JP2012144070A - 操舵反力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操舵反力制御は、運転者の疲労状態及びステアリングホイールの把持位置などの運転者の把持姿勢に応じて、ステアリングに付加する補助トルクを補正する。補助トルクは、例えば操舵トルクや操舵フリクションである。例えば反力装置コントローラ6は、検出する運転者の把持位置がステアリングホイール7の中心に対して上側に位置していると判定しているときに、運転者が疲労状態になったと推定すると、疲労状態でないと推定した場合に比べて、補助トルクを増大補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、上記のような点に着目したもので、運転者の状態に応じたより適切な補助トルクを反力としてステアリングに付与可能にすることを目的としている。
図1は、本実施形態の疲労推定装置を搭載した車両の全体概要図である。
符号7は、運転者が操舵操作する操作子としてのステアリングホイール7を示す。ステアリングホイール7は、ステアリングを介してステアリングギヤ機構1に連結する。ステアリングギヤ機構1は、ラック/ピニオン機構などの変換機構によって、ステアリングの回転を車幅方向(横方向)の動きに変換する装置である。
符号2及び3は転舵輪である。転舵輪2、3は、ステアリングギヤ機構1による車幅方向への変位に応じて転舵する。その転舵輪2、3のタイヤは、例えば一般的なセダンタイプに取り付けられるタイヤが例示でき、その種類(扁平率、タイヤ径、ラジアル/スタッドレスなど)を問わない。
符号4は反力装置モータ角センサである。反力装置モータ角センサ4は、ステアリングコラムシャフトと操舵反力用アクチュエータ5の間に設置されたモータ角センサであって、回転するステアリングの角度を検出して出力する。
符号9は操舵情報伝送ハーネスである。操舵情報伝送ハーネス9は、操舵反力用アクチュエータ5から、筋力計算/指示装置利用判定装置10まで、操舵力、操舵角、外乱トルク信号を伝送するためのケーブルからなる。
符号11は運転者用カメラである。運転者用カメラ11は、運転者の姿勢を検出するための撮像デバイスである。カメラとしては、CCDカメラやCMOSカメラなどが例示出来る。
符号13は指示装置である。この指示装置13は、運転者が疲労状態あるいは今後疲労につながりそうな状態であることの信号を入力したら、例えば、運転者に休憩するように促す、もしくは、車線維持支援装置等の運転支援装置を使用するように促す。上記促しは、音声や表示などによって実施される。
上記筋力計算/指示装置利用判定装置10は、コンピュータから構成され、機能的には図2及び図3に示すような構成となっている。
すなわち、筋力計算/指示装置利用判定装置10は、外乱トルク信号検出部14、腕の状態計測部15、筋全体のインピーダンス計測部16、筋力推定部17、疲労度推定部18、指示装置利用の判定部19を備える。
この検出条件を満たさない場合は、外乱トルク信号検出部14は、事前に準備した所定の外乱トルク信号を利用する。すなわち、外乱トルク信号検出部14は、反力装置コントローラ6を介して操舵反力用アクチュエータ5を駆動して、予め設定したトルク条件の外乱トルクをステアリングホイール7に伝達する。
腕の状態計測部15は、運転者用カメラで撮像した画像から身体(主に腕)の状態を検出し、手・肘の位置、手・肘関節の角度を算出するプログラムである。例えば図4に示すように、カメラ11が撮影した画像によって、運転者の関節位置と関節角度を検出する。腕の状態計測部15は、運転者の把持位置も検出する。
インピーダンス計算式:
Hnms=−Swf/Swx [(Nm・Nm)/(Nm・deg)]
この式は、外乱トルクTaと実測トルクTbのクロススペクトルSwfを、外乱トルクTaと操舵角のクロススペクトルSwxで除した値をインピーダンスの値とする式である。なお、インピーダンス計測方法は、他の公知の手法を採用しても良い。
下記1)と2)は、粘性、弾性、慣性を求めた後、2次の伝達関数に代入して、その周波数特性を求めることでインピーダンスが決まる。このため、粘性、弾性、慣性の求め方のみ記す。また、3)は、粘性、弾性、慣性を求めず、直接、周波数特性を求める手法である。
1)連立方程式による算出方法
予め設定した所定の時間間隔で計測した実測トルクから、粘性、弾性、慣性を変数とする連立方程式を解くことでインピーダンスを算出する。
2)粘性、弾性、慣性を個別に測ってインピーダンスを算出する方法
すなわち、ステアリングホイール7にステップ状の外乱トルクを加えて弾性値を求めた後に、一定速度でステアリングホイール7を回転させて粘性項を求める。慣性項は、腕の重さを参考値として求める。
3)外乱トルクをステアリングホイール7に加えながら、実測トルクと操舵角を計測することでインピーダンスを算出する方法
3−1)外乱トルクを運転者が操作する操作子に加える。
3−2)ステアリングホイール7に発生する実測トルクと操舵角の変移量を計測する。
3−1)と3−2)の周波数特性の比較から、運転者の身体のインピーダンスを計測する。
以上の3つのインピーダンス算出方法のうちでは3)が、最も精度よくインピーダンスを計測できる。これに基づき、本実施形態では、3)の算出方法によってインピーダンスを計測(算出)する。このインピーダンス算出方法は、ステアリングホイール7に伝達される外乱トルクを利用する。
A)予め設定した所定の信号:0〜5Hzの周波数帯による正弦波を位相をずらして畳み込んだ擬似M系列、スイープ波形、ホワイトノイズなど(図5参照)による外乱トルクA
B)車両の走行データから得た外乱トルクB
この外乱トルクBは、例えば、タイヤからステアリングに伝わる力、若しくは、ステアリングからタイヤに伝わる力の時系列データを記憶部に記録する。そして時系列データの波形が予め設定した所定の形状、所定のスペクトルになるとき、外乱トルクとして利用する(図6参照)。
図7は、一番精度が良い上記3)の手法によるインピーダンス計測の模式図である。すなわち、図9は、運転者が操作部であるステアリングホイール7を握っている状態で、ステアリングホイール7に繋がっているアクチュエータ5で外乱トルクを加えた場合の模式図である。
この模式図中
Ta:外乱トルク
Tb:実測トルク
Tc:外乱トルクと実測トルクの差分値(=Ta−Tb)
x:操舵角
である。
また、筋力推定部17は、筋全体のインピーダンス計測部16が求めたインピーダンスに基づき、筋力を推定するプログラムである。
筋力推定部17は、まず、予め計測したリラックス時の腕のインピーダンス(事前のインピーダンス)と、現在のインピーダンスとの差である差分値を求める。
本実施形態においてリラックスとは、「直線走行、もしくは、停車状態においてステアリングホイール7を握ってはいるがステアリングホイール7操作していない状態」若しくはその状態と推定される状態を指す。なお、ステアリングホイール7に外乱を加えて握っている腕の状態(インピーダンス)を測るため、ステアリングホイール7を握っていないときは計測が出来ない。
A.予め実験等によって平均的運転者のリラックス時のインピーダンスを取得する。少なくとも、数十秒の車両信号を使って求めた運転者のインピーダンスでは、図8における横軸1Hz以下の波形が10〜20近辺にある場合はリラックスと判定する。そのときのインピーダンスを事前のインピーダンスとして求める。
ここで、事前のインピーダンスとしては、リラックス時のインピーダンスを採用する方が差分を大きくとれるので好ましいが、事前のインピーダンスは、リラックス時のインピーダンスでなくても良い。事前のインピーダンスは、基準として特定可能なインピーダンスであれば良い。
運転者がステアリングホイール7を把持した状態で(図10(a)参照)、リラックスして保舵した状態で取得した事前のインピーダンスとしっかり保舵した状態でのインピーダンスとを実験で取得すると、図10(b)に示す結果が得られた。この図10(b)から分かるように、ステアリングホイール7を握る力が増すと1Hz以下の周波数帯域(インピーダンス低周波成分)で、インピーダンスが高くなることが確認できる。
ここで、上記インピーダンスの特性値(物理値)としては、例えばインピーダンス低周波成分の平均値若しくは面積、又は腕を2次モデルと仮定して求めた弾性項を採用する。すなわち、インピーダンス低周波成分と比例した値をインピーダンスの特性値(物理値)として使用すればよい。
ステアリングホイール7の把持位置による、リラックスして把持した場合としっかり把持した場合とでの関係を求めたところ、図11に示す結果を得た。図11から分かるように、同じ把持力にも関わらず、運転者がステアリングホイール7の下側を把持するほど、インピーダンス特性値が大きくなる。また、ステアリングホイール7の下側を把持するほど、リラックス把持でのインピーダンス特性値としっかり把持でのインピーダンス特性値との差分が小さくなる。
疲労度の推定は、例えば図15に示す筋力持続曲線に基づき疲労度を判定し、筋力の履歴から筋力持続曲線より上に位置すると疲労状態と判定する。また、その筋力持続曲線より上の継続時間が長いほど、疲労度が大きいと判定する。
ここで、疲労度の指標である筋力推定値に基づく運転者の疲労推定の処理方法について説明する。
一般に、筋力(瞬時値)の持続時間とは、図15に示すような関係がある。したがって、筋力が大きいと筋肉が力を出し続けられる持続時間が短い。逆に、筋力が小さいと筋肉が力を出し続けられる持続時間が長い。そして、上記図15のように、筋力が大きいほど、持続時間は指数関数的に減少する関係にある。
これに基づき、図15に基づく疲労推定の方法としては、例えば下記の方策1と方策2を例示出来る。
筋力の瞬時値の頻度から疲労を判定する。すなわち、上記図15の関係(疲労曲線)より瞬時値の継続時間に基づき、どの程度の疲労状態か、また運転者に報知すべき疲労状態かを推定する。
上記推定には統計的知見に基づく認識処理を実施すればよい。統計的処理は、例えば、ベイズ推定、ファジー推定、サポートベクターマシン、遺伝的アルゴリズム、ニューラルネットワーク、などが例示出来る。
筋力の瞬時値が予め設定した閾値を超えたか否かによってどの程度の疲労状態か、また運転者に報知すべき疲労状態かを推定する。閾値は1つでも良いし、何段階か複数持っていても良い。
ここで、筋肉は100%以上の力を出すとツルという現象を生じる。したがって、その極限状態を基準にして閾値を設定する。
まず、ステップS100にて前処理として、筋力計算、筋力と時間のヒストグラムを算出する。
次に、ステップS110にて特徴抽出処理として、ヒストグラムの面積や大きさなどを特徴量を求める。
次に、ステップS120にて後処置として、特徴量の平均、中央値、最頻値を算出、もしくは、異なる複数の特徴量をもとに特徴空間を作成する。
次に、ステップS130にて判別処理として、予め設定した数値、もしくは、特徴空間の予め設定した所定範囲にある値(閾値を超える値)か否かを判別する。この判別を満足しない場合には、ステップS100の前処理に戻って処理を繰り返す。一方、この判別を満足する場合には、運転者への疲労に対する報知が必要と判定して処理を終了する。
指示装置利用の判定部19は、疲労度推定部18が推定する疲労度に基づき、疲労しているか疲労しそうか否かを判定し、その旨の報知信号を指示装置に出力するプログラムである。指示装置利用の判定部19は、例えば上記疲労度が予め設定した疲労度閾値以上の場合に、疲労状態と判定する。
筋力計算/指示装置利用判定装置10は、予め設定した制御周期で作動する。作動すると先ずステップS1にて、外乱トルクを計測する。すなわち、悪路にタイヤがとられることによって発生する外乱トルクを記憶部に記録する。その後ステップS2に移行する。
ここで、予め設定した時間の間、インピーダンスが計算可能でないと判定した場合には、予め設定した外乱トルクをステアリングに入力して、実トルクと操舵角から運転者のインピーダンスを計測する。
ステップS4では、ステップS3で計測したインピーダンスと、事前に設定した事前のインピーダンスとの差分値を算出する。本実施形態の事前のインピーダンスは、リラックス状態(運転者が腕に力を入れずにステアリングホイール7を握っている除隊)のインピーダンスを予め計測して取得したものである。上記差分値は、腕の筋力に比例した値となる。その後ステップS5に移行する。ここで、上記差分値は、上述のようにインピーダンスの低周波成分の特性値についての差分値とする。
ここで差分値が小さい場合には、分解能が低いので、筋力を推定できないおそれがある。また、差分値が小さい場合には、リラックス状態(運転者の腕に力が入っていない状態)に近いと推定される。そして、上記差分値が予め設定した閾値以上の場合に、腕に力が入っているとみなしてステップS6に移行する。
ステップS7では、1又は2以上のカメラ11が撮影した撮像データに基づき、ステアリングホイール7に対する運転者の把持位置と、運転者の体幹に対する肘の位置や肘の伸び具合を検出する。その後ステップS8に移行する。
ステップS9では、ステアリングホイール7の下側を把持していると判定するほど、上記差分値に対する筋力推定値の感度を高める。その後ステップS10に移行する。
ステップS11に移行する場合には、アームレストに肘を置いているなど、ステアリングホイール7を把持している状態であっても運転者が腕に力をいれていなくても、計測したインピーダンスが高まっている状態である。このためステップS11では、上記差分値に対する筋力推定値の感度を下げる。その後ステップS12に移行する。
ステップS13では、脇が開き肘関節を伸ばしている方が腕に力が入れ難くインピーダンスが低い。座り方によって腕が伸びているときは感度を下げる。その後ステップS14に移行する。
ステップS15では、最大筋力に占める筋力推定値を計算する。その後ステップS16に移行する。
ステップS16では、最大筋力に占める筋力推定値と筋力持続曲線とのずれ量を計算する。ここで、各筋力推定値が筋力持続曲線の右上にある場合を正の値、左下にある場合を負の値とする。ステップS17に移行する。
ステップS18では、ずれ量が所定以上の場合であるので、疲労状態と推定する。その後ステップS19に移行する。ずれ量が疲労度に相当する。
ステップS19では、疲労状態の累積値が予め設定した所定値を越えていると判定した場合にはステップS20に移行する。そうでない場合には、処理を終了して復帰し、次の制御周期でステップS1を作動する。
ステップS21では、指示装置をONにし、疲労状態であることを運転者に告知する。その後、処理を終了して復帰し、次の制御周期でステップS1を作動する。
反力装置コントローラ6は、アクチュエータ駆動電流(制御電流)を算出し、そのアクチュエータ駆動電流を指令値として操舵反力用アクチュエータ5へ供給する。
反力装置コントローラ6は、外乱トルク発生部6A、操舵反力制御部本体6B、フリクション補償部6C、把持姿勢検出部6D、補助トルク補正部6E、電流制御部6Fを備える。
なお、反力装置コントローラ6が、下記の補正開始条件を満足すると判定すると上記運転者要求スイッチ21をONに切り替え、また、下記の補正解除条件を満足すると判定すると、上記運転者要求スイッチ21をOFFに設定する処置を実施しても良い。
(1)推定する疲労度が予め設定した値よりも大きくなったとき
例えば、反力装置コントローラ6が、上記筋力計算/指示装置利用判定装置10から入力した疲労度が、予め設定した閾値用の疲労度より大きい場合に、推定する疲労度が予め設定した値よりも大きくなったと判定する。閾値用の疲労度は、例えば疲労状態と推定される疲労度に近い値である。
例えば、単位時間当たりの操舵変化転舵変化、車両ロール変化などのいずれか一つが予め設定した閾値よりも大きくなったことを検知すると、車両のふらつき状態が予め設定した閾値よりも大きくなったとき判定する。
(1)疲労度推定手段の推定に基づき疲労が回復したと判定してから予め設定した時間(例えば5秒)を経過した後を検知したとき
反力装置コントローラ6が、上記筋力計算/指示装置利用判定装置10から入力した疲労度に基づき、疲労度が小さくなって予め設定した回復用閾値以下になったときに疲労が回復したと判定する。予め設定した時間の経過を要件としているのは、疲労回復に判定のハンチングを回避するためである。
操舵反力制御部本体6Bは、反力装置モータ角センサ4及びトルクセンサ8の検出値を入力して、予め設定した操舵反力マップ(不図示)に基づき目標とする目標操舵反力を求める。
フリクション補償部6Cは、トルクセンサ8が検出する操舵トルクや操舵角に基づき操舵フリクションを求める。
補助トルク補正部6Eは、上記筋力計算/指示装置利用判定装置10が推定した疲労度、把持姿勢検出部6Dが検出したステアリングホイール7の把持位置に基づき、上記操舵反力制御部本体6Bが求めた目標操舵反力、及びフリクション補償部6Cが求めた操舵フリクションを補正する。
先ずステップS200にて、運転者要求スイッチ21がONか否かを判定する。運転者要求スイッチ21がON状態の場合にはステップS210に移行する。運転者要求スイッチ21がOFFの場合には、処理を終了する。
ステップS210では、把持姿勢検出部6Dの検出結果に基づき、運転者による把持位置がステアリングホイール7の中心に対して上側に位置しているか否かを判定する。上側に位置している場合には、ステップS220に移行する。上側に位置していない場合にはステップS260に移行する。
ステップS230では、運転者の把持位置が上側から下側に変化したか判定する。条件を満足する場合にはステップS240に移行する。一方条件を満足しない場合にはステップS300に移行する。
ステップS260では、把持姿勢検出部6Dの検出結果に基づき、運転者による把持位置がステアリングホイール7の中心に対して下側に位置しているか否かを判定する。下側に位置している場合には、ステップS270に移行する。下側に位置していない場合にはそのまま復帰する。
ステップS280では、運転者の把持位置が下側から上側に変化したか判定する。条件を満足する場合にはステップS290に移行する。一方条件を満足しない場合にはステップS300に移行する。
ステップS300では、疲労状態が回復していると判定し且つ予め設定した時間が経過したと判定すると、運転者要求スイッチ21をOFFに切り替え、目標操舵反力及び操舵フリクションを基準値(補正前の値)に戻す。その後処理を終了する。なお、運転者要求スイッチ21が運転者の操作でONとなった場合には、運転者がOFFとするまではOFFに切り替えないか、切り替えたことを運転者に報知する処理を実施する。
次に、本実施形態に係る動作例を、図21及び図22を参照して説明する。
上記筋力計算/指示装置利用判定装置10は、走行中に外乱トルクを検出し、その外乱トルクデータを記憶部に記録する。併行して、実測トルク及び操舵角についても検出して記憶部に記憶する。
なお、予め設定した時間に、パワースペクトルが、インピーダンス計測可能判断ラインを予め設定した継続時間を越えている状況が発生しない場合には、操舵反力用アクチュエータ5を駆動して、予め設定した外乱トルクをステアリングに入力する。
このとき、上記筋力計算/指示装置利用判定装置10は、運転者がステアリングホイール7の下側を把持していると判定した場合には、差分値から筋力推定値を求める際の感度を高める。また、運転者の体幹から肘が離れている場合には、感度を下げる。
なお、上記推定した筋力は記憶部に記憶する。
そして、疲労判定値を累積し所定値をこえると指示装置をONにして、例えば運転者に対し休憩を促す音を鳴らす。
また、反力装置コントローラ6は、予め設定したマップに基づき、補助トルクとしての操舵反力及び操舵フリクションを算出する。
例えば、補助トルク補正部6Eは、図22(a)に示すように、ステアリングホイール7の回転操作が実施されていない状態で、把持位置がステアリングホイール7の中心よりも上側を把持している場合に、疲労状態となった場合には、操舵反力又は操舵フリクションを増大補正する。
補助トルク補正部6Eは、図22(c)に示すように、ステアリングホイール7の回転操作が実施されていない状態で、疲労状態と推定しているときに、把持位置がステアリングホイール7の中心よりも上側から下側に把持が変更した場合には、操舵反力又は操舵フリクションを減少補正する。
補助トルク補正部6Eは、図22(d)に示すように、ステアリングホイール7の回転操作が実施されていない状態で、把持位置がステアリングホイール7の中心よりも下側から上側に把持が変更した場合には、操舵反力又は操舵フリクションを減少補正する。
ここで、運転者の疲労度の推定は、他の推定方法で疲労度を推定しても良い。
ここで、上記筋力計算/指示装置利用判定装置10は疲労度推定手段を構成する。把持姿勢検出部6Dは、把持姿勢検出手段を構成する。反力装置コントローラ6は反力制御手段を構成する。補助トルク補正部6Eは補助トルク補正手段を構成する。
以下、本実施形態の効果について説明する。
(1)筋力計算/指示装置利用判定装置10は、運転者の疲労度を推定する。把持姿勢検出部6Dは、運転者によるステアリングホイール7の把持姿勢を検出する。反力装置コントローラ6は、ステアリングホイール7に入力する補助トルクを制御する。このとき、補助トルク補正部6Eは、運転者の疲労状態及び把持姿勢に応じて、上記補助トルクである操舵反力及び操舵フリクションの少なくとも一方(以下、単に補助トルクとも呼ぶ)を補正する。
例えば、運転者が疲労している場合、違和感が小さい状態でステアリング操作を実施することが可能となる。
通常、ステアリングホイール7の上側を握っているとき、腕の自重により操舵がふらつき易くなる傾向がある。特に、疲労状態の場合に顕著となる。これに鑑み、操舵反力や操舵フリクションを増大することで、運転者が疲労状態であっても操舵のふらつきを小さく抑えることが可能となる。この結果、操縦安定性が向上する。
把持位置を上側に変更したときは、運転者がステアリングホイール7を切りに行こうとしていると推定される。そして、このとき操舵反力/フリクションを下げることによって、疲労していても、少ない力でステアリングホイール7を動かすことができる。この結果、操縦性が向上する。
なお、把持位置を下側にかえるときは、運転者がステアリングホイール7を切りに行く可能性が少ない。このため、操舵反力/フリクションを変更する必要がないので、何もしないことにより無駄な制御で煩わしさを与えないことが出来る。
これによって、ステアリングホイール7を少ない力で制御できるようになる。
これによって、自動もしくは手動操作で疲労に応じた反力制御の補正を開始することができる。ここで、疲労状態と推定する前に開始することで、疲労時に迅速に対応することが可能となる。
なお、疲労状態と推定しない状態では、疲労に応じた反力制御の補正実施しない。
これによって、自動もしくは手動操作で疲労に応じた反力制御の補正を終了することができる。
5 操舵反力用アクチュエータ
6 反力装置コントローラ
6A 外乱トルク発生部
6B 操舵反力制御部本体
6C フリクション補償部
6D 把持姿勢検出部
6E 補助トルク補正部
6F 電流制御部
7 ステアリングホイール
10 筋力計算/指示装置利用判定装置
21 運転者要求スイッチ
Claims (5)
- 運転者の疲労度を推定する疲労度推定手段と、
運転者によるステアリングホイールの把持姿勢を検出する把持姿勢検出手段と、
ステアリングホイールに入力する補助トルクを制御する反力制御手段と、を備え、
上記反力制御手段は、疲労度推定手段の推定に基づく運転者の疲労状態及び把持姿勢検出手段が検出する把持姿勢に応じて、上記補助トルクを補正する補助トルク補正手段を備えることを特徴とする操舵反力制御装置。 - 上記把持姿勢検出手段は、把持姿勢としてステアリングホイールの把持位置を検出し、
上記補助トルク補正手段は、上記把持姿勢検出手段が検出する把持位置がステアリングホイールの中心に対して上側に位置していると判定しているときに、運転者が疲労状態になったと推定すると、疲労状態でないと推定した場合に比べて、上記補助トルクを増大補正することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載した操舵反力制御装置。 - 上記補助トルク補正手段は、ステアリングホイールが停止しているときに、運転者が疲労状態になったと推定し、且つ把持位置がステアリングホイールの中心に対し下側を把持している状態から上側を把持する状態に変化したと判定すると、上記補助トルクを減少補正することを特徴とする請求項2に記載した操舵反力制御装置。
- 上記補助トルク補正手段による補正は、疲労度推定手段が推定する疲労度が予め設定した値よりも大きくなったとき、車両のふらつき状態が予め設定した閾値よりも大きくなったとき、運転者による補正開始指示の要求があったとき、のいずれかを検知すると開始することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した操舵反力制御装置。
- 上記補助トルク補正手段による補正は、疲労度推定手段の推定に基づき疲労が回復したと判定してから予め設定した時間を経過した後、若しくは運転者による補正解除指示の要求があったとき、のいずれかを検知すると終了することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した操舵反力制御装置。
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