JP2012139099A5 - - Google Patents

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超電導モータ
本発明は、超電導コイルを備えた超電導モータに関する。
従来、帯状(平角)の導体を巻回して形成したコイルを界磁コイルとして用いたモータが多数提供されている。
例えば、この種のモータが特開昭53−55703号公報(特許文献1)において提供されている。特許文献1で提供されているモータでは、図17に示すように、帯状の導体1をエッジ方向に巻いて(所謂エッジワイズ巻き)複数のコイル2を形成し、該コイル2を固定子ハウジング3の内周面に周方向に間隔をあけて配置して界磁コイルとしている。
特開昭53−55703号公報
しかしながら、特許文献1で提供されているモータでは、帯状の導体をエッジワイズ巻きして界磁コイルを形成しているため、図17(A)に示すように界磁コイルの構造が複雑になってモータが大型化すると共に生産性が悪い問題がある。
また、帯状の導体が超電導線からなる場合には、超電導線を無理にエッジワイズ巻きすることにより超電導線が損傷して超電導特性が劣化するおそれがある。
さらに、界磁コイルとして超電導コイルを用いると、該超電導コイルを超電導温度に冷 却する冷媒で冷却する必要があるが、従来、該冷却機構に関しては改善の余地があった。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、超電導コイルを効率良く冷却できるよ うにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、
超電導コイルと、該超電導コイルを超電導温度に冷却する冷媒を収容する冷却容器と、
前記冷媒が貯蔵される冷媒タンクと、
前記冷却容器と冷媒タンクとを連結する、蛇腹形状部を有する配管を備えていることを 特徴とする超電導コイルの冷却装置を提供している。
前記冷却装置では、前記冷却容器は前記超電導コイルと冷媒が収容される内槽と、該内 槽が真空断熱層を介して収容される外槽とを備え、
前記冷媒タンクは、前記冷媒が貯蔵される内槽と、該内槽が真空断熱層を介して収容さ れる外槽を備え、
前記配管は前記冷却容器の内槽と前記冷媒タンクの内槽を連結する内管と、前記冷却容 器の外槽と前記冷媒タンクの外槽を連結すると共に前記内管を真空断熱層を介して囲む外 管を備え、これら内管および/または外管に前記蛇腹形状部を設けていることが好ましい
また、本発明は、回転子と、該回転子の外周に配置される固定子を備え、
前記固定子は超電導コイルからなり、
前記超電導コイルと、該超電導コイルを超電導温度に冷却する冷媒とを収容する冷却容 器と、
前記冷媒が貯蔵される冷媒タンクと、
前記冷却容器と冷媒タンクとを連結する、蛇腹形状部を有する配管を備えている超電導 モータを提供している。
前記超電導モータにおいて、前記超電導コイルは、帯状の超電導線が巻回されて形成さ れたパンケーキコイルまたはソレノイドコイルからなり、
前記超電導コイルの軸線方向の両端に配置される第1ヨークおよび第2ヨークと、
前記第1ヨークの内周から突設したN極の誘導子と、第2ヨークの内周から突設したS 極の誘導子とを備え、
前記N極誘導子とS極誘導子とを前記超電導コイルと前記回転子の間に、周方向に間隔 をあけて配置して磁路を設けていることが好ましい。
前記のように、界磁側固定子として設ける超電導コイルとして、帯状の超電導線をエッジワイズ巻きではなくフラットワイズ巻きし、同心位置に巻回して形成したパンケーキコイルあるいはソレノイド巻きして形成したソレノイドコイルを用いている。かつ、該超電 コイルの軸線方向の両端に誘導子を設けた第1ヨークと第2ヨークをそれぞれ配置し、該第1ヨーク側のN極の誘導子と第2ヨーク側のS極の誘導子とを固定子の内周面に周方向に間隔をあけて配置して構成している。
このように、界磁を形成する超電導コイルを、帯状の超電導線を巻回して円環形状に形成したパンケーキコイルあるいはソレノイドコイルで形成しているため、従来例のように帯状の導体をエッジワイズ巻きしたコイルを設ける必要がない。
また、前記従来例では、磁極数と同数のコイルを設けているため、コイルの個数が多くなり非常に複雑な構造となるが、誘導子により磁極を形成しているため、1つの超電導コイルで複数の磁極を形成することができ、磁極数に対して超電導コイルの個数を大幅に少なくすることができる。これにより、超電導モータを小型化することができると共に容易に製造することができる。
また、帯状の超電導線をエッジワイズ巻きしないため、超電導線を損傷させることがない。よって、超電導特性を劣化させることなく、十分な性能を発揮してモータの高出力が可能となる。
さらに、超電導線に大電流を流すことにより、第1、第2ヨークを磁束が飽和した状態で用いることができ、電機子の磁場の変化が第1、第2ヨークに影響しにくく、第1、第2ヨークに渦電流が生じにくくなって、第1、第2ヨークにおける鉄損を低減して発熱を抑えることができる。
前記第1ヨークと第2ヨークの誘導子は、例えば、それぞれ直径方向に対向して一対設け、第1ヨークと第2ヨークの誘導子を90度間隔をあけて配置し、回転子の外周にN極、S極を90度間隔で配置している。第1ヨークと第2ヨークに設ける誘導子の個数は限定されず、回転子の外周にN極誘導子とS極誘導子とが等間隔で配置される構成であれば良く、誘導子の個数を増やして極数を増加させることにより、本発明のモータをステッピングモータとして利用することもできる。
前記超電導コイルは、前記複数のシングルパンケーキコイルあるいはダブルパンケーキコイルを軸線方向に並設して円筒状とした積層コイルとし、該積層コイルの軸線方向の両端のパンケーキコイルの外方に前記第1、第2ヨークの円環状の側端壁部を配置し、これら側端壁部の外周縁より突設する外周壁部で前記積層コイルの外周を囲むと共に、内周縁より前記誘導子を突設していることが好ましい。
このように、所要個数のパンケーキコイルを軸線方向に並設した積層コイルとした場合も軸線方向に長い円環形状のコイルとすることができ、モータの要求電流量に対応した 電導コイルを簡単に形成できる。
さらに、回転子の軸線方向の寸法に応じて、前記積層コイルと第1、第2ヨークとを組み合わせた界磁側固定子を、軸線方向に間隔をあけて複数組設けることが好ましい。
超電導線をソレノイド巻きしたソレノイドコイルの場合も軸線方向の長さを任意に設定でき、円筒形状を保持できる。
前記軸線方向にパンケーキコイルを並列した積層コイルは、隣接するパンケーキコイルの超電導線を順次連結し、該連結した超電導線の両端末に第一、第二端子を接続し、該第一、第二端子は長尺細幅のリード線接続部を有する端子とし、これら第一端子あるいは/及び第二端子のリード線接続部を近接位置に配置していることが好ましい。
このように、積層コイルの軸線方向の両端に位置する超電導線の端末に接続する第一、第二端子のリード線接続部を近接位置に配置すると、後述するように、第一、第二端子のリード線接続を1つの冷媒用配管内に挿通させて、冷媒タンク側へと引き出すことができる。
前記第一端子と第二端子を屈曲させてリード線接続部を近接配置してもよいし、接続する超電導線の端末を延在させてもよい。
前記円環形状とした超電導コイルは、略相似形状の内面を有する円環状筒型とした前記冷却容器に収容しており、
前記冷却容器は、内周壁と、外周壁と、該内外周壁の軸線方向の両端に夫々連結する円環状の端面壁を有し、前記外周壁に冷媒通路となる前記配管の一端を取り付け、該配管の他端を前記超電導コイルを超電導温度に冷却する冷媒を貯留した前記冷媒タンクと連結している。
本発明の超電導モータでは、界磁コイルとする超電導コイルが1個または複数個のパンケーキコイルを並設した積層型、あるいはソレノイドコイルとして円筒形状とし、該超電 コイルの外形と略相似形状とした円環状筒型の冷却容器に収容することで、冷却容器を小型化でき、モータの大型化を抑制できる。さらに、該冷却容器の表面積を小さくすることで熱の進入を低減でき、冷却性能を向上させることができる。
かつ、前記従来例ではコイル数が多くなり、各コイルをそれぞれ冷却容器に収容すると冷却容器の個数が多くなり、非常に複雑な構造となる。これに対して、本発明では超電導コイルの個数を大幅に少なくすることができるため、冷却容器の構造も簡素化することができる。
前記超電導コイルを収容した冷却容器の両側の端面壁を前記第1、第2ヨークの円環状の側端壁部で覆うと共に、該冷却容器の外周壁を前記第1、第2ヨークの側端壁部の外周縁より突設する外周壁部で囲み、
前記第1、第2ヨークの外周壁部の先端面を突き合わせると共に、これら外周壁の外面に軸線方向に設けた挿通溝に締結材を嵌合し、該締結材の両端を第1、第2ヨークにネジ締め固定して前記第1、第2ヨークとを締結固定し、かつ、
前記第1、第2ヨークの外周壁部の先端の突き合わせ部の先端に前記配管を貫通させる切欠を設け、あるいは/および前記外周壁部に前記配管を貫通させる貫通穴を設けている。
前記のように、超電導コイルを収容する冷却容器は、第1ヨークと第2ヨークで囲んでいるため、該冷却容器と冷媒タンクとを連通する配管を第1ヨークと第2ヨークを貫通させる必要がある。このため、前記のように、第1、第2ヨークの外周壁先端の突き合わせ部の先端に前記配管を貫通させる切欠を設け、あるいは/および前記外周壁に前記配管を貫通させる貫通穴を設けている。
前記配管を貫通させる前記切欠あるいは貫通穴、あるいは/および前記第1、第2ヨークの挿通溝は、前記第1、第2ヨークの内周より突設する前記誘導子と対向する外周位置に設けていることが好ましい。
本発明の超電導モータにおいて、超電導コイルからなる界磁コイルと電機子側回転子に設けた電機子コイルに電流を流したときに、第1、第2ヨークの外周壁部にも磁束が通るが、誘導子を設けた位置では磁束が誘導子側を通り、該誘導子と対向する位置の外周壁部を通る磁束は少ない。 よって、前記のように、配管を通す切欠、貫通穴や前記挿通溝を誘導子と対向する外周位置に設けると、該誘導子と対向する位置の外周壁部の中心を通る磁束は比較的少ないため、前記切欠等による磁束の流れの阻害を最小限に抑えることができる。
前記第1、第2ヨークに設ける切欠等は異なるヨーク側の誘導子と対向する位置の外周壁部に設けてもよい。
前記冷却容器の外周壁と前記超電導コイルの外周面との間の距離を前記超電導コイルの径方向の幅よりも大としていることが好ましい。
より好ましくは、冷却容器の外周壁と前記超電導コイルの外周面との間の距離を前記 電導コイルの径方向の幅の2.5倍〜3倍としていることが好ましい。
液体窒素等からなる冷媒が気化して発生した気泡が冷却容器内に溜まり、この溜まった気泡が超電導コイルからなる界磁コイルと長時間接触し続けると、該接触部分が冷媒により冷却されず、局所的に超電導コイルの冷却が低下する。
しかし、前記構成によれば、冷却容器の外周壁と超電導コイルの外周面との間に大きな隙間を設けて、発生した気泡が超電導コイルと接触しにくくしているため、該気泡が超電 コイルと長時間接触し続けるのを防止することができ、超電導コイルを局所的に冷却できない状態が生じるのを防止することができる。
前記配管の内径は前記冷却容器の配管接続口の内寸よりも小さい場合には、前記配管側から前記配管接続口に向けて拡径する拡径連結部を介在させることが好ましい。
あるいは、前記冷却容器の外周壁に、その軸線方向の略全長に開口する配管接続口を設け、該配管接続口の内寸と同一内寸を有する配管を接続してもよい。
前記したいずれの構成としても、冷却容器への配管からの冷媒流通口を大きくでき、冷媒が気化して発生した気泡を、効率良く冷却容器から配管を通して冷媒タンクへ排出することができる。
例えば、超電導コイルの軸線方向を水平方向とした状態で配置し、冷却容器の上端に配管が接続されている本発明の超電導モータを自動車等の駆動用モータとして使用した場合、車体が傾いて超電導モータの軸線方向が傾斜したとき、配管が冷却容器の配管接続口より小さいと、該配管接続口の部分に気泡が滞留しやすい。この滞留した気泡が超電導コイルに長時間接触し続けると、超電導コイルを局所的に冷却することができなくなるおそれがある。
しかしながら、前記のように冷却容器の配管接続口と連通する部位の配管の内寸を大きくすると、超電導モータが傾いても気泡を滞留させることなく配管を通して排出することができる。
前記配管に、超電導コイルの超電導線の両側端末に接続した前記第一、第二端子の細長いリード線接続部を挿通して前記冷媒タンク側へと突出していることが好ましい。
特に、複数のシングルあるいはダブルパンケーキコイルを軸線方向に並設した積層型の超電導コイルとした場合、これらパンケーキコイルの超電導を順次接続して連続させた超電導線とした両端末が離れた位置となる。よって、前記のように、該超電導線の両側端末に接続した第一、第二端子を屈曲してリード線接続部を、これらリード線接続部を近接位置に配置すると、これら第一、第二端子のリード線接続部を1つの冷媒流通用の配管内に挿通させることができ、第一、第二端子の冷却を効率良く行うことができる。
前記冷却容器の外周壁に周方向に間隔をあけて複数本の前記配管を取り付けてもよい。
前記構成によれば、複数設けた配管によって冷媒が気化して発生した気泡を効率良く冷却容器から排出することができ、かつ、これら配管を冷却容器の外周壁の周方向に間隔をあけて配置しているため、超電導モータが周方向に回転してもいずれかの配管により気泡を排出することができる。
前記超電導コイルの軸線方向の両端面と前記冷却容器の両端側壁との間に隙間を設け、該隙間に金属からなるスペーサを介設し、該スペーサで超電導コイルを軸線方向に位置決めすることが好ましい。
即ち、冷却容器と超電導コイルの内外周面は隙間をあけるため、超電導コイルの軸方向の両端面をスペーサを介して冷却容器内に位置決め固定している。
前記超電導コイルとスペーサとが当接する位置では、超電導コイルに冷媒が直接接触しないが、該スペーサを金属により形成しているため、該スペーサによって伝導された冷熱により超電導コイルのスペーサとの当接部も効率良く冷却することができる。
前記スペーサを形成する金属としては、熱伝導率の良い銅、黄銅等が好ましい。
前記冷却容器は前記超電導コイルと冷媒が収容される内槽と、該内槽が真空断熱層を介して収容される外槽を備える一方、前記冷媒タンクも前記冷媒が貯蔵される内槽と、該内槽が真空断熱層を介して収容される外槽を備え、かつ、
前記配管は前記冷却容器の内槽と前記冷媒タンクの内槽を連結する内管と、前記冷却容器の外槽と前記冷媒タンクの外槽を連結すると共に前記内管を真空断熱層を介して囲む外管を備え、これら内管および/または外管に蛇腹形状部を設けていることが好ましい。
前記のように、冷却容器、冷媒タンクを2重槽とし、かつ、配管も2重管として、それぞれ断熱空間で囲む構成とすると、冷媒の昇温化を抑制できる。
また、配管の内管および/または外管に蛇腹形状部を設けると、冷媒に直接接触する内管と冷媒に接触しない外管との熱収縮の差を前記蛇腹形状部で吸収して、熱収縮による歪みで配管が破損するのを防止することができる。
また、配管の内管および/または外管に蛇腹形状部を設けて弾性を付与しているため、これら内管と外管の前記冷却容器や冷媒タンクとの接続位置における高い精度が要求されることがなく、かつ、接続作業も容易にすることができる。
前述したように、本発明によれば、超電導コイルと冷媒とを収容する冷却容器と、該冷 媒を貯蔵する冷媒タンクを連結する配管に蛇腹形状部を設けているため、該蛇腹形状部で 熱収縮の差を吸収でき、熱収縮による歪みで配管が破損するのを防止できる。また、超電導コイルは、パンケーキコイルあるいはソレノイドコイルからなる円筒形状とすると共に、該超電導コイルの軸線方向両端に誘導子を突設した第1、第2ヨークを配置して、磁路を設けた構成としているため、帯状の超電導線をエッジワイズ巻きしたコイルを設ける必要がない。このように、超電導コイルとして汎用されているパンケーキ型コイル等を利用できるため、超電導モータを簡単に製造できると共に、小型化することができる。
また、帯状の超電導線をエッジワイズ巻きしないため、超電導特性を劣化させることなく十分な性能を発揮することができる。
さらに、超電導コイルを単純円筒形状としているため、超電導コイルを収容して冷却する冷却容器を円環状筒型からなる簡単な構成とすることができ、冷却容器が大型化せず、該冷却容器と冷媒タンクとを接続する配管の取り付けも容易に行える。
本発明の第1実施形態の超電導モータを示す断面斜視図である。 (A)は超電導モータの軸線方向断面図、(B)は超電導モータの径方向概略断面図である。 界磁側固定子の断面図である。 界磁側固定子の分解斜視図である。 界磁コイルと冷却容器の分解斜視図である。 冷却容器の断面図を示し、(A)は軸線が水平方向の状態を示す図面、(B)は軸線が水平方向に対して傾斜した状態を示す図面である。 冷却容器の異なる位置での断面図である。 (A)(B)は第2実施形態を示す図面である。 (A)(B)は第2実施形態の第1変形例を示す図面である。 (A)(B)は第2実施形態の第2変形例を示す図面である。 第2実施形態の第3変形例を示す図面である。 第3実施形態を示す図面である。 第4実施形態を示す図面である。 (A)(B)は第4実施形態の変形例を示す図面である。 第5実施形態を示す図面である。 (A)(B)は第6実施形態を示す図面である。 従来例を示す図面である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7に、本発明の第1実施形態の超電導モータを示し、該超電導モータは自動車用の駆動モータ等として用いられるものである。
超電導モータ10は、超電導コイルを備えた界磁側固定子(以下、固定子と称する)20の中空部に電機子側回転子(以下、回転子と称する)40を回転自在に貫通し、前記固定子20はクローポールと称される誘導子を備えたものとし、クローポール型のモータとしている。
前記固定子20は、帯状の超電導線を巻回して形成したパンケーキコイルからなる界磁コイル21と、該界磁コイル21の軸線方向Xの両端にそれぞれ配置される第1ヨーク23と第2ヨーク24とを組み合わせて形成している。
前記各第1、第2ヨーク23、24の内周側に磁極を形成する誘導子23c、24cを突設すると共に、該誘導子23c、24cで囲まれる中空部に隙間をあけて回転子40を回転自在に貫通し、該回転子40の外周に周方向に等間隔をあけて誘導子23cと24cとを交互に配置している。
前記界磁コイル21は、超電導のダブルパンケーキコイルを積層して軸線方向に長い円環形状(即ち、円筒形状)としており、本実施形態では8個のダブルパンケーキコイルを軸線方向に並設し、隣接するダブルパンケーキの超電導線を順次接続した積層型のコイルとしている。該界磁コイル21は図3に示すように略相似形状の円環状筒型とした冷却容器22内に収容している。該冷却容器22に収容した界磁コイル21の両端に第1ヨーク23、第2ヨーク24を配置している。
前記界磁コイル21を収容した冷却容器22に、図1、2に示すように、冷媒流通用の配管60の一端を取り付け、他端を、界磁コイル21を超電導温度に冷却する冷媒を貯留した冷媒タンク50に連結している。
前記界磁コイル21の両側に配置する第1ヨーク23、第2ヨーク24とは、図3に示すように、第1ヨーク23の内周より直径方向に対向させて軸線方向に突出する一対の誘導子23cを突設し、第2ヨーク24の内周より直径方向に対向させて軸線方向に突出する一対の誘導子24cを突設している。
前記各一対の誘導子23c、24cを界磁コイル21の内周側に90度間隔をあけて突出させ、図2(B)に示すように、界磁コイル21の内周側と電機子側回転子40の外周の間に、N極となる誘導子23cとS極となる誘導子24cとを周方向に90度間隔をあけて配置している。
なお、誘導子23c、24cは説明を簡略化するため、一対づつとしているが、例えば、12個づつ突設して、N極誘導子とS極誘導子とを15度間隔で密に配置してもよい。
前記界磁コイル21と両側の第1、第2ヨーク23、24とからなる固定子20を、図1〜図3に示すように、軸線方向に2個並設し、円筒体からなる外周ハウジング26に内嵌支持している。これら2個の固定子20Aと20Bはモータの軸線方向の中心Pを挟んで対称に配置し、図3に示すように、各固定子20A、20Bの第1ヨーク23を中心P側に当接させて位置させ、第2ヨーク24を中心Pより離れた側に位置させている。
界磁コイル21は、前記のように、円環形状としたダブルパンケーキコイル21aを複数並設した積層型としている。該ダブルパンケーキコイル21aは、帯状のビスマス系酸化物超電導線をフラットワイズ巻きにより巻回し、2層のコイル部を最内周ターンの渡り部で連続させている。
なお、本実施形態では、ダブルパンケーキコイルの超電導線を順次連結して直列に接続しているが、各ダブルパンケーキコイルを電源にそれぞれ接続して並列接続としてもよい。また、パンケーキコイルは1層のコイル部からなるシングルパンケーキコイルとしてもよい。
前記界磁コイル21の両端のパンケーキコイル21aの超電導線の端末には、銅からなる端子材27(第一端子27A、第二端子27B)を夫々接続している。該端子材27は、図5に示すように、超電導線の外周端末に半田付け接続されてコイル外周面から突出するコイル接続部27aと、該コイル接続部27aの先端をコイル軸線方向の内側に屈曲させた水平屈曲部27bと、該水平屈曲部27bの内端より外方に突出する細長いリード線接続部27cとを有する屈曲形状としている。端子材27に水平屈曲部27bを設けることにより、該水平屈曲部27bで端子材27が受ける負荷を緩和できるようにしている。端子材27のリード線接続部27cは長尺細幅とし、第一端子27Aと第二端子27Bのリード線接続部27cを配管60に通して、冷媒タンク50内に突出させている。
前記界磁コイル21を収容して冷媒で冷却する冷却容器22は、界磁コイル21と液体窒素からなる冷媒が収容される内槽28と、該内槽28が真空断熱層Sを介して収容される外槽29を備え、真空断熱層Sにはアルミニウムからなる多層断熱フィルム(図示せず)を収容している。前記内槽28と外槽29は共にステンレスからなる。
前記内槽28は、図5に示すように、界磁コイル21の内嵌する円筒状の支持枠21bに内嵌する円筒状の内周壁28aと、界磁コイル21の外周側に配置する円筒状の外周壁28bと、内周壁28aと外周壁28bの軸線方向両端縁を連結すると共に界磁コイル21の軸線方向の両側にそれぞれ配置する円環平板状の両端側壁28cからなり、これら壁28a、28b、28cの縁部を溶接により接続している。
外周壁28bの図中上端位置に軸線方向の一端から他端にかけて延在するスリット28dを設けて配管接続口とし、該スリット28dの縁部に後述する配管60の内管61の下端縁に設けた基壁部28eを溶接により取り付けている。これにより、基壁部28eが外周壁28bの一部を構成すると共に外周壁28bの上端から内管61を外方に向けて突出させており、該内管61に界磁コイル21に接続した第一端子27A、第二端子27Bのリード線接続部27cを挿通させている。
一方、前記外槽29は、内槽28の内周壁28aの内周側に隙間をあけて配置される円筒状の内周壁29aと、内槽28の外周壁29aの外周側に隙間をあけて配置される円筒状の外周壁29bと、内周壁29aと外周壁29bの軸線方向両端縁を連結すると共に内槽28の両端側壁28cと隙間をあけてそれぞれ配置される円環平板状の両端側壁29cからなり、それぞれ縁部を溶接により接続している。
外周壁29bの上端位置にもスリット29dを設け該スリット29dの縁部に後述する配管60の外管62の下端縁に設けた基壁部29eを溶接により取り付けて、基壁部29eが外周壁29bの一部を構成すると共に外周壁29bの上端から外管62を上方に向けて突出させており、該外管62に内管61を隙間をあけて挿通させている。
また、外槽29の内周壁29aの軸線方向両端位置には繊維強化樹脂(FRP)からなる円環状の環状スペーサ31を外嵌している。該環状スペーサ31の軸線方向の外面31aを両端側壁29cの内面に当接させる一方、軸線方向の内面31bに周方向に45度の間隔をあけてL字状の突起部31cを突設し、図6に示すように、突起部31cを内槽28の内周側の隅部に当接させて内槽28を外槽29内に位置決め保持している。
なお、図7に示すように、突起部31cを設けていない位置では、環状スペーサ31を内槽28に接触させていないため、内槽28と環状スペーサ31の接触面積を最小限にして、環状スペーサ31を伝って外部の熱が内槽28側へ進入しないようにしている。
図7に示すように、界磁コイル21の支持枠21bの軸線方向両端を内槽28の両端側壁28cの内面に当接させると共に、界磁コイル21の軸線方向両端面と内槽28の両端側壁28cの内面との間に銅からなる円柱状の柱状スペーサ30を配置して界磁コイル21を内槽28内において軸線方向に位置決めしている。柱状スペーサ30は周方向に120度の間隔をあけて配置しており、該柱状スペーサ30の一端を界磁コイル21の端面に当接させる一方、他端を内槽28の両端側壁28cの内面に当接させている。
前記冷却容器22と配管60を介して接続する冷媒タンク50は、冷媒が貯蔵される内槽51と、該内槽51が真空断熱層Sを介して収容される外槽52を備え、内槽51と外槽52は上端位置で溶接により連結し、内装51の上面開口には蓋53を被せて取り付けている。
前記配管60は、冷却容器22の内槽28と冷媒タンク50の内槽51を連結する内管61と、冷却容器22の外槽29と冷媒タンク50の外槽52を連結すると共に内管61を真空断熱層Sを介して囲む外管62を備え、これら内管61と外管62に蛇腹形状部61a、62aを設けて弾性を付与している。
前記冷媒タンク50の真空断熱層Sおよび配管60の真空断熱層Sにもアルミニウムからなる多層断熱シートを収容している。
前記配管60には、さらに強度保持用のタンク保持筒63を外嵌し、該タンク保持筒63の筒部63aの上端に設けたフランジ63bを冷媒タンク50の外槽52の底壁部にボルト締め固定すると共に、下端に設けたフランジ63cを界磁側固定子20に外嵌した外周ハウジング26の上面側にボルト締め固定している。該タンク保持筒63を介して冷媒タンク50をモータ本体の上方に位置決め保持している。
よって、冷却容器22、配管60及び冷媒タンク50に液体窒素からなる冷媒が貯留されており、超電導モータ10の界磁コイル21を冷却することにより気化した窒素は上方へ浮上し、冷却容器22から上方の配管60を通って冷媒タンク50へ放出される。
前記のように、界磁コイル21に接続した端子材27のリード線接続部27cを冷媒タンク50内に突出させ、冷媒タンク50の蓋53に設けた貫通穴(図示せず)を介して冷媒タンク50内に引き込んだリード線(図示せず)を端子材27のリード線接続部27cに接続している。
図6に示すように、内槽28の外周壁28bと界磁コイル21の外周面との間の距離L1を界磁コイル21の径方向の幅L2よりも大とし、本実施形態ではL1を19.25mm、L2を7mmとしている。
また、本実施形態では、内管61の径を内槽28の軸線方向の幅よりも小とすると共に、内管61を内槽28の外周壁28bの軸線方向の中心位置から突出させ、超電導モータ10の軸線が水平方向に対して15度傾斜した状態で、図6(B)に示すように、内槽28と内管61の境界位置の配管接続口の上端位置Y1が界磁コイル21の上端位置Y2よりも上方に配置されるようにしている。これにより、超電導モータ10を15度傾斜させた状態であっても、冷媒が気化して発生した気泡を界磁コイル21に接触させることなく内管61を通して確実に排出することができる。
前記冷却容器22に外嵌する前記第1ヨーク23と第2ヨーク24は鉄からなる。
これら第1ヨーク23と第2ヨーク24は、図3及び図4に示すように、界磁コイル21の軸線方向の両端面と対向する位置に配置される円環平板状の側端壁部23a、24aと、側端壁部23a、24aの外周縁より突出すると共に界磁コイル21の外周側を囲む外周壁部23b、24bとを備え、前記側端壁部23a、24aの内周縁より爪状の前記誘導子23c、24cを突出させている。
該誘導子23c、24cは先端から基端にかけて幅を大きくした台形形状とし、周方向に湾曲させて界磁コイル21の内周面と、回転子40の外周面の間に配置し、回転子40の外周面に隙間をあけて沿う形状としている。
前記のように、第1ヨーク23の誘導子23cは左右対向位置に2つ突設する一方、第2ヨーク24の誘導子24cは上下対向位置に2つ突設して、第1、第2ヨーク23、24を冷却容器22に軸線方向両側から外嵌したときに、図2(B)に示すように、第1ヨーク23の誘導子23aと第2ヨーク24の誘導子24aが周方向に90度間隔をあけて交互に配置されるようにしている。
第1、第2ヨーク23、24の外周壁部23b、24bには、第2ヨーク24の誘導子24cと対向する上端位置に配管60を貫通させるための半円形状の切欠23d、24dを設けている。
また、第1ヨーク23の誘導子23cと対向する側方位置に連結固定用のボルト穴23e、24eを有する軸線方向の挿通溝23f、24fを凹設している。
第1ヨーク23と第2ヨーク24とは、冷却容器22を軸線方向の両側から挟み込んで外嵌した状態で互いの外周壁部23b、24bの先端面を付き合わせ、挿通溝23f、24fに締結片32を嵌め込んでボルト締めにより連結固定している。
なお、第1、第2ヨーク23、24は磁性を有するステンレスにより形成してもよい。
前記並設した固定子20A、20Bをハウジング26で内嵌支持し、該ハウジング26の軸線方向の両端に両側支持材41を組みつけている。該両側支持材41は円筒状の周壁部41aと、該周壁部41aの軸線方向Xの外端面を閉鎖する円形状の側壁部41bからなる。両側の側壁部41bの中心に設けた貫通穴41cに軸受42を介して回転子40の軸線方向両側の軸部40aを回転自在に支持している。
また、回転子40の軸部40aに冷却ファンを構成する羽根部40bを突設し、該羽根部40bを超電導モータ10内に配置している。
前記回転子40には銅線からなる電機子コイル(図示せず)を設けると共に、支持材41にブラシ(図示せず)を固定し、回転子40の軸部に固定した整流子(図示せず)が接触して、回転子40の電機子コイルに電流が流れる構成としている。
前記した構成からなる超電導モータ10においては、界磁コイル21に直流電流を流すと、界磁コイル21の軸線方向一端に配置した第1ヨーク23がN極に磁化され、第1ヨーク23の誘導子23cによりN極の磁極が形成される。他端に配置した第2ヨーク24はS極に磁化され、第2ヨーク24の誘導子24cによりS極の磁極が形成される。これにより、N極の磁極とS極の磁極が周方向に交互に配置された界磁側の磁路が形成される。
前記回転子40に直流電流を供給すると、N極である第1ヨーク23の誘導子23cと対向する電機子コイルにN極が形成されると共に、S極である第2ヨーク24の誘導子24cと対向する電機子コイルにS極が形成されることにより、回転子40に回転力が発生して、該電機子側回転子40が回転する。
回転子40が回転すると、軸部40aに設けた羽根部40bも回転し、超電導モータ10を駆動させることにより発生した熱を効率良く外部へ放熱することができる。
なお、本実施形態では、銅線(常電導線)で電機子コイルを形成しているが、電機子コイルも超電導線により形成してもよい。
前記本発明の超電導モータによれば、帯状の超電導線により形成したパンケーキコイル21aを界磁コイル21として用い、第1、第2ヨーク23、24の誘導子23c、24cを用いてクローポール型の磁極を形成しているため、帯状の超電導線をエッジワイズ巻きしたコイルを設ける必要がなく、界磁コイル21の形状を簡素化して、超電導モータ10を小型化することができると共に容易に製造することができる。
また、帯状の超電導線をエッジワイズ巻きしないため、またコイルの曲げも大きくとれて超電導特性を劣化させることなく十分な性能を発揮することができる。
また、超電導モータ10の軸線が水平方向に対して15度傾いても、冷媒が気化して発生した気泡が界磁コイル21と接触することがなく、超電導モータ10の配置状態に関係なく界磁コイル21を冷媒と確実に接触させて冷却することができる。
よって、本実施形態の超電導モータ10は配置状態が安定しない自動車用の駆動モータとして好適に用いることができる。
また、第1、第2ヨーク23、24の切欠23d、24dおよびボルト穴23e、24e、挿通溝23f、24fを、磁束の通過量が少ない位置である誘導子23c、24cと対向する位置の外周壁23b、24bに設けているため、第1、第2ヨーク23、24における磁束の流れの阻害を最小限に抑えることができる。
さらに、界磁コイル21を冷却容器22の内槽28内に位置決めするためのスペーサ30を熱伝導性の良い銅により形成しているため、該スペーサ30によって伝導された冷熱により界磁コイル21のスペーサ30との当接部も効率良く冷却することができる。
また、配管60の内管61と外管62に蛇腹形状部61a、62aを設けているため、冷媒に直接接触する内管61と冷媒に接触しない外管62との熱収縮の差を蛇腹形状部61a、62aで吸収して、熱収縮による歪みで配管60が破損するのを防止することができる。
さらに、配管60の内管61と外管62に蛇腹形状部61a、62aを設けて弾性を付与しているため、これら内管61と外管62の冷却容器22や冷媒タンク50との接続位置における高い精度が要求されることがなく、かつ、接続作業も容易にすることができる。
図8に、本発明の第2実施形態を示す。
第2実施形態では、配管60の内管61の径を冷却容器22の内槽28の外周壁28bの軸線方向の幅および配管接続口Hの軸線方向の内寸L3よりも小とし、内管61側から内槽28側にかけてテーパ状に拡径する拡径連結部33で内管61と内槽28とを連結している。
同様に、配管60の外管62の径を冷却容器22の外槽29の外周壁29bの軸線方向の幅よりも小とし、外管62側から外槽29側にかけてテーパ状に拡径する拡径連結部34で外管62と外槽29とを連結している。
前記構成によれば、冷却容器と配管の連結位置の配管接続口Hを大きくしているため、超電導モータ10の軸線が水平方向に対して傾斜しても、冷媒が気化して発生した気泡を効率良く冷却容器22から配管60を通して冷媒タンク50へ排出することができる。
なお、本実施形態では拡径連結部33、34を冷却容器22の軸線方向にのみ拡径しているが冷却容器22の周方向にも拡径させてもよい。
他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図9に、第2実施形態の第1変形例を示す。
本変形例では、配管60の内管61と冷却容器22の内槽28とを連結する拡径連結部33を内管61側から内槽28側にかけて円弧状に拡径させている。
同様に、外管62と冷却容器22の外槽29とを連結する拡径連結部34も外管62側から外槽29側にかけて円弧状に拡径させている。
なお、本変形例でも拡径連結部33、34を冷却容器22の軸線方向にのみ拡径しているが冷却容器22の周方向にも拡径させてもよい。
他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図10に、第2実施形態の第2変形例を示す。
本変形例では、冷却容器22の内槽28の外周壁28bに、軸線方向Xの全長に開口する配管接続口Hを設け、該配管接続口Hの軸線方向Xの内寸L3と同一内径を有する配管61を接続している。
同様に、外管62の径を外槽29の外周壁29bの軸線方向の幅と同一としている。
なお、本変形例では配管60を真円筒形状としているが、軸線方向を長軸方向とした楕円筒形状としてもよい。
他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図11に、第2実施形態の第3変形例を示す。
本変形例では、配管60の冷却容器22と接続される基部側の径を冷却容器22の軸線方向の幅と同一とする一方、先端側の径を冷却容器22の軸線方向の幅よりも小径とし、基部側と先端側の間に段差部60aを設けている。配管60の内管61と外管62を共に基部側と先端側の間に段差部を設けて形状としている。
前記構成としても、冷却容器22内に冷媒が気化して発生した気泡が溜まるのを防止することができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図12に、本発明の第3実施形態を示す。
第3実施形態では、冷却容器22と冷媒タンク50を複数の配管60で連結している。
詳細には、第1実施形態と同様の配管60Aを冷却容器22の上端位置に設け、該配管60Aの周方向両側にそれぞれ配管60B、60Cを設けている。配管60B、60Cは、配管60Aと同様、内管61と外管62とからなる。また、配管60A、60B、60Cと冷却容器22との連結位置の配管接続口が周方向に15度の間隔をあけて設けられるように設定している。
前記構成によれば、超電導モータ10の配置状態が周方向に傾いても、いずれかの配管により冷媒が気化して発生した気泡を排出することができる。
なお、配管60A〜60Cはそれぞれ個別に冷媒タンク50と接続してもよいし、配管60A〜60Cを途中で結合させて1ヶ所で冷媒タンク50と接続してもよい。
また、第2実施形態の配管を第3実施形態に適用してもよい。
他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図13に、本発明の第4実施形態を示す。
第4実施形態では、冷却容器22の内槽28と外槽29とを位置決めするスペーサを第1実施形態と相違させている。
内槽28の内周壁28aと外槽29の内周壁29aとの間にFRPからなるU字状の板バネ状スペーサ35を配置して、内槽28を外槽29内に弾性保持している。該板バネ状スペーサ35は、冷却容器22の軸線方向の両側で、かつ周方向に間隔をあけて配置している。
前記構成によれば、板バネ状スペーサ35により車両の振動を吸収することができ、内槽28及び該内槽28内に収容した界磁コイル21の振動を緩和することができる。
また、板バネ状スペーサ35は内槽28および外槽29との接触面積が小さいため、外部の熱が内槽28側へ熱伝導するのを抑えることができる。
なお、図14に示すように、板状のスペーサ36に六角形の貫通穴36aを並設したハニカム構造として、該スペーサ36を内槽28の内周壁28aと外槽29の内周壁29aの間に配置する構成としてもよい。該スペーサ36は冷却容器22の全周に亙って配置してもよいし、周方向に間隔をあけて配置してもよい。これにより、スペーサ36と内槽28および外槽29との接触面積を小さくして熱伝導を小さくすることができ、かつ、これによりスペーサを軽量化することができる。スペーサに設ける貫通穴は六角形に限らず、円形や他の多角形としてもよい。
他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図15に、本発明の第5実施形態を示す。
第5実施形態では、冷媒タンク50の内槽51とモータ本体の内部とを別の配管64で接続しており、冷媒である液体窒素が気化することにより冷媒タンク50に戻された窒素を配管64を介してモータ本体内に供給して、該窒素によりブラシや電機子コイル等の発熱部材を冷却できるようにしている。
前記構成によれば、冷媒が気化した窒素により発熱部材を冷却しているため、電機子側回転子40に設けた羽根部40bを小さくすることができ、モータを小型化できると共に羽根部40bの回転時に発生する騒音を小さくすることができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図16に、本発明の第6実施形態を示す。
第6実施形態では、界磁コイル21’をパンケーキコイルに替えて、1本の帯状の超電導線21cを円筒状の支持枠21bに軸線方向Xの一端から他端にかけて螺旋状に巻回したソレノイドコイルとしている。
図16に示すソレノイドコイルからなる界磁コイル21を第1実施形態と同様の冷却容器22に収容し、該冷却容器22に第1、第2ヨーク23、24を外嵌して、界磁側組立体25とし、超電導モータ10の界磁側固定子として用いている。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
前記実施の形態はすべての点で例示であって、これら実施形態に限定されず、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明の超電導モータは、自動車用の駆動モータとして好適に用いられるものであり、その他鉄道車両、船舶駆動モータ等に用いられるものである。
10 超電導モータ
20 界磁側固定子
21 界磁コイル
22 冷却容器
23 第1ヨーク
23a 端面壁部
23b 外周壁部
23c 誘導子
23d 切欠
23e ボルト穴
24 第2ヨーク
24a 端面壁部
24b 外周壁部
24c 誘導子
24d 切欠
24e ボルト穴
28 内槽
29 外槽
30 柱状スペーサ
33、34 拡径連結部
40 電機子側回転子
50 冷媒タンク
51 内槽
52 外槽
60 配管
61 内管
61a 蛇腹形状部
62 外管
62a 蛇腹形状部
S 真空断熱層

Claims (15)

  1. 超電導コイルと、該超電導コイルを超電導温度に冷却する冷媒を収容する冷却容器と、
    前記冷媒が貯蔵される冷媒タンクと、
    前記冷却容器と冷媒タンクとを連結する、蛇腹形状部を有する配管を備えていることを 特徴とする超電導コイルの冷却装置
  2. 前記冷却容器は前記超電導コイルと冷媒が収容される内槽と、該内槽が真空断熱層を介 して収容される外槽とを備え、
    前記冷媒タンクは、前記冷媒が貯蔵される内槽と、該内槽が真空断熱層を介して収容さ れる外槽を備え、
    前記配管は前記冷却容器の内槽と前記冷媒タンクの内槽を連結する内管と、前記冷却容 器の外槽と前記冷媒タンクの外槽を連結すると共に前記内管を真空断熱層を介して囲む外 管を備え、これら内管および/または外管に前記蛇腹形状部を設けている請求項1に記載 の超電導コイルの冷却装置
  3. 回転子と、該回転子の外周に配置される固定子を備え
    前記固定子は超電導コイルからなり、
    前記超電導コイルと、該超電導コイルを超電導温度に冷却する冷媒とを収容する冷却容 器と、
    前記冷媒が貯蔵される冷媒タンクと、
    前記冷却容器と冷媒タンクとを連結する、蛇腹形状部を有する配管を備えている超電導モータ。
  4. 前記超電導コイルは円環形状とし、略相似形状の内面を有する円環状筒型とした前記冷却容器に収容しており、
    前記冷却容器は、内周壁と、外周壁と、該内外周壁の軸線方向の両端に夫々連結する円環状の端面壁を有し、前記外周壁に冷媒通路となる前記配管の一端を取り付けている請求項3に記載の超電導モータ。
  5. 前記冷却容器の外周壁に周方向に間隔をあけて複数本の前記配管を取り付けている請求 項3または請求項4に記載の超電導モータ。
  6. 前記超電導コイルの軸線方向の両端面と前記冷却容器の両側の端面壁との間に隙間を設 け、該隙間にスペーサを介設し、該スペーサで超電導コイルを軸線方向に位置決めしてい る請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の超電導モータ。
  7. 前記冷却容器の外周壁と前記超電導コイルの外周面との間の距離を前記超電導コイルの 径方向の幅の2.5倍〜3倍としている請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の超電導モータ。
  8. 前記冷却容器と冷媒タンクを連結する前記配管の内径は前記冷却容器の配管接続口の内 寸よりも小さく、前記配管側から前記配管接続口に向けて拡径する拡径連結部を介在させ 、あるいは、前記冷却容器の外周壁に、その軸線方向の略全長に開口する配管接続口を設 け、該配管接続口の内寸と同一内寸を有する配管を接続している請求項3乃至請求項のいずれか1項に記載の超電導モータ。
  9. 前記冷却容器は、前記超電導コイルと冷媒が収容される内槽と、該内槽が真空断熱層を 介して収容される外槽とを備え、
    前記冷媒タンクは、前記冷媒が貯蔵される内槽と、該内槽が真空断熱層を介して収容さ れる外槽を備え、
    前記配管は前記冷却容器の内槽と前記冷媒タンクの内槽を連結する内管と、前記冷却容 器の外槽と前記冷媒タンクの外槽を連結すると共に前記内管を真空断熱層を介して囲む外 管を備え、これら内管および/または外管に前記蛇腹形状部を設けている請求項3乃至請 求項8のいずれか1項に記載の超電導モータ。
  10. 前記回転子は電機子側回転子、前記固定子は界磁側固定子であり、
    前記界磁側固定子の前記超電導コイルは、帯状の超電導線が巻回されて形成されたパン ケーキコイルまたはソレノイドコイルからなり、
    前記界磁側固定子の軸線方向の両端に配置される第1ヨークおよび第2ヨークと、
    前記第1ヨークの内周から突設したN極の誘導子と、第2ヨークの内周から突設したS 極の誘導子とを備え
    前記N極誘導子とS極誘導子とを前記界磁コイルの内周と前記電機子側回転子の間に、 周方向に間隔をあけて配置して磁路を設けている請求項3乃至請求項9のいずれか1項に 記載の超電導モータ。
  11. 前記超電導コイルは、前記複数のシングルパンケーキコイルあるいはダブルパンケーキ コイルを軸線方向に並設して円筒状とした積層コイルとし、該積層コイルの軸線方向の両 端のパンケーキコイルの外方に前記第1、第2ヨークの円環状の側端壁部を配置し、これ ら側端壁部の外周縁より突設する外周壁部で前記積層コイルの外周を囲むと共に、内周縁 より前記誘導子を突設し、かつ、
    前記積層コイルと第1、第2ヨークとを組み合わせた界磁側固定子を軸線方向に間隔を あけて複数組設けている請求項10に記載の超電導モータ。
  12. 前記軸線方向にパンケーキコイルを並列した積層コイルは、隣接するパンケーキコイル の超電導線を順次連結し、該連結した超電導線の両端末に第一、第二端子を接続し、該第 一、第二端子は長尺細幅のリード線接続部を有する端子とし、これら第一端子あるいは/ 及び第二端子のリード線接続部を近接位置に配置している請求項11に記載の超電導モー タ。
  13. 前記超電導コイルを収容した前記冷却容器の前記両側の端面壁を前記第1、第2ヨーク の円環状の側端壁部で覆うと共に、該冷却容器の外周壁を前記第1、第2ヨークの側端壁 部の外周縁より突設する外周壁部で囲み、
    前記第1、第2ヨークの外周壁部の先端面を突き合わせると共に、これら外周壁部の外 面に軸線方向に設けた挿通溝に締結材を嵌合し、該締結材の両端を第1、第2ヨークにネ ジ締め固定して前記第1、第2ヨークとを締結固定し、かつ、
    前記第1、第2ヨークの外周壁部先端の突き合わせ部の先端に前記配管を貫通させる切 欠を設け、あるいは/および前記外周壁部に前記配管を貫通させる貫通穴を設けている請 求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の超電導モータ。
  14. 前記配管を貫通させる前記切欠、貫通穴、あるいは/および前記第1、第2ヨークの挿 通溝は、前記第1、第2ヨークの内周より突設する前記誘導子と対向する外周位置に設け ている請求項13に記載の超電導モータ。
  15. 前記配管に、前記超電導コイルの超電導線の両側端末に接続した前記第一、第二端子の リード線接続部を挿通して前記冷媒タンク側へと突出している請求項10乃至請求項14 のいずれか1項に記載の超電導モータ。
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