JP2012144126A - 車両用ドアヒンジ構造 - Google Patents

車両用ドアヒンジ構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ドアヒンジに車両後方側への衝突荷重が入力されても、サイドドアの開扉性能を損なわないようにすることができる車両用ドアヒンジ構造を得る。
【解決手段】ドアヒンジ後部36を構成するブラケット62とリテーナ60との間にスペーサ64、66が設けられており、ブラケット62へ衝突荷重が伝達されると、ブラケット62のリップ部88、90を介して、当該衝突荷重がスペーサ64、66の屈曲部72の座部78へ伝達される。スペーサ64、66の座部78とリテーナ60の取付面60Aとの間には隙間80が設けられているため、スペーサ64、66の屈曲部72の座部78へ衝突荷重が伝達されると、当該座部78がリテーナ60の取付面60A側へ塑性変形する。これにより、衝突エネルギが吸収され、ドアインナパネル24の前端面24Aの変形を抑制することができ、フロントサイドドア16の開扉性能を損なわないようにすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ドアヒンジ構造に関する。
車両用ドアヒンジ構造として、例えば、特許文献1に記載の発明では、ドアインナパネルのヒンジ取付部に開口部が形成されており、ヒンジ取付部の裏側には当該開口部を被覆し且つヒンジ取付部を補強するヒンジサイドパネルが固着されている。また、ヒンジ取付部の表側からは、開口部を通じてヒンジサイドパネルが露出しており、当該ヒンジサイドパネルにドア側ヒンジ部材が取り付けられている。
つまり、ドアインナパネルに形成された開口部を介して、ドア側ヒンジ部材がヒンジサイドパネルに直接的に取り付けられることとなる。これにより、前面衝突時(前突時)に、ドア側ヒンジ部材からの応力がドアインナパネルのヒンジ取付部に直接掛からないようにすることができ、ヒンジ取付部の破損が防止されるという技術が開示されている。
特開2000−085361号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、例えば、前面衝突時(前突時)に、フロントピラーに取り付けられた車体側ヒンジ部材が、ドア側ヒンジ部材を車両後方側へ押し込むと、ヒンジサイドパネルを介してドアインナパネルが車両後方側へ押し込まれ、サイドドア全体の変形量が増加して、サイドドアの開扉を困難にする可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、ドアヒンジに車両後方側への衝突荷重が入力されても、サイドドアの開扉性能を損なわないようにすることができる車両用ドアヒンジ構造を得ることが目的である。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造は、車体ピラーとドアインナパネルとの間に設けられ、ドアを回転可能に支持するドアヒンジ部材と、前記ドアヒンジ部材と前記ドアインナパネルとの間に設けられ、衝突エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、を有する。
請求項1記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造では、車体ピラーとドアインナパネルとの間にはドアヒンジ部材が設けられており、当該ドアヒンジ部材がサイドドアを回転可能に支持している。このドアヒンジ部材とドアインナパネルとの間に、衝突エネルギを吸収するエネルギ吸収部材が設けられている。このため、ドアヒンジ部材に車両後方側への衝突荷重が入力されると、当該エネルギ吸収部材によって衝突エネルギが吸収され、ドアインナパネルの変形が抑制される。
請求項2記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造は、請求項1記載の車両用ドアヒンジ構造において、前記エネルギ吸収部材が前記ドアインナパネル側に設けられ、前記エネルギ吸収部材へ入力された荷重が、前記エネルギ吸収部材と前記ドアインナパネル側との取付面に沿って伝達されるようになっている。
請求項2記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造では、エネルギ吸収部材がドアインナパネル側に設けられており、当該エネルギ吸収部材へ入力された荷重が、エネルギ吸収部材とドアインナパネル側との取付面(ドアインナパネルの前端面)に沿って伝達される。例えば、ドアインナパネル側の取付面と交差する方向へ衝突荷重が伝達された場合、ドアインナパネルの取付面を介してサイドドア全体の変形量が増加し、サイドドアの開扉を困難にする可能性がある。しかし、本発明のように、衝突荷重がドアインナパネル側の取付面に沿って伝達されることで、ドアインナパネルの前端面の変形を抑制することができる。
請求項3記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造は、請求項1又は2記載の車両用ドアヒンジ構造において、前記エネルギ吸収部材が、前記ドアヒンジ部材と前記ドアインナパネルとの間に隙間を形成するスペーサである。
請求項3記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造では、エネルギ吸収部材がスペーサであり、ドアヒンジ部材とドアインナパネルとの間に隙間を形成することで、スペーサへ衝突荷重が入力されると、当該スペーサを変形(弾性、塑性)させるに十分なスペースを確保することができる。このため、当該スペーサによる衝撃エネルギの吸収を効果的に得ることができる。
請求項4記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造は、請求項3に記載の車両用ドアヒンジ構造において、前記スペーサが、前記ドアインナパネル側の取付面に接合される一対の第1接合部と、前記第1接合部間に配置され、前記取付面との間に隙間が設けられた状態で前記ドアヒンジ部材に接合される第2接合部と、を含んで構成されている。
請求項4記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造では、スペーサが、一対の第1接合部及び第2接合部を含んで構成されている。第1接合部は、ドアインナパネル側の取付面に接合されており、第2接合部は第1接合部間に配置され、ドアインナパネル側の取付面との間に隙間が設けられた状態でドアヒンジ部材に接合される。
これにより、ドアヒンジ部材に車両後方側への衝突荷重が入力されると、スペーサの第2接合部に当該衝突荷重が伝達される。この第2接合部とドアインナパネル側の取付面との間には隙間が設けられているため、スペーサへ衝突荷重が伝達されると、第2接合部が当該取付面側へ変形(弾性、塑性)して衝突エネルギが吸収される。そして、第2接合部の変形によって、第1接合部は互いに離間する方向へ押し広げられ、当該第1接合部には互いに離間する方向へ荷重が伝達されることとなる。
つまり、衝突荷重は、スペーサの第2接合部を介して、ドアインナパネル側の取付面に沿って伝達されることとなる。このため、ドアインナパネルの前端面の変形を抑制することができる。
請求項5記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造は、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用ドアヒンジ構造において、前記エネルギ吸収部材が金属で形成され、当該エネルギ吸収部材の剛性が、前記ドアインナパネルの剛性よりも低く設定されている。
請求項5記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造では、金属で形成されたエネルギ吸収部材の剛性が、ドアインナパネルの剛性よりも低く設定されている。このため、ドアヒンジ部材に衝突荷重が入力されると、ドアインナパネルへ当該衝撃荷重が伝達される前にエネルギ吸収部材が変形(弾性、塑性)して衝撃エネルギを吸収することができる。
以上説明したように、請求項1記載の車両用ドアヒンジ構造は、ドアヒンジに車両後方側への衝突荷重が入力されても、サイドドアの開扉性能を損なわないようにすることができる、という優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造は、ドアヒンジ部材に衝突荷重が入力された場合、ドアインナパネルとの取付面に沿って当該衝突荷重を伝達させることで、ドアインナパネルの変形を抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造は、ドアヒンジ部材に衝突荷重が入力された場合、スペーサを変形させて衝突エネルギを吸収させることができる、という優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造は、ドアヒンジ部材に衝突荷重が入力された場合、ドアインナパネルとの取付面に沿って当該衝突荷重を伝達させることで、ドアインナパネルの変形を抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両用ドアヒンジ構造は、ドアヒンジに車両後方側への衝突荷重が入力された場合、エネルギ吸収部材によって衝突エネルギが吸収される、という優れた効果を有する。
本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造の全体構成を示す分解斜視図である。 本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造を示す横断面図(図4の2−2線断面図)である。 本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造を示す縦断面図(図4の3−3線断面図)である。 本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造が適用された車両の側面図である。 本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造の作用を説明する模式図であり、(A)は前面衝突前の状態を示し、(B)は前面衝突後の状態を示している。 図5に対応する比較例であり、(A)は前面衝突前の状態を示し、(B)は前面衝突後の状態を示している。
以下、図1〜図4を用いて、本実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示し、矢印INは車両幅方向内側を示している。
(車両用ドアヒンジ構造の構成)
図4には、本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造が適用された車両の側面図が示されている。図4に示されるように、車体側部10の前部、中間部、後部には、略車両上下方向に沿って延在するフロントピラー12、センタピラー14、リヤピラー(図示省略)がこの順に配設されている。フロントピラー12とセンタピラー14との間には、フロントサイドドア16が配設されており、センタピラー14とリヤピラーとの間には、リヤサイドドア18が配設されている。
図2は、本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造を示す横断面図であり、図4の2−2線断面図である。図2に示されるように、フロントサイドドア16は、車室外側に配置されるドアアウタパネル22と、車室内側に配置されてヘミング加工によりドアアウタパネル22と一体化され閉断面を構成する鋼板製のドアインナパネル24と、を含んで構成されている。
上記フロントサイドドア16の前方側には、ピラーアウタパネル26とピラーインナパネル28とによって中空柱状に形成された車両骨格部材であるフロントピラー12が略車両上下方向に沿って延在されている。フロントピラー12の前端部及び後端部には、各パネルの端末部を合わせて構成された前端フランジ部12A及び後端フランジ部12Bが車両前後方向に沿って配置されている。なお、ピラーアウタパネル26とピラーインナパネル28とによって閉断面構造に構成される断面内にピラーリインフォースを設ける場合がある。
また、フロントピラー12の長手方向の略中間部には、車体前部の側面上部側に車両前後方向を長手方向として配置されたエプロンアッパメンバ30の後端部が接合されている。エプロンアッパメンバ30は長尺状に形成されており、前面衝突時には車両後方側への衝突荷重を受ける。
ここで、上記各部材の位置関係について説明すると、フロントピラー12のピラーアウタパネル26の後端面26Aとフロントサイドドア16のドアインナパネル24の取付面としての前端面24Aとは前後に対向して配置されており、両者の間には所定の隙間39が設けられている。
そして、上記位置関係の下、フロントピラー12のピラーアウタパネル26の外側壁26Bには、ドアヒンジ32の前部(車両前後方向に沿って延在する前部側)に配置されるドアヒンジ前部34が設けられており、フロントサイドドア16のドアインナパネル24の前端面24A側には、ドアヒンジ32の後部(車両幅方向に沿って延在する後部側)に配置されるドアヒンジ後部36が設けられている。
図1には、本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造の全体構成を示す分解斜視図が示されている。図1に示されるように、ドアヒンジ前部34は、平面視で略L字状に形成されたブラケット38で構成されており、当該ブラケット38の長辺部40がピラーアウタパネル26の外側壁26Bに面接触可能とされている。
ピラーアウタパネル26の外側壁26Bには、取付孔42が形成されており、長辺部40には当該取付孔42に対応して挿通孔44が形成されている。この挿通孔44及び取付孔42へボルト46が挿通され、図示しないナットによって当該ボルト46が締結されることで、ドアヒンジ前部34がピラーアウタパネル26の外側壁26Bに固定される。なお、ドアヒンジ前部34の固定方法はボルトによる締結に限るものではなく、例えば、アーク溶接等による接合であっても良い。
ここで、ブラケット38の長辺部40から短辺部48の全域に亘って、車両高さ方向の上端部及び下端部からは、略L字状の上フランジ50又は下フランジ52が互いに平行となるようにそれぞれ張り出している。ドアヒンジ前部34の自由端側に位置する、短辺部48の上フランジ50及び下フランジ52には、軸孔54、56がそれぞれ形成されており、ヒンジピン58が挿通可能とされる。そして、このヒンジピン58はナット59を介してブラケット38の短辺部48に固定可能とされる。
一方、ドアヒンジ後部36は、フロントサイドドア16のドアインナパネル24の取付面としての前端面24Aに取り付けられる鋼製のリテーナ60と、ブラケット38に対して回転可能に支持される鋼製のブラケット62と、当該ブラケット62とリテーナ60との間に設けられる一対の鉄製のスペーサ64、66と、を含んで構成されている。
リテーナ60は車両高さ方向に沿って長板状に形成されており、長手方向の両端部はリテーナ60の幅寸法に合わせて半円状に角丸めされている。このリテーナ60がフロントサイドドア16のドアインナパネル24の前端面24Aに面接触可能とされている。フロントサイドドア16のドアインナパネル24の前端面24Aには、車両高さ方向に沿って複数の取付孔68(ここでは4箇所)が形成されており、リテーナ60には当該取付孔68に対応して複数の挿通孔70(ここでは4箇所)が形成されている。
ここで、リテーナ60には一対のスペーサ64、66が固定可能とされている。スペーサ64、66は長板状の鉄板が屈曲して形成されており、車両高さ方向に沿った断面形状において、その中央部には略U字状を成す、第2接合部としての屈曲部72が備えられている。そして、当該屈曲部72の両端部には、互いに離間する方向へ張り出す、第1接合部としてのリップ部74、76が設けられている。
図3は、本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造を示す縦断面図であり、図4の3−3線断面図である。図1及び図3に示されるように、このリップ部74、76がリテーナ60の取付面(表面)60Aと面接触可能とされる。そして、リップ部74、76がリテーナ60の取付面60Aと面接触した状態で、リップ部74、76と平行に設けられた、屈曲部72の座部78とリテーナ60の取付面60Aとの間には、隙間80が設けられる。
また、リップ部74、76には、それぞれ挿通孔82が形成されており、ボルト84が挿通可能とされている。この挿通孔82及びリテーナ60に形成された挿通孔70へボルト84が挿通され、図示しないナットによって当該ボルト84が締結されることで、スペーサ64、66及びリテーナ60がフロントサイドドア16のドアインナパネル24の前端面24Aに固定される。
一方、ブラケット62は長板状の鋼板が屈曲して形成されており、車両高さ方向に沿った断面形状において、その中央部には略U字状を成す屈曲部86が備えられ、当該屈曲部86の両端部には互いに離間する方向へ張り出すリップ部88、90が設けられている。屈曲部86の車両高さ方向に沿った長さは、スペーサ64、66の屈曲部72よりも長く形成されており、リップ部88はスペーサ64の座部78と面接触可能とされ、リップ部90はスペーサ66の座部78と面接触可能とされている。
そして、ブラケット62のリップ部88、90はスポット溶接(×印で示す)によって、スペーサ64、66の座部78にそれぞれ接合される。リップ部88、90がスペーサ64、66の座部78にそれぞれ接合された状態で、リップ部88、90と平行に設けられた、屈曲部86の座部92とスペーサ64、66の座部78との間には、隙間94が設けられる。
また、当該屈曲部86の互いに対向する側壁96、98には、それぞれ挿通孔100が形成されており、ヒンジピン58が挿通可能とされている。ブラケット62の屈曲部86はブラケット38の上フランジ50と下フランジ52との間に配置可能とされており、挿通孔100へヒンジピン58が挿通された状態で、ブラケット62が当該ヒンジピン58に軸支され、ブラケット38に対して回転可能となる。
これにより、フロントサイドドア16は、ドアヒンジ32のヒンジピン58回りに車両水平面内で回動(開閉)可能とされ、所謂スイング式のフロントサイドドア16が構成される。なお、ブラケット62が回転可能な範囲内において、リップ部88、90がドアヒンジ前部34の上フランジ50及び下フランジ52と干渉しないように設定されている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図1〜図3に示されるように、本実施形態では、ドアヒンジ後部36を構成する鋼製のブラケット62と鋼製のリテーナ60との間に鉄製のスペーサ64、66が設けられている。そして、スペーサ64、66の剛性は、ブラケット62よりも低く設定されている。
スペーサ64、66は長板状の鉄板が屈曲して形成されており、屈曲部72及びリップ部74、76を含んで構成されている。そして、リップ部74、76がリテーナ60を介して、フロントサイドドア16のドアインナパネル24の前端面24Aに固定された状態で、屈曲部72の座部78とリテーナ60の取付面60Aとの間には、隙間80が設けられるように設定されている。
このため、ドアヒンジ前部34に車両後方側への衝突荷重が入力されると、ドアヒンジ前部34のブラケット38を介して、ドアヒンジ後部36のブラケット62へ衝突荷重が伝達される。そして、ブラケット62へ伝達された衝突荷重は、ブラケット62のリップ部88、90を介して、スペーサ64、66の屈曲部72の座部78へそれぞれ伝達される。
ここで、図5(A)、(B)は、本実施形態に係る車両用ドアヒンジ構造の作用を説明する模式図である。なお、図5及び後述する図6は図3を右回りに90度回転させた状態で図示されている。そして、図5(A)には前面衝突前の状態が示されており、図5(B)には前面衝突後の状態が示されている。
図5(A)に示されるように、スペーサ64、66の屈曲部72の座部78とリテーナ60の取付面60Aとの間には隙間80が設けられている。このため、図5(B)に示されるように、ブラケット62へ衝突荷重が入力(矢印A方向)されると、ブラケット62のリップ部88、90を介して、スペーサ64、66の屈曲部72の座部78がリテーナ60の取付面60A側へ塑性変形する。
具体的には、当該座部78の車両高さ方向(ここでは矢印B方向)に沿った中央部がリテーナ60の取付面60A側へ移動し、屈曲部72が略M字状を成す形状に塑性変形する。このスペーサ64、66の塑性変形により、衝突エネルギが吸収される。そして、屈曲部72が略M字状に塑性変形すると、屈曲部72の両端部に位置するリップ部74とリップ部76は互いに離間する方向(矢印B方向)へ押し広げられる。つまり、リップ部74、76には互いに離間する方向へ荷重が伝達されることとなり、衝突荷重は、当該リップ部74、76及びリテーナ60を介して、ドアインナパネル24の前端面24Aに沿って車両高さ方向(矢印B方向)へ伝達されることとなる。
一方、図6(A)、(B)は図5に対応する比較例であり、図6(A)には前面衝突前の状態が示されており、図6(B)には前面衝突後の状態が示されている。例えば、図6(A)に示されるように、スペーサ64、66(図5(A)参照)が設けられていない場合、図6(B)に示されるように、ブラケット62へ衝突荷重が入力(矢印A方向)されると、ブラケット62のリップ部88、90を介して、リテーナ60及びドアインナパネル24の前端面24Aが矢印A方向に沿って押し込まれ、フロントサイドドア16全体の変形量が増加し、フロントサイドドア16の開扉を困難にする可能性がある。
しかし、図5(B)に示されるように、衝突荷重がドアインナパネル24側の前端面24Aに沿って伝達されることで、ドアインナパネル24の前端面24Aの変形を抑制することができる。これにより、フロントサイドドア16の開扉性能を損なわないようにすることができる。
一方、スペーサ64、66は鉄板で形成されており、ドアインナパネル24は鋼板で形成されている。つまり、スペーサ64、66の剛性の方が、ドアインナパネル24の剛性よりも低く設定されている。このため、ドアヒンジ後部36に衝突荷重が入力されると、ドアインナパネル24へ当該衝撃荷重が伝達される前にスペーサ64、66が弾性変形及び塑性変形して衝撃エネルギが吸収される。
なお、スペーサ64、66の形状については、スペーサ64、66の変形ストロークを確保することができれば良いため、特に限定されるものではない。また、スペーサ64、66によって衝撃エネルギを吸収することができれば良いため、スペーサ64、66の材質は鉄板に限るものでない。鉄板以外の金属であっても良いし、金属以外に弾性部材であっても勿論良い。
また、本実施形態では、ブラケット62のリップ部88、90は、スポット溶接によって接合されるようにしている。これにより、ボルト接合の場合と比較して、屈曲部72の座部78の変形ストロークを大きくすることができるが、リップ部88、90と座部78とをボルトで接合させても良いのは勿論ことである。また、ドアヒンジ32を構成する部材間の接合については、特に規定されるものではなく、ボルトや溶接など適宜対応可能である。
また、上述した実施形態では、フロントサイドドア16について説明したが、本発明の車両用ドアヒンジ構造はリヤサイドドア18についても適用可能である。そして、本実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
10 車体側部
12 フロントピラー(車体ピラー)
14 センタピラー(車体ピラー)
16 フロントサイドドア(サイドドア)
18 リヤサイドドア(サイドドア)
24 ドアインナパネル
24A 前端面(取付面)
32 ドアヒンジ(ドアヒンジ部材)
34 ドアヒンジ前部(ドアヒンジ部材)
36 ドアヒンジ後部(ドアヒンジ部材)
62 ブラケット(ドアヒンジ部材)
64 スペーサ(エネルギ吸収部材)
66 スペーサ(エネルギ吸収部材)
74 リップ部(第1接合部、スペーサ)
76 リップ部(第1接合部、スペーサ)
78 座部(第2接合部)

Claims (5)

  1. 車体ピラーとドアインナパネルとの間に設けられ、サイドドアを回転可能に支持するドアヒンジ部材と、
    前記ドアヒンジ部材と前記ドアインナパネルとの間に設けられ、衝突エネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、
    を有する車両用ドアヒンジ構造。
  2. 前記エネルギ吸収部材が前記ドアインナパネル側に設けられ、
    前記エネルギ吸収部材へ入力された荷重が、当該エネルギ吸収部材が取付けられた前記ドアインナパネル側の取付面に沿って伝達される請求項1に記載の車両用ヒンジ構造。
  3. 前記エネルギ吸収部材が、前記ドアヒンジ部材と前記ドアインナパネルとの間に隙間を形成するスペーサである請求項1又は2に記載の車両用ヒンジ構造。
  4. 前記スペーサが、
    前記ドアインナパネル側の取付面に接合される一対の第1接合部と、
    前記第1接合部間に配置され、前記取付面との間に隙間が設けられた状態で前記ドアヒンジ部材に接合される第2接合部と、
    を含んで構成された請求項3に記載の車両用ドアヒンジ構造。
  5. 前記エネルギ吸収部材が金属で形成され、当該エネルギ吸収部材の剛性は、前記ドアインナパネルの剛性よりも低く設定されている請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用ドアヒンジ構造。
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