JPH10337434A - ガス吸収体およびそれを用いた空気清浄器 - Google Patents

ガス吸収体およびそれを用いた空気清浄器

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JPH10337434A
JPH10337434A JP9147525A JP14752597A JPH10337434A JP H10337434 A JPH10337434 A JP H10337434A JP 9147525 A JP9147525 A JP 9147525A JP 14752597 A JP14752597 A JP 14752597A JP H10337434 A JPH10337434 A JP H10337434A
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gas
fan
exhaust port
gas absorber
potassium
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JP9147525A
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Kimiyasu Honda
公康 本田
Yukiyoshi Ono
之良 小野
Masato Hosaka
正人 保坂
Kunio Kimura
邦夫 木村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不要ガスを効率よく吸収および放出するガス
吸収体と、それを用いた空気清浄器を提供する。 【解決手段】 炭化珪素を主成分とするハニカム5表面
に、シリカゾル3、ゼオライト2と炭酸カリウム1を担
持して被膜4を形成し、外部からハニカムに通電するこ
とでハニカム5自体が発熱するガス吸収体であり、圧送
能力の大きなポンプや溶液を加熱冷却する装置を省くこ
とができる。そして、それを用いたガス吸収部を備え、
ガス吸収部の上流側に室内吸気口を備え、ガス吸収部の
下流側に室内排気口と室外排気口とを備え、ガス吸収部
と室内排気口とを連通させる経路Aを備え、ガス吸収部
と室外排気口とを連通させる経路Bを備え、経路A内部
にファンAを備え、経路B内部にファンBを備え、ガス
吸収部の動作、ファンAの動作およびファンBの動作を
制御する制御手段を備えた空気清浄器を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生利用可能な気
体中の不要ガスの吸収剤、およびそれを用いた空気中の
不要ガスの清浄器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気体中の不要ガス、例えばアンモニアガ
ス、メルカプタン、炭酸ガス、硫化水素ガスなどを除去
する方法には、ゼオライトなどの多孔質材料を用いた物
理的吸着方式、炭酸カリウムやアルカノールアミン類の
水溶液を用いた化学的吸収方式などが知られている。
【0003】ゼオライトなどを用いた物理的吸着方式
は、多量のペレット状のゼオライト吸着剤を用いて気体
中の不要ガスを吸着していた。そして、吸着剤を再利用
するには加熱空気により吸着された物質を脱着してい
た。
【0004】また、炭酸カリウムやアルカノールアミン
類を用いた炭酸ガス、硫化水素ガスなどの弱酸性ガスの
化学的吸収は次式のいずれかの化学反応により行われ
る。
【0005】
【化1】
【0006】これらは常温で起きる反応で、そしてほぼ
100℃以上の温度があれば逆反応が起こり、吸収した炭
酸ガスや硫化水素ガスを再び放出する。
【0007】そして、大型プラントなどでは、水溶液中
でこの反応を進行させ、弱酸性ガスの吸収と放出の行程
を繰り返している。
【0008】また、特開平6-296858号公報に記載されて
いるようなペレット状の炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
をシリカや活性炭などに担持した酸性ガス吸着剤は、粒
径50メッシュ程度のペレット状であるため圧力損失が高
く、また、再生行程において、吸収した酸性ガスを放出
するために加熱気体で吸着剤の加熱を行わなければなら
なかった。
【0009】一方、密閉された室内において、人の呼吸
や燃焼器などの使用により多量に炭酸ガスが発生した
り、温泉浴場などで硫化水素ガスなどが発生したりし
て、弱酸性ガスが充満して室内の環境が汚染されること
がある。室内の弱酸性ガスを除去する方法としては、窓
を開けたり換気扇等で換気を行う方法が考えられるが、
弱酸性ガスのみを選択的に除去することはできなかっ
た。さらに換気により室内と温度の異なる室外の空気が
多量に室内に流入するため、室内温度が変化した。つま
り暖房時は温度低下、冷房時には温度上昇になり、熱エ
ネルギーの無駄となっていた。熱交換式換気扇もある
が、冷房時にはさほど有効ではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ゼオライトなどを用い
た気体中の不要ガスの物理的吸着方式においては、物理
的吸着であるため、十分な効果を発生するには吸着剤で
あるペレット状のゼオライトを多量に必要とするという
課題があった。また、ペレット状であるために、圧力損
失が大きいという課題があった。かつ吸着剤の再生時に
は、吸着したガスを脱着して再び吸着剤として使用する
ためにゼオライトを加熱冷却する設備を必要とするとい
う課題があった。そして、吸着剤の熱容量が大きく、吸
着剤の脱着時の応答性がさほど良くないという課題があ
った。
【0011】また、水溶液を用いる弱酸性ガスの化学的
吸収方式では、水溶液を用いるので設置場所が制限され
るという課題があった。また、圧送能力の大きなポンプ
を必要とするという課題があった。また、吸収したガス
を放出して再び吸収剤として利用するため、溶液を加熱
冷却するための設備を必要とするという課題があった。
また、溶液を通過した気体は水分を含んでいるという課
題があった。また、容量の大きい水溶液を用いるため、
溶液の加熱冷却に時間がかかるという課題があった。
【0012】さらに、特開平6-296858号公報に記載され
ているような酸性ガス吸着剤でも、ペレット状であるた
めに、圧力損失が大きいという課題があった。また、吸
着剤の再生時には、吸着したガスを放出して再び吸着剤
として使用するためにゼオライトを加熱冷却する設備を
必要とするという課題があった。そして、吸着剤の熱容
量が大きく、吸着剤の脱着時の応答性がさほど良くない
という課題があった。
【0013】一方、室内の弱酸性ガスを除去する空気清
浄器に関して、弱酸性ガスのみを選択的に除去すること
はできないという課題があった。さらに換気により室内
と温度の異なる室外の空気が多量に室内に流入するた
め、室内温度が変化するという課題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】再生利用可能なガスの吸
収体に関して、本発明は、ハニカム形状の基体表面にシ
リカ、アルミナ、ゼオライト、および活性炭より選ばれ
る少なくとも一つの成分を含む被膜を備え、前記基体を
加熱する発熱手段を備えたガス吸収体を構成するもので
ある。さらに、前記被膜が水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫化カリウ
ム、硫化ナトリウム、アルカノールアミン類から選ばれ
る少なくとも一つを担持しているガス吸収体を構成する
ものである。さらに、前記基材が電気抵抗性材料あるい
は電磁波吸収性材料であり、前記基材自体が前記発熱手
段となるガス吸収体を構成するものである。さらに、前
記水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸ナトリウム、硫化カリウム、硫化ナトリウム、アル
カノールアミン類から選ばれる少なくとも一つの重量
は、前記被膜重量に対して50%以下であるガス吸収体を
構成するものである。
【0015】一方、上記ガス吸収体を用いた空気清浄器
に関して、本発明は、上記ガス吸収体を用いたガス吸収
部と、前記ガス吸収部の上流側に設けた室内吸気口と、
前記ガス吸収部の下流側に設けた室内排気口および室外
排気口と、前記ガス吸収部と前記室内排気口とを連通さ
せる経路Aと、前記ガス吸収部と前記室外排気口とを連
通させる経路Bと、前記経路A内部に設けたファンA
と、前記経路B内部に設けたファンBと、前記ガス吸収
部の動作、前記ファンAの動作および前記ファンBの動
作を制御する制御部とを備えた空気清浄器を構成するも
のである。さらに、前記ガス吸収部に設けた温度検出手
段による信号により前記ガス吸収部の前記発熱手段の動
作、前記ファンAの動作および前記ファンBの動作を前
記制御部により制御する空気清浄器を構成するものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1から図8を用いて説明する。実施の形態1、実施
の形態2はガス吸収体に関するものであり、実施の形態
3は空気清浄器に関するもので、実施の形態1のガス吸
収体を応用したものである。
【0017】(実施の形態1)図1および図2は、本発
明の一実施の形態である炭酸ガスを対象としたガス吸収
体Aである。図1は側面概念図および拡大概念図であ
り、図2は立面概念図である。
【0018】炭酸カリウム1、ゼオライト2と無機バイ
ンダー(シリカ)3の混合物を自己発熱型ハニカム5表
面に担持し、約 200℃で焼結して被膜4を形成してい
る。自己発熱型ハニカム5の材質は炭化硅素(SiC)で
あり、電気的抵抗性を有している。大きさは縦100mm、
横200mm、厚さ20mmであり、 100セル/平方インチの孔
が穿孔されている。自己発熱型ハニカム5には電極6を
取り付けて通電できるようにしている。炭酸カリウム
1、ゼオライト2、無機バインダー3の組成比は表1の
比率とした。被膜の重量は90gである。
【0019】
【表1】
【0020】ゼオライト2は吸着剤として作用する。本
実施の形態では、ハニカム5上のゼオライト2が空気中
の水分を吸着する。そして、炭酸ガスと、担持された炭
酸カリウム1と、水分とで(式1)の反応が進み、炭酸
ガスが化学的に吸収されるものである。ゼオライト2だ
けでも炭酸ガスは吸着されるが、化学的吸収剤である炭
酸カリウム1を担持することにより格段に吸収量が増え
る。
【0021】そして、ファン10と上記ガス吸収体A11を
用いて、空気がガス吸収体A11を通過するようにしたユ
ニットを作成し、それをボックス12に接続管17で接続し
た実験装置Aを作製した。図3にその構成図を示す。実
験装置Aのボックス12の容量は10m3 である。圧送能力
の低いファン10で空気を循環させることが可能であり、
また、再生時に空気を予熱するためのヒータも不要であ
る。さらに、吸収剤が水溶液ではないので、ガス吸収体
A11は、縦方向、横方向、斜め方向など、どの方向に置
いても良く、設置場所の制限がない。
【0022】実験装置Aにおいて、最初に通電を行い、
ガス吸収体A11の温度を 200℃まで上昇させ、吸収して
いる炭酸ガスを放出させた。その後、前記ボックス12内
の炭酸ガス濃度が3000ppm になるように外部から炭酸ガ
スを注入した。濃度が安定した後、ガス吸収体A11の通
電を停止し、ボックス12内の炭酸ガス濃度の変化をガス
クロマトグラフを用いて測定した。
【0023】さらに、ガス吸収体A11の炭酸カリウム1
を各々モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジグ
リコールアミンのアルカノールアミン類に置き換えたも
のを作製し、それぞれガス吸収体B、C、D、E、Fと
した。さらにそれをユニット化し、それをボックス12に
接続した実験装置B、C、D、E、Fを作製した。な
お、構成は、図1、図2および図3において、炭酸カリ
ウム1を各々モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、ジグリコールアミンに置き換えただけであり、図面
は省略する。
【0024】実験装置Aと同様に、実験装置B、C、
D、E、Fでまず通電させ、ガス吸収体B、C、D、
E、Fの温度を 200℃にし、吸収している炭酸ガスを放
出させた後、前記ボックス内の炭酸ガス濃度が3000ppm
になるように炭酸ガスを注入した。濃度が安定した後、
ガス吸収体B、C、D、E、Fの通電を停止し、ボック
ス12内の炭酸ガス濃度の変化をガスクロマトグラフを用
いて測定した。
【0025】次に、比較例として、ガス吸収体A11の被
膜と同組成、同重量(90g)の吸収剤を粒状に成型し、
ペレット13にしたものを石英管14に充填し、強制的にポ
ンプ15でガスを通過させるようにした。石英管14はヒー
タ16で囲ってあり、必要に応じてペレット13を加熱でき
る構造にした。吸収剤のペレット13の粒度はほぼ50メッ
シュである。圧損が大きいため、ファンでは送風能力が
足らず、ポンプ15を用いて空気を送る構成とした。そし
て、それをボックス12に接続管17で接続した実験装置G
を作製した。図4に実験装置Gを示す。実験装置Gのボ
ックス12の容量も10m3 である。
【0026】実験装置Gは、まずヒータ16で石英管14内
部のペレット13を加熱し、ペレット13の温度を 200℃に
し、吸収している炭酸ガスを放出させた後、前記ボック
ス12内の炭酸ガス濃度が3000ppm になるように炭酸ガス
を注入した。濃度が安定した後、ヒータ16の通電を停止
し、ボックス12内の炭酸ガス濃度変化をガスクロマトグ
ラフを用いて測定した。
【0027】実験装置A、B、C、D、E、F、Gとも
に通過風量は同じになるようにした。結果を表2および
図5に示す。
【0028】
【表2】
【0029】実験装置Aと実験装置Gを比較すると、明
らかに60分間での炭酸ガス濃度は実験装置A、つまり自
己発熱型ハニカムを用いたほうが、実験装置Gの吸収剤
をペレットにしたものより低くなっている。
【0030】また60分の測定後、各発熱手段に通電し、
吸収剤を再加熱したところ、実験装置A、B、C、D、
E、Fは素早く吸収している炭酸ガスを放出したが、実
験装置Gは放出するのに時間を必要とした。つまり自己
発熱型ハニカムを用いたほうが吸収剤をペレットにした
ものより放出に要する時間が短くなっている。また、こ
のときの投入電力は、実験装置Gが他に比べて多かっ
た。
【0031】このように、吸収剤をペレット状にしたも
のでは圧送能力の高いポンプ15が必要であったものが、
本発明品では圧送能力の低いファン10で空気を循環させ
ることが可能となる。また、再生時に空気を予熱するた
めのヒータも不要となる。代わりに自己発熱型ハニカム
を加熱する手段が必要であるが、空気を予熱するための
ヒータより実験装置全体の構成が簡単となる。さらに、
吸収剤が水溶液になっていないので、ガス吸収体A11
は、縦方向、横方向、斜め方向など、どの方向に置いて
も良く、設置場所の制限がない。また、水溶液を通過し
ないので炭酸ガスが除去された空気はほとんど水分を含
まない。
【0032】次に、炭酸カリウムの含有量と被膜状態の
関係を調べた。図3の実験装置において、被膜中の炭酸
カリウムの含有量を変化させたハニカムを用いて、炭酸
ガスの吸収10分、放出5分のサイクルを 10000回行った
後、被膜の状態を観察した。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】炭酸ガスの吸収は(化1)の反応で行われ
るため、炭酸カリウムの含有量が炭酸ガスの吸収容量に
影響する。したがって炭酸カリウムは多く含有している
方が良いと考えられる。しかし、炭酸カリウムの含有量
が重量比率で50%を越えると被膜の剥離が生じている。
またアルカノールアミン類の場合でも同様の現象が見ら
れた。この実験結果から、被膜の炭酸カリウムおよびア
ルカノールアミン類の含有量は重量比率で50%以下にす
ることが望ましいと判断した。
【0035】また、最初に炭酸水素カリウム、炭酸水素
ナトリウム、硫化水素カリウム、硫化水素ナトリウム、
アルカノールアミン炭酸塩、アルカノールアミン炭酸水
素塩、アルカノールアミン硫化塩、アルカノールアミン
硫化水素塩など、(化1)における右側の反応生成物を
担持した場合は、一度 200℃程度に加熱すれば炭酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム、硫化カリウム、硫化ナトリウ
ム、アルカノールアミンなど、(化1)の左側のガスの
吸収剤に変化させることが可能であるので、本発明の動
作に何ら影響を与えない。
【0036】さらに、最初に水酸化カリウムや水酸化ナ
トリウムなどを担持した場合は、(化2)の反応が起こ
り、生成物が炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、
硫化水素カリウム、硫化水素ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、硫化カリウム、硫化ナトリウムな
どとなる。従って、一度 200℃程度に加熱すれば炭酸カ
リウムや炭酸ナトリウムなど、(化1)の左側のガスの
吸収剤に変化させることが可能であるので、本発明の動
作に何ら影響を与えない。
【0037】
【化2】
【0038】また、基体の材質はSiCの他にもSiN
(窒化珪素)などの電気抵抗性材料であればよい。
【0039】一方、電極を通じて投入される電力による
ジュール熱による加熱ではなく、電磁波発生器による電
磁波で加熱しても、SiCやSiN(窒化珪素)などは
電磁波を吸収して発熱するので同様の効果を発揮する。
【0040】また、対象ガスを最初から硫化水素にする
場合は、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの炭酸塩で
はなく、硫化カリウムや硫化ナトリウムなどの硫化物塩
を用いる方がよい。これは炭酸と硫化水素では酸として
の強さが炭酸の方が強いからである。しかしながら、効
果はほとんど同じようなメカニズムで発揮される。
【0041】(実施の形態2)図6、図7は、他の本発
明の一実施の形態であるハニカムZの概念図である。図
6はハニカムZの立面概念図および拡大概念図であり、
図7はハニカムZの正面概念図である。
【0042】ハニカム21表面に、ゼオライト2と無機バ
インダー(シリカ)3の混合物を担持して被膜4a を形
成し、約 200℃で焼成したガス吸収体Zである。ハニカ
ム21近傍に設けた輻射ヒータ22によりハニカム21が加熱
される。この吸収体Zは、吸着剤単位体積あたりの表面
積を大きくとれるので不要ガスを効率的に吸着できる。
また、吸収体Zの再生時には、輻射ヒータ22からの加熱
は主に輻射伝熱23、一部対流伝熱24によりほとんどロス
無くハニカム21に到達し、被膜4a を加熱するために使
われるので加熱時間を短くすることが可能となり、投入
電力を節約できる。このため輻射ヒータ22の加熱能力も
空気を加熱して吸着剤を加熱する能力を備えるほど大き
なものは必要ない。さらに水溶液を使わないので設置場
所を選ばないし、不要ガスが除去された気体も水分をほ
とんど含んでいない。さらにハニカム状なので吸着剤と
空気との接触面積が大きくなり、少量の吸着剤(ゼオラ
イト2)で不要ガスを十分に吸着できる。また、開孔率
の大きくとれるハニカム21に吸着剤を担持しているの
で、圧力損失の少ないガス吸収体を提供できる。従っ
て、圧送能力の大きなポンプは必要でなく、圧送能力の
低いファンでも十分性能を発揮する。
【0043】なお、ハニカムの孔の形状は(実施の形態
1)や(実施の形態2)で示している四角孔や丸孔だけ
ではなく、六角孔、三角孔など、特に形状にこだわらな
くとも本発明の効果には何ら影響を及ぼさない。
【0044】(実施の形態3)図8は本発明の一実施の
形態である空気清浄器であり、内部に実施の形態2のガ
ス吸収体A11が装填されている。ガス吸収体A11には電
極6を取り付けてあり通電できるようにしている。
【0045】ガス吸収体A11の上流側には吸気口36が備
えられ、室内の空気を吸入する。ガス吸収体A11の下流
側には経路A36と経路B37が備えられる。経路A36内部
にはファンA31が備えられ、その下流側に室内排気口32
が備えられ、空気を室内に放出する。また、経路B37内
部にはファンB33が備えられ、その下流側に室外排気口
34が備えられ、空気を室外に放出する。本構成では制御
器39によりファンA31とファンB33の動作を制御して流
通経路切り替え機能を実現している。
【0046】通常運転時、ファンB33は停止または空気
の逆流を防ぐ程度に逆運転させておき、ファンA31を作
動させると、吸気口35から入った空気はガス吸収体A11
を通過し、炭酸ガス98を選択的に吸収する。この時は、
ガス吸収体A11は加熱しない。炭酸ガスを除去した空気
は経路A36を通り、室内排気口32から室内に戻る。
【0047】再生時は、ファンA31を停止または空気の
逆流を防ぐ程度に逆運転させておき、代わりにファンB
33を作動させ、ガス吸収体A11を通電し加熱して、約 2
00℃にする。このとき、電力投入の時間を制御していれ
ば特にガス吸収体A11の温度を検出しなくても不都合は
生じない。ガス吸収体A11から放出される放出炭酸ガス
99は、経路B37を通り、室外排気口34から室外に放出さ
れる。ガス吸収体A11への通電時間は、再生終了の30秒
前で停止させ、残り時間はガス吸収体A11の冷却にあて
る。
【0048】運転時間の割合は、本実施例では、通常運
転10分間、再生5分間のサイクルに設定している。
【0049】二人の成人を6畳の室内(高気密住宅)に
在室させ、本発明品の場合、換気扇を用いた場合、何も
装着しない未装備の場合の炭酸ガス濃度の比較を行っ
た。炭酸ガス濃度は検知管を用いて測定した。換気扇は
作動させたままであった。結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】明らかに本発明品は室内の炭酸ガス濃度の
上昇を抑えており、室内の空気清浄能力が従来技術より
優れていることがわかる。
【0052】また、上記実施例2において、再生時の動
作を以下のように変えると、さらに効率良く炭酸ガスを
浄化できるガス清浄器を構成できる。
【0053】再生時は、まずファンA31を停止させると
同時にガス吸収体A11に通電させる。さらにガス吸収体
A11の温度を温度検出器38で検出する。温度がおよそ 1
00℃を越えたことが検出された後、ファンB33を作動さ
せる。するとガス吸収体A11から放出された放出炭酸ガ
ス99を含んだ空気は、経路B37を通り、室外排気口34か
ら室外に放出される。ガス吸収体A11への通電時間は、
再生終了の1分前で停止させ、残り時間はガス吸収体A
11の冷却時間にあてる。これらの動作は制御器40により
制御される。
【0054】なお、本実施の形態4においては、除去対
象とするガスを炭酸ガスとしたが、他のガス、例えば硫
化水素ガスなどでも本発明の効果は損なわれない。その
場合は、吸収剤は炭酸カリウムの代わりに例えば硫化カ
リウムなどを使用する。
【0055】したがって、温泉浴場など、多量に硫化水
素ガスの発生するような場所で、特に冬季に浴場内の温
度を低下させることなく硫化水素ガスを除去できる。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明のガス吸収体は、従
来のペレット状のゼオライトを用いた方式に比べて、吸
着剤の表面積が大きくなり、吸着剤が少なくても十分吸
着機能を発揮する。また、ハニカム形状の基体表面に吸
着剤の被膜を備えたことで圧力損失を小さくしてしかも
吸着剤の表面積は大きくなる。また、ペレット状の吸着
剤に比べて熱容量が小さいので、加熱冷却の時間が短
い。さらに、基体自身を発熱させることで、基体の加熱
に関する応答性が向上し、ガスなどによる間接的加熱方
式に比べて加熱に要する設備を小さくできる。
【0057】また、同時に炭酸カリウムなどを担持した
本発明のガス吸収体は、水溶液を用いていないので設置
場所に制限が無い。また、通過したガスは水分を含んで
いない。また、水溶液を加熱冷却しないのでその設備を
削減できる。さらに、ペレット状にしたものに比べて、
ハニカム形状の基体表面に吸着剤の被膜を備えたことで
圧力損失を小さくしてしかも吸着剤の表面積は大きくな
る。また、熱容量が小さいので、加熱冷却の時間が短
い。さらに、基体自身を発熱させることで、基体の加熱
に関する応答性が向上し、ガスなどによる間接的加熱方
式に比べて加熱冷却に要する設備を小さくできる。
【0058】さらに、炭酸カリウムなどの重量比率を50
%以下としたことで、ガス吸収体の寿命が伸びる。
【0059】一方、本発明の空気清浄器は、室内に充満
した不要なガスを選択的に除去できる。さらに換気扇に
比べて換気量を減らすことができるので室内温度の変化
を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例であるガス吸収体Aの側
面概念図および拡大概念図
【図2】同ガス吸収体Aの立面概念図
【図3】同ガス吸収体Aの性能測定に用いた実験装置の
概念図
【図4】比較に用いたガス吸収体の性能測定に用いた実
験装置の概念図
【図5】ガス吸収体の性能比較の結果を示した図
【図6】本発明の具体的実施例であるガス吸収体Zの側
面概念図および拡大概念図
【図7】同ガス吸収体Zの立面概念図
【図8】本発明のガス吸収体Aを空気清浄器に用いた場
合の具体的実施例の概念図
【符号の説明】
1 炭酸カリウム 1a 硫化カリウム 2 ゼオライト 3 シリカ 4,4a 被膜 5 自己発熱型ハニカム 6 電極 10 ファン 11 ガス吸収体A 12 ボックス 13 ペレット 14 石英管 15 ポンプ 16 ヒータ 17 接続管 21 ハニカム 22 輻射ヒータ 23 輻射伝熱 24 対流伝熱 31 ファンA 32 室内排気口 33 ファンB 34 室外排気口 35 吸気口 36 経路A 37 経路B 38 温度検出器 39 制御器 98 炭酸ガス 99 放出炭酸ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 邦夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカム形状の基体表面にシリカ、アル
    ミナ、ゼオライト、および活性炭より選ばれる少なくと
    も一つの成分を含む被膜を備え、前記基体を加熱する発
    熱手段を備えたガス吸収体。
  2. 【請求項2】 前記被膜が水酸化カリウム、水酸化ナト
    リウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫化カリウ
    ム、硫化ナトリウム、アルカノールアミン類から選ばれ
    る少なくとも一つを担持している請求項1記載のガス吸
    収体。
  3. 【請求項3】 前記基材が電気抵抗性材料あるいは電磁
    波吸収性材料であり、前記基材自体が前記発熱手段とな
    る請求項1または2記載のガス吸収体。
  4. 【請求項4】 前記水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
    ム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫化カリウム、硫
    化ナトリウム、アルカノールアミン類から選ばれる少な
    くとも一つの重量は、前記被膜重量に対して50%以下で
    ある請求項2または3記載のガス吸収体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかに記載のガス
    吸収体を用いたガス吸収部と、前記ガス吸収部の上流側
    に設けた室内吸気口と、前記ガス吸収部の下流側に設け
    た室内排気口および室外排気口と、前記ガス吸収部と前
    記室内排気口とを連通させる経路Aと、前記ガス吸収部
    と前記室外排気口とを連通させる経路Bと、前記経路A
    内部に設けたファンAと、前記経路B内部に設けたファ
    ンBと、前記ガス吸収部の動作、前記ファンAの動作お
    よび前記ファンBの動作を制御する制御部とを備えた空
    気清浄器。
  6. 【請求項6】 前記ガス吸収部に設けた温度検出手段に
    よる信号により前記ガス吸収部の前記発熱手段の動作、
    前記ファンAの動作および前記ファンBの動作を前記制
    御部により制御する請求項5記載の空気清浄器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012139622A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Research Institute Of Innovative Technology For The Earth 二酸化炭素分離回収用固体吸収材並びに二酸化炭素の回収方法
JP2013075070A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Sumika Enviro-Science Co Ltd 消臭剤組成物および消臭製品
JP2014511272A (ja) * 2011-02-28 2014-05-15 コーニング インコーポレイテッド 二酸化炭素を捕捉するための物品

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