JPH104221A - 極低温容器 - Google Patents

極低温容器

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JPH104221A
JPH104221A JP8154039A JP15403996A JPH104221A JP H104221 A JPH104221 A JP H104221A JP 8154039 A JP8154039 A JP 8154039A JP 15403996 A JP15403996 A JP 15403996A JP H104221 A JPH104221 A JP H104221A
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JP
Japan
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container
outlet pipe
cryogenic
support member
heat shrinkage
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Pending
Application number
JP8154039A
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English (en)
Inventor
Seiji Kano
誠治 狩野
Yoshihiro Jizo
吉洋 地蔵
Toshiyuki Amano
俊之 天野
Masao Oki
雅雄 沖
Hidenari Akagi
秀成 赤木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱収縮や熱膨張に伴う応力の発生や、振動に
伴う摩擦発熱の発生を抑え、信頼性および断熱性能に優
れた極低温容器を得ることを目的とする。 【解決手段】 導出管5は支持装置14により外槽容器
4に支持されている。この支持装置14は導出管5より
大きな熱収縮率を有し、導出管5の外径より大径の貫通
孔を有する支持部材を備えている。そして、支持部材は
常温状態で貫通孔に導出管5を遊嵌状態に嵌合してい
る。そこで、冷却時の温度降下中においては、貫通孔と
導出管5との隙間が確保されて、支持部材と導出管との
相対変位が可能となる。さらに、極低温に到達すると、
熱収縮率の差による支持部材の熱収縮力により導出管5
が強固に固定され、振動による支持部材と導出管との相
対変位が阻止されて摩擦発熱の発生が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液体ヘリウムや
液体窒素等の極低温冷媒を貯液する第1の容器(以下、
内槽容器という)が真空雰囲気に保持された第2の容器
(以下、外槽容器という)内に収納され、内槽容器内で
発生した極低温冷媒ガスを外部に導出する配管や極低温
冷媒を内槽容器に注入する配管が内槽容器から外槽容器
を貫通して設けられた極低温容器に関し、特に極低温容
器の配管支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は例えば特公昭61−61553
号公報に記載された従来の極低温容器の全体構成を示す
断面図、図16は従来の極低温容器における導出管の支
持構造を示す斜視図、図17は従来の極低温容器におけ
る導出管の支持構造を示す断面図である。図において、
1は超電導コイル、2は超電導コイル1を冷却する極低
温冷媒としての液体ヘリウム、3は超電導コイル1を収
納し、かつ、液体ヘリウム2を貯液する内槽容器、4は
内槽容器3を収納する外槽容器であり、この外槽容器4
は内部を真空状態に保持されて内槽容器3を外気温に対
して真空断熱している。5は外槽容器4を貫通して設け
られて内槽容器3と外部とを連通する導出管であり、こ
の導出管5は内槽容器3内で発生したヘリウムガスを外
部に導出したり、あるいは液体ヘリウム2を内槽容器3
内に注入するためのもので、通常複数個設けられてい
る。6は導出管5を外槽容器4に断熱支持する支持装置
である。7は内槽容器3を外槽容器4に断熱支持する内
槽支持材であり、この内槽支持材7は外槽容器4の内壁
面に固着された固定台8、導出管5の外周に巻回された
CSI(圧縮超絶縁材)等の多層積層構造の断熱材9、
断熱材9を導出管5に締着するバンド10、バンド10
を固定台8に支持する支柱11、バンド10を支柱11
に締着固定するボルト12および支柱11を固定台8に
締着固定するボルト13とから構成されている。25は
外槽容器4内に内槽容器3を包囲するように配設された
熱シールド板であり、この熱シールド板25は通常液体
窒素温度(77K)に保持されて内槽容器3への輻射熱
による熱侵入を遮蔽している。
【0003】この種の極低温容器においては、超電導コ
イル1を超電導状態に保持するためには、極低温の液体
ヘリウム温度(4.2K)に保たねばならない。そし
て、液体ヘリウム2は外部からの1Wオーダの熱侵入で
容易に蒸発するので、熱侵入量を低減することは超電導
状態での超電導コイル1の運転時間の延長と省ヘリウム
化につながる。また、蒸発したヘリウムガスを冷凍機に
より再液化して運転する場合、熱侵入量を低減すること
は、冷凍機の所要電力の低減や冷凍機の小型化を実現す
るために、非常に有効である。特に、磁気浮上車両に搭
載する超電導磁石システム用の極低温容器においては、
冷凍機の所要電力の低減と小型軽量化は、最重要な課題
である。
【0004】この極低温容器への熱侵入は、大別して導
出管5および内槽支持材7等の外槽容器4から内槽容器
3に直接つながった部材からの熱伝導に起因するもの、
内槽容器3の表面への輻射熱に起因するもの、内槽容器
3と外槽容器4との間の対流に起因するものがある。こ
のうち、輻射熱に起因する熱侵入は熱シールド板25に
より大幅に低減され、対流に起因する熱侵入は外槽容器
4内を高真空雰囲気に保つことにより無視できる程度に
低減される。そして、熱伝導に起因する熱侵入は、超電
導コイル1を収納した内槽容器3に大きな電磁力や加振
力が発生する磁気浮上式鉄道車両に搭載される超電導磁
石等の極低温容器においては特に全熱侵入に占める比率
が高く、総熱侵入量の80%以上となっている。導出管
5からの熱侵入を低減させる方法としては、管長を長く
するか、管径を小さくするか、管厚を薄くすることが考
えられる。そして、管径は圧力損失の制限から決定さ
れ、管厚は強度と信頼性の確保から決定されるので、管
長を容器の構造上許される範囲内で長くするのが一般的
であった。しかし、長い導出管5を内槽容器3と外槽容
器4との2点で支えると、導出管5の固有振動数が低く
なり、共振現象の発生等、強度上の問題があるので、さ
らに導出管5を外槽容器4に断熱支持装置6を介して支
持するようにしている。そして、固定台8、支柱11お
よびバンド10を介して外部から侵入する熱は、断熱材
9で断熱されて、導出管5への侵入が阻止される。な
お、導出管5を内槽容器3に断熱支持装置6を介して支
持するようにしてもよい。
【0005】ここで、内槽容器3に液体ヘリウム2を充
填した場合の熱収縮と熱応力について説明する。内槽容
器3および導出管5は、図15において、常温(300
K)から極低温(4.2K)の温度差をもって熱収縮す
る。そして、内槽容器3が低剛性な内槽支持材7で外槽
容器4に、特に図15の上下方向に熱収縮分フリーな状
態で支持されていると、内槽容器3と導出管5はそれぞ
れ熱収縮し、両者の熱収縮量に応じて上方に持ち上が
る。この場合、導出管5には熱収縮に伴う応力は発生し
ない。一方、内槽容器3が導出管5に比べて高い剛性を
もつ内槽支持材7で外槽容器4に強固に支持されている
と、内槽容器3は容器の中心に向かって熱収縮し、内槽
容器3の中心は内槽支持材7の中心上にとどまる。そし
て、導出管5にも熱収縮力が発生するが、内槽容器3の
導出管引き出し位置が若干下方に移動し、外槽容器4の
導出管引き出し位置は移動しないので、導出管5は収縮
できない。そこで、導出管5には引っ張り応力が発生し
てしまう。この引っ張り応力は、通常過大な値となり、
支持装置6の支柱11の強度上の問題があった。
【0006】そこで、導出管5に発生する引っ張り応力
を抑制するために、例えば図18に示されるように、導
出管5の途中にベローズ18を介挿し、熱収縮が大きい
方向に小さい力で導出管5の熱収縮分伸びることが可能
な構成が提案されている。図18に示される極低温装置
においては、導出管5の途中にベローズ18を介挿して
いる。そして、導出管5の熱収縮力が発生した際に、内
槽容器3の導出管引き出し位置が若干下方に移動し、外
槽容器4の導出管引き出し位置が移動しないが、ベロー
ズ18が伸びて導出管5が収縮でき、導出管5には引っ
張り応力が発生しない。また、導出管5はベローズ18
介挿部で可撓性を有することから、振動が発生するよう
な場合には導出管5の揺動が大きくなってしまう。そこ
で、導出管5はベローズ18の両側で支持装置6により
支持されている。なお、ベローズ18の代わりに、導出
管5を螺旋状に構成して、発生応力の低減を図っている
場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の極低減容器は以
上のように、導出管5が断熱支持装置6を介して外槽容
器4に支持されているので、内槽容器3に液体ヘリウム
2を充填したときには、導出管5は常温(300K)か
ら極低温(4.2K)の温度差をもって熱収縮が起こ
り、内槽容器3を昇温したときには、その逆に低温時か
らみると熱膨張が起こる。この熱収縮、熱膨張によっ
て、導出管5は支持装置6に対して動くことになる。ま
た、バンド10はステンレスで作製され、断熱材9に比
べて熱収縮率が小さいので、それらの熱収縮差によって
バンド10と断熱材9との間に隙間が生じ、支持装置6
による導出管5の締付力が緩むことになる。このような
導出管5の動きや締付力の変化によって断熱材9が追従
できず崩れたり、特に振動が発生する極低温容器におい
ては、導出管5の支持が緩んだ状態で加振を続けると振
動によって相対変位する箇所で摩擦発熱が発生してしま
い、前述の熱侵入とは別に摩擦発熱によって内槽容器3
に対して摩擦熱が入り、低温容器としての断熱性能を悪
化させるという問題があった。また、断熱材9とバンド
10の固定部が導出管5に追従して上方に変位した場合
には、支持装置6の支柱11に過大な曲げ応力が発生し
てしまい、支柱11の強度上の問題があった。また、図
18に示される極低温容器では、導出管5の途中にベロ
ーズ18を介挿しているので、導出管5の熱収縮をベロ
ーズ18で吸収して、導出管5と支持装置6との相対変
位を無くし、摩擦発熱を抑え、かつ、支柱11の曲げ応
力の発生を抑えることができるが、ベローズ18の多用
に伴う低温容器全体としての信頼性の確保、支持装置6
の設置箇所の増加に伴う熱侵入量の増加等の課題を残し
ている。
【0008】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、熱収縮、熱膨張に伴う支持装置
の過大な応力発生や、振動に伴う摩擦発熱を防止して、
信頼性が高く、断熱性能に優れた極低温容器を得ること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この第1の発明に係る極
低温容器は、極低温冷媒が貯液された第1の容器を第2
の容器で囲繞して真空断熱し、上記第2の容器を貫通し
て上記第1の容器と連結された導出管を有し、上記第2
の容器内で上記導出管を上記第1および第2の容器の少
なくとも一方に固定する支持装置を有する極低温容器に
おいて、上記支持装置は、その支持部材が上記導出管と
異なる熱収縮率を有し、上記極低温冷媒が上記第1の容
器内に貯液されていない時に上記支持部材が上記導出管
に遊嵌状態で嵌合され、かつ、上記極低温冷媒が上記第
1の容器内に貯液されている時に上記支持部材が上記熱
収縮率の差に起因する熱収縮力により上記導出管に緊締
状態で嵌合されるように構成されているものである。
【0010】この第2の発明に係る極低温容器は、上記
第1の発明において、上記支持部材は、上記導出管より
大きな熱収縮率を有し、かつ、常温時の内径が上記導出
管の外径より大径の貫通孔を有し、該貫通孔内に上記導
出管を挿通させて配設されているものである。
【0011】この第3の発明に係る極低温容器は、上記
第2の発明において、上記導出管は上記支持部材の貫通
孔内の部位に、該導出管より大きな熱収縮率を有し、か
つ、低摩擦係数を有する円筒状の第2の支持部材が嵌着
されているものである。
【0012】この第4の発明に係る極低温容器は、上記
第1の発明において、上記導出管は常温時の内径が上記
支持部材の外径より大径の貫通孔を有する保持具が一体
に取り付けられ、上記支持部材は、上記保持具より小さ
な熱収縮率を有し、上記保持具の貫通孔内に挿通して配
設されているものである。
【0013】この第5の発明に係る極低温容器は、上記
第4の発明において、上記支持部材をダイニーマFRP
としたものである。
【0014】この第6の発明に係る極低温容器は、極低
温冷媒が貯液された第1の容器を第2の容器で囲繞して
真空断熱し、上記第2の容器を貫通して上記第1の容器
と連結された複数の導出管を有し、上記第2の容器内で
上記複数の導出管同士を固定する拘束部材を有する極低
温容器において、上記拘束部材は、上記導出管より大き
な熱収縮率を有し、かつ、上記導出管が挿通される複数
の貫通孔を有し、該貫通孔内に上記導出管を挿通させて
配設され、上記極低温冷媒が上記第1の容器内に貯液さ
れている時に上記拘束部材が上記熱収縮率の差に起因す
る熱収縮力により上記導出管に緊締状態で嵌合されるよ
うに構成されているものである。
【0015】この第7の発明に係る極低温容器は、極低
温冷媒が貯液された第1の容器を第2の容器で囲繞して
真空断熱し、上記第2の容器を貫通して上記第1の容器
と連結された複数の導出管を有し、上記第2の容器内で
上記複数の導出管同士を固定する拘束部材を有する極低
温容器において、上記拘束部材は、上記導出管より小さ
な熱収縮率を有し該導出管間に介装される中間部材と、
上記中間部材が介装された導出管を張力をかけて巻回さ
れる縛り部材とから構成され、上記極低温冷媒が上記第
1の容器内に貯液されている時に上記中間部材が上記熱
収縮率の差に起因する熱収縮力により上記縛り部材の張
力を増加させて上記導出管同士を緊締状態で固定するよ
うにしたものである。
【0016】この第8の発明に係る極低温容器は、極低
温冷媒が貯液された第1の容器を第2の容器で囲繞して
真空断熱し、上記第2の容器を貫通して上記第1の容器
と連結された導出管を有し、上記第2の容器内で上記導
出管を上記第1および第2の容器の少なくとも一方に固
定する支持装置を有する極低温容器において、上記支持
装置は、上記第1および第2の容器の少なくとも一方に
固定された支持部材と、上記導出管より小さな熱収縮率
を有し該導出管と上記支持部材との間に介装される中間
部材と、上記中間部材が介装された導出管と支持部材と
を張力をかけて巻回される縛り部材とから構成され、上
記極低温冷媒が上記第1の容器内に貯液されている時に
上記中間部材が上記熱収縮率の差に起因する熱収縮力に
より上記縛り部材の張力を増加させて上記導出管を上記
支持部材に緊締状態で固定するようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る極
低温容器の全体構成を示す断面図、図2はこの発明の実
施の形態1に係る極低温容器における導出管の支持構造
を示す側面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る極
低温容器における導出管の支持構造を示す平面図であ
り、図において図16乃至図18に示した従来の極低温
容器と同一または相当部分には同一符号を付し、その説
明を省略する。図において、14は導出管5を支持する
支持装置であり、この支持装置14は、外槽容器4の内
壁面に固着された固定台27、導出管5を支持する支持
部材15、支持部材15を固定台27に支持する支柱2
6、支持部材15を支柱26に締着固定するボルト12
および支柱26を固定台27に締着固定するボルト13
とから構成されている。ここで、支持部材15は、導出
管5の熱収縮率より大きな熱収縮率を有する部材で作製
され、貫通孔15aが穿設されている。そして、貫通孔
15aの内径は、常温状態で、導出管5の外径より大径
に形成されている。また、支柱26はFRP,CFR
P,GFRP等の断熱材で作製されている。
【0018】つぎに、この実施の形態1による導出管5
の支持構造について説明する。まず、外槽容器4の内壁
面に固着された固定台27にボルト13により支柱26
を締着固定する。そして、導出管5が貫通孔15a内を
通るように支持部材15を導出管5に取り付け、ボルト
12により支持部材15を締着固定する。この組み立て
は常温で行われるので、導出管5は支持部材15の貫通
孔15aに遊嵌状態となっている。そして、導出管5を
介して内槽容器3内に液体ヘリウム2を注入すると、導
出管5および内槽容器3が常温(300K)から極低温
(4.2K)の温度差をもって熱収縮する。同様に、支
持部材15も熱収縮する。この時、支持部材15の熱収
縮率が導出管5より大きいので、温度が下がるにつれて
貫通孔15aと導出管5との隙間が小さくなり、ついに
は導出管5は支持部材15の熱収縮力により強固に固定
される。
【0019】ここで、導出管5がステンレスで作製され
ている場合には、支持部材15は例えばテフロンを用い
ることができる。そして、極低温(77K)における常
温(294K)からの熱収縮率は、ステンレスの場合
0.3%、テフロンの場合2.1%である。そこで、テ
フロンで作製された支持部材15の貫通孔15a(内
径:20mm)にステンレスで作製された導出管5(外
径:20mm)を嵌合させた状態で極低温に冷却する
と、導出管5の外径は19.94mmに、貫通孔15a
の内径は19.58mmに収縮し、0.36mmの締め
代が発生する。また、常温時外径20mmの導出管5に
対して、極低温における締め代が0mmとなる支持部材
15の貫通孔15aの内径は常温時に20.3mmとな
る。従って、ステンレスとテフロンとの熱収縮率の差に
基づく導出管5と支持部材15の貫通孔15aとの熱収
縮量の差は、径で0.36mm程度であり、組立前の部
品寸法を管理することによって極低温時の締め代管理が
十分可能となる。
【0020】そこで、導出管5と支持部材15の貫通孔
15aとの常温時の嵌合隙間を所定寸法に設定しておけ
ば、冷却時の温度降下中においては導出管5と支持部材
15の貫通孔15aとの隙間を確保して導出管5と支持
部材15との相対変位を可能とし、極低温に到達して両
者の相対変位がし終わった位置で導出管5を支持部材1
5で強固に固定することが可能となる。
【0021】このように、この実施の形態1によれば、
支持部材15を導出管5より熱収縮率の大きな材料で作
製し、常温時の内径が導出管5の外径より大きな貫通孔
15aを支持部材15に設け、導出管5が貫通孔15a
に遊嵌状態となるように支持部材15を配設しているの
で、冷却時の温度降下中においては、導出管5と支持部
材15の貫通孔15aとの隙間が確保されて、導出管5
と支持部材15とが熱収縮量の差に基づいて相対変位
し、両者が極低温に到達して相対変位がし終わった後、
導出管5は熱収縮量の差に基づいた支持部材15の熱収
縮力で強固に固定される。そこで、極低温状態におい
て、振動が発生しても、導出管5が支持部材15に強固
に固定されて相対変位が抑えられ、相対変位に起因する
摩擦発熱が低減される。その結果、内槽容器3への熱侵
入が低減され、超電導状態での超電導コイル1の運転時
間を延長でき、省ヘリウム化を達成できる極低温容器が
得られる。さらに、液体ヘリウム2の蒸発量が抑えら
れ、ヘリウムガスを再液化する冷凍機の所要電力の低減
や小型軽量化を実現することができる。また、冷却時の
温度降下中において、導出管5と支持部材15の貫通孔
15aとの隙間が確保されるので、導出管5と支持部材
15とが熱収縮量の差に基づいて相対変位し、支柱26
に過大な応力が発生せず、支持装置14の信頼性を向上
させることができる。また、支持装置14の支柱26が
断熱材で作製されているので、外部から支持装置14を
介して熱伝導してきた熱は支柱26により遮断され、支
持装置14を介して熱伝導による内槽容器3への熱侵入
が抑えられる。
【0022】なお、上記実施の形態1では、導出管5に
ステンレスを、支持部材15にテフロンを用いるものと
しているが、導出管5と支持部材15との材料の組み合
わせはこれに限定されるものではなく、導出管5に比べ
て支持部材15の熱収縮率が大きければよい。また、上
記実施の形態1では、支持装置14により導出管5を外
槽容器4の内壁面に支持するものとしているが、支持装
置14により導出管5を内槽容器3の外壁面に支持する
ようにしてもよい。
【0023】実施の形態2.図4はこの発明の実施の形
態2に係る極低温容器における導出管の支持構造を示す
側面図、図5はこの発明の実施の形態2に係る極低温容
器における導出管の支持構造を示す平面図である。図に
おいて、24は摩擦係数の小さい滑動材、例えばテフロ
ンで作製された薄肉の筒状の第2の支持部材であり、こ
の第2の支持部材24の外径は、常温状態で貫通孔15
aの内径より小径に形成され、内径は、常温状態で導出
管5の外径と同じあるいは若干小径に形成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されて
いる。
【0024】つぎに、この実施の形態2による導出管5
の支持構造について説明する。まず、第2の支持部材2
4を導出管5の所望の位置に嵌着する。また、外槽容器
4の内壁面に固着された固定台27にボルト13により
支柱26を締着固定する。そして、第2の支持部材24
が貫通孔15a内を通るように支持部材15を導出管5
に取り付け、ボルト12により支持部材15を締着固定
する。この組み立ては常温で行われるので、第2の支持
部材24は支持部材15の貫通孔15aに遊嵌状態とな
っている。そして、導出管5を介して内槽容器3内に液
体ヘリウム2を注入すると、導出管5、第2の支持部材
24および内槽容器3が常温(300K)から極低温
(4.2K)の温度差をもって熱収縮する。同様に、支
持部材15も熱収縮する。この時、第2の支持部材24
の熱収縮率が導出管5より大きいので、温度が下がるに
つれて第2の支持部材24の熱収縮力が増し、第2の支
持部材24は導出管5に強固に固定される。この場合、
第2の支持部材24の熱収縮量は肉厚が薄く導出管5の
熱収縮量に規制される。一方、支持部材15の熱収縮率
は導出管5より大きいので、温度が下がるにつれて貫通
孔15aと第2の支持部材24との隙間が小さくなり、
ついには導出管5および第2の支持部材24は支持部材
15の熱収縮力により強固に固定される。
【0025】このように、この実施の形態2において
も、温度降下中においては導出管5および第2の支持部
材24が支持部材15に遊嵌状態にあり、冷却された後
導出管5および第2の支持部材24が支持部材15に強
固に固定されるので、上記実施の形態1と同様の効果が
得られる。また、この実施の形態2においては、極低温
時、滑動材であるテフロンからなる支持部材15と第2
の支持部材24とが密接状態で固定されているので、過
大な振動が加わり支持部材15と第2の支持部材24と
が相対変位したとしても、相対変位に伴う摩擦発熱が抑
えられ、その分液体ヘリウム2の蒸発を抑えることがで
きる。
【0026】実施の形態3.図6はこの発明の実施の形
態3に係る極低温容器における導出管の支持構造を示す
側面図、図7はこの発明の実施の形態3に係る極低温容
器における導出管の支持構造を示す平面図である。図に
おいて、16は導出管5と一体化された保持具であり、
この保持具16は第1および第2の貫通孔16a,16
bが穿設されている。そして、第1の貫通孔16aの内
径が導出管5の外径と同じあるいは若干小径に形成され
ており、保持具16はこの第1の貫通孔16aに導出管
5を挿入されて導出管5に嵌着されている。この保持具
16は例えばステンレスで作製されている。17は円柱
状の支持部材であり、この支持部材17の外径は、常温
状態で第2の貫通孔16bの内径より小径に形成されて
いる。そして、支持部材17は、常温の組立時、第2の
貫通孔16bに遊嵌状態で挿入され、両端部をボルト1
2により支柱26に締着固定されている。この支持部材
17は、負の熱収縮率、すなわち冷却することにより熱
膨張する材料、例えばダイニーマFRPで作製されてい
る。なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成さ
れている。
【0027】この実施の形態3によれば、冷却時温度が
下がるにつれて保持具16が熱収縮し、支持部材17が
熱膨張し、第2の貫通孔16bと支持部材17との隙間
が小さくなり、ついには導出管5は保持具16を介して
支持部材17により強固に固定される。
【0028】例えば、極低温(77K)における常温
(294K)からの熱収縮率は、ステンレスで作製され
た保持具16が0.3%、ダイニーマFRPで作製され
た支持部材17が負の熱収縮率で0.2%である。そこ
で、保持具16の第2の貫通孔16b(内径:20m
m)に支持部材17(外径:20mm)を嵌合させた状
態で極低温に冷却すると、保持具16の第2の貫通孔1
6bの内径は19.94mmに、支持部材17の外径は
20.02mmとなる。従って、ステンレスとダイニー
マFRPとの熱収縮率の差に基づく保持具16の第2の
貫通孔16bと支持部材17との熱収縮量の差は、径で
0.06mm程度であり、組立前の部品寸法を管理する
ことによって極低温時の締め代管理が十分可能となる。
【0029】そこで、導出管5の保持具16の第2の貫
通孔16bと支持部材17との常温時の嵌合隙間を所定
寸法に設定しておけば、冷却時の温度降下中においては
保持具16の第2の貫通孔16bと支持部材17との隙
間を確保して導出管5と支持部材17との相対変位を可
能とし、極低温に到達して両者の相対変位がし終わった
位置で導出管5を支持部材17で保持具16を介して強
固に固定することが可能となる。
【0030】このように、この実施の形態3において
も、温度降下中においては導出管5と一体化された保持
具16と支持部材17とが遊嵌状態にあり、冷却された
後保持具16と支持部材17とが強固に固定されるの
で、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0031】なお、上記実施の形態3では、保持具16
にステンレスを、支持部材17にダイニーマFRPを用
いるものとしているが、保持具16と支持部材17との
材料の組み合わせはこれに限定されるものではなく、保
持具16に比べて支持部材17の熱収縮率が小さければ
よい。
【0032】実施の形態4.図8はこの発明の実施の形
態4に係る極低温容器を示す要部断面図、図9はこの発
明の実施の形態4に係る極低温容器における導出管の支
持構造を示す平面図、図10は図9のX−X矢視断面
図、図11はこの発明の実施の形態4に係る極低温容器
における導出管の支持構造を示す平面図、図12は図1
1のXII−XII矢視断面図である。図において、2
1は2つの導出管5a,5bを拘束する拘束部材であ
り、この拘束部材21は第1および第2の貫通孔21
a,216bが穿設されている。そして、拘束部材21
は第1および第2の貫通孔21a,21bに導出管5
a,5bが嵌合されて装着されている。22は導出管5
a,5b間に配設される中間部材、23は中間部材22
を挟持された導出管5a,5b周りに張力をかけて巻回
される縛り部材である。ここで、拘束部材21は熱収縮
率が導出管5a,5bより大きい材料で作製されてお
り、導出管5a,5bがステンレスの場合、例えばテフ
ロンが用いられる。また、中間部材22は負の熱収縮率
を有する材料(熱収縮率が導出管5a,5bより小さい
材料)、例えばダイニーマFRPが用いられる。縛り部
材23はケブラー紐、ガラステープ、銅線が用いられ
る。なお、2つの導出管5a,5bを外槽容器4に支持
する代わりに導出管5a,5b同士を連結している点を
除いて、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成され
ている。
【0033】つぎに、この実施の形態4による導出管5
a,5bの支持構造について説明する。まず、第1およ
び第2の貫通孔21a,21bに導出管5a,5bを挿
入し、拘束部材21を嵌合状態に導出管5a,5bに装
着する。また、中間部材22を導出管5a,5b間に挟
持させ、縛り部材23を導出管5a,5bに張力をかけ
て巻回し、導出管5a,5bと中間部材22とを締着一
体化する。そして、導出管を介して内槽容器3内に液体
ヘリウム2を注入すると、導出管5a,5b、拘束部材
21、縛り部材23および内槽容器3が常温(300
K)から極低温(4.2K)の温度差をもって熱収縮
し、一方中間部材22が熱膨張する。この時、拘束部材
21の熱収縮率が導出管5a,5bより大きいので、温
度が下がるにつれて拘束部材21の熱収縮力が増し、導
出管5a,5bは拘束部材21の熱収縮力により強固に
固定される。また、縛り部材23は熱収縮して張力が残
り、中間部材22が熱膨張して縛り部材23の張力を増
大させる。そこで、縛り部材23は常温時より張力が付
加され、導出管5a,5bはより強固に固定される。
【0034】この実施の形態4によれば、導出管5a,
5b相互間が強固に固定されているので、極低温状態に
おいて、振動が発生しても、支持装置14を用いること
なく導出管5a,5bの振動が抑制され、極低温容器の
構成の簡素化が図れるとともに信頼性を高めることがで
きる。また、振動に伴う導出管5a,5bと拘束部材2
1、中間部材22および縛り部材23との相対変位が抑
えられ、摩擦発熱を低減でき、液体ヘリウム2の蒸発を
抑えることができる。
【0035】なお、上記実施の形態4では、導出管5
a,5bにステンレスを、拘束部材21にテフロンを用
いるものとしているが、導出管5a,5bと拘束部材2
1との材料の組み合わせはこれに限定されるものではな
く、導出管5a,5bに比べて拘束部材21の熱収縮率
が大きければよい。また、中間部材22としてダイニー
マFRPを用いるものとしているが、中間部材22はこ
れに限定されるものではなく、導出管5a,5bに比べ
て中間部材22の熱収縮率が小さければよい。また、上
記実施の形態4において、支持部材14をさらに設けて
もよい。この場合、導出管5a,5bの支持がより強固
になり、大きな振動に対しても十分耐えられる極低温容
器が得られる。
【0036】実施の形態5.図13はこの発明の実施の
形態5に係る極低温容器を示す要部断面図、図14は図
13のXIV−XIV矢視断面図である。図において、
20は内槽容器3の外壁面に固着された支持部材として
のステープルであり、このステープル20は導出管5と
同様にステンレスで作製されている。ここで、ステープ
ル20、中間部材22および縛り部材23から支持装置
が構成されている。なお、他の構成は上記実施の形態1
と同様に構成されている。
【0037】つぎに、この実施の形態5による導出管5
の支持構造について説明する。ステープル20と導出管
5との間に中間部材22を挟持させ、縛り部材23を導
出管5とステープル20とに張力をかけて巻回し、導出
管5と中間部材22とステープル20とを締着一体化す
る。そして、導出管5を介して内槽容器3内に液体ヘリ
ウム2を注入すると、導出管5、ステープル20、縛り
部材23および内槽容器3が常温(300K)から極低
温(4.2K)の温度差をもって熱収縮し、一方中間部
材22が熱膨張する。この時、縛り部材23は熱収縮し
て張力が残り、中間部材22が熱膨張して縛り部材23
の張力を増大させる。そこで、縛り部材23は常温時よ
り張力が付加され、導出管5はステープル20により強
固に固定される。
【0038】この実施の形態5によれば、導出管5がス
テープル20に強固に固定されているので、極低温状態
において、振動が発生しても、導出管5の振動が抑制さ
れ、極低温容器の信頼性を高めることができる。また、
振動に伴う導出管5、ステープル20、中間部材22お
よび縛り部材23との相対変位が抑えられ、摩擦発熱を
低減でき、液体ヘリウム2の蒸発を抑えることができ
る。
【0039】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0040】この第1の発明によれば、極低温冷媒が貯
液された第1の容器を第2の容器で囲繞して真空断熱
し、上記第2の容器を貫通して上記第1の容器と連結さ
れた導出管を有し、上記第2の容器内で上記導出管を上
記第1および第2の容器の少なくとも一方に固定する支
持装置を有する極低温容器において、上記支持装置は、
その支持部材が上記導出管と異なる熱収縮率を有し、上
記極低温冷媒が上記第1の容器内に貯液されていない時
に上記支持部材が上記導出管に遊嵌状態で嵌合され、か
つ、上記極低温冷媒が上記第1の容器内に貯液されてい
る時に上記支持部材が上記熱収縮率の差に起因する熱収
縮力により上記導出管に緊締状態で嵌合されるように構
成されているので、熱収縮、熱膨張に伴う支持装置の過
大な応力発生や、振動に伴う摩擦発熱を防止して、信頼
性が高く、断熱性能に優れた極低温容器が得られる。
【0041】この第2の発明によれば、上記第1の発明
において、上記支持部材は、上記導出管より大きな熱収
縮率を有し、かつ、常温時の内径が上記導出管の外径よ
り大径の貫通孔を有し、該貫通孔内に上記導出管を挿通
させて配設されているので、冷却時の温度降下中におい
ては、導出管と支持部材の貫通孔との隙間が確保され
て、導出管と支持部材とが熱収縮量の差に基づいて相対
変位し、両者が極低温に到達して相対変位がし終わった
後、導出管は熱収縮量の差に基づいた支持部材の熱収縮
力で強固に固定される。
【0042】この第3の発明によれば、上記第2の発明
において、上記導出管は上記支持部材の貫通孔内の部位
に、該導出管より大きな熱収縮率を有し、かつ、低摩擦
係数を有する円筒状の第2の支持部材が嵌着されている
ので、極低温状態で大きな振動が加わり支持部材と第2
の支持部材とが相対変位しても、摩擦発熱が抑えられ、
第2の容器への熱侵入が抑えられる。
【0043】この第4の発明によれば、上記第1の発明
において、上記導出管は常温時の内径が上記支持部材の
外径より大径の貫通孔を有する保持具が一体に取り付け
られ、上記支持部材は、上記保持具より小さな熱収縮率
を有し、上記保持具の貫通孔内に挿通して配設されてい
るので、冷却時の温度降下中においては、保持具の貫通
孔と支持部材との隙間が確保されて、保持具と支持部材
とが熱収縮量の差に基づいて相対変位し、両者が極低温
に到達して相対変位がし終わった後、導出管は保持具を
介して熱収縮量の差に基づいた支持部材の熱収縮力で強
固に固定される。
【0044】この第5の発明によれば、上記第4の発明
において、上記支持部材をダイニーマFRPとしたの
で、冷却により支持部材が熱膨張し、保持具と支持部材
とがより強固に固定される。
【0045】この第6の発明によれば、極低温冷媒が貯
液された第1の容器を第2の容器で囲繞して真空断熱
し、上記第2の容器を貫通して上記第1の容器と連結さ
れた複数の導出管を有し、上記第2の容器内で上記複数
の導出管同士を固定する拘束部材を有する極低温容器に
おいて、上記拘束部材は、上記導出管より大きな熱収縮
率を有し、かつ、上記導出管が挿通される複数の貫通孔
を有し、該貫通孔内に上記導出管を挿通させて配設さ
れ、上記極低温冷媒が上記第1の容器内に貯液されてい
る時に上記拘束部材が上記熱収縮率の差に起因する熱収
縮力により上記導出管に緊締状態で嵌合されるように構
成されているので、極低温状態で導出管同士が強固に固
定され、耐振性に優れ、振動に伴う摩擦発熱の発生が抑
えられ、信頼性に優れ、極低温冷媒の蒸発を低減できる
極低減容器が得られる。
【0046】この第7の発明によれば、極低温冷媒が貯
液された第1の容器を第2の容器で囲繞して真空断熱
し、上記第2の容器を貫通して上記第1の容器と連結さ
れた複数の導出管を有し、上記第2の容器内で上記複数
の導出管同士を固定する拘束部材を有する極低温容器に
おいて、上記拘束部材は、上記導出管より小さな熱収縮
率を有し該導出管間に介装される中間部材と、上記中間
部材が介装された導出管を張力をかけて巻回される縛り
部材とから構成され、上記極低温冷媒が上記第1の容器
内に貯液されている時に上記中間部材が上記熱収縮率の
差に起因する熱収縮力により上記縛り部材の張力を増加
させて上記導出管同士を緊締状態で固定するようにした
ので、極低温状態で導出管同士が強固に固定され、耐振
性に優れ、振動に伴う摩擦発熱の発生が抑えられ、信頼
性に優れ、極低温冷媒の蒸発を低減できる極低減容器が
得られる。
【0047】この第8の発明によれば、極低温冷媒が貯
液された第1の容器を第2の容器で囲繞して真空断熱
し、上記第2の容器を貫通して上記第1の容器と連結さ
れた導出管を有し、上記第2の容器内で上記導出管を上
記第1および第2の容器の少なくとも一方に固定する支
持装置を有する極低温容器において、上記支持装置は、
上記第1および第2の容器の少なくとも一方に固定され
た支持部材と、上記導出管より小さな熱収縮率を有し該
導出管と上記支持部材との間に介装される中間部材と、
上記中間部材が介装された導出管と支持部材とを張力を
かけて巻回される縛り部材とから構成され、上記極低温
冷媒が上記第1の容器内に貯液されている時に上記中間
部材が上記熱収縮率の差に起因する熱収縮力により上記
縛り部材の張力を増加させて上記導出管を上記支持部材
に緊締状態で固定するようにしたので、熱収縮、熱膨張
に伴う支持装置の過大な応力発生や、振動に伴う摩擦発
熱を防止して、信頼性が高く、断熱性能に優れた極低温
容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る極低温容器の
全体構成を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る極低温容器に
おける導出管の支持構造を示す側面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る極低温容器に
おける導出管の支持構造を示す平面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係る極低温容器に
おける導出管の支持構造を示す側面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る極低温容器に
おける導出管の支持構造を示す平面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係る極低温容器に
おける導出管の支持構造を示す側面図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係る極低温容器に
おける導出管の支持構造を示す平面図である。
【図8】 この発明の実施の形態4に係る極低温容器を
示す要部断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態4に係る極低温容器に
おける導出管の支持構造を示す平面図である。
【図10】 図9のX−X矢視断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態4に係る極低温容器
における導出管の支持構造を示す平面図である。
【図12】 図11のXII−XII矢視断面図であ
る。
【図13】 この発明の実施の形態5に係る極低温容器
を示す要部断面図である。
【図14】 図13のXIV−XIV矢視断面図であ
る。
【図15】 従来の極低温容器の全体構成を示す断面図
である。
【図16】 従来の極低温容器における導出管の支持構
造を示す斜視図である。
【図17】 従来の極低温容器における導出管の支持構
造を示す断面図である。
【図18】 従来の極低温容器の他の例の全体構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
2 液体ヘリウム(極低温冷媒)、3 内槽容器(第1
の容器)、4 外槽容器(第2の容器)、5,5a,5
b 導出管、12,13 ボルト(支持装置)、14
支持装置、15,17 支持部材(支持装置)、15a
貫通孔、16保持具、16b 第2の貫通孔(貫通
孔)、20 ステープル(支持部材)、21 拘束部
材、21a 第1の貫通孔(貫通孔)、21b 第2の
貫通孔(貫通孔)、22 中間部材、23 縛り部材、
24 第2の支持部材、26 支柱(支持装置)、27
固定台(支持装置)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖 雅雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 赤木 秀成 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極低温冷媒が貯液された第1の容器を第
    2の容器で囲繞して真空断熱し、上記第2の容器を貫通
    して上記第1の容器と連結された導出管を有し、上記第
    2の容器内で上記導出管を上記第1および第2の容器の
    少なくとも一方に固定する支持装置を有する極低温容器
    において、 上記支持装置は、その支持部材が上記導出管と異なる熱
    収縮率を有し、上記極低温冷媒が上記第1の容器内に貯
    液されていない時に上記支持部材が上記導出管に遊嵌状
    態で嵌合され、かつ、上記極低温冷媒が上記第1の容器
    内に貯液されている時に上記支持部材が上記熱収縮率の
    差に起因する熱収縮力により上記導出管に緊締状態で嵌
    合されるように構成されていることを特徴とする極低温
    容器。
  2. 【請求項2】 上記支持部材は、上記導出管より大きな
    熱収縮率を有し、かつ、常温時の内径が上記導出管の外
    径より大径の貫通孔を有し、該貫通孔内に上記導出管を
    挿通させて配設されていることを特徴とする請求項1記
    載の極低温容器。
  3. 【請求項3】 上記導出管は上記支持部材の貫通孔内の
    部位に、該導出管より大きな熱収縮率を有し、かつ、低
    摩擦係数を有する円筒状の第2の支持部材が嵌着されて
    いることを特徴とする請求項2記載の極低温容器。
  4. 【請求項4】 上記導出管は常温時の内径が上記支持部
    材の外径より大径の貫通孔を有する保持具が一体に取り
    付けられ、上記支持部材は、上記保持具より小さな熱収
    縮率を有し、上記保持具の貫通孔内に挿通して配設され
    ていることを特徴とする請求項1記載の極低温容器。
  5. 【請求項5】 上記支持部材がダイニーマFRPである
    ことを特徴とする請求項4記載の極低温容器。
  6. 【請求項6】 極低温冷媒が貯液された第1の容器を第
    2の容器で囲繞して真空断熱し、上記第2の容器を貫通
    して上記第1の容器と連結された複数の導出管を有し、
    上記第2の容器内で上記複数の導出管同士を固定する拘
    束部材を有する極低温容器において、 上記拘束部材は、上記導出管より大きな熱収縮率を有
    し、かつ、上記導出管が挿通される複数の貫通孔を有
    し、該貫通孔内に上記導出管を挿通させて配設され、上
    記極低温冷媒が上記第1の容器内に貯液されている時に
    上記拘束部材が上記熱収縮率の差に起因する熱収縮力に
    より上記導出管に緊締状態で嵌合されるように構成され
    ていることを特徴とする極低温容器。
  7. 【請求項7】 極低温冷媒が貯液された第1の容器を第
    2の容器で囲繞して真空断熱し、上記第2の容器を貫通
    して上記第1の容器と連結された複数の導出管を有し、
    上記第2の容器内で上記複数の導出管同士を固定する拘
    束部材を有する極低温容器において、 上記拘束部材は、上記導出管より小さな熱収縮率を有し
    該導出管間に介装される中間部材と、上記中間部材が介
    装された導出管を張力をかけて巻回される縛り部材とか
    ら構成され、上記極低温冷媒が上記第1の容器内に貯液
    されている時に上記中間部材が上記熱収縮率の差に起因
    する熱収縮力により上記縛り部材の張力を増加させて上
    記導出管同士を緊締状態で固定するようにしたことを特
    徴とする極低温容器。
  8. 【請求項8】 極低温冷媒が貯液された第1の容器を第
    2の容器で囲繞して真空断熱し、上記第2の容器を貫通
    して上記第1の容器と連結された導出管を有し、上記第
    2の容器内で上記導出管を上記第1および第2の容器の
    少なくとも一方に固定する支持装置を有する極低温容器
    において、 上記支持装置は、上記第1および第2の容器の少なくと
    も一方に固定された支持部材と、上記導出管より小さな
    熱収縮率を有し該導出管と上記支持部材との間に介装さ
    れる中間部材と、上記中間部材が介装された導出管と支
    持部材とを張力をかけて巻回される縛り部材とから構成
    され、上記極低温冷媒が上記第1の容器内に貯液されて
    いる時に上記中間部材が上記熱収縮率の差に起因する熱
    収縮力により上記縛り部材の張力を増加させて上記導出
    管を上記支持部材に緊締状態で固定するようにしたこと
    を特徴とする極低温容器。
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