JP2012127977A - 応力センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁歪を有し、軸芯部に中空部1aを備えた軸状磁性体1を周方向に着磁して応力検知部2となし、当該応力検知部2に板状の永久磁石11と磁気センサ12,13と板状のヨーク14を有する検出ヘッド10を設け、これらセンサ、磁石、ヨークを所定の位置に配設して、上記永久磁石11から発生し、磁性体1の内部を通る磁束と外部を流れる磁束とに分配される磁束のうち、磁性体1に応力が作用することによって磁性体外を流れる磁束の変化を検出して磁性体1に作用する軸方向の応力を検知する。
【選択図】図2
Description
一方、応力センサとして、磁歪を利用したセンサの提案がなされている(例えば、非特許文献1参照)が、実用化されているものはほとんどないようである。
ここで、コアに引張応力が働くと、永久磁石PMからの磁束がコアをより多く通るようになるために、磁気センサFSを通過する磁束が減少する。一方、コアに圧縮応力が作用すると、磁束はコアを通り難くなるため、センサFSを通過する磁束が増加する。このようにして、磁気センサFSからの信号の大きさはコアに働く応力の大きさを反映することになる。
そして、引張応力と圧縮応力では、磁気センサFSの信号の変化の仕方は、圧縮の方が大きく、そのセンサの定格の範囲において、圧縮にて30から80%の変化があることがデータで示されている。
磁性体1をこのような構造とすることによって、応力検知部2の断面積が当該検知部2の両サイドよりも小さくなり、軸方向に作用する引張、圧縮応力に対する歪感度が増大することから、応力磁気効果(磁歪の逆効果)による応力の検出感度も増大することになる。また、応力センサの全体的な軽量化にも寄与することになる。
このとき、応力検知部2に縮径加工を施すことなくフラット面3を形成することも、図2(a)及び(b)に示すように、縮径加工を施した上でフラット面3を形成することもでき、いずれにしても、応力検知部2の断面積が小さくなることから、上記したように応力センサとしての検出感度を向上させることができる。
このシールドケース15は、図中下方側面が解放された箱型構造のものであって、この開放下端面に板状永久磁石11の下端面を一致させるか、平行で近接するように配置することが望ましい。
ここで、シールドケース15が磁性を有する金属材料や、磁性フィラー含有プラスチックから成る場合には、電磁気シールド効果があるため、外乱からの電磁気ノイズに対する耐性が著しく向上するとともに、磁気ノイズに対してのシールド効果もあり、磁気的な外乱にも耐性が向上する。また、非磁性の金属材料の場合でも電磁気ノイズのシールド効果がある。
なお、ここでいう外乱とは、ケース15に応力が働いた場合、磁束の一部がケースを経由している関係で、磁束が乱され、センサ信号にノイズとして乗ってくることをいう。
なお、検出ヘッドとしては、永久磁石と磁気センサとを備えていさえすれば最低限の機能を十分に果すことができる。
また、磁気センサは、必ずしも2個を備えている必要はなく、1個だけでも十分に機能する。
図4に示した検出ヘッド10においては、ホール素子12,13を通過する磁束が増し、信号がより多くとれるようになる。
なお、応力検知部2とシールドケース15´との間に形成されている空間については、必ずしも空間全体を樹脂によってモールドする必要はなく、上記永久磁石11、ホール素子12,13及びヨーク14がモールドされていれば十分である。
このようなねじ部の形成方法には、図6に示すように種々のバリエーションが考えられる。
また、図6(b)に示すように、両サイドとも、おねじ5とすることもできる。
また、図6(d)に示すようにおねじ5のようになすこともできる。この場合、貫通孔とすることはできないが、中空部1aを設けることによって応力検知部2の断面積を縮小し、同様に検知感度の増加を図ることができる。
マルエージング鋼は、高強度材であることから、強度的な信頼性が高く、広範囲の応力に対応することができる。すなわち、時効処理したマルエージング鋼は2GPa程度の降伏強度を示し、通常の鋼に較べてかなり高く、磁歪も25ppm程度と大きい。
なお、材料コストについては、必ずしも安価とは言えないが、応力検知部分のみの限定的な使用であるからして、コストアップも全体的には小さく抑えることができる。
また、応力を負荷した場合と除荷した場合における信号の差(ヒステリシス)をも小さくすることができる。これらは、周方向に向いている磁化が多いことによるものと考えられる。
また、磁性体1に直接通電することによっても、当該磁性体1の応力検知部2に周方向着磁を行うことができる。
図8(a)は、本発明の応力センサを自動車用タイロッドに装着すべく、応力センサの軸状磁性体1を上記タイロッド20の中央部分に取付けた状態を示すものであって、図8(b)に拡大して示すように、応力センサの磁性体1の両端に形成されためねじに、タイロッド20のラック側及びナックル側に備えたおねじがそれぞれ螺着することによって磁性体1とタイロッド20が連結され、ロックナット21,21を締め付けることによって固定されている。
したがって、ステアリングトルクを把握することができ、タイヤからの直接的な入力も知ることができ、タイロッド応力センサは、電動パワーステアリングシステムや、ステアバイワイヤシステム等の新たな制御システムのキーセンサとなり得るものである。
熱処理の後、図7に示したように、磁性体1の貫通孔1a内に通した6mm径の銅線に20000Aの直流パルス電流を流すことによって、当該磁性体1の応力検知部2を周方向に着磁した。
この図から明らかなように、応力センサとしての高い感度を示すと共に、引張応力負荷時と圧縮応力負荷時の感度が揃った特性を備えていることが確認された。
1a 中空部
2 応力検知部
3 フラット面
4 めねじ(ねじ部)
5 おねじ(ねじ部)
10 検出ヘッド
11 永久磁石
12,13 ホール素子(磁気センサ)
14 ヨーク
15 シールドケース
20 タイロッド
Claims (12)
- 磁歪を有する磁性体と、該磁性体の一方の面側に配置された永久磁石と、該永久磁石から発生して上記磁性体と該磁性体の外部とに分かれて流れる磁束のうち、上記磁性体の外部を流れる磁束の変化を検出する磁気センサを備え、上記磁性体の軸方向に作用する応力を検出する磁歪式応力センサであって、
板状の永久磁石と上記磁気センサと板状のヨークを有する検出ヘッドを備え、
上記磁気センサが、板状磁石の上記磁性体とは反対側に配置されたヨークよりも磁性体側、かつ上記板状磁石の板厚中心よりもヨーク寄りの位置に配設され、
上記磁性体が軸形状をなし、軸方向に沿った中空部を備え、該磁性体における応力検知部が周方向に着磁されていることを特徴とする応力センサ。 - 上記磁気センサが板状磁石の両端部にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の応力センサ。
- 上記中空部が軸方向に沿った貫通孔であることを特徴とする請求項1又は2に記載の応力センサ。
- 上記磁性体における応力検知部の断面積がその両側の断面積より小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記磁性体がマルエージング鋼から成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記マルエージング鋼が時効処理を施されていることを特徴とする請求項5に記載の応力センサ。
- 軸形状をなす上記磁性体の両端部にねじ部が形成してあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記磁性体における応力検知部にフラット面が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記磁性体のフラット面に、上記検出ヘッドが取付けてあることを特徴とする請求項8に記載の応力センサ。
- 上記検出ヘッドが板状をなす永久磁石とホール素子とヨークを一体化したものであることを特徴とする請求項9に記載の応力センサ。
- 上記検出ヘッドが板状をなす永久磁石とホール素子とヨークを電磁気シールドケース内に一体化したものであることを特徴とする請求項10に記載の応力センサ。
- 上記検出ヘッドが板状をなす永久磁石とホール素子とヨークを一体化したものであり、応力検知部が電磁気シールドケースで覆われていることを特徴とする請求項10に記載の応力センサ。
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