JP2012128217A - エレクトロクロミック表示装置およびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の表示電極及びEC層と複数の対向電極とを有し、発色用の第1駆動回路と消色用の第2駆動回路が対向電極に接続し、第1駆動回路は第1、第2TFT(トランジスタ)と、第1C(コンデンサ)とを備え、第1TFTのゲートは第1選択線に接続さし、ソース・ドレイン(S・D)の一方は第1データ線、他方は第1Cの一端に接続し、第1Cの他端は第1電源線に接続し、第2TFTのゲートは第1Cの一端に接続し、S・Dの一方は第1電源線、他方は対向電極に接続してなり、第2駆動回路は第3、第4TFTと、第2Cとを備え、第3TFTのゲートは第2選択線に接続し、S・Dの一方は第2データ線、他方は第2Cの一端に接続し、第2Cの他端は第2電源線に接続し、第4TFTのゲートは第2Cの一端に接続し、S・Dの一方は第2電源線、他方は対向電極に接続している。
【選択図】図2
Description
電子ペーパーは、表示装置が紙のように用いられるところに特徴があるため、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイといった従来の表示装置とは異なった特性が要求される。例えば、反射型表示装置であり、かつ高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧でも駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること、などの特性が要求される。このうち特に表示の品質に関わる特性として、紙と同等な白反射率・コントラスト比についての要求度が高い。
しかしながらカラーフィルターを設けると、カラーフィルター自身が光を吸収し、更に一画素をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)に3分割するため、表示装置の反射率が大きく低下する。そのため白反射率・コントラスト比を確保しながら多色表示することは困難であった。
またバックライトを用いる透過型表示装置と異なり、反射型表示装置ではカラーフィルターでの光吸収を抑制するためカラーフィルターの膜厚を厚くできず、色純度が低下する問題もあった。
ただし、エレクトロクロミック表示装置には、酸化還元反応を利用して発消色を行う原理ゆえに、発消色の応答速度が遅いという欠点があった。
特許文献5では表示電極に着色、消色を制御する電圧を供給する着消色電源部と、着消色電源部からの電圧を表示電極に時分割的に選択して供給する電圧切り替え部を備えたアクティブマトリックス駆動回路が開示されている。なお該特許文献5では後述する本発明で用いられる用語のうち対向電極を表示電極部、表示電極を対向電極と記載しているので、前述の記載においては本発明に用いられる用語に統一した。
特許文献6では2個のトランジスタと1個のコンデンサからなるいわゆる2T1C構造のアクティブマトリックス駆動回路が開示されている。
また特許文献7ではデータ信号を格納するためのサンプリングコンデンサと、データ信号を増幅するための複数のインバータによって構成されるアクティブマトリックス駆動回路が開示されている。
エレクトロクロミック表示装置はエレクトロクロミック化合物を酸化還元して発消色させるため、消色時は発色時とは異なる極性の電圧を印加する必要があり、発色・消色の両方に対応するためにはアクティブマトリックス駆動回路に双極性の駆動ドライバーを実装しなければならない。
しかしながら表示電極に着色・消色を制御する電圧を供給するための電圧切り替え部を設ける必要があり、表示基板にも回路を作製しなければならず、エレクトロクロミック表示装置のコストアップに繋がっていた。
また着色・消色は同一の駆動回路を使用しているため、発色と消色の両方に最適化された駆動回路の設計は前述と同様に困難であった。
(1):表示基板と、表示電極と、複数の対向電極と、対向基板と、前記表示電極上に設けられたエレクトロクロミック層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれるように設けられた電解質層と、を有し、前記表示基板と前記対向電極との間に前記エレクトロクロミック層が設けられた表示電極が互いに隔離して複数設けられ、各表示電極と対向電極間に印加する電荷量を制御することにより前記エレクトロクロミック層を発色あるいは消色するエレクトロクロミック表示装置において、第1の選択ラインと、第1のデータラインと、第1の電源ラインと、第2の選択ラインと、第2のデータラインと、第2の電源ラインと、を備え、前記エレクトロクロミック層を発色するための第1の駆動回路と、前記エレクトロクロミック層を消色するための第2の駆動回路と、が前記対向電極に接続されて設けられ、前記第1の駆動回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1のコンデンサと、を備え、前記第1のトランジスタが有するゲート電極は、前記第1の選択ラインに接続され、前記第1のトランジスタが有するソース電極及びドレイン電極の一方は、前記第1のデータラインに接続され、他方は前記第1のコンデンサの一端に接続され、前記第1のコンデンサの他端は、前記第1の電源ラインに接続され、前記第2のトランジスタが有するゲート電極は、前記第1のコンデンサの一端に接続され、前記第2のトランジスタが有するソース電極及びドレイン電極の一方は、前記第1の電源ラインに接続され、他方は前記対向電極に接続されてなり、前記第2の駆動回路は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第2のコンデンサと、を備え、前記第3のトランジスタが有するゲート電極は、前記第2の選択ラインに接続され、前記第3のトランジスタが有するソース電極及びドレイン電極の一方は、前記第2のデータラインに接続され、他方は第2のコンデンサの一端に接続され、前記第2のコンデンサの他端は、前記第2の電源ラインに接続され、前記第4のトランジスタが有するゲート電極は、前記第2のコンデンサの一端に接続され、前記第4のトランジスタが有するソース電極及びドレイン電極の一方は、前記第2の電源ラインに接続され、他方は前記対向電極に接続されていることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置である。
その結果、複数の表示電極第のうち任意の一層を一定電位に接続し、第1の駆動回路によって任意の対向電極の電位を変化させて選択された表示電極のエレクトロクロミック層を発色させてモノカラーの画像を形成し、その後順次表示電極を一定電位に接続して第1の駆動回路によって任意の対向電極の電位を変化させることで多色表示が実現できる。
また複数の表示電極うち任意の一層を一定電位に接続し、第2の駆動回路によって全素子をアドレッシングすることで発色しているエレクトロクロミック層を消色し、その後順次表示電極を一定電位に接続し、第2の駆動回路によって全素子をアドレッシングすることで別の色に発色しているエレクトロクロミック層を消色することで、表示装置に形成されている画像を消去することができる。
更に第1の駆動回路は発色動作のみを行うため、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、第1のコンデンサの特性を発色動作に合わせて最適設計することが可能であり、良好な発色用の駆動回路を実現できる。また第2の駆動回路は消色動作のみを行うため、第3のトランジスタ、第4のトランジスタ、第2のコンデンサの特性を消色動作に合わせて最適設計することが可能であり、良好な消色駆動回路を実現できる。
またフルカラー表示装置の構成部品点数を考えると、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置等の従来の駆動回路では1画素をRGBのサブ画素に分割するため、実際はn×3×m個の表示素子が必要であり、駆動ドライバーの数も3×n×m分をアドレッシングできる数だけ必要となる。本発明のエレクトロクロミック表示装置は積層構造となっているため、表示素子はn×m個で良い。そのため発色動作を行なう第1の駆動回路、第2の駆動回路ともn×m個をアドレッシングするだけで良いので、駆動ドライバーやアクティブマトリックス駆動回路を構成するトランジスタ、コンデンサを少なくでき、従来よりも安価にエレクトロクロミック表示装置を作製できる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明のエレクトロクロミック表示装置の一例を図1、図2及び図3に示す。図1は本実施例のエレクトロクロミック表示装置10の構成を模式的に示す断面図であり、図2は本実施例のアクティブマトリックス駆動回路の模式図、図3は個々の表示素子を拡大した駆動回路図である。
ただし、図1、図2及び図3は本発明に係るエレクトロクロミック表示装置の一例を示すものであり、本発明の形態に係るエレクトロクロミック表示装置は上記の構成に限定されない。特に図1の表示装置はエレクトロクロミック層が3層積層されているが、本発明によれば2層以上の表示装置であれば本発明に含まれるものとする。
すなわち、表示基板11は、表示基板11に形成された第1の表示電極13aと、第1の表示電極13aに接して設けられた第1のエレクトロクロミック層14aと、第1のエレクトロクロミック層14aに接して設けられた第1の絶縁層22aと、第1の絶縁層22aに接して設けられた第2の表示電極13bと、第2の表示電極13bに接して設けられた第2のエレクトロクロミック層14bと、第2のエレクトロクロミック層14bに接して設けられた第2の絶縁層22bと、第2の絶縁層22bに接して設けられた第3の表示電極13cと、第3の表示電極13cに接して設けられた第3のエレクトロクロミック層14cとを有する。また、表示基板11及び対向基板12の垂直方向に隔壁18が設けられてなる。
なお、本実施例では、エレクトロクロミック層14が表示電極13上に接して設けられてなるが、本発明はこの態様に限定されるものではない。即ち、表示電極13と対向電極15との間に印加された所望の電荷量により、エレクトロクロミック層14が発色あるいは消色する構成であれば如何なる態様であっても良い。例えば、エレクトロクロミック層14が、金属酸化物や有機材料などの絶縁材料等からなる保護層を介して表示電極13上に積層された態様も本発明の範囲に属する態様であり、発色を維持する点からより好ましい。
図2に示すように、本実施例のエレクトロクロミック表示装置10はn行×m列の表示素子がマトリックス状に配置されており、発色時においてはn本の第1の選択ライン(図2中のXw0〜Xwn−1)とm本の第1のデータライン(図2中のYw0〜Ywm−1)によって個別にアドレッシングできる構造となっている。なお発色時にはm本の第1の電源ライン(図2中のYwi0〜Ywim−1)によって対向電極15の電位を変化させる。
また消色時にはn本の第2の選択ライン(図2中のXe0〜Xen−1)とm本の第2のデータライン(図2中のYe0〜Yem−1)によって個別にアドレッシングできる構造となっている。消色時にはm本の第2の電源ライン(図2中のYei0〜Yeim−1)によって対向電極15の電位を変化させる。なお第2の電源ラインはエレクトロクロミック層に発色時とは逆の酸化還元反応を起こさせるため、第1の電源ラインとは逆の極性を有している。
発色時においては第1の選択信号と第1のデータ信号によって第1のトランジスタTFT1のON/OFF状態が決まる。第1のトランジスタTFT1がONされると、第1のトランジスタTFT1のドレイン電極に電流が流れ、第2のトランジスタTFT2のゲート電極の電位を変化させて、第2のトランジスタTFT2をONさせる。第2のトランジスタTFT2のソース電極は第1の電源ラインに接続されているので、第1の電源ラインから対向電極15に電荷が供給され、エレクトロクロミック層が発色する。
<表示基板11>
表示基板11を構成する材料としては、ガラス、石英、ポリカーボネート、PES(ポリエーテルサルフォン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明高分子樹脂等が挙げられる。
表示電極13a、13b、13cを構成する材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明且つ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。これにより、発色させる色の視認性をより高めることができる。
透明導電性材料としては、スズをドープした酸化インジウム(以下ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(以下FTO)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下ATO)等の無機材料を用いることができるが、特に真空成膜法より形成されたインジウム酸化物(以下、In酸化物という)、スズ酸化物(以下、Sn酸化物という)又は亜鉛酸化物(以下、Zn酸化物という)の何れか1つを含む無機材料であることが好ましい。In酸化物、Sn酸化物及びZn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる材料である。また、特に好ましい材料は、InSnO、GaZnO、SnO、In2O3、ZnOである。
表示電極は共通電極として機能するので、真空蒸着・スパッタ等の成膜時にマスク成膜することで表示電極13a、13b、13cが形成できる。
電解質層20は、表示電極13と前記対向電極15とに挟まれるように設けられてなる。
電解質層20としては、支持塩を溶媒に溶解させた層が用いられる。このため、イオン伝導度が高い。
電解質層20の材料としては、支持塩として、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。
また、溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ―ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1、2−ジメトキシエタン、1、2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、が用いられる。
その他、支持塩を溶媒に溶解させた液体状の電解質に特に限定されるものではないため、イオン液体、ゲル状の電解質や、ポリマー電解質等の固体電解質も用いられる。
固体化手法としては、電解質と溶媒をポリマー樹脂中に保持する方法が適している。これにより高いイオン伝導度と固体強度が得られる。さらに、ポリマー樹脂は光硬化可能な樹脂が良い。熱重合や、溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できるためである。
樹脂としては、特に限定されないが、ウレタン、エチレングリコール、ポリプレングリコール、ビニルアルコール、アクリル、エポキシなどを挙げることができる。
また電解質層20中に白色顔料粒子を分散させることで、白色反射層21の機能を持たせることもできる。白色の顔料粒子としては、特に限定されないが、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウム等の金属酸化物が挙げられる。
光硬化樹脂により電解質層20を硬化する場合は白色顔料を増量すると光を遮蔽するため硬化不良となりやすい。電解質層20の厚さにも依存するが、好ましい含有量は10〜50wt%である。
また、電解質層20の膜厚は0.1〜200μmの範囲にある。好ましくは1〜50μmである。電解質層20がこれよりも厚いと電荷が拡散しやすい、またこれよりも薄いと電解質層20の保持が困難になるためである。
エレクトロクロミック層14a、14b、14cには酸化還元により色の変化を起こす材料が用いられる。このような材料として、ポリマー系、色素系、金属錯体、金属酸化物等の公知のエレクトロクロミック化合物が用いられる。
具体的には、ポリマー系、色素系、のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
この形態では、エレクトロクロミック化合物が移動しないよう固定されると共に、エレクトロクロミック化合物の酸化還元に伴う電子の授受が妨げられないように電気的な接続が確保されていればよく、エレクトロクロミック化合物とナノ構造半導体材料とは混合されて単一層となっていても良い。
絶縁層22a、22bの材料としては、多孔質であればよく特に限定されるものではないが、絶縁性、耐久性及び成膜性に優れた有機材料および無機材料を用いることができる。
多孔質膜の形成方法としては、燒結法(高分子微粒子や無機粒子をバインダ等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物または無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物または無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。
なお、絶縁層22a、22bの膜厚は20〜1000nmの範囲にある。この範囲よりも膜厚が薄い場合、絶縁性を得にくくなる。またこの範囲よりも膜厚が厚い場合、製造コストが増大すると共に、着色によって視認性が低下しやすい。
対向電極15の材料については駆動回路の所で詳細に記述するが、導電性を有する材料であれば、特に限定されるものではなく、透明導電性材料、あるいは金属、合金などが用いられる。
更にエレクトロクロミック層14a、14b、14cの起こす酸化還元反応の逆反応を起こす材料を対向電極15に形成することで、安定した発消色が可能となる。すなわち、エレクトロクロミック層14が酸化により発色する場合は還元反応を起こし、エレクトロクロミック層14が還元により発色する場合は酸化反応を起こす材料を対向電極15として、または対向電極15表面に形成して用いると、エレクトロクロミック層14a、14b、14cにおける発消色の反応がより安定となる。
白色反射層21は表示基板側11から入射する光を散乱反射する。また、電解質層20中に白色顔料粒子を分散させることで、白色反射層の機能をもたせることもできる。
白色反射層21は、金属、半金属に加えて、酸化物、窒化物、硫化物などの真空製膜可能な無機化合物膜、または酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウム等の金属酸化物粒子からなる白色顔料粒子で形成された膜が挙げられる。
無機化合物膜に浸透性を持たせるには絶縁層22と同様の形態として形成する必要があり、効果的な散乱を得るためには下地層の粒子径が散乱効率の高い100〜400nmであることが好ましい。また、金属酸化物粒子膜は溶液に分散したペーストとして塗布製膜することにより容易に形成することができる。特に好ましい材料は酸化チタン粒子である。
なお、白色反射層21の膜厚は0.1〜50μmの範囲にあり、更に好ましくは0.5〜5μmである。この範囲よりも膜厚が薄い場合、白色反射効果を得にくくなる。またこの範囲よりも膜厚が厚い場合、浸透性と膜強度を両立することが困難となるためである。
ただし、酸化チタン粒子含有層を用いても最大反射率が得られる膜厚まで厚膜化すると膜強度が不足しやすい。そこで、膜強度が得られる白色反射層と電解質層20に白色顔料粒子を混合した白色電解質層との2層構成で白色反射層21を形成することが好ましい。
対向基板12はガラス、石英、高分子樹脂、金属基板を絶縁性樹脂で被覆した基板等が使用できる。特に対向基板12、表示基板11とも高分子樹脂フィルムを用いると、ロバススト性に富むフレキシブル電子ペーパーが実現できる。
次に第1、第2の駆動回路の構成材料および作製方法について説明する。
第1の駆動回路に用いられる第1、第2のトランジスタTFT1,2、第2の駆動回路に用い第3、第4のトランジスタTFT3,4は薄膜トランジスタ(Thin film transistor、以降TFTと略す)からなり、種々の構造が採用できる。例えば電界効果型トランジスタ、静電誘導型トランジスタ等が使用される。
また電界効果型トランジスタにおいてもボトムゲート・トップコンタクト型、トップゲート・ボトムコンタクト型等の多様な構造が採用可能である。
以下ではボトムゲート・トップコンタクト型電界効果トランジスタを例にとり、構成材料・作製方法の詳細を述べる。
上記材料を真空蒸着法・スパッタ法等によって成膜し、その後フォトリソ・エッチング法によってゲート電極とする。またゲート電極と同一層を用いて第1・第2の電源ライン、第1・第2のコンデンサC1,2の一方の電極、ゲート電極の引き出し配線を同時に形成する。
なおゲート絶縁膜は第1・第2のコンデンサ領域ではコンデンサの誘電体層として機能する。
また第1〜4のTFT上に対向電極を積層するのではなく、第2・第4のドレイン電極を広げて対向電極として利用し、対向電極上のみに開口を有する層間絶縁膜を形成しても良い。
図4は本発明のエレクトロクロミック表示装置の別の一例を示す回路図である。
図4のエレクトロクロミック表示装置は3つの表示電極およびエレクトロクロミック層を有する表示装置であり、図1と同様の構造を有し、かつエレクトロクロミック素子(図4中EC素子)の各表示電極13a、13b、13cを切り替えるための切り替えスイッチ12が設けられている。なお図4は各表示素子毎に切り替えスイッチ12が設けられているが、各表示素子の表示電極13a同士、13b同士、13c同士を接続した後、1個の切り替えスイッチで全表示素子の表示電極を一括で切り替えても何ら構わない。
本実施例の構造を採用することで各表示電極を容易に一定電位(図4ではアース電位)に繋ぐことができる。その結果、多色表示をより簡便に実現できる。
さらに減法混色における3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンを発色するエレクトロクロミック化合物材料を第1のエレクトロクロミック層14a、第2のエレクトロクロミック層14b、第3のエレクトロクロミック層14cに各々用いることで、より簡便にフルカラー表示が可能な表示装置を実現できる。
次に本発明のエレクトロクロミック表示装置に特有な駆動方法について説明する。
前述の駆動方法はエレクトロクロミック表示装置に形成された表示画像を書き換えるため、第2の駆動回路によって表示装置を構成する表示素子全てを走査して全表示素子を消色、つまり画面をリフレッシュする駆動方法である。本発明のエレクトロクロミック表示装置は前述の駆動方法と合わせて、下記の駆動方法も可能である。
その結果、画面をリフレッシュするための時間が短縮され、表示画像を書き換える場合、従来よりも高速に画像の書き換えが可能となる。
表示画像の任意の一部位を書き換える場合、従来の駆動方法では全表示素子を走査する駆動回路から構成されているため、全表示素子を消色してから全表示素子を発色させて画像を形成するが、図2及び図3の駆動回路を有する本発明のエレクトロクロミック表示装置では以下の方法でも書き換え可能である。
その結果、任意の一部位を書き換える場合、従来の表示装置よりも書き換えるために発消色する表示素子数を少なくでき、エレクトロクロミック表示装置の長期信頼性が向上できる。
本発明のエレクトロクロミック表示装置の駆動回路の別の一例を図5に示す。
図5の表示装置の駆動回路は図2と同様な回路より構成されており、かつ表示している画像データを一時的に格納する表示画像データ格納メモリ301と新規画像(書き換え画像)の画像データを一時的に格納する画像データ格納メモリ302を有している。
エレクトロクロミック表示装置には画像が表示されており、表示画像の画像データは表示画像データ格納メモリ301に格納されている。
その状態で表示装置に書き換え画像が入力されると、書き換え画像データは画像データ格納メモリ302に一時的に保存される。その後差分判断器303が表示画像データ格納メモリ301から表示画像データを読み出し、画像データ格納メモリ302から書き換え画像データを読み出し、表示画像と書き換え画像の異なる部位を検出し、消色用選択信号発生器304および発色用選択信号発生器305に判断結果を出力する。
なお図5は本実施例の駆動方法の原理を説明するための一例であり、種々の回路構成で上記の駆動方法を実現できる。
本発明のエレクトロクロミック表示装置の駆動回路の別の一例を図6に示す。
図6の表示装置の駆動回路は図2と同様な回路より構成されており、かつ表示している画像データを一時的に格納する表示画像データ格納メモリ301と新規画像(書き換え画像)の画像データを一時的に格納する画像データ格納メモリ302を有している。
エレクトロクロミック表示装置には画像が表示されており、表示画像の画像データは表示画像データ格納メモリ301に格納されている。
その状態で表示装置に書き換え画像が入力されると、書き換え画像データは画像データ格納メモリ302に一時的に保存される。
11 表示基板
12 対向基板
13 表示電極
14 エレクトロクロミック層
15 対向電極
16 エレクトロクロミック化合物
17 ナノ構造半導体材料
18 隔壁
20 電解質層
21 白色反射層
22 絶縁層
23 第1の駆動回路、第2の駆動回路
101 発色用データ信号駆動ドライバー
102 発色用選択信号駆動ドライバー
103 発色用電源電圧発生器
201 消色用データ信号駆動ドライバー
202 消色用選択信号駆動ドライバー
203 消色用電源電圧発生器
301 表示画像データ格納メモリ
302 画像データ格納メモリ
303 差分判断器
304 消色用データ信号発生器
305 発色用データ信号発生器
WD 発色用データ信号(画像データ)
ED 消去用データ信号
WS 発色用選択信号
ES 消色用選択信号
Claims (8)
- 表示基板と、表示電極と、複数の対向電極と、対向基板と、前記表示電極上に設けられたエレクトロクロミック層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれるように設けられた電解質層と、を有し、
前記表示基板と前記対向電極との間に前記エレクトロクロミック層が設けられた表示電極が互いに隔離して複数設けられ、各表示電極と対向電極間に印加する電荷量を制御することにより前記エレクトロクロミック層を発色あるいは消色するエレクトロクロミック表示装置において、
第1の選択ラインと、第1のデータラインと、第1の電源ラインと、第2の選択ラインと、第2のデータラインと、第2の電源ラインと、を備え、
前記エレクトロクロミック層を発色するための第1の駆動回路と、前記エレクトロクロミック層を消色するための第2の駆動回路と、が前記対向電極に接続されて設けられ、
前記第1の駆動回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1のコンデンサと、を備え、
前記第1のトランジスタが有するゲート電極は、前記第1の選択ラインに接続され、
前記第1のトランジスタが有するソース電極及びドレイン電極の一方は、前記第1のデータラインに接続され、他方は前記第1のコンデンサの一端に接続され、
前記第1のコンデンサの他端は、前記第1の電源ラインに接続され、
前記第2のトランジスタが有するゲート電極は、前記第1のコンデンサの一端に接続され、
前記第2のトランジスタが有するソース電極及びドレイン電極の一方は、前記第1の電源ラインに接続され、他方は前記対向電極に接続されてなり、
前記第2の駆動回路は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第2のコンデンサと、を備え、
前記第3のトランジスタが有するゲート電極は、前記第2の選択ラインに接続され、
前記第3のトランジスタが有するソース電極及びドレイン電極の一方は、前記第2のデータラインに接続され、他方は第2のコンデンサの一端に接続され、
前記第2のコンデンサの他端は、前記第2の電源ラインに接続され、
前記第4のトランジスタが有するゲート電極は、前記第2のコンデンサの一端に接続され、
前記第4のトランジスタが有するソース電極及びドレイン電極の一方は、前記第2の電源ラインに接続され、他方は前記対向電極に接続されていることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。 - 前記複数の表示電極を選択する切り替えスイッチを有することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック表示装置。
- 前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路は、アクティブマトリックス駆動回路であることを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロクロミック表示装置。
- 前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとは、逆の極性を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック表示装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック表示装置の駆動方法であって、
当該エレクトロクロミック表示装置に表示されている表示画像を書き換える場合、
前記第2の選択ラインによって前記第3のトランジスタ全てを同時に選択し、前記第2のデータラインから前記第3のトランジスタ全てに消色データを転送することで消色することを特徴とするエレクトロクロミック表示装置の駆動方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック表示装置の駆動方法であって、
当該エレクトロクロミック表示装置に表示されている表示画像の任意の一部位を書き換える場合、
前記任意の一部位に該当する対向電極に第2のトランジスタを介して接続されている第1のトランジスタを選択する第1の選択信号と、第4のトランジスタを介して接続されている第3のトランジスタを選択する第2の選択信号と、を作成し、
前記第2の選択信号を前記第2の選択ラインに転送して任意の一部位を消色し、前記第1の選択信号を前記第1の選択ラインに転送して任意の一部位に画像を表示することを特徴とするエレクトロクロミック表示装置の駆動方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック表示装置の駆動方法であって、
当該エレクトロクロミック表示装置に表示されている表示画像を書き換える場合、
当該表示画像と書き換え画像との異なる部位を検出し、
前記異なる部位に該当する対向電極に第2のトランジスタを介して接続されている第1のトランジスタを選択する第1の選択信号と、第4のトランジスタを介して接続されている第3のトランジスタを選択する第2の選択信号と、を作成し、
前記第2の選択信号を前記第2の選択ラインに転送して前記異なる部位を消色し、前記第1の選択信号を前記第1の選択ラインに転送して前記異なる部位に画像を表示することを特徴とするエレクトロクロミック表示装置の駆動方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック表示装置の駆動方法であって、
当該エレクトロクロミック表示装置に表示されている表示画像を書き換える場合、
当該表示画像と書き換え画像との異なる部位を検出し、
前記異なる部位に該当する対向電極に第2のトランジスタを介して接続されている第1のトランジスタのみに書き換え画像のデータ信号を与える第1のデータ信号と、第4のトランジスタを介して接続されている第3のトランジスタのみに消色データ信号を与える第2のデータ信号と、を作成し、
前記第2のデータ信号を前記第2のデータラインに転送して前記異なる部位を消色し、前記第1のデータ信号を前記第1のデータラインに転送して前記異なる部位に画像を表示することを特徴とするエレクトロクロミック表示装置の駆動方法。
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