JP2012125757A - 湿分分離装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】波板43は、平坦部74の下流側に位置する傾斜部72の上流側端部及び当該平坦部74を覆うように形成されて湿り蒸気流S1に向かって開口部を有する捕集板49を備えている。この捕集板49の基端部は、傾斜部72に固定されている。この捕集板49と波板43本体との間に、ポケット部47及びドレンダクト部48が形成されている。湿り蒸気S1に含まれる湿分は液滴となって、捕集板49の入口開口からポケット部47及びドレンダクト部48に入り、重力によりそれぞれポケット部47内及びドレンダクト部48内を流下する。
【選択図】図7
Description
図23において、湿分分離装置60では、上部枠61と下部枠62との間に多数の波板63が装架されている。波板63は交互に山部と谷部とが並んだジグザグ形状の断面を有し、各平坦部74にポケット部76が設けられている。そして湿り蒸気S1が矢印方向から湿分分離装置60に流入し、湿り蒸気S1に含まれる湿分が波板63の表面に付着する。そして波板63の表面に沿って湿り蒸気S1の流れ方向に流れる湿分は、ポケット部76に受け止められ、ポケット部76の内側に滞留する。
湿分分離装置60で湿分が除去された湿り蒸気S1は、乾き蒸気S2となり、別途設けられた加熱管群などの加熱手段(不図示)で加熱される。
山部と谷部とが交互に並んだジグザグ形状を有し、所定の間隔を隔てて配設されて前記湿り蒸気の蒸気流路を形成する複数の波板と、
前記波板に固定され、前記蒸気流路内における蒸気流の上流側に向かって延びて前記波板の山部を覆う捕集板とを備え、
前記捕集板と前記波板との間に設けられ、前記蒸気流の上流側に開口するポケット部が形成され、
前記ポケット部に連通するとともに上下方向に延びるドレンダクト部が、前記ポケット部の前記蒸気流の下流側に設けられたことを特徴とする。
前記捕集板と前記波板との間に形成される空間のうち、前記蒸気流の上流側の領域が前記ポケット部であり、前記蒸気流の下流側の領域が前記ドレンダクト部であることとしてもよい。
前記ドレン板は、水平に設けられ、又は前記蒸気流の下流側に向かって下方に傾斜するように設けられることとしてもよい。
さらに、ドレン板を水平に設けたり、又は蒸気流下流側に向けて下方に傾斜するように設けることで、ドレン板の湿分が逆流してポケット部から流路へ流出することを防止できる。
このように、ポケット部内に複数のドレン板を設けているため、波板を高くした場合でも、ポケット部内での液膜の厚さを抑制することで、湿分の再飛散を防止できる。
前記捕集板と前記波板との間に形成される空間が前記ポケット部であり、前記ダクト板と前記捕集板との間に形成される空間が前記ドレンダクト部であり、
前記ドレンダクト部は、前記捕集板を貫通するドレン穴を介して前記ポケット部に連通していることとしてもよい。
また、ドレンダクト部内に流入した湿分は、捕集板が設けられているため、再飛散しないので、湿分分離性能を向上させることができる。
前記ドレン板は、水平に設けられ、又は前記蒸気流の下流側に向かって下方に傾斜するように設けられることとしてもよい。
さらに、ドレン板を水平に設けたり、又は蒸気流下流側に向けて下方に傾斜するように設けることで、ドレン板の湿分が逆流してポケット部から流路へ流出することを防止できる。
前記ドレン穴は、各ドレン板の上面を前記ドレンダクト部に連通させるように複数設けられていることとしてもよい。
図1に示すように、胴板4内の上部を除いた軸方向中央部には、蒸気受入室6が形成され、蒸気受入室6には蒸気受入口8が形成されている。
各加熱器蒸気室22、24の分配室22a、24aには、加熱用の蒸気23、25が供給され、回収室22b、24bには、前記蒸気23、25が凝縮ドレンとなって排出するように構成されている。
高圧蒸気タービン等の上流機器から排出された蒸気Sが蒸気受入口8から胴板4内の蒸気受入室6内へ送給されると、該蒸気Sは、マニホールド室10内へ流入する。
マニホールド室10内へ流入した蒸気Sは、分配板12を介して湿分分離室14内の湿分分離装置16を流通することにより湿分を分離された後、加熱室36内へ流入する。
捕集板76には、ドレン板80の上面とドレンダクト部81の内部とを連通するドレン穴82が、ドレン板80とドレンダクト部81の交点周辺のドレン板80の上方に設けられている。つまり、ドレン穴82はドレン板80の傾斜最下部上面とドレンダクト部81内部を連通している。
また、ドレン板80よりも上方でポケット部77内に捕集された湿分は、ポケット部77内を流下してドレン板80上に到達すると、ドレン板80によってその流れ方向が変えられ、ドレン板80の傾斜と湿り蒸気S1に押されることによって、ドレン板80上を傾斜方向下方に向かって流れる。ドレン板80上を傾斜下方に向かって流れる湿分は、ドレン穴82に達するとドレン穴82よりダクト板78内のドレンダクト部81に入り、ドレンダクト部81内を最下部まで流下し、下方に設けられた溝65に流れ落ちて回収される。
図7〜図9に示すように、本実施形態の波板43は、平坦部74の下流側に位置する傾斜部72の上流側端部及び当該平坦部74を覆うように形成されて湿り蒸気流S1に向かって開口部を有する捕集板49を備えている。この捕集板49の基端部は、傾斜部72に固定されている。また、捕集板49は、基端部から先端側へ向かって複数の屈曲部を有して、全体として波板43本体の形状に沿うように形成されている。具体的には、基端部から先端側へ向かって波板43本体から離れる向きに屈曲し、所定の距離だけ波板43本体から離れたら傾斜部72に沿うように屈曲し、該屈曲箇所よりも上流側で平坦部74に沿うように屈曲し、さらに上流側で傾斜部72に沿うように屈曲している。
D=L/2 ・・・式(1)
なお、本実施形態では、境界位置75からドレンダクト部48の湿り蒸気流下流側端48aまでの長さDをちょうど傾斜部72の長さLの半分としたが、これに限定されるものではなく、境界位置75からドレンダクト部48の湿り蒸気流下流側端48aまでの長さDと、傾斜部72の長さLとが0≦D/L≦0.5の関係を満たすようにドレンダクト部48を設ければよい。
そして、ポケット部47内の湿分の一部は、ポケット部47内に流入する湿り蒸気S1に押されてドレンダクト部48に入り、液膜を形成する。一方、流路を通過する湿り蒸気流S1の大半は捕集板49の外側を進み下流側に流れる。
また、ポケット部47内を流下する湿分は、各ドレン板80上に到達すると、ドレン板80上を傾斜方向下方に向かって流れる。そして、ドレンダクト部48内に入り、ドレンダクト部48内を最下部まで流下し、溝65に流れ落ちて回収される。
また、捕集板49は、1枚の捕集板49から構成されているため、波板43本体への取付けの手間がかからず、かつ、安価に製作できる。
図10及び図11に示すように、本実施形態の波板54は、第二実施形態と同様に、捕集板49を備え、当該捕集板49と波板54本体との間には、ポケット部47及びドレンダクト部48が形成されている。また、ポケット部47内には複数のドレン板80が設けられている。
図14〜図16に示すように、本実施形態の波板53は、第二及び第三実施形態と同様に、捕集板49を備え、捕集板49と波板53本体との間には、ポケット部47及びドレンダクト部48が形成されている。また、ポケット部47内には複数のドレン板80が設けられている。
仕切壁59の側面にはドレン板80の端部が接続されている。ドレン板80の上方で、仕切壁59にドレン板80の上面とドレンダクト部48の内部とを連通するドレン穴82が設けられている。
また、各ドレン板80よりも上方でポケット部47内に捕集された湿分は、ポケット部47内を流下して各ドレン板80上に到達すると、第一実施形態と同様に、各ドレン板80上を傾斜方向下方に向かって流れて、ドレン穴82に達するとドレン穴82よりドレンダクト部48内に入り、ドレンダクト部48内を最下部まで流下し、下方に設けられた溝65に流れ落ちて回収される。
また、ポケット部47とドレンダクト部48とは仕切壁59にて仕切られているため、ドレンダクト部48内に流入した湿分がポケット部47を介して流路に逆流し、再飛散することを抑制することができる。従って、波板53の高さを高くしても湿分の再飛散による湿分分離の性能低下を抑制することができる。
図18に示すように、本実施形態の波板103は、平坦部74を覆うように形成されて湿り蒸気流S1に向かって開口部を有する捕集板109と、捕集板109に外接するダクト板101と、ドレン板80とを備えている。
そして、ドレンダクト部108とポケット部107とは捕集板109にて仕切られている。この捕集板109にはドレン穴82が設けられており、ポケット部107内に設けられたドレン板80の傾斜最下部上面とドレンダクト部108内部とはドレン穴82にて連通している。
上述した構成からなる波板111に沿って湿り蒸気S1が流れると、ポケット部112内に湿分が捕集されて、ポケット部112内を流下する。
そして、上述したように、実施例の波板103及び従来例の波板111を用いた場合の湿り蒸気S1の流速についてそれぞれCFD解析を行った。
図20に示すように、従来例の場合、捕集板110に沿って流速の小さい区域、すなわち流れの剥離域(図中点線枠内部分)が流路内に生じていることがわかる。この流れの剥離域は、捕集板110が設けられた位置の下流域まで広がっている。
従って、上述した第1〜第4実施形態においても、本実施形態のドレンダクト部108と同様に、ドレンダクト部48、81を設けたことによる流れの損失はほとんどないと考えられる。
図22は、本発明の湿分分離装置が適用される湿式電気集塵器の構成図である。このような湿式電気集塵器は例えば燃料ガス焚ガスタービンコンバインドサイクルシステムにおいて、その燃料ガスの湿分を除塵するため等に使用される。
16 湿分分離装置
36 加熱室
43 波板
47 ポケット部
48 ドレンダクト部
48a 湿り蒸気流下流側端
49 捕集板
52 逆流防止部材
52a 凹部
53 波板
54 波板
59 仕切壁
60 湿分分離装置
61 上部枠
62 下部枠
63 波板
65 溝
72 傾斜部
73 突出部材
74 平坦部
75 境界位置
76 捕集板
77 ポケット部
78 ダクト板
80 ドレン板
81 ドレンダクト部
82 ドレン穴
90 湿式電気集塵器
96 湿分分離装置
101 ダクト板
103 波板
107 ポケット部
108 ドレンダクト部
108a 湿り蒸気流下流側端
109 捕集板
110 従来例の捕集板
111 従来例の波板
112 従来例のポケット部
Claims (10)
- 湿り蒸気から湿分を分離する湿分分離装置であって、
山部と谷部とが交互に並んだジグザグ形状を有し、所定の間隔を隔てて配設されて前記湿り蒸気の蒸気流路を形成する複数の波板と、
前記波板に固定され、前記蒸気流路内における蒸気流の上流側に向かって延びて前記波板の山部を覆う捕集板とを備え、
前記捕集板と前記波板との間に設けられ、前記蒸気流の上流側に開口するポケット部が形成され、
前記ポケット部に連通するとともに上下方向に延びるドレンダクト部が、前記ポケット部の前記蒸気流の下流側に設けられたことを特徴とする湿分分離装置。 - 前記捕集板は、前記波板の山部よりも前記蒸気流の下流側において前記波板に固定されており、
前記捕集板と前記波板との間に形成される空間のうち、前記蒸気流の上流側の領域が前記ポケット部であり、前記蒸気流の下流側の領域が前記ドレンダクト部であることを特徴とする請求項1に記載の湿分分離装置。 - 前記波板の山部から谷部までの長さをLとし、前記山部から前記捕集板の固定位置までの長さをDとしたとき、0≦D/L≦0.5の関係が成立することを特徴とする請求項2に記載の湿分分離装置。
- 前記捕集板と前記波板との間に設けられ、前記ポケット部に捕集した湿分を前記ドレンダクト部に導くドレン板をさらに備え、
前記ドレン板は、水平に設けられ、又は前記蒸気流の下流側に向かって下方に傾斜するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の湿分分離装置。 - 前記ドレン板は、前記ポケット部の高さ方向に複数設けられていることを特徴とする請求項4に記載の湿分分離装置。
- 前記捕集板の外表面に取り付けられ、上下方向に延びるダクト板をさらに備え、
前記捕集板と前記波板との間に形成される空間が前記ポケット部であり、前記ダクト板と前記捕集板との間に形成される空間が前記ドレンダクト部であり、
前記ドレンダクト部は、前記捕集板を貫通するドレン穴を介して前記ポケット部に連通していることを特徴とする請求項1に記載の湿分分離装置。 - 前記捕集板と前記波板との間に設けられ、前記ポケット部に捕集した湿分を前記ドレン穴を介して前記ドレンダクト部に導くドレン板をさらに備え、
前記ドレン板は、水平に設けられ、又は前記蒸気流の下流側に向かって下方に傾斜するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の湿分分離装置。 - 前記ドレン板は、前記ポケット部の高さ方向に複数設けられており、
前記ドレン穴は、各ドレン板の上面を前記ドレンダクト部に連通させるように複数設けられていることを特徴とする請求項7に記載の湿分分離装置。 - 前記複数のドレン板は、前記ポケット部を高さ方向に均等に分割するように設けられていることを特徴とする請求項5又は8に記載の湿分分離装置。
- 前記ポケット部に設けられ、前記ポケット部から前記蒸気流路に向かう湿分の逆流を防止する逆流防止部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の湿分分離装置。
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