JP2012129265A - 三相形ガス絶縁計器用変圧器 - Google Patents

三相形ガス絶縁計器用変圧器 Download PDF

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雅人 青柳
Hirotoshi Kojima
広稔 小島
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Abstract

【課題】耐電圧試験時にGISとの切離しができ、耐電圧試験終了後はGISとの接続を容易に行うことができる断路機構を備えた三相形ガスVTを提供することを目的とする。
【解決手段】絶縁スペーサによって封止され絶縁ガスが充填された容器に三相の電圧変成要素が収納され、電圧変成要素は鉄心と、鉄心に巻かれた二次コイルと、二次コイルの外側に同軸上に巻かれた一次コイルと、電界緩和シールドとによって構成され、埋め込み導体と一次コイルとの接続及び切離しを行う三相形ガス絶縁計器用変圧器において、容器に設けられた操作機構と、操作機構に取付けられた操作棒と、操作棒に取付けられた絶縁フレームと、絶縁フレームに取付けられた三相分の接続導体を備え、接続状態では接続導体が埋め込み導体と一次コイルとの間に配置され、切離し状態では絶縁フレームがスライドすることで接続導体が埋め込み導体と一次コイルとの間から離れることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、変電所等の母線または線路に接続される三相形ガス絶縁計器用変圧器(以下、三相形ガスVTと記載する)に関するものである。
三相形ガスVTは、矩形状の鉄心と鉄心の一つの脚部に巻回された一次コイル及び二次コイルとからなる電圧変成要素を容器内に収容して、容器にSFガス等の絶縁媒体を封入した構造を有している。この種の三相形ガスVTは、通常ガス絶縁開閉装置(以下、GISと記載する)に組み込まれて、母線や線路の電圧を変成し、計器や継電器に電圧を供給するために用いられている。
GISは変電所等の現地に設置した後に直流及び交流の高電圧を印加する耐電圧試験が実施される。しかし、三相形ガスVTはGISの直流および交流耐電圧試験を実施すると三相形ガスVTの鉄心が磁気飽和し、一次コイルを焼損する恐れがある。そのため耐電圧試験時には、三相形ガスVTに試験電圧が印加されないようにGISから切離さなければならなかった。
そのため、従来は、耐電圧試験時には、先ず三相形ガスVTが接続されているGISの容器内のSFガスを回収し、次いで、三相形ガスVTを取り外した後、三相形ガスVTを取付けていた容器の取付け孔を蓋板により閉じて、容器内にSFガスを再充填するようにしていた。このように、従来は、耐電圧試験時にSFガスの回収と再充填とを行っていたが、SFガスは、地球温暖化防止の規制対象になっていて、取扱いには細心の注意を必要とするため、SFガスの回収と再充填とを行う際の作業が繁雑になり、耐電圧試験時に多くの手間と時間がかかるという問題があった。
特許文献1には、絶縁スペーサにより封止される容器内に、絶縁スペーサの軸線方向に移動ができる昇降板を設け、この昇降板に電圧変成要素を取付け、そして昇降板を昇降させることで電圧変成要素の高電圧側端部と絶縁スペーサの高圧端子とを接離する断路機構が提案されている。また、容器内で回転する回転板を設け、この回転板に電圧変成要素を取付け、そして回転板を回転させることで電圧変成要素の高電圧側端部と絶縁スペーサの高圧端子とを接離する断路機構も提案されている。
特許文献2には、絶縁ガスを充填した容器内に収納された電圧変成要素の高電圧側端部と、絶縁スペーサ側に取付けられた高圧導体の高圧端子とを互いに対向配置し、そして対向する高電圧側端部および高圧端子の少なくともいずれか一方を他方に対して接離する可動部とし、そしてこの可動部をその移動方向と同一の方向に沿って進退可能とするため容器内に挿入した絶縁棒と連結することにより、容器の外部から高電圧側端部と高圧端子との接続および切離しができる断路機構が提案されている。
特開2002−84610号公報 特開2002−313653号公報
特許文献1に示されているように、耐電圧試験時の切離しを行うために電圧変成要素を収容する容器内に電圧変成要素を移動自在に支持する昇降板や昇降装置、回転板や回転装置を設ける必要があった。そのため、容器内の構成が複雑になり、容器が大形になるのを避けられなかった。そして、昇降板や昇降装置、回転板や回転装置を設けるためにコストが高くなるといった問題があった。
また、特許文献2に示されているように、電圧変成要素の高電圧側端部および高圧導体の高圧端子は容器の上方に位置しており、操作装置は容器底部の外側に位置している。このため、操作装置から高圧端子までは距離があるため、操作装置から高圧端子へ操作力を伝達するための絶縁棒は長尺の物が必要であった。しかも、絶縁棒は三相の電圧変成要素の中央付近に配置しなければならないため、絶縁距離を十分に確保しなければならず、容器の大形化や重量増を招くといった問題があった。また、GISに対して三相形ガスVTを水平方向に取付ける場合、高電圧側端部に取付けられた接続導体と操作装置までの距離があるため、絶縁棒に大きなモーメント力が掛かることになる。そのためモーメント力に対して変形しない絶縁棒を用いると、絶縁棒が大径化し、ひいては操作装置が大形化することになりコストが高くなるといった問題もあった。
上記課題を解決するため、本発明に係る三相形ガスVTは、埋め込み導体を備えた絶縁スペーサによって封止され絶縁ガスが充填された容器に三相の電圧変成要素が収納され、前記電圧変成要素は鉄心と、前記鉄心に巻かれた二次コイルと、前記二次コイルの外側に同軸上に巻かれた一次コイルと、電界緩和シールドとによって構成され、前記埋め込み導体と前記一次コイルとの接続及び切離しを行う三相形ガス絶縁計器用変圧器において、前記容器に設けられた操作機構と、前記操作機構に取付けられた操作棒と、前記操作棒に取付けられた絶縁フレームと、前記絶縁フレームに取付けられた三相分の接続導体を備え、接続状態では前記接続導体が前記埋め込み導体と前記一次コイルとの間に配置され、切離し状態では前記絶縁フレームがスライドすることで前記接続導体が前記埋め込み導体と前記一次コイルとの間から離れることを特徴とする。
本発明によれば、三相形ガスVTの電圧階級に関係なく電圧変成要素とGISとの切離しや接続といった操作を小さな力で、確実且つスムーズに、しかも簡単に行うことができる。また、三相形ガスVTの電圧階級に関係なく、同一の断路機構を適用することができるので三相形ガスVTの標準化を図ることが出来る。
図1は本発明の一実施形態において、断路部を閉じた状態の内部構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図2は本発明の一実施形態において、断路部を開いた状態の内部構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図3は本発明において、接続導体の他の実施形態を示す正面図である。 図4は本発明の一実施形態において、通常運転時の状態を示す正面図である。
以下、本発明の実施例について図1および図2を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態の三相形ガスVTにおいて断路部を閉じた状態の内部構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図2は断路部を開いた状態の内部構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図1および図2において、1は電圧変成要素、2は電圧変成要素1を収容する容器である。
電圧変成要素1は、矩形状に形成された鉄心1aを備えている。鉄心1aは、鋼板の積層体からなっていて、二次巻形を介して二次コイル1bが巻回され、二次コイル1bの外側に一次巻形を介して一次コイル1cが巻回されている。一次コイル1cを取り囲むように非接地側の一次端子を兼ねる電界緩和シールド1dが配置され、一次コイル1cの巻終り側の端末部が電界緩和シールド1dに接続されている。一次コイル1cの巻始め側の端末部は一次コイル1cの内周側に配置された電位固定板を通して鉄心1aに接地されている。
容器2は、軸線方向の一端が開口した円筒状の容器本体3と、容器本体3の一端を封止するように設けられた絶縁スペーサ4とからなっている。そして、容器本体3は金属からなっていて、円筒の胴部3aと、胴部3aの一端に蓋板部3bが気密に取付けられ、他端にはフランジ部3cが取付けられて構成されている。容器本体の胴部3aは、電圧変成要素1を取り囲む部分であり、胴部3aの内面と電圧変成要素1との間に所定の間隙が形成されるように、胴部3aの内径が設定されている。容器2の内部には三相分の電圧変成要素1が収納されており、各相の電圧変成要素1はそれぞれの鉄心1aが正三角形となるように配置されている。
絶縁スペーサ4は、絶縁樹脂からなる円錐状の本体4aと、本体4aの外周部に一体に形成されたフランジ部4bとからなっていて、本体4aを貫通した状態で埋込み導体4cが正三角の配置となるように三箇所設けられている。絶縁スペーサ4は、そのフランジ部4bを容器本体3のフランジ部3cにボルト(図示せず)で締結することにより容器本体に取り付けられている。絶縁スペーサ4のフランジ部4bと容器本体3のフランジ部3cとの間にはOリング(図示せず)が配設され、Oリングにより、絶縁スペーサ4のフランジ部4bと容器本体3のフランジ部3cとの接続部の気密が図られて、容器本体3の他端が封止されている。
絶縁スペーサ4の埋め込み導体4cの一端側はGISの高圧回路に接続され、埋め込み導体4cの他端側には導体5が取付けられており、さらに導体5には導体側接触子6が設けられている。電圧変成要素1の非接地側の一次端子(電界緩和シールド1d)にはコイル側接触子1eが設けられている。図1のように、断路部を閉じた状態では、接続導体7は導体側接触子6に接続されると同時に、接続導体7の真下のコイル側接触子1eに接続される。コイル側接触子1eは、導体側接触子6と同様に内部にバネ(図示せず)が設けられているので、上下に動くことができる。そして、そのバネの力によって導体側接触子6と接続する接続導体7との接触圧を保持している。また、図3に示すように、接続導体7にバネ機構を備えた導体側接触子7aとコイル側接触子7bを設けることで接触圧を保持することもできる。
絶縁フレーム8は導体接続部8aとスライド部8bで構成されている。導体接続部8aには接続導体7が取付けられており、導体側接触子6とコイル側接触子1eとの間に接続導体7が配置されている。図示の例では、導体接続部8aは円形となっているが、これは円形に特定されるものではなく、三箇所に配置された接続導体7を取付けることが出来る形状であれば良い。容器2の内部にはガイド9が2箇所設けられている。このガイド9には、絶縁フレーム8のスライド部8bが摺動自在に取付けられている。さらに、絶縁フレーム8には操作棒10の一端部が取付けられている。操作棒10の他端部は、容器2に気密に取付けられたフランジ12から容器外部に導出されている。このフランジ12には、操作棒10が容器外部に導出されても気密を保つことが出来るようにOリング(図示せず)が設けられている。
容器外部には操作機構11が設けられている。操作機構11について以下に説明する。容器外部に導出された操作棒10の他端部にはハンドル13の一端部が回動自在に接続されている。操作棒10の動作を妨げないようにハンドル13との接続部分は長孔形状に加工されている。容器本体3には取付台16が設けられており、この取付台16に取り外し自在に支持台14が取付けられている。そしてハンドル13の中央付近が支持台14の先端付近に回動自在に接続されている。
操作棒10には固定板15が取付けられており、GISの通常運転(断路部を閉じた状態)時は、固定板15がフランジ12にボルト(図示せず)で固定されている。断路する場合には、固定板15とフランジ12とを固定しているボルトを外し、図2(b)に示すように、ハンドル13の他端部を容器側に押すように動作させると、支持台14との接続部分を支点としてハンドル13が時計方向に回転し、操作棒10が容器外部に引出され、操作棒10に取付けられている絶縁フレーム8がガイド9に沿ってスライド(図中では右方向に移動)することになる。このように絶縁フレーム8がスライドすることで、接続導体8が対向する導体側接触子6とコイル側接触子1e間から引き抜かれ、断路することができる。そして、耐電圧試験が実施される。
耐電圧試験が終了し、通常運転(断路部を閉じた状態)に入る時は、上記説明した断路の場合とは逆の手順で接続導体8が対向する導体側接触子6とコイル側接触子1e間に挿入され、固定板15がフランジ12にボルトで固定される。そして図4に示すように、操作機構11は必要とされないので、容器本体3からハンドル13および支持台14が取り外すことが可能である。
1 電圧変成要素
1a 鉄心
1b 二次コイル
1c 一次コイル
1d 電界緩和シールド
1e コイル側接触子
2 容器
3 容器本体
3a 胴部
3b 蓋板部
3c フランジ部
4 絶縁スペーサ
4a 本体
4b フランジ部
4c 埋め込み導体
5 導体
6 導体側接触子
7 接続導体
7a 導体側接触子
7b コイル側接触子
8 絶縁フレーム
8a 導体取付部
8b スライド部
9 ガイド
10 操作棒
11 操作機構
12 フランジ
13 ハンドル
14 支持台
15 固定板
16 取付台

Claims (1)

  1. 埋め込み導体を備えた絶縁スペーサによって封止され絶縁ガスが充填された容器に三相の電圧変成要素が収納され、前記電圧変成要素は鉄心と、前記鉄心に巻かれた二次コイルと、前記二次コイルの外側に同軸上に巻かれた一次コイルと、電界緩和シールドとによって構成され、前記埋め込み導体と前記一次コイルとの接続及び切離しを行う三相形ガス絶縁計器用変圧器において、前記容器に設けられた操作機構と、前記操作機構に取付けられた操作棒と、前記操作棒に取付けられた絶縁フレームと、前記絶縁フレームに取付けられた三相分の接続導体を備え、接続状態では前記接続導体が前記埋め込み導体と前記一次コイルとの間に配置され、切離し状態では前記絶縁フレームがスライドすることで前記接続導体が前記埋め込み導体と前記一次コイルとの間から離れることを特徴とする三相形ガス絶縁計器用変圧器。
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