JP3586515B2 - タービンスクロール - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアルタービン、斜流タービン等のタービンスクロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラジアルタービンの従来のタービンスクロールを図2及び図3に基づき説明する。
【0003】
渦巻状のガス流路を形成するスクロール1内には回転軸に固定された動翼2が配置され、またスクロール1には、スクロール1に対して周方向の流入流路11が設けられ、流入流路11の近傍は先端近傍の肉厚が薄くなった舌部13によって仕切られて渦巻流路の巻き終り部12が形成されている。
【0004】
流入流路11から流入したガスはスクロール1によって半径方向速度が与えられ、動翼2に流入して動翼2を通過する間にガスの周方向速度によって動翼2を駆動して回転させる。動翼2を通過したガスは排気口3から排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のタービンスクロールは、舌部13で仕切られた流入流路11と渦巻流路の巻き終り部12との間に圧力差が生じ、その圧力差は舌部13の先端側程大きくなって舌部13の先端で最大になる。この圧力差が励振源となって動翼2を振動させ、場合によっては動翼2は振動破壊していた。斜流タービンのタービンスクロールにおいても、同様な現象が発生していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題の解決を図るため、流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを仕切る舌部を備えたタービンスクロールにおいて、前記舌部の一部を多孔質部材で形成して前記流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを連通させたことを特徴とするタービンスクロール、及び流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを仕切る舌部を備えたタービンスクロールにおいて、前記舌部の先端近傍を多孔質部材で形成して前記流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを連通させたことを特徴とするタービンスクロールを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1に基づいて説明する。図1に示すタービンスクロールは、ラジアルタービンに適用したものであり、渦巻状のガス流路を形成するスクロール1内には回転軸に固定された動翼2が配置され、またスクロール1には、スクロール1に対して周方向の流入流路11が設けられ、流入流路11の近傍は先端近傍の肉厚が薄くなった舌部13によって仕切られて渦巻流路の巻き終り部12が形成されている。舌部13の先端近傍には貫通孔4を穿孔してその貫通孔4に、金網を多重に組み合わせたもの、または多孔質の焼結金属等の多孔質部材5を圧入して固定している。
【0008】
なお、多孔質部材5は最適な開孔率となるよう設けられているが、最適な開孔率とするには、一例として次に説明する方法がある。高圧流体の流れる流路と低圧流体が流れる流路とを隣接させ、その2つの流路の隔壁の一部に多孔質部材をはめ込み、高圧流体と低圧流体との圧力比と多孔質部材の開孔率とを変えて、両流路の流量の変化から高圧側から低圧側への通過流量を求め、これらを設計データとして蓄積しておく。これらのデータを利用して、舌部13で想定される圧力比に対して、通過流量/低圧流体流量の値が、例えば5%以下の所定値となる開孔率の多孔質部材を選定する。
【0009】
舌部13で仕切られた流入流路11と渦巻流路の巻き終り部12との間に圧力差が生じた際、ガスは高圧側から低圧側へと多孔質部材5を通って流れるが、この時のガスは多孔質部材5により過剰な吹き抜けを防止されつつ流れる。これにより、舌部13での圧力は均一となり、動翼2が振動して破壊することが防止される。
【0010】
以上本発明を図1に示す実施の一形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、多孔質部材5を設ける位置は、圧力差は舌部13の先端側に近くなるに従い大きくなって先端部が最大となるので、舌部13の先端に近い程多孔質部材5は小さいものでよく、舌部13の先端部分を多孔質部材で形成してもよい。また、多孔質部材5は最適な開孔率となるよう舌部13の幅方向(紙面に垂直方向)、巻き方向(ガスの流入方向)の一方或いは両方ともに複数列設けたものでもよい。
【0011】
なお、舌部13の先端部を多孔質部材で形成した場合、圧力の均一の点においては良好なものであるが、舌部13の先端部の肉厚が薄く構造的に弱いため、舌部13の後方に発生する圧力や流速の変動による振動破壊、あるいはガス温度が高い場合には溶融が発生する懸念があること、また、舌部13の先端の表面粗さが大きくなり舌部13の下流側の流れを乱す恐れがあるので、この点を留意した上で舌部の最適位置に多孔質部材を設ければよい。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、舌部の一部を多孔質部材で形成して前記流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを連通させたことにより、舌部で仕切られた流入流路と渦巻流路の巻き終り部との間に発生する圧力差を少なくし、動翼の振動破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るラジアルタービンのタービンスクロールの縦断面図。
【図2】従来のラジアルタービンのタービンスクロールの縦断面図。
【図3】図2の III−III 断面図。
【符号の説明】
1 スクロール
2 動翼
3 排気口
4 貫通孔
5 多孔質部材
11 流入流路
12 渦巻流路の巻き終り部
13 舌部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアルタービン、斜流タービン等のタービンスクロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラジアルタービンの従来のタービンスクロールを図2及び図3に基づき説明する。
【0003】
渦巻状のガス流路を形成するスクロール1内には回転軸に固定された動翼2が配置され、またスクロール1には、スクロール1に対して周方向の流入流路11が設けられ、流入流路11の近傍は先端近傍の肉厚が薄くなった舌部13によって仕切られて渦巻流路の巻き終り部12が形成されている。
【0004】
流入流路11から流入したガスはスクロール1によって半径方向速度が与えられ、動翼2に流入して動翼2を通過する間にガスの周方向速度によって動翼2を駆動して回転させる。動翼2を通過したガスは排気口3から排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のタービンスクロールは、舌部13で仕切られた流入流路11と渦巻流路の巻き終り部12との間に圧力差が生じ、その圧力差は舌部13の先端側程大きくなって舌部13の先端で最大になる。この圧力差が励振源となって動翼2を振動させ、場合によっては動翼2は振動破壊していた。斜流タービンのタービンスクロールにおいても、同様な現象が発生していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題の解決を図るため、流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを仕切る舌部を備えたタービンスクロールにおいて、前記舌部の一部を多孔質部材で形成して前記流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを連通させたことを特徴とするタービンスクロール、及び流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを仕切る舌部を備えたタービンスクロールにおいて、前記舌部の先端近傍を多孔質部材で形成して前記流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを連通させたことを特徴とするタービンスクロールを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1に基づいて説明する。図1に示すタービンスクロールは、ラジアルタービンに適用したものであり、渦巻状のガス流路を形成するスクロール1内には回転軸に固定された動翼2が配置され、またスクロール1には、スクロール1に対して周方向の流入流路11が設けられ、流入流路11の近傍は先端近傍の肉厚が薄くなった舌部13によって仕切られて渦巻流路の巻き終り部12が形成されている。舌部13の先端近傍には貫通孔4を穿孔してその貫通孔4に、金網を多重に組み合わせたもの、または多孔質の焼結金属等の多孔質部材5を圧入して固定している。
【0008】
なお、多孔質部材5は最適な開孔率となるよう設けられているが、最適な開孔率とするには、一例として次に説明する方法がある。高圧流体の流れる流路と低圧流体が流れる流路とを隣接させ、その2つの流路の隔壁の一部に多孔質部材をはめ込み、高圧流体と低圧流体との圧力比と多孔質部材の開孔率とを変えて、両流路の流量の変化から高圧側から低圧側への通過流量を求め、これらを設計データとして蓄積しておく。これらのデータを利用して、舌部13で想定される圧力比に対して、通過流量/低圧流体流量の値が、例えば5%以下の所定値となる開孔率の多孔質部材を選定する。
【0009】
舌部13で仕切られた流入流路11と渦巻流路の巻き終り部12との間に圧力差が生じた際、ガスは高圧側から低圧側へと多孔質部材5を通って流れるが、この時のガスは多孔質部材5により過剰な吹き抜けを防止されつつ流れる。これにより、舌部13での圧力は均一となり、動翼2が振動して破壊することが防止される。
【0010】
以上本発明を図1に示す実施の一形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、多孔質部材5を設ける位置は、圧力差は舌部13の先端側に近くなるに従い大きくなって先端部が最大となるので、舌部13の先端に近い程多孔質部材5は小さいものでよく、舌部13の先端部分を多孔質部材で形成してもよい。また、多孔質部材5は最適な開孔率となるよう舌部13の幅方向(紙面に垂直方向)、巻き方向(ガスの流入方向)の一方或いは両方ともに複数列設けたものでもよい。
【0011】
なお、舌部13の先端部を多孔質部材で形成した場合、圧力の均一の点においては良好なものであるが、舌部13の先端部の肉厚が薄く構造的に弱いため、舌部13の後方に発生する圧力や流速の変動による振動破壊、あるいはガス温度が高い場合には溶融が発生する懸念があること、また、舌部13の先端の表面粗さが大きくなり舌部13の下流側の流れを乱す恐れがあるので、この点を留意した上で舌部の最適位置に多孔質部材を設ければよい。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、舌部の一部を多孔質部材で形成して前記流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを連通させたことにより、舌部で仕切られた流入流路と渦巻流路の巻き終り部との間に発生する圧力差を少なくし、動翼の振動破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るラジアルタービンのタービンスクロールの縦断面図。
【図2】従来のラジアルタービンのタービンスクロールの縦断面図。
【図3】図2の III−III 断面図。
【符号の説明】
1 スクロール
2 動翼
3 排気口
4 貫通孔
5 多孔質部材
11 流入流路
12 渦巻流路の巻き終り部
13 舌部
Claims (2)
- 流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを仕切る舌部を備えたタービンスクロールにおいて、前記舌部の一部を多孔質部材で形成して前記流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを連通させたことを特徴とするタービンスクロール。
- 流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを仕切る舌部を備えたタービンスクロールにおいて、前記舌部の先端近傍を多孔質部材で形成して前記流入流路と渦巻流路の巻き終り部とを連通させたことを特徴とするタービンスクロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19074896A JP3586515B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-07-19 | タービンスクロール |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-159702 | 1996-06-20 | ||
JP15970296 | 1996-06-20 | ||
JP19074896A JP3586515B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-07-19 | タービンスクロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1068303A JPH1068303A (ja) | 1998-03-10 |
JP3586515B2 true JP3586515B2 (ja) | 2004-11-10 |
Family
ID=26486415
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19074896A Expired - Fee Related JP3586515B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-07-19 | タービンスクロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3586515B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5433560B2 (ja) | 2010-12-27 | 2014-03-05 | 三菱重工業株式会社 | タービンスクロール部構造 |
-
1996
- 1996-07-19 JP JP19074896A patent/JP3586515B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1068303A (ja) | 1998-03-10 |
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
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