JP4893743B2 - 車両操縦性能評価方法、評価装置およびプログラム - Google Patents

車両操縦性能評価方法、評価装置およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、車両の操縦性能を評価する方法、装置およびプログラムに関する。
現在、自動車車両を運転する運転者の特性の評価や、自動車車両の操縦のし易さの評価、また、自動車車両を運転する運転者の操作作業を支援して自動車車両の挙動を制御する操作支援制御などにおいて、運転中の自動車車両の情報や、運転中の運転者の生体情報が利用されている。
この中で、自動車車両の操縦性能は、反応性と安定性といった、相反する2つの性能のバランスによって決まるといえる。ここで、反応性とは、自動車車両の操舵状態が、運転者の操作(例えばハンドル操作)に対して、どれだけ敏感に反応するかを表す指標である。反応性が高い車両では、運転者がごく軽い力で操作するだけで、大きく操舵される。また、安定性とは、自動車車両の操舵状態が、路面不整等による外乱の影響を、どれだけ受けずに走行できるかを表す指標である。安定性が高い車両では、路面不整等によって大きな外乱を受けた場合でも、車両の運転者があまり大きな修正操舵力を発揮することなく、安定した操舵状態で自動車車両を走行させることができる。一般的にも広く認識されているように、反応性が高すぎる車両は、安定性が低くなりがちであり、安定性が高すぎる車両は、反応性が低くなりがちである。反応性と安定性といった相反する2つの性能のバランスによって決まる自動車車両の操縦性能は、定量化することが困難である。従来では、自動車車両の操縦性能を定量評価するため、主にフィーリング試験による評価が行なわれていた。フィーリング試験とは、評価対象の車両を運転したドライバが、この評価対象の車両の操縦のし易さを、自らの感性に基いて定量的に評価するものである。
従来行なわれていたフィーリング試験に対し、例えば、下記特許文献1には、車両の操縦安定性の評価を、定量的な指標でもって的確に行なうことを目的になされた、車両の操縦安定性評価装置が記載されている。下記特許文献1では、ドライバの行なうハンドル操舵について、路面不整等によって外部からどれだけの仕事を受けているかに着目し、舵角量の時間微分値(操舵速度)と操舵力との積である操舵仕事率を指標として操縦安定性の評価を行なうと記載されている。特許文献1では、操舵仕事率の大小が、路面不整等によって外部から受ける仕事の大小を表していると記載されている。また、特に、操舵仕事率が負の値のときは、ハンドル操舵速度(舵角量の時間微分値)の方向とハンドル操舵力の方向とが互いに逆方向であるため、ドライバがハンドルの動きを止めようとしている最中であり、路面不整等によって外部から仕事を受けていることになるとみなしている。下記特許文献1では、この負の操舵仕事率の大小によって、車両の操縦安定性が評価可能になるとしている。
特開2002−214083号公報
特許文献1記載の装置では、ハンドルと車輪との間におけるトルク量、またはドライバの筋電位を検出し、これらトルク量または筋電位の大きさを、運転者が車両のハンドルに付与する操舵力の大きさを表すものとみなしている。そして、さらに、舵角量検出手段によって、ハンドルの舵角量を検出し、検出した操舵力(トルク量または筋電位)と検出した舵角量とをもって、車両の操縦安定性を評価している。特許文献1記載の装置のように、操舵仕事率を指標として操縦安定性の評価を行なう場合、操舵力を検出するための手段と、舵角量を検出するための手段と、の2つの手段(センサ等)が必要になり、比較的高いコストを要する。ここで、操舵力の情報は、運転者に関する情報であり、上述のように運転者の筋電位を計測することで取得することはできる。一方、操舵速度(舵角量)は、車両に関する情報であり、舵角センサなどを車両に取り付けて計測する必要がある。特許文献1記載の車両の操縦安定性評価装置では、このように、例えば舵角センサが取り付けられた車両でしか、操縦安定性を評価することはできない。特許文献1記載の装置では、例えば舵角量検出手段(舵角センサなど)が取り付けられていない任意の測定対象車両について、車両の操縦安定性を評価する場合など、舵角量検出手段を予め測定対象車両に取り付けてから操縦安定性評価を開始せねばならず、評価にかかる時間やコストが、多大なものとなってしまっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、任意の車両の操縦性能を、簡単かつ精度良く定量的に評価する方法、装置およびプログラムを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は、車両の操縦性能を評価する方法であって、運転者が前記車両を運転操作する際の、前記車両の運転操作に関与する筋肉の筋電位信号を時系列に取得するステップと、取得した時系列の前記筋電位信号に基づき、前記筋電位信号の変動量を表す変動参照値を求めるステップと、前記変動参照値に基いて、前記車両の操縦性能を評価するステップと、を有し、前記変動参照値は、前記車両を所定の走行条件で走行させている最中に運転者が行なう、修正操舵の頻度及び大きさの双方の程度を表し、前記変動参照値は、前記筋電位信号の標準偏差、分散、分布範囲、前記時系列の筋電位信号を時間微分した波形の自乗平均平方根、のいずれか1つであることを特徴とする方法を提供する。
なお、前記筋電位信号は、前記運転操作に関与する筋肉の表面筋電位の情報であって、前記変動参照値を求めるとき、前記表面筋電位の情報を、整流及び平滑化した波形を用いて、前記変動参照値を求めることが好ましい。
また、前記変動参照値とともに、前記筋電位信号の平均値を表す強度参照値を求め、前記操縦性能を評価するとき、前記変動参照値と前記強度参照値との双方に基いて、前記車両の操縦性能を評価することが好ましい。
また、前記強度参照値は、前記筋電位信号の算術平均値、又は自乗平均平方根、の少なくともいずれか1つであることが好ましい。
また、前記車両の操縦性能を評価するステップは、前記強度参照値及び前記変動参照値の双方を軸とした座標軸に対して、前記強度参照値及び前記変動参照値の組合せの点をプロットして散布図を作成し、該散布図における組合せの点の位置に応じて前記操縦性能を評価することが好ましい。
なお、前記変動参照値を求めるとき、前記車両が所定の走行条件で走行している時間に対応する筋電位信号を用いて、前記変動参照及び前記強度参照値の少なくともいずれか一方を求め、前記所定の走行条件は、前記車両が曲率一定の曲路を少なくとも含む走路を走行する条件であることが好ましい。
また、前記変動参照値を求めるとき、前記車両が所定の走行条件で走行している時間に対応する筋電位信号を用いて、前記変動参照及び前記強度参照の少なくともいずれか一方を求め、前記所定の走行条件は、前記車両が曲率一定の曲路を走行する条件であることも好ましい。
前記所定の走行条件は、さらに、前記車両が一定の走行速度で走行することも条件に含むことが好ましい。
なお、前記運転操作に関与する筋肉は、前記車両の操舵手段を動作させるための筋肉、前記車両を運転中の前記運転者の姿勢保持に関与する筋肉、及び、前記車両の速度制御手段を動作させるための筋肉のいずれか1つであることが好ましい。
本発明は、また、車両の操縦性能を評価する装置であって、運転者が前記車両を運転操作する際の、前記車両の運転操作に関与する筋肉の筋電位信号を時系列に取得する手段と、取得した時系列の前記筋電位信号に基づき、前記筋電位信号の変動量を表す変動参照値を求める手段と、前記変動参照値に基いて、前記車両の操縦性能を評価する手段と、を有し、前記変動参照値は、前記車両を所定の走行条件で走行させている最中に運転者が行なう、修正操舵の頻度及び大きさの双方の程度を表し、前記変動参照値は、前記筋電位信号の標準偏差、分散、分布範囲、前記時系列の筋電位信号を時間微分した波形の自乗平均平方根、のいずれか1つであることを特徴とする装置を、併せて提供する。
また、車両の操縦性能を評価する装置において実行されるプログラムであって、運転者が前記車両を運転操作する際の、前記車両の運転操作に関与する筋肉の筋電位信号を時系列に取得するステップと、取得した時系列の前記筋電位信号に基づき、前記筋電位信号の変動量を表す変動参照値を求めるステップと、前記変動参照値に基いて、前記車両の操縦性能を評価するステップと、をコンピュータに実行させ、前記変動参照値は、前記車両を所定の走行条件で走行させている最中に運転者が行なう、修正操舵の頻度及び大きさの双方の程度を表し、前記変動参照値は、前記筋電位信号の標準偏差、分散、分布範囲、前記時系列の筋電位信号を時間微分した波形の自乗平均平方根、のいずれか1つであることを特徴とするプログラムも、併せて提供する。
本発明によれば、運転者に関する情報である、運転者の時系列の筋電位信号のみに基づいて、任意の車両の操縦性能を、精度良く定量的に評価することができる。本発明の方法および装置を用いることで、任意の車両の操縦性能を、比較的短時間かつ低いコストで評価することができる。また、車両の走行条件として、車両が曲率一定の曲路を含む走路を走行する条件を設定し、この曲率一定の曲路を車両が走行している状態において、運転操舵に関連する運転者の筋肉の筋電位信号を時系列に取得する。この曲率一定の曲路を車両が走行している状態では、運転操舵に関連する筋肉は、ほぼ一定の筋力を発揮しており、筋電位信号に含まれる余分なノイズ成分の大きさの割合を低くすることができる。本発明によれば、ノイズ成分の大きさの割合が低い筋電位信号に基づいて、車両の操縦性能を精度良く求めることができ、例えば、特性差の小さな複数の車両仕様の操縦性能を、精度良く比較することができる。例えば、同一車両に、それぞれ異なる仕様のタイヤを装着した各場合について、各タイヤを装着した場合それぞれの操縦性能を、相対的かつ定量的に比較評価することができる。
本発明の装置を備えた車両について説明する概略構成図である。 本発明の装置の一例について説明する概略構成図である。 図2に示す評価装置の検出センサの、運転者への貼り付け位置について説明する図である。 本発明の方法において車両が走行する走路の条件の一例である。 (a)は、本発明の方法において取得する筋電位信号の一例であり、(b)は、(a)に示す時系列の筋電位信号の平滑化波形である。 本発明の方法において検出する時系列情報の一例であって、(a)は時系列の操舵角情報の一例であり、(b)は時系列の操作トルク情報の一例である。 (a)は、本発明の方法において取得する、左側の三角筋の時系列筋電位信号の一例であり、(b)は、本発明の方法において取得する、右側の三角筋の時系列筋電位信号の一例であり、(c)は、運転者の左右の三角筋の同時活動強度の時系列波形の一例である。 本発明の装置の評価部において作成される散布図の一例である。 本発明の方法の一例のフローチャート図である。 (a)は、本発明の方法において求められるパラメータの値を、異なる車両仕様毎に分類して示すグラフであり、(b)は、(a)に示す各値を運転者毎に規格化して示すグラフであり、(c)は、(b)に示す規格化後のグラフについての算術平均および分散を示している。 (a)は、本発明の方法において求められる平均値を、異なる車両仕様毎に分類して示すグラフであり、(b)は、(a)に示す各値を運転者毎に規格化して示すグラフであり、(c)は、(b)に示す規格化後のグラフについての算術平均および分散を示している。 図10(c)に示すパラメータの平均と、図11(c)に示す平均値の平均との関係を、直交座標にプロットした散布図である。 (a)は、本願発明者が行なった確認実験の結果を示すグラフであり、「ライントレース性」の官能評価得点値を異なる車両仕様毎に分類して示すグラフであり、(b)は、(a)に示す各値を運転者毎に規格化して示すグラフであり、(c)は、(b)に示す確認実験の結果と図10(c)に示すパラメータ値との対応を示す散布図である。 (a)は、本願発明者が行なった確認実験の結果を示すグラフであり、「ハンドルの重さ」の官能評価得点値を異なる車両仕様毎に分類して示すグラフであり、(b)は、(a)に示す各値を運転者毎に規格化して示すグラフであり、(c)は、(b)に示す確認実験の結果と図10(c)に示すパラメータ値との対応を示す散布図である。
符号の説明
10 評価装置
11 車両
12 運転者
15 第1の車両センサ
15a ヨーレートセンサ
15b 車速センサ
15c GPSセンサ
16 ステアリングホイール
18 ステアリングシャフト
20 第2の車両センサ
20a 操舵角センサ
20b 操舵トルクセンサ
22 第3の車両センサ
30 計測部
32、34 検出センサ
36 電極
38 アンプ
40 データ処理手段
42 取得部
43 メモリ
44 処理部
45 CPU
46 算出部
48 評価部
52 モニタ
以下、本発明の車両の操縦性能を評価する方法、装置およびプログラムについて、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。図1は、本発明の装置を備えた車両11について説明する概略構成図である。車両11には、この車両11を運転操作する運転者12の、運転操作に関与する筋肉の筋電位信号を取得し、取得した筋電位信号に基づいて車両11の操縦性能を評価する、評価装置10が備えられている。
さらに、この車両11には、運転者12の操作に応じた車両11の挙動の情報を取得するための、第1の車両センサ15が設けられている。第1の車両センサ15としては、車両11のヨー軸周りの挙動を検出するヨーレートセンサ15aや、車両11の車速を検出する車速センサ15b、車両11の位置を検出するためのGPSセンサ15cなどを備えている。また、操舵角センサ20aと、トルクセンサ20bとを備える、第2の車両センサ20が設けられている。操舵角センサ20aは、車両11のステアリングシャフト18に軸支されたステアリングホイール16を運転者12が回転させることで生じる、ステアリングホイール16の回転角(操舵角)を検出する。操舵トルクセンサ20bは、運転者12の運転操作(ステアリングホイールの回転操作)によって発生する、ステアリングシャフト18の軸回りのトルクを検出する。車両11には、また、車両11の前方の走路状態(直進路か曲路か)を判断するための、第3の車両センサ22も設けられている。第3の車両センサ22は、例えば公知の光電センサを有し、車両11が走行する走路に沿って配置された反射板からの光を光電センサで検出し、検出結果に応じて反射板の位置を特定することで車両11の前方の走路状態を判断する。第1の車両センサ15、第2の車両センサ20、および第3の車両センサ22で取得された情報それぞれは、車両の操縦性能の評価における、車両挙動の確認のために用いられる。
図2は、本発明の装置の一例である、車両11に備えられた評価装置10について説明する概略構成図である。評価装置10は、車両を運転する運転者12の、運転操作作業に関与する筋肉の筋電位信号を時系列で計測する計測部30と、データ処理手段40とを有して構成されている。図2は、本発明の装置を用いて、時系列の筋電位信号に基づいて車両操縦性能を評価する実施形態について説明する図である。図2に示す実施形態では、筋電位信号として、運転操作作業に関与する筋肉のうち、ステアリングなどの操舵手段を動作させるための第1の筋肉の1つである三角筋の筋電位信号を取得する。
なお、第1の筋肉としては、三角筋の他に、運転者の上肢帯にある、三角筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、肩甲下筋などが挙げられる。また、上腕(前群)にある、上腕二頭筋、鳥口腕筋、上腕筋などが挙げられる。また、上腕(後群)にある、上腕三頭筋などが挙げられる。また、胸部にある、大胸筋、小胸筋、前鋸筋などが挙げられる。本発明では、このような第1の筋肉のうち、いずれの筋肉の筋電位信号に基づいて車両操縦性能を評価しても構わない。
計測部30は、運転者12の筋電位を時系列に検出する検出センサ32および34と、電極36と、検出センサ32および34からの筋電位を増幅するアンプ38とを有して構成される。検出センサ32および34は、運転者12の第1の筋肉の活動量を表す筋電位を、時系列に検出する。本実施形態では、第1の筋肉の活動量を表す筋電位として、運転者12の三角筋の表面筋電位を計測する。三角筋は、ステアリングなどの操舵手段を動作させるための筋肉(第1の筋肉)の1つであり、ステアリングシャフト18に軸支されたステアリングホイール16の回転動作に寄与し、車両の操舵操作の際に比較的大きく活動する。運転者12の三角筋の表面筋電位は、運転者12が行なう車両11の操舵操作における、この三角筋の活動の程度をよく表している。
検出センサ32は、運転者12の左肩の三角筋の表面筋電位(筋電位)を検出するセンサであって、Ag/AgCL皿型電極が対になって構成され、この一対の皿型電極が所定の間隔、数mm、例えば5mm離間して三角筋の位置する左肩の表面に貼り付けられる。
検出センサ34は、運転者12の右肩の三角筋の表面筋電位(筋電位)を検出するセンサであって、検出センサ32と同様に、Ag/AgCL皿型電極が対になって構成され、この一対の皿型電極が所定の間隔、数mm、例えば5mm離間して三角筋の位置する左肩の表面に貼り付けられる。
なお、検出センサ32および34の電極は、Ag/AgCLに限定されず、Agやステンレス等の他の材料によって構成されたものであってもよい。
ドライバの皮膚表面への貼り付けは、スクラブで擦り、アルコールで汚れをおとして電極糊を用いて行う。その際、電気抵抗は30kΩ(5kΩが望ましい)以下にするまで汚れを落とす。二つの電極は測定する筋の筋腹に、筋繊維に対し平行に装着する。貼り付け位置は、図3に示すように、鎖骨の外側の端部Xから指三本分、腕長手方向に離れた位置Yに、所定の間隔を開けて貼り付ける。
なお、本実施形態では、運転者12の左右の三角筋それぞれに検出センサを取り付けているが、本発明の装置および方法では、例えば、運転者12の運転操作によって車両11が走行する走路が既知であり、左右のうちどちらの筋肉が積極的に活動するか既知である場合など、積極的に活動する一方の筋肉についてのみ、検出センサを取り付ければよい。
図4は、図1に示す評価装置10を用いて行なわれる本発明の方法において車両11が走行する走路条件の一例である。本発明の方法では、車両が走行する走路や、走行時の車両速度など、走行条件を予め設定しておくことが好ましい。図4に示す走路の条件は、直進路を走行してきた車両11が徐々に操舵角を増しながら、曲率一定の曲路に進入し、この曲率一定の曲路を通過して、また直進走行になる条件である。本発明の方法では、図4中に太線で示す曲率一定の曲路部分を車両が通過している時間範囲(後述する評価時間範囲)において、操舵作業に積極的に寄与している筋肉の筋電位信号を取得できればよい。車両が曲率一定の曲路を走行している状態では、ステアリングホイールをほぼ一定の舵角に保つよう、上記第1の筋肉は、ほぼ一定の筋力を発揮しているといえる。第1の筋肉がほぼ一定の筋力を発揮している状態では、筋電位信号に含まれる余分なノイズ成分の大きさの割合を低くすることができる。また、車両が曲率一定の曲路を走行している状態では、第1の筋肉がほぼ一定の筋力を発揮しているとともに、例えば前腕や上肢では肩関節や肘関節の関節角度がほぼ一定に保たれる。このため、車両が曲率一定の曲路を走行している状態では、電極の接触状態変化や、皮下の筋と電極の位置関係の変化、電極とアンプを接続するリード線の動揺などが小さくなり、これらに起因する筋電位信号のノイズも低減される。また、このような曲率一定の曲路においては、ドライバに指示される目標ラインは単純かつ明確であり、ドライバにとっても運転操作の自由度が小さくなる。その結果、個人の運転特性の差も表れ難くなり、結果の個人差も小さくなる。本発明では、筋電位信号に含まれる余分なノイズ成分の大きさの割合を低くし、より精度良く車両の操縦性能を求めるために、また、ドライバ毎の評価結果を精度良く定量的に比較するために、曲率一定の曲路を車両が通過している評価時間範囲における、操舵作業に積極的に寄与している筋肉の筋電位信号に基づいて、車両の操縦性能を評価することが好ましい。本発明では、車両が走行する走路の条件として、曲率一定の曲路部分を少なくとも車両が通過する条件を設定することが好ましい。
図4に示す走路の条件では、車両11は、進行方向に対して左側に旋回走行するが、運転者12は、この際、右側の三角筋の筋肉を主に用いて、操舵作業を行なう(ステアリングを回す)ものとする。この場合、右側の三角筋のみに検出センサを取り付けておけばよい。操舵作業において、左右いずれの筋肉を主に使うかは、運転者によって異なるので、各運転者それぞれに応じた側の筋肉に検出センサを取り付けておけばよい。なお、車両11の走行条件が詳細には決まっておらず、左右いずれの筋肉の筋電位をもって車両の操縦性能を評価するか、未定である場合など、左右いずれの筋肉にも検出センサを取り付けておけばよい。また、後述する、左右の筋肉の同時活動強度の情報を用いて、車両の操縦性能を評価する場合も、左右いずれの筋肉にも検出センサを取り付けておけばよい。
一方、電極36は、運転者12の電位を一定に保つために、電気的に不活性な位置である運転者12の耳たぶに貼り付けられるアース電極であり、検出センサ32および34による測定を正確に行うために設けられる。なお、アンプ38に接続された電極36は、アンプ38を介してアースされる。アンプ38は、検出センサ32、34とリード線により接続されており、検出センサ32、34で検出された筋電位を増幅する公知の作動増幅器である。検出センサ32および34にて検出され、増幅された筋電位はデータ処理手段40に送られる。
データ処理手段40は、取得部42と、処理部44と、算出部46と、評価部48と、を備えて構成されている。データ処理手段40は、メモリ43に記憶されたプログラムをCPU45が実行することで、各部が機能するコンピュータであればよい。また、各部が専用回路で構成された専用装置であってもよい。データ処理手段40には、また、図示しない入力装置が接続されており、オペレータがこの入力装置を操作することで、後述する評価時間範囲などが変更可能となっている。
取得部42は、検出センサ32、34で検出された筋電位の情報を取得する。取得部42で取得した時系列の筋電位信号は、処理部44に送られる。処理部44は、受け取った時系列の筋電位信号をサンプリングし、全波整流を行った後、平滑化フィルタ(ローパスフィルタ)を用いて平滑化し、平滑化した筋電位の信号波形(平滑化波形)を、左右の三角筋それぞれについて生成する。
図5(a)は、図4に示す走行条件にしたがって車両11を走行させて取得部42で取得した、運転者12の右側の三角筋の時系列の筋電位信号の一例である。図5(b)は、処理部44によって、図5(a)に示す時系列の筋電位信号を処理した後の、筋電位の信号波形(平滑化波形)である。処理部44では、図5(a)に示す時系列の筋電位信号を全波整流し、さらに、平滑化フィルタを用いて平滑化処理する。平滑化フィルタとしては、例えば、カットオフ周波数5Hzの5次のローパスフィルタを用いる。図5(a)および(b)に示す評価対象時間範囲は、車両11が曲率一定の曲路部分(図4で太線で示す領域)を走行している時間範囲に対応している。平滑化前の筋電位の信号は、筋が収縮したときに本来発生する高周波成分を持った信号である。処理部44は、筋電位波形が、筋の収縮によって発生する力に良好に対応するように、全波整流後平滑化を行なう。
算出部46は、処理部44において全波整流後に平滑化された筋電波形に基いて、上記評価時間範囲における、操作に関与する筋肉の筋電位の平均値(強度参照値とする)と、この筋電波形の変動量を表すパラメータ値(変動参照値とする)と、を求める。
ここで、評価時間範囲は、図4に太線で示す曲率一定の曲路部分を車両が通過している時間範囲である。車両11が走行する走路の条件や、走行速度の条件が予め決まっている場合、車両11の走行開始からどのくらい経過した時間範囲で、車両11が一定の曲率で走行しているかは予め定まっている。走路や走行速度の条件が予め決まっている場合など、データ処理手段40に接続された図示しない入力手段を用いて、オペレータが、予め定まっているこのような時間範囲(評価時間範囲)の条件を入力し、メモリ43が、このような評価時間範囲の情報を記憶しておけばよい。
評価時間範囲は、運転者12の操作に応じて車両11が旋回走行を行なっている時間範囲であって、筋電位信号が計測される筋肉が、略一定の強度で活動している時間範囲であることが好ましい。具体的には、運転者12の操作に応じて、車両11が一定の曲率の曲路を旋回走行している時間範囲であることが好ましく、より好ましくは、車両11が、一定の曲率の曲路を一定の走行速度で旋回走行している時間範囲であることが好ましい。このため、上記走行条件は、一定の曲率の曲路を走行することを条件としていることが好ましく、さらに、一定の曲率の曲路を、一定の走行速度で走行することを条件としていることが好ましい。そして、評価時間範囲を予め設定しておきたい場合など、この走行速度を予め所定の速度に設定しておくことが好ましい。
なお、予め設定された走行条件に基いて評価時間範囲が予め記憶されている場合、評価時間範囲が、運転者12の操作に応じて車両11が旋回走行を行なっている時間範囲に正しく対応するには、予め設定された走行条件通りに車両11が走行していることが必要である。算出部46は、第1の車両センサ15(15a〜15c)によって取得された情報に基づいて、車両11が予め定められた走行条件通りに走行しているか判定を行ってもよい。例えば、ヨーレートセンサ15aの検出結果を用いて、車両11が曲路を一定の曲率で走行しているか否かを判定すればよい。また、車速センサ15bの検出結果を用いて、車両11が予め定められた走行速度で走行しているか否かを判定すればよい。また、GPSセンサ15cの検出結果を用いて、車両11の走行速度や走行軌跡を判定してもよい。予め設定された走行条件通りに車両11が走行していない場合、車両11は、予め記憶されている評価時間範囲において、一定の曲率かつ定められた一定の速度では走行していないことになる。このような場合は、変動参照値を算出することなく、例えばディスプレイ52に警告画面を表示すればよい。
なお、このような判定(車両11が、予め設定された走行条件通りに走行しているか否かの判定)は、第2の車両センサ20における検出結果を用いても行なうことができる。例えば、図4に示す走行条件で車両11を走行させる場合、直進走行中から曲率一定の区間にさしかかるにあたって、操舵角および操舵トルク(の絶対値)は徐々に大きくなり、曲率一定の区間において略一定値になり、直進路に戻るに応じてゼロ(0)に近づいていく。図6(a)は、図4に示す走行条件で車両11を走行させた際の、第2の車両センサ20の操舵角センサ20aによって検出した時系列の操舵角の一例である。また、図6(b)は、図4に示す走行条件で車両11を走行させた際、第2の車両センサ20の操舵トルクセンサ20bによって検出した時系列の操舵トルクの一例である。予め記憶されている上述の所定時間範囲の前後で、操舵角および操舵トルク(の絶対値)が変動し、曲率一定の区間において略一定値になっている。上述の所定時間範囲の前後で、操舵角および操舵トルク(の絶対値)が変動し、曲率一定の区間において略一定値になっているか判定することで、車両11が予め定められた走行速度で走行しているか否かを判定することもできる。
なお、評価時間範囲を予め設定していない場合など、図6(a)および(b)に示すような、時系列の操舵角の情報や時系列の操舵トルクの情報に基づいて、評価対象時間範囲を抽出・設定してもよい。図6(a)および(b)に示すように、時系列の操舵角や操舵トルクは、車両の挙動の様子を良く表している。図6(a)および(b)に示す各情報について、値が略一定となっている時間間隔を、車両11が曲率一定の曲路を走行している時間範囲であると判定し、この時間範囲を評価時間範囲に設定してもよい。また、上記第3の車両センサ22による検出結果を用い、車両11が曲路に差し掛かったタイミングや、車両11が曲路から直線路に抜けたタイミングなどを判定し、この時間範囲を評価時間範囲として設定してもよい。また、GPSセンサ15cによって検出した車両11の時系列の走行軌跡から、車両11が曲率一定の曲路を走行している時間範囲を抽出し、この時間範囲を評価時間範囲としてもよい。
上述の各例のように、車両11に予め各種車両センサが取り付けられており、これら車両センサによる検出結果が利用できる場合など、これらの検出結果に基いて評価時間範囲の設定・確認を行なってもよい。ただし、本願発明によれば、上述のように、車両11に各種車両センサが取り付けられていなくとも、予め走行条件を設定し、設定した走行条件にしたがって車両11を走行させることで、運転者12の操作に応じて車両11が曲率一定の曲路を旋回走行している時間範囲を、評価時間範囲として正しく設定することができる。本発明は、上述のように、筋電位信号に含まれる余分なノイズ成分の大きさの割合を低くし、より精度良く車両の操縦性能を求めるために、曲率一定の曲路を車両が通過している評価時間範囲に対応する筋電位の情報に基づいて変動参照値を算出するが、このような評価時間範囲の設定については、特に限定されない。
算出部46で算出する強度参照値は、操作に関与する筋肉の筋電位の平均的な大きさを表す。強度参照値は、すなわち、この操作に関与する筋肉の平均的な活動強度、ひいては、この筋肉の平均的な筋力を表す情報である。強度参照値としては、所定の評価時間範囲における、上記平滑化波形の値の算術平均値や自乗平均平方根(RMS;root mean square)が好ましい。なお、強度参照値は、整流および平滑化前の時系列の筋電位信号の、RMS値であってもよい。本実施形態では、強度参照値は、車両の操舵に必要な、運転者12の第1の筋肉の活動の強度(の平均的な大きさ)を表している。本実施形態における強度参照値は、車両11の操舵において運転者12が感じる、車両11の操舵作業にかかる負担の大きさの程度、いわゆる車両11のハンドルの重さの程度を表しているともいえる。運転者12に関する強度参照値が大きいほど、車両11はハンドルが重く、操舵の反応性は比較的低いが、操舵の安定性は比較的高い車両であるといえる。逆に、運転者12に関する強度参照値が小さいほど、車両11はハンドルが軽く、反応性は比較的高いが、安定性は比較的低い車両であるといえる。
また、変動参照値は、操作に関与する筋肉の筋電位の変動量を表す情報であり、筋電位の活動強度の値の散らばり具合を表す情報である。変動参照値としては、所定の評価時間範囲における、平滑化波形の値の標準偏差、分散、分布範囲、時系列の筋電位信号を時間微分した波形のRMS値、の少なくともいずれかであることが好ましい。この変動参照値は、車両11を一定の曲率で走行させている最中に運転者12が行なう、修正操舵の程度(頻度および大きさの双方の程度)を表しているといえる。運転者12に関する変動参照値が大きいほど、運転者12は、より多く、また、より大きく、修正操舵を行なっているといえる。運転者12に関する上記変動参照値が大きいほど、車両11は、操舵の反応性は比較的高いが、安定性は比較的低い車両であるといえる。逆に、運転者12の上記変動参照値が小さいほど、車両11は、反応性は比較的低いが、安定性は比較的高い車両であるといえる。
図5(b)には、上記評価時間範囲に対応する、運転者12の右側の三角筋の平滑化波形に基いて求められた、強度参照値(図5(b)ではRMS値)および変動参照値(図5(b)では標準偏差;STD)の大きさも、併せて示している。
なお、強度参照値および変動参照値は、左右双方の三角筋の筋電位に基いて導出してもよい。図7(a)は、図4に示す走行条件で車両11を走行させた際の、運転者12の左側の三角筋についての上記平滑化波形である。図7(b)は、図5(b)と同じ波形であり、運転者12の右側の三角筋についての平滑化波形である。また、図7(c)は、図7(a)に示す左側三角筋の平滑化波形と、図7(b)に示す右側三角筋の平滑化波形とに基いて求めた、運転者12の左右の三角筋の同時活動強度を表す波形である。図7(c)の同時活動強度とは、左右の三角筋の平滑化波形の値の、単位時間毎の幾何平均値である。図7(c)には、上記評価時間範囲に対応する運転者12の同時活動強度波形に基いて求められた、同時活動強度波形に関する強度参照値(図7(c)ではRMS値)および変動参照値(図7(c)では標準偏差;STD)の大きさも、併せて示している。本発明では、このように、左右双方の三角筋の筋電位に基いて、強度参照値および変動参照値をそれぞれ求めてもよい。例えば、ステアリングホイールを一方向に回転させる際に、左右の三角筋の双方とも積極的に活動させる運転者について、強度参照値および変動参照値を求める場合など、同時活動強度波形を好適に用いることができる。なお、左右の三角筋の双方に基いて各値を求める場合など、左右の三角筋の平滑化波形の値の、単位時間毎の算術平均値に基いて各値を求めてもよい。左右の第1の筋肉の同時活動強度を表す波形の種類については、特に限定されない。算出部46において算出された、強度参照値および変動参照値は、評価部48へと出力される。
評価部48は、算出部46において算出された各値を受け取り、強度参照値および変動参照値の双方に基いて、車両11の操縦性能を評価する。
一般に、車両の運転中において、運転者は、ステアリングホイールを、自身の身体を支えるためにも使用している。すなわち、車両の運転者は、ステアリングホイールを把持しておくことで、自身の身体の移動や姿勢変化を防止している。このように、自身の身体を支えるためには、いわゆるハンドルの重さは重い方が好ましい(すなわち、車両の安定性は高い方が好ましい)。また、ハンドルを重くすることは、運転者の操舵入力をゆっくりさせる効果があるため、結果的に車両の安定性を増す効果もある。しかし、必要以上にハンドルを重くしては、運転者が意図どおりの操舵入力を行なうことができなくなり、結果的に車両の操縦の反応性は著しく悪くなる。また、ハンドルが重すぎると、運転者の負担が大きくなり、疲労や不快感を生じる可能性もある。一方、ハンドルが軽く、著しく軽い力で操舵される場合、運転者はステアリングを体の支えにすることができない。このような場合、車両のふらつきを生じやすく、修正操舵も多くなってしまう。車両の操縦安定性が高いとは、修正操舵がなるべく少なく、また、なるべく小さい筋力で車両を操舵できる(ハンドルが軽い)状態を指す。すなわち、修正操舵の程度を表す上記パラメータの値がなるべく小さく、かつ、ハンドルの重さの程度を表す強度参照値が小さいほど、操縦性能が良い車両であるといえる。
評価部48は、例えば、強度参照値および変動参照値の双方を軸とした座標軸に、強度参照値および変動参照値の組み合わせの点をプロットして散布図を作成する。そして、この散布図における組み合わせの点の位置に応じて、操縦性能の高低を評価する。上述のように、強度参照値がなるべく小さく、かつ変動参照値もなるべく小さいほど、車両の操縦性能は高いといえる。例えば上記散布図において、組み合わせの点の位置が、原点により近い領域にあるほど、車両の操縦性能はより高いと判定すればよい。または、強度参照値に応じた点数と、変動参照値に応じた点数とを合計し、その合計点が小さいほど、車両の操縦性能がより高いと判定すればよい。評価部48による判定結果は、ディスプレイ52に表示出力する。また、複数の仕様の車両それぞれの操縦性能を、相対的に比較評価する場合など、評価部48が、各仕様毎の各値(強度参照値および変動参照値)を比較するためのグラフを作成し、このグラフをディスプレイ52に表示出力すればよい。
図8は、評価部48において作成される散布図の一例について示している。評価部48は、図8に示すような、強度参照値および変動参照値の双方を軸とした座標軸に、強度参照値および変動参照値の組み合わせの点をプロットした散布図を作成する。例えば、このような散布図において、領域Aに上記組合わせの点がある場合、操縦性能が高いと判定し、領域Bに上記組合わせの点がある場合、操縦性能は普通であると判定し、領域Cに上記組合わせの点がある場合、操縦性能は悪いと判定すればよい。図8に示す例では、評価部48は、操縦性能は普通であると判定し、ディスプレイ52にこのような評価結果を表示出力する。
図9は、評価装置10を用いて行なう本発明の方法の一例のフローチャート図である。以下、それぞれ異なる複数(3つ)の仕様の車両について、操縦性能をそれぞれ評価する実施形態について説明する。以下の実施形態における車両仕様C〜Cでは、いずれも車体は同一であるが、装着されているタイヤの種類が異なっている。具体的には、各仕様毎に、それぞれ異なる複数の仕様のタイヤT〜Tのうちの1種類が装着されている。まず、評価仕様を設定する(ステップS100)。本実施形態では、それぞれ異なる仕様の車両C〜C(車両11に対応)を、それぞれ異なる5名の運転者P〜P(運転者12に対応)が運転操作を行ない、各運転者の運転操作時における第1の筋肉の活動強度に基いて、車両C〜Cそれぞれの操縦性能を評価する。ステップS100では、各運転者と各車両の組み合わせの仕様(本実施形態では、5×3=15仕様)を、それぞれ設定する。
次に、各仕様の車両操縦性能を比較評価するための走行条件を設定するとともに、上記各値(強度参照値および変動参照値)を導出するための、上記評価時間範囲を設定する(ステップS102)。ここでは、走行条件は、車両11を走行させる各仕様で共通の走行条件であり、本実施形態では、図4に示す走行条件を設定する。そして、評価時間範囲として、図4に太線で示す曲率一定の曲路を車両が通過している時間範囲を設定する。車両11が走行する走路の条件、および走行速度の条件が予め決まっているので、車両11の走行開始からどのくらい経過した時間範囲で、車両11が一定の曲率で走行しているかは予め既知である。このような評価時間範囲の情報は、データ処理手段40に接続された図示しない入力手段を用いてオペレータによって入力されて、メモリ43が記憶する。
設定が終わると、1つの仕様(例えば、車両Cかつ運転者P)で、車両の走行を開始する(ステップS104)。車両の走行中、取得部42は、検出センサ34で検出された筋電位の情報を取得する(ステップS106)。図4に示す走行条件は、一定の曲率の曲路を、左側方向に旋回走行する条件であるが、本実施形態では、各仕様とも、旋回方向外側の三角筋(すなわち右側の三角筋)の筋電位信号を取得するものとする。取得部42で取得した時系列の筋電位信号は、処理部44に送られる。処理部44は、受け取った時系列の筋電位信号について、サンプリングして全波整流を行った後、平滑化フィルタ(ローパスフィルタ)を用いて平滑化した筋電位の信号波形(平滑化波形)を、左右の三角筋それぞれについて生成する(ステップS108)。
次に、算出部46が、平滑化波形に基いて、上記強度参照値と上記変動参照値とを求め、求めた各値をメモリ43に記憶する(ステップS110)。この際、メモリ43に記憶されている、評価時間範囲の情報を呼び出し、この評価時間範囲における平滑化波形の情報を用いて各値を求める。本実施形態では、強度参照値として、例えば、この評価時間範囲における、平滑化波形の値の自乗平均平方根(RMS;root mean square)値を求める。また、変動参照値として、例えば、所定の評価時間範囲における、平滑化波形の値の標準偏差(STD)の値を求める。
次に、S100で設定した全ての仕様について、強度参照値および変動参照値の算出および記憶が終了したか否か判定する(ステップS112)。強度参照値および変動参照値の算出・記憶が、まだなされていない仕様がある場合、すなわちステップS112における判定結果がNoの場合、評価する仕様を変更し(ステップS114)、ステップS104〜112の各処理を繰り返す。これらの処理は、全ての評価仕様(本実施形態では、15個の仕様全て)について、強度参照値および変動参照値の算出・記憶がなされるまで、すなわち、ステップS112における判定結果がYesとなるまで、繰り返し行なわれる。
全ての仕様について、強度参照値および変動参照値の算出・記憶が終了すると、評価部48が、各仕様の操縦性能それぞれについての比較評価を行なう(S116)。評価部48では、各仕様の操縦性能を比較評価するためのグラフや散布図を作成する。
図10(a)は、各仕様毎に算出された変動参照値を、各車両C〜C(それぞれ、異なる仕様のタイヤT〜Tを装着してなる)それぞれ毎に分類して示すグラフである。図10(b)は、各運転者P〜Pそれぞれ毎に、各車両C〜Cを運転操作した場合の変動参照値の平均値が1となるよう規格化した指数(Index)の値であり、各車両C〜Cそれぞれ毎に分類して示している。図10(b)のように、複数の運転者それぞれ毎に、パラメータの値を規格化することで、操舵作業時における筋肉の活動量の、各運転者毎の違いの影響を除去することができ、各車両毎の操縦性能を、精度良く定量的に比較評価することができる。また、図10(c)は、図10(b)に示す、運転者毎に規格化した変動参照値の、分類した各車両C〜Cそれぞれ毎の成分について、算術平均値および分散を求めた結果である。なお、本発明では、このような評価結果について、さらに、各運転者毎にZスコアによる規格化を行なってもよい。すなわち、各運転者毎の平均値が0(ゼロ)、分散が1となるように規格化を行なってもよい。上述した平均値を1とするような規格化を行なった場合に、各運転者の変動参照値の振れ幅の運転者同士の差が比較的大きく異なる場合など、このようなZスコアによる規格化は、有効である。すなわち、Zスコアによる規格化を行なうことで、操舵作業時における筋肉の活動量の、各運転者毎のばらつきの違いの影響を除去することができる。
図10(a)〜(c)の各グラフから判断できるように、タイヤTを備えた車両仕様Cにおいて、変動参照値が最も小さくなっている。それぞれ異なる車両C〜Cの中では、設定された走行条件を走行する際、車両Cが最も修正操舵が少なく、最も安定性が高いことがわかる。また、タイヤTを備えた車両仕様Cにおいて、変動参照値が最も大きくなっている。それぞれ異なる車両C〜Cの中では、車両Cが最も安定性が低いことがわかる。
また、図11(a)は、各仕様毎の上記強度参照値を、各車両C〜C(それぞれ、異なる仕様のタイヤT〜Tを装着してなる)それぞれ毎に分類して示すグラフである。図11(b)は、各運転者P〜Pそれぞれ毎に、各車両C〜Cを運転操作した場合の上記強度参照値の平均が1となるよう規格化した指数(Index)の値であり、各車両C〜Cそれぞれ毎に分類して示している。また、図11(c)は、図11(b)に示す、運転者毎に規格化した強度参照値の、分類した各車両C〜Cそれぞれ毎の成分について、算術平均および分散を求めた結果である。
図11(a)〜(c)の各グラフから判断できるように、タイヤTを備えた車両仕様Cにおいて、強度参照値が最も大きくなっている。それぞれ異なる車両C〜Cの中では、車両Cが最もハンドルが重く、反応性が低いことがわかる。また、タイヤTを備えた車両仕様Cにおいて、強度参照値が最も小さくなっている。それぞれ異なる車両C〜Cの中では、車両Cが最もハンドルが軽く、最も反応性が高いことがわかる。
図12は、各車両それぞれの、図10(c)に示す変動参照値の平均と、図11(c)に示す強度参照値の平均との関係を、直交座標にプロットした散布図である。図12には、各パラメータの分散(規格化した値)についても、併せて示している。上述のように、修正操舵の程度を表すパラメータの値がなるべく小さく、かつ、ハンドルの重さの程度を表す強度参照値が小さいほど、操縦性能が良い車両であるといえる。このような散布図において、組み合わせの点の位置が原点により近い領域にあるほど、車両の操縦性能はより高いと判定することができる。図12に示す例では、タイヤTを備えた車両Cが、最も操縦性能が高い車両であると判定することができる。ステップS116では、このような散布図をディスプレイ52に表示出力するともに、タイヤTを備えた車両Cが、最も操縦性能が高い車両であるとの判定結果も表示出力する。本願発明の車両の操縦性能を評価する方法は、このように実施することができる。
なお、本願発明者は、本願発明の効果を確認するための確認実験も実施している。以下、その結果について説明する。本確認実験では、上記実施例における各仕様(それぞれ異なる15の仕様それぞれ)毎に、車両を運転する運転者P〜Pによる官能評価を行なった。すなわち、それぞれ異なる5名の運転者P〜P毎に、各車両C〜Cを操舵した場合それぞれについて、各運転者の感覚に基いて定量評価してもらった。具体的には、各車両を操縦した際の「ライントレース性」、および「ハンドルの重さ」について、0点〜7点までのうち1つの点数(評点)をつけてもらった。「ライントレース性」については、3点を基準とし、ライントレース性の悪い車両だと感じるほど0点に近い点(低い点数)をつけてもらい、ライントレース性の良い車両だと感じるほど7点に近い点(高い点数)をつけてもらった。「ハンドルの重さ」については、3点を基準とし、ハンドルの重い車両だと感じるほど0点に近い点(低い点数)をつけてもらい、ハンドルの軽い車両だと感じるほど7点に近い点(高い点数)をつけてもらった。ここで、「ライントレース性」とは、車両の反応性に対応する感覚であり、「ハンドルの重さ」とは、車両の安定性に対応する感覚であるといえる。
図13(a)は、各仕様毎の「ライントレース性」の得点値を、各車両C〜C(それぞれ、異なる仕様のタイヤT〜Tを装着してなる)それぞれ毎に分類して示すグラフである。図13(b)は、各運転者P〜Pそれぞれ毎に、各車両C〜Cを運転操作した場合の「ライントレース性」の得点の平均が1となるよう規格化した指数(Index)の値であり、各車両C〜Cそれぞれ毎に分類して示している。また、図13(c)は、図13(b)に示す指数値について、各車両毎の平均と分散を求めた結果と、図10(c)に示す、各車両毎の変動参照値の平均および分散と、の対応関係を示す散布図である。図10(a)および(b)と、図13(a)および(b)と、を比較して判断できるように、変動参照値が小さいほど「ライントレース性」の点数は高く(すなわち車両の反応性は大きく)、変動参照値が大きいほど、「ライントレース性」の点数は低い(すなわち車両の反応性は小さい)。図13(c)に示すように、このような官能評価の結果と、変動参照値とは、良好な線型関係を有している。本発明において用いる変動参照値は、車両の反応性を精度良く定量的に表しているといえる。
また、図14(a)は、各仕様毎の「ハンドルの重さ」の得点値を、各車両C〜C(それぞれ、異なる仕様のタイヤT〜Tを装着してなる)それぞれ毎に分類して示すグラフである。図14(b)は、各運転者P〜Pそれぞれ毎に、各車両C〜Cを運転操作した場合の「ハンドルの重さ」の得点の平均が1となるよう規格化した指数(Index)の値であり、各車両C〜Cそれぞれ毎に分類して示している。また、図14(c)は、図14(b)に示す指数値について、各車両毎の平均と分散を求めた結果と、図11(c)に示す、上記強度参照値の各車両毎の平均および分散と、の対応関係を示す散布図である。図11(a)および(b)と、図14(a)および(b)とを比較して判断できるように、上記強度参照値の値が小さいほど、「ハンドルの重さ」の点数は高く(すなわち、ハンドルが軽く、車両の安定性は小さく)、強度参照値の値が大きいほど、「ハンドルの重さ」の点数は低い(すなわち、ハンドルが重く、車両の安定性は大きい)。図14(c)に示すように、このような官能評価の結果と上記強度参照値とは、良好な線型関係を有している。このように、本発明において用いる強度参照値は、車両の安定性を精度良く定量的に表しているといえることが確認できた。
なお、本発明では、車両の反応性についてのみ特に評価したい場合など、上記変動参照値のみを算出し、車両の操縦性能として、この変動参照値のみに基いて車両の反応性を評価すればよい。ただし、車両の反応性を精度良く定量的に表す変動参照値と、車両の安定性を精度良く定量的に表す強度参照値と、を用いることで、車両の反応性と車両の安定性との双方のバランスによって決定付けられる車両の操縦性能について、精度良く定量的に評価することができる。本発明の車両の操縦性能を評価する方法では、上記変動参照値と強度参照値とをそれぞれ算出し、これら双方の値に基いて、車両の操縦性能を評価することが好ましい。
また、上述の例では、運転操作作業に関与する筋肉のうち、ステアリングなどの操舵手段を動作させるための第1の筋肉(上述の実施形態では三角筋)の、時系列の筋電位信号に基づいて車両操縦性能を評価した。本発明では、車両の操縦性能を評価するための筋電位信号は、このような第1の筋肉の筋電位の情報であることに限定されない。上述のように、車両の運転中において、運転者は、ステアリングホイールを、自身の身体を支えるためにも使用しており、例えばハンドルが著しく軽い力で操舵される場合、運転者はステアリングを体の支えにすることができない。このような場合、運転者は、自己の姿勢を保持するために、第2の筋肉が活発に活動する。第2の筋肉とは、車両を運転中の運転者の姿勢保持に関与する筋肉であり、運転者の背部にある、僧帽筋、広背筋、肩甲拳筋、菱形筋、脊柱起立筋、胸腰筋膜、および、運転者の頚部にある、胸鎖乳突筋などが挙げられる。本発明の方法では、このような第2の筋肉の時系列の筋電位信号に基づいて、車両の操縦性能を評価してもよい。すなわち、これら第2の筋肉の時系列の筋電位信号から、上記変動参照値および強度参照値を求め、これらの各値に基いて、車両の操縦性能を評価してもよい。また、これら各値を用い、車両の操縦性能以外にも、シートのホールド性や座り心地を評価することもできる。
また、同様に、運転者のステアリングの把持(握り締め)に関与する、運転者の第3の筋肉の時系列の筋電位信号に基づいて、車両操縦性能を評価してもよい。第3の筋肉とは、例えば、運転者の前腕に位置する、伸筋・拮抗筋である、橈側手根伸屈、総指伸筋、腕橈骨筋、尺側手根伸筋、および、運転者の前腕に位置する、屈筋・主動筋である、橈側手根屈屈、尺側手根屈筋、長掌筋などが挙げられる。すなわち、これら運転者の第3の筋肉の時系列の筋電位信号について、上記変動参照値および強度参照値を求め、これら各値に基いて、車両の操縦性能を評価してもよい。
また、車両の操縦性能として、車両の速度制御性を加味して評価したい場合など、車両の速度制御手段を動作させるための、運転者の第4の筋肉の、時系列の筋電位信号に基づいて車両操縦性能を評価してもよい。運転者の第4の筋肉とは、例えば、車両のアクセルペダルやブレーキペダルの動作を制御するための筋肉であって、例えば、運転者の下腿の前群にあり、拮抗筋である、長趾伸筋、前脛骨筋、および、運転者の下腿の後群にあり、主動筋である、腓腹筋、ヒラメ筋などが挙げられる。すなわち、これら運転者の第4の筋肉の時系列の筋電位信号について、上記変動参照値および強度参照値を求め、これら各値に基いて、車両の操縦性能を評価してもよい。
車両が直進走行中や、一定の曲率の曲路を走行中の場合などにおいて、運転者がなるべく無駄な動作を行なう必要がない場合、車両の操縦性能は高いということができる。上述したような、第2の筋肉、第3の筋肉、第4の筋肉などの各筋肉それぞれについて、車両の運転中の時系列の筋電位信号の上記変動参照値や上記強度参照値が比較的低いということは、車両の操作に関与した余分な力が運転者に生じておらず、かつ、このような操作に関与した力の変動が少ないということである。第2の筋肉、第3の筋肉、第4の筋肉などの各筋肉を用いて、多角的に、車両操縦性能を評価することができるといえる。
以上、本発明の方法、装置、およびプログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。

Claims (13)

  1. 車両の操縦性能を評価する方法であって、
    運転者が前記車両を運転操作する際の、前記車両の運転操作に関与する筋肉の筋電位信号を時系列に取得するステップと、
    取得した時系列の前記筋電位信号に基づき、前記筋電位信号の変動量を表す変動参照値を求めるステップと、
    前記変動参照値に基いて、前記車両の操縦性能を評価するステップと、を有し、
    前記変動参照値は、前記車両を所定の走行条件で走行させている最中に運転者が行なう、修正操舵の頻度及び大きさの双方の程度を表し、前記変動参照値は、前記筋電位信号の標準偏差、分散、分布範囲、前記時系列の筋電位信号を時間微分した波形の自乗平均平方根、のいずれか1つであることを特徴とする方法。
  2. 前記筋電位信号は、前記運転操作に関与する筋肉の表面筋電位の情報であって、
    前記変動参照値を求めるとき、前記表面筋電位の情報を、整流及び平滑化した波形を用いて、前記変動参照値を求めることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記変動参照値とともに、前記筋電位信号の平均値を表す強度参照値を求め、
    前記操縦性能を評価するとき、前記変動参照値と前記強度参照値との双方に基いて、前記車両の操縦性能を評価することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記強度参照値は、前記筋電位信号の算術平均値、又は自乗平均平方根、の少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項記載の方法。
  5. 前記車両の操縦性能を評価するステップは、前記強度参照値及び前記変動参照値の双方を軸とした座標軸に対して、前記強度参照値及び前記変動参照値の組合せの点をプロットして散布図を作成し、該散布図における組合せの点の位置に応じて前記操縦性能を評価することを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記車両が所定の走行条件で走行している時間に対応する筋電位信号を用いて、前記変動参照値を求め、
    前記所定の走行条件は、前記車両が曲率一定の曲路を少なくとも含む走路を走行する条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  7. 前記変動参照値を求めるとき、前記車両が所定の走行条件で走行している時間に対応する筋電位信号を用いて、前記変動参照値を求め、
    前記所定の走行条件は、前記車両が曲率一定の曲路を走行する条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  8. 前記変動参照値を求めるとき、前記車両が所定の走行条件で走行している時間に対応する筋電位信号を用いて、前記変動参照及び前記強度参照値を求め、
    前記所定の走行条件は、前記車両が曲率一定の曲路を少なくとも含む走路を走行する条件であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
  9. 前記変動参照値を求めるとき、前記車両が所定の走行条件で走行している時間に対応する筋電位信号を用いて、前記変動参照及び前記強度参照値を求め、
    前記所定の走行条件は、前記車両が曲率一定の曲路を走行する条件であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
  10. 前記所定の走行条件は、さらに、前記車両が一定の走行速度で走行することも条件に含むことを特徴とする請求項〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記運転操作に関与する筋肉は、前記車両の操舵手段を動作させるための筋肉、前記車両を運転中の前記運転者の姿勢保持に関与する筋肉、及び、前記車両の速度制御手段を動作させるための筋肉のいずれか1つであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 車両の操縦性能を評価する装置であって、
    運転者が前記車両を運転操作する際の、前記車両の運転操作に関与する筋肉の筋電位信号を時系列に取得する手段と、
    取得した時系列の前記筋電位信号に基づき、前記筋電位信号の変動量を表す変動参照値を求める手段と、
    前記変動参照値に基いて、前記車両の操縦性能を評価する手段と、を有し、
    前記変動参照値は、前記車両を所定の走行条件で走行させている最中に運転者が行なう、修正操舵の頻度及び大きさの双方の程度を表し、前記変動参照値は、前記筋電位信号の標準偏差、分散、分布範囲、前記時系列の筋電位信号を時間微分した波形の自乗平均平方根、のいずれか1つであることを特徴とする装置。
  13. 車両の操縦性能を評価する装置において実行されるプログラムであって、
    運転者が前記車両を運転操作する際の、前記車両の運転操作に関与する筋肉の筋電位信号を時系列に取得するステップと、
    取得した時系列の前記筋電位信号に基づき、前記筋電位信号の変動量を表す変動参照値を求めるステップと、
    前記変動参照値に基いて、前記車両の操縦性能を評価するステップと、をコンピュータに実行させ
    前記変動参照値は、前記車両を所定の走行条件で走行させている最中に運転者が行なう、修正操舵の頻度及び大きさの双方の程度を表し、前記変動参照値は、前記筋電位信号の標準偏差、分散、分布範囲、前記時系列の筋電位信号を時間微分した波形の自乗平均平方根、のいずれか1つであることを特徴とするプログラム。
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