JP2012002234A - 軸流タービン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーシング3の主流流路2内を回転軸線C回りに回転する動翼4と、ケーシング3における動翼4と対向する位置に、凹状に形成されたキャビティ部10と、動翼4の端部から、キャビティ部10に向かって径方向外側に延びるシールフィン16と、キャビティ部10の壁面から、キャビティ部10とシールフィン16との間隔を狭める方向に突出する仕切り部13とを備え、シールフィン16は、径方向外側に向かって、回転軸線Cにおける一方の端部または他方の端部に向かって傾斜するリング板状の部材であって、仕切り部13は、キャビティ部10における径方向に延びる側壁面11のうち、シールフィン16とキャビティ部10との間隔が広い領域に対向する部分からシールフィン16に向かって突出している。
【選択図】図1
Description
そのため、このような性能低下を防止するため、バイパス流れの流量を抑制するさまざまな技術、例えば、ケーシングの内周面に凹状に形成されたキャビティ部と、タービン動翼との間に形成されたTipクリアランスにパイパス流れを遮る複数のフィンを設ける技術などが提案されている(例えば、特許文献1から7参照。)。
本発明の軸流タービンは、ケーシングの主流流路内を回転軸線回りに回転する動翼と、前記ケーシングにおける前記動翼と対向する位置に、凹状に形成されたキャビティ部と、前記動翼の端部から、前記キャビティ部に向かって径方向外側に延びるシールフィンと、前記キャビティ部の壁面から、前記キャビティ部と前記シールフィンとの間隔を狭める方向に突出する仕切り部と、が設けられ、前記シールフィンは、径方向外側に向かって、前記回転軸線における一方の端部または他方の端部に向かって傾斜するリング板状の部材であって、前記仕切り部は、前記キャビティ部における径方向に延びる側壁面のうち、前記シールフィンと前記キャビティ部との間隔が広い領域に対向する部分から前記シールフィンに向かって突出していることを特徴とする。
または、キャビティ部から主流流路に流体が流出する場合であって、キャビティ部とシールフィンとの間の空間で渦が発生する場合であっても、仕切り部がキャビティ部から突出しているため、流体の渦状の流れは仕切り部により遮られる。
そのため、動翼を迂回して流れるバイパス流れ、言い換えると、主流流路からキャビティ部に流入し、動翼に設けられたシールフィンとキャビティ部との間のTipクリアランスを流れるバイパス流れの乱れを抑制することができ、軸流タービンの性能低下を防止することができる。
または、キャビティ部から主流流路に流体が流出する場合であって、キャビティ部とシールフィンとの間の空間で渦が発生する場合であっても、仕切り部がキャビティ部から突出しているため、流体の渦状の流れは仕切り部により遮られる。
そのため、動翼を迂回して流れるバイパス流れ、言い換えると、主流流路からキャビティ部に流入し、動翼に設けられたシールフィンとキャビティ部との間のTipクリアランスを流れるバイパス流れの乱れを抑制することができ、軸流タービンの性能低下を防止することができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る軸流タービンついて図1から図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る軸流タービンの構成を説明する部分断面図である。
軸流タービン1には、図1に示すように、内部に燃焼ガスなどの高温流体が流れる主流流路2が形成されるケーシング3と、回転軸(図示せず)とともに回転軸線C回りに回転可能に配置された動翼4と、ケーシング3に取り付けられた静翼5と、が設けられている。
ケーシング3における動翼4および静翼5が配置された領域は、図1に示すように、内周面が、上流側から下流側に向かって(図1の左側から右側に向かって)、回転軸線Cを中心とする径方向外側に向かって傾斜して形成されている。
キャビティ部10に隣接するケーシング3の内周面には、静翼5がキャビティ部10に沿って、略等間隔に並ぶとともに、径方向内側に向かって延びて配置されている。
本実施形態では、周状の面の数およびシールフィン16の数がともに3つの例に適用して説明するが、この例に限定されるものではない。
仕切り板13は、図1に示すように、上流側の側壁面11から動翼4に向かって、回転軸線C方向に沿って延びる略円筒状の板部材である。より具体的には、仕切り板13は、側壁面11におけるシールフィン16の根元、言い換えると、シールフィン16とシュラウド15との接合部と対向する領域の近傍から、シールフィン16に向かって延びるように設けられている。
シュラウド15は、動翼4の翼端に設けられた周方向に延びる部材である。なお、シュラウド15の形状としては、公知の形状を用いることができ、特に限定するものではない。
シールフィン16は、シュラウド15の外周面から周壁面12に向かって延びるリング板状の部材であって、複数のシールフィン16が回転軸線C方向に沿って間隔を開けて配置されている。より詳細には、シールフィン16は、シュラウド15の外周面から径方向外側に向かって、上流側(図1の左側)に傾斜する傾斜面を有する部材である。シールフィン16の傾斜角としては、主流流路2を流れる流体流れに対して、シールフィン16の面が略直交するする傾斜角を例示することができる。
軸流タービン1の主流流路2を流れる流体は、図1に示すように、静翼5および動翼4の間を流れ、動翼4を回転軸線C回りに回転駆動させながら、上流側から下流側に向かって流れる。
このとき、主流流路2を流れる流体の一部は、動翼4を迂回して、ケーシング3と動翼4との間を流れるバイパス流れとなる。
そのため、動翼4を迂回して流れるバイパス流れ、言い換えると、主流流路2からキャビティ部10に流入し、動翼4に設けられたシールフィン16とキャビティ部10との間のTipクリアランスを流れるバイパス流れの乱れを抑制することができ、軸流タービン1の性能低下を防止することができる。
例えば、重量の増加を防止する効果は、軸流タービン1を航空分野に用いた場合に好適な効果である。一方、製造コスト増加を防止する効果は、軸流タービン1を産業分野に用いた場合に好適な効果である。
なお、上述の実施形態のように、仕切り板13を上流側の側壁面11に設けてもよいし、図2に示すように、下流側の側壁面11に設けてもよいし、上流側および下流側の側壁面11の両者に仕切り板13を設けてもよく、特に限定するものではない。
なお、上述の実施形態のように、ケーシング3の内周面が上流側から下流側に向かって、径方向外側に向かって傾斜して傾斜していてもよいし、図3から図5に示すように、回転軸線Cと略平行に延びる円筒面として形成されていてもよく、特に限定するものではない。
次に、本発明の第1の実施形態の変形例について図6および図7を参照して説明する。
本変形例の軸流タービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、キャビティ部の周辺構成が異なっている。よって、本変形例においては、図6および図7を用いてキャビティ部の周辺構成のみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
図6は、本変形例の実施形態に係る軸流タービンの構成を説明する部分断面図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
キャビティ部110には、一対の側壁面11と、周壁面12と、側壁面11に設けられた段差状の仕切り部(段差部)113と、が設けられている。
なお、仕切り部113の形成方法としては、仕切り部113を残すように側壁面11を切削して形成する方法や、第1の実施形態の仕切り板13の径方向内側に、溶接などの方法で肉盛して仕切り部113の形状を形成する方法などを挙げることができる。
なお、上述の実施形態のように、仕切り部113を上流側の側壁面11に設けてもよいし、図7に示すように、下流側の側壁面11に設けてもよいし、上流側および下流側の側壁面11の両者に仕切り部113を設けてもよく、特に限定するものではない。
次に、本発明の第2の実施形態について図8および図9を参照して説明する。
本実施形態の軸流タービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、キャビティ部の周辺構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図8および図9を用いてキャビティ部の周辺構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る軸流タービンの構成を説明する部分断面図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
キャビティ部210には、一対の側壁面11と、周壁面12と、側壁面11に設けられた段差状の仕切り板(仕切り部)213と、が設けられている。
仕切り板213はキャビティ部210内に収まるように、つまり、仕切り板213の先端言い換えると内周側の端部は、キャビティ部210内に収まるように構成されている。
なお、主流流路2における流体の流れについては、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略し、ここではバイパス流れについて説明する。
なお、上述の実施形態のように、仕切り板213を上流側の側壁面11に設けてもよいし、図9に示すように、下流側の周壁面12に設けてもよいし、上流側の側壁面11および下流側の周壁面12の両者に仕切り板213を設けてもよく、特に限定するものではない。
次に、本発明の第2の実施形態の変形例について図10および図11を参照して説明する。
本変形例の軸流タービンの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、キャビティ部の周辺構成が異なっている。よって、本変形例においては、図10および図11を用いてキャビティ部の周辺構成のみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
図10は、本変形例の実施形態に係る軸流タービンの構成を説明する部分断面図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
キャビティ部310には、一対の側壁面11と、周壁面12と、側壁面11に設けられた段差状の仕切り部(段差部)313と、が設けられている。
なお、上述の実施形態のように、仕切り部313を上流側の側壁面11に設けてもよいし、図11に示すように、下流側の周壁面12に設けてもよいし、上流側の側壁面11および下流側の周壁面12の両者に仕切り部313を設けてもよく、特に限定するものではない。
2 主流流路
3 ケーシング
4 動翼
10,110,210,310 キャビティ部
11 側壁面
12 周壁面
13,213 仕切り板(仕切り部)
16 シールフィン
113,313 仕切り部(段差部)
C 回転軸線
Claims (4)
- ケーシングの主流流路内を回転軸線回りに回転する動翼と、
前記ケーシングにおける前記動翼と対向する位置に、凹状に形成されたキャビティ部と、
前記動翼の端部から、前記キャビティ部に向かって径方向外側に延びるシールフィンと、
前記キャビティ部の壁面から、前記キャビティ部と前記シールフィンとの間隔を狭める方向に突出する仕切り部と、
が設けられ、
前記シールフィンは、径方向外側に向かって、前記回転軸線における一方の端部または他方の端部に向かって傾斜するリング板状の部材であって、
前記仕切り部は、前記キャビティ部における径方向に延びる側壁面のうち、前記シールフィンと前記キャビティ部との間隔が広い領域に対向する部分から前記シールフィンに向かって突出していることを特徴とする軸流タービン。 - ケーシングの主流流路内を回転軸線回りに回転する動翼と、
前記ケーシングにおける前記動翼と対向する位置に、凹状に形成されたキャビティ部と、
前記動翼の端部から、前記キャビティ部に向かって径方向外側に延びるシールフィンと、
前記キャビティ部の壁面から、前記キャビティ部と前記シールフィンとの間隔を狭める方向に突出する仕切り部と、
が設けられ、
前記シールフィンは、径方向外側に向かって、前記回転軸線における一方の端部または他方の端部に向かって傾斜するリング板状の部材であって、
前記仕切り部は、前記キャビティ部における径方向に延びる側壁面のうち、前記シールフィンと前記キャビティ部との間隔が広い領域と対向する部分から、前記シールフィンが延びる方向に略沿って延びていることを特徴とする軸流タービン。 - 前記仕切り部は、前記キャビティ部の内壁から突出して延びる板状の部材であることを特徴とする請求項1または2に記載の軸流タービン。
- 前記仕切り部は、前記キャビティ部の内壁から突出する段差部であることを特徴とする請求項1または2に記載の軸流タービン。
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