JP2012132104A - 印刷用塗工紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量であるにもかかわらず強度があり、印刷適性に優れた、ブレード塗工方式により塗料を塗工されて製造される微塗工印刷用紙を提供することである。
【解決手段】原紙に顔料および接着剤を主成分とする塗料を塗工してなる微塗工印刷用紙において、全パルプ中、針葉樹クラフトパルプを20〜50質量%含有する原紙に、ブレードコーターによって塗料を片面5〜8g/m塗工されており、引張り強さ(縦)2.2kN/m以上、伸び(縦)1.5%以上とされた、白色度75%以上、不透明度80%以上、白紙光沢度25〜35%であることを特徴とする坪量40〜50g/mの微塗工印刷用紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、低坪量で、白色度、不透明度、白紙光沢度が高く、良好な印刷適性を備えた印刷用塗工紙及びその製造方法に関するものである。
紙は、新聞、書籍、雑誌、ポスター、カレンダー、パンフレット、包装紙等、ほとんどの場合印刷を施されて使用されており、印刷用紙の種類および特性は、印刷方式や用途によって様々である。一例を挙げると、オフセット印刷方式は、版面に親油性の画線部(印刷しようとする部分)と親水性の非画線部とを作り、湿し水と呼ばれる水を薄く塗り、次にインキを塗ると水をはじいた画線部にだけインキが付着するので、これをブランケットに転写し、さらにこのブランケットから紙にインキを転移させる方式である。湿し水を使用するため、水に濡れたときブランケットに付着して紙粉としてとられないように、用紙には表面強度が重視される。また、グラビア印刷方式は、版上の凹部にインキを盛り紙に転写する方式であるため、版と紙とが均一に接し網点の抜け(スペックル)が起こらないように、表面に微小な凹凸がなく平滑性が高いことが要求される。
量販店のチラシに使用される塗工紙は、通常、坪量49.0〜54.2g/mの微塗工印刷用紙が多く、顔料と接着剤を含む塗料を塗工して、インキ着肉性を向上させたもので、一般の塗工紙より少ない塗工量でチラシに必要な、カラー印刷に対応できる印刷適性が付与されている。このチラシに使用される印刷用紙はオフセット輪転印刷機により印刷される。
昨今、低コスト化の動きが顕著になっており、用紙の低坪量化や、上質紙から中質紙や下級紙へ、あるいは、塗工紙から非塗工紙へ用紙をグレードダウンする動きがある。チラシ用途に使用される微塗工印刷用紙においても、低坪量化が進んでいる。
塗工紙の製造における塗料の塗工方法としては、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等が用いられる。
このうち、微塗工印刷用紙の製造では、ブレードコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが用いられるのが普通である。ブレードコーターは、サイズプレスコーターやゲートロールコーターなどのロール転写方式とは異なり、ブレードを用いて原紙から塗料を直接掻き落とすので、原紙の坪量が低くなると、強度が低くなり、ブレードタッチ圧の影響でコーターでの断紙の危険性が高まって生産性の悪化に繋がる。
塗工紙の坪量が決まっている場合は、このようなコーターでの断紙を防ぐには、塗工量をなるべく少なくして、その分原紙の坪量を高くして、紙の強度を高くするという方法がある。しかし、このようにすると、塗工量が少ないほど塗料による原紙の被覆が不十分となるため、印刷適性にかかわる白紙光沢度などの品質が損なわれてしまう。
低坪量の塗工紙の白色度、不透明度、印刷適性向上を課題とした特許文献として、以下のような出願がある。
顔料粒子の粒径分布が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる、坪量50g/m以下、引張こわさがLorentzen製引張試験機を用いて200kN/m以上400kN/m以下である印刷用塗工紙。実用的な不透明度、相対的に良好なインク着肉性および印刷光沢度が高く、特にオフセット輪転印刷時の断紙が発生しない。(特許文献1)
坪量35〜50g/m、平均繊維長1.0〜1.5mmに分級選別されたパルプを用い、離解パルプのろ水度が250〜500mlである。塗工紙でありながら、非塗工紙のように手肉感や印刷作業性に優れる。(特許文献2)
平均粒子径0.9〜3.0μmのカオリンを顔料中50〜100質量%含有。スムースター平滑度が6.0kPa以下、光沢度が45%以上。白紙光沢、印刷光沢に優れ、高温ソフトカレンダー処理時に微小な光沢ムラが少ない。(特許文献3)
接着剤を工夫したものとして、接着剤を顔料100重量部に対して30重量部以上60重量部以下の澱粉を有する塗工層をブレードコーターで設ける。低坪量においても、印刷・製本作業適性を得ることができ、実用に適した剛度、インキ着肉性が得られ、裏抜けの問題が無い。(特許文献4)
しかし、これらの技術によってもいまだ満足な微塗工印刷用紙が得られていない。特に低坪量の塗工紙は、原紙の強度を高くすることに加え、少ない塗工量で印刷適性を確保する必要がある。
最近は、フリーペーパーやフリーマガジンと呼ばれる、広告収入を元に、対象読者を性別や年齢層に応じて特定した無料の情報誌や各種広告の発行部数が増えており、このような用紙にも微塗工印刷用紙が用いられており、軽量で印刷適性の良好な微塗工印刷用紙の要望は、今後ますます高まっていくと予想される。
特開2004−3083号公報 特開2007−119962号公報 特開2009−203571号公報 特開2004−124289号公報
本発明の課題は、軽量であるにもかかわらず強度があり、印刷適性に優れた、ブレード塗工方式により塗料を塗工されて製造される微塗工印刷用紙を提供することである。
本発明者は、ブレード塗工方式により塗料を塗工されて製造される微塗工印刷用紙について、紙質と印刷適性の関係について検討した結果、微塗工印刷用紙の白色度、不透明度、白紙光沢度、NBKPの含有率、坪量、引張り強さ、伸び、ブレード塗工における諸条件を特定することにより、上記課題を解決できることを見出した。
請求項1に係る発明は、
原紙に顔料および接着剤を主成分とする塗料を塗工してなる微塗工印刷用紙において、全パルプ中、針葉樹クラフトパルプを20〜50質量%含有する原紙に、ブレードコーターによって塗料を片面5〜8g/m塗工されており、引張り強さ(縦)2.2kN/m以上、伸び(縦)1.5%以上とされた、白色度75%以上、不透明度80%以上、白紙光沢度25〜35%であることを特徴とする坪量40〜50g/mの微塗工印刷用紙。
である。
請求項2に係る発明は、
原紙に顔料および接着剤を主成分とする塗料を塗工してなる微塗工印刷用紙の製造方法において、全パルプ中、針葉樹クラフトパルプを20〜50質量%含有し、カチオン化澱粉が0.2〜1.0質量%内添された原紙に、ブレードコーターによって、塗工液の濃度61〜64%、塗工液の粘度1000〜2000cps、ブレード角30〜45度にて、塗料を片面5〜8g/m塗工し、引張り強さ(縦)2.2kN/m以上、伸び(縦)1.5%以上、白色度75%以上、不透明度80%以上、白紙光沢度25〜35%に調整することを特徴とする坪量40〜50g/mの微塗工印刷用紙の製造方法。
である。
本発明の微塗工印刷用紙及びその製造方法によれば、低坪量で、強度が高く、白紙光沢などの印刷適性に優れた、ブレード塗工により製造される微塗工印刷用紙を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の微塗工印刷用紙の製造には、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、リールパートの各工程からなる抄紙機を用いる。抄紙機の型式は特に限定はなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等を適宜使用できるが、オントップ型やギャップフォーマ型のツインワイヤー抄紙機が望ましく、特に両面から脱水するギャップフォーマー型抄紙機が望ましい。
本発明の微塗工印刷用紙には、原料パルプとして、クラフトパルプ、古紙パルプ、機械パルプ等が使用できる。クラフトパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等が使用できる。また、古紙パルプとしては、新聞古紙脱墨パルプ、上質古紙脱墨パルプ等の古紙脱墨パルプ(DIP)が使用できる。機械パルプとしては、ストーングラウンドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等を使用することができる。
本発明の微塗工印刷用紙は、全パルプ中NBKPを20〜50質量%含有している。
このようにすることで、低坪量でも原紙に強度を持たせることができるので、コーターでの断紙や印刷機での断紙の可能性を低減することができる。50質量%を超えると、地合いムラおよび塗工ムラができやすく、白紙光沢度が不足したり、光沢ムラが発生する。
NBKPの含有率は、JISP8120:1998 紙、板紙及びパルプ繊維組成試験方法により、紙を離解して求めることができる。
配合するNBKPのカナダ標準ろ水度(CSF)は400〜600mlに調整されていることが好ましい。ろ水度が400mlより低いと、引裂き強さの不足によりコーターでの断紙が起こりやすく、600mlより高いと、地合いムラによる塗工ムラができやすく、白紙光沢度が不足して印刷適性が悪くなる。
本発明の微塗工印刷用紙は、資源の有効利用のため古紙パルプを使用するのが望ましく、その配合率は高いほうが良いが、古紙パルプは、晒クラフトパルプより白色度や強度が低いので、10〜50質量%とするのが望ましい。
本発明の微塗工印刷用紙には、インキ発色性、インキ着肉性、不透明度、白色度向上を目的に填料を添加してもよい。填料の種類は特に限定されず、一般に微塗工印刷用紙に使用されている填料を使用することができる。具体的には、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、クレー、ホワイトカーボン、シリカ等の無機填料やプラスチックピグメント等を使用することができる。なかでも、白色度が高く、入手の容易な、炭酸カルシウムを使用するのが好ましい。填料の添加量は特に制限は無いが、填料の添加量が過剰になると紙の強度を低下させるので、引張り強さを加味して添加量を決めるのが望ましい。
本発明の微塗工印刷用紙では、原料パルプに硫酸バンド、サイズ剤、嵩向上剤、紙力増強剤等を添加することができる。サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸等のサイズ剤が使用できる。
紙力増強剤としては、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド系樹脂等が使用できるが、本発明の微塗工印刷用紙は、引張り強さ(縦)2.2kN/m以上、伸び(縦)1.5%以上とされている。引張り強さ(縦)が2.2kN/mに満たないと印刷時に断紙しやすく、伸び(縦)が1.5%に満たなくても印刷時に断紙しやすい。
本発明の微塗工印刷用紙では、原紙にカチオン化澱粉を添加するのが好ましい。添加率としては原料パルプに0.2〜1.0%添加するのが好ましい。
カチオン化澱粉を添加することにより、引張り強さ、伸びが向上し、コーターでの断紙や印刷機での断紙を防止することができる。カチオン化澱粉の添加量が0.2%より少ないと添加の効果が低く、1.0%より多いと効果が頭打ちとなるほか、地合いが悪くなったり、抄紙機のフェルト汚れによる搾水不良のトラブルを起こすことがある。
使用するカチオン化澱粉の置換度は、0.02〜0.05であることが紙力向上に有利であり、好ましい。置換度は澱粉分子のグルコース単位の数に対してエーテル結合によって置換されたヒドロキシル基の数の割合によって定義される。
使用するカチオン化澱粉は、アミロース含有量が20%以下の澱粉から製造されたカチオン化澱粉であることが耐老化性に優れるので好ましい。
このようにすることで印刷機での断紙を防止することができる。
その他、必要に応じ、湿潤紙力増強剤、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤、染料等の添加剤も使用することができる。
本発明の微塗工印刷用紙は原紙の両面に、顔料と接着剤を主成分とする塗料を塗工する。使用する顔料に特に限定は無いが、塗工紙用に従来から用いられている、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料等を必要に応じて1種類以上混合して使用することができる。
本発明では塗料に前記顔料とともに、接着剤を、顔料の接着能を向上させパイリングなどの表面強度に纏わるトラブルを回避するために配合する。
使用する接着剤は、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用することができる。
本発明の微塗工印刷用紙は、原紙の両面に、ブレード塗工方式による塗料を塗工する。ブレード塗工方式は、ブレードで塗料を掻き落とすので、塗料を均一な厚みで塗工することが可能であり、印刷適性が良く、塗工量の調整範囲が広いことでも有利であるが、操業性の点では、微塗工印刷用紙のような低い坪量で塗工量の少ない塗工紙を製造する場合は紙切れを起こしにくいロールコ−ターやバーコーターやエアーナイフコーターを用いるのが有利である。
しかし、現状設備としてオンマシンのブレードコーターを設置している抄紙機では、新たにロールコーターなどを設置するのは、スペースや費用の問題で難しい。本発明はブレードコーターを用いて塗料を塗工する微塗工印刷用紙に関するものである。
本発明の微塗工印刷用紙では、塗料の塗工量は片面あたり5〜8g/mであることが好ましい。塗料の塗工量が片面あたり8g/mより多いと、塗工紙の坪量が決まっているので、原紙の坪量を低くする必要があり、原紙や塗料に小さな異物が混入しても断紙のトラブルになりやすく、コーターでの塗工安定性(連続操業性)が悪くなる。
塗料の塗工量が片面あたり5g/mより少ないと、塗料による原紙の被覆が不十分となるため、白紙光沢度の不足や光沢ムラにより印刷適性が悪くなる。塗工の際の塗料の濃度は61〜64%、塗料の粘度(B型粘度計、35℃、60rpm)は1000〜2000cpsが好ましい。この範囲の塗料をブレードコーターで塗工すれば、コーターでの塗工安定性が良く、塗料を均一に原紙へ塗工することができる。
前記塗料を塗工する際のブレード角(ブレード先端面と紙面の角度)は30度〜45度が望ましく、35〜45度がさらに望ましい。ブレード角が小さ過ぎると、塗工量を少なくするのが難しく、ブレード角が大き過ぎると、異物がブレードに引掛かりやすく、ストリークや断紙の原因となる。
塗料を塗工後の湿潤塗工層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥などの各種方式が採用できる。
本発明の塗工印刷用紙の製造に際しては、ドライヤーで乾燥後に、カレンダー装置により平滑化処理する。カレンダー装置としては、チルドカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等の一般に使用されているカレンダー装置が使用できる。要求される平滑度に応じて、ニップ数やニップ圧、ロール温度、ロール材質、ロール硬度等を設定するが、チラシに適した印刷適性を得るには、微塗工印刷用紙の白紙光沢度で25〜35%となるようにすることが望ましい。
本発明の塗工印刷用紙は、坪量(JISP8124)が40〜50g/mとされている。坪量が40g/mより小さいとブレードコ−ターでの塗工は難しい。坪量は大きいほど剛度には有利であるが、省資源という点から50g/m以下が好ましい。このようにして得られる微塗工印刷用紙は、白色度(JISP8148)75%以上、不透明度(JISP8149)80%以上とされる。白色度が75%より低いと印刷の見映えの点で劣り、不透明度が80%より低いと裏抜けが目立つ。
コーターで塗料を塗工する際の原紙の水分は、4〜7%が望ましい。4%より低いとコーターで紙が裂けやすくなり、7%より高いと塗工後に水分ムラが生じやすく、しわ入りや印刷時のばたつきの原因となる。
塗料を塗工する前工程でカレンダーにて平滑化処理を行うこともできる。この場合、平滑度が高過ぎると、紙の密度が高くなるため、塗料の浸透が悪く、塗工量が不均一になり、プロファイル悪化してしわ入りや印刷時のばたつきの原因となる。平滑度が低過ぎると塗工ムラが発生しやすくなる。平滑度は15〜80秒が望ましい。
以上のようにして、本発明の微塗工印刷用紙が得られる。
以下、実施例及び比較例により、本発明の効果を具体的に表す。なお、%は特に断りのない限り質量%を表し、添加量は絶乾パルプに対する固形分または有効成分で表す。
(実施例1)
NBKP35質量部(510mlCSF)、LBKP20質量部(220mlCSF)、サーモメカニカルパルプ15質量部(65mlCSF)、上質古紙脱墨パルプ30質量部(160mlCSF)からなるパルプ分散液に、硫酸バンド1.6%(有姿)、カチオン化澱粉(ジー・エス・エル・ジャパン株式会社製 商品名:ジェルトロン24、置換度0.029〜0.033、アミロース含有量17%)0.4%を添加して抄紙した。
次に、ショートドゥエルタイプのブレードコーターを用いて、顔料と接着剤を含む塗料を下記のように原紙の両面に塗工した。
重質炭酸カルシウム(製品名 ハイドロカーブ90HS備北粉化工業株式会社製)50質量部、2級カオリン(製品名 KCS、株式会社イメリスミネラルズ・ジャパン製)15質量部、微粒カオリン(製品名 カオファイン 白石カルシウム株式会社製)35質量部
SBRラテックス(製品名 スマーテックスPA8008 日本エイアンドエル株式会社製)7質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(製品名 スターコート16 日本食品化工株式会社製)4.5質量部
分散剤(製品名 アロンT50 東亞合成株式会社製)15質量部(対カオリン)
蛍光染料(製品名 カヤホールSTCL 日本化薬株式会社製)0.4質量部
塗料濃度62%、塗料粘度1250cps、塗工量 片面当たり7.5g/m、ブレード角度35度
塗工後に乾燥し、ソフトカレンダー3ニップ処理(線圧160kN/m 温度160℃、線圧170kN/m 温度180℃、線圧170kN/m 温度195℃)を行い、坪量49.0g/m、水分5.5%の微塗工印刷用紙を得た。
得られた微塗工印刷用紙の評価結果を表1、表2に示す。
(実施例2)
NBKPの配合率を20質量部、LBKPの配合率を35質量部としたことと、カチオン化澱粉の添加量を1.0%としたこと以外は実施例1と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(実施例3)
NBKPの配合率を50質量部、LBKPの配合率を5質量部としたことと、カチオン化澱粉の添加量を0.2%としたことと、塗料の塗工量を8.0g/mとしたこと以外は実施例1と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(実施例4)
塗料の塗工量を5.2g/mとしたことと、ブレード角度を40度としたこと以外は実施例1と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(実施例5)
塗料の塗工量を6.0g/mとし、坪量を46.0g/mとしたこと以外は実施例4と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(実施例6)
NBKPの配合率を45質量部、LBKPの配合率を10質量部としたことと、塗料の塗工量を5.0g/mとし坪量を43.0g/mとしたこと以外は実施例4と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例1)
カチオン化澱粉を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例2)
NBKPの配合率を10質量部、LBKPの配合率を45質量部としたことと、カチオン化澱粉の添加量を0.1%としたこと以外は実施例1と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例3)
NBKPの配合率を55質量部、LBKPの配合率を0質量部としたことと、カチオン化澱粉を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例4)
カチオン化澱粉の添加量を1.2%としたこと以外は実施例2と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例5)
塗料の塗工量を4.6g/mとしたことと、ブレード角度を45度としたこと以外は比較例1と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例6)
塗料の塗工量を9.0g/mとしたこと以外は比較例1と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例7)
NBKPの配合率を45質量部、LBKPの配合率を10質量部、塗料の塗工量を6.0g/mとし、坪量を43.0g/mとしたこと以外は実施例4と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例8)
塗料濃度を60%とした以外は比較例2と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例9)
塗料濃度を65%とした以外は比較例2と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例10)
塗料の塗工量を8.5g/mとしたことと、ブレード角度を30度としたこと以外は比較例2と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例11)
塗料の塗工量を6.5g/mとしたことと、ブレード角度を45度としたこと以外は比較例2と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例12)
塗料に含まれる尿素燐酸エステル化澱粉を6.0質量部としたこと以外は比較例9と同様に微塗工印刷用紙を得た。
実施例と比較例で得た微塗工印刷用紙の評価結果を表1、表2に示す。
なお、試験方法と評価方法は次のとおりである。
(坪量)JISP8124:1998紙及び板紙−坪量測定方法
(塗工液粘度)B型粘度計(35℃、60rpm)による測定値
(白色度)JISP8148:2001紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法
(不透明度)JISP8149:2000紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照射法
(白紙光沢度)JISP8142:2005紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法
(引張り強さ、引張破断伸び)JISP8113:2006紙及び板紙−引張特性の試験方法
(コーター操業性評価)ブレードコーターでの連続操業性を次のとおり評価した。
◎:断紙の発生はなかった。×:断紙が発生した。
(印刷評価)オフセット輪転印刷機を用い、印刷速度700rpm、紙面温度120℃で4色印刷(オフ輪用プロセスインキ 墨・紅・藍・黄)を行い、各試料の印面と印刷作業性を
次の基準で相対評価した。
(印面評価)◎:優れる、○:良い、×:印面にムラがみられた。
(印刷作業性評価)◎:問題なく印刷できた。×:断紙が発生した。
Figure 2012132104
Figure 2012132104
表1、表2に示したように、本発明の実施例1〜6では、いずれも、コーター操業性評価、印面評価、印刷作業性評価ともに良好であることがわかる。
比較例1は、カチオン化澱粉の添加がなく、引張り強さ縦が2.18kN/mと低く、伸びが1.3%と低いので、印刷作業性評価が悪くなっている。
比較例2は、NBKP配合率が10質量%と少ないことに加え、カチオン化澱粉の添加量が0.1質量%と少ないため、引張り強さ縦が2.19kN/mと低く、伸びが1.4%と低いので、印刷作業性評価が悪くなっている。
比較例3は、NBKP配合率が55質量%と多いので、地合いムラによる塗工ムラができ、印面評価が悪くなっている。
比較例4は、カチオン化澱粉の添加量が1.2質量%と多いため、印刷作業性評価は良いが、地合いが悪いため塗工ムラができて印面評価が悪くなっている。
比較例5は、塗工量が4.6g/mと少ないので、原紙の坪量が高くなり、引張り強さ縦が2.53kN/m、伸びが1.5%と高いため、印刷作業性評価は良いが、印面評価が悪くなっている。
比較例6は、塗工量が9.0g/mと多いので、原紙の坪量が低くなり、引張り強さ縦が2.06kN/mと低く、伸びが1.3%と低いので、印刷作業性評価が悪くなっている。
比較例7は、原紙の坪量が低く、引張り強さ縦が2.12kN/mと低く、伸びが1.3%と低いので、印刷作業性評価が悪くなっている。
比較例8は、引張り強さ縦が低く、印刷作業性評価が悪いことに加え、塗料濃度が60%と低く、塗料粘度が700cpsと低いので印面評価が悪くなっている。
比較例9は、引張り強さ縦が低く、印刷作業性評価が悪いことに加え、塗料濃度が65%と高いので、コーター作業性と印面評価が悪くなっている。
比較例10は、NBKP配合率が10質量%と少ないこととカチオン化澱粉の添加量が0.1質量%と少ないことに加え、ブレード角が30度と小さいので塗工量が8.5g/mと多いため、引張り強さ縦が1.92kN/mと低く、伸びも1.3%と低いので、コーター操業性評価と印刷作業性評価が悪くなっている。
比較例11は、ブレード角が45度と高いので、コーターでストリークと断紙が発生しコーター操業性評価が悪くなっている。
比較例12は、塗料粘度が65%と高く、塗料粘度が2100cpsと高いので、コーターで断紙が多発し、印面評価と印刷作業性評価はできなかった。。
本発明のオフセット印刷用紙は、チラシ用途に好適に使用されるほか、フリーペーパーやフリーマガジンの用紙として使用できる。

Claims (2)

  1. 原紙に顔料および接着剤を主成分とする塗料を塗工してなる微塗工印刷用紙において、全パルプ中、針葉樹クラフトパルプを20〜50質量%含有する原紙に、ブレードコーターによって塗料を片面5〜8g/m塗工されており、引張り強さ(縦)2.2kN/m以上、伸び(縦)1.5%以上とされた、白色度75%以上、不透明度80%以上、白紙光沢度25〜35%であることを特徴とする坪量40〜50g/mの微塗工印刷用紙。
  2. 原紙に顔料および接着剤を主成分とする塗料を塗工してなる微塗工印刷用紙の製造方法において、全パルプ中、針葉樹クラフトパルプを20〜50質量%含有し、カチオン化澱粉が0.2〜1.0質量%内添された原紙に、ブレードコーターによって、塗工液の濃度61〜64%、塗工液の粘度1000〜2000cps、ブレード角30〜45度にて、塗料を片面5〜8g/m塗工し、引張り強さ(縦)2.2kN/m以上、伸び(縦)1.5%以上、白色度75%以上、不透明度80%以上、白紙光沢度25〜35%に調整することを特徴とする坪量40〜50g/mの微塗工印刷用紙の製造方法。
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