JP2012127672A - ガスセンサ素子とガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】反応性の低下と出力ずれの双方を抑制することのできるガスセンサ素子とこれを備えたガスセンサを提供する。
【解決手段】被測定ガス側電極41と基準ガス側電極42からなる一対の電極4を両側に備えた固体電解質層3と、被測定ガス側電極41を被測定ガス空間8を介して包囲する多孔質拡散抵抗層2と、多孔質拡散抵抗層2とともに被測定ガス空間8を画成する遮蔽層1と、基準ガス側電極42を基準ガス空間9を介して包囲する基準ガス空間保護層5と、発熱源6とから構成される検知部10と、検知部10を包囲する、貴金属触媒粒子22が担持された触媒担持保護層20と、からガスセンサ素子100が構成されており、触媒担持保護層20内において貴金属触媒粒子22が0.04mg以下の重量範囲で担持されており、かつ、貴金属触媒粒子22による排気ガス中の一酸化炭素ガス吸着量が0.02×10−3cm以上となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば車両に搭載されて排気ガス中の酸素濃度を検出するガスセンサとこれを構成するガスセンサ素子に関するものである。
各種産業界においては、環境影響負荷低減に向けた様々な取り組みが世界規模でおこなわれており、中でも、自動車産業においては、燃費性能に優れたガソリンエンジン車は勿論のこと、ハイブリッド車や電気自動車等のいわゆるエコカーの普及とそのさらなる性能向上に向けた開発が日々進められている。
車両の燃費性能の測定に関しては、排気ガス等の被測定ガス中の酸素濃度をガスセンサにて検知し、大気中の酸素を基準ガスとしてこの酸素濃度との差を求めることによっておこなわれている。
このガスセンサを構成するガスセンサ素子の一つの実施形態の具体的な構成としては、被測定ガス側電極と基準ガス側電極からなる一対の電極を両側に備えた固体電解質層と、被測定ガス側電極を被測定ガス空間を介して包囲する多孔質拡散抵抗層(もしくは拡散律速層)と、多孔質拡散抵抗層とともに被測定ガス空間を画成する遮蔽層と、基準ガス側電極を基準ガス空間を介して包囲する基準ガス空間保護層と、ヒータ等の発熱源とから構成される検知部と、この検知部を包囲する触媒担持保護層であって、貴金属触媒粒子が担持された触媒担持保護層(もしくは触媒担持トラップ層)とから大略構成されるものが一般的である。
ガスセンサの出力精度を高めるには、排気ガス中の水素ガスに起因するガスセンサ素子の出力ずれを抑制する必要がある。この出力ずれは、被測定ガスの導入量を抑制する上記多孔質拡散抵抗層を通過する水素ガスが他の酸素ガスや一酸化炭素ガス等に比べて分子量が小さく、他のガスよりも多孔質拡散抵抗層を速く通過するために、被測定ガス側電極付近で水素ガスが過剰となり、これがガスセンサ素子周囲の排気ガス中の水素ガス濃度と異なることによって齎されるものである。
一方、ガスセンサに要求される他の性能として応答性能が挙げられる。この応答性能は貴金属触媒の量によるところが大きいが、従来のガスセンサ素子においては、上記する出力ずれを抑制するべく、水素ガスとの反応を促進させるために可及的に多くの貴金属触媒粒子が触媒担持保護層内に担持されており、そのために排気ガスの反応時間がかかり過ぎて今度はセンサの応答性が低下するという別の課題を有するものであった。
たとえば貴金属触媒にパラジウムを用いた場合には、このパラジウムはリッチ側からリーン側への反応に対して酸化され、このことによって応答が遅れる全量反応のために応答性が低下し易い。そこで、パラジウムと白金の合金触媒を使用して触媒担持保護層を形成する方策もあるが、この触媒では初期状態の応答性低下が見られないものの、950℃の高温雰囲気で200時間以上曝されると、合金表面にパラジウムが偏在してやはり応答性が低下することになる。
ここで、上記する検知部と触媒担持保護層とから構成されたガスセンサ素子に関する従来技術として特許文献1に開示のガスセンサ素子を挙げることができる。このガスセンサ素子では、触媒担持保護層(ここでは触媒担持トラップ層)に担持される貴金属触媒として白金とロジウムとパラジウムのすべてを使用し、さらにパラジウムの添加量を貴金属触媒全体の2〜65重量%に規定した発明が開示されており、この構成によってガスセンサ素子の出力ずれを防ぐことができるとしている。
特許文献1で開示するガスセンサ素子を用いたガスセンサによれば、素子の出力ずれの防止もしくは補正をおこなうことはできるものの、上記するようにセンサの応答性が低下するという課題は依然として残っており、たとえば触媒担持保護層を具備しないガスセンサ素子と比較した場合の応答性は大きく劣るものとなる。
したがって、検知部と触媒担持保護層から構成されるガスセンサ素子に関し、その出力ずれと応答性低下の双方が抑制されたガスセンサ素子の開発が当該技術分野で切望されている。
特開2007−199046号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、反応性の低下と出力ずれの双方を抑制することのできるガスセンサ素子とこれを備えたガスセンサを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるガスセンサ素子は、被測定ガス側電極と基準ガス側電極からなる一対の電極を両側に備えた固体電解質層と、被測定ガス側電極を被測定ガス空間を介して包囲する多孔質拡散抵抗層と、多孔質拡散抵抗層とともに被測定ガス空間を画成する遮蔽層と、基準ガス側電極を基準ガス空間を介して包囲する基準ガス空間保護層と、発熱源とから構成される検知部と、前記検知部を包囲する、貴金属触媒粒子が担持された触媒担持保護層と、からガスセンサ素子が構成されており、前記触媒担持保護層内において貴金属触媒粒子が0.04mg以下の重量範囲で担持されており、かつ、貴金属触媒粒子による排気ガス中の一酸化炭素ガス吸着量が0.02×10−3cm以上となっているものである。
本発明者等は、反応性の低下と出力ずれの双方を抑制できるガスセンサ素子の発案に当たり、触媒担持保護層中に担持された貴金属触媒粒子の使用絶対量とこの貴金属触媒粒子による排気ガス中の一酸化炭素ガス吸着量の双方の要素に着目し、反応性低下の抑制は貴金属触媒粒子の使用絶対量を規定することにより、また出力ずれの抑制は一酸化炭素ガス吸着量を規定することにより実現できることを見出している。
まず、触媒担持保護層はアルミナ粒子などに貴金属触媒粒子が担持された粒子の塊が層状に形成されたものであるが、触媒担持保護層の全体積の変動に関わらず、貴金属触媒粒子の使用絶対量を0.04mg以下の重量範囲に規定している。
ここで、使用される貴金属触媒としては、パラジウムやロジウムを単独で、もしくはパラジウム、ロジウムおよび白金のうちの2種以上の合金を適用できる。
貴金属触媒粒子の使用絶対量を0.04mg以下に規定したことにより、ガス燃料噴射量を増減させた入力値のパルス変動に対して、センサ出力を示すグラフに応答遅れ領域(応答遅れ面積)が生じないことが本発明者等によって特定されている。
一方、貴金属触媒粒子による排気ガス中の一酸化炭素ガス吸着量は0.02×10−3cm以上に規定している。これは、貴金属触媒としてパラジウム、白金、白金・パラジウム合金を使用してそれぞれの使用絶対量を変化させてなる触媒担持保護層が検知部周りに形成された複数種のガスセンサ素子を試作し、各ガスセンサ素子の触媒担持保護層における一酸化炭素ガス吸着量を測定した実験において、一酸化炭素ガス吸着量が0.02×10−3cm以上の範囲で出力ずれ量がシステム上問題とならないずれ量に収斂したことが本発明者等によって特定されていることによるものである。
なお、この一酸化炭素ガス吸着量の計測方法としては、提供される一酸化炭素ガス量と触媒担持保護層通過後の未反応の一酸化炭素ガス量を測定し、その差分を求めるいわゆるパルス法などを挙げることができる。さらに、COパルス法を適用することで、一酸化炭素ガス吸着量が0.02×10−3cmに対応した貴金属触媒面積を測定することもできる。
触媒担持保護層内において貴金属触媒が担持される領域は、触媒担持保護層の全領域であってもよいし、被測定ガス側電極に近接する多孔質拡散抵抗層に対応する領域(側方の領域)のみであってもよい。また、触媒担持保護層内で貴金属触媒の担持量に分布をもたせ、たとえば多孔質拡散抵抗層に対応する領域に相対的に多くの量の貴金属触媒を担持させるものであってもよい。いずれの形態であれ、触媒担持保護層内における貴金属触媒粒子の使用絶対量は0.04mg以下に規定される。
触媒担持保護層内における貴金属触媒に関し、その重量を0.04mg以下の重量範囲で規定し、かつ貴金属触媒粒子による排気ガス中の一酸化炭素ガス吸着量を0.02×10−3cm以上となるように規定したことで、反応性の低下と出力ずれの双方を抑制することのできるガスセンサ素子が得られる。
また、本発明は上記する本発明のガスセンサ素子を備えたガスセンサにも及ぶものである。このガスセンサは反応性の低下と出力ずれの双方が抑制されたガスセンサ素子を備えたものであることから、これを一般のガソリン車両やディーゼル車両は勿論のこと、ハイブリッド車等のエコカーにも適用することで、内燃機関の燃焼制御性に優れ、地球環境保全性の高い車両の製造に供されることになる。
以上の説明から理解できるように、本発明のガスセンサ素子とこれを備えたガスセンサによれば、検知部を包囲する触媒担持保護層内に担持された貴金属触媒の使用絶対量範囲とこの貴金属触媒に吸着される一酸化炭素ガス吸着量範囲の双方を規定したことで、反応性の低下と出力ずれの双方が抑制されたガスセンサ素子を得ることができる。
本発明のガスセンサ素子を説明した模式図である。 図1中のII部を拡大した図である。 (a)はガス燃料噴射量をパルス状に増減させた際のセンサ入力に対する、本発明のガスセンサのセンサ出力1と従来のガスセンサのセンサ出力2を模式的に示した図であり、(b)はセンサ出力1,2を重ねた際にできるセンサ出力2の応答遅れ面積を示した模式図である。 貴金属重量と応答遅れ(面積)の相関に関する実験結果を示すグラフである。 一酸化炭素ガス吸着量と出力ずれ量の相関に関する実験結果を示すグラフである。 応答遅れの有無と一酸化炭素ガス吸着量に関する実験において、(a)はガスセンサ供用前、(b)は供用後の触媒担持保護層内に担持された貴金属触媒のSEM画像図である。 図6の実験におけるガスセンサ出力の時刻歴波形を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明のガスセンサ素子を説明した模式図であってその横断面を示したものであり、図2は図1中のII部を拡大した図である。
図1で示すガスセンサ素子100は、排気ガス中の酸素濃度を検知する検知部10と、この検知部10の周囲を排気ガス中の水分から防護して、この水分が検知部10に到達して検知部10が被水割れするのを抑制するとともに、通過する水素ガスや一酸化炭素ガス等をトラップする触媒担持保護層20から大略構成されている。
検知部10は、被測定ガス側電極41と基準ガス側電極42からなる一対の電極4を両側に備えた固体電解質層3と、被測定ガス側電極41を被測定ガス空間8を介して包囲する多孔質拡散抵抗層2と、多孔質拡散抵抗層2とともに被測定ガス空間8を画成する遮蔽層1と、基準ガス側電極42を基準ガス空間9を介して包囲する基準ガス空間保護層5と、発熱源6および発熱源基板7とから大略構成されている。
発熱源6は、その内部に発熱体となるヒータを備えており、ガスセンサ素子100の加熱領域を形成してその活性温度となるように加熱制御される。
検知部10は、図示する横断面形状において、その隅角部がテーパー状に切欠かれており、この切欠きによって、検知部10の当該箇所における触媒担持保護層20の厚みを保証している。
固体電解質層3はジルコニアから形成されており、被測定ガス側電極41と基準ガス側電極42はともに白金から形成されている。また、遮蔽層1と基準ガス空間保護層5はともにガス不透過な内部構造を呈し、ともにアルミナから形成されている。
一対の電極4に対し、酸素濃度差と電流がリニアな相間を有する電圧を印加し、被測定ガス側電極41に被測定ガスを接触させ、基準ガス側電極42には大気等の基準ガスを接触させ、双方の酸素濃度差に応じて電極間に生じる電流値を測定し、測定電流に基づいて車両エンジンの空燃比を特定することができる。
多孔質拡散抵抗層2は、被測定ガス側電極41に対する被測定ガスの導入量を抑制するために被測定ガス側電極41の周囲の被測定ガス空間8を画成する位置に設けてあり、検知部10の周囲の触媒担持保護層20を介して導入された排気ガスを構成する水素ガスや一酸化炭素ガス、酸素ガスなどがさらに多孔質拡散抵抗層2を介して被測定ガス空間8に導入されるようになっている。
触媒担持保護層20は、表面に貴金属触媒粒子22が担持されたアルミナ粒子21からなる多孔質層であり、触媒担持保護層20における貴金属触媒粒子22の分布態様は、触媒担持保護層20の全領域であってもよいし、被測定ガス側電極41に近接する多孔質拡散抵抗層2に対応する側方領域のみであってもよい。また、触媒担持保護層20内で貴金属触媒粒子22の担持量に分布をもたせ、たとえば多孔質拡散抵抗層2に対応する領域に相対的に多くの量の貴金属触媒粒子22を担持させるものであってもよい。
いずれの形態であれ、触媒担持保護層20内における貴金属触媒粒子22の使用絶対量は0.04mg以下に規定されている。
ここで、貴金属触媒粒子22としては、パラジウムやロジウムを単独で、もしくはパラジウム、ロジウムおよび白金のうちの2種以上の合金をするのがよい。
触媒担持保護層20内における貴金属触媒粒子22の使用絶対量が0.04mg以下に規定されていることで、ガスセンサ素子100の反応性低下を効果的に抑制することができる。
ガスセンサ素子の反応性を図3を参照して概説する。図3aはガス燃料噴射量をパルス状に増減させた際のセンサ入力に対する、本発明のガスセンサのセンサ出力1と従来のガスセンサのセンサ出力2を模式的に示した図であり、図3bはセンサ出力1,2を重ねた際にできるセンサ出力2の応答遅れ面積を示した模式図である。
図3aの上図のようにガス燃料噴射量をパルス状に増減させた際のセンサ入力に対し、従来のガスセンサのセンサ出力は、下図のセンサ出力2のように出力波形に応答遅れを示す欠けが生じ易い。この「従来のガスセンサ」とは、ガスセンサ素子を構成する触媒担持保護層内における貴金属触媒粒子の量が0.04mgよりも多いガスセンサを意味している。
これに対し、触媒担持保護層内における貴金属触媒粒子の量が0.04mg以下で規定された本発明のガスセンサのセンサ出力は図3aの中図のように出力波形が滑らかで応答遅れを示す欠けが存在しない。
そして、図3bで示すように、センサ出力1,2を重ねることでセンサ出力2の応答遅れを面積で確認することができる。なお、貴金属重量と応答遅れ(面積)の相関に関する実験結果は後述する。
さらに、貴金属触媒粒子22による排気ガス中の一酸化炭素ガス吸着量が0.02×10−3cm以上となるように規定されている。
これは、一酸化炭素ガス吸着量が0.02×10−3cm以上の範囲で出力ずれ量がシステム上問題とならないずれ量に収斂したことが本発明者等によって特定されていることによるものである。なお、一酸化炭素ガス吸着量と出力ずれ量の相関に関する実験結果は後述する。
図示するガスセンサ素子100がたとえば絶縁素材の碍子を介してハウジング内に固定され、このハウジングの先端に素子カバーが設けられてガスセンサが形成される。
[貴金属重量と応答遅れ(面積)の相関に関する実験、および、一酸化炭素ガス吸着量と出力ずれ量の相関に関する実験とそれらの結果]
本発明者等は、触媒担持保護層中のパラジウム重量が相違する複数種の触媒担持保護層を具備するガスセンサを試作し、それぞれのガスセンサのセンサ出力データから応答遅れ(面積)を割り出す実験をおこなった。また、貴金属触媒として白金、パラジウム、白金・パラジウム合金からなる触媒担持保護層を具備するガスセンサをそれぞれ試作し、測定されたそれぞれの一酸化炭素吸着量に対応する出力ずれ量を測定する実験をおこなった。なお、一酸化炭素ガス吸着量の計測方法にはパルス法を適用している。貴金属重量と応答遅れ(面積)の相関グラフを図4に、一酸化炭素ガス吸着量と出力ずれ量の相関グラフを図5にそれぞれ示す。
図4より、貴金属重量が0.04mgまでは応答遅れは生じず、0.04mgを超えた範囲では貴金属重量の増加に伴ってリニアに応答遅れ面積が上昇することが実証されている。
一方、図5より、出力ずれ量に関しては一酸化炭素吸着量が0〜0.02×10−3cm未満の範囲で急激に低下し、0.02×10−3cmで変曲点を向かえ、0.02×10−3cm以上ではほぼ空燃比0.1程度で収斂する相関が実証されている。
以上の実験結果を踏まえ、図示するガスセンサ素子100においては、触媒担持保護層20内における貴金属触媒粒子22の使用絶対量を0.04mg以下に規定し、かつ、貴金属触媒粒子22による排気ガス中の一酸化炭素ガス吸着量が0.02×10−3cm以上となるように規定している。
[応答遅れの有無と一酸化炭素ガス吸着量に関する実験、および、ガスセンサ供用前後の触媒担持保護層内に担持された貴金属触媒を観察した実験とそれらの結果]
本発明者等は、貴金属触媒にパラジウムを使用し、以下の方法で検知部周りに触媒担持保護層を具備するガスセンサ素子を製作した。製作されたガスセンサ素子の供用前のパラジウムのSEM画像を撮像するとともに、15万キロ相当走行した供用後のパラジウムのSEM画像を同様に撮像してそれぞれ図6a,bに示している。さらに、このガスセンサ素子のガスセンサ出力の時刻歴波形を求め、これを図7に示している。
ここで、検知部は図1で示す構造のものを製作した。パラジウム触媒は、アルミナ(粒子径10μm、θ−アルミナ)に硝酸パラジウム水溶液を攪拌し、加熱処理して溶媒を揮発させ、粒径均一化を図るために500℃で2時間焼成して最大粒子径が150nmのパラジウム触媒を得た。
得られたパラジウム触媒とアルミナゾル、PVA、水を混ぜ合わせてスラリーを生成し、このスラリー内に検知部を浸漬させ、2mm/secの速度で引き上げ、乾燥させて1mg重量の薄層の触媒担持保護層を形成した。
図6a,bを比較するに、ガスセンサ素子の供用前後でパラジウム粒子の大きさにほとんど変化がないことが実証されている。
また、1mg重量の触媒担持保護層中のパラジウム触媒に吸着される一酸化炭素吸着量をパルス法を用いて測定した結果、0.02×10−3cmであることが確認された。
さらに、図7で示すガスセンサ出力の時刻歴波形より、応答遅れ面積はゼロであり、応答性能に優れたガスセンサ素子であることも実証されている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…遮蔽層、2…多孔質拡散抵抗層、3…固体電解質層、4…一対の電極、41…被測定ガス側電極、42…基準ガス側電極、5…基準ガス空間保護層、6…発熱源(ヒータ)、7…発熱源基板、8…被測定ガス空間、9…基準ガス空間、10…検知部、20…触媒担持保護層、21…アルミナ粒子、22…貴金属触媒粒子、100…ガスセンサ素子

Claims (3)

  1. 被測定ガス側電極と基準ガス側電極からなる一対の電極を両側に備えた固体電解質層と、被測定ガス側電極を被測定ガス空間を介して包囲する多孔質拡散抵抗層と、多孔質拡散抵抗層とともに被測定ガス空間を画成する遮蔽層と、基準ガス側電極を基準ガス空間を介して包囲する基準ガス空間保護層と、発熱源とから構成される検知部と、
    前記検知部を包囲する、貴金属触媒粒子が担持された触媒担持保護層と、からガスセンサ素子が構成されており、
    前記触媒担持保護層内において貴金属触媒粒子が0.04mg以下の重量範囲で担持されており、かつ、貴金属触媒粒子による排気ガス中の一酸化炭素ガス吸着量が0.02×10−3cm以上であるガスセンサ素子。
  2. 前記貴金属触媒粒子がパラジウムからなる請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 請求項1または2に記載のガスセンサ素子を備えたガスセンサ。
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