JP2012128037A - 画像形成装置、温度制御方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像形成装置、温度制御方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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洋彰 中野
Akira Uematsu
瑛 植松
Hiroo Umezawa
寛朗 梅澤
Yohei Sakon
洋平 左近
Hiroshi Tokumaru
弘 徳丸
Atsushi Kosako
淳 小佐古
Atsushi Saito
敦 齊藤
Fukutoshi Uchida
福年 内田
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Abstract

【課題】 定着が不要なページ(紙)が定着部を通る間等の定着ヒータを停止する省電力消費の動作を行う際、生産性の低下を生じないようにすること。
【解決手段】 定着温度制御を行って、定着部の温度Tmが目標温度を保持した状態で定着の必要なプロセス(ページ)の処理が進行しているとき、次のプロセスが定着の不要な合紙挿入であれば、合紙挿入直前のページが定着部を抜けるタイミングtoにおいて、定着温度制御を停止(ヒータ停止)する。その後、制御停止状態で合紙挿入を続け、その間適当なタイミングで定着温度制御の再開要否を判定する。判定はそのときの定着部の検知温度Tmが温度閾値Ts未満になったことを条件に再開する。温度閾値Tsは、その時点で未処理の残り枚数Nの処理を終え、その後、定着の必要なプロセスの処理を行う時に必要な定着目標温度を確保できると推定される限界温度である。
【選択図】図6

Description

本発明は、プリント出力を要求して入力されたジョブの画像処理を経て、得られる画像データをもとにプリント出力を行う画像形成装置(複写機、プリンタ、MFP:複合機等)に関し、より詳しくは、形成される画像を記録媒体に加熱定着する際に省電力消費を考慮した制御動作を行う画像形成装置、温度制御方法、制御動作に用いるプログラム及び記録媒体に関する。
複写機、プリンタ、或いはコピー、プリンタ、ファクシミリ(FAX)等の機能を複合させて持ついわゆるデジタル複合機等の画像形成装置では、近年、高画質化や、処理の高速化の要求に加えて、省エネルギー(省電力消費)化の要求が高まっている。
電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上に作成された未定着状態のトナー画像を加熱しながら記録媒体に定着する処理(以下、単に「定着」という)を必要とし、その際に用いられる定着ヒータは大量の電力を必要とする。
このため、スキャナやFAXなど定着が不要なアプリケーション(以下、「アプリ」という)を利用するジョブの場合には、定着ヒータをオフにすることや、定着が必要なコピー、プリンタなどのアプリを利用する場合であっても、ジョブの最終紙が定着を抜ければ、例え、後処理などを行うためにマシンが停止できなくても、定着ヒータはオフにすること、また、同じくコピー、プリンタなどのアプリによるプリント出力において、例えば、合紙としての白紙を挿入する場合、定着が不要であり、この間定着ヒータをオフにする(特許文献1、参照)、といった動作を行うことで、無駄な電力の消費を抑えるようにする方法が既に提案されている。
しかし、定着が必要な先行するジョブの後、定着が不要なジョブが終了するまでの間や定着が不要なページや紙が定着部を通る間、定着ヒータを停止すると、それにより定着部が冷えてしまい、生産性が落ちる、といった不都合が生じ得る。つまり、上述の従来技術を用いる場合、ジョブの在り様によっては定着ヒータの停止が頻繁に起きることやジョブの内容によっては停止時間が長くなることがあり、このような状況では、定着が必要な次のジョブを処理するときに、定着温度が定着ヒータの停止によって限度を超えて下がり、冷えた定着部を再度温めることになって、その分、生産性が低下する、という問題を招く。
本発明は、上記従来技術の問題を解決すべくなされたもので、その目的は、定着が必要な先行するジョブの後、定着が不要なジョブが終了するまでの間や定着が不要なページや紙が定着部を通る間、定着ヒータを停止する省電力消費の動作を行う際、生産性の低下を生じないようにすることである。
本発明は、ページ単位でプリント出力処理を要求して入力されるジョブのプリント出力対象となる各ページの画像を入力順に、指示された出力条件に従って各々の記録媒体上に作成する画像作成部、前記画像作成部により記録媒体上に作成された未定着状態の画像を作成した順に、駆動状態を変更可能な加熱手段によって加熱しながら記録媒体に定着する定着部、前記定着部の温度検知手段及び前記加熱手段の駆動状態を変更することで定着部の温度を制御する制御手段を有する画像形成装置であって、前記プリント出力対象となる複数ページ中にある定着の不要なページが前記定着部を通る順番に達したこと、ジョブの最終ページが前記定着部を通り抜けたこと及び現時点で前記定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数を確認するジョブ管理手段と、前記ジョブ管理手段によって定着の不要なページが前記定着部を通る順番に達したこと又はジョブの最終ページが前記定着部を通り抜けたことが確認されたことを条件に、前記制御手段の制御を中止し、前記温度検知手段によって検知される現在温度が、前記ジョブ管理手段によって現時点で確認される前記定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数に対応する所定温度閾値未満になったことを条件に、前記制御手段の制御を再開する制御動作中止・再開制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明は、ページ単位でプリント出力処理を要求して入力されるジョブのプリント出力対象となる各ページの画像を入力順に、指示された出力条件に従って各々の記録媒体上に作成し、記録媒体上に作成された未定着状態の画像を作成した順に、駆動状態を変更可能な加熱手段によって加熱しながら記録媒体に定着する定着部の温度制御を行う温度制御方法であって、前記プリント出力対象となる複数ページ中にある定着の不要なページが前記定着部を通る順番に達したことを確認する定着不要ページ確認工程と、前記ジョブの最終ページが前記定着部を通り抜けたことを確認する定着部通り抜け確認工程と、前記定着不要ページ確認工程で定着の不要なページが前記定着部を通る順番に達したこと又は定着部通り抜け確認工程でジョブの最終ページが前記定着部を通り抜けたことが確認されたことを条件に、前記定着部の温度制御を中止する温度制御中止工程と、現時点における定着部の温度を検知する定着温度検知工程と、前記定着部を継続して通す定着の不要なページの現時点における枚数を確認する定着不要ページ確認工程と、前記定着不要ページ確認工程で確認される定着の不要なページの枚数に対応する所定温度閾値を取得する温度閾値取得工程と、前記定着温度検知工程で検知された定着温度が前記温度閾値取得工程で取得された所定温度閾値未満になったことを条件に、前記定着部の温度制御を再開する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、定着部の温度制御の停止時に生産性を低下させないタイミングで当該制御を再開することで、プリント出力の生産性の低下を防ぎながら省電力消費を実現することができる。
本発明に係る画像形成装置のエンジン制御系(定着部の制御系を含む)の概略構成を示すブロック図である。 定着部の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る定着温度制御のフローを示す図である。 ジョブに含まれる定着不要ページ(プロセス)の判定手法を説明するための概念図である。 本発明の他の実施形態に係る定着温度制御のフローを示す図である。 定着不要プロセスを含むジョブにおける定着ヒータ制御タイミングと温度の関係を説明する線図である。 本発明の他の実施形態に係る定着温度制御のフローを示す図である。
本発明に係る画像形成装置は、定着部の温度制御を要旨部分としているので、当該温度制御については後記で詳細に説明するが、その説明に先立って、本実施形態に係る画像形成装置の概略を説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、複写機、プリンタ、或いはコピー、プリンタ、ファクシミリ(FAX)等の機能を複合させて持つMFPであり、操作部或いは外部ホスト機から通信手段を介して入力される、装備する機能(アプリ)により実行可能なジョブの処理要求を受付ける。プリント出力を要求して入力されるジョブに対しては、ジョブに指示される出力条件に従い記録媒体(以下、「用紙」もしくは、単に「紙」ともいう)へ画像を形成し、機種によっては後処理を経てプリント出力を行う。
プリント出力処理の要求は、ページ単位でプリント出力処理を行える形式で操作部やホストI/Fを介して入力が行われ、ジョブとして受付けられる。
プリント出力処理を要求するジョブは、先行するジョブの出力処理を実行している間でも、次に入力されるジョブを受付け、出力待ちの状態で未処理のジョブを複数保持することができる。
また、受付けたジョブの出力処理は、プリント出力対象となる各ページの画像を基本的には入力順に、即ち、入力ジョブ順、入力ページ順に、指示された出力条件に従って出力を行う。このため、画像形成装置全体を制御する制御部がジョブの管理機能を有し、受付けた各ジョブの工程を管理する。
プリント出力を要求するジョブの処理に用いる画像データは、コピー、FAX等のアプリにおける場合、原稿であるから、装備されたスキャナで画像データに変え、また、プリンタ等のアプリにおける場合、PDL(ページ記述言語)等の印刷データで入力されるので、装備された解析部で印刷データから画像データを生成する。このようにして入力側で処理された画像データは、画像形成部(プリンタエンジン)に適用するデータとして出力側で処理され、プリンタエンジンで記録媒体への画像形成に用いる。
本実施形態におけるプリンタエンジンは、電子写真方式によって画像を形成する。
即ち、プリント出力(画像形成)用に処理された画像データ(2値又は多値デジタル信号)を用いて点灯制御するレーザ光源から射出する光ビームにより感光体を走査露光し、静電潜像を生成する。次いで、生成された静電潜像をトナーにより現像し、作成されたトナー像を記録媒体としての用紙に転写する。次に、定着ヒータによって加熱される定着部にトナー画像の転写された用紙を通すことで、トナー画像を用紙に定着させる。その後、後処理が指示されていれば、その処理を経てプリント出力を行う。
また、プリンタエンジンの動作として、この実施形態では、外部装置として装備可能なインサータによって、ページ間に別の用紙(例えば、画像を形成しない紙)を挿入する合紙動作を行う(後記で関連動作を説明)。
なお、定着部の温度制御に係る部分は、後記でより詳しく説明するが、これ以外の構成部分については、公知の構成を採用することにより実施することができるので、ここでは詳細な説明は、省略する。
以下、省電力消費を意図する動作形態で定着部の温度制御を行う画像形成装置及び定着部の温度制御方法に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
[定着部の温度制御系]
まず、定着部の温度制御系について、説明する。
図1は、本実施形態に係るエンジン制御系を概略構成にて示すブロック図である。
この実施形態では、プリンタエンジンを制御するエンジン制御部6が有する制御機能の1つを定着部の制御機能(温度制御機能を含む)とする形態を例に示すものであり、従って、定着部の制御系は、このエンジン制御系(図1)に含まれる。
エンジン制御部6は、画像形成装置(MFP等)全体を制御するコントローラ部(不図示、後記外部装置9に含まれる)の制御下で動作をする。
エンジン制御部6は、図1に示すように、相互にバス5で接続されたCPU(Central
Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、I/O制御部4を構成要素とし、また、I/O制御部4の制御下に各種の負荷8を接続するとともに、バス5に外部装置9を接続する。
外部装置9には、画像形成装置全体を制御するコントローラ部及びインサータの他、FCU(Facsimile Control Unit)及びUSB(Universal Serial Bus)、IEEE(1284,1394等)、ネットワークI/F等を介して接続するデバイスが含まれる。
負荷8には、定着部のヒータやヒータの駆動状態を変更し定着部の温度を制御するために必要な要素(例えば、温度検知器)等が含まれる。
ここで、図2を参照して、エンジン制御部6の負荷8であり、制御の対象となる定着部の概略構成を説明する。
定着部は、現像、転写等の各工程を経て、未定着のトナー画像を載せた状態で搬送されてくる用紙17に熱と圧力を加えて、用紙にトナー画像を定着させる。
図2に示す実施形態では、用紙17は、加熱源11により加熱される加圧ローラ13と加熱源12により加熱される定着ローラ14の間に挟まれ、熱と圧力を加えながら回転する両ローラによって搬送される。
図2では、ハロゲンアンプ等の加熱源11,12を両ローラ13,14の内部に設ける加熱方式を採用しているので、各ローラの加熱状態を知るためにサーミスタ等の温度検知体15,16をそれぞれ設けている。
定着部の温度条件は、定着動作時には、用紙とトナー画像の定着を適正に行うための温度を保つことが必要であるから、温度検知体15,16が検知した温度から定着に作用する温度を推定し、推定値に基づいて適正な定着温度を保つように、加熱源11,12の駆動状態を変更し定着部の温度制御を行い、また、後記で詳述するが、定着不要時に行う省電力消費動作においても、ジョブの内容に応じて定着部の温度制御の停止・再開を行う。
なお、図2では、ハロゲンアンプ等の加熱源11,12を両ローラ13,14の内部に設ける加熱方式を示しているが、採用する加熱方式はこの方式に限らず、どのような方式でもよい。
ところで、エンジン制御部6のハードウェアは、求められる制御機能を備えたASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成することができるが、ここでは、図1に示すように、CPU1、ROM2及びRAM3よりなるコンピュータをハードウェアとして構成する。
コンピュータをハードウェア構成に用いて実施する場合、当該コンピュータをエンジン制御部6として機能させるためのプログラム(ソフトウェア)によって駆動することにより、意図する制御機能を実現する。つまり、エンジン制御部6は、後記で図3,5,7を参照して説明する制御フローを実行するためのプログラムを搭載し、コンピュータによって当該制御フローを実行することで、定着部の温度制御を意図する省電力消費動作モードで行うことが可能になる。
[定着部の温度制御]
次に、上記定着部の温度制御系の動作に係る実施形態を説明する。
以下に示す温度制御動作は、画像形成装置が受付けたジョブを継続して処理する間、定着が不要な状態で処理が進行する場合、定着部の温度制御を停止することで省電力消費の処理を行うようにするものである。
上記の定着が不要な状態とは、次の(1)、(2)の状態を指す。
(1) 定着の必要なコピー、プリンタなどのアプリを利用してプリント出力をする際、当該ジョブに含まれる定着の不要なページ(例えば白紙)が定着部を通る間の状態。
(2) 定着の必要なコピー、プリンタなどのアプリを利用してプリント出力をする際、当該ジョブの最終ページが定着を抜けた時(後処理などを行うためにジョブが終了していなくても、定着部を最終ページが抜けた時)から、その後引き続いて行うジョブが、定着の不要なジョブであれば当該ジョブが終了するか又は定着の必要なジョブであっても、定着の必要なページの前に定着の不要なページが介在すればその最終ページが定着を抜けるまでの間の状態。
ただ、上記(1)、(2)の定着が不要な状態の間、定着部の温度制御を停止すると、一連のジョブの在り様、或いはジョブに含まれる定着の不要なページの在り様によっては、停止時間が長くなることがある。例えば、前者については、スキャナやFAXなど定着の不要なアプリの動作が長く続く場合であり、後者については、インサータにより定着の不要な合紙が頻繁に或いは多数枚継続して挿入される場合である。
このような状況で、上記(1)、(2)の定着が不要な状態の間、定着部の温度制御を停止させると、定着が必要な次のジョブを処理するときに、定着温度が限度を超えて下がり、冷えた定着部を再度温めることになって、その分、プリント出力の生産性が低下する、という問題を招く。
そこで、現時点で未処理となっている定着の不要なページ及びジョブを処理しその処理を終え、次に定着の必要なページ又はジョブのプリント出力を開始するとき、即時に定着が可能となるように、定着部の温度管理をする。
具体的には、現時点の定着部の温度が上記動作を可能とする温度条件を満たすか、即ち、現時点の定着部の温度が、未処理となっている定着の不要なページ及びジョブを処理し終え、その後、定着の必要なページの処理を行う時に必要な温度を確保できると推定される限界温度(以下「所定温度閾値」という)以上の温度であるか、否かを判定する。この判定によって、定着部の温度が所定温度閾値未満になったことを条件に温度制御を再開し、定着ヒータを駆動(点灯)することで、定着の不要なページ及びジョブを終了したときに、定着時に必要な温度を下回ることがないようにする。
ところで、上記の手法を実行するときに必要になる所定温度閾値は、主として次に示す条件によって変わる値である。
1つは、現時点で未処理となっている定着の不要なページ及びジョブの処理量である。ページについては、例えばインサータによって挿入される白紙の枚数であり、ジョブについては、例えば、スキャナやFAXなどのアプリの場合、出力処理に掛かる時間である。処理量が多い、即ちページの枚数が多く、出力処理に時間が掛かるほど所定温度閾値が低くなるという量的な対応関係がある。
この処理量と所定温度閾値との対応関係は、予め経験値を取得し、停止した温度制御を再開する必要があるか否かを判定するときに、参照できるように、例えば処理量と所定温度閾値の関係を示すテーブルの形で管理しておく。
もう1つは、未処理となっている定着の不要なページ及びジョブの処理後、定着の必要なプリント出力を求めるジョブに設定された出力条件に関連するものである。
ここでは、出力条件として、第1に記録媒体(用紙)の違いについての対応を示す。記録媒体の違いによって、定着に必要な温度が変わるので、記録媒体に応じた所定温度閾値を適用できるようにするためである。
記録媒体の違いは、通常、用紙種類、サイズ、厚みといった括りで管理される。例えば、普通紙、第二原図用紙、OHPフィルム、ラベル紙、カラー紙、はがき、封筒などが用紙種類の違いであり、用紙の厚みについては、用紙種類に含まれる部分もあるが同じ用紙種類でも厚みの違いがあり、これらの違いにより定着に必要な温度が変わる。また、普通紙であっても、サイズによって定着に必要な温度が変わる場合がある。
この記録媒体と所定温度閾値との対応関係は、予め経験値を取得し、停止した温度制御を再開する必要があるか否かを判定するときに、参照できるように、例えば、記録媒体の上記種類、サイズ、厚みと所定温度閾値の関係を示すテーブルの形で管理しておく。
出力条件の第2は、定着温度制御の動作モードであり、この違いについての対応を示す。
定着温度制御では、定着温度を高めに設定して定着性能を高める「定着性優先モード」と、定着性能は多少低くても省電力消費の効果を高める「省電力モード」の動作を可能とする方式が採用される。これらの動作モードは、通常、デフォルトで「定着性優先モード」の設定となっており、例えば、ユーザーが「省電力モード」を選択する操作を行うことで、選択された動作モードの設定の動作による実行が可能となる。
このようにして設定される定着温度制御の動作モードの違いによって、定着に必要な温度が変わるので、当該動作モードに応じた所定温度閾値を適用できるようにすることが必要になる。つまり、他の出力条件が同じであれば、「省電力モード」が設定されたときに、「定着性優先モード」におけるよりも低い所定温度閾値を用いて、停止した温度制御を再開する必要があるか否かを判定する。
この定着温度制御の動作モードと所定温度閾値との対応関係は、予め経験値を取得し、停止した温度制御を再開する必要があるか否かを判定するときに、参照できるように、例えば、当該定着温度制御の動作モードと所定温度閾値の関係を示すテーブルの形で管理しておく。
上記のように、現時点で未処理となっている定着の不要なページ及びジョブの処理量と、引き続いて行う定着の必要なジョブに設定された出力条件とに適応する所定温度閾値を定め、この閾値を基に停止した温度制御の再開の要否を確認することで、定着の不要なページ及びジョブの処理を終え、引き続いて行う定着の必要なページ又はジョブのプリント出力を開始するとき、即時に定着が可能となり、プリント出力の生産性の低下を防ぐことができるとともに、省電力消費を意図した定着部の温度制御を実現することができる。
[温度制御フロー]
次に、上記[定着部の温度制御]の実行手順について、その実施形態を示す制御フロー図等を参照して説明する。
なお、以下に示す実施形態は、ジョブを受付けたときに制御を開始し、ジョブの処理を終えたときに制御を終了するジョブ用温度制御の実行手順である。つまり、電源投入時に待機状態の温度に立ち上げるまでの制御は含まれず、待機状態に立ち上がった後に受付けたジョブに対応して行う制御手順である。
また、以下には、“実施形態1”及び“実施形態2”として、プリント出力のジョブ及び当該ジョブ中に含まれる定着の不要なページの在り様が異なる場合に対応して意図する制御動作を実行可能とした形態と、“実施形態3”として、ジョブ用温度制御を停止する制御を行う際に付加的な制御条件を設けた形態とについて説明する。
“実施形態1”
この実施形態は、上記[定着部の温度制御]において、定着が不要な状態として説明した(1)及び(2)の状態にて、定着部の温度制御を停止する(以下「ヒータ停止」ともいう)制御を行う。
また、この停止制御を行った後、停止した温度制御の再開の要否、即ち、ヒータ点灯条件である、その時点の定着部の温度が所定温度閾値未満になったか否かを判定し、判定結果に従った制御動作を行う。
図3は、この実施形態に係る定着温度制御のフローを示す図である。
図3の制御フローは、ジョブ用温度制御の実行手順であり、ジョブを受付けた時に起動され、ジョブ開始のトリガを受けると、エンジン制御部6は、まず、定着部の温度をジョブ用の目標温度にするため、ヒータの駆動によって加熱し、その温度を保持するジョブ用温度制御を行う(ステップS101)。
この温度制御を処理対象のジョブの最終ページの定着が終了するまで続ける。ただ、この制御フローでは、ジョブに定着の不要なページが含まれている場合には、このページが定着部を通るとき、また、当該ジョブの最終ページが定着部を抜けたときに定着温度制御を停止(ヒータ停止)する。
こうした制御動作を行う手順としては、カレント(現行)ジョブについて、まず定着部を抜けるページが最終ページ(紙)であるか否かを確認し(ステップS102)、この確認の結果、最終ページではない場合(ステップS102-NO)、カレントジョブの引き続く未定着のページについて、ページごとに当該ページが定着の不要なページであるか否かを確認する(ステップS106)。
ここで、定着の不要なページであるか否かをどのように確認するかについて、説明する。
定着の不要なページの確認は、定着すべきトナー画像が形成されないページであることを判定する必要がある。
この判定を行う主な手法としては、2つの手法がある。図4の(A)、(B)は、この2つの判定手法を説明するための概念図である。
第1の手法は、ジョブを管理する手段によって管理される情報を参照することにより、定着の不要な(トナー画像の形成されない)ページに該当するか否かを判定する手法であり、図4(A)は、この例を示すものである。
図4(A)の例では、プリント出力を要求するジョブ41aには、ユーザーが求める出力条件として「フルカラー」「片面→両面」「A4Y」「原稿4枚」「合紙2枚挿入」「ソートステープル」といった設定がなされている。ジョブを管理する手段は、ユーザーの要求するジョブを受け、プロセス42aを管理するための情報として、各ページにプロセスIDを割り振り、プロセスIDの下にそれぞれ設定された出力条件の情報を付与する形態で管理する。このようにして管理されるプロセス42aの各ページに付与された出力条件から、2枚目の表面と裏面のページが合紙ページ、つまりトナー画像の形成されない、定着の不要なページであることが認識できる。
第2の手法は、ジョブを管理する手段によって管理されない出力データに、定着の不要なページが含まれている場合に、出力データの内容から当該ページを検知することによりこの判定を行う手法であり、図4(B)は、この例を示すものである。
図4(B)の例では、プリント出力を要求するジョブ41bには、ユーザーが求める出力条件として「フルカラー」「片面→両面」「A4Y」「原稿4枚」「置数1」「ソートステープル」といった設定がなされている。この場合、実際には、白紙ページが存在しても、ユーザーの設定に基づいて管理されるプロセス42bで管理されず、ここから定着の不要なページを認識できない。そこで、出力画像データの内容から定着の不要なページとして白紙ページを認識する。例えば、出力画像データを処理する画像処理の過程で白紙ページ等の定着の不要なページを検知する処理を行う。このようにして出力データの内容から2枚目の表面と裏面のページが白紙ページであることを検知し、当該定着の不要なページであることが認識できる。
図3の制御フローに戻ると、ステップS106で定着の不要なページであると確認されない場合(ステップS106-NO)、そのままジョブ用温度制御を継続する(ステップS101)。この間、プリント出力を行うページの処理を継続して行う。
他方、ステップS106で定着の不要なページであると確認された場合(ステップS106-YES)、定着温度制御を停止(ヒータ停止)する(ステップS107)。
定着温度制御を停止させた後、停止した制御の再開の要否、即ち、ヒータ点灯条件を満たすか否かを確認する(ステップS108)。具体的には、現時点で検知された定着部の温度(図2の温度検知体15,16に関する記載、参照)が所定温度閾値(上記「定着部の温度制御」の説明、参照)未満になったか否かを判定する。
現時点で検知された定着部の温度が所定温度閾値未満、即ち、ヒータ点灯条件を満たす場合(ステップS108-YES)、定着の不要なページの処理の進行に関係なく、定着ヒータを点灯し、停止させた定着部のジョブ用温度制御を再開する(ステップS101)。なお、温度閾値によるヒータ点灯条件の確認に関しては、後記図6の説明で詳述する。
現時点で検知された定着部の温度が所定温度閾値以上、即ち、ヒータ点灯条件を満たさない場合(ステップS108-NO)、定着温度制御を停止させたままでも不都合はないが、定着の不要なページの処理が終了するときには、定着温度制御を再開する。
このため、制御フローとしては、進行している定着の不要なページの処理の終了、即ち、定着不要ページ群の最終ページであることを確認し(ステップS109)、この確認ができれば(ステップS109-YES)、停止させた定着部のジョブ用温度制御を再開する(ステップS101)。
他方、ステップS109で定着不要ページ群の最終ページであることが確認できなければ(ステップS109-NO)、定着の不要なページの処理が進行中であるから、定着温度制御を停止(ヒータ停止)状態に保つ(ステップS107)。
また、ステップS102で定着部を抜けるプリント出力ジョブのページが最終ページ(紙)であるか否かを確認し、この確認の結果、最終ページである場合(ステップS102-YES)、定着温度制御を停止(ヒータ停止)する(ステップS103)。
定着温度制御を停止させた後、未処理のジョブがあるか否かを確認する(ステップS104)。
ここで、未処理のジョブがあれば(ステップS104-YES)、停止した制御の再開の要否、即ち、ヒータ点灯条件を満たすか否かを確認する(ステップS105)。具体的には、現時点で検知された定着部の温度が所定温度閾値(上記「定着部の温度制御」の説明、参照)未満になったか否かを判定する。
現時点で検知された定着部の温度が所定温度閾値未満、即ち、ヒータ点灯条件を満たす場合(ステップS105-YES)、定着の不要なジョブ(スキャナやFAXアプリのジョブ)及びページ(次ジョブの先頭部分のページ)の処理の進行に関係なく、定着ヒータを点灯し、停止させた定着部のジョブ用温度制御を再開する(ステップS101)。
他方、現時点で検知された定着部の温度が所定温度閾値以上、即ち、ヒータ点灯条件を満たさない場合(ステップS105-NO)、定着温度制御を停止させたまま、未処理のジョブの処理を進めるが、適当なタイミングで、停止した制御の再開の要否を確認するステップ(ステップS105)を繰り返して行う。
また、ステップS103で定着温度制御を停止させた後、ステップS104で未処理のジョブの有無を確認した結果、未処理のジョブがなければ(ステップS104-NO)、このジョブ用温度制御の制御フローを終了する。
図3の制御フローを実行することで、プリント出力を要求するジョブに含まれる定着の不要なページ(例えば白紙)が定着部を通る時、また、プリント出力を要求するジョブの定着の必要な最終ページが定着を抜けた時にジョブ用温度制御を停止し、停止後、引き続いて行う定着の必要なページ又はジョブのプリント出力を開始するとき、即時に定着を可能とするタイミングで停止したジョブ用温度制御を再開する(ヒータ点灯を行う)ようにすることが可能になる。このジョブ用温度制御を停止・再開によって、プリント出力の生産性の低下を防ぐことができるとともに、省電力消費を意図した定着部の温度制御を実現することができる。
“実施形態2”
この実施形態は、上記“実施形態1”と基本的には同様の制御手順でジョブ用温度制御を停止・再開する制御を行う。ただし、この実施形態では、上記で図4(A)を参照して説明したジョブの管理を行うことを前提に、プリント出力ジョブの中で行われる定着の不要なページの挿入(例えば、インサータによる合紙の挿入)時における制御動作を最適化することを意図するものである。
図5は、この実施形態に係る定着温度制御のフローを示す図である。
なお、図5の制御フローにおけるステップS201〜S205は、上記“実施形態1”で示した図3のステップS101〜S105と同じ手順であるから、先の説明を参照することとし、ここでは説明を省略する。なお、この実施形態では、定着の不要なページの挿入は、インサータによる合紙の挿入である例について、説明する。
図5の制御フローのステップS202で、カレント(現行)ジョブについて、まず定着部を抜けるページが最終ページ(紙)であるか否かを確認した結果、最終ページではない場合(ステップS202-NO)、インサータによる合紙挿入動作の開始直前に定着を受ける用紙が定着部を抜けたか否かを確認する(ステップS206)。
ここで、ステップS206の確認手順について、説明すると、この制御フローでは、先に図4(A)を参照して説明したジョブの管理を行うことが前提である。つまり、インサータによる合紙挿入は、ユーザーが出力条件として要求したものであり、ジョブを管理する手段がジョブの一連のプロセス中において、予定するプロセスである。
したがって、ジョブを管理する手段が管理するプロセスに付与された情報をもとに、一連のプロセスにおける合紙挿入プロセスの開始時期を把握し、合紙挿入動作の開始直前に定着を受ける用紙が定着部を抜けるとき、というタイミングを認識することができる。
また、このタイミングは、省電力消費を意図するヒータ停止の制御を最適化するタイミングである。
図5の制御フローに戻ると、ステップS206でインサータによる合紙挿入動作の開始直前に定着を受ける用紙が定着部を抜けたことを確認できない場合(ステップS206-NO)、そのままジョブ用温度制御を継続する(ステップS201)。この間、プリント出力を行うページの処理を継続して行う。
他方、ステップS206でインサータによる合紙挿入動作の開始直前に定着を受ける用紙が定着部を抜けたことを確認できた場合(ステップS206-YES)、定着温度制御を停止(ヒータ停止)する(ステップS207)。
定着温度制御を停止させた後、停止した制御の再開の要否、即ち、ヒータ点灯条件を満たすか否かを確認する(ステップS208)。具体的には、現時点で検知された定着部の温度が所定温度閾値(上記「定着部の温度制御」の説明、参照)未満になったか否かを判定する。
現時点で検知された定着部の温度が所定温度閾値未満、即ち、ヒータ点灯条件を満たす場合(ステップS208-YES)、インサータによる合紙挿入の処理の進行に関係なく、定着ヒータを点灯し、停止させた定着部のジョブ用温度制御を再開する(ステップS201)。
ここで、温度閾値によるヒータ点灯条件の確認に係る動作について、図6の説明図を参照して説明する。
図6において、時間t(横)軸と温度(縦)T軸によって示される線図内に「定着部の検知温度Tm」と、「ジョブ目標温度」として定着に適用する温度レベルと、ヒータ点灯条件、即ち停止した定着温度制御の再開要否を判定する「温度閾値Ts」を示すとともに、同時間におけるプリント出力ジョブの各プロセス(ページ)を示している。
なお、同図中には、一連のプロセスの中間に、インサータの合紙挿入によって定着不要プロセス(ハッチング部)があることを示している。
また、温度閾値Tsは、後述するように値が変化し、同図中には、tx時点の値を示している。
また、時間t軸と温度T軸によって示される温度線図外には、時間t軸のもとに定着温度制御(ヒータ加熱)期間と定着温度制御停止(ヒータ停止)期間を示している。
図6に示す動作では、定着温度制御を行って、定着部の温度Tmがジョブ目標温度を保持した状態で、定着の必要なプロセス(ページ)の処理が進行しているとき、次のプロセスが定着の不要なインサータの合紙挿入であれば、合紙挿入直前のページが定着部を抜けるタイミングtoにおいて、定着温度制御を停止(ヒータ停止)する。
その後、定着温度制御を停止した状態でインサータの合紙挿入を続け、その間適当なタイミングで定着温度制御の再開要否、即ちヒータ点灯条件を満たすか否かを判定する。この判定は、そのときの定着部の検知温度Tmが温度閾値Ts未満であるか否かを確認することによる。
温度閾値Tsは、その時点で未処理となっている定着の不要なページ(この例では、残っている未挿入の合紙枚数)を処理し終え、その後、定着の必要なプロセス(ページ)の処理を行う時に必要な定着温度(ジョブ目標温度)を確保できると推定される限界温度として定められる値である。つまり、ヒータ停止で定着部の温度が下がっても、ヒータを点灯すれば、定着の必要なプロセスの処理を行う時に必要な定着温度が確保できる、その時点の限界の温度である。
図6の例では、時間txの時点で停止した定着温度制御の再開要否を判定している。この例に示す時間txでは、未処理となって、残っている未挿入の合紙枚数Nであり、この合紙を終え、次の定着の必要なプロセスが開始されるときに、ジョブ目標温度を確保できると推定される限界温度は、温度閾値Tsであるから、この時点における定着部の検知温度Tmは、温度閾値Ts未満にまで低下している。
したがって、この時点で定着温度制御を再開、即ちヒータ点灯をしなければならない(図6の温度線図外に示す定着温度制御(ヒータ加熱)期間と定着温度制御停止(ヒータ停止)期間、参照)。この時点で定着温度制御を再開することで、定着の必要なプロセスの処理を行う時に必要な定着温度を確保することができる。
図5の制御フローに戻ると、停止した制御の再開の要否、即ち、ヒータ点灯条件を満たすか否かを確認するステップS208で、そのときに検知された定着部の温度が所定温度閾値以上、即ち、ヒータ点灯条件を満たさない場合(ステップS208-NO)、定着温度制御を停止させたままでも不都合はないが、インサータによる合紙挿入動作が終了するときには、定着温度制御を再開する。
このため、制御フローとしては、進行しているインサータによる合紙挿入動作の終了を確認し(ステップS209)、この確認ができれば(ステップS209-YES)、停止させた定着部のジョブ用温度制御を再開する(ステップS201)。
他方、ステップS209で定着不要ページ群の最終ページであることが確認できなければ(ステップS209-NO)、インサータによる合紙挿入動作が進行中であるから、定着温度制御を停止(ヒータ停止)状態に保つ(ステップS207)。
図5の制御フローを実行することで、プリント出力を要求するジョブに含まれる定着の不要なインサータによって挿入されるページ(例えば白紙)が定着部を通る時にジョブ用温度制御を最適なタイミングで停止させることが可能になり、プリント出力の生産性の低下の防止と省電力消費の両立をより高いレベルで実現することができる。
“実施形態3”
この実施形態は、上記“実施形態2”と基本的には同様の制御手順でジョブ用温度制御を停止・再開する制御を行う。ただし、この実施形態では、ジョブ用温度制御を停止する制御を行う際に付加的な制御条件を設けた点を特徴とする。
この実施形態では、上記付加的な制御条件を下記〈条件1〉及び〈条件2〉とする。
〈条件1〉 定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数が所定閾値未満であるときに、ジョブ用温度制御を停止しない。
〈条件2〉 定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数が所定閾値未満であり、かつ停止制御の実行要否の判定時における定着部の温度が所定の閾値未満であるときに、ジョブ用温度制御を停止しない。
上記〈条件1〉を設ける理由は、定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数を無条件にし、即ち、1ページでも該当するページがあれば、これに即応してジョブ用温度制御を停止する制御を行うと、定着の不要なページの在り様によっては、頻繁にヒータが停止するからである。
このような動作状態になると、定着に必要な温度が保持できないという状況を招く可能性があり、この状況を回避するためには、定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数を多くする方向に閾値を設定し、この条件に適わない場合には、当該停止制御を行うことなく、ジョブ用温度制御を継続する。
上記〈条件2〉を設ける理由は、定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数については、上記〈条件1〉について述べたと同様の理由である。また、停止制御の実行要否の判定時における定着部の温度が所定の閾値未満である、との条件を加えた理由は、定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数が少なく、定着部の温度が低い状態で推移する場合に、上記[定着部の温度制御]で述べた「所定温度閾値」によって停止させた定着温度制御を再開する動作では、ヒータの停止、再開がより頻繁になる。したがって、定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数を多くする方向に閾値を設定するとともに、停止制御の実行要否の判定時における定着部の温度についても高くする方向に閾値を設定することで、頻繁にヒータが停止することを有効に回避することができるようになるからである。
このような閾値の設定を行い、この条件に適わない場合には、当該停止制御を行うことなく、ジョブ用温度制御を継続する。
図7は、この実施形態に係る定着温度制御のフローを示す図である。
なお、図7の制御フローにおけるステップS301〜S305は、上記“実施形態1”で示した図3のステップS101〜S105と同じ手順であるから、先の説明を参照することとし、ここでは説明を省略する。なお、この実施形態では、図5を参照して説明した上記“実施形態2”におけるのと同様に、定着の不要なページの挿入は、インサータによる合紙の挿入である例について、説明する。
図7の制御フローのステップS302で、カレント(現行)ジョブについて、まず定着部を抜けるページが最終ページ(紙)であるか否かを確認した結果、最終ページではない場合(ステップS302−NO)、インサータによる合紙挿入動作の開始直前に定着を受ける用紙が定着部を抜けたか否かを確認する(ステップS306)。
ステップS306でインサータによる合紙挿入動作の開始直前に定着を受ける用紙が定着部を抜けたことを確認できない場合(ステップS306−NO)、そのままジョブ用温度制御を継続する(ステップS301)。この間、プリント出力を行うページの処理を継続して行う。
他方、ステップS306でインサータによる合紙挿入動作の開始直前に定着を受ける用紙が定着部を抜けたことを確認できた場合(ステップS306−YES)、当該合紙挿入の挿入ページの枚数が予め定められた閾値A未満であるか否かを確認する(ステップS307)。このステップは、ジョブ用温度制御を停止する(ヒータ停止)制御を行わない、との判定をするための前提条件を確認するものである。この制御フローでは、この前提条件を、合紙挿入の挿入ページの枚数が閾値A未満であることとしている(上記〈条件1〉、参照)。ただし、この前提条件を上記〈条件2〉とする場合には、さらに現時点の定着部の温度が所定の閾値未満であることを確認し、これらの前提が成り立つことを必要とする。
ここで、合紙挿入の挿入ページの枚数が予め定められた閾値A未満であると確認された場合(ステップS307−YES)、そのままジョブ用温度制御を継続する(ステップS301)。この間、プリント出力を行うページの処理を継続して行う。
他方、合紙挿入の挿入ページの枚数が予め定められた閾値A未満であると確認されない場合(ステップS307−NO)、定着温度制御を停止(ヒータ停止)する(ステップS308)。
定着温度制御を停止させた後、停止した制御の再開の要否、即ち、ヒータ点灯条件を満たすか否かを確認する(ステップS309)。具体的には、現時点で検知された定着部の温度が所定温度閾値(上記「定着部の温度制御」の説明、参照)未満になったか否かを判定する。
この時点で検知された定着部の温度が所定温度閾値未満、即ち、ヒータ点灯条件を満たす場合(ステップS309−YES)、インサータによる合紙挿入の処理の進行に関係なく、定着ヒータを点灯し、停止させた定着部のジョブ用温度制御を再開する(ステップS301)。なお、温度閾値によるヒータ点灯条件の確認に係る動作は、上記“実施形態2”において図6を参照して説明したとおりである。
ステップS309で、停止した制御の再開の要否、即ち、ヒータ点灯条件を満たすか否かを確認したときの定着部の検知温度が所定温度閾値以上、即ち、ヒータ点灯条件を満たさない場合(ステップS309−NO)、定着温度制御を停止させたままでも不都合はないが、インサータによる合紙挿入動作が終了するときには、定着温度制御を再開する。
このため、制御フローとしては、進行しているインサータによる合紙挿入動作の終了を確認し(ステップS310)、この確認ができれば(ステップS310−YES)、停止させた定着部のジョブ用温度制御を再開する(ステップS301)。
他方、ステップS310で定着不要ページ群の最終ページであることが確認できなければ(ステップS310−NO)、インサータによる合紙挿入動作が進行中であるから、定着温度制御を停止(ヒータ停止)状態に保つ(ステップS308)。
図7の制御フローを実行することで、プリント出力を要求するジョブに含まれる定着の不要なインサータによって挿入されるページ(例えば白紙)が定着部を通る時に行うヒータの停止が頻繁に起きることによって生じる不都合をなくすことが可能になり、プリント出力の生産性の低下の防止と省電力消費の両立をより高いレベルで実現することができる。
1・・CPU、2・・ROM、3・・RAM、4・・I/O制御部、5・・バス、6・・エンジン制御部、8・・負荷、9・・外部装置、11,12・・加熱源、13・・加圧ローラ、14・・定着ローラ、15,16・・温度検知体、17・・用紙(記録媒体)。
特開平07−287500号公報

Claims (10)

  1. ページ単位でプリント出力処理を要求して入力されるジョブのプリント出力対象となる各ページの画像を入力順に、指示された出力条件に従って各々の記録媒体上に作成する画像作成部、前記画像作成部により記録媒体上に作成された未定着状態の画像を作成した順に、駆動状態を変更可能な加熱手段によって加熱しながら記録媒体に定着する定着部、前記定着部の温度検知手段及び前記加熱手段の駆動状態を変更することで定着部の温度を制御する制御手段を有する画像形成装置であって、
    前記プリント出力対象となる複数ページ中にある定着の不要なページが前記定着部を通る順番に達したこと、ジョブの最終ページが前記定着部を通り抜けたこと及び現時点で前記定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数を確認するジョブ管理手段と、
    前記ジョブ管理手段によって定着の不要なページが前記定着部を通る順番に達したこと又はジョブの最終ページが前記定着部を通り抜けたことが確認されたことを条件に、前記制御手段の制御を中止し、前記温度検知手段によって検知される現在温度が、前記ジョブ管理手段によって現時点で確認される前記定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数に対応する所定温度閾値未満になったことを条件に、前記制御手段の制御を再開する制御動作中止・再開制御手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載された画像形成装置において、
    前記定着部を通す記録媒体の種類及び厚みに基づいて、前記所定温度閾値を定めることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
    定着性を優先させるか、省電力を優先させるかを選択し動作モードを設定可能とし、前記所定温度閾値を、設定された動作モードに応じた値に定めることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記制御手段の制御を中止する条件として、前記温度検知手段によって検知される現在温度及び前記定着部を継続して通す定着の不要なページの枚数を付加することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記制御手段の制御を中止する条件を確認する時点で、前記定着部を継続して通す定着の不要なページとして確認される枚数が所定閾値未満であるときに、制御を中止することなく続けることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記定着の不要なページは、外部機器が挿入するものであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記定着の不要なページは、白紙プリント出力であることを特徴とする画像形成装置。
  8. コンピュータを請求項1乃至7のいずれかに記載された画像形成装置が有する前記ジョブ管理手段及び制御動作中止・再開制御手段として機能させるためのプログラム。
  9. 請求項8に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  10. ページ単位でプリント出力処理を要求して入力されるジョブのプリント出力対象となる各ページの画像を入力順に、指示された出力条件に従って各々の記録媒体上に作成し、記録媒体上に作成された未定着状態の画像を作成した順に、駆動状態を変更可能な加熱手段によって加熱しながら記録媒体に定着する定着部の温度制御を行う温度制御方法であって、
    前記プリント出力対象となる複数ページ中にある定着の不要なページが前記定着部を通る順番に達したことを確認する定着不要ページ確認工程と、
    前記ジョブの最終ページが前記定着部を通り抜けたことを確認する定着部通り抜け確認工程と、
    前記定着不要ページ確認工程で定着の不要なページが前記定着部を通る順番に達したこと又は定着部通り抜け確認工程でジョブの最終ページが前記定着部を通り抜けたことが確認されたことを条件に、前記定着部の温度制御を中止する温度制御中止工程と、
    現時点における定着部の温度を検知する定着温度検知工程と、
    前記定着部を継続して通す定着の不要なページの現時点における枚数を確認する定着不要ページ確認工程と、
    前記定着不要ページ確認工程で確認される定着の不要なページの枚数に対応する所定温度閾値を取得する温度閾値取得工程と、
    前記定着温度検知工程で検知された定着温度が前記温度閾値取得工程で取得された所定温度閾値未満になったことを条件に、前記定着部の温度制御を再開する工程と
    を有することを特徴とする温度制御方法。
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