ち抜く方法及び人手によりちぎるように除去する方法が挙げられる。
本積層シートを得る際には、必要に応じて、本フィルム又は熱可塑性樹脂シートの、本フィルムと熱可塑性樹脂シートが接する表面を、例えば、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカー処理、プライマー処理等により予め処理することができる。
上記の表面処理により、本フィルムと熱可塑性樹脂シートとの密着性や熱可塑性樹脂シートと絵柄層との密着性を向上させることができる。
(基材)
本発明においては、基材の表面に本フィルム又は本積層シートを積層して積層成形品とすることができる。
基材としては、例えば、樹脂;木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木材板;木質繊維板等の水質板;及び鉄、アルミニウム等の金属が挙げられる。
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の汎用の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂;ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート等の汎用エンジニアリング樹脂;ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、液晶ポリエステル、ポリアリル系耐熱樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂;ガラス繊維又は無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等)等の補強材;及びゴム成分等の改質剤を添加した複合樹脂又は各種変性樹脂が挙げられる。
これらのうち、基材としては、加工コストの点で、本フィルム又は本積層シートと溶融接着可能な樹脂が好ましい。
本フィルム又は本積層シートと溶融接着可能な樹脂としては、例えば、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらを主成分とする樹脂が挙げられる。これらの中で、本フィルム又は本積層シートとの接着性の点でABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂及びこれらを主成分とする樹脂が好ましく、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂及びこれらを主成分とする樹脂がより好ましい。
尚、本フィルム、又は本積層シートの熱可塑性樹脂シートの面、と基材との接着性が十分でない場合には本フィルム、又は本積層シートの熱可塑性樹脂シートの面、と基材との間に接着層を設けることができる。
(本積層成形品)
積層成形品は、本フィルムまたは積層シートを基材の表面に積層して得られる積層品である。
積層成形品の製造方法としては、二次元形状の積層成形品で基材が熱融着可能なものである場合には、例えば、熱ラミネーション方法による本フィルムと基材との接着法が挙げられる。
また、二次元形状の積層成形品で基材が、木材板、水質板、金属等の熱融着しないものの場合、本フィルムと基材との間に接着層を介して貼り合わせることができる。
三次元形状の積層成形品を得る場合の積層成形品の製造方法としては、例えば、インサート成形法、インモールド成形法及び真空成形装置を用いて予め準備しておいた型の表面に被成形物をラミネート成形する方法(以下、「3次元オーバーレイラミネート成形法」という)が挙げられる。
本発明において3次元オーバーレイラミネート成形法は以下の成形法をいう。
まず、シートで仕切られた2つの密閉空間を形成して一方の空間側に成形体を配置し、両方の空間又は成形体を配置している空間のみを減圧する。
次いで、シートを加熱軟化し、一方の空間側から他方の空間側に向かってシート表面に成形体を押し当てた状態で、成形体を配置していない他方の空間のみを常圧に戻し、差圧を利用してシートを成形体に貼り付ける。
3次元オーバーレイラミネート成形法では、加熱されたシートが全体的に均一に圧力を受けて成形体の表面に貼り付けられるため、成形体の表面が曲面等であっても良好にシートを成形体に貼り付けることができる。
3次元オーバーレイラミネート成形を行うための装置としては、例えば、布施真空(株)製の「TOM(商品名)」が挙げられる。
本フィルムは高温時の伸度に富んでいることから、真空成形により本フィルムに三次元形状を付与する方法が非常に有利である。
積層成形品における基材を、基材を構成する樹脂の射出成形により形成する場合、射出成形後の樹脂の収縮率が本フィルムの収縮率に近似した樹脂を使用することにより、インモールド成形、インサート成形及び3次元オーバーレイラミネート成形によって得られた本フィルム積層成形品の反りや本フィルムの剥がれ等の不具合を解消でき、好ましい。積層成形品として、積層シートの熱可塑性樹脂シートの面と基材とが接するように基材の表面に積層して得られるものが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。尚、以下において、「部」は「質量部」を表す。また、以下において、略号は以下の化合物を示す。
MMA:メタクリル酸メチル
MA:アクリル酸メチル
n−BA:アクリル酸n−ブチル
1,3−BD:1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルBD」)
3−EDM:トリエチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステル3ED」)
PBOM:ポリブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルPBOM」、式(1)のXのMn:660)
2−HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
AMA:メタクリル酸アリル
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
t−BH:t−ブチルハイドロパーオキサイド
LPO:ラウリルパーオキサイド
n−OM:n−オクチルメルカプタン
EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
SFS:ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)。
更に、以下において、重合体のTg、質量平均粒子径及びゲル含有率、アクリル系樹脂フィルムの全光線透過率、曇価、カッターカット性及び耐折曲白化性、熱可塑性重合体の還元粘度、積層シートのトリミング加工性並びに積層成形品の表面の鉛筆硬度を以下の方法により評価した。
(1)Tg
重合体のTgはポリマーハンドブック〔Polymer HandBook(J.Brandrup,Interscience,1989)〕に記載されている値を用いてFOXの式から算出した。
(2)質量平均粒子径
乳化重合にて得られた重合体ラテックス中の重合体粒子の質量平均粒子径を大塚電子(株)製の光散乱光度計(DLS−700(商品名))により動的光散乱法で測定した。
(3)還元粘度
重合体0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、25℃で還元粘度を測定した。
(4)全光線透過率及び曇価
JIS K7136の試験方法に従ってアクリル系樹脂フィルムの全光線透過率及び曇価を測定した。
(5)カッターカット性
23℃及び50%RHの雰囲気下で、アクリル系樹脂フィルムをカッターナイフでMD方向及びTD方向へ切断した際に形成される端部の状態を目視観察し、以下の基準でアクリル系樹脂フィルムのカッターカット性を評価した。
◎:刃を入れる角度、速度のあらゆる条件でスムーズなカットが可能であった。
○:スムーズなカットが可能であった。
△:比較的良好なカットが可能であった。
×:カット後に断面に微細なクラック又はノッチが発生し、場合によってはアクリル系樹脂フィルムが裂けた。
(6)耐折曲白化性
20℃の雰囲気下で、膜厚125μmのアクリル系樹脂フィルムを比較的速い速度で180°折り曲げたときの白化状態を目視観察し、以下の基準でアクリル系樹脂フィルムの耐折曲白化性を評価した。
○:白化は認められない。
△:極僅かに白化する。
×:白化する。
(7)60度表面光沢度
JIS−Z8741に準拠し、ポータブル光沢計(コニカミノルタセンシング(株)製、商品名:GM−268)を用い、艶消し層(M)側の60度表面光沢度を測定した。
(8)艶消し層(M)および非艶消し層(G)各層の厚さ
本艶消しフィルムを断面方向に70nmの厚みに切断したサンプルを、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、商品名J100S)にて観察し、5箇所でそれぞれの厚みを測定し、それらを平均することで算出し求めた。
(9)本艶消しフィルムの印刷適性:
非艶消し層(G)側に絵柄層としてシルバーメタリック柄をグラビア印刷にて設けた。印刷抜け個数をカウントし、以下の評価をした。
○:印刷抜け個数が1個/m2未満である。
×:印刷抜け個数が10個/m2以上である。
(10)トリミング加工性
真空成形で得られた積層シートを、アクリル系樹脂フィルム側からトムソン打ち抜き型を用いてトリミングした際の積層シートの状態を目視観察し、以下の基準でトリミング加工性を評価した。
○:割れ及びクラックが認められない。
×:割れ又はクラックが50サンプル中2サンプル以上発生する。
(11)鉛筆硬度
JIS K5400に従って積層成形品の表面の鉛筆硬度を測定し、表面硬度を評価した。
[合成例1]ゴム含有重合体(1)の製造
攪拌機を備えた容器に脱イオン水10.8部を仕込んだ後、MMA0.3部、n−BA4.5部、1,3−BD0.2部及びAMA0.05部の第1段目単量体とCHP0.025部を投入し、室温下にて攪拌混合した。
次いで、容器内を攪拌しながら、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、東邦化学工業(株)製商品名「フォスファノールRS610NA」)1.5部を上記容器内に投入し、攪拌を20分間継続して乳化液(あ)を調製した。
冷却器付き重合容器内に脱イオン水139.2部を投入し、75℃に昇温した。
次いで、イオン交換水5部、SFS0.20部、硫酸第一鉄0.0001部及びEDTA0.0003部の混合物を重合容器内に一度に投入した。
更に、重合容器内を窒素下で攪拌しながら、乳化液(あ)を8分間にわたって重合容器内に滴下した後、15分間反応を継続させ、第1段目単量体の重合を完結し、第1段目重合体を得た。第1段目重合体のTgは−48℃であった。
攪拌機を備えた容器にMMA9.6部、n−BA14.4部、PBOM1.0部及びAMA0.25部の第2段目単量体を仕込んだ後、フォスファノールRS610NA0.2部、脱イオン水12.5部及びCHP 0.01を順に投入し、室温下にて攪拌混合した。得られた混合物を10,000rpmで5分間攪拌して乳化液(い)を調製した。
第1段目重合体が入った重合容器内に上記で調製した乳化液(い)を90分間にわたって滴下した後、60分間反応を継続させ、第2段目単量体の重合を完結し、第2段目重合体を得、重合体(A)を合成した。第2段目重合体のTgは−10℃であった。
続いて、重合体(A)が入った重合容器内にMMA6部、MA4部及びAMA0.075部の単量体成分(b)をCHP0.0125部と共に45分間にわたって滴下した後、60分間反応を継続させ、重合体(B)を得た。重合体(B)のTgは60℃であった。
更に、重合体(B)を得た重合容器内にMMA57部、MA3部及びn−OM0.264部の単量体成分(c)並びにt−BH0.075部の混合物を140分間にわたって滴下した後、60分間反応を継続させて重合体(C)を合成し、ゴム含有重合体(1)のラテックスを得た。重合体(C)のTgは99℃であった。また、ゴム含有重合体(1)の質量平均粒子径は0.11μmであり、ゲル含有率は63%であった。
得られたゴム含有重合体(1)のラテックスを、濾材としてSUS製のメッシュ(平均目開き:62μm)を取り付けた振動型濾過装置を用いて濾過した後、酢酸カルシウム3.5部で塩析させ、水洗して回収した後、乾燥し、粉体状のゴム含有重合体(1)を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2012144714
表中の略号は以下の化合物を示す。
n−BA:アクリル酸n−ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
PBOM:ポリブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルPBOM」、式(1)のXのMn:660、Xは下記式)
Figure 2012144714
1,3−BD:1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルBD」、式(1)のXのMn:86)
AMA:メタクリル酸アリル
23G:NKエステル23G(新中村化学工業(株)製、商品名、式(1)のXのMn:1028、Xは下記式)
Figure 2012144714
BPE−1300N:NKエステルBPE−1300N(新中村化学工業(株)製、商品名、式(1)のXのMn:1546、Xは下記式)
Figure 2012144714
ブレンマーPDC:ブレンマー40PDC−1700(日油(株)製、商品名、式(1)のXのMn:1700、Xは下記式)
Figure 2012144714
3−EDM:トリエチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステル3ED」、式(1)のXのMn:148)
MA:アクリル酸メチル。
[合成例2〜7]ゴム含有重合体(2)〜(10)の製造
第1段目単量体、第1段目単量体、単量体成分(b)及び単量体成分(c)の組成並びに使用量を表1に示す通りとした。それ以外は合成例1と同様にして粉体状のゴム含有重合体(2)〜(10)を得た。
[合成例11]ゴム含有重合体(11)の製造
攪拌機を備えた容器に脱イオン水10.8部を仕込んだ後、MMA0.3部、n−BA4.5部、1,3−BD0.2部及びAMA0.05部の第1段目単量体とCHP0.025部を投入し、室温下にて攪拌混合した。
次いで、容器内を攪拌しながら、フォスファノールRS610NA1.3部を上記容器内に投入し、攪拌を20分間継続して乳化液(あ’)を調製した。
冷却器付き重合容器内に脱イオン水139.2部を投入し、75℃に昇温した。
次いで、イオン交換水5部にSFS0.20部、硫酸第一鉄0.0001部及びEDTA0.0003部の混合物を重合容器内に一度に投入した。
更に、重合容器内を窒素下で攪拌しながら、乳化液(あ’)を8分間にわたって重合容器内に滴下した後、15分間反応を継続させ、第1段目単量体の重合を完結し、第1段目重合体を得た。第1段目重合体のTgは−48℃であった。
第1段目重合体が入った重合容器内にMMA9.6部、n−BA14.4部、1,3−BD1.0部及びAMA0.25部の第2段目単量体成分をCHP0.016部と共に90分間にわたって重合容器内に滴下した後、60分間反応を継続させ、第2段目単量体の重合を完結し、第2段目重合体を得、重合体(A’)を合成した。第2段目重合体のTgは−10℃であった。
上記の第2段目重合体を使用する以外は合成例1と同様にして粉体状のゴム含有重合体(11)を得た。
[合成例12]ゴム含有重合体(12)の製造
第1段目単量体、第1段目単量体、単量体成分(b)及び単量体成分(c)の組成並びに使用量を表1に示す通りとした。それ以外は合成例11と同様にして粉体状のゴム含有重合体(12)を得た。
[合成例13]水酸基を有する重合体の製造
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入口等の付いた反応容器に、次の混合物を仕込んだ。
MA 10部
MMA 60部
2−HEMA 30部
n−OM 0.08部
LPO 0.5部
メチルメタクリレート/メタクリル酸塩/
メタクリル酸エチルスルホン酸塩の共重合体 0.05部
硫酸ナトリウム 0.5部
イオン交換水 250部。
容器内を十分に窒素ガスで置換し、その後撹拌しながら75℃まで加熱し、窒素ガス気流中で重合を進めた。2時間後に90℃に昇温してさらに45分保持して重合を完了した。得られた重合体ビーズを、脱水、乾燥して水酸基を有する重合体を得た。この重合体の固有粘度は、0.11L/gであった。
[実施例1]
ゴム含有重合体(1)75部及び熱可塑性重合体(イ)(MMA/MA共重合体(MMA/MA=99/1(質量比)、還元粘度ηsp/c=0.06L/g))25部に、配合剤としてチヌビン234(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名)1.4部、アデカスタブAO−50((株)ADEKA製、商品名)0.1部及びアデカスタブLA−57((株)ADEKA製、商品名)0.3部を配合した後、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。
得られた混合物を230℃に加熱した脱気式押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30(商品名))に供給し、混練して、300メッシュのスクリーンメッシュで異物を取り除きながら押し出し、ペレットを得た。
上記のペレットを80℃で一昼夜乾燥し、300mm幅のTダイを取り付けた40mmφのノンベントスクリュー型押出機(L/D=26)を用いて、シリンダー温度180〜240℃、Tダイ温度240℃及びTダイのスリット幅0.3mmの条件で、500メッシュのスクリーンメッシュで異物を取り除きながら押し出した。溶融状態の樹脂を2本の金属製冷却ロール間に通し、バンクのない状態で樹脂を挟持し、圧延せずに面転写させて製膜した後、製膜されたアクリル系樹脂フィルムを巻き取り機で紙巻に巻き取ることによって厚さ125μmのアクリル系樹脂フィルムのロールを得た。得られたアクリル系樹脂フィルムの評価結果を表1に示す。
上記のアクリル系樹脂フィルムの表面に、絵柄層として木目柄をグラビア印刷にて設けた。
更に、接着層を有する厚さ1mmのABSシートを、接着層と絵柄層とが接するように熱ラミネーションによって積層し、積層シートを得た。
得られた積層シートを、アクリル系樹脂フィルム側がキャビティー側になるように、真空引き機能を持つ金型内に配置し、積層シートが190℃に達するまでヒーターで加熱した後に真空成形を行い、トリミング前の積層シートを得た。
次いで、不要部をトリミング加工して積層シートを得た。評価結果を表1に示す。更に、得られた積層シートを、キャビティー側の金型の底に、アクリル系樹脂フィルム側がキャビティー側になるように配置した。
次いで、積層シートのABSシート側に、基材を構成する材料であるABS樹脂(ユーエムジー・エービーエス(株)製、商品名「ダイヤペットABSバルクサムTM25」)を射出成形し、インサート成形により積層成形品を得た。
積層成形品の形状は縦150mm、横120mm、厚さ2mm及び深さ10mmの箱型である。
使用した金型のゲート位置及び数は、積層成形品の中央に1箇所、中央ゲートの上下(積層成形品の縦方向)40mmの位置に各1箇所の計3箇所であり、ゲート形状は直径1mmのピンポイントゲートである。
また、金型のキャビティー側の底面と側面を結ぶ角のコーナーRは約3である。即ち、アクリル系樹脂フィルムがラミネートされる側の積層成形品のエッジ部のコーナーRは約3である。コーナーRの測定はフジツール(株)製RADIUS GAGEで実施した。
射出成形には(株)日本製鋼所製J85ELII型射出成形機(商品名)を用い、シリンダー温度250℃、射出速度30%、射出圧力43%及び金型温度60℃の条件で行った。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜6]
ゴム含有重合体の組成を表1に示すものとした。それ以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
ゴム含有重合体の組成を表1に示すものとした。それ以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例8〜10並びに比較例1及び2]
ゴム含有重合体の組成を表1に示すものとした。それ以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例11]
合成例13で製造した水酸基を有する重合体10部を艶消し剤として、実施例8で得られたゴム含有重合体(8)75部及び熱可塑性重合体(イ)(MMA/MA共重合体(MMA/MA=99/1(質量比)、還元粘度ηsp/c=0.06L/g))15部、配合剤としてチヌビン234(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名)1.4部、アデカスタブAO−60((株)ADEKA製、商品名)0.1部及びアデカスタブLA−57((株)ADEKA製、商品名)0.3部、JP333E((株)城北化学製、商品名)0.3部を配合した後、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。得られた混合物を230℃に加熱した脱気式押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30(商品名))に供給し、混練して、300メッシュのスクリーンメッシュで異物を取り除きながら押し出し、ペレットを得た。
艶消し層(M)を構成する上記樹脂組成物のペレット、及び、非艶消し層(G)を構成する実施例8で得た樹脂組成物のペレットを80℃で一昼夜乾燥した。シリンダー温度240℃に設定した500メッシュのスクリーンメッシュを設けたノンベントスクリュー型65mmφの押出機を用いて、上記非艶消し層(G)を構成する樹脂組成物を可塑化し、他方、同じくシリンダー温度240℃に設定した500メッシュのスクリーンメッシュを設けた25mmφの押出機を用いて上記艶消し層(M)を構成する樹脂組成物を可塑化し、次いで240℃に設定した2種2層用マルチマニホールドダイで、非艶消し層(G)側が鏡面冷却ロールに接するようにして厚さ125μmの艶消しフィルムを作製した。艶消しフィルムの断面を観察したところ、艶消し層(M)の厚みは5μm、非艶消し層(G)の厚みは120μmであった。
上記の艶消しフィルムの非艶消し層(G)の表面に、絵柄層として木目柄をグラビア印刷にて設けた。
更に、接着層を有する厚さ1mmのABSシートを、接着層と絵柄層とが接するように熱ラミネーションによって積層し、積層シートを得た。
得られた積層シートを、艶消しフィルムの艶消し層(M)側がキャビティー面側になるように、真空引き機能を持つ金型内に配置し、積層シートが190℃に達するまでヒーターで加熱した後に真空成形を行い、トリミング前の積層シートを得た。
次いで、不要部をトリミング加工して積層シートを得た。評価結果を表2に示す。
更に、得られた積層シートを、キャビティー側の金型の底に、艶消しフィルムの艶消し層(M)側がキャビティー側になるように配置した。
次いで、積層シートのABSシート側に、基材を構成する材料であるABS樹脂(ユーエムジー・エービーエス(株)製、商品名「ダイヤペットABSバルクサムTM25」)を射出成形し、インサート成形により積層成形品を得た。
積層成形品の形状は縦150mm、横120mm、厚さ2mm及び深さ10mmの箱型である。
使用した金型のゲート位置及び数は、積層成形品の中央に1箇所、中央ゲートの上下(積層成形品の縦方向)40mmの位置に各1箇所の計3箇所であり、ゲート形状は直径1mmのピンポイントゲートである。
射出成形には(株)日本製鋼所製J85ELII型射出成形機(商品名)を用い、シリンダー温度250℃、射出速度30%、射出圧力43%及び金型温度60℃の条件で行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2012144714
[実施例12]
艶消し剤として、水酸基を有する重合体10部の代わりに、体積平均粒子径が約4μmの架橋アクリル粒子(エポスターMA1004((株)日本触媒製))を用いた以外は実施例11と同様に実施した。
実施例1〜10の評価結果から明らかなように、ゴム含有重合体を得る際に式(1)で表される多官能性単量体を含有させているので、得られるアクリル系樹脂フィルムのカッターカット性が良好であり、更に積層シートのトリミング加工性が良好である。
また、実施例5〜9の評価結果から明らかなように、式(1)で表される多官能性単量体を重合体(A)を得るための単量体成分100質量%中に6質量%以上含有させた場合には、得られるアクリル系樹脂フィルムのカッターカット性が極めて良好であった。
更に、実施例8の評価結果から明らかなように、ゴム含有重合体中の重合体(A)の第2段目重合体のTgを0℃以上とすることにより、得られるアクリル系樹脂フィルムの鉛筆硬度が良好となるため、耐擦傷性に優れる積層成形品が得られる。
また、実施例9から明らかなように、ゴム含有重合体中の重合体(B)のTgを50℃以上とすることにより、得られるアクリル系樹脂フィルムの鉛筆硬度が良好となるため、耐擦傷性に優れる積層成形品が得られる。
更に、実施例10から明らかなように、ゴム含有重合体中の重合体(B)の含有量を重合体(A)及び重合体(B)の合計量100質量%としたとき15質量%以上とすることにより、得られるアクリル系樹脂フィルムの鉛筆硬度が良好となるため、耐擦傷性に優れる積層成形品が得られる。
更に、実施例11〜12から明らかなように、艶消し剤を含む本樹脂組成物とすることで、鉛筆硬度が良好、且つ、カッターカット性が極めて良好な艶消しフィルムが得られる。更にこの艶消しフィルムを使用することで良好なトリミング加工性を有する積層シート、及び、耐擦傷性に優れる積層成形品が得られる。
一方、式(1)の要件を満足しない多官能性単量体を含有する比較例1及び比較例2では、得られるアクリル系樹脂フィルムのカッターカット性が不良であり、更に積層シートのトリミング加工性が不十分であった。

Claims (6)

  1. 下記の単量体成分(a)の重合体(A)の存在下に下記の単量体成分(c)の重合体(C)を形成して得られるゴム含有重合体を含有するアクリル系樹脂組成物。
    <単量体成分(a)の組成>
    (a−1)成分:アクリル酸アルキル40〜99.9質量%
    (a−2)成分:(a−1)成分以外の共重合性モノビニル単量体0〜59.9質量%
    (a−3)成分:下記式(1)で表される多官能性単量体0.1〜20質量%
    (a−4)成分:(a−3)成分以外の多官能性単量体0〜10質量%
    <単量体成分(c)の組成>
    (c−1)成分:メタクリル酸アルキル50〜100質量%
    (c−2)成分:(a−1)成分及び(c−1)成分以外の共重合性モノビニル単量体0〜50質量%
    (c−3)成分:下記式(1)で表される多官能性単量体0〜20質量%
    (c−4)成分:(c−3)成分以外の多官能性単量体0〜10質量%
    CH2=CR1−CO−(X)−COCR1=CH2・・・(1)
    (但し、R1はH又はCH3であり、Xはポリアルキレンの繰り返し単位、ポリアルキレングリコールの繰り返し単位、ポリエステルジオールの繰り返し単位、ポリカーボネートジオールの繰り返し単位、エチレンオキシド変性ビスフェノールA、プロピレンオキシド変性ビスフェノールA、エチレンオキシド変性水添ビスフェノールA及びプロピレンオキシド変性水添ビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種の二価残基を示し、数平均分子量(Mn)が300以上のもの。)
  2. 重合体(A)が、単量体成分(a)を予め水及び界面活性剤と混合して調製した乳化液を重合容器に供給して重合して得られたものである請求項1に記載のアクリル系樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のアクリル系樹脂組成物から得られるアクリル系樹脂フィルム。
  4. 少なくとも一方の面の60度表面光沢度が100%以下である請求項3に記載のアクリル系樹脂フィルム。
  5. 請求項3又は4に記載のアクリル系樹脂フィルムと熱可塑性樹脂シートとが積層された積層シート。
  6. 請求項3又は4に記載のアクリル系樹脂フィルムあるいは請求項5に記載の積層シートを基材の表面に積層して得られる積層成形品。
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