JP2012137257A - 排ガス熱回収器及び吸収式冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高温再生器5の燃焼室から排出される排気ガスの排気経路17に、この排気ガスで吸収器2から高温再生器5へ流れる稀吸収液を加熱する排ガス熱回収器40を備える吸収式冷凍機において、排ガス熱回収器40は、排気経路17の一部となる熱交換室40A内に排気ガスの流れ方向と直交して配置される複数の伝熱管43と、これら伝熱管43の端部に設けられるヘッダー42A、42Bとを備え、このヘッダー42A、42Bの上面42A1、42B1と高温再生器5とを接続し、ヘッダー42A、42B内に溜まった気体を高温再生器5に返送する返送配管49を備えた。
【選択図】図3
Description
この排ガス熱回収器は、一般に、排気ガスを下方から上方へと流す構成とするとともに、排気ガスの流れ方向と交差して配置される多段多列の伝熱管と、これら伝熱管の端部に設けられるヘッダーとを備え、このヘッダーを介して、排気経路の下段側の伝熱管から上段側の伝熱管へ吸収液を流すことにより、当該吸収液の加熱を行っている。
しかし、上記したように吸収液を流す構成とすると、ヘッダー内に吸収液から沸騰された水蒸気等の気体が溜まり易くなり、この気体が流動抵抗となって伝熱管内における吸収液の流れを阻害するおそれがあるといった問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、伝熱管内における吸収液の流動性の向上を図った排ガス熱回収器および吸収式冷凍機を提供することを目的とする。
図1は、本実施の形態に係る排ガス熱回収器を適用した吸収式冷温水機(吸収式冷凍機)の概略構成図である。吸収式冷温水機100は、冷媒に水を、吸収液に臭化リチウム(LiBr)水溶液を使用した二重効用型の吸収式冷温水機である。吸収式冷温水機100は、図1に示すように、蒸発器1と、この蒸発器1に並設された吸収器2と、これら蒸発器1及び吸収器2を収納した蒸発器吸収器胴3と、ガスバーナ4を備えた高温再生器5と、低温再生器6と、この低温再生器6に並設された凝縮器7と、これら低温再生器6及び凝縮器7を収納した低温再生器凝縮器胴8と、低温熱交換器12と、高温熱交換器13と、冷媒ドレン熱交換器16と、稀吸収液ポンプP1と、濃吸収液ポンプP2と、冷媒ポンプP3とを備え、これらの各機器が吸収液管21〜25及び冷媒管31〜35などを介して配管接続されている。
また、符号14は、蒸発器1内で冷媒と熱交換したブラインを、図示しない熱負荷(例えば空気調和装置)に循環供給するための冷温水管であり、この冷温水管14の一部に形成された伝熱部14Aが蒸発器1内に配置されている。冷温水管14の伝熱部14A下流側には、当該冷温水管14内を流通するブラインの温度を計測する温度センサ61が設けられている。符号15は、吸収器2及び凝縮器7に順次冷却水を流通させるための冷却水管であり、この冷却水管15の一部に形成された各伝熱部15A、15Bがそれぞれ吸収器2及び凝縮器7内に配置されている。符号50は、吸収式冷温水機100全体の制御を司る制御装置である。
低温再生器6の吸収液溜まり6Bの下端には、濃吸収液管24の一端が接続され、この濃吸収液管24の他端は、濃吸収液ポンプP2及び低温熱交換器12を介して、吸収器2の気層部2B上部に設けられる濃液散布器2Cに接続されている。低温熱交換器12は、低温再生器6の吸収液溜まり6Bから流出した濃吸収液の温熱で第2稀吸収液管21Bを流れる稀吸収液を加熱するものである。また、濃吸収液ポンプP2の上流側には、この濃吸収液ポンプP2及び低温熱交換器12をバイパスするバイパス管25が設けられており、濃吸収液ポンプP2の運転が停止している場合には、低温再生器6の吸収液溜まり6Bから流出した吸収液は、バイパス管25通じて低温熱交換器12を経由することなく吸収器2内に供給される。
冷房運転時には、冷温水管14を介して図示しない熱負荷に循環供給されるブライン(例えば冷水)の蒸発器1出口側温度が所定の設定温度、例えば7℃になるように吸収式冷温水機100に投入される熱量が制御装置50により制御される。具体的には、制御装置50は、すべてのポンプP1〜P3を起動し、且つ、ガスバーナ4においてガスを燃焼させ、温度センサ61が計測するブラインの温度が所定の7℃となるようにガスバーナ4の火力を制御する。なお、冷房運転時には、開閉弁V1〜V3は閉じられる。
伝熱部14Aの上に散布された冷媒液は、伝熱部14Aの内部を通るブラインから気化熱を奪って蒸発するので、伝熱部14Aの内部を通るブラインは冷却され、こうして温度を下げたブラインが冷温水管14から熱負荷に供給されて冷房等の冷却運転が行われる。
そして、蒸発器1で蒸発した冷媒は吸収器2へ入り、低温再生器6より供給されて上方から散布される濃吸収液に吸収されて、吸収器2の稀吸収液溜まり2Aに溜まり、稀吸収液ポンプP1によって高温再生器5に搬送される循環を繰り返す。なお、吸収液が冷媒を吸収する際に発生する熱は、吸収器2内に配置される冷却水管15の伝熱部15Aにより冷却される。
この場合、高温再生器5で稀吸収液から蒸発した冷媒は、冷媒管31の途中から主に流路抵抗の小さい冷媒管32を通って吸収器2、蒸発器1に入り、冷温水管14から供給される水と伝熱部14Aを介して熱交換して凝縮し、このときの凝縮熱によって伝熱部14Aの内部を流れる水が加熱される。こうして温度を上げたブラインが冷温水管14から熱負荷に供給されて暖房運転が行われる。
高温再生器5は、図2に示すように、架台55の上に配置される横長の本体52を備え、この本体52内にガスバーナ4が収容される燃焼室、熱交換部5A、気層部5Bがそれぞれ形成される。また、本体52の左側面の下部には、上記ガスバーナ4を取り付けるためのフランジ53が形成され、本体52の前面には、熱交換部5Aで加熱再生された中間吸収液が溜まる中間吸収液溜まり5Cが前面側に突出して形成されている。
また、筐体41の前面41A及び背面41B(図2)には、伝熱管43の端部に接続されるヘッダー42A、42Bがそれぞれ形成される。これらヘッダー42A、42B内は、図3に示すように、複数の仕切板44で伝熱管43、43の間を上下に仕切られており、これにより排ガス熱回収器40に流入した吸収液が伝熱管43の各段を通じて順次流れるように構成される。また、ヘッダー42A、42Bには、それぞれ入口管45及び出口管46が接続され、本実施形態では、これら入口管45、出口管46、ヘッダー42A、42B及び各伝熱管43を備えて、上記した第4稀吸収液管21Dが形成される。
一方、稀吸収液は排気ガスにより加熱された際に、この吸収液中の冷媒(水)が沸騰して冷媒蒸気(水蒸気)を発生するとともに、冷媒中に溶存していた不凝縮ガス(例えば、水素や窒素等)が発生する場合がある。このため、稀吸収液を上段の伝熱管43から下段の伝熱管43へと流す構成では、熱交換効率が向上するものの、加熱時に発生した気体がヘッダー42A、42B内に溜まり易くなることが想定される。
ここで、高温再生器5では、稀吸収液を加熱して濃縮する際に、排ガス熱回収器40と同様に冷媒蒸気及び不凝縮ガスが発生する。これらの気体は、上述のように、低温再生器6を通じて凝縮器7に流入し、この凝縮器7で冷媒蒸気は凝縮され、不凝縮ガスは当該凝縮器7に接続される抽気装置(不図示)により循環経路から排出される。このため、排ガス熱回収器40の各ヘッダー42A、42Bの上面42A1、42B1と高温再生器5とを、返送配管49で接続するといった簡単な構成で、当該ヘッダー42A、42B内に溜まった気体を排ガス熱回収器40外に排出できるとともに、当該気体を外部で処理(凝縮及び抽気)することができる。さらに、高温再生器5は、排ガス熱回収器40と近接して配置されているため、返送配管49の配設を簡単に行うことができる。
また、本実施形態では、返送配管49は、液抜け防止用配管54を介して、高温再生器5に接続されているため、この液抜け防止用配管54が返送配管49を保持するステーとして機能し、当該返送配管49の配設作業をより簡単に行うことができる。
この場合、差圧が大きいと、返送配管49を通じて、排ガス熱回収器40内の熱交換されていない稀吸収液までが高温再生器5に返送される恐れがあるため、本実施形態では、返送配管49には、図3に示すように、ヘッダー42A、42B内の気体の圧力を減圧するためのオリフィス板(減圧手段)60が設けられ、排ガス熱回収器40と高温再生器5との差圧が調整されている。このオリフィス板60に形成される孔(不図示)の径は、通常の運転時における差圧が所定値以下となるように設計されている。
この構成によれば、オリフィス板60を通過する際に気体の圧力が減圧されるため、排ガス熱回収器40から高温再生器5への気体の返送量を制御することができる。なお、本実施形態では、減圧手段の一例としてオリフィス板60を設ける構成について説明したが、上記した差圧を調整できるものであれば、オリフィス板60に限るものではなく、例えば、ヘッダー42A、42Bの上面と42A1、42B1と高温再生器5とをキャピラリチューブ等の細管で接続することにより気体を減圧する方式や、返送配管49に減圧弁を配置する方式としても良い。
上記した実施形態では、返送配管49にオリフィス板60を設け、排ガス熱回収器40と高温再生器5との差圧を調整する構成を説明したが、この別の実施形態では、排ガス熱回収器40で発生する気体の多くが冷媒蒸気であることに鑑み、図4に示すように、返送配管49にスチームトラップ62が設けられている。
このスチームトラップ62は、返送配管49内で冷媒蒸気が凝縮した凝縮冷媒を排出するものである。この実施形態では、スチームトラップ62は、液抜け防止用配管54の上部に取り付けられ、このスチームトラップ62を介して、排ガス熱回収器40と高温再生器5とが返送配管49で接続される。スチームトラップ62内に凝縮した冷媒が溜まると、この冷媒により弁口が開いて、凝縮された冷媒が高温再生器5に返送される。不凝縮ガスは、冷媒蒸気に比べて少ないため、凝縮された冷媒が排出される際にこの冷媒とともに高温再生器5に返送される。
この実施形態では、排ガス熱回収器40で発生する気体の多くが冷媒蒸気であることに鑑み、返送配管49にスチームトラップ62を設けたため、このスチームトラップ62によりヘッダー42A、42Bに貯留した冷媒蒸気を液冷媒として高温再生器5に返送することができる。この構成では、スチームトラップ62内に凝縮した液冷媒が溜まれば、その都度、高温再生器5に返送するため、高温再生器5への返送量を管理することができる。さらに、この構成では、吸収式冷凍機の能力に関わらず、排ガス熱回収器40で発生する冷媒蒸気量よりも大きな処理能力を有するスチームトラップを返送配管49に配置すればよい。
例えば、上記実施の形態では、排ガス熱回収器40のヘッダー42A、42Bの上面42A1、42B1と高温再生器5とを接続する返送配管49を備える構成について説明したが、これに限るものではなく、図5に示すように、排ガス熱回収器40と凝縮器7とを接続する返送配管63を備える構成としても良い。この図5では、記載を省略したが、返送配管63は、排ガス熱回収器40のヘッダー42A、42Bの上面42A1、42B1に接続される。
これに対して、凝縮器7は、そもそも冷媒蒸気を凝縮する機能を有するものであり、さらに、この凝縮器7には、冷媒蒸気に混在する不凝縮ガスを抽出する抽気装置(不図示)が接続されるため、凝縮器7内に気体を返送したとしても、吸収式冷温水機100の性能を大きく変化させることはない。
しかしながら、凝縮器7内の圧力は、高温再生器5内に比べて十分低いため、返送配管63にオリフィス板60を設ける場合には、このオリフィス板60での差圧調整は高温再生器5に返送する際よりも精度が求められる。さらに、高温再生器5に比べて、凝縮器7は、排ガス熱回収器40のヘッダー42A、42Bとの距離が長いため、配置構成上、高温再生器5に返送する方が好ましい。なお、ヘッダー42A、42B内に貯留される気体を凝縮器7に返送する構成においても、返送配管63にスチームトラップを設けることができるのは勿論である。
また、上記実施の形態では、吸収式冷温水機100は、高温再生器5から流出した吸収液を低温再生器6に供給するいわゆるシリーズフローサイクルに形成されていたが、これに限定されず、例えば、吸収器から延びる高温再生器及び低温再生器へと2つに分岐するいわゆるパラレルフローサイクルや、低温再生器から流出した吸収液を高温再生器に供給するいわゆるリバースフローサイクルに形成された吸収式冷凍機に本発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、吸収式冷凍機は二重効用型であるが、一重効用型を始め、一重二重効用型及び三重効用型の吸収式冷凍機及び吸収式ヒートポンプ装置に本発明を適用可能なことは勿論である。
2 吸収器
4 ガスバーナ
5 高温再生器
6 低温再生器
7 凝縮器
17 排気経路
21D 第4稀吸収液管
21E 伝熱管
40 排ガス熱回収器
40A 熱交換室
41 筐体
42A、42B ヘッダー
43 伝熱管
44 仕切板
45 入口管
46 出口管
49、63 返送配管
54 液抜け防止用配管
60 オリフィス板(減圧手段)
62 スチームトラップ
100 吸収式冷温水機(吸収式冷凍機)
Claims (6)
- 高温再生器、低温再生器、蒸発器、凝縮器及び吸収器を備え、これらを配管接続して吸収液及び冷媒の循環経路をそれぞれ形成し、前記高温再生器の燃焼室から排出される排気ガスの排気経路に、この排気ガスで前記吸収器から前記高温再生器へ流れる吸収液を加熱する排ガス熱回収器を備える吸収式冷凍機において、
前記排ガス熱回収器は、前記排気経路内に前記排気ガスの流れ方向と交差して配置される複数の伝熱管と、これら伝熱管の端部に設けられるヘッダーとを備え、このヘッダーの上部と前記高温再生器または前記凝縮器とを接続し、前記ヘッダー内に溜まった気体を前記高温再生器または前記凝縮器に返送する返送配管を備えたことを特徴とする吸収式冷凍機。 - 前記返送配管は、前記気体の圧力を減圧する減圧手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
- 前記減圧手段は、オリフィス板であることを特徴とする請求項2に記載の吸収式冷凍機。
- 前記返送配管は、スチームトラップを備えることを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
- 前記排気ガスは、前記排気経路内を下方から上方へ流れるとともに、前記吸収液は前記排気ガスと対向するように、前記排気経路の上方の伝熱管から下方の伝熱管へ流れる構成としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の吸収式冷凍機。
- 吸収式冷凍機の高温再生器の燃焼室から排出される排気ガスの排気経路に、この排気ガスで吸収器から前記高温再生器へ流れる吸収液を加熱する排ガス熱回収器において、
前記排気経路内に前記排気ガスの流れ方向と交差して配置される複数の伝熱管と、これら伝熱管の端部を繋ぐヘッダーとを備え、このヘッダーの上部と前記高温再生器または凝縮器とを接続し、前記ヘッダー内に溜まった気体を前記高温再生器または前記凝縮器に返送する返送配管を備えたことを特徴とする排ガス熱回収器。
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