JP2010181631A - 定着装置、画像形成装置、定着制御方法、及び定着制御プログラム - Google Patents

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Yohei Kato
洋平 加藤
Takashi Enami
崇史 榎並
Hiroyuki Tejima
裕之 手島
Takahiro Yamazaki
高広 山崎
Kiichiro Shimizu
喜一郎 清水
Kentaro Kurosu
健太郎 黒巣
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Abstract

【課題】CPMダウンの開始時間を正確に設定し、生産性の低下及び品質の低下を招くことのないようにする。
【解決手段】画像形成装置のエンジンが駆動される(S101)と、このエンジン起動時に定着に使用されるトナーの種類を確認する(S102)。その後、制御部11から印刷要求が来て(S103)、CPMダウン開始時間を設定し(S104)、印刷要求が連続通紙か否かを判定する(S105)。連続通紙である場合(S105-YES)は通紙時間の計測及び積算を開始し(S106」)、通紙積算時間がCPMダウン開始時間より大きいか否かを判定する(S107)。通紙積算時間がCPMダウン開始時間より大きい場合(S107-YES)はCPMダウンを行う(S108)。連続通紙ではない場合(S105-NO)は一定時間が経過したかどうかに応じて(S109)、通紙時間及び通紙積算時間をリセットするか否かを決定する(S110)。
【選択図】図5

Description

本発明は、加熱部材と加圧部材を備え、記録媒体を両者のニップ間に通過させる間に当該記録媒体に画像を定着する定着装置、この定着装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、デジタル複合機などの画像形成装置、前記定着装置及び画像形成装置で実行される定着方法、及びこの定着方法をコンピュータ制御によって実行するための定着制御プログラムに関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置では、トナーの定着性を保証するため定着温度を適正に保持しなければならない。すなわち、トナーに与える熱量が少ないとトナーが充分に溶融しないで定着ローラにオフセットするコールドオフセットと呼ばれる現象が発生し、反対に熱量が多いとトナーが溶融しすぎて、定着ローラにオフセットするホットオフセットと呼ばれる現象が発生する。
コールドオフセットは、定着装置内を通過する用紙が、定着ローラの熱をヒータが供給する熱量が追いつかないほど大量に奪うことによって発生し、特に連続印刷時、用紙上のトナーの量が多い場合又は用紙のサイズが大きい場合に発生する可能性が高い。ホットオフセットは、小サイズ紙の連続印刷時、用紙の外側の通紙されない定着ローラの端部が高温になる場合に発生する可能性が高い。
そこで、従来、通紙間隔を長くして単位時間当たりの通紙枚数を低下させ、用紙が通過していない時間を長くすることで、定着の温度調節を行っている。なお、単位時間当たりの通紙枚数を低下させることを、CPM(Copies per Minute)ダウンと称し、また、用紙が通過していない時間を長くすることを、用紙搬送ピッチを長くすると称している。前記コールドオフセットあるいはホットオフセットという現象の発生を抑えるために、定着装置では、定着ローラの温度、定着ニップ巾、転写紙の種類、トナーの種類等を考慮して温度制御が実施されている。
このような温度制御を実行している公知技術として、例えば特許文献1(特許第3537276号公報)記載の発明がある。この発明は、異なる色調のトナーによって形成された多色画像を用紙に定着する、内部に熱源を有する定着ローラと、この定着ローラに圧接して回転する加圧ローラと、加圧ローラの加圧力の切換機構とを有し、前記切換機構は定着される異なる色調のトナーの種類によって、加圧ローラの加圧力を選択的に切換えており、さらに前記用紙の通紙枚数をカウントする通紙枚数カウンタと、連続通紙されると通紙間隔を増大するCPMダウン制御手段とを有し、このCPMダウン制御手段は、定着される異なる色調のトナーの種類に対応して、それぞれのCPMダウン開始枚数が予め所定に設定され、前記通紙枚数カウンタによってカウントした通紙枚数が前記CPMダウン開始枚数以上となって、前記CPMダウン開始枚数より多くの連続通紙を行うと判別した場合、この通紙枚数以降に定着される用紙の通紙間隔を広げるように制御していることを特徴としている。
このように特許文献1記載の発明では、温度制御をCPMダウンにより行い、CPMダウン開始をトナーの種類に応じた通紙枚数によって設定している。しかし、この設定は、定着の温度状態を正確に反映したものではなく、結果としてCPMダウンを行っている時間が必要以上に長いために生産性が低下し、あるいはCPMダウンを行っている時間が短いために定着画像の品質を招いている虞がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、CPMダウンの開始時間を正確に設定し、生産性の低下及び品質の低下を招くことのないようにすることにある。
前記課題を解決するため、第1の手段は、内部に熱源を有する定着部材と、前記定着部材に圧接して回転する加圧部材と、用紙の通紙時間を積算する積算手段と、前記積算手段の積算結果に基づいて通紙間隔増大処理を実行させる制御手段と、を備えた定着装置であって、定着される異なるトナーの種類と、その種類に対応して前記通紙間隔増大処理を開始する開始時間との関係を保持する保持手段を備え、前記制御手段は、前記積算手段による積算結果により前記トナーの種類に対応して前記保持手段に保持された前記開始時間より多くの連続通紙を行うと判断したとき、前記開始時間以降の通紙間隔について通紙間隔増大処理を実行することを特徴とする。
第2の手段は、第1の手段において、前記積算手段は前記通紙時間をカウントし、カウント結果を積算することを特徴とする。
第3の手段は、第1又は第2の手段において、装置内部の温度を検出する第1の温度検出手段、及び装置外の温度を検出する第2の温度検出温手段をさらに備え、前記開始時間が、紙種、紙厚、定着装置の内部温度、外気温度の少なくとも1つに対応して設定されることを特徴とする。
第4の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段において、前記制御手段によって設定される前記通紙間隔が、印刷時の紙種又は紙厚に対応して設定されることを特徴とする。
第5の手段は、第1又は第2の手段において、装置内部の温度を検出する第1の温度検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記通紙間隔増大処理実行後、前記第1の温度検出手段による測定を繰り返し、測定温度が予め設定した範囲内にあることが予め設定された回数確認されたとき、次の通紙間隔の設定を変更することを特徴とする。
第6の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段において、前記積算手段は、非常停止後、それまでに計測した通紙時間及び通紙時間の積算値をリセットすることを特徴とする。
第7の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段において、前記積算手段は、印刷ジョブ終了後、予め設定した時間経過しても次の印刷ジョブの入力がないときには、前記通紙時間の積算値をリセットすることを特徴とする。
第8の手段は、第1ないし第7のいずれかの手段に係る定着装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
第9の手段は、内部に熱源を有する定着部材と、前記定着部材に圧接して回転する加圧部材と、用紙の通紙時間を積算する積算手段と、前記積算手段の積算結果に基づいて通紙間隔増大処理を実行させる制御手段と、を備えた定着装置の定着制御方法であって、定着される異なるトナーの種類と、その種類に対応して前記通紙間隔増大処理を開始する開始時間との関係を保持し、前記積算手段による積算結果により前記トナーの種類に対応して前記保持された開始時間より多くの連続通紙を行うと判断したとき、前記開始時間以降の通紙間隔について通紙間隔増大処理を実行することを特徴とする。
第10の手段は、内部に熱源を有する定着部材と、前記定着部材に圧接して回転する加圧部材と、用紙の通紙時間を積算する積算手段と、前記積算手段の積算結果に基づいて通紙間隔増大処理を実行させる制御手段と、を備えた定着装置の定着制御をコンピュータによって実行するための定着制御プログラムであって、定着される異なるトナーの種類と、その種類に対応して前記通紙間隔増大処理を開始する開始時間との関係を保持する手順と、前記積算手段による積算結果により前記トナーの種類に対応して前記保持された開始時間より多くの連続通紙を行うと判断したとき、前記開始時間以降の通紙間隔について通紙間隔増大処理を実行する手順と、を備えていることを特徴とする。
なお、後述の実施形態では、定着部材は定着ローラ22に、加圧部材は加圧ローラ23に、積算手段は通紙カウンタ17と記憶部19に、制御手段はCPU11aを含む制御部11に、保持手段は記憶部19に、第1の温度検出手段は第1及び第2のサーミスタ26,27に、第2の温度検出手段は温度センサ18に、それぞれ対応する。
本発明によれば、積算手段による積算結果によりトナーの種類に対応して予め設定された連続通紙時間に基づいて設定された通紙間隔増大処理の開始時間を正確に設定することができるので、生産性の低下を招くことなく、コールドオフセット、ホットオフセット等による画質低下を防ぐことができる。
本発明が適用される画像形成装置の一例の概略を示す構成図である。 図1に示した画像形成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の要部の概略構成を示す図である。 CPMダウンの概要を示す説明図である。 CPMダウン制御の制御手順を示すフローチャートである。 CPMダウン開始時間設定の制御手順を示すフローチャートである。 通紙間隔変更後のCPMダウン判定の制御手順を示すフローチャートである。
本発明は、PCMダウンの開始時間を適正に設定し、生産性と画質の低下を防止するようにしたもので、以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明が適用される画像形成装置の一例の概略を示す構成図である。この画像形成装置はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色のトナーによってカラー画像が形成可能なカラー画像形成装置である。すなわち、イエローのトナー像を形成する感光体ドラム1a、マゼンタのトナー像を形成する感光体ドラム1b、シアンのトナー像を形成する感光体ドラム1c、ブラックのトナー像を形成する感光体ドラム1dの4つの感光体ドラムを備えている。画像形成装置はさらに、これら感光体1a〜1dに接触するように配設され、各感光体ドラム1a〜1d上のトナー像が転写される中間転写ベルト2と、各色の感光体ドラム1a〜1dにトナー像を形成するためのレーザ光3a,3b,3c,3dを照射する光書き込み装置3と、中間転写ベルト2上のトナー像の濃度を読み取る濃度センサ4と、各感光体ドラム1a〜1d上のトナー画像を中間転写ベルト2上に1次転写する1次転写部59(59a,59b,59c,59d)と、中間転写ベルト2上に1次転写されたトナー画像を用紙Pに2次転写する2次転写部5と、2次転写部5で用紙P上に転写された画像を定着する定着装置20と、を備えている。
また、各色の感光体ドラム1a〜1dの外周に沿って、図示していないが、帯電ユニット、現像ユニット、クリーニングユニット、除電ユニットなどの電子写真方式における作像要素が配置されている。
画像形成装置の下部には、用紙Pを収納する給紙部51、この給紙部51から用紙を引き出す給紙ローラ52、この給紙ローラ52によって送り出された用紙の前記2次転写部5への搬送タイミングを調整するレジストローラ53、廃トナーを収容する廃トナーボックス54などを備えている。また,57は中間転写ベルト2の駆動ローラ、5aは従動ローラ、58は中間転写ベルト2に所定のテンションを持たせるためのテンションローラ、59a,59b,59c,59dは感光体ドラム1a〜1d上のトナー像を中間転写ベルト2に1次転写するための1次転写ローラである。
このように大略構成された画像形成装置、いわゆる間接転写方式のタンデム型の画像形成装置では、画像データに応じて転調された変調信号に基づいてY,M,C,Kの色毎に光書き込み装置3によって各感光体ドラム1a〜d上に光書き込みが行われ、それぞれ図示しない現像装置によってトナー現像され、顕像化される。顕像化されたトナー画像は、各1次転写ローラ59a,59b,59c,59dによって中間転写ベルト2上に順次転写され、最終的に4色のトナーが重畳されたフルカラーの画像が形成される。
中間転写ベルト2上に形成されたフルカラーのトナー画像は、2次転写部5で転写ローラ5bによって給紙部51から給紙される用紙に転写され、その後段の定着装置20によって定着され、排紙ローラ対56から装置外に排紙される。このようにして、画像が定着された用紙Pを得ることができる。
図2は画像形成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。この制御系は、制御部11を中心として、画像形成装置に対して印刷要求を行う端末と接続するためのインターフェイス部12、画像形成装置に上記端末から送信された画像データを格納する画像メモリ部13、画像形成装置に要求された印刷ジョブについて、印刷を行う順番を管理するプリントジョブ管理部14、画像メモリ部13に格納されている画像データに基づいて図1に示したように電子写真方式によりトナー画像を作成し、用紙に転写する作像プロセス部15と、この作像プロセス部15によりされたトナー画像を用紙に定着する定着部20と、画像形成装置の状態を表示、画像形成装置への入力を受け付ける操作部16と、用紙の通紙時間を計測する通紙時間カウンタ17、装置外の温度を検出する温度センサ18、及び所定の時点において定着部20の状態、通紙時間カウンタ17の積算値、温度センサ18の検出値などを含む画像形成装置の状態を記憶する記憶部19から基本的に構成され、これら各部は制御部11によって制御される。なお、温度センサ18は画像形成装置外の温度計測に使用されるが、定着装置20外であって画像形成装置の内部温度を検出して使用することもある。
制御部11はCPU11a、ROM11b、RAM11c、EEPROM11dを含み、CPU11aはROM11bに格納されたプログラムコードをROM11bから読み出し、RAM11cをワークエリア及びデータバッファとして使用することにより、後述のフローチャートに示された制御を含む前記プログラムコードで定義された制御を実行する。EEPROM11dには、電源OFFにおいても保存すべきデータを記憶する。通紙時間カウンタ17は画像形成のために用紙Pが作像プロセス部15を通過する時間を計測するカウンタであり、また、後述するが、定着部20には、第1及び第2のサーミスタ26,27が設けられている。
図3は本発明の実施形態に係る定着装置の要部の概略構成を示す図である。図3において、トナーによる未定着画像Tが表面に載った用紙Pは通紙時にヒータ24が内部に配置された定着ローラ22と、ヒータ25が内部に配置された加圧ローラ23のニップ間を通過する。その際にヒータ24によって加熱された定着ローラ22とヒータ25によって加熱された加圧ローラ23の熱によって、用紙P上のトナーが溶融し、用紙上に固着することにより、トナー画像の定着が行われる。また、図に示すように定着ローラ22に隣接した第1のサーミスタ26、及び加圧ローラ23に隣接した第2のサーミスタ27によって、それぞれ定着ローラ3及び加圧ローラ3の表面温度が測定される。なお、図2では、第1及び第2のサーミスタはサーミスタ(1)、サーミスタ(2)として図示している。また、この実施形態では、定着装置20内部の温度を検出する温度検出手段として、定着ローラ3及び加圧ローラ3の表面温度を検出する第1及び第2のサーミスタ26,27を使用しているが、その他に、定着装置20内部全体の平均的な温度を検出するための第3のサーミスタを設け、この第3のサーミスタの検出温度に基づいて後述の制御を実行することも可能である。なお、第1及び第2のサーミスタ26,27を使用して後述の制御を実施する場合には、予め両サーミスタ26,27の検出温度と定着装置20内部の温度との相関を取っておき、両者の検出温度に基づいて定着装置20の内部温度を推定し、推定値を制御に使用する。
図4はCPMダウンの概要を示す説明図である。図4(a)がCPMダウン前の通紙間隔状態の一例を、図4(b)がCPMダウン後の通紙間隔状態の一例をそれぞれ示す。図4から分かるようにCPMダウン前の通紙間隔をt1、CPMダウン後の通紙間隔をt2とすると、通紙間隔はCPMダウンにより、
t2>t1
となっている。すなわち、CPMダウンが行われると、通紙間隔がt1からt2に広がることになる。
大略上記のように構成された制御回路では、定着装置11aにおけるCPMダウン制御が実行される。図5はCPMダウン制御の制御手順を示すフローチャートである。同図において、画像形成装置のエンジンが駆動される(ステップS101)と、このエンジン起動時に定着に使用されるトナーの種類を確認する(ステップS102)。その後、コントローラから印刷要求が来て(ステップS103)、CPMダウン開始時間を設定し(ステップS104)、印刷要求が連続通紙か否かを判定する(ステップS105)。連続通紙である場合(ステップS105−YES)は通紙時間の計測及び積算を開始し(ステップS106」)、通紙積算時間がCPMダウン開始時間より大きいか否かを判定する(ステップS107)。通紙積算時間がCPMダウン開始時間より大きい場合(ステップS107−YES)はCPMダウンを行う(ステップS108)。
連続通紙ではない場合(ステップS105−NO)は一定時間が経過したかどうかに応じて(ステップS109)、通紙時間及び通紙積算時間をリセットするか否かを決定する(ステップS110)。一定時間が経過しても印刷要求が来なければ(ステップS109−YES)、通紙時間及び通紙積算時間をリセットし(ステップS110)、一定時間以内に印刷要求が来れば(ステップS109−NO)、通紙時間及び通紙積算時間をリセットしないで印刷要求を待つ(ステップS103)。
図6はCPMダウン開始時間設定の制御手順を示すフローチャートである。基本的には図5のエンジン起動からCPMダウン開始時間設定までの処理(ステップS101〜S104)と同様で、異なる部分は印刷要求があったときに、紙種、紙厚、定着装置20の内部温度、外部温度を確認し、それに応じてCPMダウン開始時間を設定することである。すなわち、画像形成装置のエンジンが駆動される(ステップS201)と、このエンジン起動時に定着に使用されるトナーの種類を確認する(ステップS202)。その後、コントローラから印刷要求が来ると(ステップS203)、紙種、紙厚、定着装置(定着ユニット)の内部及び外部温度を確認し(ステップS204)、その後、CPMダウン開始時間を設定する(ステップS205)というものである。
図7は通紙間隔変更後のCPMダウン判定の制御手順を示すフローチャートである。同図において、CPMダウンが行われ、通紙間隔が変更された(ステップS301)後、まず定着装置の温度を計測する(ステップS302)。計測した温度が所定の範囲内に所定回数入っていれば(ステップS303−YES)、次のCPMダウン判定を行い、通紙間隔を設定する(ステップS304)。そうでなければ、計測した温度が所定の範囲内に所定回数入るまで判定を続ける(ステップS303−NO)。
本実施形態では、図5のフローチャートに示すようにエンジン起動時にトナーの種類を確認し(ステップS101,S102)、印刷要求時に予め確認していたトナーの種類(例えばトナーの色、トナーの組成、トナーの平均粒径等)の情報をもとにCPMダウンを開始する時間を決定する(ステップS103,S104)。CPMダウンを開始する時間は、例えば黒トナーを用いる場合はCPMダウン開始時間を60secといったように設定する。
また、印刷要求時に2枚以上の印刷であるか、すなわち連続印刷であるかどうかを確認し、連続印刷であれば通紙時間の計測及び積算を開始する(ステップS105,S106)。連続印刷ではなく1枚印刷であれば通紙時間の計測と積算は行わない。通紙時間の計測開始後、一定時間例えば1sec毎に通紙計測時間を積算し(ステップS106)、通紙積算時間と予め決定されたCPMダウン開始時間を比較する(ステップS107)。通紙積算時間がCPMダウン開始時間60secに満たなければ、通紙積算時間がCPMダウン開始時間を越えるまで、あるいは印刷ジョブが終了するまで、通紙時間の計測、積算、CPMダウン開始時間との比較を続ける(ステップS107−NO)。そして、通紙積算時間がCPMダウン開始時間を越えた時点で(ステップS107−YES)、図4に示すように通紙間隔を広げる(t1→t2)ことによってCPMダウンを実行し、定着の温度調節を行う。
このように本実施形態では、CPMダウンの開始パラメータを印刷枚数ではなく、通紙時間としてCPMダウン開始を制御しているので、より正確なタイミングでCPMダウンを開始することができる。これにより、CPMダウン開始が必要以上に早いことによる生産性低下を防ぎ、CPMダウン開始が遅れることによる定着不良を防ぐことができる。
また、本実施形態では、図6のフローチャートに示すようにエンジン起動時にトナーの種類を確認するだけでなく、印刷要求時に紙種、紙厚、定着装置内部温度、外部温度を確認し、それらの情報をもとにCPMダウンを開始する時間を決定する。例えば、トナーの種類が黒トナーで、紙種が普通紙、紙厚が70μm、定着装置内部温度180℃、外部温度23℃の場合は、紙厚が薄く、ユニット内部の温度が高いので定着に必要な温度を通常よりも長く保持することができる。そこで、この条件のときには、CPMダウン開始時間を70secとする。
このようにCPMダウン開始時間を紙種、紙厚、定着装置内部温度、外部温度に応じて制御することによって、より正確なタイミングでCPMダウンを開始することができ、生産性が低下するのを防ぐことができる。また、より正確なタイミングでCPMダウンを開始することで、CPMダウン開始が遅れることによる定着不良を防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、図5のフローチャートに示すように通紙積算時間がCPM開始時間を超えた場合にCPMダウンを行い、通紙間隔の調節を行う(ステップS105−YES〜ステップS108)。その際に調節する通紙間隔を印刷時の紙種、紙厚に応じて設定する。例えば、紙種が普通紙で、紙厚が180μmの場合、定着時に定着ローラ2が紙から奪われる熱量が、紙厚が普通の場合よりも大きいため、通紙間隔は通常時の80%に設定する。これにより連続印刷時の定着の熱不足による定着不良を回避し、適切な定着温度を保つことができる。
また、図5のフローチャートのステップS107〜S108に示したように、通紙積算時間がCPM開始時間を超えた場合にCPMダウンを行うが、CPMダウン後は通紙間隔を変更したことによる影響が定着装置20内の温度に反映され、温度が安定するのを待つために、図7のフローチャートに示したように定着装置20内の計測温度が所定の範囲内に所定回数入ったかどうかを判定する(ステップS301〜S303)。計測温度が所定範囲内に所定回数入ったことを確認するのは急激な温度変化が起った場合に、不適切なタイミングでCPMダウンの再判定を行わないためである。計測温度が所定範囲内に所定回数入った場合は(ステップS303−YES)、通紙間隔を変更したことによる影響が定着内の温度に反映され、温度が安定したとして、さらに通紙間隔を広げるべきか、縮めるべきか、現在の通紙間隔を維持するべきか、CPMダウンの再判定を行う(ステップS304)。
これにより、CPMダウンを行っている時間を正確に制御し、必要以上に長くCPMダウンを行うことによる生産性の低下を避け、必要以上に短くCPMダウンを行うことによる定着不良を避けることができる。
また、エンジン稼働中に定着装置が非常停止した場合は、印刷が再開されるまでにエンジンの立ち上げ動作が行われるため、定着はリロード(印刷可能)状態に戻る(ステップS103)。この場合、それまでに連続通紙により奪われた定着の熱量というのは気にする必要がなくなるので、計測した通紙時間及び通紙積算時間はリセットする(ステップS110)。これらをリセットしなかった場合、通常より早く通紙積算時間がCPMダウン開始時間を越えてしまうので、CPMダウン開始のタイミングが早まってしまう。
また、印刷ジョブ終了後、一定時間(例えば10sec間)次の印刷ジョブが来なかった場合(ステップS109−YES)も、定着は待機状態になり、次の印刷時には定着はリロード(印刷可能)状態に戻る(ステップS103)。この場合も、連続通紙により奪われた定着の熱量というのは気にする必要がなくなるので非常停止の場合と同様に計測した通紙時間及び通紙積算時間はリセットする(ステップS110)。
このように非常停止の場合や印刷ジョブ終了後一定時間次の印刷ジョブが来なかった場合に計測した通紙時間及び通紙積算時間をリセットすることで、必要以上に早くCPMダウンを開始し、生産性が低下するのを防ぐことができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となる。
本発明は、記録媒体である紙葉類を連続的に定着ローラ及び加圧ローラのニップ間に通紙し、その間に記録媒体の表面に画像を定着させる定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置に限らず、連続的に物体を搬送する際、前記物体の搬送間隔制御を行い、最適な生産性を確保する搬送間隔制御装置、及びこの制御装置を備えた搬送装置にも適用することができる。
11 制御部
11a CPU
17 通紙カウンタ
18 温度センサ
19 記憶部
20 定着装置
22 定着ローラ
23 加圧ローラ
26 第1のサーミスタ
27 第2のサーミスタ
特許第3537276号公報

Claims (10)

  1. 内部に熱源を有する定着部材と、
    前記定着部材に圧接して回転する加圧部材と、
    用紙の通紙時間を積算する積算手段と、
    前記積算手段の積算結果に基づいて通紙間隔増大処理を実行させる制御手段と、
    を備えた定着装置であって、
    定着される異なるトナーの種類と、その種類に対応して前記通紙間隔増大処理を開始する開始時間との関係を保持する保持手段を備え、
    前記制御手段は、前記積算手段による積算結果により前記トナーの種類に対応して前記保持手段に保持された前記開始時間より多くの連続通紙を行うと判断したとき、前記開始時間以降の通紙間隔について通紙間隔増大処理を実行することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置であって、
    前記積算手段は前記通紙時間をカウントし、カウント結果を積算することを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2記載の定着装置であって、
    装置内部の温度を検出する第1の温度検出手段、及び装置外の温度を検出する第2の温度検出温手段をさらに備え、
    前記開始時間が、紙種、紙厚、定着装置の内部温度、外気温度の少なくとも1つに対応して設定されることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の定着装置であって、
    前記制御手段によって設定される前記通紙間隔が、印刷時の紙種又は紙厚に対応して設定されることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1又は2記載の定着装置であって、
    装置内部の温度を検出する第1の温度検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記通紙間隔増大処理実行後、前記第1の温度検出手段による測定を繰り返し、測定温度が予め設定した範囲内にあることが予め設定された回数確認されたとき、次の通紙間隔の設定を変更することを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の定着装置であって、
    前記積算手段は、非常停止後、それまでに計測した通紙時間及び通紙時間の積算値をリセットすることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の定着装置であって、
    前記積算手段は、印刷ジョブ終了後、予め設定した時間経過しても次の印刷ジョブの入力がないときには、前記通紙時間の積算値をリセットすることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  9. 内部に熱源を有する定着部材と、
    前記定着部材に圧接して回転する加圧部材と、
    用紙の通紙時間を積算する積算手段と、
    前記積算手段の積算結果に基づいて通紙間隔増大処理を実行させる制御手段と、
    を備えた定着装置の定着制御方法であって、
    定着される異なるトナーの種類と、その種類に対応して前記通紙間隔増大処理を開始する開始時間との関係を保持し、
    前記積算手段による積算結果により前記トナーの種類に対応して前記保持された開始時間より多くの連続通紙を行うと判断したとき、前記開始時間以降の通紙間隔について通紙間隔増大処理を実行することを特徴とする定着制御方法。
  10. 内部に熱源を有する定着部材と、
    前記定着部材に圧接して回転する加圧部材と、
    用紙の通紙時間を積算する積算手段と、
    前記積算手段の積算結果に基づいて通紙間隔増大処理を実行させる制御手段と、
    を備えた定着装置の定着制御をコンピュータによって実行するための定着制御プログラムであって、
    定着される異なるトナーの種類と、その種類に対応して前記通紙間隔増大処理を開始する開始時間との関係を保持する手順と、
    前記積算手段による積算結果により前記トナーの種類に対応して前記保持された開始時間より多くの連続通紙を行うと判断したとき、前記開始時間以降の通紙間隔について通紙間隔増大処理を実行する手順と、
    を備えていることを特徴とする定着制御プログラム。
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JP2014048394A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Brother Ind Ltd 印刷装置

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