JP2012139622A - 二酸化炭素分離回収用固体吸収材並びに二酸化炭素の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス中二酸化炭素の吸収を高効率で行うだけでなく、二酸化炭素を吸収した固体吸収材からの二酸化炭素の脱離も高効率に且つ低温で行うことができ、高純度の二酸化炭素を回収できる固体吸収材を提供する。
【解決手段】一般式〔I〕:
RNH(CH2)nOH 〔I〕
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表し、n=2〜5である。)
で表されるアルカノールアミンを含有する二酸化炭素分離回収用固体吸収材。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガス中に含まれる二酸化炭素(CO2)の分離回収用の固体吸収材に関するものである。更に、本発明は、当該固体吸収剤を使用した二酸化炭素の回収方法に関する。
近年、地球温暖化に起因すると考えられる気象変動や災害の頻発が、農業生産、住環境、エネルギー消費等に多大の影響を及ぼしている。この地球温暖化は、人間の活動が活発になることに付随して増大する二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン等の温室効果ガスが大気中に増大するためであると考えられている。その温室効果ガスの中で最も主要なものとして、大気中の二酸化炭素があげられる。地球温暖化の防止のため1997年12月には温暖化防止京都会議(COP3)が開催され、その会議で採択された京都議定書が2005年2月16日に発効し、二酸化炭素放出量の削減に向けての対策が緊急に必要となっている。
二酸化炭素の発生源としては石炭、重油、天然ガス等を燃料とする火力発電所、製造所のボイラーあるいはセメント工場のキルン、コークスで酸化鉄を還元する製鐵所の高炉、ガソリン、重油、軽油等を燃料とする自動車、船舶、航空機等の輸送機器などがある。これらのうち輸送機器を除くものについては固定的な設備であり、二酸化炭素の放出を削減する対策を施しやすい設備として期待されている。
ガス中の二酸化炭素を回収する方法としてはこれまでもいくつかの方法が知られている。そしてまた現在も広く種々の方法が研究されている。
例えば、二酸化炭素を含むガスを吸収塔内でアルカノールアミン水溶液と接触させて二酸化炭素を吸収させた後、その二酸化炭素回収用水溶液を加熱して脱離塔で二酸化炭素を脱離回収させる方法は、1930年代から開発され、尿素合成プラント塔で実用化されている。この方法は、経済的でありかつ大型化しやすいものである。
ここでアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン(以下、MEAと示すこともある)、ジエタノールアミン(以下、DEAと示すこともある)、トリエタノールアミン(TEA)、メチルジエタノールアミン(以下、MDEAと示すこともある)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、ジグリコールアミン(DGA)等が知られているが、通常MEAが用いられている。
しかし、これらのアルカノールアミンの水溶液を吸収液として用いた場合、装置の材質の腐食性が高いため、装置に高価な耐食鋼を用いる必要や、吸収液中のアミン濃度を下げる必要がある。また、吸収した二酸化炭素を脱離し難いために、脱離の温度を120℃と高い温度に加熱して脱離、回収する必要がある。また、それとは別に二酸化炭素を吸収液から脱離するのに必要なエネルギーが、20 kcal/mol CO2と高いという欠点もある。例えば、この方法を用いて発電所において二酸化炭素を回収するには、発電量の20%にもあたる余分なエネルギーが必要となってしまう。二酸化炭素の発生の削減、省エネルギー及び省資源が求められる時代においては、この高エネルギー消費は二酸化炭素吸収、回収設備の実用化を阻む大きな要因となっている。
例えば、特許文献1には、アミノ基周辺にアルキル基等の立体障害があるいわゆるヒンダードアミンの水溶液と大気圧下の燃焼排ガスとを接触させ、当該水溶液に二酸化炭素を吸収させることによる、燃料排ガス中の二酸化炭素の除去方法が記載されている。
当該特許文献1には、ヒンダードアミンとして2−メチルアミノエタノール(以下、MAEと示すこともある)及び2−エチルアミノエタノール(以下、EAEと示すこともある)の実施例が記され、MAE及びEAEの水溶液が、二酸化炭素の吸収に好ましいと記載されている。実施例はないものの他のヒンダードアミンとして2−イソプロピルアミノエタノール(以下、IPAEと示すこともある)等のアミンが記されている。
特許文献2には、アミン水溶液と混合ガスとを接触させて二酸化炭素を吸収する工程及び当該水溶液から二酸化炭素を脱離する工程を含む二酸化炭素の回収方法が記載されている。
特許文献2には、アミン水溶液として、二級もしくは三級炭素と結合した二級アミノ基又は三級炭素と結合した一級アミンを含む化合物、例えば、2−メチルピペラジン(以下、2MPZと示すこともある)、2−アミノ−2-メチル−1−プロパノール(以下、AMPと示すこともある)等が記載されている。
特許文献3には、(A)分子内にアルコール性の水酸基を1個と第一アミノ基とを有し、該第一アミノ基は2個の非置換アルキル基を有する第三級炭素原子に結合したものである化合物、及び(C)ジエタノールアミンからなる群から選ばれるアミン化合物100重量部:ならびに(D)ピペラジン、(E)ピペリジン、(F)モルフォリン、(G)グリシン、(H)2−ピペリジノエタノール及び(I)分子内にアルコール性水酸基を1個と第二アミノ基とを有し、該第二アミノ基は結合炭素原子を含めて炭素数2以上の連鎖を有する基に結合したN原子と炭素数3以下の非置換アルキル基とを有するものである化合物からなる群から選ばれるアミン化合物1〜25重量部の混合水溶液と大気圧中の燃焼排ガスとを接触させることを特徴とする燃焼排ガス中の二酸化炭素を除去する方法が記載されている。当該特許文献3には、(I)で示されるアミン化合物として、エチルアミノエタノール及び2−メチルアミノエタノールが好ましいと記載されている。
特許文献4には、大気圧下の燃焼排ガスと、第二級アミン及び第三級アミンのそれぞれの濃度が10〜45重量%の範囲にあるアミン混合水溶液とを接触させて燃焼排ガス中の二酸化炭素を除去する方法が記載されている。参考例として2−イソプロピルアミノエタノール他の濃度30重量%の水溶液を用いた実験例が示されている。
一級アミン(R-NH2)の水溶液を用いた、二酸化炭素の吸収過程は、一般的に以下の式で示される。
2 R-NH2 + CO2 → R-NH3 ++ R-NH-COO- [1]
或いは、次の反応でCO2を吸収する。
R-NH2 + CO2+ H2O → R-NH3 ++ HCO3 - [2a]
R-NH-COO- + H2O → R-NH2 + HCO3 - [2b]
二級アミン溶液(R1R2-NH)の水溶液による吸収反応は以下のとおりである。
2 R1R2-NH + CO2 → R1R2-NH2 ++ R1R2-N-COO- [3]
R1R2-NH + CO2+ H2O → R1R2-NH2 ++ HCO3 - [4a]
R1R2-N-COO-+ H2O → R1R2-NH + HCO3 - [4b]
二酸化炭素吸収液が、第二番目に示した経路(式[2a]、[2b]、[4a]、[4b])により二酸化炭素吸収を行えると、式[1]或いは式[3]で示される反応よりも反応熱が小さくなる。二級アミンを用いると第二番目に示した経路(式 [4a]、[4b])の反応が起こりやすくなり、反応熱が小さくなるため、脱離再生のエネルギーを少なくできるというメリットがある。したがって、これらを用いた吸収液が数多く研究されてきた。ただし、本反応経路は水が関与するため、水分の共存が不可欠である。
一方、特許文献5にはこれらの吸収液成分を固体に担持した固体吸収材として、多孔質のポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレンにテトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、ヘキサエチレンヘキサミン(HEHA)及び1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンを担持した固体吸収材を利用して、二酸化炭素を除去する方法が記載されている。
そして、アミン類を固体に担持することにより、脱離再生時に水溶液系で存在する余分な水分の加熱に関わるエネルギーが削減できるため、省エネルギー型の二酸化炭素回収技術となり得るとしている。
特許文献6にはモノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジイソプロパノールアミン(DPA)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(PEGDL)をベントナイトなどの粘土鉱物の層間にしみこませて担持した固体吸収材による二酸化炭素の除去方法が知られている。
二酸化炭素の回収方法は、燃焼排ガス中からの二酸化炭素の除去、即ち水溶液或いは固体吸収材への二酸化炭素の吸収工程、及び二酸化炭素を吸収した水溶液或いは固体吸収材からの二酸化炭素の脱離工程からなるので、効率的に二酸化炭素を回収するためには、当該吸収工程が高効率に行われるだけでなく、脱離工程も高効率に行われる必要がある。特許文献5及び6は、アミンを固体に担持することにより得られる固体吸収材の二酸化炭素吸収量について報告しているが、これらは脱離工程を高効率に行なうことに関しては記載がない。
前述のように、従来は、二酸化炭素の吸収工程の効率化についての多くの試みはなされているが、二酸化炭素の脱離効率は検討されていないか、または検討されていても、その脱離量及び脱離速度については不十分な方法しかなかった。従って、従来の二酸化炭素回収方法は、二酸化炭素の吸収と脱離とのバランスが悪く、二酸化炭素回収の効率が悪いという問題点があった。
また、二酸化炭素吸収の反応熱、換言すれば二酸化炭素脱離のために使用される熱を小さくすることにより低コストでの回収を達成することが大きな課題となっている。
特許2871334号公報 米国特許第4,112,052号明細書 特許2871335号公報 特許3197183号公報 米国特許7,288,136号明細書 米国特許6,908,497号明細書
前述したように、特許文献5及び6は、アミンを固体に担持することにより得られる固体吸収材の二酸化炭素吸収量について報告しているが、これらは脱離工程を高効率に行なうことに関しては記載がない。効率良く二酸化炭素を分離回収するためには、脱離量を増やすための改良が必要であった。
また、上記(式[1]〜[4b])のように、反応熱の小さい吸収経路は第2、3番目に示した経路(式[2a]、[2b]、[4a]、[4b])であるため、これらの固体吸収材の適用には水の共存が不可欠であった。
以上の従来技術の問題点に鑑み、本発明は、ガス中二酸化炭素の吸収を高効率で行うだけでなく、二酸化炭素を吸収した固体吸収材からの二酸化炭素の脱離も高効率に且つ低温で行うことができ、高純度の二酸化炭素を回収できる固体吸収材を提供することを目的とする。更には、単位量あたりの二酸化炭素吸収量や二酸化炭素脱離量が大きく、且つ、二酸化炭素脱離が低温で行える二酸化炭素分離回収用のアミンを固体に担持した固体吸収材を用いて、効率的に二酸化炭素を吸収し、且つ脱離して高純度の二酸化炭素を回収する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究した結果、2−イソプロピルアミノエタノール単独或いはピペラジン類を混合した2−イソプロピルアミノエタノールを、シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、粘土鉱物等の細孔或いは層間にアミンを保持するための空間を有する固体に担持することにより高い二酸化炭素吸収量及び吸収速度(以下、この2つの特性を合わせて吸収性能と呼ぶ)、更には高い二酸化炭素脱離量及び脱離速度(以下、この2つの特性を合わせて脱離性能と呼ぶ)を顕著に示すことを見出した。
また、上記のように従来のアミン水溶液系で知られていたように、水が関与することにより低温での脱離再生が可能であったが、水が存在しても存在しなくても、二酸化炭素の吸収性能及び脱離性能には影響がなく、水溶液系で知られていた挙動とは全く異なる挙動を示すことを見出した。かかる知見に基づき、更に研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
これにより二酸化炭素吸収成分であるアミンを水溶液中に分散した状態ではなく、固体の支持体表面に物理吸着、或いは化学結合させて保持させる(以下担持という)ことにより水溶液を用いた吸収法での脱離の際に余分な水分を加熱する必要がなくなり、より省エネルギー型の二酸化炭素の回収方法を提供することができる。
即ち、本発明は以下の項1から項11の構成を成すものである。
項1.一般式〔I〕:
RNH(CH2)nOH 〔I〕
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表し、n=2〜5である。)
で表されるアルカノールアミンを含有する二酸化炭素分離回収用固体吸収材。
項2.前記アルカノールアミンが式〔II〕:
Figure 2012139622
で表される2−イソプロピルアミノエタノールである、項1に記載の固体吸収材。
項3.前記アルカノールアミンの含有量が30〜60重量%である、項1又は2に記載の固体吸収材。
項4.一般式〔III〕:
Figure 2012139622
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素、炭素数1〜2のアルキル基、アミノで置換された炭素数1〜2のアルキル基、又は水酸基で置換された炭素数1〜2のアルキル基を表す。)
で表されるピペラジン類を更に含有する、項1〜3のいずれかに記載の固体吸収材。
項5.前記ピペラジン類がピペラジン、2−メチルピペラジン及び2−アミノメチルピペラジンからなる群より選択される少なくとも一種である、項4に記載の固体吸収材。
項6.前記アルカノールアミンと前記ピペラジン類の総含有量が30〜60重量%であり、且つ前記アルカノールアミンの含有量が20〜59重量%である、項4又は5に記載の固体吸収材。
項7.前記アルカノールアミンが支持体に担持されていることを特徴とする、項1〜3のいずれかに記載の固体吸収剤。
項8.前記アルカノールアミン及び前記ピペラジン類が支持体に担持されていることを特徴とする、項4〜6のいずれかに記載の固体吸収剤。
項9.前記支持体が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シリカ、アルミナ、粘土鉱物、シリカアルミナ、マグネシア、ジルコニア、その他の天然鉱物、廃棄物固体、又はそれらの混合物を含む、項7又は8に記載の固体吸収剤。
項10.前記支持体の比表面積が100〜800 m2/gであり、且つ細孔容積が0.1〜1.5 cm3/gである、項7〜9のいずれかに記載の固体吸収材
項11.(1)項1〜10のいずれかに記載の固体吸収材を二酸化炭素を含むガスと接触させ、ガスから二酸化炭素を吸収する工程、及び
(2)上記(1)で得られた二酸化炭素が吸収された固体吸収材を加熱して、二酸化炭素を脱離して回収する工程、
を含む二酸化炭素の吸収及び回収方法。
本発明の固体吸収材を用いた二酸化炭素の吸収及び回収方法は、二酸化炭素の吸収量が優れると共に、公知の二酸化炭素回収用固体吸収材に比較して優れた脱離量を有している。これにより吸収・脱離工程1サイクルあたり、極めて高い二酸化炭素回収量が得られる。
また、二酸化炭素の吸収反応熱も低く、低温で二酸化炭素を脱離して、高純度の二酸化炭素を回収することができる。二酸化炭素吸収成分のアミンを固体に担持し、且つ低温で二酸化炭素を脱離できると、アミン水溶液中の水成分の昇温に要するエネルギーを削減することにつながり、脱離工程での省エネ効果が極めて大きい。従来の報告例では、重炭酸イオンを生成する反応熱の小さい吸収経路は水の共存が不可欠な上記の経路(式[2a]、[2b]、[4a]、[4b])とされてきたが、驚くべきことに本発明の固体吸収材を用いると、反応経路に水が存在しなくても、脱離量に変化はなく、大きな脱離量が得られる。
以上示したように本発明により、二酸化炭素吸収・脱離に付随する装置を小型化し、建設費用を減らすことが可能となり、また脱離工程での省エネにもつながり産業上の意義は大きい。
実施例1〜7のCO2の吸収及び脱離挙動を示すグラフである。各番号は実施例の番号を示す。縦軸は固体吸収材に吸収された総CO2量であり、単位は固体吸収材1 kgあたりのCO2の質量(g)である。25℃でCO2を吸収させ、約1500秒経過したところで50℃に昇温して脱離させた。 実施例1の繰り返し試験の結果を示すグラフである。図1に示される吸収及び脱離工程を繰り返し実施した。縦軸は固体吸収材充填槽出口のガス中の二酸化炭素濃度、横軸は経過時間である。
以下、本発明を詳述する。
尚、本発明の二酸化炭素固体吸収材中のアミンの含有量(重量%)は、固体吸収材に吸収されている二酸化炭素を除いた固体吸収材の重量に対するアミンの重量を百分率で表したものであり、通常の熱重量分析測定或いは元素分析測定により求められる値である。
二酸化炭素の脱離回収用固体吸着材
本発明の二酸化炭素分離回収用固体吸収材は、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン、特に式〔II〕で表される2−イソプロピルアミノエタノール(IPAE)を含有することを特徴とし、好ましくはその他の成分として一般式〔III〕で表されるピペラジン類を更に含有する。
一般式〔I〕におけるRは炭素数1〜6、好ましくは2〜5、より好ましくは3〜4のアルキル基である。nは2〜5、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3の整数である。炭素数1〜6のアルキルは、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、及びヘキシルが挙げられる。
本発明の必須成分であるアルカノールアミン(IPAEなど)と混合する一般式〔III〕で表されるアミンについて以下説明する。本発明における一般式〔III〕で表されるピペラジン類において示される各置換基は、具体的には次の通りである。
炭素数1〜2のアルキル基としては、メチル基及びエチル基を挙げることができる。
アミノ基で置換された炭素数1〜2のアルキル基としては、例えば、1〜2個(好ましくは2個)のアミノ基で置換された炭素数1〜2のアルキル基を挙げることができ、具体的には、ジアミノメチル基、1,2−ジアミノエチル基等が含まれる。
水酸基で置換された炭素数1〜2のアルキル基としては、例えば、1〜2個(好ましくは1個)の水酸基で置換された炭素数1〜2のアルキル基を挙げることができ、具体的には、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が含まれる。
より具体的には、一般式〔III〕で表されるピペラジン類としては、例えば、ピペラジン(PZ)、2−メチルピペラジン(2MPZ)、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(2HEPZ)、2−アミノメチルピペラジン(2AMPZ)等を挙げることができる。
これらのピペラジン誘導体は二酸化炭素の吸収においては反応活性剤として機能し、反応速度、吸収量を上げると言われている。一方、二酸化炭素との反応はカルバメート結合であった。このことは、二酸化炭素の脱離には大きなエネルギーが必要となるため、吸収・脱離のバランスから見ると、脱離性能での課題があるアミンであった。
本発明で使用する上記化合物は、市販品を入手可能であるか、又は公知の方法により製造することが可能である。
固体吸収材中の一般式〔I〕で表されるアルカノールアミンの含有量、及び一般式〔I〕で表されるアルカノールアミンの含有量と一般式〔III〕で表されるピペラジン類の総含有量(以下、これら両方を総アミン量と略称する)は、30〜60重量%、好ましくは30〜55重量%、より好ましくは40〜55重量%が良い。固体吸収材中に一般式〔I〕で表されるアルカノールアミンと一般式〔III〕で表されるピペラジン類を両方含む場合、固体吸収材中の一般式〔I〕で表されるアルカノールアミンの含有量は、20〜59重量%、好ましくは48〜59重量%、より好ましくは55〜59重量%が良い。
固体吸収材中の必須成分である一般式〔I〕で表されるアルカノールアミンとしてIPAEを用いる場合、IPAEの含有量は、総アミン量の10〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは100重量%が良い。
一般的にアミンを水溶液として二酸化炭素の吸収材に用いる場合、アミン成分の濃度が高い方が単位液容量あたりの二酸化炭素の吸収量、吸収速度、脱離量及び脱離速度が大きく、エネルギー消費やプラント設備の大きさや効率からは望ましいが、重量濃度として70重量%を越える場合、活性剤としての水の効果が減少するためか二酸化炭素の吸収量の低下、アミン成分の混合性の低下、粘度の上昇等の問題が生じるとされている。
本発明の固体吸収材においては、そのようなアミン成分の混合性の低下、粘度の上昇等の問題がないため、総アミン量に制限はないが、支持体に安定に固定するためには60重量%以下が好ましい。また、30重量%未満であると、実用的な吸収性能、脱離性能が低下することがあるため、30重量%以上が好ましい。
一般式〔I〕で表されるアルカノールアミンの含有量と一般式〔III〕で表されるピペラジン類の選択及び混合比率は各々のアミン化合物の吸収、脱離性能に応じて適宜選択され得る。一般式〔III〕の化合物は、単独で使用しても良いが、複数の化合物を併用して使用する事も採用され得る。
本発明の固体吸収材は、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン、又は一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン及び一般式〔III〕で表されるピペラジン類が、固体である支持体に担持されたものである。
本発明で用いる支持体には特に制限はなく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シリカ、アルミナ、粘土鉱物、シリカアルミナ、マグネシア、ジルコニア、ゼオライト及びゼオライト類縁化合物、その他の天然鉱物、廃棄物固体、それらの混合物などを用いることができる。アミンを安定に保持できれば、液体窒素温度で窒素ガスを吸着して測定する比表面積(JIS Z8831-2, Z 8831-3)が2〜3000 m2/gであるあらゆる固体が支持体として使用可能であるが、アミンをなるべく多く担持するためには多孔質で比表面積が大きな材料が望ましく、比表面積は、好ましくは30〜1500 m2/g、より好ましくは100〜800 m2/gである。また、細孔容積は、好ましくは0.1〜1.5 cm3/g、より好ましくは0.2〜1.3 cm3/g、更に好ましくは0.5〜1.0 cm3/gである。
比表面積が小さい場合でも、実質的にはその層間に大量の有機分子を取り込むことができる、ベントナイト、カオリン、ヘクトライト、サポナイト、ラポナイト、合成フッ素雲母、セピオライトなどの粘土鉱物類が好ましく使用できる。極性のあるアミンを安定的に担持するためには極性の高い支持体材料が好ましく、そのような観点で、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂又はイオン交換機能を有する天然鉱物が好ましく用いられる。また、固体吸収材は安価であるほうが好ましく、その観点から、上述の粘土鉱物等に加え、鉄鋼スラグ、及び焼却灰などの廃棄物固体も好ましい。
本発明の固体吸収材は、一般的には本発明で用いられるアミン化合物を溶媒中に溶解し、支持体と混合した後に、溶媒を加熱・減圧操作等により除去することにより調製することができる。ここで使用する溶媒としては、メタノール、エタノール等が挙げられる。このような操作により表面張力が減少し、細孔内や層間を含む支持体上にアミン化合物が均一に担持されるが、均一に担持ができる場合には、溶媒を用いることなく、直接指示体とアミン化合物を混合して調製することも可能である。
また、本発明の固体吸収材には圧力損失を低減するためにシリカやアルミナなどの造粒用バインダーや、空孔形成材などを加えてもよい。
本発明の固体吸収材中の必須成分である一般式〔I〕で表されるアルカノールアミンは、二級アミンに属する化合物である。二級アミンに属する化合物は、従来より二酸化炭素吸収液用として、多くの化合物が知られている。一般式〔I〕で表されるアルカノールアミンを必須成分として用いる本発明は、本願発明者による次の知見に拠るものである。
有機アミン水溶液によって吸収された二酸化炭素は、水溶液中にてカルバミン酸アニオン又は重炭酸イオンの2種類のいずれかを形成している事が知られており、反応熱としては前者の方が高い値を示す事が知られている。これらはアミン分子の構造の差によると考えられておりこの二酸化炭素とアミンとの結合状態の差は、吸収後の脱離工程での二酸化炭素の脱離速度、脱離効率の差に繋がる為、結合状態の解明は重要な問題である。13C-NMR測定により、代表的な一級アルカノールアミンである2−アミノエタノール(MEA)は高吸収反応熱を示すカルバミン酸アニオンが多く、低吸収反応熱を示す重炭酸イオンの生成は少ないとされている。二級アルカノールアミンである2−エチルアミノエタノール(EAE)はMEA同様に高吸収反応熱を示すカルバミン酸アニオンが多く、低吸収反応熱を示す重炭酸イオンの生成は少ない。
これに対し本発明の必須成分である2−イソプロピルアミノエタノール(IPAE)では同じ二級アミンではありながら多くのアミンと異なり、高吸収反応熱を示すカルバミン酸アニオンは痕跡程度で、低吸収反応熱を示す重炭酸イオンの生成が大半であることが報告されている[ H. Yamada et al. Ind. Eng.Chem. Res. 49, 2449-2455 (2010).]。これは、IPAE分子のアミノ基に置換しているイソプロピル基がEAEのエチル基とは異なり嵩高く、その立体的特性よりカルバメート結合が著しく阻害される為であると推定される。
そこで2−イソプロピルアミノエタノール(IPAE)40重量%固体吸収材の吸収性能、脱離性能を調べた。二酸化炭素の吸収性能としての吸収量や吸収速度については、既知のアミン類に較べ優位性はないが、脱離性能としての脱離量や脱離速度では、既知のアミン類に較べ向上しており、二酸化炭素の吸収性能と脱離性能とのバランスが良かった。驚くべきことに、これらの吸収・脱離性能は固体吸収剤及び供給ガスに水分を含まない乾燥条件下でも同様の傾向が見られることを見出し本発明に至った。本来これらは重炭酸イオンの生成によるものであると考えられていたが、水が共存しない系では水溶液系と異なり、嵩高い立体的特性より極めて弱い結合が生成しているものと思われる。
二酸化炭素の吸収及び回収方法
本発明の二酸化炭素の吸収及び回収方法は、(1)上記の固体吸収材を二酸化炭素を含むガスと接触させ、ガスから二酸化炭素を吸収する工程、及び(2)上記(1)で得られた二酸化炭素が吸収された固体吸収材を加熱して、二酸化炭素を脱離して回収する工程を含むことを特徴とする。
・二酸化炭素吸収工程
二酸化炭素を含むガスとしては、例えば、重油、天然ガス等を燃料とする火力発電所、製造所のボイラー或いはセメント工場のキルン、コークスで酸化鉄を還元する製鐵所の高炉、銑鉄中の炭素を燃焼して製鋼する同じく製鉄所の転炉等からの排ガス、潜水艦や宇宙船などの船内の空気、オフィス空間の空気などが挙げられ、該ガス中の二酸化炭素濃度は特に規定されるものではないが、通常0.1〜30体積%程度、特に10〜20体積%程度であればよい。かかる二酸化炭素濃度範囲では、本発明の作用効果が好適に発揮される。なお、二酸化炭素を含むガスには、二酸化炭素以外に水蒸気、一酸化炭素等の発生源に由来する不純物ガスが含まれていてもよい。
一般に二酸化炭素を吸収するための固体吸収材は圧力と温度により二酸化炭素を吸収する量が増減する。この性質を利用して二酸化炭素を吸収・脱離させる方法には様々な方法がある。本発明の方法の吸収工程において、二酸化炭素を含むガスを、固体吸収材に接触させる方法は特に限定はない。例えば、該固体吸収材を充填した複数の吸収塔を設置し、二酸化炭素を含むガスを供給して交互に吸収、脱離を繰り返すことにより二酸化炭素を連続的に分離する方法(固定床)、或いは容器内で該固体吸収材を流動させながら、ガスを供給し、吸収と脱離を行なう方法(流動床)などによって行われる。
二酸化炭素を含むガスを固体吸収材に吸収させる時の温度は、通常室温から60℃以下で行われ、好ましくは50℃以下、より好ましくは20〜45℃程度で行われる。温度が低いほど吸収量は増加するが、どこまで温度を下げるかはプロセス上のガス温度や熱回収目標等によって決定される。二酸化炭素吸収時の圧力は通常ほぼ大気圧で行われる。吸収性能を高めるためより高い圧力まで加圧することもできるが、圧縮のために要するエネルギー消費を抑えるため大気圧下で行うのが好ましい。
・二酸化炭素脱離工程
二酸化炭素を吸収した固体吸収材から脱離をし、高濃度の二酸化炭素を回収する方法としては、固体吸収材或いは容器を加熱して温度を上昇させることにより脱離させる方法(温度スイング)、固体吸収材が充填された容器内に二酸化炭素分圧を減圧操作等により低下させて脱離させる方法(圧力スイング)、及び圧力変化に加えて温度変化も行う方法(圧力温度スイング)がある。これにより、固体吸収材から二酸化炭素が遊離して放出される。
二酸化炭素脱離時の温度は通常50℃以上で行われるが、好ましくは80℃以上、より好ましくは90〜120℃程度で行われる。温度が高いほど脱離量は増加するが、温度を上げると固体吸収材の加熱エネルギーの増加を招くため、その温度はプロセス上のガス温度や熱回収目標等を勘案して最適条件が決定される。二酸化炭素脱離時の圧力は通常ほぼ大気圧で行われる。脱離性能を高める為、低い圧力まで減圧することもできるが、減圧のために要するエネルギー消費を抑えるため大気圧下で行うのが好ましい。二酸化炭素を脱離した後の固体吸収材は、再び吸収工程で繰り返し使用される。
このようにして回収された二酸化炭素の純度は、通常、95〜99.9体積%程度と極めて純度が高いものである。この高濃度の二酸化炭素は、化学品、高分子物質の合成原料、食品冷凍用の冷剤等として用いられる。その他、回収した二酸化炭素を、現在開発されつつある技術で地下等へ隔離貯蔵することも可能である。
以上述べたように、本発明の方法においては、上記アミン類を特定の割合で含有する固体吸収材を用いることによって、二酸化炭素の吸収量及び吸収速度が高いだけでなく、低温での二酸化炭素の脱離量及び脱離速度も高いため、吸収、脱離サイクルで必要な実ローディング量(吸収塔における吸収量から脱離塔における脱離量の差)が増加し、結果として高い効率で二酸化炭素を回収するという本発明の目的を達成する事ができる。
次に、本発明について実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。尚、実施例において、特に指定しない限り、%とは、重量%を示す。また、アミンの含有量(重量%)は、固体吸収材に吸収されている二酸化炭素を除いた固体吸収材の重量に対するアミンの重量を百分率で表したものである。
実施例1-7
(1)固体吸収材の調製
IPAE及びPZを固体吸収材の40重量%となるように所定量(合計6.67 g)秤量し、容量300 ccのなすフラスコに計りとったメタノール(和光純薬工業 特級)20 gに溶解させた後、別途秤量した各種支持体10 gに加え、室温で、2時間撹拌した後に、これをロータリーエバポレーター(EYELA社製 N-1000)で50℃に加熱しながら、系内の圧力が0.03 MPaになるまで減圧することで、メタノール溶媒を除去し、アミンを支持体に均一に担持した固体吸収材を調製した。メタノール溶媒の除去は、フラスコと試薬類の合計の重さをあらかじめ計り取り、メタノール溶媒に相当する20 gの重量減少が確認できた時点で調製完了とした。調製した固体吸収材は二酸化炭素吸収性能評価試験に供するまで、なすフラスコに栓をして、デシケーター中で保管した。アミンを担持する支持体としてはHP2MG:PMMA(三菱化学株式会社製ダイヤイオン:ポリメチルメタクリレートビーズ);有効径0.3 mm以上;比表面積570 m2/g;細孔容積1.3 mL/gを用いた。
(2)二酸化炭素吸収性能評価試験
ガラス製のU字管(内径15 mm 高さ150 mm)に(1)で調製した総アミン含量が40重量%である固体吸収材を10 g充填し、両端をガラスウール(東ソー製 グレード Coarse)で固定した。次に温度が25℃になるように設定したアクリル製の恒温水槽内に、先に固体吸収材を充填したガラス製のU字管を浸漬した。この固体吸収材を充填したU字管の片側から、大気圧、0.5 L/分で二酸化炭素10体積%及び窒素ガス90体積%を含む混合ガスを供給して吸収させた。
固体吸収材充填槽入口及び固体吸収材充填槽出口のガス中の二酸化炭素濃度を、赤外線式の二酸化炭素計(堀場製作所製ガス分析計 VA-3001)で連続的に測定して、入口及び出口の二酸化炭素流量の差から二酸化炭素吸収量を測定した。飽和吸収量は固体吸収材充填槽出口の二酸化炭素濃度が入口の二酸化炭素濃度に一致する時点における量とした。ついで同じガス気流中で固体吸収材を充填した反応管の温度を数分にて50℃に上げて、固体吸収材からの二酸化炭素脱離量を測定した。反応管の温度は吸収試験で用いた25℃の恒温水槽とは別に、50℃になるように設定した恒温水槽を準備し、そこに固体吸収材を充填した反応管を浸漬させることで、反応管の温度を上昇させた。
比較例1
実施例1と同じ装置を用い、同条件で表1に示す濃度のピペラジン(PZ)を添加した固体吸収材を用いて二酸化炭素の飽和吸収量と二酸化炭素脱離量の測定を行った。
実施例8、9
実施例1と同じ装置を用い、同条件で表1に記載のようにピペラジン(PZ)の代わりに2−メチルピペラジン(2MPZ)、2−アミノメチルピペラジン(2AMPZ)を表1に記載の濃度で含む固体吸収材を用いて二酸化炭素の飽和吸収量と二酸化炭素脱離量の測定を行った。
実施例1〜9及び比較例1の結果について表1に示す。尚、以下の表中のCO2吸収量及び脱離量の単位(g/kg)は固体吸収材1 kg当たりのCO2の吸収量及び脱離量(g)である。
Figure 2012139622
表1の実施例1〜7と比較例1より、ピペラジン(PZ)の担持量が増大すると二酸化炭素の吸収量の増加が見られた。一方、ピペラジンの一部をIPAEで置換することにより、固体吸収材の脱離性能が向上する。これより、IPAEは低温での二酸化炭素脱離に有効であることがわかる。
実施例1〜3に示すPZのアミン重量比が7%以内の固体吸収材では、二酸化炭素の吸収量に顕著な差は見られないものの、二酸化炭素脱離量が実施例4〜7と比較して多いことがわかる。また、実施例4〜7で、PZが多くなるに従って二酸化炭素の吸収量は増加するが、二酸化炭素脱離量が顕著に低下する傾向にあるので、二酸化炭素脱離量の観点からはPZのアミン重量比は10%未満がよいのかも知れない。しかし、実施例5〜7でPZのアミン重量比が50%を超える場合には、吸収性能が比較例を上回っているので、放散温度がもう少し高い系や吸収性能に主眼をおいた二酸化炭素回収方法では好ましい固体吸収材となり得る。
これらの実施例1〜7の吸収、放散挙動を図1に示す。今回の実施例の条件下においては、PZとIPAEのアミン重量比を変えても、二酸化炭素の吸収および脱離速度にはほとんど変化がないことがわかる。また、図2に示すように実施例1においては繰り返し吸収放散を行なっても、吸収量と放散量に変化はなく、安定であり、連続使用が可能であることがわかる。
比較例2〜5
実施例1と同じ装置を用い、同条件で表2に記載のように実施例1のIPAEの比較としてモノエタノールアミン(MEA)、アミノメチルプロパノール(AMP)、ジエタノールアミン(DEA)、又はメチルジエタノールアミン(MDEA)を表の濃度で含む固体吸収材を用いて二酸化炭素の飽和吸収量と二酸化炭素脱離量の測定を行った。
得られた結果を表2に示した。
Figure 2012139622
IPAE 40重量%固体吸収材の実施例1と比較例2〜5を較べると、IPAEを担持した固体吸収材は他のアミンを担持した固体吸収材と比較して50℃での脱離性能が最も高いことが分かる。AMPは脱離量ではIPAEより劣るものの、吸収性能ではIPAEを上回っているので、脱離温度がもう少し高い系や吸収性能に主眼をおいた二酸化炭素回収方法では好ましい固体吸収材となり得る。
IPAEによる脱離性能の向上は、水溶液の系では二酸化炭素を吸収して重炭酸イオンを作るIPAEとカルバミン酸アニオンを作り脱離性能に劣る他のアミンとの違いであると推定されているが、本発明のように、水が関与しない系でも他のアミンと比較して脱離性能が優れていることがわかる。
つぎに40wt%のIPAEのみを担持した固体吸収材の吸収性能に共存水蒸気が及ぼす影響を検討した実施例を示す。
実施例10、11
実施例1と同じ装置を用い、固体吸収材充填槽の入り口側前に、供給ガスを加湿するためのバブラーを設置し、それ以外は実施例1及び実施例6と同条件で二酸化炭素の飽和吸収量と二酸化炭素脱離量の測定を行った。
得られた結果を表3に示した。
Figure 2012139622
表3に示すように、加湿した混合ガスを供給しても、吸収量および脱離量には顕著な変化が見られなかった。
先に述べたとおり、IPAEによる脱離性能の向上は、水溶液の系では二酸化炭素を吸収して重炭酸イオンを作るIPAEとカルバミン酸アニオンを作る他のアミンとの違いであると推定されており、加湿条件(実施例10および実施例11)では水が吸着されることにより二酸化炭素の吸収量増大が予想される。しかし、実施例1(乾燥条件)と実施例10(加湿条件)或いは実施例6(乾燥条件)と実施例11(加湿条件)の二酸化炭素の吸収量及び脱離量ともに顕著な差が見られなかった。このことは、本固体吸収材では、水溶液系で明らかにされているものとは異なった機構で二酸化炭素が吸収されていることを示している。
実施例12、13
実施例1と同じ装置を用い、支持体としてシリカ(富士シリシア化学製シリカ:CARiACT-Q10)を用いて調製した、固体吸収材を用い、実施例1と同条件で二酸化炭素の飽和吸収量と二酸化炭素脱離量の測定を行った。粒子径 75〜150μm(100-200 mesh)のシリカを用いた場合を実施例12、粒子径1.18〜2.36 mm(8-14 mesh)のシリカを用いた場合を実施例13とした。
実施例14
実施例1と同じ装置を用い、支持体として粘土(Rockwood additives Limited製ラポナイト:Laponite RDS)を用いて調製した、固体吸収材を用い、実施例1と同条件で二酸化炭素の飽和吸収量と二酸化炭素脱離量の測定を行った。
実施例15
実施例1と同じ装置を用い、支持体として粘土(クニミネ工業株式会社製モンモリロナイト:クニピアF)を用いて調製した、固体吸収材を用い、実施例1と同条件で二酸化炭素の飽和吸収量と二酸化炭素脱離量の測定を行った。
得られた結果を表4に示した。
Figure 2012139622
上記の結果から、PMMA、シリカ、粘土鉱物いずれを支持体として用いても、IPAEを担持した固体吸収材は、25℃での吸収量に対する50℃での脱離量の割合が他のアミン類を担持した固体吸収材(表2 比較例2〜5)と比較して多く、支持体の種類によらず良好な脱離性能を示すことがわかる。特にシリカを支持体として用いると、脱離割合が最も高くなった。
これらの事から明らかなように、本発明の方法で用いる、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミンと、上記一般式〔III〕で表されるピペラジン類からなる群より選択される少なくとも一種とを含む固体吸収材は、二酸化炭素の吸収性能(飽和吸収量及び吸収速度)及び二酸化炭素の脱離性能(脱離量及び脱離速度)がいずれも高く、特に、脱離性能が従来の水溶液と比較して高いため、二酸化炭素の吸収性能と脱離性能とのバランスがとれているという利点を有している。

Claims (11)

  1. 一般式〔I〕:
    RNH(CH2)nOH 〔I〕
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表し、n=2〜5である。)
    で表されるアルカノールアミンを含有する二酸化炭素分離回収用固体吸収材。
  2. 前記アルカノールアミンが式〔II〕:
    Figure 2012139622
    で表される2−イソプロピルアミノエタノールである、請求項1に記載の固体吸収材。
  3. 前記アルカノールアミンの含有量が30〜60重量%である、請求項1又は2に記載の固体吸収材。
  4. 一般式〔III〕:
    Figure 2012139622
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素、炭素数1〜2のアルキル基、アミノで置換された炭素数1〜2のアルキル基、又は水酸基で置換された炭素数1〜2のアルキル基を表す。)
    で表されるピペラジン類を更に含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の固体吸収材。
  5. 前記ピペラジン類がピペラジン、2−メチルピペラジン及び2−アミノメチルピペラジンからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項4に記載の固体吸収材。
  6. 前記アルカノールアミンと前記ピペラジン類の総含有量が30〜60重量%であり、且つ前記アルカノールアミンの含有量が20〜59重量%である、請求項4又は5に記載の固体吸収材。
  7. 前記アルカノールアミンが支持体に担持されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の固体吸収剤。
  8. 前記アルカノールアミン及び前記ピペラジン類が支持体に担持されていることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の固体吸収剤。
  9. 前記支持体が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シリカ、アルミナ、粘土鉱物、シリカアルミナ、マグネシア、ジルコニア、その他の天然鉱物、廃棄物固体、又はそれらの混合物を含む、請求項7又は8に記載の固体吸収剤。
  10. 前記支持体の比表面積が100〜800 m2/gであり、且つ細孔容積が0.1〜1.5 cm3/gである、請求項7〜9のいずれかに記載の固体吸収材
  11. (1)請求項1〜10のいずれかに記載の固体吸収材を二酸化炭素を含むガスと接触させ、ガスから二酸化炭素を吸収する工程、及び
    (2)上記(1)で得られた二酸化炭素が吸収された固体吸収材を加熱して、二酸化炭素を脱離して回収する工程、
    を含む二酸化炭素の吸収及び回収方法。
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