JP2012137068A - タービンスクロール部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラジアルタービンのタービンスクロール部1の構造において、タービンハウジング5への排ガス導入口からスクロール部1への接続部の流路3をタービンロータの回転軸の軸線L1に沿って、オフセットHさせると共に、流路3と動翼6へ流入する動翼側通路4とを仕切る舌部2に流路3から動翼側通路4へ排ガスが流れる切欠き部P1を配設する。
【選択図】図1
Description
図6は従来技術であるかかるラジアルタービンを用いた過給機の一例を示す特開2003−120303号公報(特許文献1)である。図において01はタービンハウジング、04はタービンハウジング01内に形成された渦巻状のスクロール部、05はタービンハウジング01の内周に形成された排ガス排出口通路、06はコンプレッサハウジング、09はタービンハウジング01及び、コンプレッサハウジング06を連結する軸受ハウジングである。
図7(A)において04はスクロール部、044は排ガス導入口、045は排ガス導入口044からの排ガスが流路046を通過して、スクロール部04部へ導入される接続部の流路046と動翼へ流入する動翼側通路047とを仕切る舌部が形成されている。
そして、(B)図に示すように、舌部045は排ガス熱を流路046側及び動翼側通路047側から受けることになり、一方で、舌部045に蓄積された熱は矢印Zで表すように放熱経路が狭く放熱効率がよくない。
従って、舌部045の温度は800〜900℃に成ることがある。
このため、舌部045は流路046及び、動翼側通路047の両側から高温排ガスに曝され、舌部045の放熱経路はZ方向〔図7(A)参照〕しかないので、熱が蓄積し易く高温になり、舌部045は表面酸化や、熱応力が原因で疲労損傷が発生しやすくなる。
その対応策として、タービンハウジング01の材料として高温での耐酸化性や耐疲労特性のよい高価な材料(例えばオーステナイト鋳鋼、フェライト鋳鋼等)が使用されておりコスト増加の要因となっている。
前記タービンハウジングへの排ガス導入口から前記スクロール部への接続部の流路を前記タービンロータの回転軸の軸線に沿って、オフセットさせる共に、該オフセットによって前記流路と前記動翼へ流入する動翼側通路とを仕切る舌部近傍に外気に露出した壁面を形成し、該壁面によって前記舌部近傍の放熱を行わせるようにしたことを特徴とする。
また、切欠き部を設けることにより、舌部が受ける熱量を抑制する効果がある。
但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1に基づいて、本発明の第1実施形態に係るスクロール部の排ガス流通空間部の概略構造図を示す。
本発明の第1実施形態にかかるタービンスクロール部について説明する。
本発明が適用されるラジアルタービンを用いた過給機の全体構造を示す図6において、01はタービンハウジング、04はタービンハウジング01内に形成された渦巻状のスクロール部、05はタービンハウジング01の内周に形成された排ガス排出口通路、06はコンプレッサハウジング、09はタービンハウジング01及び、コンプレッサハウジング06を連結する軸受ハウジングである。
L1はタービンホイール010、コンプレッサインペラ及び、ロータシャフト012
の回転軸心である。
本発明においてはスクロールの形状を改良している。
3は排ガス流入口からの排ガスをスクロール部1に流入させるタービンハウジング5によって形成される流路である。1は渦巻状に形成され、流路3から流入した排ガスを渦巻状の流れに変え、動翼側通路4を介して動翼6に向け噴出させるタービンハウジング5によって形成されるスクロール部である。2は流路3とスクロール部1との接続部で、動翼側通路4とを仕切る舌部である。
図1(B)にその具体的構造を示すように、流路3の排ガス通路断面積は変更することができない(通路断面積を変更すると、ターボチャージャの性能が変化する)。
従って、タービンハウジング5によって形成される流路3の断面形状は維持された状態で軸線L1に沿って破線部分から実線部分にオフセットした形状となり、それに伴い舌部2もオフセットした形状になる。
そのため、舌部2が位置するタービンハウジング5の外壁部は外気に露出する動翼側通路外周壁面21及び、スクロール部1の内周側にはスクロール側内周壁面22が形成され、当該部から舌部2に蓄積された熱は放散されやすくなる。
従って、舌部2に蓄積される熱量は動翼側通路外周壁面21及び、スクロール側内周壁面22からの放熱に加え、タービンハウジング5全体からも効率よく放熱される。
これは、舌部2が排ガスに曝される部分を少なくして、舌部2に蓄積される熱量を少なくするためである。
また、舌部2の切欠長さFの位置を45度とした理由は、舌部2の当該部分厚みが先端縁23の厚みに対し略2倍になっており、タービンハウジング5全体への熱伝導が多くなり、舌部2の放熱効率がよくなる。
但し、露出面21、22が大きくなるので、従来に対し温度上昇が抑制される。
従って、ターボチャージャの仕様状況(要求性能)に沿うようにオフセット量Hを決めればよい。
この結果、舌部2と一体成形されるタービンハウジング5の材量の耐熱グレードを下げることが可能となる。
材料の一例として、従来はオーステナイト鋳鋼又は、フェライト鋳鋼等の高価な材料を使用していたが、フェライト鋳鉄等に代替可能となった。
さらに、切欠き部23を設けることにより、舌部2に受ける熱量を抑制する効果がある。
本実施形態において、第1実施形態と同じものは同符号を付して、説明を省略する。
図3に基づいて本発明の第2実施形態にかかるタービンスクロール部の構造を説明する。
図3(A)本発明の第2実施形態に係るスクロール部の排ガスが流通する空間部の概略構造図で、(B),(C)及び(D)は図3(A)のT矢視におけるK,M,N各位置の舌部8におけるオフセット状態のタービンハウジング5の概略構造図を示す。
7は排ガス流入口からの排ガスをスクロール部1に流入させるタービンハウジング5によって形成される流路である。8は流路3とスクロール部1との接続部で、動翼側通路4とを仕切る舌部である。
図3(B)、(C)及び(D)にその具体的構造を示すように、流路3の排ガス通路断面積は変更することができない。(通路断面積の変更は、ターボチャージャの性能が変化する)。
従って、タービンハウジング5によって形成される流路3の断面形状は維持された状態で軸線L1に沿って破線部分から実線部分にオフセット量Eとした形状になる。
K断面オフセット量E1とM断面オフセット量E2との間にはE1>E2の状態に形成され、N断面ではオフセット量0となっている。
これに伴い、舌部8に形成される切欠き部P2の幅は図3(A)において、切欠長さFの舌部2の基端側位置から舌部2の先端縁81に向けて滑らかに拡大し、先端縁81では動翼側通路4幅と同じになっている。
そして、図3(B)、(C)及び(D)の切欠き部P2の幅はPK<PM<PNの順に大きくなっている。
各断面形状は、K断面が図3(B)、M断面が図3(C)及び、N断面が図3(D)を表し、幅GWが軸線L1に平行な部分を示しスクロール部1の外周部の辺51に相当する。GHは軸線L1の半径方向の長さで、スクロール部1の外周部から動翼側通路4を含んだ形状となっている。
K断面オフセット量E1もが一番多く、次にM断面オフセット量E2、そしてN断面でオフセット量0(ゼロ)となっている。
断面として3箇所を表示したが、図から容易に判断できるように、断面形状は連続して変化している場合を開示してある。
滑らかに変化させた場合には、スクロール部入口の段差を除去できるため、内部を流れる排ガスの流動損失が少なくなり、ターボチャージャの性能が維持できる。
一方段階的に変化させた場合には、タービンハウジング5の表面が波状になり、舌部8からの伝導熱放散面積が大きくなり、舌部8の昇温が抑制される。
本実施形態において、第1実施形態と同じものは同符号を付して、説明を省略する。
図5に基づいて、本発明の第3実施形態にかかるタービンスクロール部について説明する。
図5(A)はスクロール部の排ガスが流通する空間部の概略構造図で、(B),(C)及び(D)は図5(A)のU矢視におけるQ,R,S各位置の舌部8におけるオフセット状態のタービンハウジング5の概略構造図を示す。
9は排ガス流入口からの排ガスをスクロール部1に流入させるタービンハウジング5によって形成される流路である。8は流路3とスクロール部1との接続部で、動翼側通路4とを仕切る舌部である。
また、図5(B)、(C)及び(D)にその具体的構造を示すように、本実施形態では流路9の外周部91の位置及び、幅Vは変更せずに、舌部8の部分とスクロール部1の内周側壁だけをオフセットした構造にした。
そして、流路7の排ガス通路断面積は変更することができない(通路断面積を変更すると、ターボチャージャの性能が変化する)ので、オフセットした当該部は破線で示す一般断面形状から実線の形状に変化している。
従って、タービンハウジング5によって形成される流路7の断面積は維持された状態で軸線L1に沿って破線部分から実線部分にオフセット量J(J1,J2)の形状になる。
Q断面のオフセット量J1とR断面のオフセット量J2との間にはJ1>J2の状態に形成され、S断面ではオフセット量0となっている。
そして、図5(B)、(C)及び(D)の切欠き部P3の幅はPQ<PR<PSの順に大きくなっている。
これに伴い、舌部8に形成される切欠き部P2の幅は図3(A)において、切欠長さFの舌部2の基端側(排ガス流入口側)位置から舌部2の先端縁81に向けて滑らかに拡大し、先端縁81では動翼側通路4の幅と同じになっている。
2、8 舌部
3、7、9 流路
4 動翼側通路
5 タービンハウジング
6 動翼
F 切欠長さ
L1 軸線
L2 基準線
P1,P2,P3 切欠き部
H、E,J オフセット量
Claims (4)
- タービンハウジング内に形成された渦巻状のスクロール部から該スクロール部の動翼へと半径方向に排ガスを流入させて、該動翼に作用させた後、軸方向に流出させることによりタービンロータを回転駆動するように構成されたラジアルタービンのタービンスクロール部構造において、
前記タービンハウジングへの排ガス導入口から前記スクロール部への接続部の流路を前記タービンロータの回転軸の軸線に沿って、オフセットさせる共に、該オフセットによって前記流路と前記動翼へ流入する動翼側通路とを仕切る舌部近傍に外気に露出した壁面を形成し、該壁面によって前記舌部近傍の放熱を行わせるようにしたことを特徴とするタービンスクロール部構造。 - 前記壁面の軸方向長さは前記オフセット量に応じて変化し、前記流路の前記オフセットの量は前記舌部の先端に向かい減少させたことを特徴とする請求項1記載のタービンスクロール部構造。
- 前記流路の前記オフセットは前記渦巻状の内周側のみを変形させた形状にしたことを特徴とする請求項1記載のタービンスクロール部構造。
- 前記オフセットは前記タービンスクロール部の軸芯と前記舌部の先端を結ぶ線を基準にして、軸心を中心にして排ガス流入側へ略45度の部分から減少して前記舌部の先端でオフセットがゼロになるように設定されることを特徴とする請求項1記載のタービンスクロール部構造。
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