JP5621559B2 - 移動体の操舵反力調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者が操舵する操作子に付加する操舵反力を、運転者の腕の疲労状態に応じて調整する技術に関する。
特許文献1には、操舵反力を感じる筋である上腕三頭筋の筋電位を検出し、その上腕三頭筋の筋状態が設定値以上に大きく活動を開始する状態になった場合に報知することが開示されている。また、シート位置及びステアリング位置に基づき操舵特性や判定値を補正する。これは、着座姿勢に基づく上腕三頭筋の疲労を考慮したものである。
特開2004−344356号公報
腕が受ける操舵反力は、操舵状態に応じて腕の筋肉でも上腕三頭筋以外の異なる筋肉が主体となって受け持つ。このため、上腕三頭筋だけの筋活動(筋電)を計測していても操舵状態に応じた腕の疲労を精度よく検出できない。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、運転者の疲労状態により適した操舵反力に近づくように当該操舵反力を調整可能とすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、筋骨格モデルに基づいて求めた運転者の腕の複数の筋の筋力から、各筋の疲労度を推定する。そして、推定した複数の筋の疲労度と操作子の操舵状態とに基づき、操作子に付加する操舵反力を調整する。
本発明によれば、操舵状態に応じた腕の疲労度を精度よく検出可能となる。この結果、操舵状態に応じた運転者の疲労状態により適した操舵反力に近づくように、当該操舵反力を調整することが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る車両の概要を説明する構成図である。 本発明に基づく実施形態に係るシステム構成図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る対象とする筋肉を示す図である。 外乱トルク検出部の機能構成を説明する図である。 外乱トルクAを説明する図である。 外乱トルクBを説明する図である。 インピーダンス計測のブロック図である。 インピーダンスの周波数特性を示す図である。 筋骨格モデルのモデルを求める概念図である。 筋骨格モデルの例を示す図である。 推定値算出部の機能構成を説明する図である。 筋モデルを説明する図である。 長さ変化と力の関係を示す図である。 収縮速度と力の関係を示す図である。 収縮要素の刺激と活性化関係の経時変化を示す図である。 収縮要素の力と長さの関係を示す図である。 並列弾性要素の力と長さの関係を示す図である。 数式を示す図である。 腕の粘弾性のモデルを示す図である。 筋力推定部の機能構成を説明する図である。 筋力持続曲線に基づく疲労状態推定を説明する説明図である。 筋力推定値のパワースペクトルに基づく疲労状態推定を説明する説明図である。 ベースとなる操舵反力特性マップを説明する図である。 三角筋前部が疲労したときの反力制御方法を説明する説明図である。 上腕二頭筋・三角筋後部が疲労したときの反力制御方法を説明する説明図である。 前腕部・上腕三頭筋が疲労したときの反力制御方法を説明する説明図である。 複数の筋が疲労したときの反力制御方法を説明する説明図である。 車両状態に応じた操舵反力の変更を説明する説明図である。 疲労推定部及び反力調整部の処理を説明するフローチャートの説明図である。 各筋の筋力推定説明する図である。 インピーダンスの計測を説明する図である。 2つの筋が疲労した状態を示す概念図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態では、操舵する操作子としてステアリングホイールを例示して説明する。操舵用の操作子は、ステアリングホイールに限定されず、レバー状の操作子などであっても構わない。
図1は、本実施形態に係る反力調整装置を搭載した車両を説明する概念図である。
図1中、符号1は、運転者が操舵する操作子としてのステアリングホイールである。ステアリングホイール1はステアリングを介してステアリングギヤ機構2に連結する。ステアリングギヤ機構2は、ステアリングの回転を、ラック/ピニオン機構などの機構によって車幅方向(横方向)の動きに変換して、転舵輪3を転舵する。
符号4は反力装置モータ角センサである。反力装置モータ角センサ4は、ステアリングコラムシャフトと操舵反力用アクチュエータ5の間に設置されたモータ角センサであって、回転するステアリングの現在の角度を検出して出力する。
符号5は、操舵反力用アクチュエータである。操舵反力用アクチュエータ5は、ステアリングコラムに設置されたモータである。操舵反力用アクチュエータ5は、運転者がステアリングホイール1を回転するのに要する力を増幅してアシストしたり、タイヤ側から入ってくる不要な外乱を減少したりするに利用可能な装置である。操舵反力用アクチュエータ5は、操舵反力用コントローラ6からの指令に応じた制御電流を入力することにより、目的とする反力をステアリングに入力可能となる。
操舵反力用コントローラ6は、目標とする操舵反力&操舵角に応じた制御電流を出力する。操舵反力用コントローラ6は、上記アクチュエータ5を駆動するため制御装置である。操舵反力用コントローラ6については後述する。
符号7はステアリングに設けられたトルクセンサである。トルクセンサ7は、運転者がステアリングホイール1を操舵することで発生する力を計測するためのセンサである。
符号30は操舵角センサである。操舵角センサ30は、ステアリングホイール1の操舵角を検出して、操舵反力用コントローラ6に出力する。
符号8は運転者用カメラである。運転者用カメラ8は、運転者の姿勢を検出するための撮像デバイスである。カメラ8としては、CCDカメラやCMOSカメラなどが例示出来る。
符号9はタイヤ横力検出センサである。タイヤ横力検出センサ9は、タイヤに働く横力を計測するセンサである。
符号10は運転者に報知を行う指示装置である。
符号31は運転支援装置である。運転支援装置31は、オートクルーズ制御や自動制動制御、車線逸脱制御などの運転者の運転を支援する制御を行う装置である。
上記操舵反力用コントローラ6は、コンピュータから構成されている。その操舵反力用コントローラ6の処理を機能的に記載すると、図2に示す構成となっている。
すなわち、操舵反力用コントローラ6は、筋力検出部11と、疲労推定部12と、反力調整部13とを備える。
筋力検出部11は、筋骨格モデルとアドミタンス計測手法をもちいて、運転者の肩部から手までに位置する腕の筋肉のうちから選択した複数の筋の筋力を推定する。本実施形態では、筋骨格モデルは、予め車両に搭載した記憶部などに設定されている。
本実施形態では、筋力及び疲労度を検出する筋肉として、図3のような、三角筋前部、三角筋後部、上腕二頭筋、上腕三頭筋、橈側手根屈筋(前腕部)、尺側手根伸筋(前腕部)の6つの筋肉を対象とした場合で例示する。
疲労推定部12は、筋力検出部11の推定結果に基づき、上記6つの筋肉の疲労度を求める。疲労推定部12は、例えば筋力推定値の絶対値と持続時間から、疲労状態を推定する。
反力調整部13は、筋毎に求めた疲労度によって、疲労している筋部位と操舵状態とに応じて操舵反力を調整した後に、アクチュエータ5に制御指令を出力する。
操舵状態は、操舵角センサ30からの信号に基づき判定する。本実施形態では、実施形態に関係する操舵状態を保舵時と転舵時とする。
ここで、上記6つの筋肉の役割などについて説明する。
6つの筋肉の役割は表1に示す通りである。
Figure 0005621559
表1に示すように、肩関節部にある三角筋は大きな筋肉であり、腹側(三角筋前部)と背側(三角筋後部)で役割が異なる。三角筋前部は腕の自重を支える役割がある。三角筋後部はステアリングホイール1の切り込みに使われる。
また、上腕二頭筋と上腕三頭筋は、上腕にある二つの大きな筋肉がある。上腕二頭筋は、腕を伸ばす動作に使用される。上腕三頭筋は、上腕二頭筋と腕を曲げる動作に使用される。運転操作においては、上腕二頭筋はステアリングホイール1の切り込みに使用される。また、上腕三頭筋はステアリングホイール1を押さえ込むのに使用される。ここで述べる押さえ込みとは、路面外乱などによりステアリングホイール1が意図に反して回転するときに運転者がハッとなってステアリングホイール1を握る動作だけでなく、ステアリングホイール1の回転を止めるためにステアリングホイール1を握る動作も意味する。橈側手根屈筋と尺側手根伸筋は、前腕存在する幾つか大きな筋肉のうちの2つの筋肉である。橈側手根屈筋と尺側手根伸筋は、ステアリングホイール1を強く握る動作において活動し、その活動はステアリングホイール1を押さえ込む際に顕著になる。
次に、上記のような役割を持った6つの筋肉の疲労を検出した場合に、その疲労検出部位と操舵状態に応じてどの様に反力制御するかを表2に記す。
Figure 0005621559
操舵状態は保舵と転舵とに分けられる。そして、表2のように、操舵状態に応じて疲労している筋毎に付加する付加反力を決定して、ベースとなる操舵反力特性を補正することで操舵反力を調整する。
上記筋力検出部11は、図2に示すように、外乱トルク付与部11A、硬さ推定部11B、操舵反力取得部11C、姿勢取得部11D、推定値算出部11E、筋力推定部11Fを備える。
外乱トルク付与部11Aは、運転者の筋力を推定するために、外乱トルクを付与する。硬さ推定部11Bは、アドミタンス計測手法によってステアリングホイール1を握る腕の硬さを測る。操舵反力取得部11Cは、筋骨格モデルで筋力を推定するために操舵反力を取得する。姿勢取得部11Dは、筋骨格モデルで筋力を推定するために姿勢を取得する。推定値算出部11Eは、操舵反力と姿勢を筋骨格モデルに入力して、6つの筋肉の筋力を推定する。冗長性があるため、推定結果は複数解になる。筋力推定部11Fは、6つの筋の筋力として最適値を求める。
更に詳説する。
上記外乱トルク付与部11Aは、ステアリングホイール1に目的の反力を付与する。外乱トルク付与部11Aは必ずしも必要でない。ステアリングホイール1に路面などから所要の外乱が入力する場合には、その外乱を反力として利用することができる。
硬さ推定部11Bは、ステアリングホイール1を操舵する際に使用される運転者の筋骨格部の硬さ状態を推定する。本実施形態の硬さ推定部11Bは、具体的には、上記ステアリングホイール1に反力が入力されたときの筋骨格部全体の筋肉による抵抗(抑え込み)状態の特性を硬さ状態として取得する。上記特性は、本実施形態では周波数特性とする。硬さ推定部11Bは、推定した硬さ状態の情報を筋力推定部11Fに出力する。
本実施形態の硬さ推定部11Bは、図2に示すように、外乱トルク検出部11Baと抵抗特性検出部11Bbとを備える。外乱トルク検出部11Baは、上記ステアリングホイール1に入力する外乱トルクを検出する。抵抗特性検出部11Bbは、上記外乱トルク検出部11Baが検出する外乱トルクに対する上記筋骨格部の抵抗特性であるインピーダンスを上記硬さ状態として検出する。
上記外乱トルク検出部は、例えば図4に示すように、外乱トルク信号検出部11Ba−1及びタイヤ発生トルク信号検出部11Ba−2を備える。
タイヤ発生トルク信号検出部11Ba−2は、セルフアライニングトルクを推定する。推定方法は、タイヤ横力とキャスタトレールの積から、転舵輪3に発生しているセルフアライニングトルクを推定する。
外乱トルク信号検出部11Ba−1は、過去一定時間の実測トルク信号、および、セルフアライニングトルクと路面外乱、横風外乱によってタイヤに働く力の信号(タイヤ発生トルク信号)から、つまり、タイヤ発生トルク信号と実測トルクの履歴から、運転者のインピーダンス計測に利用できる所定の外乱トルクを検出する。タイヤ発生トルク信号の車両信号はタイヤ発生トルク信号検出部11Ba−2から取得する。
計測に利用するタイヤ発生トルク信号、及び、実測トルクの検出条件は以下の通りとする。
すなわち、1Hz〜100Hzの周波数において、実測トルクとのコヒーレンスが0.9以上で、セルフアライニングトルクの方が位相が早い場合を検出条件とする。
この検出条件を満たさない場合は、外乱トルク付与部11Aは、事前に準備した外乱トルク信号を利用する。すなわち、外乱トルク付与部11Aは、操舵反力用アクチュエータ5を介して、予め設定した大きさの外乱トルクをステアリングホイール1に伝達する。
また本実施形態の抵抗特性検出部(インピーダンス計測部とも呼ぶ)は、対象とする筋骨格部における筋全体のインピーダンスを計測する。ここで、インピーダンス計測には幾つか手法がある。本実施形態の抵抗特性検出部は、外乱トルクを用いた腕の周波数特性を求める手法を用いる。すなわち、抵抗特性検出部は、操舵角、実測トルク、外乱トルクを入力信号として、外乱トルクをステアリングホイール1に加えながら、実測トルクと操舵角を計測する。もしくは、タイヤ発生トルク信号検出部11Ba−2の処理を実行しながら、実測トルクと操舵角を計測する。同時刻に得られた、つまり対応関係にある外乱トルク、実測トルク、操舵角の信号に基づき、インピーダンスを計算する。ここで、外乱トルクTaと実測トルクTbのクロススペクトルを、外乱トルクと操舵角のクロススペクトルで除した値を、インピーダンスとする。すなわち、下記のインピーダンス計算式によって、インピーダンスを計算する。
インピーダンス計算式:
Hnms=−STaTb/STax [Nm*Nm/Nm*deg]
そして、外乱トルクに対する上記筋骨格部の抵抗特性であるインピーダンスを上記硬さ状態とする。
ここで、インピーダンスの算出方法は、次の1)〜3)の3つに分類される。
下記1)と2)は、粘性、弾性、慣性を求めた後、2次の伝達関数に代入して、その周波数特性を求めることでインピーダンスが決まるため、粘性、弾性、慣性の求め方のみ記す。また、3)は、粘性、弾性、慣性を求めず、直接、周波数特性を求める手法である。
(インピーダンス算出方法)
1)連立方程式による算出方法
予め設定した所定の時間間隔で計測した実測トルクから粘性、弾性、慣性を変数とする連立方程式を解くことでインピーダンスを算出する。
2)粘性、弾性、慣性を個別に測ってインピーダンスを算出する方法である。
ここで、弾性は、ステアリングホイール1にステップ状の外乱トルクを加えて計測する。粘性は、一定速度でステアリングホイール1を回転させて計測する。慣性は、腕の重さ、体積を参考値として求める。
3)外乱トルクをステアリングホイール1に加えながら、実測トルクと操舵角を計測することでインピーダンスを算出する方法である。
3−1)運転者が操舵するステアリングホイール1に外乱トルクを加える。
3−2)ステアリングホイール1に発生する実測トルクと操舵角の変移量を計測する。
3−1)と3−2)の周波数特性の比較から、運転者の身体のインピーダンス情報を得る。
上述のインピーダンス算出方法のうちでは3)が最も精度よく、インピーダンスを計測できる。これに基づき、本実施形態では、3)の方法によってインピーダンスを計測(算出)する。このインピーダンス算出方法は、ステアリングホイール1に伝達される外乱トルクを利用する。
ここで、対象とする外乱トルクとしては次のものを採用すればよい。
A)予め設定した所定の信号:0〜100Hzの周波数帯による正弦波を位相をずらして畳み込んだ擬似M系列、スイープ波形、ホワイトノイズ、など(図5参照)
B)車両の走行データから得た外乱トルク
この外乱トルクBは、例えば、タイヤからステアリングホイール1に伝わる力、若しくは、ステアリングホイール1からタイヤに伝わる力の時系列データをメモリに記録する。そして時系列データの波形が予め設定した所定の形状、所定のスペクトルになるとき、外乱トルクとして利用する(図6参照)。
図7は、運転者が操作子であるステアリングホイール1を握っている状態で、ステアリングホイール1に繋がっているアクチュエータ5で外乱トルクを加えた場合の模式図である。
この模式図中
Ta:外乱トルク
Tb:実測トルク
Tc:外乱トルクと実測トルクの差分値(=Ta−Tb)
x:操舵角
である。
このとき、運転者のインピーダンスは、「−STaTb/STax(外乱トルクと実測トルクのクロススペクトルを、外乱トルクと操舵角のクロススペクトルで除した値)」から求めることが出来る。図8にインピーダンス計測結果の例を示す。この図から、腕に入っている力の状態、つまり筋骨格部の硬さの状態を推定することが出来る。例えば、ステアリングホイール1を握る力が増すと1Hz以下の周波数帯域でインピーダンスが上がることが確認できる。
ここで、上述の外乱トルクAとしてのホワイトノイズの与え方について補足する。
粘性と弾性がインピーダンスに及ぼす影響は低周波側に限定されるが、慣性の影響は比較的に高周波まで影響する。
このため、精度よく運転者のインピーダンスを測る場合には、下記の仕様でホワイトノズルとしての外乱トルクを発生する。
・周波数帯:0Hzの低周波から100Hzの高周波まで
・波の種類:正弦波、三角波、方形波
・トルク:ステアリングホイール1が動き出すレベルを下限値、運転者がオーバーライドできる限界を上限値とする。この範囲であれば、運転者のインピーダンスを計測できると推定される。
・ステアリングホイール1の回転させ方については、外乱トルクを生成する途中で、異なる波の信号を位相をずらすか、ずらさないかによって、回転のさせ方は違う。
位相をずらす場合には、0〜2piの間で位相をランダムにふる。位相をずらす場合には、長時間計測になりがちであるので、計測は直進時、一定保舵時のみに行うことが好ましい。
一方、位相をずらさない場合には、同位相で信号を重ね合わせる。位相をずらさない場合には、短時間計測が可能であるので、計測時の走行シーンは、位相をずらす場合よりも緩やかとなる。
ここで、簡易に運転者のインピーダンスを測る場合には、次のように実施すればよい。
すなわち、所定の周波数以上の値だけを用い、運転者の全周波数帯のインピーダンスを計測する。腕の位置は連続的にしか変化しないため、予め決めた周波数以上の信号だけを用いて、全周波数帯のインピーダンスを計測することができる。たとえば、運転者は共振周波数以下でステアリング操作をすることがほとんどである。そして、共振周波数は1Hz近辺に現れることが多い。したがって、1Hz以上の信号だけを使って0〜100Hzのインピーダンスを計測できる。1Hz以上の反力の変化は運転者が気付き難いため計測による不快感は少ない。また、高周波成分だけを用いると計測時間が短くてすむ。
なお、外乱トルクは、ステップ応答やスイープ波形で付与しても良い。
操舵反力取得部11Cは、運転者がステアリングホイール1を操舵するときに受ける操舵反力を取得する。
姿勢取得部11Dは、図9に示すように、上記ステアリングホイール1を操舵する際に主に使用される運転者の筋骨格部の骨格姿勢の情報を取得する。姿勢取得部11Dは、例えば車両に取り付けられた1又は2以上のカメラ8(撮像部)が撮像した画像を画像処理する画像処理部11Daを備える。主として肩から手までの腕の筋骨格部が対象となる。そして、カメラ8が、運転者の対象とする筋骨格部を撮像する。画像処理部11Daは、カメラ8が撮像した画像を画像処理することで、対象とする筋骨格部を構成する各関節の角度及び位置、さらには、関節間の距離などの姿勢を特定する姿勢情報を演算する。画像処理部11Daは、演算した姿勢情報を推定値算出部11Eに出力する。
推定値算出部11Eは、姿勢取得部11Dが演算した姿勢情報と操舵反力取得部11Cが取得した操舵反力を入力値として、筋骨格モデルによる運転方程式から、対象とする筋骨格部の筋力値に関わる推定値を求める。
筋骨格モデルは、図10や図9(c)に示すような、剛体からなる複数の骨格をリンク構造で連結した骨格モデルと、その骨格モデルの骨格上に張られた筋・腱・靱帯系ワイヤモデル(単に筋モデルと呼ぶ)とからなる。筋モデルは、筋肉を、収縮力を発揮するアクチュエータ5としてモデル化したものである。そして、上記筋骨モデルを表現する運転方程式を計算することで、各筋の筋力値に関わる推定値を求めることが出来る。筋力値に関わる推定値は、筋力値、筋の粘性、弾性、慣性に関する値でもよい。ただし、冗長性があるので、境界条件として、何らかの評価関数や拘束条件を設定する必要がある。
また、筋骨格モデル用のデータベースを備える。データベースには、例えば、対象とする筋骨格部の各筋の特性(標準の最大筋力値など)や、姿勢に応じた筋負担比などの運動方程式で使用するデータが格納されている。
上記推定値算出部11Eは、例えば、姿勢取得部11Dが演算した姿勢情報に基づいて、対象とする筋骨格部の骨格モデルの関節位置を特定して、操舵反力に対する各関節部の関節トルクを求め、また、上記姿勢情報から、各筋の長さなどから各筋の筋力の発生可能な範囲とか、各筋の負担比率である筋力比を推定し、運動方程式に基づき逆動力学計算を実施して筋力の推定値を演算する。このとき、不定要素のある冗長度のある計算となる。本実施形態では、最適化を行うことなく、複数の妥当と思われる推定値を演算する。
本実施形態の推定値算出部11Eは、図11に示すように、筋個別の粘弾性推定部11Ea、及び伝達関数算出部11Ebを備える。筋個別の粘弾性推定部11Eaは、車内の計算機に登録されている筋骨格モデル、若しくは、車外に設置されたサーバに登録されている筋骨格モデルをネットワーク経由で参照して、腕の上記6つの筋に発生する筋単体の粘性、弾性、慣性を推定する。粘弾性推定部11Eaは、運転者の関節位置、関節角度、及び操舵角、実測トルクを入力信号とし、演算結果として、粘性、弾性、慣性を出力する。ここで、求まる筋個別の粘性、弾性、慣性は複数解となる。例えば、2つの筋で構成される関節がある場合、関節にかかる回転モーメントを逆力学的計算により2つの筋に配分する場合、配分の組み合わせは複数存在する。
伝達関数算出部11Ebは、腕を構成する複数の筋の伝達関数を一つに統合した伝達関数において、その伝達関数と、筋個別の粘弾性推定部11Eaで求めた粘性、弾性、慣性の解を基に、腕の伝達関数を算出する。ここで、上記算出する伝達関数は、筋個別の粘弾性推定部11Eaで求めた解の数だけ存在する。この伝達関数が推定値を構成する。
ここで、筋モデルとして、図12で示すモデルを想定する。この筋モデルは、筋単体の筋力を計算するためのものである。また、収縮要素CCは粘性に、総合の弾性要素は弾性に対応する。またどの筋をモデル化したかによって慣性が決定する。
そして、筋毎に、時間ステップΔt毎に次のような演算を行う。
まず対象とする筋肉に対して、収縮要素と直列要素の筋パラメータを得る。また、筋長と刺激入力を得る。次に、収縮要素の活性化レベルと長さを前の時間ステップから得る。また、直列弾性要素の長さと張力の前の時間ステップから得る。
次に、筋モデルのサブルーチンを呼び出し、次の1〜4の処理を行うことで、筋個別の粘性、弾性、慣性を求める。
1.直列弾性要素張力=f(直列弾性要素長)
これは図13のような関係にある。
収縮要素の力 =直列弾性要素張力
2.収縮要素の活性化レベル=f(刺激)
3.収縮要素速度=f(収縮要素の力、活性化レベル、長さ)
4.収縮要素長=∫収縮要素速度dt
上記2〜4は、図14〜図17の関係にある。
図18に基となる関係式を示す。
次に、腕を構成する複数の筋の伝達関数を一つに統合した伝達関数において、その伝達関数と筋個別に求めた粘性、弾性、慣性の解とを基に、腕の伝達関数を算出する。続いて、その算出した腕の伝達関数についての周波数特性(ゲイン特性、位相特性)を得る。
ここで、腕の粘弾性の式及び伝達関数について説明する。
腕の関節は2次系のシステムであり、図19(a)に示すようなマスバネモデルで表現することが出来る。
すなわち、このマスバネモデルは、図19(b)に示すような、粘性と弾性を有する。なお、腕の質量を慣性とする。
そして、運転者が目標角αに対しハンドル角θで腕を動かすとき、下記のような(式1)で表現できる。なお、2次系のシステム以外でも、粘性、慣性、弾性相当のパラメータを近似的に求めることが可能であれば、厳密に(式1)に従わなくても構わない。
Figure 0005621559
この(式1)に対応する伝達関数は、下記の(式2)で表すことが出来る。なお、ゲインG0、減衰比ζ、共振周波数ωn 2は、運転者の粘性・弾性・慣性のパラメータを含む。
Figure 0005621559
筋力推定部11Fは、硬さ推定部11Bが推定する硬さの状態と、推定値算出部11Eが求める推定値とに基づき上記6つの筋肉の筋力を推定する。
本実施形態の筋力推定部11Fは、図20のように、周波数特性比較部11Faと筋個別の筋力計算部11Fbとを備える。
周波数特性比較部11Faは、伝達関数算出部11Ebで求めた各伝達関数の周波数特性(ゲイン特性、位相特性)についてインピーダンス計測部で計測したインピーダンスのゲイン特性、位相特性とを比較する。この比較結果は、粘弾性推定部11Eaで求めた解(推定値)の数だけ存在するが、インピーダンス計測部で求めたインピーダンスのゲイン特性と位相特性に最も近しい解を最適解とする。なお、比較は少なくともゲイン特性を使用して比較すればよい。
筋力計算部11Fbは、周波数特性比較部11Faで求めた粘性、弾性、慣性、筋個別の状態(筋の長さ、筋の収縮速度など)から、各筋の筋力を求める。筋の長さと収縮速度は、予め設定した所定の値を用いる。
次に、疲労推定部12について説明する。
疲労推定部12は、上記筋力推定部11Fが推定した各筋の筋力推定値に基づき、各筋の疲労度を推定する。
ここで、各筋の疲労度を推定する方法として、次の2つの方法の少なくとも一方を使用する。
(第1の疲労度推定方法)
疲労推定部12は、推定した筋力の累積値が予め設定した値以上の場合に、疲労度の推定を行い。筋力推定値の絶対値と持続時間から疲労度を推定する。
この方法では、図21に示すように、筋力推定値を縦軸、筋力の持続時間を横軸である筋力持続曲線を利用する。長年の医学の進歩により、筋力さえ分かればだいたいどのくらいの時間、力をいれ続けていられるかが分かってきた。性別や体格によってばらつきはあるものの曲線はおよそ図21のような波形になる。なお、各筋毎に実験その他によって図12のようなマップを用意する。図21における斜線で示す部分は、力をいれ続けることができない領域、即ち、疲労状態を意味する領域である。疲労状態の領域にどのくらい停留しているかによって、筋疲労から回復するまでにかかる時間、つまり疲労度を求めることが出来る。
すなわち、筋力推定値の絶対値の累積値から図21における斜線部分である疲労状態の領域(予め設定した値)に入ったことを検出すると疲労度の推定を開始し、上記疲労状態の領域(予め設定した値)に停留している時間によって、その筋の疲労度を推定する。
(第2の疲労度推定方法)
疲労推定部12は、推定した筋力の状態を示すパワースペクトルの高周波成分が、予め設定した時間の間継続して予め設定した閾値を越えている場合に、疲労度の推定を行う。
この第2の方法は、図22に示すように、筋力の時系列データをフーリエ変換して求めたパワースペクトルから求める手法である。筋肉が疲労すると、図22に示すように、パワースペクトルは、点線から実線にかわる(低周波成分のパワーが下がり、高周波成分のパワーがあがる)。本知見を基づき、数10Hz以下のパワースペクトルの平均値が予め設定した値以上で、かつ、数10Hzより大きな周波数のパワースペクトルの平均値が予め設定した閾値以上になった場合に疲労していると推定することができる。
これに基づき、推定した筋力の状態を示すパワースペクトルの高周波成分が、予め設定した閾値を越えている場合に、疲労度の推定を開始し、予め設定した閾値を越えている継続時間に基づき疲労度を推定する。
次に、反力調整部13について説明する。
また、反力調整部13は、図2に示すように、疲労筋数選択部13A、反力制御値の決定部13B、第1の補正部13C、第2の補正部13D、反力制御部13E、休憩促し部13F、疲労時間演算部13G、運転支援装置作動部13Hを備える。
疲労筋数選択部13Aは、疲労推定部12の推定結果に基づき、6つの筋肉のうち幾つの筋肉が疲労状態にあるか判定する。
反力制御値の決定部13Bは、疲労部位(疲労している筋肉)と操舵状態とに応じて操舵反力を決定する。
第1の補正部13Cは、操舵角・操舵角速度に基づき 操舵反力を補正する。第1の補正部13Cは、操舵角・操舵角速度に応じて、操舵反力を補正する。
具体的には、操舵反力に対して、操舵角が大きいほど大きい値となる関数f1(操舵角)、操舵角速度が大きいほど大きい値となる関数f2(操舵角速度)を下記のように乗算することで補正する。
操舵反力 ← 操舵反力×f1(操舵角)×f2(操舵角速度)
第2の補正部13Dは、横G・ロール・車速に基づき操舵反力を補正する。第2の補正部13Dは、横G・ロール・車速に応じて操舵反力を補正する。
具体的には、操舵反力に対して、横G・ロール・車速がそれぞれ大きいほど大きい値となる関数であるf3(横G)、f4(ロール)、f5(車速)を下記のように乗算することで補正する。
操舵反力 ← 操舵反力×f3(横G)×f4(ロール)×f5(車速)
反力制御部13Eは、算出した操舵反力となるように、操舵反力用アクチュエータ5を反力制御する。
休憩促し部13Fは、操舵状態が保操時、かつ、三角筋前部が疲労状態にあるとき、指示装置10を介して運転者に休憩を促す。
疲労時間演算部13Gは、疲労状態が予め設定した時間継続している場合には、運転支援装置31の利用を勧める報知信号を指示装置10に出力する。指示装置10は、上記報知信号を入力すると、表示や音声などによって運転支援装置31の利用を勧める報知を行う。
運転支援装置作動部13Hは、予め設定した数(例えば2個)以上の筋肉が疲労状態であると判定すると、運転支援装置31に作動信号を出力して、運転支援装置31を自動的に作動状態とする。
次に、上記反力制御値の決定部13B、第1の補正部13C、第2の補正部13Dによる操舵反力に演算について説明する。
疲労状態を検出していない場合には、図23に示すような、舵角と操舵トルクから求めるベースとなる操舵反力特性マップから、ベースとなる操舵反力を求める。
一方、三角筋前部が疲労状態にあると判定した場合には、図24に示すように上記ベースとなる操舵反力特性マップを補正して操舵反力を調整する。すなわち、操舵状態が保舵時の場合には、休憩促し部13Fによって休憩を促し、操舵反力特性マップを変更する処理を行わない。一方、操舵状態が転舵時と判定した場合には、図24(b)に示すように、ステアリングホイール1を切り易くするため、太線の様に操舵反力を小さく補正をして操舵反力を調整する。なお、疲労度が大きいほど補正量を大きくして補正するようにすることが好ましい。
また、上腕二頭筋及び三角筋後部の少なくとも一方が疲労状態であると判定した場合には、図25に示すように上記ベースとなる操舵反力特性マップを補正して操舵反力を調整する。すなわち、操舵状態が保舵時の場合には操舵反力を補正することを実施しない。一方、上腕二頭筋及び三角筋後部の少なくとも一方が疲労状態であると判定した場合に、操舵状態が転舵時と判定した場合には、ステアリングホイール1を切り易くするために、図26中の太線で示すように反力を小さく補正をして操舵反力を調整する。なお、疲労度が大きいほど補正量を大きくして補正するようにすることが好ましい。
また、前腕部の筋肉である橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、及び上腕三頭筋の少なくとも一つの筋肉が疲労状態と判定した場合には、図26に示すように上記ベースとなる操舵反力特性マップを補正して操舵反力を調整する。すなわち、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、上腕三頭筋のいずれかの筋肉が疲労状態と判定した場合に、操舵状態が保舵時と判定すると、図26に示すように、太線のように反力が大きくなるように補正をして操舵反力を調整する。これによって、ステアリングホイール1が回転し難くなるため、運転者は力を入れてステアリングホイール1の回転を押さえ込む必要がなくなる。また、操舵状態が転舵時の場合には、操舵反力を補正することを実施しない。
ここで、複数の筋肉が疲労状態の場合には、操舵状態に応じて、下記の優先順位にて、ベースとなる反力特性マップに対し各筋に対応する付加反力を付加する補正を行った操舵反力を調整する。
保舵時:前腕部の筋、上腕三頭筋 >上腕二頭筋・三角筋後部 >三角筋前部
転舵時:上腕二頭筋・三角筋後部 >前腕部の筋・上腕三頭筋 >三角筋前部
例えば図27(a)に示すように、保舵時においては、前腕部の筋・上腕三頭筋の反力制御条件に従い、ベースとなる操舵反力マップに付加反力を加える。また、保舵から転舵に移行すると、上腕二頭筋・三角筋後部の反力制御条件に従い、図27(b)に示すように付加反力を加える。さらに、転舵から保持に移行して、「操舵角速度×実操舵トルク」が負となったことを検出すると、前腕部の筋・上腕三頭筋の反力制御条件に従い、図27(b)に示すように操舵反力マップに付加反力を加える。
また、図28に示すように、操舵角、操舵角速度、横G、ロール、車速が大きくなるほど、補正で付加する上記付加反力の振幅を大きくする。すなわち、操舵角度や操舵角速度が大きいときと小さいときでは、筋の活動量が異なる。これに基づき、上述のように、操舵角度や操舵角速度が大きいほど上記反力制御の変化量を大きくする方向に変更する。
ここで、操舵反力の上限値及び下限値を設け、その上限下限値の範囲に収まるように操舵反力を制限する。
次に、上記疲労推定部12及び反力調整部13の処理の一例を、図29に示すフローを参照して説明する。
なお、筋力検出部11は所定の制御周期で作動して、上述のように各筋の筋力を推定する。
上記疲労推定部12及び反力調整部13は、予め設定した所定の制御周期で作動し、先ずステップS7で、筋力検出部11から筋力推定値を入力して、ステップS8に移行する。
ステップS8では、各筋肉が疲労しているか否かを判定する。疲労している筋肉が1つ以上ある場合にはステップS31に移行する。疲労している筋肉が無い場合には復帰し、次の制御周期でステップS7が起動する。
疲労しているか否かは、例えば予め設定した時間での筋力の累積値が予め設定している筋力持続値よりも大きい場合に、疲労していると判定する。
ステップS31では、反力制御を行うスイッチがONか否かを判定する。反力制御を行わない場合(反力制御を行うスイッチがOFFの場合)には、そのまま処理を終了して復帰する。スイッチがONであり、反力制御を行う場合にはステップS9及びS26の処理を作動する。
ステップS9では、疲労している筋が2箇所以上存在する場合には、ステップS11に移行する。一方、疲労している筋が1箇所の場合にはステップS12に移行する。
ステップS11では、優先度パラメータ記憶部から、複数の筋肉が疲労状態にあるときに用いる優先度パラメータを読み込みステップS13に移行する。
一方ステップS12では、疲労部位が1箇所であり優先度を気にする必要が無いので、全ての優先度パラメータを1にする。その後ステップS13に移行する。
ステップS13では、三角筋前部が疲労状態か否かを判定する。三角筋前部が疲労状態の場合にはステップS16に移行する。一方、三角筋前部が疲労していない場合にはステップS14に移行する。
ステップS14では、上腕二頭若しくは三角筋後部が疲労状態か否かを判定する。上腕二頭若しくは三角筋後部が疲労状態の場合にはステップS18に移行する。上腕二頭及び三角筋後部が疲労状態で無い場合にはステップS15に移行する。
ステップS15では、前腕部の筋力若しくは上腕三頭筋が疲労状態か否かを判定する。前腕部の筋力若しくは上腕三頭筋が疲労状態の場合にはステップS19に移行する。一方、前腕部の筋力及び上腕三頭筋が疲労状態でない場合には、復帰して、次の制御周期でステップS7が起動する。
ステップS16では、操舵状態が保舵状態か否かを判定する。保舵状態の場合にはステップS17に移行する。一方、操舵状態が保舵状態でなく転舵状態であればステップS20に移行する。
ステップS17では、三角筋前部が疲労状態で操舵状態が保舵状態であるので、運転者に休憩を促す報知を行い、復帰して、次の制御周期でステップS7が起動する。
ステップS18では、操舵状態が保舵状態か否かを判定し、保舵状態の場合にはステップS20に移行し、保舵状態でない、つまり転舵状態であればステップS21に移行する。
ステップS19では、操舵状態が保舵状態か否かを判定し、保舵状態の場合にはステップS22に移行し、保舵状態でない、つまり転舵状態であればステップS21に移行する。
ステップS20では、操舵反力を小さくする付加反力指令(<0)を準備してステップS23に移行する。
ステップS21では、操舵反力を変更しない付加反力指令(=0)を準備してステップS23に移行する。
ステップS22では、操舵反力を大きくする付加反力指令(>0)を準備してステップS23に移行する。
ステップS23では、ステップS11若しくはステップS12で決定した優先パラメータに基づき、操舵状態に応じた優先順位が高い筋の疲労度の影響を大きくして最終的な付加反力指令値を演算する。優先順位は、先に説明したとおり、下記の通りである。
保舵時:前腕部の筋・上腕三頭筋 >上腕二頭筋・三角筋後部 >三角筋前部
転舵時:上腕二頭筋・三角筋後部 >前腕部の筋・上腕三頭筋 >三角筋前部
ステップS24では、ベースとなる操舵反力特性若しくは1サイクル前の制御周期での操舵反力に対し、ステップS23で決定した付加反力指令値を付加することで、操舵反力を調整する。
ステップS25では、操舵角・操舵角速度による補正を行う。具体的には、操舵角・操舵角速度に応じて、これらの値が大きいほどステップS24の反力の振幅が大きくなるように補正する。その後ステップS26に移行する。
ステップS26では、横G・ロール・車速による補正を行う、具体的には、操舵角・操舵角速度に応じて、これらの値が大きいほどステップS25の反力の振幅が大きくなるように補正する。その後ステップS27に移行する。
ステップS27では、ステップS26で決定した操舵反力とする指令値を操舵反力用アクチュエータ5に出力する。ただし、ステップS26で決定した操舵反力が予め決定した上限値を越えている場合には、当該上限値に補正する。ステップS26で決定した操舵反力が予め決定した下限値未満の場合には、当該下限値に補正する。その後ステップS32に移行する。
ステップS32では、運転者に操作指示等に基づき、今まで行ってきた一連の反力制御を全てリセットすると判定した場合にはステップS33に移行する。そうで無い場合には、そのまま復帰して次の制御周期でステップS7が起動する。
ステップS33では、反力制御のスイッチをOFFにした後に、復帰して次の制御周期でステップS7が起動する。
一方、ステップS28では、疲労している筋肉に対するカウントを開始する。そしてステップS28にて、疲労と判定している時間が予め設定した運転支援装置作動要求時間か否かを判定する。条件を満足する場合には、ステップS30に移行して、運転者に対して運転支援装置31の使用を促す報知を行うと共に、運転支援装置31に作動信号を供給する。その後、復帰して次の制御周期でステップS7が起動する。また、疲労している筋が複数ある場合にも、運転支援装置31に作動信号を供給する。
運転支援装置31は、上記作動信号を入力すると作動を開始若しくは作動を継続して、運転者の運転を支援する。
(動作その他)
操作子であるステアリングホイール1に働く反力(操舵反力)と、姿勢情報である関節位置から筋骨格モデルに基づき推定する場合には、筋力を正確に推定できないおそれがある。
例えば、図30の(a)と(b)とでは各筋肉の筋力が異なっていても、同じ操舵反力である「1(N)」がステアリングホイール1に付加される。このとき、図30のように、筋Aの筋力が2Nの場合と10Nの場合とでは、筋Bに発生している筋力は異なるはずである。しかしながら、このような腕の内部で相殺される力は、筋骨格モデルからは求めることが出来ない。
通常は予め設定した境界状態を適用して、筋推定値を演算しているが、上述のように、筋推定値の精度が悪い恐れがある。
これに対し、本実施形態では、この問題を解決するためには、腕の内部で相殺される力を、インピーダンス計測から推定して、より適切な筋推定値を得るようにしている。
インピーダンス計測は、図31のように、入力する外乱トルク回転しようとするステアリングホイール1の動きに拮抗する腕のインピーダンス(硬さ状態)を計測する。ここで、対象とする筋骨格部(身体)が硬い状態の場合には、ステアリングホイール1に外力が入力されてもステアリングホイール1は、入力した外力通りに動かない。これに基づき、ステアリングホイール1に入力する力と当該ステアリングホイール1の動き(位置や実際に発生した力など)から、運転者の身体の硬さ状態を計測することが可能である。
計測したインピーダンスは、外乱トルクに抵抗する身体部分(対処とする筋骨格部)の全体の筋力の状態であるので、対処とする筋骨格部における腕の内部力の情報を反映している。また、実際の筋力の実際の特性を示している。
これに基づき、この計測したインピーダンスの特性に近い筋推定値を選択することで、すなわち、筋骨格モデルとあわせることで、内部力も加味したより正確な筋推定値を推定できる。この結果、内部力の情報を含め、腕の各筋肉の筋力を精度よく推定できる。
そして、推定した各筋の筋力から各筋の疲労度を推定し、その疲労している筋肉の部位と操舵状態に応じて、上述の表2のように、反力の適切に変更している。
例えば、三角筋前部は腕の自重を支える筋肉であるが、三角筋前部が疲労状態にあるとき、腕の自重を支えることができないため保舵時に休憩を促し、転舵時には、操舵反力を小さく補正する調整を行ってステアリングホイール1を切りやすくする。図24参照)。
また、上腕二頭筋・三角筋後部はステアリングホイール1の切り込みに使われる筋肉であるが、上腕二頭筋が疲労状態にあるとき、保舵時に反力をかえず、転舵にうつると、操舵反力を小さく補正する調整を行ってステアリングホイール1を切り易くする(図25参照)。
また、前腕部の筋はステアリングホイール1を把持するのに使われる筋肉、上腕三頭筋は、ステアリングホイール1を止めるときに働く筋肉であるが、前腕部・上腕三頭筋が疲労状態にあるとき、保舵時には操舵反力を大きくする補正する調整を行い、転舵時には反力を変えないで(図26参照)。これによって、保舵時にはステアリングホイール1が回転し難くなるため、ドライバは力をいれてステアリングホイール1の回転を押さえ込む必要がなくなる。
この結果、様々な疲労状態に応じた操舵反力の調整を行うことが可能となる。
また、図32のように、複数の腕の筋肉が疲労状態である場合には、運転者に運転支援装置31の利用を促し、また、所定時間、疲労した状態が継続した場合には、自動的に運転支援装置31を作動させて、運転者の疲労状態を緩和する。
このように、筋肉の疲労検出部位と操舵状態に応じて、操舵反力を調整する。すなわち操舵状態によって各筋の操舵反力の調整を変更した。そして、転舵時には疲労を防ぐために反力を軽減し、保舵時には疲労を防ぐために反力を大きくし、その操舵状態に応じた疲労度の判定を行う筋肉を変更する。これによって、疲労状態を検出する精度の向上に貢献し、その結果として、様々な疲労状態に応じた操舵反力の調整場面を拡大することが可能となる。
ここで、ステアリングホイール1が操作子を構成する。操舵角センサ30が操舵状態検出手段を構成する。筋力推定部11Fが筋力推定手段を構成する。疲労推定部12が疲労度推定手段を構成する。反力調整部13が操舵反力調整手段を構成する。外乱トルク信号検出部11Ba−1が路面外乱推定手段を構成する路面外乱推定部となる。
(本実施形態の効果)
(1)筋力推定部11Fは、筋骨格モデルに基づいて運転者の腕の複数の筋の各筋力を推定する。疲労推定部12は、筋力推定部11Fの推定結果に基づき、運転者の腕の複数の筋の疲労度を推定する。反力調整部13は、疲労推定部12が推定した複数の筋の疲労度と操舵状態検出部が検出するステアリングホイール1の状態とに基づき、ステアリングホイール1に付加する操舵反力を調整する。
操舵状態に応じた腕の疲労度に応じて操舵反力を調整する。これによって、操舵状態に応じた腕の疲労度を精度よく検出可能となる。この結果、操舵状態に応じた運転者の疲労状態により適した操舵反力に近づくように、当該操舵反力を調整することが可能となる。
(2)上記疲労推定部12は、筋力推定部11Fが推定する筋力の累積値が予め設定した値以上の場合に、疲労度の推定を行う。
疲労と推定出来るときに疲労度の推定を行うので、疲労状態をより確実にとらえることができる。
(3)上記疲労推定部12は、筋力推定部11Fが推定する筋力の状態を示すパワースペクトルの高周波成分が予め設定した閾値を越えている場合に、疲労度の推定を行う。
疲労と推定出来るときに疲労度の推定を行うので、疲労状態をより確実にとらえることができる。
(4)上記反力調整部13は、操舵反力を調整する際に、操舵状態が保舵時と判定すると、操舵状態が転舵時の場合に比べて、前腕部の筋の疲労度の影響を大きくする。
前腕部の筋はステアリングホイール1を把持するのに使われる筋肉である。その操舵保舵時に疲労の影響の高い前腕部の疲労状態に応じた、適切な疲労度で反力制御が出来るようになる。
(5)上記反力調整部13は、操舵反力を調整する際に、操舵状態が転舵時と判定すると、操舵状態が保舵時の場合に比べて、上腕二頭筋及び三角筋後部の少なくとも一方の筋の疲労度の影響を大きくする。
上腕二頭筋及び三角筋後部は、ステアリングホイール1の切り込みに使われる筋肉である。この切り込みなど転舵時に疲労の影響の高い上腕二頭筋の疲労状態に応じて、適切な疲労度で反力制御が出来るようになる。
(6)疲労推定部12が推定する複数の筋の疲労度に基づき、運転者の腕の少なくとも一つの筋肉が疲労している状態が予め設定した時間継続していると判定すると、運転者に対し、上記運転支援装置31の利用を勧める報知を行う。
所定時間経過しても腕の疲労が緩和されないとき、運転支援装置31の利用を勧める。これによって、運転支援装置31を利用すれば、疲労状態を減らすが可能となる。
(7)疲労推定部12が推定する複数の筋の疲労度に基づき、予め設定した数以上の筋肉が疲労状態にあると判定すると、上記運転支援装置31を作動する。
複数の腕の筋肉が疲労しているような腕の疲労状態の場合に運転支援装置31を作動させることで、疲労状態を減らすが出来るようになる。
(8)外部から送信された筋骨格モデルを受信する受信手段と、この受信した筋骨格モデルに基づいて求めた運転者の腕の複数の筋の筋力から各筋の筋力を推定する。このようにすることで、移動体に容量を多く必要とする筋骨格モデルを適宜外部から入手可能になるので、移動体のメモリ容量を低減できるようになる。
(変形例)
上記実施形態では、操舵状態として転舵時と保舵時を例に説明した。操舵状態として路面外乱も考慮しても良い。
例えば、上記反力調整部13は、操舵反力を調整する際に、ステアリングホイール1に入力する路面外乱が予め設定した閾値以上の場合には、路面外乱が小さい場合に比べて、上腕三頭筋及び橈側手根屈筋の少なくとも一方の筋の疲労度の影響を大きくする。
また、路面外乱のないフラットな路面でステアリングホイール1を切り返すとき、三角筋前部と上腕三頭筋と尺側手根屈筋が同時に活動する。これに基づき、三角筋前部と上腕三頭筋と尺側手根屈筋のうち、2つ以上の筋が疲労状態にあると判定すると、ステアリングホイール1が動かない方向に、1つだけの場合よりも大きく反力を増やすように補正することで調整する。
また、大きな路面外乱があるとき、上腕三頭筋と橈側手根屈筋が同時に活動する。これに鑑み、上腕三頭筋と橈側手根屈筋の両方の筋が疲労状態にあるとき、ステアリングホイール1が動かない方向に、一つだけの場合よりも大きく反力を増やすように補正することで調整する。
また、筋力の推定方法は上記実施形態の方法に限定されず、他の推定方法によって筋力を推定しても良い。
また、本発明は、ステアリング装置が、ステアリングバイワイヤ方式であっても適用可能である。
また、本実施形態は車両(自動車)を例に説明したが、本発明はこれに限らず、飛行機や船舶、産業機械等の操舵装置がついた移動体であれば適用可能である。
また、本実施形態は、筋骨格モデルを予め車両に設定されたものであるが、本発明はこれに限らず、外部から運転者に応じた筋骨格モデルを無線による通信手段を利用して車両の受信手段が受信し、受信した筋骨格モデルで筋力の推定を行ってもよい。
1 ステアリングホイール(操作子)
3 転舵輪
4 反力装置モータ角センサ
5 操舵反力用アクチュエータ
6 操舵反力用コントローラ
7 トルクセンサ
8 カメラ
9 タイヤ横力検出センサ
10 指示装置
11 筋力検出部
11A 外乱トルク付与部
11B 硬さ推定部
11Ba 外乱トルク検出部
11Ba−1 外乱トルク信号検出部
11Ba−2 タイヤ発生トルク信号検出部
11Bb 抵抗特性検出部
11C 操舵反力取得部
11D 姿勢取得部
11Da 画像処理部
11E 推定値算出部
11Ea 粘弾性推定部
11Eb 伝達関数算出部
11F 筋力推定部
11Fa 周波数特性比較部
11Fb 筋力計算部
12 疲労推定部
13 反力調整部
13A 疲労筋数選択部
13B 決定部
13C 第1の補正部
13D 第2の補正部
13E 反力制御部
13F 休憩促し部
13G 疲労時間演算部
13H 運転支援装置作動部
30 操舵角センサ
31 運転支援装置

Claims (8)

  1. 移動体に設けられ、運転者が操舵する操作子の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    上記移動体に予め設定された筋骨格モデルに基づいて運転者の腕の複数の筋の各筋力を推定する筋力推定手段と、
    上記筋力推定手段の推定結果に基づき、運転者の腕の複数の筋の疲労度を推定する疲労度推定手段と、
    上記疲労度推定手段が推定した複数の筋の疲労度と上記操舵状態検出手段が検出する操作子の状態とに基づき、上記操作子に付加する操舵反力を調整する操舵反力調整手段と、を備え
    上記操舵反力調整手段は、操舵反力を調整する際に、上記操舵状態検出手段の検出に基づき操舵状態が保舵時と判定すると、操舵状態が転舵時の場合に比べて、前腕部の筋の疲労度の影響を大きくすることを特徴とする移動体の操舵反力調整装置。
  2. 移動体に設けられ、運転者が操舵する操作子の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    上記移動体に予め設定された筋骨格モデルに基づいて運転者の腕の複数の筋の各筋力を推定する筋力推定手段と、
    上記筋力推定手段の推定結果に基づき、運転者の腕の複数の筋の疲労度を推定する疲労度推定手段と、
    上記疲労度推定手段が推定した複数の筋の疲労度と上記操舵状態検出手段が検出する操作子の状態とに基づき、上記操作子に付加する操舵反力を調整する操舵反力調整手段と、を備え
    上記操舵反力調整手段は、操舵反力を調整する際に、上記操舵状態検出手段の検出に基づき操舵状態が転舵時と判定すると、操舵状態が保舵時の場合に比べて、上腕二頭筋及び三角筋後部の少なくとも一方の筋の疲労度の影響を大きくすることを特徴とする移動体の操舵反力調整装置。
  3. 移動体に設けられ、運転者が操舵する操作子の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    上記移動体に予め設定された筋骨格モデルに基づいて運転者の腕の複数の筋の各筋力を推定する筋力推定手段と、
    上記筋力推定手段の推定結果に基づき、運転者の腕の複数の筋の疲労度を推定する疲労度推定手段と、
    上記疲労度推定手段が推定した複数の筋の疲労度と上記操舵状態検出手段が検出する操作子の状態とに基づき、上記操作子に付加する操舵反力を調整する操舵反力調整手段と、を備え
    上記操作子に入力する路面外乱を推定する路面外乱推定手段を備え、
    上記操舵反力調整手段は、操舵反力を調整する際に、上記路面外乱推定手段が推定する路面外乱が予め設定した閾値以上の場合には、路面外乱が小さい場合に比べて、上腕三頭筋及び橈側手根屈筋の少なくとも一方の筋の疲労度の影響を大きくすることを特徴とする移動体の操舵反力調整装置。
  4. 移動体に設けられ、運転者が操舵する操作子の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    上記移動体に予め設定された筋骨格モデルに基づいて運転者の腕の複数の筋の各筋力を推定する筋力推定手段と、
    上記筋力推定手段の推定結果に基づき、運転者の腕の複数の筋の疲労度を推定する疲労度推定手段と、
    上記疲労度推定手段が推定した複数の筋の疲労度と上記操舵状態検出手段が検出する操作子の状態とに基づき、上記操作子に付加する操舵反力を調整する操舵反力調整手段と、を備え
    上記移動体は、運転者の運転を支援する運転支援装置を備えた車両であり、
    上記疲労度推定手段が推定する複数の筋の疲労度に基づき、運転者の腕の少なくとも一つの筋肉が疲労している状態が予め設定した時間継続していると判定すると、運転者に対し、上記運転支援装置の利用を勧める報知を行うことを特徴とする移動体の操舵反力調整装置。
  5. 移動体に設けられ、運転者が操舵する操作子の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    上記移動体に予め設定された筋骨格モデルに基づいて運転者の腕の複数の筋の各筋力を推定する筋力推定手段と、
    上記筋力推定手段の推定結果に基づき、運転者の腕の複数の筋の疲労度を推定する疲労度推定手段と、
    上記疲労度推定手段が推定した複数の筋の疲労度と上記操舵状態検出手段が検出する操作子の状態とに基づき、上記操作子に付加する操舵反力を調整する操舵反力調整手段と、を備え
    上記移動体は、運転者の運転を支援する運転支援装置を備えた車両であり、
    上記疲労度推定手段が推定する複数の筋の疲労度に基づき、予め設定した数以上の筋肉が疲労状態にあると判定すると、上記運転支援装置を作動することを特徴とする移動体の操舵反力調整装置。
  6. 上記疲労度推定手段は、上記筋力推定手段が推定する筋力の累積値が予め設定した値以上の場合に、疲労度の推定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した移動体の操舵反力調整装置。
  7. 上記疲労度推定手段は、上記筋力推定手段が推定する筋力の状態を示すパワースペクトルの高周波成分が予め設定した閾値を越えている場合に、疲労度の推定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した移動体の操舵反力調整装置。
  8. 移動体に設けられ、運転者が操舵する操作子の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    外部から送信された筋骨格モデルを受信する受信手段と、
    上記受信手段が受信した筋骨格モデルに基づいて求めた運転者の腕の複数の筋の筋力から各筋の筋力を推定する筋力推定手段と、
    上記筋力推定手段の推定結果に基づき、運転者の腕の複数の筋の疲労度を推定する疲労度推定手段と、
    上記疲労度推定手段が推定した複数の筋の疲労度と上記操舵状態検出手段が検出する操作子の操舵状態とに基づき、上記操作子に付加する操舵反力を調整する操舵反力調整手段と、を備え、
    上記移動体は、運転者の運転を支援する運転支援装置を備えた車両であり、
    上記疲労度推定手段が推定する複数の筋の疲労度に基づき、予め設定した数以上の筋肉が疲労状態にあると判定すると、上記運転支援装置を作動することを特徴とする移動体の操舵反力調整装置。
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