JP2012131621A - シート折り増し装置、シート処理装置及び画像形成装置 - Google Patents

シート折り増し装置、シート処理装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性の低下を招くことなく、シートにシワを発生させずに折り増し処理を行うことができるシート折り増し装置を提供する。
【解決手段】本発明は、折り処理を施されたシートPの折り目を強化する折り増し手段191を備えるシート折り増し装置におけるものである。本折り増し装置は、折り増し手段191にシートPを供給する際に、シートPをシート搬送方向Cに湾曲させる湾曲手段181を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、折り処理を施されたシートの折り目を強化するシート折り増し装置、このシート折り増し装置を備えたシート処理装置及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置において、画像が形成された用紙等のシートに対して、Z折り、二つ折り、内三つ折り、外三つ折り、単純四つ折り、観音四つ折り等の折り処理を行うことの可能なシート折り装置を備えたものが提供されている。また、このようなシート折り装置として、折り手段によって折られたシートの折り目を強化する折り増し装置を備えたものが知られている。
折り増し装置によってシートの折り目を強化する際、シートに対して加圧力が付与されるが、このときシートに撓みが生じていると、撓みが加圧力によって潰されてシワとなり、折り処理されたシートの品質が低下するといった問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に記載のシート折り装置では、折り処理が施されたシート又はシート束を一旦停止させ、その折り目に沿って折り増しローラが加圧しつつ移動するようにしている。これにより、シート又はシート束に不要な撓みが生じることがなく、シワの発生を防止し得る。
しかしながら、特許文献1に記載のシート折り装置は、シート又はシート束を一旦停止して折り増し処理をするため、生産性が低下する問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑み、生産性の低下を招くことなく、シートにシワを発生させずに折り増し処理を行うことができるシート折り増し装置、そのシート折り増し装置を備えたシート処理装置及び画像形成装置を提供しようとするものである。
請求項1の発明は、折り処理を施されたシートの折り目を強化する折り増し手段を備えるシート折り増し装置において、前記折り増し手段にシートを供給する際に、シートをシート搬送方向に湾曲させる湾曲手段を備えたものである。
湾曲手段によってシートをシート搬送方向に湾曲させることにより、シート搬送方向に直交する幅方向に対するシートのコシが強くなるので、幅方向の座屈に対する抵抗力が大きくなる。これにより、シワの原因となるシートの幅方向の撓みの発生を防止することができる。このように、シートをシート搬送方向に湾曲させることにより、シートを幅方向の撓みのない状態で折り増し手段に供給することができるので、シワの発生を防止することが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1に記載のシート折り増し装置において、前記湾曲手段を、シートの搬送方向に湾曲した湾曲面を有し、互いに対向して配設された案内部材によって構成し、前記対向する案内部材間をシートが通過するように構成したものである。
シートの搬送方向に湾曲した湾曲面を有する案内部材間をシートが通過することにより、当該シートをシート搬送方向に湾曲させることができる。これにより、シートを幅方向の撓みのない状態で折り増し手段に供給することができ、シワの発生を防止することができる。
請求項3の発明は、請求項2に記載のシート折り増し装置において、前記湾曲面を、前記折り増し手段によって折り目を強化処理する位置から、シート搬送方向上流側に、折り処理されたシートの搬送方向長さ以下の位置に配設したものである。
このような位置に湾曲面を配設することにより、シートが折り増し手段に供給される際に、当該シートが湾曲面間に存在することになるので、シートを湾曲させた状態で折り増し手段に供給することができる。
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のシート折り増し装置において、前記湾曲面の曲率を、折り処理されたシートの搬送方向長さを周長とする円の半径以下となるようにした請求項2又は3に記載のシート折り増し装置。
このような値に湾曲面の曲率を設定することにより、湾曲面間を通過するシートにシート搬送方向の湾曲を与えてシートの幅方向の撓みが生じないようにすることができる。
請求項5の発明は、請求項2から4のいずれか1項に記載のシート折り増し装置において、前記湾曲面を、シート搬送方向と直交するシート幅の全域又はその一部に対応して配設したものである。
湾曲面を、シート搬送方向と直交するシート幅の全域又はその一部に対応して配設することにより、シートのサイズ、性質、折り処理の種類などに応じてシワ発生防止機能を最適化することが可能である。
請求項6の発明は、請求項2から5のいずれか1項に記載のシート折り増し装置において、前記湾曲面が、円弧状に湾曲した部分をシート搬送方向に複数有するように形成したものである。
これにより、シートが湾曲面間を通過する際の当該シートの湾曲箇所が増え、幅方向に対するシートのコシが一層強くなる。その結果、シートの幅方向の座屈に対する抵抗力が増すので、シート幅方向の撓みが一層生じにくくなり、折り増し処理時におけるシワの発生をより確実に防止できるようになる。
請求項7の発明は、請求項2から6のいずれか1項に記載のシート折り増し装置において、前記湾曲面を有する前記案内部材をシート搬送方向に複数配設したものである。
この場合も、シートが湾曲面間を通過する際の当該シートの湾曲箇所が増えるので、幅方向に対するシートのコシが一層強くなる。従って、上記と同様に、シートの幅方向の座屈に対する抵抗力が増すので、シート幅方向の撓みが一層生じにくくなり、折り増し処理時におけるシワの発生をより確実に防止できるようになる。
請求項8の発明は、請求項2から7のいずれか1項に記載のシート折り増し装置において、前記湾曲面を有する案内部材を、前記折り増し手段に対してシート搬送方向上流側と下流側の両方に配設し、かつ、各湾曲面を、前記折り増し手段によって折り目を強化処理する位置から、シート搬送方向上流側又は下流側に、折り処理されたシートの搬送方向長さ以下の位置に配設したものである。
この場合、上記と同様に、上流側の案内部材の湾曲面によって、シートをシート搬送方向に湾曲させることができ、シートを幅方向の撓みのない状態で折り増し手段に供給することができる。しかしながら、その後、折り増し手段を通過したシートの先端は自由端となるので、このとき、シートの先端が空気抵抗やその他の搬送抵抗を受けることにより、シートの先端においてシート幅方向の撓みが生じた場合、その撓みがシートの後端側へ伝播して、シワとなる可能性が高い。そこで、湾曲面を有する案内部材を、折り増し手段に対してシート搬送方向下流側にも配設することで、その下流側の案内部材の湾曲面によって、折り増し手段を通過したシートの先端をシート搬送方向に湾曲させて、シートの先端におけるシート幅方向の撓みの発生を防止することが可能となる。これにより、先端の撓みが後端側に伝播することによるシワの発生を防止できるようになる。
また、上流側の湾曲面を、折り増し手段によって折り目を強化処理する位置から、シート搬送方向上流側に、折り処理されたシートの搬送方向長さ以下の位置に配設しているので、上記と同様に、シートを湾曲させた状態で折り増し手段に供給することができる。また、下流側の湾曲面を、折り増し手段によって折り目を強化処理する位置から、シート搬送方向下流側に、折り処理されたシートの搬送方向長さ以下の位置に配設しているので、シートの後端側が折り増し手段を通過中に、シートの先端を下流側の湾曲面によって湾曲させることができる。これにより、シートの先端に撓みが生じることによる後端側でのシワの発生を防止できる。
請求項9の発明は、請求項2から8のいずれか1項に記載のシート折り増し装置において、前記湾曲面の曲率を、変更可能に構成したものである。
これにより、種々のシートの性質や折り処理の種類などに応じて、湾曲面の曲率を変更して、シートの湾曲度合いを最適な度合いに調整することができる。
請求項10の発明は、請求項2から9のいずれか1項に記載のシート折り増し装置において、前記対向する案内部材同士の間隔を、変更可能に構成したものである。
これにより、種々のシートの厚みなどに応じて、対向する案内部材同士の間隔を最適な間隔に調整することができ、シートに生じる不要な搬送抵抗を低減することができる。
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載のシート折り増し装置において、前記案内部材を、シート搬送方向に渡って複数の孔部が並んで形成された変形可能な可撓性部材で形成し、前記案内部材の孔部に挿通可能な複数本の支軸と、前記案内部材の孔部に挿通された前記支軸の両端部を取り付けるための複数の孔部を有する一対の支持部材を備え、前記支軸の両端部を前記支持部材の複数の孔部のうち任意に選択した孔部に取付可能に構成したものである。
この場合、案内部材の孔部に支軸を挿通し、その支軸の両端部を支持部材の孔部に挿通して取り付けることにより、案内部材を支持することができる。さらに、支軸を取り付ける支持部材の孔部を任意に選択することにより、案内部材を容易に変形させて曲率を変更したり、案内部材同士の間隔を変更したりすることが可能である。
請求項12の発明は、請求項1から11のいずれか1項に記載のシート折り増し装置を備えたシート処理装置である。
シート処理装置が請求項1から11のいずれか1項に記載のシート折り増し装置を備えているので、その折り増し装置の上記効果が得られる。
請求項13の発明は、請求項12に記載のシート処理装置において、前記シート折り増し手段をシート搬送方向に複数配設したものである。
これにより、シートの折り目の強化をより確実に行うことができる。
請求項14の発明は、請求項12又は13に記載のシート処理装置を備えた画像形成装置である。
画像形成装置が請求項12又は13に記載のシート処理装置を備えていることにより、そのシート処理装置が備えるシート折り増し装置の上記効果が得られる。
本発明によれば、折り増し処理を行う際、シワの発生を防止するためにシートを一旦停止させる必要がないので、生産性の低下を招くことなく、シートにシワを発生させずに折り増し処理を行うことができる。これにより、高品質で生産性に優れたシート折り増し装置、このシート折り増し装置を備えたシート処理装置及び画像形成装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態であるシート処理装置における全体レイアウトを示す構成図である。 本発明の第1実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。 (a)は折り処理されたシートをシート搬送方向に湾曲させないで折り増しローラ対に供給する場合のシートの状態を示す図、(b)は折り処理されたシートをシート搬送方向に湾曲させた状態で折り増しローラ対に供給する場合のシートの状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る湾曲ガイド板の斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。 本発明の第8実施形態に係る湾曲ガイド部材の側面図であり、(a)は湾曲していない状態、(b)は湾曲した状態を示す図である。 本発明の第8実施形態に係る支持部材の構成を示す図であり、(a)はその側面図、(b)は(a)のD−D断面図である。 本発明の第8実施形態に係る湾曲ガイド部材を支持部材で支持した状態を示す図であり、(a)はその側面図、(b)は(a)のE−E断面図である。 (a)〜(f)は本実施形態における各種折り処理の説明図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は本発明の実施形態であるシート処理装置における全体レイアウトを示す構成図である。まず、図1を参照して、本実施形態に係るシート処理装置の全体構成及び動作について説明する。
図1において、符号1はシート搬出側の上位装置である画像形成装置、符号100はシート処理装置である。図においてシート処理装置100の右側に設置される画像形成装置1から排出されるシートを矢印A方向から導入する。画像形成装置1の構成としては、シートの搬送経路と、シートに画像形成を行う画像形成部と、画像形成後のシートを矢印A方向へ排紙する排紙部とを内蔵した公知のものである。
図1に示すシート処理装置100において、符号101〜109は、シートを搬送し、また各種折り処理を行うために設けられた複数(本例では9経路)のシート搬送路であって、それぞれ第1〜第9搬送路と称する。符号111〜115は、配置部位においてシートを折り曲げる処理を行うために設けられた複数(本例では5本)のシート折り用のローラであって、それぞれ第1〜第5折りローラと称する。
さらに、符号121〜124は、搬送路の分岐部に回動可能に設けられてシートの搬送路を切り替える複数(本例では4つ)の搬送路切り替え用の部材であって、それぞれ第1〜第4切替爪と称する。符号131はシートが排出される装置上部の排紙部、符号141〜143は、第2搬送路102、第3搬送路103、第4搬送路104中に設けられて各搬送路にてシートの移動を止める複数(本例では3つ)のストッパ部材であって、それぞれ第1〜第3ストッパと称する。また、符号151は、折り処理を施されたシートの折り目を強化する折り増し装置である。
前記構成の本実施形態により、Z折り、二つ折り、外三つ折り、内三つ折り、単純四つ折り、観音四つ折りの各折り動作が可能である。
本実施形態において折りを行わない場合、シート処理装置100へ送られたシートは、第1切替爪121が水平状態となって、図における左方の第8搬送路108、第7搬送路107を経て、シート搬出口から矢印B方向へ排紙される。
また、折りを行う場合には、第1切替爪121にて、シートを折り装置内部の各搬送路に導くことにより、下記のような各種折り動作が行われる。
<Z折り>
第1切替爪121によって第1搬送路101へシートを案内する。第1搬送路101において、第1折りローラ111と第2折りローラ112のニップ部に出没可能なガイド部材(図示せず)によって、シートは、第1折りローラ111と第2折りローラ112のニップを通過し、シート先端が第3搬送路103の所定の折り位置に移動している第2ストッパ142に突き当たる。
シートの先端が第2ストッパ142に突き当たった後、シートの撓み部分が、第2折りローラ112と第3折りローラ113のニップに進入し、1回目の折りが行われる。この後、シートは、第2切替爪122により第4搬送路104に搬送される。シート先端が、第4搬送路104の所定の折り位置に移動している第3ストッパ143に突き当たる。シートに生じた撓み部分を第4折りローラ114と第5折りローラ115のニップに進入させて2回目の折りを行い、Z折り完了となる(図13(a))。
前記折り完了後、シートは、第6搬送路106に搬送され、折り増し装置151によって折り増し処理が行われる。そして、シートは、第6搬送路106を通過して、第3切替爪123によって第7搬送路107へ導かれる。さらに、シートは、第4切替爪124により第9搬送路109へ導かれて排紙部131にスタックされる。シートを装置外へ排出する場合には、第3切替爪123によって搬送方向が切り替えられて、装置外へ排紙される。
<二つ折り>
第1切替爪121によって第1搬送路101へシートを案内する。シート先端が第2搬送路102の第1ストッパ141に突き当たる。シートに生じた撓み部分を、第1折りローラ111と第2折りローラ112のニップに進入させて折りを行い、二つ折り完了となる(図13(b))。
図示しないガイド部材により、折り完了後の二つ折りシートは、第3搬送路103へは進入せずに、第2折りローラ112と第3折りローラ113のニップを通過して、第2切替爪122により第5搬送路105へ案内される。さらに、二つ折りシートは、第6搬送路106に搬送され、折り増し装置151によって折り増し処理が行われる。その後、シートは、第6搬送路106を通過し、第3切替爪123によって第7搬送路107へ導かれ、さらに第4切替爪124により第9搬送路109へ導かれて排紙部131にスタックされる。装置外へ排出する場合には、第3切替爪123によって搬送方向が切り替えられて装置外へ排紙される。
<外三つ折り、内三つ折り、単純四つ折り>
第1切替爪121によって第1搬送路101へシートを案内する。シート先端が第2搬送路102の第1ストッパ141に突き当たる。シートに生じた撓み部分を第1折りローラ111と第2折りローラ112のニップに進入させて、1回目の折りを行った後、シートを第3搬送路103に搬送する。
シート先端が第3搬送路103の第2ストッパ142に突き当たり、シートの撓み部分を第2折りローラ112と第3折りローラ113のニップに進入させて、2回目の折りを行い、折り完了となる(図13(c)、(d)、(e))。
折り完了後、シートは、第2切替爪122により第5搬送路105へ案内される。さらに、シートは、第6搬送路106に搬送され、折り増し装置151によって折り増し処理が行われる。その後、シートは、第6搬送路106を通過し、第3切替爪123によって第7搬送路107へ導かれる。さらに、シートは、第4切替爪124により第9搬送路109へ導かれて排紙部131にスタックされる。シートを、装置外へ排出する場合には、第3切替爪123によって搬送方向が切り替えられて、装置外へ排紙される。
<観音四つ折り>
第1切替爪121によって第1搬送路101へシートを案内する。シート先端が第2搬送路102の第1ストッパ141に突き当たる。シートに生じた撓み部分を、第1折りローラ111と第2折りローラ112のニップに進入させて、1回目の折りを行った後、シートは第3搬送路103に搬送される。
シート先端が第3搬送路103の第2ストッパ142に突き当たり、シートの撓み部分を第2折りローラ112と第3折りローラ113のニップに進入させて2回目の折りを行う。その後、シートを第2切替爪122により、第4搬送路104に搬送する。
シート先端が第4搬送路104の所定の折り位置に移動している第3ストッパ143に突き当たり、シートの撓み部分を第4折りローラ114と第5折りローラ115のニップに進入させて3回目の折りを行い、観音四つ折り完了となる(図13(f))。
シート先端が第4搬送路104の第3ストッパ143に突き当たり、シートの撓み部分を第4折りローラ114と第5折りローラ115のニップに進入させるときに、観音四つ折りガイド部材(図示せず)が動作し、巻き込まれるシート端部は第4折りローラ114と第5折りローラ115のニップに確実に進入する。
折り完了後、シートは、第6搬送路106に搬送され、折り増し装置151によって折り増し処理が行われる。そして、シートは、第6搬送路106を通過し、第3切替爪123によって第7搬送路107へ導かれ、さらに第4切替爪124により第9搬送路109へ導かれて排紙部131にスタックされる。シートを、装置外へ排出する場合には、第3切替爪123によって搬送方向が切り替えられて、装置外へ排紙される。
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。
図2に示す折り増し装置151は、折り増しローラ対191と、この折り増しローラ対191のシート搬送方向(図の矢印Cの方向)の上流側に互いに対向して配設された一対の上流ガイド板161と、それらに配設された上流搬送ローラ対171と、折り増しローラ対191のシート搬送方向の下流側に互いに対向して配設された一対の下流ガイド板162と、それらに配設された下流搬送ローラ対172と、折り増しローラ対191のシート搬送方向の上流側に互いに対向して配設された2つの湾曲ガイド板181とを備える。
折り増しローラ対191は、折り処理を施されたシートPの折り目を強化する折り増し手段である。具体的には、折り増しローラ対191の間にシートPが進入することにより、シートPが加圧されて折り目が強化される。上流ガイド板161、下流ガイド板162及び湾曲ガイド板181は、それぞれ、折り処理を施されたシートPをシート搬送方向に案内するための案内部材である。シートを搬送する搬送手段としての上流搬送ローラ対171、下流搬送ローラ対172及び折り増しローラ対191が図示しない駆動装置により回転駆動することにより、シートPが各ガイド板161,181,162の間を通過して搬送される。
また、各湾曲ガイド板181は、シートPをシート搬送方向に湾曲させる湾曲手段として機能する。各湾曲ガイド板181は、それぞれ、シート搬送方向に円弧状に湾曲した湾曲面181aを有し、各湾曲面181aのうち、一方が凹曲面に形成され、他方が凸曲面に形成されていることにより、互いに対向する湾曲面181a間に湾曲した搬送路が形成されている。このように形成された各湾曲ガイド板181に沿ってシートPを案内することで、シートPがシート搬送方向に湾曲される。
図2において、折り処理後のシートPのシート搬送方向長さをLと表すと、各湾曲面181aは、折り増しローラ対191によって折り目を強化処理する位置、すなわち折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向上流側に、前記シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されている。このような位置に各湾曲面181aを配設することにより、折り処理が施されたシートPが折り増しローラ対191に供給される際に、当該シートPが湾曲面181a間に存在することになり、シートPを湾曲させた状態で折り増しローラ対191に供給可能となる。また、各湾曲面181aの曲率は、折り処理されたシートPの搬送方向長さLを周長とする円の半径、すなわちL/2π以下となるようにしている。
図2を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る折り増し装置の動作について説明する。
上流側の折り手段(折りローラ)によって折り処理が施されたシートPは、回転する上流搬送ローラ対171により、挟持されつつ搬送され、シートPは上流ガイド板161と湾曲ガイド板181とを順次通過する。シートPが湾曲ガイド板181間を通過する際、シートPは湾曲ガイド板181に沿って上記L/2π以下の曲率でシート搬送方向に湾曲される。そして、シートPが湾曲ガイド板181の位置において湾曲した状態で、そのシートPの先端が折り増しローラ対191の間へと進入する。折り増しローラ対191の間に進入したシートPは、回転する折り増しローラ対191により、挟持されつつ搬送されると共に、加圧されて、折り目が強化される。折り目が強化されたシートPは、折り増しローラ対191によって下流へと搬送され、回転する下流搬送ローラ対172によって挟持されつつ搬送され、下流ガイド板162を通過し、下流の排紙部又は装置外へと排出される。
図3において、(a)は折り処理されたシートをシート搬送方向に湾曲させないで折り増しローラ対に供給する場合のシートの状態を示す図、(b)は折り処理されたシートをシート搬送方向に湾曲させた状態で折り増しローラ対に供給する場合のシートの状態を示す図である。
図3(a)に示すように、通常、折り処理されたシートPは、その長手方向がシート搬送方向Cと平行となるように搬送される。このとき、シートPの抄き目(繊維の並び方向)が縦目、すなわち、抄き目がシート搬送方向Cと平行となっている場合は、シート搬送方向Cに直交する幅方向に座屈が生じやすい。このため、シートPの幅方向に撓みが生じやすい傾向にある。そして、図3(a)に示すように、シートPの幅方向に撓みが生じた状態で、シートPが折り増しローラ対191の間に進入すると、折り増しローラ対191によってシートPの撓みが潰されシワとなる。
これに対し、図3(b)に示すように、折り処理されたシートPをシート搬送方向Cに湾曲させた場合は、シート搬送方向Cに直交する幅方向に対するシートPのコシが強くなり、幅方向の座屈に対する抵抗力が大きくなる。これにより、シワの原因となるシートPの幅方向の撓みの発生を防止することができる。このように、本実施形態では、湾曲ガイド板181によってシートPをシート搬送方向に湾曲させることにより、シートPを幅方向の撓みのない状態で折り増しローラ対191間に供給することができるので、シワの発生を防止することが可能となる。
以下、本発明のその他の実施形態について、上記第1実施形態と異なる点のみ説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る湾曲ガイド板の斜視図である。
図4に示すように、第2実施形態に係る湾曲ガイド板181のうち、図の上側の湾曲ガイド板181は、折り処理されたシートPのシート搬送方向Cに直交する方向の長さ、すなわちシート幅W1の全域に渡って湾曲面181aを有している。一方、図の下側の湾曲ガイド板181は、シート幅W1の一部のみに対応した湾曲面181aを有する。具体的には、図の下側の湾曲ガイド板181は、半円状に形成された複数のリブ181bを有しており、各リブ181bの湾曲した上面を湾曲面181aとしている。また、各リブ181b(湾曲面181a)のシート搬送方向Cに直交する方向の幅W2は、0.5mm以上であることが望ましい。
本実施形態では、リブ181bを4つ配設しているが、リブ181bの数はこれに限定されるものではない。ただし、少なくともシートの幅方向の両端部と中央部との3箇所には、リブ181bを配設しておくことが望ましい。これは、シートの幅方向両端部を支持してその形状を保持するための2箇所と、その幅方向両端部の2箇所を支持することによりシートの幅方向中央部が撓むのを防止するための1箇所の、合計3箇所でリブ181bによる支持が必要となるからである。なお、A3、DLTサイズ等の比較的大きなシートに比べて、A4、B5、LTサイズ等の比較的小さなシート対しては、シートの幅方向に直交する方向の撓みが生じにくいので、リブ181bを配設する箇所を3箇所以下としてもよい。また、シートのサイズ以外に、シートの性質や折り処理の種類などに応じて、リブ181b(湾曲面181a)を配設する範囲を適宜変更すれば、湾曲ガイド板181によるシワ発生防止機能を最適化することが可能である。
また、図の下側の湾曲ガイド板181において、リブ181bを配設している以外の面(図の上面)は、平坦面に形成されており、通過するシートとは接触しないようになっている。従って、シートPが各ガイド板181間を通過する際、図の下側のガイド板181に対しては、シートPはリブ181bのみに接触する。このように、本実施形態では、湾曲ガイド板181にリブ181bを設けることで、通過するシートをシート搬送方向に湾曲させてシワの発生を防止できると共に、シートと湾曲ガイド板181との接触面積を減らし、シートに与える不要な搬送抵抗を低減することが可能である。
なお、図4に示す例では、図の下側の湾曲ガイド板181にのみリブ181bを配設しているが、図の上側の湾曲ガイド板181に凹曲面状の湾曲面を有するリブを設けることも可能である。また、図の上側の湾曲ガイド板181にリブを設け、図の下側の湾曲ガイド板181がシート幅W1の全域に渡る湾曲面181aを有するように構成してもよい。
図5は、本発明の第3実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。
図5に示す第3実施形態では、図2に示す上記実施形態と比較して、湾曲ガイド板181の湾曲面181aの形状が異なる。具体的に、図2に示す湾曲面181aは円弧状に形成されているのに対し、図5に示す湾曲面181aは、2つの円弧状に湾曲した部分(以下、「円弧状湾曲部」という)をシート搬送方向Cに連続して配設した略S字型に形成されている。
このように、図5に示す第3実施形態では、上記円弧状湾曲部をシート搬送方向Cに2つ有しているので、シートPが湾曲ガイド板181間を通過する際の当該シートPの湾曲箇所が増え、幅方向に対するシートPのコシが一層強くなる。その結果、シートPの幅方向の座屈に対する抵抗力が増すので、シート幅方向の撓みが一層生じにくくなり、折り増し処理時におけるシワの発生をより確実に防止できるようになる。
また、上記と同様に、各湾曲面181aは、折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向上流側に、シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されている。すなわち、シート搬送方向Cに連続する2つの円弧状湾曲部のいずれもが、折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向上流側に、シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されている。これにより、折り処理が施されたシートPが折り増しローラ対191に供給される際に、当該シートPが連続する2つの円弧状湾曲部に存在することになり、シートPを湾曲させた状態で折り増しローラ対191に供給することができる。
また、図5に示す第3実施形態においても、円弧状湾曲部のそれぞれの曲率は、上記と同様にL/2π以下であればよい。ただし、曲率の小さい湾曲面間に、シート幅方向の撓みが比較的大きなシートPをいきなり通過させることは、シートPに大きな搬送抵抗が生じることになる。従って、2つの円弧状湾曲部のうち、シート搬送方向上流側の曲率を下流側の曲率より大きく設定することが望ましい。このようにすることで、曲率の大きい上流側の円弧状部分において、大きな搬送抵抗を生じさせることなくシートPの撓みを無理なく改善し、続いて曲率の小さい下流側の円弧状部分において、完全に撓みを矯正することが可能となる。
なお、シート搬送方向Cに並べて配設する円弧状湾曲部の数は、各円弧状湾曲部が、折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向上流側に、シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されていれば、3つ以上であってもよい。その場合、さらにシート幅方向の撓みを生じにくくすることができる。
図6は、本発明の第4実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。
上述の図5に示す実施形態では、1つの湾曲ガイド板に円弧状湾曲部を2つ形成しているが、図6に示す第4実施形態では、円弧状湾曲部を1つ有する湾曲ガイド板を2つ並べることで、それらの円弧状湾曲部をシート搬送方向Cに2つ並べて配設している。具体的には、図6に示す実施形態では、円弧状に形成された湾曲面181aを有する4つの湾曲ガイド板181を、2つずつ互いに対向させてシート搬送方向Cに2組並べて配設している。
この実施形態においても、上記図5に示す実施形態のように、円弧状湾曲部がシート搬送方向Cに2つ以上並んで配設されているので、シートPの湾曲箇所が増え、幅方向に対するシートPのコシが一層強くなる。このため、シート幅方向の撓みが一層生じにくくなり、折り増し処理時におけるシワの発生をより確実に防止することが可能である。
また、この場合、4つの湾曲ガイド板181が有する各湾曲面181aのいずれもが、折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向上流側に、シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されている。これにより、上記と同様に、折り処理が施されたシートPが折り増しローラ対191に供給される際に、当該シートPが各湾曲面181a間に存在することになり、シートPを湾曲させた状態で折り増しローラ対191に供給することができる。
また、各湾曲面181aの曲率は、L/2π以下であればよいが、図5に示す実施形態と同様の理由で、シート搬送方向上流側の曲率を下流側の曲率より大きく設定することが望ましい。
なお、シート搬送方向Cに並べて配設する湾曲ガイド板の数は、それぞれの湾曲面が、折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向上流側に、シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されていれば、3つ以上であってもよい。その場合、さらにシート幅方向の撓みを生じにくくすることができる。
図7は、本発明の第5実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。
図7に示すように、第5実施形態において、折り増しローラ対191からシート搬送方向Cの上流側の構成は、図6に示す実施形態と同様である。従って、図6に示す実施形態と同様に、折り増しローラ対191のシート搬送方向Cの上流側に配設された2つの円弧状湾曲部によって、シートPの湾曲箇所が増え、シート幅方向の撓みが一層生じにくくなるので、シワの発生をより確実に防止することが可能である。
さらに、図7に示す実施形態では、折り増しローラ対191のシート搬送方向Cの下流側に、別途2つの湾曲ガイド板184を互いに対向させて配設している。このため、本実施形態では、シートPの先端が折り増しローラ対191のニップ部を通過した後に、その先端が下流側の湾曲ガイド板184の各湾曲面184aにてシート搬送方向Cに湾曲させられる。
シートPの先端が折り増しローラ対191のニップ部を通過した際、その先端は、次の下流搬送ローラ対172に到達するまで自由端となる。このとき、シートPの先端が空気抵抗やその他の搬送抵抗を受けることにより、シートPの先端においてシート幅方向の撓みが生じた場合、その撓みがシートPの後端側へ伝播して、シワとなる可能性が高い。しかし、本実施形態では、上記のようにシートPの先端が下流側の湾曲ガイド板184によってシート搬送方向Cに湾曲させられることにより、シートPの先端におけるシート幅方向の撓みの発生を防止できるので、先端の撓みが後端側に伝播することによるシワの発生を防止することができる。
また、下流側の湾曲ガイド板184の各湾曲面184aの曲率は、上流側の湾曲面181aの曲率と同様にL/2π以下であればよい。また、下流側の各湾曲面184aは、折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向下流側に、シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されている。これにより、シートPの後端側が折り増しローラ対191のニップ部を通過中に、シートPの先端が下流側の湾曲ガイド板184によって湾曲するので、シートPの先端に撓みが生じることによる後端側でのシワの発生を防止できる。
図8は、本発明の第6実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。
図8に示す第6実施形態では、下流側の湾曲ガイド板184の各湾曲面184aが、2つの円弧状湾曲部をシート搬送方向Cに連続して配設した略S字型に形成されている。すなわち、この場合、図7に示す上記実施形態に比べて、円弧状湾曲部の数が2つに増えている。これにより、シートPの先端側の湾曲箇所が増え、幅方向に対するシートPのコシが一層強くなるので、シート幅方向の撓みが一層生じにくくなり、折り増し処理時におけるシワの発生をより確実に防止できるようになる。
下流側の湾曲ガイド板184が有する各円弧状湾曲部の曲率は、上記と同様にL/2π以下であればよい。また、それらの下流側の各円弧状湾曲部のいずれもが、折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向下流側に、シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されている。これにより、シートPの後端側が折り増しローラ対191のニップ部を通過中に、シートPの先端が下流側の各円弧状湾曲部によって湾曲するので、シートPの先端に撓みが生じることによる後端側でのシワの発生を防止できる。
また、上記下流側の円弧状湾曲部の数は、各円弧状湾曲部が、折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向下流側に、シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されていれば、3つ以上であってもよい。その場合、さらにシート幅方向の撓みを生じにくくすることができる。
また、図示省略するが、折り増しローラ対191のシート搬送方向Cの下流側に、湾曲ガイド板自体を2つ以上並べることにより、円弧状湾曲部がシート搬送方向Cに2つ以上並んだ構成にすることも可能である。また、その場合、下流側に配設された湾曲ガイド板の各円弧状湾曲部(又は各湾曲面)のいずれもが、L/2π以下の曲率であって、折り増しローラ対191のニップ部Nの位置から、シート搬送方向下流側に、シートPの搬送方向長さL以下の位置に配設されていればよい。
なお、図8に示す実施形態において、以上の構成以外は、図5に示す実施形態と同様であるので、その構成及び作用・効果については説明を省略する。
図9は、本発明の第7実施形態に係る折り増し装置の概略構成を示す図である。
図9に示す折り増し装置151は、3対の折り増しローラ対191,192,193を備える。これにより、シートPは各折り増しローラ対191,192,193を通過するごとに加圧され、折り目の強化がより確実に行われる。また、各折り増しローラ対191,192,193のシート搬送方向Cの上流側には、互いに対向する湾曲ガイド板181,182,183が配設されており、シートPは、シート搬送方向Cに湾曲した状態で各折り増しローラ対191,1929,193に供給される。これにより、それぞれの折り増し処理時におけるシワの発生を防止することができる。
また、シート搬送方向Cの上流側から2番目と3番目に配設されている湾曲ガイド板182,183は、上流側から1番目と2番目に配設されている折り増しローラ対191に対して、下流側に配設された湾曲ガイド板として機能する。すなわち、上流側から1番目の折り増しローラ対191を通過したシートPの先端は、上流側から2番目の湾曲ガイド板182によって湾曲されるため、シートPの先端におけるシート幅方向の撓みの発生を防止することができる。同様に、上流側から2番目の折り増しローラ対192を通過したシートPの先端は、上流側から3番目の湾曲ガイド板183によって湾曲されるので、シートPの先端におけるシート幅方向の撓みの発生を防止できる。これにより、シワの発生を高度に防止することが可能である。
図10〜図12に基づいて、本発明の第8実施形態の構成について説明する。
図10は、シートをシート搬送方向に湾曲させて案内するための湾曲ガイド部材の側面図である。
図10(a)に示すように、湾曲ガイド部材200は、シート搬送方向Cに渡って複数の孔部203が並んで形成された基材201と、その基材201のシート搬送面側に配設された搬送面材202とによって構成されている。基材201は変形可能な可撓性部材で形成されており、このため、図10(b)に示すように、湾曲ガイド部材200は容易に、かつ自由に変形可能である。基材201の材質としては、ウレタンなどを用いればよい。また、基材201に形成された複数の孔部203は、それぞれ同じ大きさで、等ピッチで配設されている。搬送面材202は、ポリエチレンテレフタラートなどの摩擦係数が比較的小さい材質のものを用いるとよい。
図11は、上記湾曲ガイド部材を支持する支持部材の構成を示す図であり、同図の(a)におけるD−D断面図が(b)である。
図11の(a)又は(b)に示すように、支持部材300は、図の上端と下端にそれぞれに、シート処理装置の図示しない側板等にネジ留めするためのネジ孔302と、上記湾曲ガイド部材200を支持する支軸を取り付けるための複数(又は多数)の孔部301とを有している。支持部材300は、ステンレスなどの強度の高い金属であって、曲げ加工などにより十分な剛性を持つものがよい。
図12は、上記湾曲ガイド部材を上記支持部材で支持した状態を示す図であり、同図の(a)のE−E断面図が(b)である。言い換えれば、図12の(a)は、本実実施形態の構成をシート搬送方向に直交する横方向から見た図であり、(b)はそれをシート搬送方向から見た図である。なお、図12の(a)では、湾曲ガイド部材のみが図示されている。
図12の(b)に示すように、一対の支持部材300の間には、支軸400を介して複数の湾曲ガイド部材200が支持されている。詳しくは、シート幅方向(図12の(b)の横方向)に並べられた複数の湾曲ガイド部材200の各孔部203に支軸400を挿通し、その支軸400の両端部を一対の支持部材300の孔部301に挿通して取り付けている。さらに、支軸400の両端部は、抜け止め部材500によって各支持部材300に固定されている。また、各支持部材300は、上記ネジ孔302(図11参照)にネジを挿入してシート処理装置の図示しない側板に固定してある。
上記支軸400の両端部を支持部材300の孔部301に挿通する際、複数の孔部301の中から支軸400を挿通する孔部301を選択することで、図12の(a)に示すように、湾曲ガイド部材200を湾曲させた状態で支持できる。このように湾曲させた状態で支持した湾曲ガイド部材200を、支持部材300の間に対向して配設することにより、シートを案内するための湾曲した案内路が形成される。そして、この湾曲ガイド部材200によって形成された案内路を、折り増しローラ対のシート搬送方向の上流側又は下流側の所定位置に配設することにより、上記説明したように、折り増し処理時におけるシートのシワの発生を防止することができる。
さらに、本実施形態では、湾曲ガイド部材200が変形可能であり、支軸400が支持部材300の複数の孔部301のうち任意に選択した孔部301に取付可能であるので、支軸400の取付位置を変更することにより、湾曲ガイド部材200の曲率を変更することが可能である。これにより、種々のシートの性質や折り処理の種類などに応じて、シートの湾曲度合いを最適な度合いに調整することができる。
また、支軸400の取付位置を変更することによって、対向する湾曲ガイド部材200の間隔を変更することも可能である。これにより、種々のシートの厚みなどに応じて、案内路におけるシート面に直交する方向の間隔を最適な間隔に調整することができ、シートに生じる不要な搬送抵抗を低減することができる。
なお、支軸400は、必ずしも湾曲ガイド部材200の全ての孔部203に挿通させる必要はない。孔部203に挿通する支軸400の本数は、湾曲ガイド部材200がシートの搬送によっても案内路の形状を保つことができれば、自由に定めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。また、各実施形態における特徴部分のうちの2つ又は3つ以上を、適宜組み合わせて構成することも可能である。
以上のように、本発明によれば、折り増し処理を行う際、シワの発生を防止するためにシートを一旦停止させる必要がないので、生産性の低下を招くことなく、シートにシワを発生させずに折り増し処理を行うことができる。これにより、高品質で生産性に優れたシート折り増し装置、それを備えたシート処理装置及び画像形成装置を提供することが可能となる。
151 シート折り増し装置
181 湾曲ガイド板
181a 湾曲面
182 湾曲ガイド板
182a 湾曲面
183 湾曲ガイド板
183a 湾曲面
184 湾曲ガイド板
184a 湾曲面
191 折り増しローラ対
192 折り増しローラ対
193 折り増しローラ対
200 湾曲ガイド部材
203 孔部
300 支持部材
301 孔部
400 支軸
L 折り処理されたシートの搬送方向長さ
P シート
特開2009−208849号公報

Claims (14)

  1. 折り処理を施されたシートの折り目を強化する折り増し手段を備えるシート折り増し装置において、
    前記折り増し手段にシートを供給する際に、シートをシート搬送方向に湾曲させる湾曲手段を備えたことを特徴とするシート折り増し装置。
  2. 前記湾曲手段を、シートの搬送方向に湾曲した湾曲面を有し、互いに対向して配設された案内部材によって構成し、前記対向する案内部材間をシートが通過するように構成した請求項1に記載のシート折り増し装置。
  3. 前記湾曲面を、前記折り増し手段によって折り目を強化処理する位置から、シート搬送方向上流側に、折り処理されたシートの搬送方向長さ以下の位置に配設した請求項2に記載のシート折り増し装置。
  4. 前記湾曲面の曲率を、折り処理されたシートの搬送方向長さを周長とする円の半径以下となるようにした請求項2又は3に記載のシート折り増し装置。
  5. 前記湾曲面を、シート搬送方向と直交するシート幅の全域又はその一部に対応して配設した請求項2から4のいずれか1項に記載のシート折り増し装置。
  6. 前記湾曲面が、円弧状に湾曲した部分をシート搬送方向に複数有するように形成した請求項2から5のいずれか1項に記載のシート折り増し装置。
  7. 前記湾曲面を有する前記案内部材をシート搬送方向に複数配設した請求項2から6のいずれか1項に記載のシート折り増し装置。
  8. 前記湾曲面を有する案内部材を、前記折り増し手段に対してシート搬送方向上流側と下流側の両方に配設し、かつ、各湾曲面を、前記折り増し手段によって折り目を強化処理する位置から、シート搬送方向上流側又は下流側に、折り処理されたシートの搬送方向長さ以下の位置に配設した請求項2から7のいずれか1項に記載のシート折り増し装置。
  9. 前記湾曲面の曲率を、変更可能に構成した請求項2から8のいずれか1項に記載のシート折り増し装置。
  10. 前記対向する案内部材同士の間隔を、変更可能に構成した請求項2から9のいずれか1項に記載のシート折り増し装置。
  11. 前記案内部材を、シート搬送方向に渡って複数の孔部が並んで形成された変形可能な可撓性部材で形成し、前記案内部材の孔部に挿通可能な複数本の支軸と、前記案内部材の孔部に挿通された前記支軸の両端部を取り付けるための複数の孔部を有する一対の支持部材を備え、前記支軸の両端部を前記支持部材の複数の孔部のうち任意に選択した孔部に取付可能に構成した請求項1から10のいずれか1項に記載のシート折り増し装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載のシート折り増し装置を備えたことを特徴とするシート処理装置。
  13. 前記シート折り増し手段をシート搬送方向に複数配設した請求項12に記載のシート処理装置。
  14. 請求項12又は13に記載のシート処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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