JP2012130543A - 運転者の疲労推定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操作子であるステアリングホイール7に入力する外乱トルクに対する上記ステアリングホイール7を操作する運転者のインピーダンスを推定し、推定したインピーダンスと、予め設定若しくは計測した事前のインピーダンスとの差分に基づき、運転者の疲労度を推定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、より精度良く運転者の疲労度を推定することを目的とする。
以下の実施形態では、運転者が操作する操作子としてステアリングホイール7を例に挙げて説明する。対象とする操作子は、ステアリングホイール7に限定されず、ブレーキペダルやシフトレバーなどであっても良い。要は、運転者が運転する際に操作する操作子であって、運転者に操作反力が発生する操作子であれば適用可能である。
符号7は、運転者が操作する操作子としてのステアリングホイールを示す。ステアリングホイール7は、ステアリングを介してステアリングギヤ機構1に連結する。ステアリングギヤ機構1は、ラック/ピニオン機構などの変換機構によって、ステアリングの回転を車幅方向(横方向)の動きに変換する装置である。
符号5は操舵反力用アクチュエータである。操舵反力用アクチュエータ5は、ステアリングコラムに設置されたモータである。操舵反力用アクチュエータ5は、運転者がステアリングを回転するのに要する力を増幅してアシストしたり、タイヤ側から入ってくる不要な外乱を減少したりするのに利用可能な装置である。操舵反力用アクチュエータ5は、反力装置コントローラ6からの指令に応じた制御電流を入力することにより、目的とする反力を発生する。
符号4は反力装置モータ角センサである。反力装置モータ角センサ4は、ステアリングコラムシャフトと操舵反力用アクチュエータ5の間に設置されたモータ角センサであって、回転するステアリングの角度を検出して出力する。
符号9は操舵情報伝送ハーネスである。操舵情報伝送ハーネス9は、操舵反力用アクチュエータ5から、筋力計算/指示装置利用判定装置10まで、操舵力、操舵角、外乱トルク信号を伝送するためのケーブルからなる。
符号11は運転者用カメラである。運転者用カメラ11は、運転者の姿勢を検出するための撮像デバイスである。カメラとしては、CCDカメラやCMOSカメラなどが例示出来る。
符号13は指示装置である。この指示装置13は、運転者が疲労状態あるいは今後疲労につながりそうな状態であることの信号を入力したら、例えば、運転者に休憩するように促す、もしくは、車線維持支援装置等の運転支援装置を使用するように促す。上記促しは、音声や表示などによって実施される。
上記筋力計算/指示装置利用判定装置10は、コンピュータから構成され、機能的には図2及び図3に示すような構成となっている。
すなわち、筋力計算/指示装置利用判定装置10は、外乱トルク信号検出部14、腕の状態計測部15、筋全体のインピーダンス計測部16、筋力推定部17、疲労度推定部18、指示装置利用の判定部19を備える。
この検出条件を満たさない場合は、外乱トルク信号検出部14は、事前に準備した所定の外乱トルク信号を利用する。すなわち、外乱トルク信号検出部14は、反力装置コントローラ6を介して操舵反力用アクチュエータ5を駆動して、予め設定したトルク条件の外乱トルクをステアリングホイール7に伝達する。
腕の状態計測部15は、運転者用カメラで撮像した画像から身体(主に腕)の状態を検出し、手・肘の位置、手・肘関節の角度を算出するプログラムである。例えば図4に示すように、カメラ11が撮影した画像によって、運転者の関節位置と関節角度を検出する。腕の状態計測部15は、運転者の把持位置も検出する。
インピーダンス計算式:
Hnms=−Swf/Swx [(Nm・Nm)/(Nm・deg)]
ここで、インピーダンスの算出方法は、一般に次の1)〜3)の3つに分類される。
下記1)と2)は、粘性、弾性、慣性を求めた後、2次の伝達関数に代入して、その周波数特性を求めることでインピーダンスが決まる。このため、粘性、弾性、慣性の求め方のみ記す。また、3)は、粘性、弾性、慣性を求めず、直接、周波数特性を求める手法である。
1)連立方程式による算出方法
予め設定した所定の時間間隔で計測した実測トルクから、粘性、弾性、慣性を変数とする連立方程式を解くことでインピーダンスを算出する。
2)粘性、弾性、慣性を個別に測ってインピーダンスを算出する方法
すなわち、ステアリングホイール7にステップ状の外乱トルクを加えて弾性値を求めた後に、一定速度でステアリングホイール7を回転させて粘性項を求める。慣性項は、腕の重さを参考値として求める。
3)外乱トルクをステアリングホイール7に加えながら、実測トルクと操舵角を計測することでインピーダンスを算出する方法
3−1)外乱トルクを運転者が操作する操作子に加える。
3−2)ステアリングホイール7に発生する実測トルクと操舵角の変移量を計測する。
3−1)と3−2)の周波数特性の比較から、運転者の身体のインピーダンスを計測する。
以上の3つのインピーダンス算出方法のうちでは3)が、最も精度よくインピーダンスを計測できる。これに基づき、本実施形態では、3)の算出方法によってインピーダンスを計測(算出)する。このインピーダンス算出方法は、ステアリングホイール7に伝達される外乱トルクを利用する。
A)予め設定した所定の信号:0〜5Hzの周波数帯による正弦波を位相をずらして畳み込んだ擬似M系列、スイープ波形、ホワイトノイズなど(図5参照)による外乱トルクA
B)車両の走行データから得た外乱トルクB
この外乱トルクBは、例えば、タイヤからステアリングに伝わる力、若しくは、ステアリングからタイヤに伝わる力の時系列データを記憶部に記録する。そして時系列データの波形が予め設定した所定の形状、所定のスペクトルになるとき、外乱トルクとして利用する(図6参照)。
図7は、一番精度が良い上記3)の手法によるインピーダンス計測の模式図である。すなわち、図9は、運転者が操作部であるステアリングホイール7を握っている状態で、ステアリングホイール7に繋がっているアクチュエータ5で外乱トルクを加えた場合の模式図である。
この模式図中
Ta:外乱トルク
Tb:実測トルク
Tc:外乱トルクと実測トルクの差分値(=Ta−Tb)
x:操舵角
である。
筋力推定部17は、まず、予め計測したリラックス時の腕のインピーダンス(事前のインピーダンス)と、現在のインピーダンスとの差である差分値を求める。
次に、筋力推定部17は、腕の状態計測部15の計測情報(運転者の姿勢)に基づいて、上記求めた差分値を補正する。具体的には、ステアリングホイール7に対する運転者の把持位置が当該ステアリングホイール7の下端にあるほど、また、肘の位置がアームレストに当接していたり、肘が体幹に触れているときは、力を抜いていてもインピーダンスが高くなる。これに鑑み、ステアリングホイール7に対する運転者の手の位置が当該ステアリングホイール7の下端にあるほど、また、肘の位置がアームレストに当たっていたり、肘の位置が体幹に触れる位置である場合には、上記差分値の絶対値を小さく補正する。なお、差分値の絶対値を補正する代わりに、次の腕の筋力を推定する際の感度を補正しても良い。後述の説明では、腕の筋力を推定する際の感度を補正する場合の例で説明する。
本実施形態においてリラックスとは、「直線走行、もしくは、停車状態においてステアリングホイール7を握ってはいるがステアリングホイール操作していない状態」若しくはその状態と推定される状態を指す。なお、ステアリングホイール7に外乱を加えて握っている腕の状態(インピーダンス)を測るため、ステアリングホイール7を握っていないときは計測が出来ない。
A.予め実験等によって平均的運転者のリラックス時のインピーダンスを取得する。少なくとも、数十秒の車両信号を使って求めた運転者のインピーダンスでは、図8における横軸1Hz以下の波形が10〜20近辺にある場合はリラックスと判定する。そのときのインピーダンスを事前のインピーダンスとして求める。
ここで、事前のインピーダンスとしては、リラックス時のインピーダンスを採用する方が差分を大きくとれるので好ましいが、事前のインピーダンスは、リラックス時のインピーダンスでなくても良い。事前のインピーダンスは、基準として特定可能なインピーダンスであれば良い。
運転者がステアリングホイール7を把持した状態で(図10(a)参照)、リラックスして保舵した状態での事前のインピーダンスとしっかり保舵した状態でのインピーダンスを実験で取得すると図10(b)に示す結果が得られた。この図10(b)から分かるように、ステアリングホイール7を握る力が増すと1Hz以下の周波数帯域(インピーダンス低周波成分)で、インピーダンスが高くなることが確認できる。
ここで、上記インピーダンスの特性値(物理値)としては、例えばインピーダンス低周波成分の平均値若しくは面積、又は腕を2次モデルと仮定して求めた弾性項を採用する。すなわち、インピーダンス低周波成分と比例した値をインピーダンスの特性値(物理値)として使用すればよい。
ステアリングホイール7の把持位置による、リラックスして把持した場合としっかり把持した場合とでの関係を求めたところ、図11に示す結果を得た。図11から分かるように、同じ把持力にも関わらず、運転者がステアリングホイール7の下側を把持するほど、インピーダンス特性値が大きくなる。また、ステアリングホイール7の下側を把持するほど、リラックス把持でのインピーダンス特性値としっかり把持でのインピーダンス特性値との差分が小さくなる。
疲労度の推定は、例えば図15に示す筋力持続曲線に基づき疲労度を判定し、筋力の履歴から筋力持続曲線より上に位置すると疲労状態と判定する。また、その筋力持続曲線より上の継続時間が長いほど、疲労度が大きいと判定する。
ここで、疲労度の指標である筋力推定値に基づく運転者の疲労推定の処理方法について説明する。
一般に、筋力(瞬時値)の持続時間とは、図15に示すような関係がある。したがって、筋力が大きいと筋肉が力を出し続けられる持続時間が短い。逆に、筋力が小さいと筋肉が力を出し続けられる持続時間が長い。そして、上記図15のように、筋力が大きいほど、持続時間は指数関数的に減少する関係にある。
これに基づき、図15に基づく疲労推定の方法としては、例えば下記の方策1と方策2を例示出来る。
筋力の瞬時値の頻度から疲労を判定する。すなわち、上記図15の関係(疲労曲線)より瞬時値の継続時間に基づき、どの程度の疲労状態か、また運転者に報知すべき疲労状態かを推定する。
上記推定には統計的知見に基づく認識処理を実施すればよい。統計的処理は、例えば、ベイズ推定、ファジー推定、サポートベクターマシン、遺伝的アルゴリズム、ニューラルネットワーク、などが例示出来る。
筋力の瞬時値が予め設定した閾値を超えたか否かによってどの程度の疲労状態か、また運転者に報知すべき疲労状態かを推定する。閾値は1つでも良いし、何段階か複数持っていても良い。
ここで、筋肉は100%以上の力を出すとツルという現象を生じる。したがって、その極限状態を基準にして閾値を設定する。
次に、上記方策1を採用した疲労推定の処理について説明する。
まず、前処理として、筋力計算、筋力と時間のヒストグラムを算出する。
次に、特徴抽出処理として、ヒストグラムの面積や大きさなどを特徴量を求める。
次に判別処理として、予め設定した数値、もしくは、特徴空間の予め設定した所定範囲にある値(閾値を超える値)か否かを判別する。この判別を満足しない場合には、前処理に戻って処理を繰り返す。一方、この判別を満足する場合には、運転者への疲労に対する報知が必要と判定して処理を終了する。
指示装置利用の判定部19は、疲労度推定部18が推定する疲労度に基づき、疲労しているか疲労しそうか否かを判定し、その旨の報知信号を指示装置に出力するプログラムである。指示装置利用の判定部19は、例えば上記疲労度が予め設定した疲労度閾値以上の場合に、疲労状態と判定する。
筋力計算/指示装置利用判定装置10は、予め設定した制御周期で作動する。作動すると先ずステップS1にて、外乱トルクを計測する。すなわち、悪路にタイヤがとられることによって発生する外乱トルクを記憶部に記録する。その後ステップS2に移行する。
ステップS2では、ステップS1で記録した外乱トルクをFFT処理し、外乱トルクのパワースペクトルを求める。そして、求めた外乱トルクのパワースペクトルと、予め計測した良路走行時のパワースペクトルと比較する。若しくは、求めた外乱トルクのパワースペクトルについて、インピーダンス計算可能判断ラインを超えているかを計算する。その後ステップS3に移行する。
ここで、予め設定した時間の間、インピーダンスが計算可能でないと判定した場合には、予め設定した外乱トルクをステアリングに入力して、実トルクと操舵角から運転者のインピーダンスを計測する。
ステップS4では、ステップS3で計測したインピーダンスと、事前に設定した事前のインピーダンスとの差分値を算出する。本実施形態の事前のインピーダンスは、リラックス状態(運転者が腕に力を入れずにステアリングホイールを握っている除隊)のインピーダンスを予め計測して取得したものである。上記差分値は、腕の筋力に比例した値となる。その後ステップS5に移行する。ここで、上記差分値は、上述のようにインピーダンスの低周波成分の特性値についての差分値とする。
ここで差分値が小さい場合には、分解能が低いので、筋力を推定できないおそれがある。また、差分値が小さい場合には、リラックス状態(運転者の腕に力が入っていない状態)に近いと推定される。そして、上記差分値が予め設定した閾値以上の場合に、腕に力が入っているとみなしてステップS6に移行する。
ステップS7では、1又は2以上のカメラ11が撮影した撮像データに基づき、ステアリングホイール7に対する運転者の把持位置と、運転者の体幹に対する肘の位置や肘の伸び具合を検出する。その後ステップS8に移行する。
ステップS9では、ステアリングホイール7の下側を把持していると判定するほど、上記差分値に対する筋力推定値の感度を高める。その後ステップS10に移行する。
ステップS11に移行する場合には、アームレストに肘を置いているなど、ステアリングホイール7を把持している状態であっても運転者が腕に力をいれていなくても、計測したインピーダンスが高まっている状態である。このためステップS11では、上記差分値に対する筋力推定値の感度を下げる。その後ステップS12に移行する。
ステップS13では、脇が開き肘関節を伸ばしている方が腕に力が入れ難くインピーダンスが低い。座り方によって腕が伸びているときは感度を下げる。その後ステップS14に移行する。
ステップS15では、最大筋力に占める筋力推定値を計算する。その後ステップS16に移行する。
ステップS16では、最大筋力に占める筋力推定値と筋力持続曲線とのずれ量を計算する。ここで、各筋力推定値が筋力持続曲線の右上にある場合を正の値、左下にある場合を負の値とする。ステップS17に移行する。
ステップS18では、ずれ量が所定以上の場合であるので、疲労状態と推定する。その後ステップS19に移行する。ずれ量が疲労度に相当する。
ステップS19では、疲労状態の累積値が予め設定した所定値を越えていると判定した場合にはステップS20に移行する。そうでない場合には、処理を終了して復帰し、次の制御周期でステップS1を作動する。
ステップS21では、指示装置をONにし、疲労状態であることを運転者に告知する。その後、処理を終了して復帰し、次の制御周期でステップS1を作動する。
ここで、従来の運転者の筋力を求める技術は以下の(a)(b)の二つに大別される。
(a)筋電図による筋力推定
(b)筋骨格モデルによる筋力推定
しかし、筋電図による筋力推定は、筋電センサを肌につける必要があり煩わしい。また、筋骨格モデルによる筋力推定は、膨大な記憶部を使用して筋力を推定する割に内部で相殺される力が予測できず誤差が大きい。
また、基準とインピーダンスが高いのか、力をいれているのか抜いているのかが分からない。これに対し本実施形態では、基準とする前提のインピーダンスとの差分を利用することで、その分、精度良く推定することが可能となる。
走行中に外乱トルクを検出し、その外乱トルクデータを記憶部に記録する。併行して、実測トルク及び操舵角についても検出して記憶部に記憶する。
そして、記憶部に記録した外乱トルクデータをFFT処理して得たパワースペクトルが、インピーダンス計測可能判断ラインを予め設定した継続時間越えている場合には、その所定の区間の外乱トルクデータを切り出す。
そして、同時刻における、上記切り出した所定の区間の外乱トルクと実トルクと操舵角から、インピーダンスを計算する。続いて、事前に設定したリラックス状態のインピーダンスである事前のインピーダンスの低周波成分に対する、上記計算したインピーダンスの低周波成分の差である差分値を求め。その差分値から筋力を推定する。
なお、上記推定した筋力は記憶部に記憶する。
そして、推定した筋力に基づき、腕に力が入っている時間をカウントし、筋力推定値が筋力持続曲線の右上にあるとき、疲労すると判定する。
ここで、ステアリングホイール7は、操作子を構成する。外乱トルク信号検出部14は外乱トルク検出手段を構成する。インピーダンス計測部16はインピーダンス推定手段を構成する。疲労度推定部18は疲労度推定手段を構成する。外乱トルク信号検出部14は、外乱トルク付与手段を構成する。腕の状態計測部18は、把持位置検出手段を構成する。カメラ11は、運転姿勢検出手段を構成する。
(1)外乱トルク信号検出部14は、車両に対し運転指示を与えるための操作子に入力する外乱トルクを検出する。インピーダンス計測部16は、上記外乱トルク信号検出部14が検出する外乱トルクに対する上記操作子を操作する運転者のインピーダンスを推定する。疲労度推定部18は、予め設定若しくは計測した事前のインピーダンスと上記インピーダンス計測部16が推定したインピーダンスとの差に基づき、運転者の疲労度を推定する。
基準となる事前のインピーダンスとの差分によって運転者の疲労度を推定する。これによって運転者のインピーダンスの推定精度が向上して、より精度良く運転者の疲労度を推定することが可能となる。
なお、操作子に入力する外乱トルクは弱い負荷反力で構わないので、運転者の操作を邪魔しないようにすることが可能である。
基準となる事前のインピーダンスとして、運転者がリラックスしていると推定されるときのインピーダンスを使用することで、その分、差分を大きく取れる(分解能を大きくできる)結果、運転者の疲労度の推定精度が向上する。
(3)外乱トルク付与手段は、上記インピーダンスの推定に使用する外乱トルクを上記操作子に付与する。
これによって、操作子に対し外乱トルクが入力していない状態でも、運転者のインピーダンスを推定可能となる。
補正は、疲労度の判断閾値を補正したり、差分値から疲労を求めるための感度を変更したりすることで実施する。
上記差分値が同じでも把持位置によって疲労状態が異なる。これに対し、把持位置によって補正することで、疲労推定の精度が向上する。
なお、手の位置に応じて、力を入れているか抜いているかが検出し難いインピーダンス計測結果については、疲労推定を行わないようにして、運転者に不必要な情報を提供しないことが好ましい。
上記差分値が同じでも運転者の肘位置によって疲労状態が異なる。これに対し、運転車の肘位置によって補正することで、疲労推定の精度が向上する。
腕が伸びているか曲がっているかによって、つまり肘の位置によって、差分値が同じでも実際のインピーダンスが異なる。これに基づき、運転者の体幹に対する肘の位置に応じて補正量を変更することで、疲労推定の精度が向上する。
6 反力装置コントローラ
7 ステアリングホイール(操作子)
8 トルクセンサ
10 筋力計算/指示装置利用判定装置
11 運転者用カメラ
13 指示装置
14 外乱トルク信号検出部
15 筋の状態計測部
16 インピーダンス計測部
17 筋力推定部
18 疲労度推定部
19 指示装置利用の判定部
Claims (6)
- 車両に対し運転指示を与えるための操作子に入力する外乱トルクを検出する外乱トルク検出手段と、
上記外乱トルク検出手段が検出する外乱トルクに対する上記操作子を操作する運転者のインピーダンスを推定するインピーダンス推定手段と、
予め設定若しくは計測した事前のインピーダンスと上記インピーダンス推定手段が推定したインピーダンスとの差に基づき、運転者の疲労度を推定する疲労度推定手段と、を備えることを特徴とする運転者の疲労推定装置。 - 上記事前のインピーダンスは、運転者がリラックスしていると推定されるときに計測した値であることを特徴とする請求項1に記載した運転者の疲労推定装置。
- 上記インピーダンスの推定に使用する外乱トルクを上記操作子に付与する外乱トルク付与手段を備えることを特徴とする請求項1に記載した運転者の疲労推定装置。
- 上記操作子はステアリングホイールであり、
運転者による上記ステアリングホイールの把持位置を検出する把持位置検出手段を備え、
上記疲労度推定手段は、推定する疲労度を、把持位置検出手段が検出する把持位置によって補正することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した運転者の疲労推定装置。 - 運転者の運転姿勢を検出する運転姿勢検出手段を備え、
上記疲労度推定手段は、推定する疲労度を、運転姿勢検出手段が検出する運転姿勢に基づく肘位置によって補正することを特徴とする請求項4に記載した運転者の疲労推定装置。 - 上記肘位置による補正は、運転者の体幹に対する肘の位置に応じて補正量を変更することを特徴とする請求項5に記載した運転者の疲労推定装置。
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