JP4586465B2 - 作業性評価装置、作業性評価方法および作業性評価プログラム - Google Patents

作業性評価装置、作業性評価方法および作業性評価プログラム Download PDF

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Description

本発明は、機器操作における操作の円滑性や操作の快適性などの作業性を、筋電位を用いて定量的に評価することができる作業性評価装置、方法およびプログラムに関する。
人間や動物は、筋を収縮させることにより手足等を屈伸させるなどして所望の動作を行う。動作を行う際には、ある筋が収縮し、これに対応する別の筋が弛緩する。すなわち、人間や動物の動作は筋を拮抗させて行われている。このとき収縮する筋を主動筋といい、弛緩する筋を拮抗筋という。
車両を操舵するときのハンドルや、航空機を操縦するときの操作レバーなどを操作する場合に、精神的負担に起因して余分な力がはいったり、操作制御が難しかったりした場合には、主動筋と拮抗筋の間に同期的な収縮が見られる。
このような筋活動を瞬時に反映するものとして、筋電位を時系列データとして表した筋電図があり、筋電図は瞬時の感覚情報をとらえるために最適な生体情報として利用されている。
この筋電図を用いてドライバの運転負担判定し、車両の制御条件を適正に設定するための車両制御装置に、この判定結果を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1は、拮抗筋の筋電位と、主動筋の筋電位の双方を測定し、この2つの筋電位の競合に関する値(競合値)を算出し、この競合値に基づいてドライバの運転負担の大きさを判定することを開示している。
より具体的には、ドライバの競合する筋の筋電位を、筋電位センサを用いて測定し、筋電位の競合値から競合特徴量を算出し、この算出された競合特徴量が予め定められた閾値を超えた場合に、ドライバの運転負担が増大したものと判定する(特許文献1の段落[0005]から[0006])。
特開2002−225585号公報
しかしながら、特許文献1では、筋電位の計測は、筋電位センサ(検出センサ)の電極を皮膚表面に貼り付けて行っており、筋電位センサを一度剥して再度貼り付けると、皮膚表面と電極間における抵抗値が異なり、筋電位のレベルを一定に保つことが困難であることが知られている。すなわち、筋電位の電圧値を、絶対的な意味において筋活動を表す指標として用いた場合には、判定誤差を生じる場合がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、人体の複数の筋が拮抗して行う作業時の筋活動を測定することによって、機器操作の作業性に関して定量的かつ信頼性の高い評価をすることができる作業性評価装置およびその方法ならびに作業性評価プログラムを提供することを目的とする。なお、作業性は、オペレータの機器操作における操作性を示す指標の一つであり、機器操作の円滑性や快適性などによって表される。
本発明の第1の態様である作業性評価装置は、機器操作に用いる筋のうち、機器操作時に拮抗的な活動を示す少なくとも一組の筋対の筋電位の時系列的な変化を筋電位信号として検出する筋電位検出部と、検出された前記筋電位信号を処理する信号処理部と、拮抗する筋対の前記筋電位信号を処理した信号間の所定の長さの時間区間における相関係数の時系列データを算出する演算部と、算出された前記時系列データに基づいて前記機器操作における作業性を評価する評価部と、前記評価部による評価結果を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
さらに、演算部は、前記筋電位検出部により検出された二組以上の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データを算出し、評価部は、それぞれの筋対から得られた二以上の相関係数の時系列データに基づいて、前記機器操作における作業性を評価することもできる。
また、本発明は、操作機器の操作部に付与される入力量を検出する操作入力量検出部と、検出された前記入力量の時系列データから操作の基本周期を算出する周期算出部と、前記基本周期に基づいて前記時間区間の長さを算出する区間算出部とをさらに備え、前記演算部は前記時間区間の長さを用いて前記相関係数の時系列データを算出することが好ましい。
時間区間の長さは前記基本周期の1/4周期から1周期であることが好ましく、入力量は操作部の変位量または角変位量であり、あるいは、操作部に作用する力またはトルクであることが好ましい。
また、本発明の第2の態様である作業性評価方法は、機器操作に用いる筋のうち、機器操作時に拮抗的な活動を示す少なくとも一組の筋対の筋電位の時系列的な変化を筋電位信号として検出するステップと、検出された前記筋電位信号を処理するステップと、拮抗する筋対の前記筋電位信号を処理した信号間の所定の長さの時間区間における相関係数の時系列データを算出する演算ステップと、算出された前記時系列データに基づいて前記機器操作における作業性を評価するステップと、前記評価部による評価結果を出力するステップとを含むことを特徴とする。
さらに、前記演算ステップでは、前記筋電位検出ステップにより検出された二組以上の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データを算出し、前記評価ステップでは、それぞれの筋対から得られた二以上の相関係数の時系列データに基づいて、前記機器操作における作業性を評価することができる。
本発明は、操作機器の操作部に付与される入力量を検出するステップと、検出した前記入力量の時系列データから操作の基本周期を算出するステップと、前記基本周期に基づいて前記時間区間の長さを算出するステップとをさらに含み、前記演算ステップは前記時間区間の長さを用いて相関係数の時系列データを算出することが好ましい。
時間区間の長さは前記基本周期の1/4周期から1周期であることが好ましく、入力量は操作部の変位量または角変位量であり、あるいは、操作部に作用する力またはトルクであることが好ましい。
本発明の第3の態様である作業性評価プログラムは、機器操作に用いる筋のうち、機器操作時に拮抗的な活動を示す少なくとも一組の筋対の筋電位の時系列的な変化として検出された筋電位信号を処理するステップと、拮抗する筋対の前記筋電位信号を処理した信号間の所定の長さの時間区間における相関係数の時系列データを算出する演算ステップと、算出された前記時系列データに基づいて前記機器操作における作業性を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる評価結果を出力するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
さらに、前記演算ステップでは、前記検出された二組以上の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データを算出し、前記評価ステップでは、それぞれの筋対から得られた二以上の相関係数の時系列データに基づいて、前記機器操作における作業性を評価することが好ましい。
また、本発明は、操作機器の操作部に付与される入力量として検出された入力量の時系列データから操作の基本周期を算出するステップと、前記基本周期に基づいて前記時間区間の長さを算出するステップとをさらに含み、前記演算ステップは前記時間区間の長さを用いて前記相関係数の時系列データを算出することが好ましい。
時間区間の長さは前記基本周期の1/4周期から1周期であることが好ましく、入力量は前記操作部の変位量または角変位量であり、あるいは、前記操作部に作用する力またはトルクである。
本発明は、拮抗的な活動を示す筋の筋電位を検出し、この筋電位の信号に所定の処理を施し、相関係数の時系列データを算出し、この相関係数の時系列データに基づいて作業性を評価する。人体の複数の筋対が拮抗して行う作業時の筋活動を測定することにより、機器操作における操作の円滑性を定量的に表すことができ、操作の快適性も表すことができる。
したがって、本発明によれば、機器操作の作業性に関して定量的かつ信頼性の高い評価をすることができる作業性評価装置、方法およびプログラムを提供することができる。
本発明に係る作業性評価装置、方法およびプログラムについて、添付の図面に示す実施形態を基に詳細に説明する。本実施形態では、作業性評価装置10を車両運転時の操作の円滑性の評価に適用して、肩部の三角筋の筋電位を測定し作業性を評価する。
一般的に、車両運転時における車両の操舵は、例えば車両を右方向に旋回させる場合には、ドライバは主として左手でハンドルを握り時計方向に回すためにドライバの左肩の三角筋は弛緩し、右手はハンドルに軽く添えられるためドライバの右肩の三角筋が収縮する。このように、一対の三角筋のうち一方を収縮させ、他方を弛緩させて行う車両運転時におけるハンドル操作の操作性(作業性)は、本発明の作業性評価装置10を用いて評価することができる。
図1は作業性評価装置を車両運転時の操作性の評価に適用した場合における構成図である。図1に示すように、作業性評価装置10は、測定対象であるドライバの左右の三角筋の筋電位を検出する筋電センサ12,14と、接地電極16と、筋電センサ12,14から得られる筋電位を増幅する生体アンプ18と、操作機器の変位を検出する操作量検出部19と、検出された三角筋の筋電位の時系列波形から作業性を評価する処理ユニット20と、評価結果を表示する出力装置22とを有して構成される。
筋電センサ12は、銀−塩化銀(Ag/AgCl)の皿型電極が対になって構成され、この一対の皿型電極が所定の間隔、数mm離間して皮膚表面に貼り付けられる。
本実施形態では、ドライバの左肩の三角筋の筋電位を検出するため、筋電センサ12は、略5mm離間して三角筋の位置する左肩の表面に貼り付ける。
銀−塩化銀(Ag/AgCl)電極は、金属銀の表面を塩化銀でコートしたものであり、再使用可能な汎用電極の中では電気特性上有効なものであるが、筋電センサ12、14の電極は、銀−塩化銀(Ag/AgCl)電極に限定されず、ステンレススチール、カーボン、カーボンコンポジット、白金、金、銀、チタン、導電性樹脂、導電性高分子ゲルなど、その他の材料によって構成されたものであってもよい。
筋電センサ14は、筋電センサ12と同様に、銀−塩化銀(Ag/AgCl)皿型電極14が対になって構成され、ドライバの右肩の三角筋の筋電位を検出するため、略5mm離間して三角筋の位置する左肩の表面に貼り付けられる。
筋電センサ12,14から得られる筋電位信号は微弱であり、周囲のノイズを除去するために接地電極16が用いられる。
ノイズの除去は、具体的には、1対の筋電センサ、接地電極および差動アンプ(プレアンプ)を用いて双極誘電法により行なわれる。すなわち、1対の筋電センサと接地電極との間に生じる電位差は、筋電位信号と逆位相で検出され、周囲のノイズは同位相で検出される。そこで、差動アンプを用いて2つの筋電位の差をとれば、同位相のノイズは打ち消され、逆位相の筋電位のみを得ることができる。
接地電極16は生体アンプ18に接続され、生体アンプ18を介してアースされる。
生体アンプ18は筋電センサ12,14とリード線により接続される。筋電センサ12,14によって検出される筋電位は大抵の場合、数マイクロボルトから数ミリボルトの微小な電圧であるため、生体アンプ18により電圧をAD変換可能なレベルまで増幅する。生体アンプ18で増幅された筋電位信号は、A/D変換されてデジタル信号として処理ユニット20に送られる。
操作量検出部19は、ハンドル操作に伴う変位、角変位または角トルクなど、操作部に付与される入力量(操作量)を検出するものであり、操作機器に応じて、操舵角センサや変位計など公知の測定器を用いることができる。
具体的には、車両運転時における操作量検出部19は、ハンドルの操舵角やハンドルの操舵トルクなどを検出する。あるいは、操作量検出部19は、車両のATギアセレクタのギアレベルやアクセルペダルにおけるペダル踏み込み量などを検出してもよい。
操作量検出部19で検出された変位は処理ユニット20に送られる。
このような操作機器の操作量から操作に周期性が見出せた場合、基本周期を用いて後述するように作業性を評価することが評価精度の観点から好ましい。
処理ユニット20は、筋電位処理部24と、操作変位処理部26と、演算部25とを有して構成され、生体アンプ18で増幅される筋電位信号と、操作量検出部19で検出される操作変位信号とを取得して、機器操作における操作性を評価する。この評価結果は、表示装置、記憶装置または制御装置などの出力装置22に出力される。
処理ユニット20は、各種演算処理を実行するとともに各部を統括して制御するCPU(Central Processing Unit)と、このCPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)と、CPUによって実行される処理プログラムを含む情報を格納する読み取り専用のROM(Read Only Memory)と、CPUによって実行される処理プログラムの処理結果や各種データ等の記録が行われるHDD(Hard Disk Drive)とを備え、CPU、RAM、ROMおよびHDDはバスを介して接続され、各種信号の送受信がなされる。
また、処理ユニット20は、I/Oインターフェースを介して、生体アンプ18、操作量検出部19および出力装置22に接続される。
図2を参照して肩部の三角筋における筋電位の測定方法について説明する。図2に示す三角筋は肩部表面を広く覆う三角形の筋肉であり、腕を外転させたり、肩関節を屈曲、内旋させたりするときに使われる。
三角筋における筋電位を測定する場合には、筋電センサ14は鎖骨の外側の端部Xから指三本分、腕長手方向に離れた位置Yに、所定の間隔を開けて貼り付けられる。また、筋電センサ14は測定する筋の筋腹に、筋繊維に対し平行に装着される。
筋電センサ14の皮膚表面への貼り付けは、スクラブで擦り汚れを落とし、皮膚と筋電センサの電極との間の抵抗をできるだけ小さくするためアルコール等で拭いて、電極糊を用いて行われる。筋電センサ14の貼り付けの際に、皮膚と筋電センサの電極との間の電気抵抗が30kΩ以下になる状態にする。なお、皮膚表面への貼り付けの際の電気抵抗は5kΩ以下にすることが望ましい。
なお、図2では右肩の三角筋における筋電センサ14の貼り付け位置を示すが、左肩の三角筋における筋電センサ12についても同様に貼り付けられる。
図3から図7を参照して、処理ユニット20において実行される作業性の評価方法を説明する。
図3は操作変位処理部26が取得する操舵角(Steering Angle)の測定波形の一例を示す図である。この波形は、中立より右方向のハンドル角度を正として表されている。このような測定結果は、略一定の周期をもつ正弦曲線を描いており、例えば車両の走行テストにおいて等間隔にパイロンが並ぶパイロンスラロームを走行した場合のように、時計回り、反時計回りと交互にハンドルを回転させたときに得られる。
このように操作量の時系列データが周期的な変動を示す場合には、この時系列データの周期を用いて操作の基本周期を算出し、この基本周期を用いて相関係数の時系列データの標本区間を定めることができる。この場合には基本周期の1周期から1/4周期を標本区間として定めることが演算精度の観点から好ましい。
なお、操作量の時系列データに周期的な変動が現れない場合には、標本区間は操作機器や操作環境などに応じて予め設定しておいて、その区間を用いることができる。
図4は操作変位処理部26が取得する操舵トルク(Steering Torque)の測定波形の一例を示す図である。この波形はハンドルを時計回りに回転させるときにハンドルにかかるトルクを正とし、ハンドルを反時計回りに回転させるときのトルクを負として表されている。
操舵トルクの測定波形は、操舵角の測定波形と類似しており、周期性を有している。この基本周期は操舵角の波形の基本周期と略等しく、相関係数の時系列データの標本区間の長さの算出に用いることができる。
図5は筋電位の測定波形の一例を示す図である。図5(a)はドライバの左肩の三角筋の筋電位を示す図であり、筋電位の時系列的な変化が表されている。図5(b)はドライバの右肩の三角筋の筋電位を示す図であり、筋電位の時系列的な変化が表されている。
左三角筋の筋電位は、筋電センサ12によって検出されるものであり、生体アンプ18を介して周囲のノイズ除去や信号の増幅がなされ、処理ユニット20に送られ、モニタなどの出力装置で表示される。
右三角筋の筋電位は、筋電センサ14によって検出され、周囲のノイズ除去や信号の増幅がなされ、モニタなどの出力装置で表示されるものである。
このように左右の肩の三角筋のように拮抗する筋対では、ドライバのハンドル操作に応じて、一方の筋肉が収縮するとともに、他方の筋肉が弛緩している。
図6は図5に示す測定波形を整流し平滑化した波形を示す図である。図6(a)は、図5(a)で測定された左肩の三角筋の筋電位の波形を全波整流によって整流化した後、移動平均によって波形を平滑化して得られる筋電図の処理波形である。
図6(b)は、図5(b)で測定された右肩の三角筋の筋電位の波形を、整流し平滑化して得られる筋電図の処理波形を示す。
本実施形態では平滑化処理は移動平均によって行なわれたが、それ以外にもLow Pass FilterやBand Pass Filterなどによって平滑化処理は行なわれてもよい。
図7は、図6(a)及び(b)に示す左右の三角筋の相関係数の時系列データの波形を示す図であり、ドライバの左右の三角筋の相関係数の時系列データを示す。
算出された相関係数の時系列データを用いて、操作機器の操作性は評価される。すなわち、操作が円滑に行なわれれば、拮抗する筋対では操作に応じて主動筋が収縮し、拮抗筋が弛緩するため、2つの筋電位信号に強い負の相関関係がみられる。一方で、何らかの精神的負担に起因して余分な力が入ったり、操作の制御が難しかったりすることにより操作が円滑に行なわれなければ、2つの筋電位信号に負の相関関係が強く現れることはない。
したがって、相関係数の時系列データを用いて2つの筋電位信号の相関性をみることで、操作の円滑性を評価することができる。
このように機器操作の円滑性を評価することによって、操作の制御のしやすさや、操作に伴う精神的な負担の度合いなどの操作性を評価することができる。また、ドライバがハンドル操作を円滑に行っていれば、ハンドル操作時においてもドライバは、快適な状態であると考えられ、機器操作の操作性は、機器操作の快適性を表す一つの指標となる。
具体的な操作の円滑性の評価方法としては、例えば相関係数の時系列データの値と度数分布のヒストグラムなどを作成し、負の相関性が強いとみなすことができる範囲を設定し、その範囲に含まれる頻度を用いて、操作の円滑性の良否を判定することができる。
例えば、操作を複数回、反復して行った中で最も操作性の優れたものを評価する場合には、上記範囲に含まれる頻度が最も高いものが、最も操作性の優れたものであると評価してもよい。また、予め頻度に対して閾値を定めて、負の相関性の強いとみなすことができる範囲に含まれる頻度が閾値以上のものは操作性が優れていると評価してもよい。
また、相関係数の時系列データの平均値から操作の円滑性を判定してもよい。さらに、相関係数の時系列データの最小値が予め設定された閾値を越えたか否かに基づいて、操作の円滑性の良否を判定してもよい。
なお、図7では標本区間の長さを基本周期の1/2周期として相関係数の時系列データを測定しているが、評価精度を考慮すると、標本区間の長さは基本周波数の1/4周期から1周期の範囲であればよい。相関係数の時系列データの算出に用いる所定の処理を施した筋電位信号は、標本区間に含まれる筋電位信号の全てのデータを用いてもよいし、この標本区間に含まれる処理された筋電位信号を等間隔で間引いて得られるデータでもよい。
図8は作業性評価装置の処理の流れを示すフロー図である。
筋電位センサが筋電位を計測する(ステップS101)。筋電センサ12,14はドライバの左右の肩の筋電位を検出し、筋電位信号を生体アンプ18に送る。生体アンプ18は筋電位信号のノイズを除去し、筋電位信号を増幅して処理ユニット20に送る。
処理ユニットが筋電位信号を整流し、平滑化する(ステップS102)。処理ユニット20では、筋電位処理部24が筋電位信号を受け取り、整流し平滑化して演算部25に処理信号を送る。
操作量検出が操作変位を計測する(ステップS103)。操作量検出部19は、操作変位量として操舵角を検出し、処理ユニット20に操作変位信号を送る。
処理ユニットが操作変位の1次周波数を算出する(ステップS104)。処理ユニット20では、操作変位処理部26が操作変位信号を受け取り、1次周波数、すなわち操作処理信号の基本周波数を算出する。この算出に際しては、例えばFFT(Fast Fourier Transformation)等を用いて周波数解析を行う。
操作変位信号が周期的に変化していると判断した場合には、操作変位処理部26はこの基本周波数を用いて標本区間を決定し、標本区間に関する情報を演算部25に送る。標本区間は1次周波数の1周期、1/2周期または1/4周期など、一次周波数の1周期から1/4周期であることが好ましい。
なお、操作変位信号に周期性がない場合には、標本区間に関する情報は操作変位量に周期性がないことを示す情報であり、標本区間は操作機器や操作環境などに応じて予め設定された区間で実行する。
演算部が筋電位の相関係数を算出する(ステップS105)。演算部25は操作変位処理部26から送られる標本区間に関する情報を受け取り、その標本区間における平滑処理された筋電位信号の相関係数を算出する。
演算部が操作の円滑性を評価する(ステップS106)。演算部25は算出された相関係数を用いて操作の円滑性を評価し、評価結果を出力装置22に送る。
操作の円滑性の評価は、相関係数の時系列データの値が所定の範囲内にある頻度、相関係数の時系列データの平均値または相関係数の時系列データの最小値に基づいて実行することができる。
出力装置が評価結果を出力する(ステップS107)。出力装置22としては、ディスプレイやモニタなどの表示装置、記憶装置または制御装置などが挙げられる。
出力装置22が表示装置の場合には、評価結果はディスプレイやモニタなどに表示され、利用者に提示され、その場で利用者は操作機器の操作の円滑性を評価することができる。
また、出力装置22が記憶装置の場合には、評価結果は一旦記憶装置に記憶され、機器操作終了後に研究所などに持ち帰って評価結果を見ることができる。
出力装置22が制御装置の場合には、評価結果に応じた信号を制御装置に伝達し、この信号に基づいて各種装置を制御することができる。例えば、車両に搭載される電子制御ユニット(ECU)に評価結果を出力した場合には、ECUは評価結果に応じて車両の制御介入条件や制御ゲインの補正を行うなど危険回避制御を実行することができる。
上記実施形態では、左右の肩部の三角筋に筋電位センサ12,14を貼り付けて、左右の三角筋の相関係数の時系列データの算出し、機器操作性を評価した。しかし、本発明は、さらに二組以上の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データを算出し、機器操作性を評価することもできる。
図9を参照して、二組の拮抗する筋対の筋電位を計測して機器操作性を評価する方法について説明する。
二組の拮抗する筋対の筋電位は、筋電位センサ12,13,14を用いて検出され、二つの相関係数の時系列データが算出される。算出された二つの相関係数の時系列データに対して相関係数を算出することにより機器操作性を評価する。なお、図1に示す作業性評価装置の構成と対応するものには同一の符号を付け、その説明は適宜省略する。
作業性評価装置11は、測定対象であるドライバの左右の三角筋の筋電位を検出する筋電センサ12,14と、ドライバの右半身の右上腕三頭筋の筋電位を測定する筋電センサ13と、接地電極16と、筋電センサ12,13,14から得られる筋電位を増幅する生体アンプ18と、操作機器の変位を検出する操作量検出部19と、検出された三角筋の筋電位の時系列波形から作業性を評価する処理ユニット20と、評価結果を表示する出力装置22とを有して構成される。
接地電極16、生体アンプ18および操作量検出部19は、図1に示す作業性評価装置と同様であるため、その説明は省略する。
筋電センサは、ドライバの左右の三角筋の他に、右上腕三頭筋にも貼り付けられる。この右上腕三頭筋は、上腕部後面にある筋肉であり、肘関節を伸展せるときに使われる。
そのため、車両運転時における車両の操舵のような機器操作では、右上腕三頭筋と右三角筋は、左右の三角筋と同様に、互いに拮抗する。
筋電センサ13の構成や皮膚表面への取り付けは、筋電センサ12,14と同様である。
処理ユニット20は、図1に示す処理ユニット20と同様に、ハードウェア的には、CPUと、RAMと、ROMと、HDDとを備えており、ソフトウェア的には、筋電位処理部24と、操作変位処理部26と、演算部25とを有するが、演算部25は後述する処理を実行する。
図10から図14を参照して、処理ユニット20において実行される作業性の評価方法を説明する。
図10は操作変位処理部26が取得する操舵角(Steering Angle)の測定波形の一例を示す図である。操舵角の測定波形は、操作量の時系列データであり、右方向のハンドル角度を正として表されている。このような測定結果は、略一定の周期をもつ正弦曲線を描いており、例えば、等間隔で一列にパイロンが配置されたコースを、そのパイロンを縫って走行する(スラローム走行)ときに得られる。
図11における破線は、操舵角の測定波形における一周期を示しており、操作の基本周期である。この基本周期は、後述する相関係数の時系列データの標本区間となる。
図11は、左右の三角筋の筋電位の波形を全波整流によって整流化した後、移動平均によって波形を平滑化して得られる筋電図の処理波形であり、図12は、右三角筋と右上腕三頭筋の筋電位の波形を全波整流によって整流化した後、移動平均によって波形を平滑化して得られる筋電図の処理波形である。なお、図中における破線は、操舵角の測定波形から算出される操作の基本周期を示す。
このような処理波形は、筋電センサによって検出され筋電位信号に対して、周囲のノイズ除去や信号の増幅など処理がなされ、モニタなどの出力装置で表示されるものである。なお、筋電位は、縦軸を最大随意収縮に対する割合(%MVC)で示される。
図13は、図11および図12に示す、それぞれの筋対の相関係数の時系列データの波形を示す図である。図13(a)は、左右の三角筋の筋電位の処理波形に基づいて算出された相関係数の時系列データであり、図13(b)は、右三角筋と右上腕三頭筋の筋電位の処理波形に基づいて算出された相関係数の時系列データである。
なお、図中における破線は、図10に示す操舵角の測定波形から算出される操作の基本周期を示す。
上記実施形態では、一組の拮抗する筋対の相関係数の時系列データを用いて、2つの筋電位信号の相関性をみることで、操作の円滑性を評価した。しかし、本実施形態では、二組の拮抗する筋対の筋電位信号の相関性をみることで、操作の円滑性を評価する。
図9に示す車両などのステアリング操作では、二組の拮抗する筋対は、右三角筋と左三角筋からなる組と、右三角筋と右上腕三頭筋からなる組である。
このように、左右半身の拮抗を伴う機器の操作においては、左右の拮抗筋と、右半身(または左半身)の拮抗筋が作用することで機器操作が行われるので、左右の拮抗筋と、右半身(または左半身)の拮抗筋を二組の筋対の相関性をみることで、操作の円滑性を評価することができる。
拮抗する筋対の相関係数の時系列データは、負の相関(相関係数:−1)が強く変動が小さいほど操作性は良好であり、その場合には、二組の拮抗する筋対の相関係数の時系列データは無相関(相関係数:0)である。つまり、操作の円滑性が良好である場合には、二組の筋対の相関性が弱い。
これに対して、二組の筋対に関する正の相関(相関係数:+1)が強いほど、二組の筋対の協調性の乱れが同期する。協調性の乱れに関する同期は、操作にりきみが含まれていることを表し、操作の円滑性は良好ではない。
したがって、操作の円滑性の評価は、二組の拮抗する筋対の筋電位信号に対する相関係数の時系列データに対して相関係数を算出し、強い相関性が現れた場合には、機器操作が円滑でないと判断し、相関性が現れない場合には、機器操作が円滑であると判断する。
このように二組以上の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データを用いて、機器操作の円滑性を評価することによって、操作の制御のしやすさや、操作に伴う精神的な負担の度合いなどの操作性を、より精度良く評価することができる。
また、機器操作の操作性は、機器操作の快適性を表す一つの指標となる。
被験者に異なる仕様のタイヤを装着した車両を運転してもらい、筋電位を測定し操作の円滑性の評価を行った。その後、実際に被験者による官能評価を行って、筋電位による操作の円滑性の評価の信頼性を調べた。
使用したコースはテストコースの周回路の直線部分であり、走行課題としてパイロンスラロームを速度100km/hで、2名の被験者に走行してもらった。パイロン間隔は45mであり、路面はドライ状態のアスファルト舗装路である。また、試験に用いた車両は4ドアセダンである。
車両に装着した供試タイヤは3種類(aタイヤ、bタイヤ、cタイヤ)であり、各供試タイヤのサイズ、空気圧およびコーナリングパワーを下記表1に示す。
Figure 0004586465
また、装着するタイヤの異なる車両を、基準車両を含めて5台用意した。車両の操舵に関する操作の円滑性は装着するタイヤに影響されるため、用意された車両はそれぞれ操作性が異なる。
この車両仕様は、上記3種類のタイヤの組み合わせによって決定される。その組み合わせを下記表2に示す。
Figure 0004586465
図14は、被験者1から検出した筋電位信号に関する相関係数の時系列データのヒストグラムを示す図であり、相関係数の時系列データ(Correlation Coefficient)とその度数分布(Frequency)の関係を示す。相関係数の時系列データの度数分布とは、所定の評価時間における相関係数の時系列データの各値が検出される割合を示す。例えば、全測定を通じて負の相関性が高ければ、相関性を示す相関係数の時系列データの値(例えば−1〜−0.9)の度数は高くなり、部分的にしか負の相関性がない場合には、度数は低くなる。
図14(a)から(e)は、基準タイヤから仕様Dのタイヤを装着した車両を運転したときの被験者1から検出された筋電位に基づくものである。図15は、被験者2から検出した筋電位信号の相関係数の時系列データのヒストグラムを示す図であり、図15(a)から(e)は、基準タイヤから仕様Dのタイヤを装着した車両を運転したときの被験者2から検出された筋電位に基づくものである。
上記相関係数の時系列データのヒストグラムのうち、相関係数の時系列データが−1から−0.9の範囲にあるものを負の相関関係が強いとみなして、この範囲の度数(頻度)を算出し、この度数に基づく評価結果を表3に示す。なお、度数は基準となる基準タイヤを度数1として表す。
Figure 0004586465
表3より、被験者1および被験者2ともに、仕様Bのタイヤの度数が最も高いことが分かり、筋電位による相関係数が所定範囲である度数に基づく評価に従えば、仕様Bのタイヤを搭載した車両を操作したとき、最も操作性が良好である。逆に、仕様A、CおよびDのタイヤを搭載した車両を操作したとき、操作性は基準タイヤを搭載した車両に比べて好ましくない。
次ぎに、実際に被験者による官能評価を行って、相関係数の時系列データを用いた筋電位信号に基づく操作の円滑性評価の信頼性を調べた。
官能評価は、上記被験者によるグリップ感に関するものであり、その結果を表4に示す。官能評価は10段階で評価し、グリップ感が高いと感じる程、評点は高く、グリップ感が低い程、評点は低い。
Figure 0004586465
表4より、被験者1および被験者2ともに、仕様Bのタイヤの評点が最も高く、仕様Bのタイヤを搭載した車両を操作したとき、最も操作性が良好であることが分かる。逆に、仕様A、CおよびDのタイヤを搭載した車両を操作したとき、操作性は基準タイヤを搭載した車両に比べて評点が低い。
したがって、被験者による官能評価の結果は、筋電位による相関係数が所定範囲である度数に基づく評価と同様であり、相関係数の時系列データを用いた筋電位信号に基づく操作の円滑性評価の信頼性は高いと考えられる。
さらに、被験者による官能評価と、相関係数の時系列データによる度数との対応を示すグラフを図16に示す。図16(a)は被験者1による官能評価の評点と相関係数の時系列データによる度数との関係を示し、図16(b)は被験者2による官能評価の評点と相関係数の時系列データによる度数との関係を示す。
図16(a)より、官能評価の評点が低い程、度数も低く、官能評価の評点が高くなるにつれて度数が高くなり、官能評価の評点と度数はほぼ正比例な関係にある。また、図16(b)では、仕様Dを除いて官能評価の評点と度数はほぼ正比例な関係にある。
以上、相関係数の時系列データを用いた筋電位信号に基づく操作の円滑性評価は、被験者が感じる官能評価とほぼ同様であることがわかる。したがって、操作の円滑性は筋電位を用いて定量的に評価することができる。
ここでは、一組の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データに基づいて、機器操作性を評価したが、二組以上の拮抗する筋対の筋電位信号に基づいて機器操作性を評価することもできる。
このような拮抗する筋対の組み合わせとしては、左右の三角筋(前部・中部・後部)、上腕二頭筋、上腕三頭筋(長頭、外側頭、内側頭)、大胸筋、広背筋などの中の一組と、左右のどちらか一方の三角筋(前部・中部・後部)、上腕三頭筋(長頭、外側頭、内側頭)と、上腕二頭筋、大胸筋、広背筋との一組との組み合わせが挙げられる。あるいは、拮抗する筋対の組み合わせは、上記筋対の任意の組み合わせであってもよい。
被験者に異なる仕様のタイヤを装着した車両を運転してもらい、筋電位を測定し操作の円滑性の評価を行なった。その後、実際に被験者による官能評価を行って、筋電位による操作の円滑性の評価の信頼性を調べた。
使用したコースは長さ40mであり、被験者は左斜線から右斜線へ車線変更幅4mでシングルレーンチェンジをライントレース走行した。車両に装着した供試タイヤは3種類(Aタイヤ、Bタイヤ、Cタイヤ)である。
Aタイヤ、BタイヤおよびCタイヤを装着した車両を運転したときの被験者から検出された筋電位について、筋電位および操舵角を検出した。
図17はタイヤAを装着した車両を運転したときの測定値であり、図18はタイヤBを装着した車両を運転したときの測定値であり、図19はタイヤCを装着した車両を運転したときの測定値である。
Aタイヤ、BタイヤおよびCタイヤを装着した車両を運転したときの二組の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データを図20に示す。図20(a)は左右の三角筋の相関係数の時系列データであり、図20(b)は右三角筋と右上腕三頭筋の相関係数の時系列データである。
図21は、左右の三角筋の相関係数の時系列データと、右三角筋と右上腕三頭筋の相関係数の時系列データとの相関係数を示す。
図21より、Aタイヤが最も操作性がよく、続いてBタイヤがよく、Cタイヤが最も操作性が悪いことが判る。
次ぎに、実際に被験者によるフィーリング評価を行って、相関係数の時系列データを用いた筋電位信号に基づく操作の円滑性評価の信頼性を調べた。
フィーリング評価は、3種類の供試タイヤを装着してライントレース走行をしてもらったときの被験者のグリップ感に関するものであり、その結果を表5に示す。フィーリング評価は、1から5の5段階評価と、その評点に対して±を付して行った。
Figure 0004586465
表5の結果より、Aタイヤが最もよく、続いてBタイヤがよく、Cタイヤが最も悪いことがわかる。これは図21に示す相関係数の時系列データを用いた評価とも一致している。
以上より、相関係数の時系列データを用いた筋電位信号に基づく操作の円滑性評価は、被験者が感じる官能評価とほぼ同様であることがわかる。したがって、操作の円滑性は筋電位を用いて定量的に評価することができる。
以上、本発明に係る作業性評価装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
本発明の作業性評価装置を車両運転時の操作性の評価に適用した場合における一例を示す構成図である。 三角筋における筋電位の測定方法を説明するための図である。 操舵角の測定波形の一例を示す図である。 操舵トルクの測定波形の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、それぞれ筋電位の測定波形の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、それぞれ図5(a)及び(b)に示す測定波形を整流し平滑化した波形を示す図である。 図6(a)及び(b)に示す相関係数の時系列データの一例を表す図である。 本発明の作業性評価装置の処理の流れを示すフロー図である。 本発明の作業性評価装置を車両運転時の操作性の評価に適用した場合における他の例を示す構成図である。 操舵角の測定波形の他の例を示す図である。 筋電位の測定波形の一例を示す図である。 筋電位の測定波形の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、それぞれ相関係数の時系列データの他の例を表す図である。 (a)〜(e)は、それぞれ実施例1における被験者1から検出した筋電位信号の相関係数の時系列データのヒストグラムを示す図である。 (a)〜(e)は、それぞれ実施例1における被験者2から検出した筋電位信号の相関係数の時系列データのヒストグラムを示す図である。 (a)及び(b)は、それぞれ実施例1の被験者1および2による官能評価と、相関係数の時系列データによる度数との対応を示すグラフを示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれAタイヤを装着した車両を運転したときの二組の拮抗する筋対の筋電位および操舵角の測定波形を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれBタイヤを装着した車両を運転したときの二組の拮抗する筋対の筋電位および操舵角の測定波形を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれCタイヤを装着した車両を運転したときの二組の拮抗する筋対の筋電位および操舵角の測定波形を示す図である。 (a)及び(b)は、それぞれ二組の拮抗する対筋に関する相関係数の時系列データを示す図である。 図20(a)及び(b)に示す相関係数の時系列データの相関係数を示す図である。
符号の説明
10 作業性評価装置
12,13,14 筋電センサ
16 接地電極
18 生体アンプ
19 操作量検出部
20 処理ユニット
22 出力装置
24 筋電位処理部
25 演算部
26 操作変位処理部

Claims (18)

  1. 機器操作に用いる筋のうち、機器操作時に拮抗的な活動を示す少なくとも一組の筋対の筋電位の時系列的な変化を筋電位信号として検出する筋電位検出部と、
    検出された前記筋電位信号を処理する信号処理部と、
    拮抗する筋対の前記筋電位信号を処理した信号間の所定の長さの時間区間における相関係数の時系列データを算出する演算部と、
    算出された前記時系列データに基づいて前記機器操作における作業性を評価する評価部と、
    前記評価部による評価結果を出力する出力部とを備えることを特徴とする作業性評価装置。
  2. 前記演算部は、前記筋電位検出部により検出された二組以上の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データを算出し、前記評価部は、それぞれの筋対から得られた二以上の相関係数の時系列データに基づいて、前記機器操作における作業性を評価する請求項1に記載の作業性評価装置。
  3. 操作機器の操作部に付与される入力量を検出する操作入力量検出部と、
    検出された前記入力量の時系列データから操作の基本周期を算出する周期算出部と、
    前記基本周期に基づいて前記時間区間の長さを算出する区間算出部とをさらに備え、
    前記演算部は前記時間区間の長さを用いて前記相関係数の時系列データを算出する請求項1または2に記載の作業性評価装置。
  4. 前記時間区間の長さは前記基本周期の1/4周期から1周期である請求項3に記載の作業性評価装置。
  5. 前記入力量は前記操作部の変位量または角変位量である請求項3または4に記載の作業性評価装置。
  6. 前記入力量は前記操作部に作用する力またはトルクである請求項3乃至5のいずれか1項に記載の作業性評価装置。
  7. 機器操作に用いる筋のうち、機器操作時に拮抗的な活動を示す少なくとも一組の筋対の筋電位の時系列的な変化を筋電位信号として検出する筋電位検出ステップと、
    検出された前記筋電位信号を処理するステップと、
    拮抗する筋対の前記筋電位信号を処理した信号間の所定の長さの時間区間における相関係数の時系列データを算出する演算ステップと、
    算出された前記時系列データに基づいて前記機器操作における作業性を評価する評価ステップと、
    前記評価ステップによる評価結果を出力するステップとを含むことを特徴とする作業性評価方法。
  8. 前記演算ステップでは、前記筋電位検出ステップにより検出された二組以上の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データを算出し、前記評価ステップでは、それぞれの筋対から得られた二以上の相関係数の時系列データに基づいて、前記機器操作における作業性を評価する請求項7に記載の作業性評価方法。
  9. 操作機器に付与される入力量を検出するステップと、
    検出された前記入力量の時系列データから操作の基本周期を算出するステップと、
    前記基本周期に基づいて前記時間区間の長さを算出するステップとをさらに含み、
    前記演算ステップは前記時間区間の長さを用いて前記相関係数の時系列データを算出する請求項7または8に記載の作業性評価方法。
  10. 前記時間区間の長さは前記基本周期の1/4周期から1周期である請求項9に記載の作業性評価方法。
  11. 前記入力量は前記操作機器の変位量または角変位量である請求項9または10に記載の作業性評価方法。
  12. 前記入力量は前記操作機器に作用する力またはトルクである請求項9乃至11のいずれか1項に記載の作業性評価方法。
  13. 機器操作に用いる筋のうち、機器操作時に拮抗的な活動を示す少なくとも一組の筋対の筋電位の時系列的な変化として検出された筋電位信号を処理するステップと、
    拮抗する筋対の前記筋電位信号を処理した信号間の所定の長さの時間区間における相関係数の時系列データを算出する演算ステップと、
    算出された前記時系列データに基づいて前記機器操作における作業性を評価する評価ステップと、
    前記評価ステップによる評価結果を出力するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする作業性評価プログラム。
  14. 前記演算ステップでは、前記検出された二組以上の拮抗する筋対の筋電位信号に関する相関係数の時系列データを算出し、前記評価ステップでは、それぞれの筋対から得られた二以上の相関係数の時系列データに基づいて、前記機器操作における作業性を評価する請求項13に記載の作業性評価プログラム。
  15. 操作機器に付与される入力量として検出された入力量の時系列データから操作の基本周期を算出するステップと、
    前記基本周期に基づいて前記時間区間の長さを算出するステップとをさらに含み、
    前記演算ステップは前記時間区間の長さを用いて前記相関係数の時系列データを算出する請求項13または14に記載の作業性評価プログラム。
  16. 前記時間区間の長さは前記基本周期の1/4周期から1周期である請求項15に記載の作業性評価プログラム。
  17. 前記入力量は前記操作機器の変位量または角変位量である請求項15または16に記載の作業性評価プログラム。
  18. 前記入力量は前記操作機器に作用する力またはトルクである請求項15乃至17のいずれか1項に記載の作業性評価プログラム。
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