JP2014008789A - ペダリング状態計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ペダリングスキルの評価指標について、運転者によるペダル踏力に対して十分な対応関係を得ることができ、人のペダリング感覚が十分に反映され、ノイズの影響を低減することができ、評価精度を向上することができるペダリング状態計測装置を提供する。
【解決手段】ペダルを有するクランクの回転軸であるクランク軸を回転させるための人力によるペダル操作のペダリング状態を計測するペダリング状態計測装置1は、クランクの回転角度および回転角速度を計測するためのセンサ部2と、センサ部2により計測された回転角度および回転角速度に基づいて、回転角度ごとのクランクの回転角加速度を算出し、算出した回転角加速度の回転角度による変動を、ペダリングスキル指標として算出する信号処理部3と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】ペダルを有するクランクの回転軸であるクランク軸を回転させるための人力によるペダル操作のペダリング状態を計測するペダリング状態計測装置1は、クランクの回転角度および回転角速度を計測するためのセンサ部2と、センサ部2により計測された回転角度および回転角速度に基づいて、回転角度ごとのクランクの回転角加速度を算出し、算出した回転角加速度の回転角度による変動を、ペダリングスキル指標として算出する信号処理部3と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自転車等の運転者のペダリングスキルを評価するためのペダリング状態計測装置に関する。
自転車の運転者による自転車ペダリングは、自転車のクランクに設けられたペダルに対して運転者が下肢の筋肉により力を発揮させるタイミングを適切に制御しながら踏力を加えることで成り立っている。このような自転車ペダリングにおいて、クランクの角度変化(回転)にともなって発生する踏力変動によるクランクの回転角速度等の変化は、運転者のペダリングスキルにより異なる。そこで、例えば、初心者のサイクリストが効率的なペダリングスキルを習得しようとする場合や、様々な実走行環境下でのペダリングスキルを運転者が把握するためには、ペダル踏力(ペダルに対する踏力)によって変化するペダリング状態を適切に計測する装置が必要である。
従来、例えば自転車において車輪の回転状態を検出し、走行速度や走行距離等を算出してリアルタイムに表示させるサイクルコンピュータと称する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、走行速度や走行距離の算出のほか、ペダル踏力(ペダル踏込み圧力)の検出を行う技術が開示されている。
また、特許文献2には、電動アシスト自転車に関し、運転者の操作情報としてクランクの回転角速度を計測し、運転者のペダリングスキルを判定する技術が開示されている。特許文献2には、運転者のペダリングスキルの程度に応じてクランクの回転角速度に違いが現れることから、その回転角速度に基づいて運転者のペダリングスキルを簡単に判定できることが記載されている。さらに、特許文献2には、クランクの1ストロークごと(1回転ごと)の回転角速度の標準偏差を計算し、その標準偏差について複数のストロークの平均値を計算することによって、運転者のペダリングスキルを判定する手法が開示されている。
また、特許文献3には、自転車のクランクの根元に設置した回転角度センサ(オプティカルエンコーダ)を用いてクランクの回転角度を計測し、このセンサからの出力信号を微分演算することによりクランクの回転角速度を算出し、クランクの回転角度ごとの回転角速度の変化を表示して運転者に知らせる構成が開示されている。
上述したように、特許文献2には、電動アシスト車両に限定されているものの、クランクの回転角速度に基づいて運転者のペダリングスキルを判定する技術が開示されている。また、特許文献3には、クランクの回転角度ごとの回転角速度を表示する技術が開示されている。しかしながら、クランクの回転角度ごとの回転角速度の変動だけでは、ペダリングスキルを評価するための指標としては十分とは言えない。なぜなら、人による自転車ペダリングの操作とは、クランクの回転角度(角度位置)に合わせて適切な踏力をペダルに加えることであるため、クランクの回転角速度よりも、自転車ペダリングの操作において踏力を加えるタイミングや踏力の強さの方が、ペダリングスキルに対してより直接的に関係するからである。
このように、従来技術によるクランクの回転角速度を指標として用いたペダリングスキルの評価では、その評価指標とペダル踏力との対応関係が不十分であり、また、評価指標が人のペダリング感覚と十分に一致していないという問題がある。このため、従来技術によれば、ペダリングスキルの評価に関し、その評価精度が十分であるとは言い難い。
また、特許文献2の手法では、クランクの1回転ごとに回転角速度の標準偏差を計算し、さらにその平均を計算していることから、回転角速度の計測誤差がペダリングの回転ムラよりも大きい場合に、標準偏差にセンサの計測誤差が混入し、正しい角速度変化が得られないという問題がある。
また、特許文献3の手法では、回転角度センサ一つのセンサ構造でクランクの回転角度と回転角速度を同時に得ることができるが、回転角度センサの出力信号には、通常、高周波数帯域の電気的なノイズ信号が重畳されている。こうしたノイズ信号が重畳された出力信号を微分等の演算の対象とした場合、演算の結果に高周波数のノイズの影響が大きく現れてしまい、ペダリングスキルの評価について十分な評価精度が得られない。
以上のような事情に鑑み、本発明は、ペダリングスキルの評価指標について、運転者によるペダル踏力に対して十分な対応関係を得ることができ、人のペダリング感覚が十分に反映され、ノイズの影響を低減することができ、評価精度を向上することができるペダリング状態計測装置を提供することを目的とする。
本発明のペダリング状態計測装置は、ペダルを有するクランクの回転軸であるクランク軸を回転させるための人力によるペダル操作のペダリング状態を計測するペダリング状態計測装置であって、前記クランクの回転角度および回転角速度を計測するためのセンサ部と、前記センサ部により計測された前記回転角度および前記回転角速度に基づいて、前記回転角度ごとの前記クランクの回転角加速度を算出し、算出した前記回転角加速度の前記回転角度による変動または該変動に基づく値を、ペダリングスキル指標として算出する信号処理部と、を備えるものである。
また、本発明のペダリング状態計測装置は、前記信号処理部により算出された前記ペダリングスキル指標を表示する表示部をさらに備える。
また、本発明のペダリング状態計測装置においては、前記信号処理部は、前記センサ部により計測された前記回転角速度を前記回転角度ごとに平均化し、平均化した前記回転角度ごとの前記回転角速度を微分処理することで、前記回転角加速度を算出し、前記表示部は、前記信号処理部により算出された前記回転角加速度を用いて、前記回転角度ごとの前記回転角加速度の変動を図示する。
また、本発明のペダリング状態計測装置は、前記センサ部は、前記クランクに設けられるセンサユニットに内蔵され、前記表示部は、前記ペダル操作を行う者が前記ペダル操作中に視認可能な位置に設けられる表示ユニットに内蔵され、前記信号処理部は、前記センサユニットまたは前記表示ユニットのいずれかに内蔵されている。
本発明によれば、ペダリングスキルの評価指標について、運転者によるペダル踏力に対して十分な対応関係を得ることができ、人のペダリング感覚が十分に反映され、評価精度を向上することができる。
本発明は、例えば自転車等の対象装置のクランク軸を回転させるための人力によるペダル操作のペダリング状態を計測する装置において、クランクが回転する際の回転角加速度の変動に着目し、クランクの回転角加速度に基づいてペダリング状態を計測することで、ペダリングスキルの評価精度の向上を図ろうとするものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する本発明の実施の形態では、本発明に係るペダリング状態計測装置を自転車に適用した場合、つまり本発明に係る対象装置を自転車とした場合を例に挙げて説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。図1および図2に示すように、本実施形態に係るペダリング状態計測装置1は、ペダル51を有するクランク52の回転軸であるクランク軸53を回転させるための人力によるペダル操作のペダリング状態を計測する。ここで、ペダリング状態とは、後述するようなペダリングスキル指標の値等によって把握されるペダリングの状態である。本実施形態において、本実施形態のペダリング状態計測装置1の対象装置としての自転車50は、一般的な自転車である。
本発明の第1実施形態について説明する。図1および図2に示すように、本実施形態に係るペダリング状態計測装置1は、ペダル51を有するクランク52の回転軸であるクランク軸53を回転させるための人力によるペダル操作のペダリング状態を計測する。ここで、ペダリング状態とは、後述するようなペダリングスキル指標の値等によって把握されるペダリングの状態である。本実施形態において、本実施形態のペダリング状態計測装置1の対象装置としての自転車50は、一般的な自転車である。
すなわち、図2に示すように、自転車50は、本体フレーム54と、本体フレーム54に設けられた前輪55・後輪56、サドル57、ハンドル58、およびクランク軸53と、クランク軸53に対して左右両側に設けられたクランク52、およびクランク52に設けられたペダル51とを備える。そして、自転車50の運転者100がペダル51に対して踏力を作用させることでクランク52を介してクランク軸53が回転し、このクランク軸53の回転がスプロケットやチェーン等を介して後輪56に伝達され、自転車50が走行駆動する。
図1に示すように、本実施形態に係るペダリング状態計測装置1は、センサ部2と、信号処理部3と、表示部4とを備える。
また、図2および図3に示すように、本実施形態のペダリング状態計測装置1は、センサ部2および信号処理部3を含むセンサユニット5と、表示部4を含む表示ユニット6とを備える。すなわち、本実施形態のペダリング状態計測装置1においては、センサ部2および信号処理部3は、センサユニット5に内蔵され、表示部4は、表示ユニット6に内蔵されている。
図2に示すように、センサユニット5においては、例えば樹脂製の筐体5a内に、センサ部2および信号処理部3が収納された状態で設けられる。同様に、表示ユニット6においては、筐体6a内に、表示部4が収納された状態で設けられる。
図2に示すように、センサユニット5は、自転車50のクランク52において、筐体5aがクランク52およびペダル51の回転の妨げとならない位置に設けられる。センサユニット5は、例えばワイヤ留め等の所定の固定方法によってクランク52に固定された状態で設けられる。
センサユニット5は、例えば、図4に示すように、クランク52において、クランク52の一方の端部であるクランク軸53による軸支部分と、クランク52の他方の端部であるペダル51が設けられる部分との間の中間部分に配置される。なお、本実施形態では、センサユニット5は、左右のクランク52のうち一方のクランク52に設けられているが、左右両方のクランク52のそれぞれにセンサユニット5が設けられてもよい。
また、図2に示すように、表示ユニット6は、自転車50において、ペダル51の操作(ペダル操作)を行う運転者100がペダル操作中に視認可能な位置に設けられる。一般に、自転車50の運転者100は、ハンドル58を把持し前方を向いた状態で自転車50の運転、つまりペダル操作を行う。そこで、表示ユニット6は、運転者100がペダル操作中、つまり自転車50の運転中に視認可能な位置として、ハンドル58の近傍、例えば、左右のハンドル58の把持部の間の部分、つまり左右方向に延設されるハンドルバーの中央部付近に配置される。
表示ユニット6は、自転車50のハンドル58の近傍において、筐体6aがハンドル58の操作の妨げとならない位置に設けられる。表示ユニット6は、例えばワイヤ留め等の所定の固定方法によって所定の位置に固定された状態で設けられる。
以上のように、本実施形態のペダリング状態計測装置1は、センサユニット5および表示ユニット6の2つのユニットに分離構成されている。以下、ペダリング状態計測装置1が備える各部の構成について説明する。
センサ部2は、自転車50のクランク52の回転角度(以下「クランク回転角度」という。)および回転角速度(以下「クランク回転角速度」という。)を計測するための構成である。
センサ部2は、自転車50において、運転者100によるペダル操作によって回転するクランク52に設けられる。本実施形態では、センサ部2は、信号処理部3とともにセンサユニット5において筐体5aに内蔵された状態で、クランク52に配置される。
センサ部2は、図1に示すように、クランク52の回転状態を計測するためのセンサとして、角速度センサ10と、第1加速度センサ11と、第2加速度センサ12とを有する。センサ部2は、これらのセンサにより、クランク回転角度とクランク回転角速度を同時計測する。
上述したようにセンサユニット5がクランク52の長手方向の中間部分に設けられる構成において、センサユニット5に内蔵されるセンサ部2は、クランク軸53の回転軸心(クランク中心)の位置を回転中心A1とし、回転中心A1からセンサ部2の設置位置までの距離rを回転半径とする円周に沿って移動する(図4参照)。
図5に示すように、センサ部2が有するセンサのうち、角速度センサ10は、運転者100によるペダル操作にともなうクランク52(クランク軸53)の回転方向、つまり上述したようなセンサユニット5(センサ部2)の円周に沿う移動方向(矢印B0参照)について、回転軸となるクランク軸53の回転角速度(クランク回転角速度)を計測する。
また、第1加速度センサ11は、クランク軸53の回転にともなうセンサ部2の移動軌跡である円周についての遠心力方向(矢印B1参照)の加速度を計測する。つまり、第1加速度センサ11は、クランク軸53の回転軸の方向に対して垂直な平面において、クランク中心の位置を中心位置とする円周の径方向の加速度を計測する。
また、第2加速度センサ12は、クランク軸53の回転にともなうセンサ部2の移動軌跡である円周についての接線方向(矢印B2参照)の加速度を計測する。つまり、第2加速度センサ12は、クランク軸53の回転軸の方向に対して垂直な平面において、クランク中心の位置を中心位置とする円周の径方向(遠心力方向)に直交する方向の加速度を計測する。
このように3つのセンサを有するセンサ部2は、図4に示すように、鉛直上方をx軸、前方(自転車50の前方)をy軸とした空間座標からクランク回転角度(θ)だけ前方方向に回転した座標系(X−Y軸)に固定されているとする。この場合、角速度センサ10により得られるセンサ信号に基づいて計測されるクランク52の回転角加速度(以下「クランク回転角加速度」という。)(ax、ay)は、時間の関数であるクランク回転角速度(ω)、重力加速度(g)、クランク中心からセンサ設置位置までの距離(r)を用いて、次式(1)により表現できる。
ここで、クランク回転角度(θ)とクランク回転角速度(ω)との間には、次式(2)で表される関係式が成り立つ。
上記式(2)において、θCは、時間0におけるクランク回転角度の初期角度である。
上記式(1)、(2)を用いることで、角速度センサ10により計測されたクランク回転角速度(ω)を用いて式(2)の積分値をクランク回転角度(θ)とし、式(1)を用いてクランク回転角加速度の値を計算することができる。
クランク回転角加速度の時系列データには、クランクの初期角度(θC)と距離(r)の2つの自由度がある。一方、第1加速度センサ11および第2加速度センサ12により、実際のクランク回転角加速度(ax、ay)が計測されている。このため、クランク回転角加速度について、センサによる計測値と、上述したような式(1)、式(2)による計算値とが一致するように、上記の2つの自由度を定めることができる。この結果、角速度センサ10、第1加速度センサ11、および第2加速度センサ12の3つのセンサの出力から、クランク回転角度とクランク回転角速度が同時に得られる。このように、センサ部2によれば、クランク回転角度とクランク回転角速度を同時に計測することができる。
図6に、センサ部2により計測されたクランク回転角度とクランク回転角速度の計測データの一例を示す。図6に示すグラフにおいて、横軸は時間(秒)を示し、縦軸はクランク回転角度(angle(degree))、クランク回転角速度(angular velocity(degree/s))を示す。
図6に示す計測データからわかるように、クランク回転角度は、0〜360°の範囲で周期的に変化しており、クランク回転角速度は、ほぼ一定の値をとりながら、クランク52の回転時のペダリングに合わせて上下している。
信号処理部3は、センサ部2からの出力信号に基づき、ペダリングスキル指標(ペダリングスキルの評価指標)となる所定の値を算出する。信号処理部3は、センサ部2により計測されたクランク回転角度およびクランク回転角速度に基づいて、クランク回転角度ごとのクランク回転角加速度を算出する。このため、信号処理部3は、センサ部2と電気的に接続され、センサ部2から出力される信号の入力を受ける。そして、信号処理部3は、算出したクランク回転角加速度のクランク回転角度による変動または該変動に基づく値を、ペダリングスキル指標として算出する。
一般に、図6に例示するようなセンサ部2によって計測されたクランク回転角度およびクランク回転角速度の計測値には、大きな誤差が混入する。このため、センサ部2により得られた測定値をそのまま微分処理することでクランク回転角加速度を算出することとした場合、測定誤差の要因が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態のペダリング状態計測装置1が備える信号処理部3は、センサ部2により計測されたクランク回転角速度をクランク回転角度ごとに平均化する。そして、信号処理部3は、平均化したクランク回転角度ごとの数値(クランク回転角速度の平均値)を微分処理することで、クランク回転角加速度を算出する。
このようにして算出されたクランク回転角加速度は、クランク回転角加速度のクランク回転角度による変動を表す。信号処理部3は、こうしたクランク回転角加速度のクランク回転角度による変動または該変動に基づく値を、ペダリングスキル指標として算出する。
このようなクランク回転角速度のクランク回転角度ごとの平均化処理、および平均化したクランク回転角速度からクランク回転角加速度を算出するための微分処理を行うため、信号処理部3は、角加速度算出部14を有する(図1参照)。
すなわち、角加速度算出部14は、センサ部2によって計測されたクランク回転角速度について、クランク回転角度0〜360°の角度ごとに平均値を算出する。ここで、平均値の算出においては、例えば、直近の数回転分(例えば、10回転分)のクランク回転角速度の値が用いられる。平均値の算出に用いられるクランク回転角速度の値の数(平均をとる回転の数)は、信号処理部3においてあらかじめ設定され記憶される。ただし、平均値の算出に用いられるクランク回転角速度の値の数は、特に限定されない。そして、角加速度算出部14は、クランク回転角度0〜360°の角度ごとのクランク回転角速度の平均値を微分することで、クランク回転角度0〜360°の角度ごとに、クランク回転角加速度を算出する。
図7に、信号処理部3により算出されたクランク回転角度0〜360°の角度ごとのクランク回転角速度およびクランク回転角加速度の値、つまりクランク回転角度によるクランク回転角速度およびクランク回転角加速度の変動の一例を示す。図7に示すグラフにおいて、横軸はクランク回転角度(Angle(degree))を示し(グラフG1参照)、縦軸はクランク回転角速度(angular velocity(rad/s))、クランク回転角加速度(angular acceleration(rad/ss))を示す(グラフG2参照)。
上述したような平均化を行う手法によれば、図7に示されるようなクランク回転角度ごとに変化するクランク回転角速度の変動およびクランク回転角加速度の変動を、誤差が少ない状態で得ることができる。そして、この誤差の少ないクランク回転角加速度のクランク回転角度による変動が、そのままペダリングスキル指標とされたり、ペダリングスキル指標の算出に用いられたりする。
また、一般に、クランク52の回転数によって、クランク回転角速度の値は異なる。このため、ペダリングスキル指標をよりわかりやすいものとするには、図7に示すようなクランク回転角度によるクランク回転角加速度の変動を、クランク回転角速度の平均値等で正規化してもよい。
また、上述したようなクランク回転角速度のクランク回転角度ごとの平均値としては、直近の数回転分の単純平均でもよいが、例えば、IIR(Infinite Impulse Response、無限インパルス応答)によるフィルタ処理のように、時間的に近いデータと遠いデータに重みを付けて計算した値を採用することもできる。
また、信号処理部3において、クランク回転角度ごとに変動するクランク回転角加速度について、クランク52の1回転の過程には、運転者100の左右の脚による踏み込みがあるため、2回の最大値が現れる。そこで、クランク52の各回転におけるクランク回転角加速度の最大値と、この最大値を取る時間(タイミング)あるいはクランク回転角度とを運転者100の左右の脚ごとに算出し、算出したこれらの数値を、ペダリングスキル指標とすることができる。
具体的には、信号処理部3は、上述のようなクランク回転角加速度の最大値、およびこの最大値に対応する時間あるいはクランク回転角度を算出するため、最大値算出部15を有する(図1参照)。すなわち、最大値算出部15は、角加速度算出部14により算出されたクランク回転角度0〜360°の角度ごとのクランク回転角加速度について、クランク52の1回転の過程において、運転者100の左右の各脚に対応する2回の最大値と、各最大値に対応する時間あるいはクランク回転角度を算出する。このように最大値算出部15によって算出された各数値が、信号処理部3により算出されるペダリングスキル指標とされる。
このようにペダリングスキル指標として、クランク回転角加速度の最大値およびその最大値をとる時間あるいはクランク回転角度を採用することは、次のような理由による。自転車50のペダル操作において、ペダル51を踏み込むタイミングは上級者ほど早く、加速している時間間隔も短いと言われている。このため、上述したようにペダリングスキル指標としてクランク回転角加速度の最大値を用いることで、熟練度によるペダリングの違いを明確にすることができる。また、自転車50のペダル操作によって筋肉が疲労してくると、脳からの指令に対して筋肉が収縮するタイミングが遅くなる。このため、上述したようにペダリングスキル指標とされる、クランク回転角加速度が最大値を取る時間あるいはクランク回転角度は、運転者100の筋疲労度の指標となる。
また、信号処理部3においては、上述したように算出されたクランク回転角度によるクランク回転角加速度の変動を、クランク回転角度ごとの離散値データとし、その離散値データから標準偏差を求め、その標準偏差の値を、ペダリングスキル指標とすることができる。
具体的には、信号処理部3は、上述したようなクランク回転角加速度についての標準偏差を算出するため、標準偏差算出部16を有する(図1参照)。標準偏差算出部16は、角加速度算出部14により算出された連続値としてのクランク回転角度によるクランク回転角加速度の変動を離散化することで離散値データに置き換える。そして、標準偏差算出部16は、クランク回転角加速度の変動についての離散値データから、標準偏差を算出する。このように標準偏差算出部16によって算出された標準偏差が、信号処理部3により算出されるペダリングスキル指標とされる。なお、ペダリングスキル指標としては、クランク回転角加速度についての標準偏差の値のほか、例えば、標準偏差の値を正規化した値等、クランク回転角加速度についての標準偏差の値に基づく値であってもよい。
このようにペダリングスキル指標として、クランク回転角加速度についての標準偏差を採用することで、ペダリングスキル指標を一つの数値で表すことができる。そして、この指標は、加減速の少ない安定したペダリングを示していると考えることができる。
信号処理部3は、上述したようなペダリングスキル指標として用いられる各値を、運転者100による自転車50におけるペダル操作にともなって随時計測し、リアルタイムでペダリングスキル指標の信号を出力する。信号処理部3が出力したペダリングスキル指標の信号は、表示部4に入力される。
以上のような構成を有する信号処理部3は、上述したような各種演算を行うためのプログラム等を格納する格納部、プログラム等を展開する展開部、プログラム等に従って所定の演算を行う演算部、演算部による演算結果等を保管する保管部等を有する。具体的には、信号処理部3としては、CPU、ROM、RAM等がバスで接続された構成や、ワンチップのLSI等からなる構成等が用いられる。そして、本実施形態のペダリング状態計測装置1においては、信号処理部3は、センサ部2とともにセンサユニット5に内蔵される。
表示部4は、信号処理部3により算出されたペダリングスキル指標を表示するための構成である。表示部4は、上述したように信号処理部3においてリアルタイムで出力されるペダリングスキル指標の信号の入力を受け、ペダリングスキル指標をリアルタイムで表示する。表示部4は、例えば、ペダリングスキル指標として用いられるクランク回転角度によるクランク回転角加速度の変動を図示することで、その変動をペダリングスキル指標としてそのまま表示し、自転車50の運転中の運転者100に視認させる。
表示部4は、信号処理部3により算出されたペダリングスキル指標を、画像化あるいは数値化・図形化して表示する。このため、表示部4は、信号処理部3と電気的に接続され、信号処理部3から出力されるペダリングスキル指標の信号の入力を受ける。本実施形態では、表示部4は、信号処理部3が設けられるセンサユニット5とは異なる表示ユニット6に内蔵される。このため、ユニット間における信号処理部3と表示部4との間の信号の授受、つまり信号情報伝達は、後述するように各ユニットが有する無線通信機能により行われる。
表示部4は、自転車50において、例えばハンドルバー等、ペダル操作を行う運転者100に表示内容を提示可能な位置、つまり運転中の運転者100が視認可能な位置に設けられる。本実施形態では、表示部4は、表示ユニット6において筐体6aに内蔵された状態で、ハンドルバー等に設けられる。表示部4は、ペダリングスキル指標を表示する表示画面を有し、その表示画面が筐体6aの外部から視認できる状態で、筐体6aに内蔵される。
図8に、表示部4によるペダリングスキル指標の表示例を示す。図8(a)は、ペダリングスキル指標として、クランク回転角度ごとのクランク回転角加速度の変化をグラフで表示した場合の例である。図8(a)に示す例では、表示部4による表示画面20は、自転車50の速度(km/h)を表示する速度表示部21と、運転者100の心拍数(bpm)を表示する心拍数表示部22と、パワー(W)を表示するパワー表示部23と、クランク52の回転数(rpm)を表示する回転数表示部24と、ペダリングスキル指標を表示するペダリングスキル指標表示部25とを含む。なお、パワー(W)は、例えば、クランク軸53等に設けられる歪みセンサ等により計測される。
図8(a)に示す例では、ペダリングスキル指標表示部25において、上述したように信号処理部3の角加速度算出部14によって算出されたクランク回転角度ごとのクランク回転角加速度に基づき、クランク回転角度ごとのクランク回転角加速度の変動のグラフ25aが表示される。ペダリングスキル指標表示部25に表示されるグラフ25aは、例えば図7のグラフG2で示されるようなグラフである。この例では、表示部4は、信号処理部3により算出されたクランク回転角加速度を用いて、クランク回転角度ごとのクランク回転角加速度の変動を図示する。
このように、表示部4の表示画面20においては、ペダリングスキル指標が、自転車速度、心拍数、パワー、クランク回転数等とともに組み合わせて表示される。特に、クランク回転数はクランク回転角加速度の回転ムラとの間に密接な関係を有し、クランク回転数が大きくなるとクランク回転角加速度の変動が小さくなり、クランク回転数が小さくなるとクランク回転角加速度の変動が大きくなる傾向がある。同様に、パワーもクランク回転角加速度との間に関係を有し、パワーが上がると回転ムラが大きくなり、パワーが下がると回転ムラが小さくなる傾向がある。そこで、表示部4の表示画面20においては、ペダリングスキル指標と同時に、クランク回転数やパワー等、ペダリングスキル指標の変化に連動して変動する、ペダリングスキル指標との間に関係性を有する数値を表示することが、より良いペダリングスキル指標の表示方法である。
図8(b)は、ペダリングスキル指標として、クランク52の各回転におけるクランク回転角加速度の最大値と、この最大値を取るクランク回転角度とを運転者100の左右の脚ごとに算出して表示した場合の例である。図8(b)に示す例では、ペダリングスキル指標表示部25Aにおいて、上述したように信号処理部3の最大値算出部15によって算出された、クランク52の1回転の過程における運転者100の左右の各脚に対応するクランク回転角加速度の最大値と、各最大値に対応するクランク回転角度が表示される。この例では、表示部4は、信号処理部3により算出された、クランク52の1回転周期における運転者100の左右の脚ごとのクランク回転角加速度の最大値と、各最大値に対応するクランク回転角度とを表示する。なお、各最大値に対応するクランク回転角度の代わりに、各最大値を取る時間(タイミング)が表示されてもよい。
図8(c)は、ペダリングスキル指標として、クランク回転角加速度の変化から標準偏差を算出して表示した場合の例である。図8(c)に示す例では、ペダリングスキル指標表示部25Bにおいて、上述したように信号処理部3の標準偏差算出部16によって算出されたクランク回転角加速度についての標準偏差が表示される。この例では、表示部4は、信号処理部3により算出されたクランク回転角加速度についての標準偏差を表示する。なお、図8(c)では、ペダリングスキル指標表示部25Bにおいて、標準偏差を正規化した値が表示されている。
また、ペダリングスキル指標としては、クランク回転角加速度の変動、あるいはこの変動に基づいて計算された数値が用いられるが、これらのペダリングスキル指標は、上述したようにクランク回転数やパワーに依存して変化する。そこで、ペダリング状態計測装置1に、クランク回転数やパワーを計測する機能を持たせることで、これらの計測値を用いて、ペダリングスキル指標を補正することができる。
以上のような構成を有する表示部4としては、例えば、液晶ディスプレイ等が用いられる。
続いて、上述したようにセンサユニット5および表示ユニット6の2つのユニットからなる本実施形態のペダリング状態計測装置1のユニット構成について、詳細に説明する。上述したように、センサユニット5は、センサ部2と、信号処理部3とを有し、表示ユニット6は、表示部4を有する(図3参照)。そして、自転車50において、センサユニット5は、クランク52に設けられ、表示ユニット6は、例えばハンドルバー等に取り付けられることでハンドル58の近傍に設けられる。
センサユニット5と表示ユニット6とは、互いの間での信号情報伝達を行うための無線通信機能を有する。このため、図3に示すように、センサユニット5は、無線送信機31を有し、表示ユニット6は、無線受信機32を有する。センサユニット5においては、信号処理部3から出力されるペダリングスキル指標の信号が無線送信機31に入力され、信号の入力を受けた無線送信機31により、無線信号が送信される。表示ユニット6においては、センサユニット5の無線送信機31から送信された無線信号が無線受信機32により受信され、無線受信機32から表示部4に対してペダリングスキル指標の信号が送られる。そして、無線受信機32からの信号の入力を受けた表示部4により、表示画面20において所定のペダリングスキル指標が表示される。
このように、本実施形態のセンサユニット5と表示ユニット6とからなるユニット構成においては、無線送信機31および無線受信機32を含む構成により得られる無線通信機能により、信号処理部3から出力される信号が、無線送信機31および無線受信機32を介して、無線信号として表示部4に伝送される。
また、図3に示すように、センサユニット5および表示ユニット6の各ユニットは、それぞれ電源33、34を有する。センサユニット5においては、電源33の電力が、センサ部2、信号処理部3、および無線送信機31に供給される。表示ユニット6においては、電源34の電力が、表示部4および無線受信機32に供給される。
なお、本実施形態では、ペダリング状態計測装置1が備える信号処理部3はセンサユニット5に内蔵されているが、ユニット構成としては、信号処理部3が表示ユニット6側に内蔵される構成であってもよい。この場合、ペダリング状態計測装置1が備えるユニット構成は、例えば次のような態様となる。
図9に、ペダリング状態計測装置1が備えるユニット構成の他の構成例を示す。図9に示すように、この構成例では、センサユニット5は、センサ部2と、無線送信機35と、電源33とを有し、表示ユニット6は、信号処理部3と、表示部4と、無線受信機36と、電源34とを有する。そして、センサユニット5においては、センサ部2から出力されるクランク回転角度およびクランク回転角速度についての信号が無線送信機35に入力され、信号の入力を受けた無線送信機35により、無線信号が送信される。これに対し、表示ユニット6においては、センサユニット5の無線送信機35から送信された無線信号が無線受信機36により受信され、無線受信機36から信号処理部3に対してクランク回転角度およびクランク回転角速度についての信号が送られる。また、信号処理部3からのペダリングスキル指標の出力信号が、表示部4に送られる。そして、信号処理部3からの信号の入力を受けた表示部4により、表示画面20において所定のペダリングスキル指標が表示される。
このように、ペダリング状態計測装置1が備えるユニット構成においては、信号処理部3は、センサユニット5または表示ユニット6のいずれかに内蔵されていればよい。
なお、本実施形態のペダリング状態計測装置1が備えるユニット構成においては、2つのユニット間における信号の伝達方式として無線方式を採用したが、有線方式を採用することもできる。この場合、自転車50においてクランク52に設けられるセンサユニット5と、ハンドル58の近傍に設けられる表示ユニット6とが、例えば本体フレーム54に沿って配線される信号線によって互いに接続される。このように有線方式が採用される場合、信号線が自転車50のペダル操作の妨げとなること等を防止する観点から、センサユニット5については、クランク52におけるクランク軸53の回転による移動範囲が極力小さくなる位置、あるいはクランク軸53自体に設けることが好ましい。
以上のような構成を備える本実施形態のペダリング状態計測装置1によれば、ペダリングスキルの評価指標について、運転者100によるペダル踏力に対して十分な対応関係を得ることができ、人のペダリング感覚が十分に反映され、評価精度を向上することができる。具体的には次のとおりである。
回転体の運動方程式(回転トルク=慣性モーメント×角加速度)から類推して、ペダル51に加えられるペダル踏力(=回転トルク)はクランク回転角速度よりもクランク回転角加速度の変化と密接に関連していることがわかる。このため、人間の感覚に近いペダリングスキル指標としては、クランク回転角速度よりもクランク回転角加速度の方がより優れていると言える。さらに、クランク回転角度ごとのクランク回転角加速度をペダリングスキル指標として用いることにより、左右の踏力の差や最大踏力を加えているクランク回転角度の情報等を、運転者100に提示することが可能となり、大変有意義なペダリングスキル指標を示すことができる。
そこで、本実施形態のペダリング状態計測装置1のように、ペダリングスキル指標の算出においてクランク回転角度によって変動するクランク回転角加速度を用いることにより、ペダル踏力に対して十分な対応関係を得ることができ、人のペダリング感覚に近いペダリングスキル指標を得ることができ、評価精度を向上することができる。
また、本実施形態のペダリング状態計測装置1のように、信号処理部3により、クランク回転角度ごとのクランク回転角速度について、直近数回転分の平均値を計算する構成を採用することにより、誤差の少ないクランク回転角速度の変化を得ることができ、クランク回転角加速度の変化を安定して計算することができる。
また、信号処理部3により算出されるペダリングスキル指標として、最大値算出部15により算出されるクランク回転角加速度の最大値およびこの最大値に対応する時間あるいはクランク回転角度を採用することにより、ペダリングスキルの評価結果に、運転者の熟練度や疲労度を反映することが可能となる。
また、信号処理部3により算出されるペダリングスキル指標として、標準偏差算出部16により算出されるクランク回転角加速度についての標準偏差の値、あるいは標準偏差に基づく値(例えば、標準偏差を正規化した値)を採用することにより、ペダリングスキル指標を一つの数値として表すことができるとともに、加減速によるペダリング変動を反映するペダリングスキル指標を得ることができる。
また、本実施形態のペダリング状態計測装置1は、上述したようにセンサユニット5と表示ユニット6とからなるユニット構成を採用する。このユニット構成によれば、ペダリング状態計測装置1が備えるセンサ部2、信号処理部3、および表示部4を、自転車50において容易に所定の位置に設けることができる。また、このユニット構成において、センサユニット5をサイズが小さく重量も軽い構成にすることで、センサユニット5を自転車50のクランク52に簡単に取り付けることが可能となり、センサユニット5をクランク52に設けることによる走行上のデメリットもほとんどない。この結果、例えばハンドルバー付近に取り付けられた表示ユニット6に運転者100のペダリングスキル指標を表示することで、自転車50の運転者100がペダリングスキルを、リアルタイムにグラフや数値指標によって確認することができるため、ペダリングスキルの改善に役立つという効果が得られる。
また、ユニット構成に関し、近年、例えばANT+等、自転車関連の速度、心拍数、ペダル回転数などの情報を微弱電波によって無線伝送する規格化が進んでいる。このため、表示ユニット6として汎用の表示装置を用いて、センサユニット5と表示ユニット6とを個別に制作・販売するような形態もあり得る。この場合、センサユニット5側にセンサ部2と信号処理部3とが含まれ、無線通信で規格化された通信プロトコルによりペダリングスキル指標に関する信号が、表示部4を含む表示ユニット6に対して送信されることになる。つまり、ユニット構成として、信号処理部3をセンサユニット5側に内蔵する構成を採用することで、表示ユニット6として、市販の表示装置を使用することが可能となる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について、図10および図11を用いて説明する。なお、第1実施形態と共通する部分については同じ符号を用いて適宜説明を省略する。
本発明の第2実施形態について、図10および図11を用いて説明する。なお、第1実施形態と共通する部分については同じ符号を用いて適宜説明を省略する。
本実施形態のペダリング状態計測装置1Aは、第1実施形態のペダリング状態計測装置1に対して、センサ部2の構成の点で異なる。本実施形態のセンサ部2は、図10に示すように、クランク52の回転状態を計測するためのセンサとして、角速度センサ40と、回転数センサ41とを有する。
図11に示すように、角速度センサ40は、第1実施形態の角速度センサ10と同様に、運転者100によるペダル操作にともなうクランク52(クランク軸53)の回転方向、つまりセンサユニット5(センサ部2)の円周に沿う移動方向(矢印D0参照)について、回転軸となるクランク軸53の回転角速度(クランク回転角速度)を計測する。
また、回転数センサ41は、クランク52(クランク軸53)の一回転ごとに信号を出力する。具体的には、図11に示すように、回転数センサ41に対しては、自転車50の本体フレーム54における所定の位置に、磁石42が設けられる。この本体フレーム54に取り付けられた磁石42により、クランク52の回転にともなって回転数センサ41が磁石42の付近に来たときに、回転数センサ41が反応することで、クランク回転数を検出することができる。
そして、本実施形態のペダリング状態計測装置1Aでは、回転数センサ41により得られたクランク回転数と、角速度センサ40の出力積分値とを用いることで、クランク回転角度が算出される。
このように、本実施形態のペダリング状態計測装置1Aでは、センサ部2において、角速度センサ40と回転数センサ41との組み合わせにより、クランク回転角度およびクランク回転角速度が計測される。ただし、本実施形態のセンサ構成の場合、クランク回転角度についての絶対値は検出できないことから、例えば、あらかじめ磁石42のある位置でのクランク回転角度を設定する等といった初期設定が必要となる。また、回転数センサとしては、本実施形態のように磁石による磁力を検出する構成のほか、例えば光電センサ等、適宜周知の回転数センサを用いることができる。
以上のように、本実施形態のペダリング状態計測装置1Aが有するセンサ部2の構成によっても、小型軽量で簡単な構成を持つセンサ部2によって、クランク回転角度とクランク回転角速度を同時に計測することができる。なお、クランク回転角度を求めるに際しては、精密な回転角度センサをクランク軸53付近に設置する構成とすることもできる。
以上のように、本発明の実施形態のペダリング状態計測装置は、クランク52が回転している状態でのクランク回転角加速度の変動に着目し、ペダリング状態を計測するものであり、その計測したペダリング状態を、ペダリングスキル指標として、自転車50の運転者100に提示する構成を採用する。このような構成は、ペダリング状態の情報としてペダル踏力やクランク回転角速度などを運転者に提示する従来技術に対して、新規な構成である。
なお、上述した本発明の実施形態は、本発明に係る対象装置を一般的な自転車とした場合の例であるが、本発明に係る対象装置としては、電動アシスト機能を持った電動アシスト型自転車や、サイクル型のエルゴメータ等であってもよく、また、トレーニング装置等の、手回しでクランクに動力を伝えるタイプのエルゴメータ等であってもよい。つまり、本発明に係る対象装置は、人力を含む力の作用によって回転するクランクを有する構成を備える装置であればよい。
1 ペダリング状態計測装置
2 センサ部
3 信号処理部
4 表示部
5 センサユニット
6 表示ユニット
10 角速度センサ
11 第1加速度センサ
12 第2加速度センサ
14 角加速度算出部
15 最大値算出部
16 標準偏差算出部
40 角速度センサ
41 回転数センサ
50 自転車
51 ペダル
52 クランク
53 クランク軸
2 センサ部
3 信号処理部
4 表示部
5 センサユニット
6 表示ユニット
10 角速度センサ
11 第1加速度センサ
12 第2加速度センサ
14 角加速度算出部
15 最大値算出部
16 標準偏差算出部
40 角速度センサ
41 回転数センサ
50 自転車
51 ペダル
52 クランク
53 クランク軸
Claims (4)
- ペダルを有するクランクの回転軸であるクランク軸を回転させるための人力によるペダル操作のペダリング状態を計測するペダリング状態計測装置であって、
前記クランクの回転角度および回転角速度を計測するためのセンサ部と、
前記センサ部により計測された前記回転角度および前記回転角速度に基づいて、前記回転角度ごとの前記クランクの回転角加速度を算出し、算出した前記回転角加速度の前記回転角度による変動または該変動に基づく値を、ペダリングスキル指標として算出する信号処理部と、を備える、
ペダリング状態計測装置。 - 前記信号処理部により算出された前記ペダリングスキル指標を表示する表示部をさらに備える、
請求項1に記載のペダリング状態計測装置。 - 前記信号処理部は、前記センサ部により計測された前記回転角速度を前記回転角度ごとに平均化し、平均化した前記回転角度ごとの前記回転角速度を微分処理することで、前記回転角加速度を算出し、
前記表示部は、前記信号処理部により算出された前記回転角加速度を用いて、前記回転角度ごとの前記回転角加速度の変動を図示する、
請求項2に記載のペダリング状態計測装置。 - 前記センサ部は、前記クランクに設けられるセンサユニットに内蔵され、
前記表示部は、前記ペダル操作を行う者が前記ペダル操作中に視認可能な位置に設けられる表示ユニットに内蔵され、
前記信号処理部は、前記センサユニットまたは前記表示ユニットのいずれかに内蔵されている、
請求項2または請求項3に記載のペダリング状態計測装置。
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