JP2009299497A - タービンおよびタービン動翼 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーシング3の主流流路2内を回転軸線C回りに回転する動翼4と、ケーシング3に配置された静翼5と、動翼4における径方向外側の端部に配置され、動翼4から離れるに伴って回転軸線Cに沿う方向の長さが短くなるチップシュラウド42と、ケーシング3における動翼4と対向する位置に形成され、チップシュラウド42が内部に収納されるキャビティ部32と、が設けられ、チップシュラウド42の内周面における傾斜角θbが、ケーシング3の内周面における傾斜角度であって、主流の上流側に配置された静翼5の後縁から、主流の下流側に配置されたキャビティ部32までの平均傾斜角θaよりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
特に、近年のタービンの高出力化に伴う大容量化により、タービン動翼が長翼化して翼高さが高くなっている中で、ガスタービンにおけるガス流れの下流側に配置されるタービン動翼、例えば、タービンの3段目や4段目に配置されるタービン動翼は、他の上流側に配置されているタービン動翼よりも回転時に働く遠心荷重が大きくなることから、遠心荷重を少しでも軽減するためにシュラウドの軽量化が図られている。
具体的には、シュラウドの形状として、タービン動翼の翼部分と翼部分との隙間の一部分のみを覆うパーシャル(部分)カバー形状を採用することにより、シュラウドの軽量化が図られている(非特許文献1)。
L.Porreca, A.I.Kalfas, R.S.Abhari, "OPTIMIZED SHROUD DESIGN FOR AXIAL TURBINE AERODYNAMIC PERFORMANCE", Proceedings of GT2007, ASME Turbo Expo 2007:Power for Land, Sea and Air, May 14−17, 2007, Montreal, Canada, GT2007−27915
例えば、チップシュラウド542の形状が、図12に示すように、タービン動翼504の間で作動流体の流れ方向(図12の上下方向)に凹んだ形状を有している場合におけるタービン動翼504まわりの作動流体の流れを、図13を参照しながら説明する。
この剥離渦Vが形成されることにより、作動流体の流れ損失が発生してタービン動翼504などの性能が低下するという問題があった。
本発明のタービンは、下流に向かって径が大きくなる略円筒状ケーシングの主流流路内を回転軸線回りに回転する動翼と、該動翼に対して前記回転軸線方向に間隔をあけて、前記ケーシングに配置された静翼と、前記動翼における径方向外側の端部に配置されて円環状のシュラウドの一部を構成するとともに、前記動翼から離れるに伴って前記回転軸線に沿う方向の長さが短くなるチップシュラウドと、前記ケーシングにおける前記動翼と対向する位置に凹状に形成され、前記チップシュラウドが内部に収納されるキャビティ部と、が設けられ、前記チップシュラウドの内周面における前記回転軸線に対する傾斜角θbが、前記ケーシングの内周面における前記回転軸線に対する傾斜角度であって、前記主流の上流側に配置された前記静翼の後縁から、前記主流の下流側に配置された前記キャビティ部までの平均傾斜角θaよりも大きいことを特徴とする。
そのため、タービンの運転時に、動翼に働く遠心荷重の増加を抑制して、動翼およびチップシュラウドを有するタービン動翼の強度を確保することができる。
そのため、タービン動翼の回転時に、動翼に働く遠心荷重の増加を抑制して、動翼およびチップシュラウドを有するタービン動翼の強度を確保することができる。
さらに、チップシュラウドの形状を、動翼から離れるに伴って、チップシュラウドにおける回転軸線に沿う方向の長さを短くしたパーシャルカバー形状としているため、タービンの運転時に、動翼に働く遠心荷重の増加を抑制して、動翼およびチップシュラウドを有するタービン動翼の強度を確保することができるという効果を奏する。
チップシュラウドの形状を、動翼から離れるに伴って、チップシュラウドにおける回転軸線に沿う方向の長さを短くしたパーシャルカバー形状としているため、タービン動翼の回転時に、動翼に働く遠心荷重の増加を抑制して、動翼およびチップシュラウドを有するタービン動翼の強度を確保することができるという効果を奏する。
以下、本発明の第1の実施形態に係るタービン1ついて図1から図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るタービンの構成を説明する模式図である。
タービン1には、図1に示すように、内部に燃焼ガスなどの高温流体が流れる主流流路2が形成されるケーシング3と、回転軸(図示せず)とともに回転軸線Cまわりに回転可能に配置されたタービン動翼4と、ケーシング3に取り付けられたタービン静翼5と、が設けられている。
なお、本実施形態では、本願の発明をこれらのタービン動翼4およびタービン静翼5の周辺に適用して説明しているが、3段動翼および3段静翼の周辺に限定されるものではなく、4段動翼および4段静翼の周辺などに適用してもよく、特に限定するものではない。
ケーシング3におけるタービン動翼4およびタービン静翼5が配置された領域は、図1に示すように、内周面が、上流側から下流側に向かって(図1の左側から右側に向かって)、回転軸線Cを中心とする径方向外側に向かって傾斜して形成されている。
分割環31は、タービン動翼4とタービン静翼5との間に配置され、ケーシング3の一部を構成する部材であって、回転軸線Cを中心とする略円環状に形成された部材である。
キャビティ部32に隣接するケーシング3の内周面には、タービン静翼5がキャビティ部32に沿って、略等間隔に並ぶとともに、径方向内側に向かって延びて配置されている。
動翼41は、図1および図2に示すように、径方向に沿って外側に向かって延びるとともに、回転軸線Cのまわりを回転可能に支持された回転翼である。
動翼41は、断面が翼形状に形成された板状の部材であり、本実施形態では凸状に湾曲した面の側(図2の左側)を背側(凸側)、凹状に湾曲した面の側(図2の右側)を腹側(凹側)として説明する。
径方向外側から見たチップシュラウド42は、図2に示すように、動翼41の近傍において最も回転軸線Cに沿う方向(図2の上下方向)、言い換えると、主流流れに沿う方向の寸法である幅が最も広く、動翼41から周方向(図2の左右方向)に沿って離れるに伴い、幅が狭くなる形状とされている。
さらに、チップシュラウド42は、幅が狭くなった部分で隣接する他のチップシュラウド42と当接している。
具体的には、シールフィン43は、チップシュラウド42の外周面から径方向外側に向かって延びるリング板状の部材である。
θa<θb ・・・(1)
θb−θa>5° ・・・(2)
さらに言い換えると、上流側端部42aは、上述の平均傾斜線Gよりも径方向外側に配置され、上流側端部42bはさらに径方向外側に配置されている。
コード長dx2は、動翼41の径方向外側端部における回転軸線Cに沿う方向の長さである。
dx1<0.5×dx2 ・・・(3)
さらには、以下の式(4)の関係を満たしていることが好ましい。
0.3×dx2<dx1<0.5×dx2 ・・・(4)
望ましくは、以下の式(5)の関係を満たしていることがより好ましい。
dx1=0.45×dx2 ・・・(5)
タービン1の主流流路2を流れる高温流体は、図1に示すように、タービン静翼5の間を通過した後、ケーシング3の内周面に沿って下流側のタービン動翼4に向かって流れる。言い換えると、ケーシング3の内周面に係る平均傾斜角θaにしたがって、流路断面積を拡大させつつ下流に向かって流れる。
分割環31からキャビティ部32に流入した高温流体の一部は、図3に示すように、チップシュラウド42の上流側端部42bと、分割環31との隙間からキャビティ部32に流入して循環流れを形成する。一方で、その他の高温流体はチップシュラウド42の内周面に沿って下流に向かって流れる。
そのため、タービン1の運転時に、動翼41に働く遠心荷重の増加を抑制して、タービン動翼4の強度を確保することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図4から図9を参照して説明する。
本実施形態のタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、タービン動翼におけるチップシュラウドの形状が異なっている。よって、本実施形態においては、図4から図9を用いてタービン動翼の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図4は、本実施形態のタービンにおけるタービン動翼の形状を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
チップシュラウド142は、図4および図5に示すように、他の複数のタービン動翼104に設けられたチップシュラウド142とともに、回転軸線Cを中心とする円環状のシュラウドを構成するものである。
その一方で、チップシュラウド142における動翼41から離れた端部では、隣接するチップシュラウド142とともに、滑らかな内周面を形成するように、動翼41の近傍とは逆向きに傾斜している。
さらに、チップシュラウド142は、幅が狭くなった部分で隣接する他のチップシュラウド142と当接している。
このように構成することで、隣接するコンタクトリブ145同士が面接触する。
まず、タービン動翼104における動翼41の背側における高温流体の流れについて説明し、その後に、動翼41の腹側における高温流体の流れについて説明する。
タービン動翼104における動翼41の背側の近傍では、図7に示すように、高温流体が流れる。つまり、チップシュラウド142における動翼41の背側近傍の部分が、腹側近傍の部分と比較して径方向外側、言い換えると、高温流体の流れから離れて配置されているため、分割環31の領域からタービン動翼104の領域に流入した高温流体は、チップシュラウド142と衝突することなく、滑らかに下流に向かって流れる。
タービン動翼104における動翼41の腹側の近傍では、図8に示すように、高温流体が流れる。つまり、チップシュラウド142における動翼41の腹側近傍の部分が、背側近傍の部分と比較して径方向内側、言い換えると高温流体の流れに接近して配置されているため、分割環31の領域からタービン動翼104の領域に流入した高温流体は、キャビティ部32内で強い循環流れ(図9参照。)を形成することなく、滑らかに下流に向かって流れる。
チップシュラウド142における動翼41の腹側近傍の部分が、背側近傍の部分と同様に、径方向外側に配置され、高温流体の流れから離れて配置されていると、図9に示すように、キャビティ部32の内部、言い換えると、分割環31とタービン動翼104との間に強い循環流れSが形成される。この循環流れSにより、高温流体の流れが曲げられタービン動翼104の性能が低下する。
その一方で、チップシュラウド142における動翼41の腹側の近傍は、径方向内側に配置されていても、背側の近傍のように高温流体の流れがチップシュラウド142に衝突することなく、滑らかに下流に向かって流れる。
次に、本発明の第3の実施形態について図10および図11を参照して説明する。
本実施形態のタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、タービン動翼におけるチップシュラウドの形状が異なっている。よって、本実施形態においては、図10および図11を用いてタービン動翼の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図10は、本実施形態のタービンにおけるタービン動翼の形状を説明する模式図である。図11は、図10のチップシュラウドの形状を説明する径方向外側から見た図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
動翼41における背側の面(図10の向かって右側の面)と、チップシュラウド242の内周面とは、背側フィレット243により滑らかにつながれている。一方、動翼41における腹側の面(図10の向かって左側の面)と、チップシュラウド242の内周面とは、腹側フィレット244により滑らかにつながれている。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明をガスタービンのタービン動翼に適用して説明したが、この発明はガスタービンのタービン動翼に限られることなく、蒸気タービンなどの各種タービンのタービン動翼に適用できるものである。
2 主流流路
4,104,204 タービン動翼
5 タービン静翼
32 キャビティ部
41 動翼
42,142,242 チップシュラウド
θa 平均傾斜角
θb 傾斜角
C 回転軸線
Claims (6)
- 下流に向かって径が大きくなる略円筒状ケーシングの主流流路内を回転軸線回りに回転する動翼と、
該動翼に対して前記回転軸線方向に間隔をあけて、前記ケーシングに配置された静翼と、
前記動翼における径方向外側の端部に配置されて円環状のシュラウドの一部を構成するとともに、前記動翼から離れるに伴って前記回転軸線に沿う方向の長さが短くなるチップシュラウドと、
前記ケーシングにおける前記動翼と対向する位置に凹状に形成され、前記チップシュラウドが内部に収納されるキャビティ部と、
が設けられ、
前記チップシュラウドの内周面における前記回転軸線に対する傾斜角θbが、
前記ケーシングの内周面における前記回転軸線に対する傾斜角度であって、前記主流の上流側に配置された前記静翼の後縁から、前記主流の下流側に配置された前記キャビティ部までの平均傾斜角θaよりも大きいことを特徴とするタービン。 - 前記チップシュラウドの内周面に係る傾斜角θbが、前記ケーシングの内周面に係る平均傾斜角θaよりも5°以上大きいことを特徴とする請求項1記載のタービン。
- 前記チップシュラウドにおける前記主流の上流側端部から、前記キャビティ部における上流側端部までの前記回転軸線に沿った方向の距離である間隔dx1と、
前記動翼の径方向外側端部における前記回転軸線に沿った方向の長さであるコード長dx2と、
がdx1<0.5×dx2の関係式を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のタービン。 - ケーシングの主流流路内を回転軸線まわりに回転する動翼と、
前記動翼における径方向外側の端部に配置されて円環状のシュラウドの一部を構成するとともに、前記動翼から離れるに伴って前記回転軸線に沿う方向の長さが短くなるチップシュラウドと、が設けられ、
前記チップシュラウドの内周面における前記動翼の凸側の部分が、前記チップシュラウドの内周面における前記動翼の凹側の部分よりも径方向外側に配置されていることを特徴とするタービン動翼。 - 前記チップシュラウドの前記動翼近傍において、前記チップシュラウドは、前記動翼の凹側から凸側に向かって、径方向外側に延びていることを特徴とする請求項4記載のタービン動翼。
- 前記動翼における凸側の部分と前記チップシュラウドとを繋ぐフィレット形状の曲率が、
前記動翼における凹側の部分と前記チップシュラウドとを繋ぐフィレット形状の曲率よりも小さいことを特徴とする請求項4記載のタービン動翼。
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