JPH06222190A - 蒸気乾燥器及び気水分離システム並びに湿分分離器 - Google Patents

蒸気乾燥器及び気水分離システム並びに湿分分離器

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JPH06222190A
JPH06222190A JP5303963A JP30396393A JPH06222190A JP H06222190 A JPH06222190 A JP H06222190A JP 5303963 A JP5303963 A JP 5303963A JP 30396393 A JP30396393 A JP 30396393A JP H06222190 A JPH06222190 A JP H06222190A
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JP5303963A
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Goro Aoyama
吾朗 青山
Hisashi Soma
尚志 相馬
Terufumi Kawasaki
照文 河崎
Iwao Yokoyama
巌 横山
Shunji Nakao
俊次 中尾
Tsutomu Kawamura
勉 河村
Yoshinori Saito
義則 齋藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】圧力損失を大幅に増やさず液滴捕集量を増やし
全体の性能向上を図れる蒸気乾燥器及びこれを用いた気
水分離システム並びに湿分分離器を提供する。 【構成】湿り蒸気12の流れはフードプレート15で誘
導され、湿り蒸気12の流量配分を行う多孔板16aを
介し流入し、湿り蒸気12中の液滴は複数の板17で捕
集される。板17の下方に配置されたドレンとい18で
液滴を収集し、ドレンとい18に接続されるドレン管1
9で液滴を排出する。多孔板16aの開口部21のフー
ドプレート15側に突起21aを設けるので、開口部2
1付近で蒸気流によって再飛散しキャリーオーバするこ
とを抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば沸騰水型原子力
プラントの気水分離システムに係わり、特に、蒸気乾燥
器及びこれを用いた気水分離システム並びに湿分分離器
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子炉用気水分離シス
テムは、原子炉炉心で発生した水・蒸気混合物に遠心力
を与えて蒸気と水とに分離する気水分離器と、気水分離
器を出た液滴等の水分を含んだ湿り蒸気から液滴を除去
する蒸気乾燥器とから成る。これらの気水分離システム
で水分を除去された蒸気は、管路を通して輸送され、蒸
気駆動タービンやその他の装置において利用される。
【0003】沸騰水型原子炉において、冷却材である水
は炉心を形成する燃料集合体を通過する際に加熱されて
蒸気・水の混合物となる。この蒸気・水の混合物から蒸
気を分離するために、炉心上部プレナムを覆うシュラウ
ドヘッド上方に機械的な気水分離器が取付けられてい
る。気水分離器は螺旋状の羽根によって蒸気・水の混合
物を旋回させ、密度の高い水は遠心力の作用によって気
水分離器の外周部に集められる。その後この水は、外周
部に設けられた分離水の下降流路を経て下方のプール内
に入りダウンカマ内に再流入する。
【0004】一方、気水分離器の頂部から放出された液
滴を含む湿り蒸気は、湿り蒸気プレナムを経て波板式ベ
ーンを備えた蒸気乾燥器へと導かれる。湿り蒸気はフー
ドプレートにより、湿り蒸気の流量を配分する多孔板を
介して波板式ベーンへと導かれ、液滴と蒸気との慣性力
の差を利用して、慣性力の大きい液滴を波板式ベーン上
に衝突させて捕集される。そしてこの液滴はドレンとい
によって収集され、ドレンパイプを介し排出されてダウ
ンカマへと導かれる。
【0005】沸騰水型原子炉用の気水分離システムの公
知技術としては、以下のものがある。 特開平2−281194号公報 この公知技術は、湿り蒸気プレナム内に移送する湿り蒸
気に対し、機械的気水分離器の他に蒸気収集ユニットを
付加して設けることにより、効果的に蒸気を発生させる
とともに気水分離過程における圧力損失を低減するもの
である。 特開平2−102489号公報 この公知技術は、下端が気液二相界面近傍に開口し上端
が蒸気乾燥器と直結懸架された気水分離器を用いること
により、気水分離器の性能を損なわずに圧力損失低減を
図るものである。
【0006】また、蒸気乾燥器と同様に湿り蒸気中の液
滴を除去する目的で高圧タービンと低圧タービン間に設
置される湿分分離器においても、上記の蒸気乾燥器と同
様の波板式ベーンが用いられている。これらの波板式ベ
ーンの構造に関して、以下の公知技術がある。 実開昭60−165018号公報 この公知技術は、波板の各波形を平板を継ぎ合わせた構
成とすることにより、波板の角度と山数を自由に変える
ことのできる波板構造を提供するものである。 実開昭62−35612号公報 この公知技術は、波板の曲がり部を2段に屈折させて形
成した平板部の外側に液分離板を設置して液捕集ポケッ
トを形成することにより、圧力損失を低減しつつ捕集能
力の向上を図るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、気水分離シス
テムを構成する気水分離器及び蒸気乾燥器の性能は、そ
れぞれの水分除去機能と圧力損失との2つのパラメータ
によって表される。すなわち、気水分離器においては水
の分離量が多いほどまた圧力損失が小さいほど性能がよ
く、また同様に蒸気乾燥器においても液滴の捕集量が多
いほどまた圧力損失が小さいほど性能がよい。
【0008】ここで、蒸気乾燥器の性能のうちの液滴捕
集量に関し、捕集量が減少することとなる主たる要因と
して以下の3つがある。 a)多孔板における再飛散 波板式ベーンへの入口部に設けられた整流用の多孔板に
液滴が付着し液膜となって流下する際に、開口部付近で
蒸気流にあおられて再飛散することにより、波板式ベー
ン中におけるキャリーオーバ量が増大する。 b)粒径依存性 液滴には大小さまざまの粒径のものが混在しており、相
対的に大きな粒径のものほど捕集されやすいが、相対的
に小さな粒径のものは捕集されにくくキャリーオーバ状
態で蒸気流に乗ったまま蒸気乾燥機外に排出される。 c)捕集流路からの再飛散 a)と同様、捕集流路において波板に衝突し捕集された
液滴が液膜を形成し、ドレンといに向かって波板上を流
下する際蒸気流中の液滴が入射することによって再飛散
することにより、キャリーオーバ量が増大する。したが
って、上記a)〜c)のいずれか1つが改善されれば、
蒸気乾燥器の液滴捕集量が増加することになる。但し、
前述のように、蒸気乾燥器の性能は液滴捕集量と圧力損
失との2つのパラメータで評価されるので、このとき圧
力損失が大幅に増加しないことが性能向上のための条件
となる。
【0009】以上の観点から考えた場合に、上記公知技
術には以下の課題が存在する。すなわち、公知技術
の気水分離システムにおいては、気水分離器の性能向上
(水の分離量を維持しつつ圧力損失を低減すること)の
みが図られており、蒸気乾燥器の性能向上(液滴の捕集
量増加又は圧力損失の低減)は図られていない。
【0010】また公知技術の波板においては、波板の
角度が可変となる構造であるが、この角度と液滴捕集量
との関係が考察されておらず、液滴捕集量を増加させる
ための具体的手段が開示されていない。また公知技術
の波板においては、上記c)に関する液滴捕集量増加が
図られているものの、ポケット部における再飛散のみが
考慮されそれ以外の部分における再飛散が配慮されてお
らず、流路における再飛散抑制の手段としては不十分で
ある。
【0011】本発明の第1の目的は、圧力損失を大幅に
増加させることなく液滴捕集量を増加させ、全体として
の性能向上を図れる蒸気乾燥器及びこれを用いた気水分
離システム並びに湿分分離器を提供することである。
【0012】本発明の第2の目的は、多孔板における再
飛散を抑制することにより液滴捕集量の増加を図れる蒸
気乾燥器及びこれを用いた気水分離システム並びに湿分
分離器を提供することである。
【0013】本発明の第3の目的は、相対的に小径であ
る液滴の捕集を可能とすることにより液滴捕集量の増加
を図れる蒸気乾燥器及びこれを用いた気水分離システム
並びに湿分分離器を提供することである。
【0014】本発明の第4の目的は、捕集流路における
再飛散を十分に抑制することにより液滴捕集量の増加を
図れる蒸気乾燥器及びこれを用いた気水分離システム並
びに湿分分離器を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第3の目的
を達成するために、本発明の第1の概念によれば、供給
された湿り蒸気中の液滴が捕集される少なくとも一部分
が曲折した複数の捕集流路を備えた蒸気乾燥器エレメン
トが複数個設けられている蒸気乾燥器において、前記蒸
気乾燥器エレメントは、前記捕集流路の上流部分に設け
られ前記湿り蒸気中の相対的に大きな液滴を捕集する第
1の捕集手段と、前記捕集流路の下流部分に設けられ相
対的に小さな液滴を捕集する第2の捕集手段とを有する
ことを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0016】また、上記第1及び第3の目的を達成する
ために、本発明の第2の概念によれば、供給された湿り
蒸気中の液滴が捕集される少なくとも一部分が曲折した
複数の捕集流路を備えた第1及び第2の蒸気乾燥モジュ
ールを有しかつ前記第1の蒸気乾燥モジュールの下流側
に前記第2の蒸気乾燥モジュールが直列に接続されて一
連の流路をなす蒸気乾燥器エレメントが、複数個設けら
れている蒸気乾燥器において、前記第1の蒸気乾燥モジ
ュールは前記湿り蒸気中の相対的に大きな液滴を捕集す
る第1の捕集手段を有し、かつ前記第2の蒸気乾燥モジ
ュールは相対的に小さな液滴を捕集する第2の捕集手段
を有することを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0017】さらに、上記第1及び第3の目的を達成す
るために、本発明の第3の概念によれば、供給された湿
り蒸気中の液滴が捕集される少なくとも一部分が曲折し
た複数の捕集流路を備えた少なくとも1組の蒸気乾燥モ
ジュールを有しかつ供給された湿り蒸気を除湿する一連
の流路をなす蒸気乾燥器エレメントが、複数個設けられ
ている蒸気乾燥器において、前記蒸気乾燥器エレメント
のそれぞれは、前記一連の流路の上流部分に設けられ前
記湿り蒸気中の相対的に大きな液滴を捕集する第1の捕
集手段と、前記一連の流路の下流部分に設けられ相対的
に小さな液滴を捕集する第2の捕集手段とを有すること
を特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0018】また、上記第1及び第3の目的を達成する
ために、本発明の第4の概念によれば、湿り蒸気の流れ
を誘導する流路を形成する誘導手段と、前記誘導手段に
より導かれた湿り蒸気の流量配分を行う整流手段と、前
記整流手段を介し供給された湿り蒸気中の液滴が捕集さ
れる少なくとも一部分が曲折した複数の捕集流路を備え
た蒸気乾燥器エレメントが複数個設けられている蒸気乾
燥器において、前記蒸気乾燥器エレメントは、前記捕集
流路の上流部分に設けられ前記湿り蒸気中の相対的に大
きな液滴を捕集する第1の捕集手段と、前記捕集流路の
下流部分に設けられ相対的に小さな液滴を捕集する第2
の捕集手段とを有することを特徴とする蒸気乾燥器が提
供される。
【0019】さらに、上記第1及び第3の目的を達成す
るために、本発明の第5の概念によれば、湿り蒸気の流
れを誘導する流路を形成する誘導手段と、前記誘導手段
により導かれた湿り蒸気の流量配分を行う整流手段と、
前記整流手段を介し供給された湿り蒸気中の液滴が捕集
される少なくとも一部分が曲折した複数の捕集流路を備
えた第1及び第2の蒸気乾燥モジュールを有しかつ前記
第1の蒸気乾燥モジュールの下流側に前記第2の蒸気乾
燥モジュールが直列に接続されて一連の流路をなす蒸気
乾燥器エレメントが、複数個設けられている蒸気乾燥器
において、前記第1の蒸気乾燥モジュールは前記湿り蒸
気中の相対的に大きな液滴を捕集する第1の捕集手段を
有し、かつ前記第2の蒸気乾燥モジュールは相対的に小
さな液滴を捕集する第2の捕集手段を有することを特徴
とする蒸気乾燥器が提供される。
【0020】また、上記第1及び第3の目的を達成する
ために、本発明の第6の概念によれば、湿り蒸気の流れ
を誘導する流路を形成する誘導手段と、前記誘導手段に
より導かれた湿り蒸気の流量配分を行う整流手段と、前
記整流手段を介し供給された湿り蒸気中の液滴が捕集さ
れる少なくとも一部分が曲折した複数の捕集流路を備え
た少なくとも1組の蒸気乾燥モジュールを有しかつ供給
された湿り蒸気を除湿する一連の流路をなす蒸気乾燥器
エレメントが、複数個設けられている蒸気乾燥器におい
て、前記蒸気乾燥器エレメントのそれぞれは、前記一連
の流路の上流部分に設けられ前記湿り蒸気中の相対的に
大きな液滴を捕集する第1の捕集手段と、前記一連の流
路の下流部分に設けられ相対的に小さな液滴を捕集する
第2の捕集手段とを有することを特徴とする蒸気乾燥器
が提供される。
【0021】好ましくは、前記蒸気乾燥器において、前
記複数の捕集流路は、少なくとも一部分が曲折した複数
の板状部材によって形成されていることを特徴とする蒸
気乾燥器が提供される。
【0022】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記捕集流路は、互いに平行に配置されたジグザグ
形状の複数の波板によって形成されていることを特徴と
する蒸気乾燥器が提供される。
【0023】さらに好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における蒸
気流の速度を、前記第1の位置における蒸気流の速度よ
りも大きくする手段であることを特徴とする蒸気乾燥器
が提供される。
【0024】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
記捕集流路の断面積を、前記第1の位置における前記捕
集流路の断面積よりも小さくする手段であることを特徴
とする蒸気乾燥器が提供される。
【0025】さらに好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
記捕集流路の水平方向の幅を、前記第2の位置における
前記捕集流路の水平方向の幅よりも狭くする手段である
ことを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0026】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
記捕集流路の水平方向の幅を前記第1の位置における前
記捕集流路の水平方向の幅と同一とするとともに、前記
第2の位置における前記捕集流路の数を前記第1の位置
における前記捕集流路の数よりも少なくする手段である
ことを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0027】さらに好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
記捕集流路を形成する複数の板状部材のそれぞれの間隔
を前記第1の位置における前記捕集流路を形成する複数
の板状部材のそれぞれの間隔と同一とするとともに、前
記第2の位置における前記板状部材の数を前記第1の位
置における前記板状部材の数よりも少なくする手段であ
ることを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0028】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、前記第2の捕集手段が設け
られている第2の蒸気乾燥モジュールの前記捕集流路の
流れ方向と直交する方向における幅を、前記第1の蒸気
乾燥モジュールの前記捕集流路の流れ方向と直交する方
向における幅よりも狭くすることを特徴とする蒸気乾燥
器が提供される。
【0029】さらに好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
記捕集流路の上下方向の高さを、前記第2の位置におけ
る前記捕集流路の上下方向の高さよりも小さくする手段
であることを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0030】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
られた第1の位置における1つの捕集流路を、前記第1
の位置よりも下流側の第2の位置において流れ方向に2
つの捕集流路に分割する手段であることを特徴とする蒸
気乾燥器が提供される。
【0031】さらに好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第1の蒸気乾燥モジュールは複数組設けられて
おり、かつ、前記第2の捕集手段は、複数組の前記第1
の蒸気乾燥モジュールの下流側に1つの前記第2の蒸気
乾燥モジュールを直列に接続することにより、前記第2
の蒸気乾燥モジュールの前記第2の捕集手段が設けられ
た第2の位置における蒸気流の速度を前記第1の蒸気乾
燥モジュールの前記第1の捕集手段が設けられた第1の
位置における蒸気流の速度よりも大きくする手段である
ことを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0032】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、流れ方向に向かって前記捕
集流路の上下方向の高さが減少するように前記捕集流路
内に流れ方向に傾斜して配接された仕切板であることを
特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0033】さらに好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記捕集流路内には前記捕集流路内に突出して液滴
を捕集する複数のポケットが設けられており、かつ、前
記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設けられた
第1の位置よりも下流側の第2の位置に設けられた前記
ポケットの水平断面における幅を、前記第1の位置に設
けられた前記ポケットの水平断面における幅よりも広く
する手段であることを特徴とする蒸気乾燥器が提供され
る。
【0034】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記捕集流路内には前記捕集流路内に突出して液滴
を捕集するポケットを形成する複数の略L字型部材が設
けられており、かつ、前記第2の捕集手段は、前記第1
の捕集手段が設けられた第1の位置よりも下流側の第2
の位置に設けられた前記略L字型部材の前記捕集流路へ
の突出長さを、前記第1の位置に設けられた前記略L字
型部材の前記捕集流路への突出長さよりも大きくする手
段であることを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0035】さらに好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記捕集流路内には前記捕集流路内に突出して流れ
を制限する複数の絞り部材が設けられており、かつ、前
記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設けられた
第1の位置よりも下流側の第2の位置に設けられた前記
絞り部材の水平断面における厚さを、前記第1の位置に
設けられた前記絞り部材の水平断面における厚さよりも
厚くする手段であることを特徴とする蒸気乾燥器が提供
される。
【0036】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
記捕集流路を形成する複数の板状部材のそれぞれの中心
線間隔を前記第1の位置における前記捕集流路を形成す
る複数の板状部材のそれぞれの中心線間隔と同一とする
とともに、前記第2の位置における前記板状部材の厚さ
を前記第1の位置における前記板状部材の厚さよりも厚
くすることを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0037】さらに好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記捕集流路は互いに平行に配置されたジグザグ形
状の複数の波板によって形成されており、かつ、前記第
2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設けられた第1
の位置よりも下流側の第2の位置における前記波板の曲
がり部のなす角度を、前記第1の位置における前記波板
の曲がり部のなす角度よりも小さくする手段であること
を特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0038】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記捕集流路内に突出して液滴を捕集するポケット
を形成する複数の略L字型部材が前記波板の曲がり部に
設けられていることを特徴とする沸蒸気乾燥器が提供さ
れる。
【0039】さらに、上記第1及び第4の目的を達成す
るために、本発明の第7の概念によれば、供給された湿
り蒸気中の液滴が捕集される複数の捕集流路を備えた蒸
気乾燥器において、前記捕集流路は、それぞれが複数箇
所の凹凸部を備えかつ互いに平行に配置されたジグザグ
形状の複数の波板によって形成されていることを特徴と
する蒸気乾燥器が提供される。
【0040】また、上記第1及び第4の目的を達成する
ために、本発明の第8の概念によれば、湿り蒸気の流れ
を誘導する誘導手段と、前記誘導手段により導かれ供給
された湿り蒸気中の液滴が捕集される複数の捕集流路と
を有する蒸気乾燥器において、前記捕集流路はジグザグ
形状の複数の波板によって形成されるとともに高さ方向
に複数段に分割されており、かつ、前記複数段のそれぞ
れの段は、前記複数の波板の下方に位置し前記複数の波
板で捕集された液滴を収集する収集手段と、前記収集手
段で収集された液滴を排出する排出手段とを有すること
を特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0041】好ましくは、前記蒸気乾燥器において、前
記複数の波板のそれぞれは互いに平行に配置されてジグ
ザグ形状の前記捕集流路を形成しているとともに、前記
それぞれの波板に設けられた複数の曲がり部のそれぞれ
のなす角度はすべて同一であり、かつ、前記複数段のそ
れぞれの段における前記曲がり部のなす角度は最下段が
最小であり上段になるほど大きくなるように構成されて
いることを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0042】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記複数の波板のそれぞれは、互いに平行に配置さ
れてジグザグ形状の前記捕集流路を形成するとともに複
数箇所の凹凸部を備えていることを特徴とする蒸気乾燥
器が提供される。
【0043】さらに好ましくは、上記第1及び第3並び
に第4の目的を達成するために、前記蒸気乾燥器におい
て、前記複数の波板のそれぞれは互いに平行に配置され
てジグザグ形状の前記捕集流路を形成しており、かつ、
前記それぞれの波板に設けられた複数の曲がり部のそれ
ぞれのなす角度は、流れ方向に下流側の位置であるほど
小さくなっていることを特徴とする蒸気乾燥器が提供さ
れる。
【0044】また、上記第1及び第2の目的を達成する
ために、本発明の第9の概念によれば、湿り蒸気の流れ
を誘導する流路を形成する誘導手段と、複数の開口部を
有し前記誘導手段により導かれた湿り蒸気の流量配分を
行う整流手段と、前記整流手段を介し供給された湿り蒸
気中の液滴が捕集される複数の捕集流路を形成する少な
くとも一部分が曲折した複数の板状部材とを有する蒸気
乾燥器において、前記複数の開口部のうち少なくとも1
つの開口部の前記誘導手段側に、前記1つの開口部の外
周を取り囲む突起を設けたことを特徴とする蒸気乾燥器
が提供される。
【0045】好ましくは、前記蒸気乾燥器において、前
記複数の板状部材の下方に位置し前記捕集された液滴を
収集する第1の収集手段と、前記整流手段の下方に位置
し前記整流手段を流下する液膜を収集する第2の収集手
段とを設けたことを特徴とする蒸気乾燥器が提供され
る。
【0046】また好ましくは、前記蒸気乾燥器におい
て、前記複数の板状部材の下方に位置し前記捕集された
液滴を収集する第1の収集手段と、前記整流手段の下方
に位置し前記整流手段を流下する液膜を収集する第2の
収集手段と、前記第1の収集手段と前記第2の収集手段
とに接続され前記収集された液滴を排出する排出手段と
を設けたことを特徴とする蒸気乾燥器が提供される。
【0047】さらに好ましくは、上記第1〜第3の目的
を達成するために、前記蒸気乾燥器において、前記複数
の板状部材のそれぞれは互いに平行に配置されてジグザ
グ形状の前記捕集流路を形成する波板であり、かつ、前
記それぞれの波板に設けられた複数の曲がり部のそれぞ
れのなす角度は、流れ方向に下流側の位置であるほど小
さくなっていることを特徴とする蒸気乾燥器が提供され
る。
【0048】また好ましくは、前記第1及び第2並びに
第4の目的を達成するために、前記蒸気乾燥器におい
て、前記複数の板状部材のそれぞれは、互いに平行に配
置されてジグザグ形状の前記捕集流路を形成するととも
に複数箇所の凹凸部を備えた波板であることを特徴とす
る蒸気乾燥器が提供される。
【0049】さらに上記第1〜第4の目的を達成するた
めに、本発明の第10の概念によれば、気水分離器より
供給された湿り蒸気から液滴を除去する蒸気乾燥器にお
いて、重量パーセントで10%を超える含水率の湿り蒸
気を取り入れて、重量パーセントで0.1%以下の含水
率の蒸気を放出する液滴捕集手段を有することを特徴と
する蒸気乾燥器が提供される。
【0050】また、上記第1〜第4の目的を達成するた
めに、本発明の第11の概念によれば、炉心で発生した
水・蒸気の混合物を蒸気と水とを分離する気水分離器
と、前記気水分離器から出た湿り蒸気から液滴を除去す
る蒸気乾燥器とを有する気水分離システムにおいて、前
記蒸気乾燥器は、上記蒸気乾燥器であることを特徴とす
る気水分離システムが提供される。
【0051】さらに、上記第1〜第4の目的を達成する
ために、本発明の第12の概念によれば、炉心で発生し
た水・蒸気の混合物を蒸気と水とに分離する気水分離器
と、前記気水分離器より供給された湿り蒸気から液滴を
除去する蒸気乾燥器とを有する気水分離システムにおい
て、前記気水分離器は、重量パーセントで10%を超え
る含水率の前記湿り蒸気を送出しつつ圧力損失を低減す
る圧力損失低減手段を有し、かつ、前記蒸気乾燥器は、
重量パーセントで10%を超える含水率の湿り蒸気を取
り入れて重量パーセントで0.1%以下の含水率の蒸気
を放出する液滴捕集手段を有することを特徴とする気水
分離システムが提供される。
【0052】また、上記第1及び第3の目的を達成する
ために、本発明の第13の概念によれば、相互に所定の
間隔を隔てて配設されジグザグ形状の流路を形成する複
数の波板を有する波板型の湿分分離器において、前記複
数の波板のそれぞれに設けられた複数の曲がり部のそれ
ぞれのなす角度は、流れ方向に下流側の位置であるほど
小さくなっていることを特徴とする湿分分離器が提供さ
れる。
【0053】好ましくは、前記湿分分離器において、前
記曲がり部に、前記流路内に突出して液滴を捕集するポ
ケットを形成する略L字型部材が設けられていることを
特徴とする湿分分離器が提供される。
【0054】さらに、上記第1及び第4の目的を達成す
るために、本発明の第14の概念によれば、相互に所定
の間隔を隔てて配設されジグザグ形状の流路を形成する
複数の波板を有する波板型の湿分分離器において、前記
複数の波板のそれぞれは、互いに平行に配置されてジグ
ザグ形状の前記捕集流路を形成するとともに複数箇所の
凹凸部を備えていることを特徴とする湿分分離器が提供
される。
【0055】
【作用】以上のように構成した本発明の第1〜第6の概
念の蒸気乾燥器においては、第1の捕集手段で相対的に
大きな液滴を捕集し、下流側の第2の捕集手段で相対的
に小さな液滴を捕集する。すなわち、捕集流路では、一
般に慣性力の大きい粒子ほど旋回半径が大きく小回りで
きない、すなわち壁面に衝突しやすいという性質を利用
し、液滴と蒸気との慣性力の差を利用して液滴のみの捕
集を行うが、この液滴の有する慣性力の大きさは、液滴
粒径の2乗・蒸気流速の3乗に比例し流路の曲率半径に
反比例する。よって、流路の全区間において蒸気流の速
度・流路の曲率半径が同じであれば、捕集できる液滴は
液滴の粒径のみに依存し、相対的に大きな液滴は捕集さ
れる(第1の捕集手段)が一方で相対的に小さな液滴は
捕集されず通過してしまう。しかしながら、このとき流
路の下流部分において、蒸気流の速度を増加させ又は流
路の曲率半径を小さくし慣性力を増加させる手段あるい
は流路構成を変えて直接液滴の相対的旋回半径を大きく
する手段(第2の捕集手段)を設けることにより、この
ような相対的に小さな液滴であっても捕集流路壁面に衝
突させて捕集することができる。またこのとき、上流下
流の全区間にわたってかかる手段を設ける場合には大幅
な圧力損失を招く。しかしながら本発明においてはかか
る手段を下流部分にのみ設ける(第2の捕集手段)こと
により圧力損失の増加はわずかで済む。よって、圧力損
失を大幅に増加させることなく液滴捕集量を増加させる
ことができる。さらに上流下流の全区間にわたってかか
る手段を設ける場合には、専ら上流側で液滴が捕集され
ることから捕集液滴による液膜が成長し、蒸気流中に液
滴が再飛散するおそれがある。しかしながら本発明にお
いてはかかる手段を下流部分にのみ設ける(第2の捕集
手段)ことにより、相対的に大きな液滴は上流側へ相対
的に小さな液滴は下流側へと分離して捕集されるので、
かかる再飛散が抑制される。
【0056】このような第2の捕集手段の構成例とし
て、蒸気流の速度を増加させる例としては、捕集流路の
断面積を小さくする構成がある。ひとつの捕集流路内に
第1の捕集手段と第2の捕集手段とを設ける場合におい
ては、捕集流路の水平方向の幅を狭くする構成、捕集流
路の上下方向の高さを小さくする構成があり、さらにそ
のための具体的構成として、捕集流路内に仕切板を設け
る構成、捕集流路内の液滴捕集ポケットの幅を広くする
又は略L字型部材の突出長さを大きくする構成、捕集流
路内の絞り部材の厚さを厚くする構成、同一間隔の板状
部材の厚さを厚くする構成がある。第1の蒸気乾燥モジ
ュールに第1の捕集手段を設けその下流側の第2の蒸気
乾燥モジュールに第2の捕集手段を設ける場合において
は、前述のものに加えて、捕集流路の断面積を小さくす
る構成として下流側の第2の蒸気乾燥モジュールで同一
幅の捕集流路数又は同一間隔の板状部材数又は蒸気乾燥
モジュール幅自体を減らす構成があり、その他に蒸気流
の速度を増加させる例として、上流側の複数の第1の蒸
気乾燥モジュールの下流側に1つの第2の蒸気乾燥モジ
ュールを直列に接続する構成がある。また、捕集流路の
断面積を小さくして相対的に蒸気流の速度を増加させる
とともに流路の曲率半径を小さくする例としては、ひと
つの捕集流路内に第1・第2の捕集手段を設ける場合と
第1・第2の蒸気乾燥モジュールにそれぞれ第1・第2
の捕集手段を設ける場合との両方の場合において、波板
の曲がり部のなす角度を下流側で小さくする構成(さら
に液滴捕集ポケットを形成する略L字型部材を設ける場
合を含む)がある。さらに、液滴の相対的旋回半径を大
きくする例としては、ひとつの捕集流路内に第1の捕集
手段と第2の捕集手段とを設ける場合で、1つの捕集流
路を流れ方向に2つの捕集流路に分割する構成がある。
また以上における捕集流路の構成例として、少なくとも
一部分が曲折した複数の板状部材によって形成される
例、互いに平行に配置されたジグザグ形状の複数の波板
によって形成される例がある。
【0057】また、本発明の第7の概念の蒸気乾燥器に
おいては、捕集流路が、複数箇所の凹凸部を備えた複数
の波板によって形成されていることにより、捕集された
液滴によって波板上に形成される液膜の厚さ分布を調整
する。すなわち、飛来してきた液滴が波板上の液膜に入
射することにより液膜が液滴として再飛散する量は、液
膜厚さ=入射液滴径のときに最も多くなるが、波板に設
けられた凹凸部において、凹部に形成される液膜厚さは
入射液滴径よりも大きく凸部に形成される液膜厚さは小
さくなり、凹部からも凸部からも液滴の再飛散が抑制さ
れるので、結果として、凹部(ポケット部)からの再飛
散のみを抑制する従来技術よりも十分に捕集流路におけ
る再飛散を抑制しこれによるキャリーオーバを抑制する
ことができる。
【0058】さらに、本発明の第8の概念の蒸気乾燥器
においては、複数の捕集流路を高さ方向に複数段に分割
するとともに、各段に設けられた収集手段で液滴を収集
し、排出手段でこれらの液滴を排出することにより、各
段における波板で捕集され波板上を流下する液膜は長距
離を流下することなく、比較的短い距離を流下するだけ
で素早くその段の収集手段に収集され排出手段で排出さ
れる。すなわち、波板を流下中に蒸気流中の液滴が入射
することで再飛散しキャリーオーバするのを抑制でき
る。
【0059】また、波板の曲がり部のなす角度を上段ほ
ど大きくすることにより、蒸気流の導入方向に近い下段
は蒸気流に対する入口抵抗が大きい一方、蒸気流の導入
方向から遠い上段は蒸気流に対する入口抵抗が小さく湿
り蒸気が導かれやすくなるので、高さ方向の流量配分の
均一化を図ることができる。さらに、波板の曲がり部の
なす角度を流れ方向に下流側ほど小さくすることによ
り、相対的に蒸気流の速度を増加させるとともに流路の
曲率半径を小さくして液滴の慣性力を増加させ、下流側
では、上流側波板で捕集できなかった小径の液滴の捕集
をも可能となる。また、波板に複数箇所の凹凸部が設け
られていることにより、凹部又は凸部に形成される液膜
の厚さ分布を調整し、捕集流路からの液滴の再飛散を十
分に抑制する。
【0060】さらに、本発明の第9の概念の蒸気乾燥器
においては、整流手段の開口部の誘導手段側に突起を設
けることにより、整流手段に付着した液滴が液膜となっ
て流下する際に、開口部付近で再飛散しキャリーオーバ
するのを抑制する。
【0061】また、複数の板状部材で捕集された液滴は
下方の第1の収集手段によって収集されるとともに、整
流手段を流下する液膜は下方の第2の収集手段によって
収集され、これらは、第1の収集手段及び第2の収集手
段に接続する排出手段によって排出される。さらに、波
板の曲がり部のなす角度を流れ方向に下流側ほど小さく
することにより、相対的に蒸気流の速度を増加させると
ともに流路の曲率半径を小さくして液滴の慣性力を増加
させ、下流側では、上流側波板で捕集できなかった小径
液滴の捕集も可能となる(このとき、流れの乱れ等によ
り上流側で捕集されなかった大径液滴も捕集される)。
また、波板に複数箇所の凹凸部が設けられていることに
より、凹部又は凸部に形成される液膜の厚さ分布を調整
し、捕集流路からの液滴の再飛散を十分に抑制する。
【0062】また、本発明の第10の概念の蒸気乾燥器
においては、液滴捕集手段によって、重量パーセントで
10%を越える含水率の湿り蒸気を取り入れるととも
に、含水率を0.1%以下に低減して放出する。
【0063】さらに、本発明の第11の概念の気水分離
システムにおいては、上記の蒸気乾燥器を有することに
より、圧力損失を大幅に増加させることなく液滴捕集量
を増加させることができる。
【0064】また、本発明の第12の概念の気水分離シ
ステムにおいては、気水分離器に設けた圧力損失低減手
段によって気水分離器における圧力損失を低減し、蒸気
乾燥器に設けた液滴捕集手段によって重量パーセントで
10%を越える含水率の湿り蒸気を取り入れ含水率を
0.1%以下に低減し放出する。
【0065】さらに、本発明の第13の概念の湿分分離
器においては、波板の曲がり部のなす角度を流れ方向に
下流側ほど小さくすることにより、相対的に蒸気流の速
度を増加させるとともに流路の曲率半径を小さくして液
滴の慣性力を増加させ、下流側で、上流側波板で捕集で
きなかった小径液滴の捕集をも可能となる。さらにこの
とき液滴捕集ポケットを形成する略L字型部材を設ける
構成例もある。
【0066】また、本発明の第14の概念の湿分分離器
においては、波板に複数箇所の凹凸部が設けられている
ことにより、凹部又は凸部に形成される液膜の厚さ分布
を調整し、捕集流路からの液滴の再飛散を十分に抑制し
キャリーオーバを抑制する。
【0067】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図23により
説明する。本発明の第1の実施例を図1〜図5により説
明する。電力発生目的に使用される典型的な沸騰水型原
子炉の構造を図2に示す。図2に示す沸騰水型原子炉に
おいて、冷却材である水は、炉心2の下方に位置する炉
心下部プレナム1より炉心2に流入し、炉心2を構成す
る燃料集合体から熱が伝達され蒸気・水の混合物となっ
て、炉心上部プレナム3に入る。そして、炉心上部プレ
ナム3上方において機械的な気水分離器4(例えば三段
式軸流遠心式分離器)に流入し、気水分離器4によって
蒸気と水とに分離される。気水分離器4は、炉心上部プ
レナム3を覆うシュラウドヘッド9上に炉心上部プレナ
ム3と連通するように固定されたスタンドパイプ10の
上端に取り付けられている。
【0068】気水分離器4の頂部から放出された液滴を
含む湿り蒸気は、湿り蒸気プレナム13を経て波板ベー
ン式の蒸気乾燥器14へと導かれ、液滴が除去される。
蒸気乾燥器14で水分を除去された蒸気は、主蒸気系2
0等の管路を通して輸送され蒸気駆動タービンやその他
の装置において利用される。このとき一般に、蒸気乾燥
器14は、含水率が0.1(重量)%以下である蒸気を
主蒸気系20へ送り出すことが要求される。
【0069】一方、気水分離器4で除去された水や、蒸
気乾燥器14で分離された液滴は、炉心2の外周部に環
状に設けられた炉心シュラウド5と圧力容器6との間の
下降流路(ダウンカマ)7を流れて炉心下部プレナム1
へ戻る。このとき、強制循環式の沸騰水型原子炉におい
ては、炉心シュラウド5の外側の流路に何らかのポンプ
駆動機構8が設置され、このポンプ駆動機構8によって
炉心下部プレナム1内を昇圧し冷却材である水を駆動す
る。
【0070】本実施例は、液滴を除去する蒸気乾燥器1
4の構成に係わるものであって、以下詳細に説明する。
本実施例の蒸気乾燥器の全体構造を図3に示す。図3に
おいて、本実施例の蒸気乾燥器は、気水分離器(図示せ
ず)の上方に配置されたスカート201と、スカート2
01上に複数個(本実施例では6個)設けられた蒸気乾
燥器エレメント200とを有する。
【0071】本実施例の蒸気乾燥器エレメント200の
平面構造を図1に示す。図1において、蒸気乾燥器エレ
メント200は、湿り蒸気12の流れを誘導する流路を
形成するフードプレート15と、フードプレート15に
より導かれた湿り蒸気12の流量配分を行う多孔板16
aと、多孔板16aを介し供給された湿り蒸気12中の
液滴が捕集される複数の捕集流路267を形成する複数
の波板217とを備えている。
【0072】波板217のそれぞれは互いに平行に配置
されており、ジグザグ形状の捕集流路267を形成して
いる。捕集流路267内には、捕集流路267内に突出
して液滴を捕集するドレンポケット280a〜hを形成
する複数の略L字型の液滴分離板277a〜hが設けら
れており、各液滴分離板の捕集流路267への突出長さ
は、下流側の液滴分離板277e〜hの突出長さl2
ほうがそれより上流側の液滴分離板277a〜dの突出
長さl1よりも大きくなっている。すなわち、各液滴分
離板277a〜hの形成するドレンポケット280a〜
hの水平断面における幅は、下流側のドレンポケット2
80e〜hの幅d2のほうがそれより上流側のドレンポ
ケット280a〜dの幅d1よりも大きくなっており、
その分だけ下流側は捕集流路267の水平方向の幅が狭
くなり捕集流路267の断面積が小さくなっている。
【0073】次に、本実施例の作用を図4及び図5を用
いて説明する。本実施例に対する第1の比較例として、
従来技術の蒸気乾燥器の蒸気乾燥器エレメント201を
図4に示す。本実施例と共通の部材については共通の番
号で示す。図4において、本比較例の蒸気乾燥器エレメ
ント201が本実施例の蒸気乾燥器エレメント200と
異なる点は、捕集流路268内に設けられた略L字型の
液滴分離板278a〜hの捕集流路268への突出長さ
がすべて同じ大きさであり、その大きさは本実施例の蒸
気乾燥器エレメント200の上流側の液滴分離板277
a〜dの突出長さl1と等しいことである。すなわち、
各液滴分離板278a〜hの形成するドレンポケット2
81a〜hの水平断面における幅は、本実施例の蒸気乾
燥器エレメント200の上流側のドレンポケット280
a〜dの幅d1に等しい。
【0074】また本実施例に対する第2の比較例とし
て、従来技術の蒸気乾燥器の蒸気乾燥器エレメント20
2を図5に示す。本実施例と共通の部材については共通
の番号で示す。図5において、本比較例の蒸気乾燥器エ
レメント202が本実施例の蒸気乾燥器エレメント20
0と異なる点は、捕集流路269内に設けられた略L字
型の液滴分離板279a〜hの捕集流路269への突出
長さがすべて同じ大きさであり、その大きさが本実施例
の蒸気乾燥器エレメント200の下流側の液滴分離板2
77e〜hの突出長さl2と等しいことである。すなわ
ち、各液滴分離板279a〜hの形成するドレンポケッ
ト282a〜hの水平断面における幅は、本実施例の蒸
気乾燥器エレメント200の下流側のドレンポケット2
80e〜hの幅d2に等しい。
【0075】以上において、本実施例・第1及び第2の
比較例におけるそれぞれの捕集流路では、一般に慣性力
の大きい粒子ほど旋回半径が大きく小回りできない、す
なわち壁面に衝突しやすいという性質を利用し、液滴と
蒸気との慣性力の差を利用して液滴のみの捕集を行う。
この液滴の有する慣性力の大きさは、液滴粒径の2乗・
蒸気流速の3乗に比例し流路の曲率半径(これは捕集流
路の構造によって決まる)に反比例する。よって、流路
の全区間において蒸気流の速度・流路の曲率半径が同じ
であれば、捕集できる液滴は液滴の粒径のみに依存し、
相対的に大きな液滴は捕集されるが一方で相対的に小さ
い液滴は捕集されず通過してしまう。いま、図4に示す
第1の比較例の蒸気乾燥器エレメント201(ドレンポ
ケットの幅d1)において捕集できる液滴の最小粒径を
p1とすると、この蒸気乾燥器エレメント201におい
てはdp1より小さな粒径の液滴は捕集されない。このこ
とは同一のドレンポケットの幅d1を有する図1の本実
施例の蒸気乾燥器エレメント200の上流側にもあては
まる。すなわち、液滴分離板277a〜eの形成するド
レンポケット280a〜eにおいてはdp1より小さな粒
径の液滴は捕集されない。しかしながら、本実施例の蒸
気乾燥器エレメント200においては、下流部分におい
て、液滴分離板277e〜hの形成するドレンポケット
280e〜hの幅d2を上流側のドレンポケット280
a〜dの幅d1よりも大きくすることにより、その分だ
け下流側は捕集流路267の水平方向の幅が狭くなり断
面積が小さくなっている。これによって下流側は相対的
に蒸気流の速度が増加することとなり、粒径がdp1より
小さいことによる慣性力の減少を補って液滴の慣性力を
増加させる。よってdp1より小さい粒径の液滴をも捕集
することができる(このとき粒径dp1以上のもので流れ
の乱れ等によって上流側で捕集されなかったものも含ま
れる)。すなわち、捕集流路267の上流部分は、湿り
蒸気12中の相対的に大きな液滴を捕集し、これに対し
捕集流路267の下流部分は、相対的に小さな液滴を捕
集することができる。
【0076】ここで、上記のようにして本実施例の蒸気
乾燥器エレメント200で捕集できる液滴の最小粒径を
p2(<dp1)とすると、同一のドレンポケット幅d2
を有する図5の第2の比較例の蒸気乾燥器エレメント2
02においても捕集できる液滴の最小粒径はdp2とな
る。すなわち、蒸気乾燥器エレメント202では、捕集
流路269の断面積は、上流・下流全区間にわたって本
実施例の蒸気乾燥器エレメント200の捕集流路267
の下流側の断面積と同一であり、かつ同一の蒸気流速と
なる。よって小径の液滴にもより大きい慣性力を与える
ことができてdp2未満の粒径の液滴をも捕集すること
ができるので、捕集量に関しては本実施例の蒸気乾燥器
エレメント200とほぼ等しくなり、第1の比較例に比
して液滴捕集量が増加する。ところが、第2の比較例の
蒸気乾燥器エレメント202にあっては、すべてのドレ
ンポケット282a〜hの幅がd、すべての液滴分離
板279a〜hの突出長さがl2であって、それぞれ第
1の比較例におけるd1,l1より大きいので捕集流路断
面積が大きく減少し大幅な圧力損失を招く。一方で本実
施例の蒸気乾燥器エレメント200にあっては、下流側
は第2の比較例と同様であるが上流側についてはドレン
ポケット280a〜eの幅はd1液滴分離板277a〜
eの突出長さはl1であって第2の比較例におけるd2,
2よりも小さい。したがってその分本実施例は第1の
比較例からの圧力損失の増加はわずかで済む。また第2
の比較例の場合は、相対的に大きな液滴も相対的に小さ
な液滴も一度に捕集することとなり、しかもこの捕集
は、湿り蒸気12がまず流入する上流側で集中的に行わ
れることとなる。この場合、上流側のドレンポケット内
部に成長する液膜が厚くなり、液膜表面における蒸気と
の摩擦等により蒸気流中に液滴が再飛散するおそれがあ
る。しかしながら本実施例においては、相対的に大きな
液滴は上流側へと相対的に小さな液滴は下流側へと分離
して捕集されるので、かかる再飛散が抑制される。
【0077】以上説明したように、本実施例の蒸気乾燥
器によれば、蒸気乾燥器エレメント200の捕集流路2
67の下流部分において、液滴分離板277e〜hの形
成するドレンポケット280e〜hの幅d2を上流側の
ドレンポケット280a〜dの幅d1よりも大きくする
ので、液滴の慣性力は下流側ほど増加され、上流側で相
対的に大きな液滴を捕集した後、下流側では相対的に小
さな液滴を捕集することができる。よって、この小径液
滴をも捕集できるだけ従来よりも液滴捕集量を増加させ
ることができる。またこのとき、上流下流の全区間にわ
たってドレンポケット280e〜hの幅をd2とする場
合よりも圧力損失の増加はわずかで済む。したがって、
圧力損失を大幅に増加させることなく液滴捕集量を増加
させることができ、蒸気乾燥器全体としての性能を向上
させることができる。さらに、相対的に大きな液滴は上
流側へ相対的に小さな液滴は下流側へと分離して捕集す
るので、捕集液滴の液膜からの再飛散を抑制できる。な
お、上記実施例においては捕集流路267は複数の波板
217によって形成されておりすなわち捕集流路267
はジグザグ形状であったが、この形状に限られず、捕集
流路の少なくとも一部分が曲折していればよい。この場
合も同様の効果を得る。また、上記実施例においては上
流側の複数のドレンポケット280a〜dの幅(=
1)又は下流側の複数のドレンポケット280e〜h
の幅(=d2)をそれぞれ同一とし、2段階でドレンポ
ケットの幅を増加させたが、さらに多段階で変化させ、
例えばすべてのドレンポケットの幅が異なるようにして
増加させてもよい。この場合も同様の効果を得る。本発
明の第2の実施例を図6により説明する。本実施例は捕
集流路の構造が異なる蒸気乾燥器エレメントを有する蒸
気乾燥器の実施例である。本実施例の蒸気乾燥器エレメ
ントの捕集流路の構造を図6に示す。第1の実施例と共
通の部材は共通の番号で示す。図6において、本実施例
における捕集流路367が第1の実施例における捕集流
路267と異なる点は、捕集流路367内のドレンポケ
ット380a〜hの水平断面における幅及び複数の略L
字型の液滴分離板377a〜hの捕集流路367への突
出長さはすべて同一であり、また下流側の液滴分離板3
77c〜377gの背面に捕集流路367内に突出して
流れを制限する複数の絞り部材390c〜gが設けられ
ていること、そして、これら絞り部材390c〜gの水
平断面における厚さdsを下流側ほど厚くすることによ
り捕集流路367の下流側の水平方向の幅が狭くなり捕
集流路367の断面積が小さくなっていることである。
その他の構造は第1の実施例とほぼ同様である。本実施
例によっても、第1の実施例と同様の効果を得る。
【0078】なお、上記実施例においては、上流側の一
部のドレンポケット380a,bの背面には絞り部材を
設けず下流側のドレンポケット380c〜gにのみ絞り
部材390c〜gを設けたが、これに限られるものでは
なく、すべてのドレンポケットの背面に絞り部材を設
け、これらの厚さを下流側にほど厚くしても良い。また
これら絞り部材の厚さもすべて異なる厚さとせず、例え
ばドレンポケット380c,d及びドレンポケット38
0e,fはそれぞれで同一の厚さとする2段階変化の構
造等でも良く、この場合も同様の効果を得る。また、上
記実施例のように捕集流路367内に絞り部材390c
〜gを設けて断面積を小さくする構造のほかにも、波板
217どうしの中心線間隔は保持したまま、波板217
自体の厚さを下流側ほど厚くすることによって捕集流路
367の断面積を小さくする構造があり、この場合も同
様の効果を得る。
【0079】本発明の第3の実施例を図7〜図9により
説明する。本実施例も第2の実施例同様捕集流路の構造
が異なる蒸気乾燥器エレメントを有する蒸気乾燥器の実
施例である。本実施例の蒸気乾燥器エレメントの捕集流
路の構造を図7に示す。第1及び第2の実施例と共通の
部材は共通の番号で示す。図7(a)は本実施例の捕集
流路467の構造であり、図7(b)は本実施例の比較
例として示した従来技術の捕集流路468の構造であ
る。図7(a)において、本実施例の捕集流路467
は、それぞれ互いに平行に配置された複数の波板417
によってジグザグ形状に形成されている。また波板41
7の4つの曲がり部417a,b,c,dそれぞれのなす
角度θ1234は、湿り蒸気12の流れ方向下流
側(図中右側)ほど小さくなっており、すなわち、θ1
>θ2>θ3>θ4の関係にある。但しθ1=120°であ
る。一方、図7(b)において、比較例の捕集流路46
8は、本実施例の捕集流路467と異なり、波板418
の4つの曲がり部418a〜dそれぞれのなす角度が同
一角度θ(=120゜)である。
【0080】以上において、本実施例における作用を以
下に説明する。捕集流路においては、第1の実施例で説
明したように、液滴と蒸気との慣性力の差を利用して慣
性力の大きな液滴のみを捕集する。そしてこの慣性力の
大きさは液滴粒径の2乗・蒸気流速の3乗に比例し流路
の曲率半径に反比例する。
【0081】まず、本実施例の捕集流路467において
は、曲がり部417a〜dの角度が下流側ほど小さくな
っていることにより、各曲がり部417a〜dでみた捕
集流路467の断面積A1〜A4はA1>A2>A3>A4
なって下流側ほど小さくなる。よって下流側ほど蒸気流
の速度が大きくなる。またこれに加え、下流側の曲がり
部ほど急角度で流路が曲がる構造であり、流路の曲率半
径は下流側ほど小さくなる。よって、粒径が小さい液滴
であっても、粒径が小さいことによる慣性力の減少を補
ってこれら2つの要因が液滴の慣性力を増加させ、液滴
の旋回半径が大きくなって液滴を捕集することができ
る。
【0082】本実施例における小径液滴の捕集作用を図
8に示す。図8は、本実施例の波板417における最初
の曲がり部417aの液滴捕集量を1とした場合の、各
曲がり部417b〜dでの液滴捕集量の相対的割合を表
したものである。また同様の方法での比較例の曲がり部
418a〜dにおける液滴捕集量を求めた結果も併せて
示す。図8において、本実施例及び比較例ともに、波板
の最初の曲がり部(曲がり部417a,418a)にお
ける液滴捕集量が最大であり、以下下流に行くに従い液
滴捕集量は減少する特性を示す。ここでともに最初の曲
がり部(曲がり部417a,418a)のなす角は12
0°で等しいことから、これらにおける液滴捕集量もと
もに1で等しい。しかしながら、比較例においては、次
の曲がり部418bにおける液滴捕集量は約0.2と大
きく下がり、その後の曲がり部418c,dにおいては
液滴捕集量はほとんどゼロとなっている。すなわち、比
較例の捕集流路468で捕集可能な液滴(すなわち相対
的に大きな液滴)は初めの2つの曲がり部418a,b
のみでほとんど捕集されており、以降の曲がり部418
c,dは十分に捕集機能を果たしていない。これに対し
本実施例においては、比較例の結果と比べ、曲がり部4
17bで液滴捕集量が△m2だけ増加して約0.35、以
降の曲がり部417c及び417dにおいても、捕集が
有効に行われる結果それぞれ△m3,△m4だけ増加して
約0.15及び0.1となっている。すなわち、本実施
例においては全体として△m2+△m3+△m4だけ液滴
捕集量が増加していることが分かる。
【0083】次に、このように液滴捕集量が増加する本
実施例における、圧力損失の増減について図9により説
明する。本実施例に対する参考例として、図7(b)に
示した波板と同様、4つの曲がり部(各曲がり部とも同
一角度θ)を有する3種類の並板A〜Cに対し、空気を
流し流速と圧力損失との関係を求めた結果を図9に示
す。曲がり部の角度θは、波板Aがθ=90゜、波板Bが
θ=120゜、波板Cがθ=150゜である。図9において、
すべての波板A〜Cにおいて流速の増加と共に圧力損失
は増大するが、角度が小さいほど圧力損失が大きい傾向
を示し、波板Aの圧力損失は、波板Bの圧力損失の約
2.5倍となっている。すなわち、角度θを120゜から9
0゜に小さくすることにより圧力損失は約2.5倍とな
る。ここでこの参考例は空気流による圧力損失である
が、湿り蒸気の流れにおいても定性的には同様の傾向で
あると思われる。
【0084】ここで、図7(a)に示した本実施例の捕
集流路467においては、波板417の下流側ほど曲が
り部のなす角度が小さくなっている(θ=θ1>θ2>θ
3>θ4)ことから、すべての曲がり部の角度が同一
(θ)である図7(b)の比較例に比し圧力損失がやや
増加することが予想される。しかしながら、第1の実施
例と同様の観点で考察すると、すべての曲がり部の角度
をθ4とした場合は、本実施例とほぼ同一の液滴捕集量
を得ることができるものの、図7(b)の比較例よりも
大幅な圧力増加が予想される。よってこの場合に比べれ
ば、本実施例において、比較例からの圧力損失の増加は
わずかで済む。また第1の実施例と同様、すべての曲が
り部の角度をθ4とした場合には、相対的に大きな液滴
と相対的に小さな液滴とを一度に捕集するので液滴が再
飛散するおそれがあるが、本実施例においては、相対的
に大きな液滴は上流側へ相対的に小さな液滴は下流側へ
と分離して捕集されるので、かかる再飛散が抑制され
る。
【0085】以上説明したように、本実施例の蒸気乾燥
器においては、捕集流路467の下流部分において、曲
がり部417a〜dの角度θ1〜θ4が下流側ほど小さく
なっているので、捕集流路467の断面積A1〜A4が下
流側ほど小さくなって蒸気流の速度が増加され、またこ
れに加えて流路の曲率半径が下流側ほど小さくなるの
で、液滴の慣性力は下流側ほど増加され、上流側である
相対的に大きな液滴を捕集した後下流側で相対的に小さ
な液滴を捕集することができる。よって、この小径液滴
をも捕集できる分だけ従来よりも液滴捕集量を増加させ
ることができる。またこのとき、上流下流の全区間にわ
たって曲がり部のなす角度をθ4とする場合よりも圧力
損失の増加はわずかで済む。したがって、圧力損失を大
幅に増加させることなく液滴捕集量を増加させることが
でき蒸気乾燥器全体としての性能を向上させることがで
きる。さらに、相対的に大きな液滴は上流側へ相対的に
小さな液滴は下流側へと分離して捕集されるので、捕集
液滴の液膜からの再飛散を抑制できる。また、例えば、
火力プラント若しくは原子力プラント等において湿り蒸
気中の液滴を除去する目的で設置される湿分分離器にお
いても、蒸気乾燥器と同様の波板式ベーンが用いられ、
本実施例の波板417の形状をそのまま適用することが
でき、この場合も小径液滴をも捕集可能であることによ
って圧力損失を大幅に増やすことなく液滴捕集量を増加
でき、全体として性能向上を図ることができる湿分分離
器を提供することができる。
【0086】本発明の第4の実施例を図10により説明
する。本実施例は第3の実施例と同様捕集流路の構造が
異なる蒸気乾燥器エレメントを有する蒸気乾燥器の実施
例である。本実施例の蒸気乾燥器エレメントの捕集流路
の構造を図10に示す。第3の実施例と共通の部材につ
いては共通の番号で示す。図10において、本実施例の
捕集流路567において、第3の実施例と異なる点は、
波板417の曲がり部417a〜417dに、捕集流路
567内に突出して複数の略L字型の液滴分離板577
a〜dが設けられ、それぞれが液滴を捕集するドレンポ
ケット580a〜dを形成していることである。また、
波板417の出口側端部は折り畳まれて液滴分離板57
7eが設けられ、ドレンポケット580eが形成されて
いる。その他の構造は、第3の実施例とほぼ同様であ
る。
【0087】本実施例によっても、第3の実施例と同様
の効果を得ることができる。
【0088】また、第3の実施例と同様、湿分分離器に
本実施例の波板417の形状をそのまま適用することが
でき、この場合も小径液滴をも捕集可能であることによ
って圧力損失を大幅に増やすことなく液滴捕集量を増加
でき、全体として性能向上を図ることができる湿分分離
器を提供することができる。
【0089】本発明の第5の実施例を図11により説明
する。本実施例は、捕集流路の断面積が流れ方向に変化
する蒸気乾燥器エレメントを有する蒸気乾燥器の実施例
である。本実施例の蒸気乾燥器エレメント600の鉛直
断面を図11に示す。第1〜第4の実施例と共通の部材
は共通の番号で示す。図11において、蒸気乾燥器エレ
メント600は、気水分離器(図示せず)からの湿り蒸
気12の流れを誘導するフードプレート15と、複数の
開口部を有しフードプレート15により導かれた湿り蒸
気12の流量配分を行う多孔板16aと、多孔板16a
を介し供給された湿り蒸気12中の液滴が捕集される複
数の捕集流路667を形成する少なくとも一部が曲折し
た複数の板17と、板17のさらに下流側に配置され多
孔板16aとの組み合わせで湿り蒸気12の捕集流路6
67内における流量配分を行う多孔板16bと、各捕集
流路667内に流れ方向に傾斜して配接された仕切板6
30a,bとを有する。
【0090】本実施例の捕集流路667においては、仕
切板630a,bを設けることにより、流れ方向に向か
って下流側の捕集流路667の上下方向の高さがL1
らL2へと小さくなり、捕集流路667の断面積が小さ
くなっている。よって、仕切板を設けず捕集流路の高さ
がL1で一定である場合に比べて下流側ほど蒸気流の速
度が大きくなるので、相対的に小さな液滴であっても、
粒径が小さいことによる慣性力の減少を補って慣性力を
増加させ、下流側で捕集することができる。このとき、
仕切板を設けず捕集流路の高さがL1で一定である場合
に比し圧力損失がやや増加することが予想される。一
方、第1及び第3の実施例と同様の観点で考察すると、
捕集流路の高さをもともとL2で一定とした場合は、本
実施例とほぼ同一の液滴捕集量を得ることができるもの
の、捕集流路の高さがL1で一定である場合に比し大幅
な圧力増加が予想される。しかし本実施例においては、
この場合に比べれば、捕集流路の高さがL1で一定であ
る場合からの圧力損失の増加はわずかで済む。また第1
及び第3の実施例と同様、捕集流路の高さをもともとL
2で一定とした場合には、相対的に大きな液滴と相対的
に小さな液滴とを一度に捕集するので液滴が再飛散する
おそれがあるが、本実施例においては、相対的に大きな
液滴は上流側へ相対的に小さな液滴は下流側へと分離し
て捕集されるので、かかる再飛散が抑制される。
【0091】以上説明したように、本実施例の蒸気乾燥
器においては、捕集流路667の上下方向の高さが下流
側ほど小さくなっているので、捕集流路667の断面積
が下流側ほど小さくなって蒸気流の速度が増加し、よっ
て液滴の慣性力が下流側ほど増加されるので、上流側で
ある相対的に大きな液滴を捕集した後下流側で相対的に
小さな液滴を捕集することができる。よって、この小径
液滴をも捕集可能である分だけ従来よりも液滴捕集量を
増加させることができる。またこのとき、上流下流の全
区間にわたって捕集流路667の高さをL2で一定とし
た場合よりも圧力損失の増加はわずかで済む。したがっ
て、圧力損失を大幅に増加させることなく液滴捕集量を
増加させることができ蒸気乾燥器全体としての性能を向
上させることができる。さらに、相対的に大きな液滴は
上流側へ相対的に小さな液滴は下流側へと分離して捕集
されるので、捕集液滴の液膜からの再飛散を抑制でき
る。なお、上記実施例においては上部と下部の2枚の仕
切板630a,bを設けたが、必ず2枚必要なわけでは
なくいずれか1枚でもよい。この場合も同様の効果を得
る。
【0092】本発明の第6の実施例を図12により説明
する。本実施例は、1つの捕集流路が流れ方向に分割さ
れる蒸気乾燥器エレメントを有する蒸気乾燥器の実施例
である。本実施例の蒸気乾燥器エレメント700の平面
構造を図12に示す。第1〜第5の実施例と共通の部材
は共通の番号で示す。図12において、蒸気乾燥器エレ
メント700は、湿り蒸気12の流れを誘導する流路を
形成するフードプレート15と、フードプレート15に
より導かれた湿り蒸気12の流量配分を行う多孔板16
aと、多孔板16aを介し供給された湿り蒸気12中の
液滴が捕集される複数の捕集流路767及び767a,
bを形成する複数の波板217及び718とを備えてい
る。
【0093】波板217は、各曲がり部において液滴分
離板777a〜hで液滴を捕集するドレンポケット78
0a〜hが形成されている。一方波板718は、波板2
17を真ん中から半分に分割した形状とほぼ同一形状で
あり、その長さは波板217の約1/2であるととも
に、各曲がり部において液滴分離板778e〜hで液滴
を捕集するドレンポケット781e〜hが形成されてい
る。またこれら各液滴分離板777a〜h,778e〜
hの捕集流路への突出長さはすべて同一である。
【0094】波板217と波板718とは交互に配置さ
れており、また波板718の長さは波板217の約1/
2であるので、上流側(図中左側)は波板217によっ
て幅の広い捕集流路767が形成される一方、下流側
(図中右側)は波板217及び波板718によって捕集
流路767の約半分の幅となる捕集流路767a,bが
形成される。いいかえれば、1つの捕集流路767が下
流側において流れ方向に2つの捕集流路767a,bに
分割される構造である。
【0095】以上において、本実施例の蒸気乾燥器エレ
メント700においては、捕集流路767が下流側で2
つの捕集流路767a,bに分割されても、全体として
の断面積はほとんど変わらないので蒸気流の速度はほと
んど変化しない。しかしながら、下流側において波板7
18が設けられることにより、蒸気流中の液滴と波板壁
面との距離が変化する。すなわち、上流側にあっては捕
集流路767の水平断面における幅が比較的広いことか
ら蒸気中の液滴と壁面との距離も比較的大きい。よって
上流側ではもともと相対的に粒径が大きく慣性力が相対
的に大きく旋回半径が大きい液滴のみが捕集され、相対
的に粒径が小さな液滴は捕集されずそのまま下流側へ流
入する。ここにおいて、前述したように下流側でも流速
は増加しないから液滴の慣性力は変化せず旋回半径も変
化しない。しかしながら下流側では捕集流路767a,
bの幅が上流側捕集流路767の約1/2となってしま
うので、流路壁面にぶつからず流出するためには流路幅
に対する液滴の旋回半径は1/2とならなければならな
い。いいかえれば、液滴の捕集流路幅に対する相対的旋
回半径は2倍に増加することとなり、よって相対的に粒
径が小さな液滴を下流側において捕集することができ
る。
【0096】以上説明したように、本実施例の蒸気乾燥
器においては、捕集流路767が下流側で2つの捕集流
路767a,bに分割されるので、液滴の捕集流路幅に
対する相対的旋回半径が2倍に増加し、よって相対的に
小さな液滴を下流側において捕集することができる。す
なわち上流側で相対的に大きな液滴を捕集した後下流側
で相対的に小さな液滴を捕集することができる。よっ
て、この小径液滴をも捕集可能である分だけ従来よりも
液滴捕集量を増加させることができる。またこのとき、
上流下流の全区間にわたって捕集流路の幅を767a,
bと同様の小さい幅とする場合よりも圧力損失の増加は
わずかで済む。したがって、圧力損失を大幅に増加させ
ることなく液滴捕集量を増加させることができ蒸気乾燥
器全体としての性能を向上させることができる。さら
に、相対的に大きな液滴は上流側へ相対的に小さな液滴
は下流側へと分離して捕集されるので、捕集液滴の液膜
からの再飛散を抑制できる。本発明の第7の実施例を図
13により説明する。本実施例は、1つの蒸気乾燥器エ
レメントが2組の蒸気乾燥モジュールを備えている蒸気
乾燥器の実施例である。
【0097】本実施例の蒸気乾燥器の全体構造を図13
に示す。第1〜第6の実施例と共通の部材は共通の番号
で示す。図13において、本実施例の蒸気乾燥器は、気
水分離器(図示せず)の上方に配置されたスカート20
1と、スカート201上に複数個(本実施例では6個)
設けられた蒸気乾燥器エレメント800とを有する。蒸
気乾燥器エレメント800は、2組の蒸気乾燥モジュー
ル800A,800Bとから構成される。これら蒸気乾
燥モジュール800A,Bの構造はそれぞれ、上記第1
〜第6の実施例における蒸気乾燥器エレメント100〜
700にほぼ相当するが、この蒸気乾燥器エレメント1
00〜700の2組ずつが本実施例における1つの蒸気
乾燥器エレメント800を構成するので、以下、第10
実施例までこのように呼ぶ。
【0098】すなわち、蒸気乾燥モジュール800A,
Bはそれぞれ、湿り蒸気の流れを誘導する流路を形成す
るフードプレート815A又は815Bと、フードプレ
ート815A又は815Bにより導かれた湿り蒸気12
の流量配分を行う多孔板816aと、多孔板816aを
介し供給された湿り蒸気12中の液滴が捕集される複数
の捕集流路867A又は867Bを形成する少なくとも
一部分が曲折した複数の板状部材(図示せず)とを備え
ている。また蒸気乾燥モジュール800Aの下流側に蒸
気乾燥モジュール800Bが直列に接続され、これらは
供給される湿り蒸気12の一連の除湿流路を構成してい
る。すなわち、上流側の蒸気乾燥モジュール800Aの
出口側の多孔板816bと、下流側の蒸気乾燥モジュー
ル800Bのフードプレート815Bとが連結されてお
り、気水分離器を出た湿り蒸気12は、まずフードプレ
ート815Aによって多孔板816aを介し蒸気乾燥モ
ジュール800A内の捕集流路867Aに導かれて、液
滴を捕集された後に多孔板816bから流出し、引き続
きフードプレート815Bによって多孔板816aを介
し蒸気乾燥モジュール800B内の捕集流路867Bに
導かれて、液滴を捕集された後に多孔板816bから流
出する。
【0099】ここにおいて、上流側の蒸気乾燥モジュー
ル800Aと下流側の蒸気乾燥モジュール800Bとの
関係は、第1〜第4実施例における上流側捕集流路と下
流側捕集流路との関係にある。すなわち、第1の実施例
のように蒸気乾燥モジュール800Bの捕集流路867
Bにおけるドレンポケットの幅が蒸気乾燥モジュール8
00Aの捕集流路867Aにおけるドレンポケットの幅
よりも大きくなっているか、第2の実施例のように蒸気
乾燥モジュール800Bの捕集流路867Bにおける絞
り部材の厚さが蒸気乾燥モジュール800Aの捕集流路
867Aにおける絞り部材の厚さよりも大きくなってい
るか、第3の実施例のように蒸気乾燥モジュール800
Bの捕集流路867Bにおける波板曲がり部のなす角度
の大きさが蒸気乾燥モジュール800Aの捕集流路86
7Aにおける波板曲がり部のなす角度の大きさよりも小
さくなっている(第4の実施例のようにさらにドレンポ
ケットがついている構成を含む)。このとき、蒸気乾燥
モジュール800A,800Bそれぞれの捕集流路86
7A又は867Bにおいては、ドレンポケットの幅、絞
り部材の厚さ、又は曲がり部のなす角度はすべて同一で
もよいし、あるいは、上記した条件を満たす限りにおい
てそれぞれの捕集流路867A又は867B内における
上流側と下流側でドレンポケットの幅、絞り部材の厚
さ、又は曲がり部のなす角度が全部又は一部異なっても
良い(例えば捕集流路867Aにおいて曲がり部のなす
角度が120°,110°,100°で捕集流路867B
では90°,80°,70°の場合等)。上記構成によ
り、蒸気乾燥モジュール800Aと蒸気乾燥モジュール
800Bとはその性能が異なり、蒸気乾燥モジュール8
00Aによって捕集可能な液滴の最小粒径をdpA、蒸気
乾燥モジュール800Bによって捕集可能な液滴の最小
粒径をdpBとすると、dpA>dpBの関係にある。すなわ
ち、下流側に配置された蒸気乾燥モジュール800B
は、上流側に配置された蒸気乾燥モジュール800Aで
捕集した液滴よりもさらに小さい液滴をも捕集すること
ができる構成である。
【0100】本実施例の蒸気乾燥器によれば、上流側に
蒸気乾燥モジュール800A、下流側に蒸気乾燥モジュ
ール800Bを配置し、上流側である相対的に大きな液
滴を捕集し下流側で相対的に小さな液滴を捕集すること
ができる。よって、蒸気乾燥モジュール800Bで小径
液滴をも捕集可能である分だけ蒸気乾燥モジュール80
0Aを2つ設ける場合よりも液滴捕集量を増加させるこ
とができる。またこのとき、蒸気乾燥モジュール800
Bを2つ設ける場合よりも圧力損失の増加はわずかで済
む。したがって、圧力損失を大幅に増加させることなく
液滴捕集量を増加させることができ蒸気乾燥器全体とし
ての性能を向上させることができる。さらに、相対的に
大きな液滴は上流側の蒸気乾燥モジュール800Aへ相
対的に小さな液滴は下流側の蒸気乾燥モジュール800
Bへと分離して捕集されるので、蒸気乾燥モジュール8
00Bを2つ設けた場合に液膜の成長によって起こり得
る捕集液滴の液膜からの再飛散を抑制できる。本発明の
第8の実施例を図14により説明する。本実施例も第7
の実施例同様、1つの蒸気乾燥器エレメントが2組の蒸
気乾燥モジュールを備えている蒸気乾燥器の実施例であ
る。
【0101】本実施例の蒸気乾燥器の全体構造を図14
に示す。第1〜第7の実施例と共通の部材は共通の番号
で示す。図14において、第7の実施例と異なる点は、
上流側の蒸気乾燥モジュール900Aの捕集流路967
Aと下流側の蒸気乾燥モジュール900Bの捕集流路9
67Bとにおいて、各捕集流路の水平方向の幅・板状部
材の間隔等の構造は全く同一であるが、下流側の蒸気乾
燥モジュール900Bにおいては、上流側の蒸気乾燥モ
ジュールよりも捕集流路の列数が少なく(いいかえれば
板状部材の列数が少なく)なっており、結果として、蒸
気乾燥モジュール900Bの捕集流路967Bの流れ方
向と直交する方向(図14下図における上下方向)にお
ける幅LDが、蒸気乾燥モジュール900Aの幅LUより
も狭くなっていることである。その他の点は第7の実施
例と同様である。
【0102】本実施例によれば、下流側の蒸気乾燥モジ
ュール900Bにおいて、上流側の蒸気乾燥モジュール
900Aよりも捕集流路の数を少なく(板状部材の数を
少なく)し、蒸気乾燥モジュール900Bの捕集流路9
67Bの流れ方向と直交する方向における幅LDを蒸気
乾燥モジュール900Aの幅LUよりも狭くするので、
断面積が小さくなり蒸気流の速度を増加させることがで
き、よって液滴の慣性力が蒸気乾燥モジュール900B
では増加されるので、相対的に小さな液滴を捕集するこ
とができる。よって、蒸気乾燥モジュール900Bで小
径液滴をも捕集可能である分だけ蒸気乾燥モジュール9
00Aを2つ設ける場合よりも液滴捕集量を増加させる
ことができる。またこのとき、蒸気乾燥モジュール90
0Bを2つ設ける場合よりも圧力損失の増加はわずかで
済む。したがって、圧力損失を大幅に増加させることな
く液滴捕集量を増加させることができ蒸気乾燥器全体と
しての性能を向上させることができる。さらに、相対的
に大きな液滴は上流側の蒸気乾燥モジュール900Aへ
相対的に小さな液滴は下流側の蒸気乾燥モジュール90
0Bへと分離して捕集されるので、蒸気乾燥モジュール
900Bを2つ設けた場合に液膜の成長によって起こり
得る捕集液滴の液膜からの再飛散を抑制できる。
【0103】本発明の第9の実施例を図15により説明
する。本実施例も第7及び第8の実施例同様、1つの蒸
気乾燥器エレメントが2組の蒸気乾燥モジュールを備え
ている蒸気乾燥器の実施例である。
【0104】本実施例の蒸気乾燥器の全体構造を図15
に示す。第1〜第8の実施例と共通の部材は共通の番号
で示す。図15において、第8の実施例と異なる点は、
上流側の蒸気乾燥モジュール1000Aの捕集流路10
67Aと下流側の蒸気乾燥モジュール1000Bの捕集
流路1067Bとにおいて、蒸気乾燥モジュール100
0Bの捕集流路1067Bの流れ方向と直交する方向
(図15下図における上下方向)における幅は蒸気乾燥
モジュール1000Aの幅と同一であるが、蒸気乾燥モ
ジュール1000Bの捕集流路1067Bの上下方向の
高さHDが蒸気乾燥モジュール1000Aの捕集流路1
067Aの上下方向の高さHUがよりも小さくなってい
ることである。その他の点は第8の実施例と同様であ
る。
【0105】本実施例によっても、第8の実施例と同様
の効果を得る。なお、上記第7〜第9の実施例は、蒸気
乾燥器エレメントが2組の蒸気乾燥モジュールを備えて
いる場合であったが、これに限られず、3組以上の蒸気
乾燥モジュールを有している場合であっても適用でき、
この場合も同様の効果を得る。
【0106】本発明の第10の実施例を図16及び図1
7により説明する。本実施例は捕集流路の構造が異なる
蒸気乾燥器エレメントを有する蒸気乾燥器の実施例であ
る。本実施例の蒸気乾燥器エレメントの捕集流路116
7の構造を図16に示す。第1〜第9の実施例と共通の
部材は共通の番号で示す。図16に示す本実施例の捕集
流路1167において、複数の波板1117のそれぞれ
が互いに平行に配置されており、これによってジグザグ
形状の捕集流路1167を形成している。またそれぞれ
の波板1117は、複数箇所の凹凸部(一方からみれば
凸部で反対側から見れば凹部となり、深さは例えば約2
mm)1128a〜hを備えている。
【0107】次に、本実施例の作用を説明する。一般
に、湿り蒸気が蒸気乾燥器の捕集流路に流入すると流路
一面に液滴が付着して液膜を形成するが、この液膜に蒸
気流中の液滴が入射すると液膜から液滴が再飛散しキャ
リーオーバ量が増大する。このような場合において、入
射液滴径がDのときの再飛散量と液膜厚さとの関係を図
17に示す。
【0108】図17において、液滴の再飛散量は、液膜
厚さがDのとき、すなわち液膜厚さと入射液滴の径がほ
ぼ等しいときに極大となることが分かる。本実施例にお
いては、波板1117上に凹凸部1128a〜hを設け
ることにより、蒸気流により凹部には液膜が集まって液
膜厚さがDより厚いD1となり、一方、凸部では逆に液
膜厚さがDより薄いD2となる。すなわち、凹部からも
凸部からも液滴の再飛散が抑制されるので、結果とし
て、凹部(ポケット部)からの再飛散のみを抑制する従
来技術よりも十分に捕集流路1167における再飛散を
抑制しこれによるキャリーオーバを抑制することができ
る。またこのとき凹凸部1128a〜hを設けることに
よる圧力損失の増加はほとんどないことが分かった。
【0109】以上説明したように、本実施例によれば、
ジグザグ形状の捕集流路1167を形成する波板111
7が複数箇所の凹凸部1128a〜hを有するので、捕
集された液滴によって波板1117上に形成される液膜
の厚さ分布を調整し凹部からも凸部からも液滴の再飛散
が抑制される。よって十分に捕集流路1167における
再飛散を抑制しこれによるキャリーオーバを抑制するこ
とができ、その分だけ蒸気乾燥器全体として液滴捕集量
を増加させることができる。またこのときの圧力損失の
増加はほとんどない。すなわち、蒸気乾燥器全体として
の性能を向上させることができる。
【0110】また、第3の実施例同様、湿分分離器にお
いて用いられる波板式ベーンに対し本実施例の波板11
67の形状をそのまま適用することができ、この場合
も、再飛散を低減することによって圧力損失を大幅に増
やすことなく液滴捕集量を増加でき、全体として性能向
上を図れる湿分分離器を提供することができる。
【0111】本発明の第11の実施例を図18により説
明する。本実施例の蒸気乾燥器の主要部である蒸気乾燥
器エレメント1200を図18に示す。第1〜第10の
実施例と共通の部材については共通の番号で示す。図1
8において、蒸気乾燥器エレメント1200は、気水分
離器(図示せず)からの湿り蒸気12の流れを誘導する
フードプレート15と、フードプレート15により導か
れ供給された湿り蒸気12中の液滴が捕集される複数の
捕集流路1267を形成する複数の波板1224とを有
する。
【0112】複数の波板1224は高さ方向に複数段
(本実施例では波板1224U,Lの2段)に分割され
ており、各段には、複数の波板1224U,Lの下方に
位置し複数の波板1224U,Lで捕集された液滴を収
集するドレンとい1258U又は1258Lと、ドレン
とい1258U又は1258Lで収集された液滴を排出
するドレン管1219U又は1219Lが設けられてい
る。
【0113】複数の波板1224U,Lのそれぞれは互
いに平行に配置されてジグザグ形状の捕集流路1267
U又は1267Lを形成している。またそれぞれの波板
1224L,Uに設けられた複数の曲がり部のそれぞれ
のなす角度はすべて同一であるが、各段における波板1
224L又はUの曲がり部のなす角度は、下段の波板1
224Lでは90°であり、上段の波板1224Uの1
20°よりも小さくなっている。
【0114】本実施例によれば、複数の波板1224を
高さ方向に2段に分割するとともに、各段に設けられた
ドレンとい1258U,Lで液滴を収集し、ドレン管1
219U,Lでこれらの液滴を排出するので、各段にお
ける波板1224U,Lで捕集され波板1224U,L上
を流下する液膜は長距離を流下することなく、比較的短
い距離を流下するだけで素早くその段のドレンとい12
58U,Lに収集されドレン管1219U,Lで排出され
る。すなわち、波板を流下中に蒸気流中の液滴が入射す
ることで再飛散しキャリーオーバするのを抑制できる。
よってその分だけ蒸気乾燥器全体として液滴捕集量を増
加させることができる。またこのとき捕集流路1267
の前後に多孔板を設けず、また波板1267Uの曲がり
部のなす角度を小さくすることによる圧力損失の増大は
非常に小さいので、エレメント全体として圧力損失を大
幅に(約1/3に)低減できる。すなわち、蒸気乾燥器
全体としての性能を向上させることができる。また、波
板1267の曲がり部のなす角度は上段の波板1267
Uのほうが大きいことにより、蒸気流の導入方向に近い
下段の波板1267Lは蒸気流に対する入口抵抗が大き
い一方、蒸気流の導入方向から遠い上段の波板1267
Lは蒸気流に対する入口抵抗が小さく湿り蒸気12が導
かれやすくなるので、高さ方向の流量配分の均一化を図
ることができる。
【0115】なお上記実施例は、複数の波板を上下2段
に分割したが、これに限られるものではなく3段以上へ
の分割も適用でき、この場合には波板の曲がり部のなす
角について最下段が最小であり上段ほど大きくなるよう
に構成することもできる。この場合も同様の効果を得
る。また、上記実施例においては捕集流路1267U,
L前後の多孔板を省略したが、これを省略せず従来通り
設けた場合であっても、複数の波板を上下2段に分割す
ることによって、圧力損失を大幅に増加させることなく
液滴捕集量を増加させ、蒸気乾燥器全体としての性能を
向上させる効果を得る。さらに、本実施例の波板112
4,Lを第3の実施例の波板417のように波板を平行
に配置して流れ方向に波板の曲がり部のなす角度を小さ
くする構成、第10の実施例の波板1117のように波
板を平行に配置して凹凸部を設ける構成があり、同様の
効果を得る。
【0116】本発明の第12の実施例を図19及び図2
0により説明する。本実施例は多孔板の構造が異なる蒸
気乾燥器エレメントを有する蒸気乾燥器の実施例であ
る。本実施例の蒸気乾燥器エレメント100の構造を図
19に示す。図19において、蒸気乾燥器エレメント1
00は、気水分離器(図示せず)からの湿り蒸気12の
流れを誘導するフードプレート15と、複数の開口部2
1を有しフードプレート15により導かれた湿り蒸気1
2の流量配分を行う多孔板16aと、多孔板16aを介
し供給された湿り蒸気12中の液滴が捕集される複数の
捕集流路67を形成する少なくとも一部が曲折した複数
の板17と、板17のさらに下流側に配置され多孔板1
6aとの組み合わせで湿り蒸気12の捕集流路67内に
おける流量配分を行う多孔板16bと、液滴を収集する
ドレンとい18と、ドレンとい18に接続され収集され
た液滴を排出するドレン管19を有する。
【0117】多孔板16aは、例えば開口部21の数や
径を調整することにより、図19における下方(湿り蒸
気12の入口側)のほうが開口比が小さく図19におけ
る上方へ行くほど開口比が大きくなる構成となってい
る。これと逆に多孔板16bは図19の上方が開口比が
小さく、下方が開口比が大きくなる構成となっている。
また多孔板16aの開口部21のフードプレート15側
には、その開口部21の外周を取り囲む突起21aが設
けられている。ドレンとい18は、板17の下方に位置
して板17で捕集された液滴を収集する本体部分18a
と、多孔板16aの下方に位置して多孔板16aを流下
する液膜を収集する補助部分18bとを有する。また本
体部分18aと補助部分18bとの間には連通孔22が
設けられており、ドレン管19は本体部分18aに接続
されるとともに連通孔22を介して補助部分18bとも
接続され、補助部分18bに収集された液膜を排出す
る。
【0118】上記構成において、気水分離器を出た湿り
蒸気12は、フードプレート15によって多孔板16a
を介して捕集流路67へと導かれる。捕集流路67へ導
かれた湿り蒸気12は、蒸気と液滴との慣性力の差によ
り慣性力の大きい液滴のみが板17上に衝突して捕集さ
れ、液膜となって板17上を流れ落ちドレンとい18に
収集され、ドレン管19を通ってダウンカマへと戻され
る。
【0119】このとき、開口部21の開口比は下方は小
さく上方ほど大きいことにより、多孔板16aを通過す
る湿り蒸気12の高さ方向の流量配分の均一化を図り湿
り蒸気12の入口側である下方に偏らないようまんべん
なく配分される。また多孔板16bは開口比が逆に下方
は大きく上方は小さいことにより、複数の板17中にお
いて湿り蒸気12が図中A→Bで示すような斜め下方向
きに流れ、板17上における液膜の流下をより促進する
ように構成されている。
【0120】本実施例に対する比較例として、従来技術
の蒸気乾燥器の蒸気乾燥器エレメント101を図20に
示す。本実施例と共通の部材については共通の番号で示
す。図20において、本比較例の蒸気乾燥器エレメント
101が本実施例と異なる点は、多孔板16aの開口部
21の外周に突起21aが設けられていない点と、ドレ
ンとい18が補助部分18b及び連通孔22を有さない
点である。その他の点は、ほぼ同様である。ここで、図
20に示す蒸気乾燥器エレメント101においては、湿
り蒸気12が多孔板16aを通過し、多孔板16aに付
着した液滴が液膜となって流下する際に、開口部21付
近で蒸気流にあおられて再飛散しキャリーオーバして捕
集流路67内に流入していた。本実施例の蒸気乾燥器に
よれば、蒸気乾燥器エレメント100の多孔板16aの
開口部21のフードプレート15側に突起21aを設け
るので、開口部21付近で蒸気流によって再飛散しキャ
リーオーバすることを抑制できる。よってその分だけ蒸
気乾燥器全体としての液滴捕集量を増加させることがで
きる。またこのとき突起21aを設けることによる圧力
損失の増加はほとんどない。よってすなわち、蒸気乾燥
器全体としての性能を向上させることができる。
【0121】なお、本実施例は、多孔板16aを流下し
た液膜を収集し排出する手段としてドレンとい18に補
助部分18bを設け連通孔22を介してドレン管19で
排出する構成を示したが、本体部分18aをフードプレ
ート15の側へ伸長して配置し上記液膜を受ける構成
や、連通孔22を設けず補助部分18bに独自のドレン
管を設ける構成などがあり、これらによっても同様の効
果を得る。また、上記実施例においては、開口部21の
すべてに突起21aが設けられていたが、必ずしもすべ
ての開口部21に必要であるわけではなく、複数の開口
部21の少なくとも1つに突起21aを設けてもよい。
この場合も同様の効果を得る。
【0122】また、複数の板17を第3の実施例の波板
417とする構成があり、この場合も第3の実施例と同
様の液滴捕集量増加の効果を得ることができる。さら
に、捕集流路67を第4の実施例の捕集流路567とす
る構成があり、この場合も第4の実施例と同様の効果を
得ることができる。また、複数の板17を第10の実施
例の波板1167とする構成があり、この場合も第10
の実施例と同様の液滴捕集量の向上効果を得ることがで
きる。
【0123】本発明の第13の実施例を図21〜図23
により説明する。本実施例は、気水分離器と蒸気乾燥器
とを備えた気水分離システムの実施例である。第1〜1
2の実施例と共通の部材については共通の番号で示す。
沸騰水型原子炉の構造を図21に示す。本実施例の気水
分離システム1300は、炉心2で発生した水・蒸気混
合物に遠心力を与えて蒸気と水とに分離する気水分離器
1304と、気水分離器1304を出た液滴等の水分を
含んだ湿り蒸気から液滴を除去する蒸気乾燥器1314
とから成る。
【0124】蒸気乾燥器1314としては、上記第1〜
第11の実施例で示した蒸気乾燥器を用いる。前述した
ように第1〜第11の実施例の蒸気乾燥器は、圧力損失
を大幅に増加させることなく液滴捕集量を増加させるこ
とができる性能を有している。すなわち具体的には、重
量パーセントで10%を越える含水率の湿り蒸気を取り
入れ、重量パーセントで0.1%以下の含水率の蒸気を
放出することができる構造となっている。
【0125】気水分離器1304の構造を図22に示
す。図21及び図22において、気水分離器1304は
軸流遠心式であり、螺旋状の羽根1311によって蒸気
・水混合物1365を旋回させる。このときの遠心力の
作用により混合物中の密度の高い水は気水分離器130
4の外周部に集まって蒸気から分離され、外周部に設け
られた下降流路1364へ流入する。下降流路1364
へ流入した分離水はスタンドパイプ1310を包囲する
下方のプール内に入り、ダウンカマ1307内に流入す
る。一方、気水分離器1304の頂部1365から流出
した液滴を含む湿り蒸気12は、湿り蒸気プレナム13
13を経て蒸気乾燥器1314へと導かれる。
【0126】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例の気水分離器1304の比較例として、従来の気水分
離器1305を図23に示す。本実施例と共通の部材は
共通の番号で示す。図22及び図23において、本実施
例の気水分離器1304と比較例の気水分離器1305
との相違点は、従来は3段に分けて分離を行っていたの
を1段のみで分離することとして構造を簡略化している
ことである。すなわち、本実施例の気水分離器1304
においては、この構造の簡略化により、頂部1365か
ら放出される湿り蒸気12の含水率は重量パーセントで
10%を超えることとなるが、圧力損失は大幅に低減さ
れる。
【0127】一方、比較例における気水分離器1305
は、重量パーセントで10%以下の含水率の湿り蒸気を
湿り蒸気プレナム内に送り出しかつ蒸気のダウンカマへ
の流入量(キャリーアンダ量)が0.25(重量)%以
下であるような分離性能を有するが、この分離性能を確
保するためにその分構造が複雑となり圧力損失が大き
い。これは、従来の蒸気乾燥器における液滴捕集性能が
低く、蒸気乾燥器入口で湿り蒸気の含水率が10(重
量)%以下でなければ出口において0.1(重量)%以
下に低減できなかったからである。
【0128】しかしながら、本実施例の気水分離システ
ム1300においては、蒸気乾燥器1314は、液滴捕
集量が増加されており、重量パーセントで10%を越え
る含水率の湿り蒸気であってもこれを取り入れて0.1
%以下の含水率に低減し放出できる性能を有している。
これによって、重量パーセントで10%を越える含水率
の湿り蒸気を放出する気水分離器1304を用いても、
蒸気乾燥器の出口では0.1%以下の含水率に低減でき
るので、気水分離システム全体としての分離機能は従来
通りの性能を維持できる。そしてこのとき気水分離器1
304においては、構造の簡略化によって圧力損失を低
減できる。
【0129】以上説明したように、本実施例の気水分離
システム1300によれば、蒸気乾燥器1314を有す
るので、蒸気乾燥器1314における圧力損失を大幅に
増加させることなく液滴捕集量を増加させることができ
る。よってその分気水分離器1304の分離量を軽減で
きるので、気水分離器1304の構造を簡素化して気水
分離器1304内の圧力損失を低減し、又は気水分離器
1304の数を減らして原子力発電プラントの建設コス
トを低減できる。また気水分離器は冷却材の循環流路の
一部をなすが、この気水分離器の圧力損失を低減できる
ことで、冷却材駆動ポンプトリップ時の自然循環量の増
大が図れ、沸騰水型原子炉の信頼性の向上を図れる。
【0130】なお、上記実施例においては、気液分離の
段数を減らすことによって気水分離器の構造を簡略化し
たが、その他、例えば螺旋状の羽根の角度を緩くする構
造等でもよく、この場合も同様の効果を得る。
【0131】
【発明の効果】本発明の蒸気乾燥器によれば、第1の捕
集手段で相対的に大きな液滴を捕集し、下流側の第2の
捕集手段で相対的に小さな液滴を捕集する。よって、小
径液滴をも捕集可能である分だけ液滴捕集量を増加させ
ることができる。またこのとき、上流下流の全区間にわ
たって相対的に小さな液滴を捕集する手段を設ける場合
よりも圧力損失の増加はわずかで済む。したがって、圧
力損失を大幅に増加させることなく液滴捕集量を増加さ
せることができ蒸気乾燥器全体としての性能を向上させ
ることができる。さらに、相対的に大きな液滴は上流側
へ相対的に小さな液滴は下流側へと分離して捕集される
ので、捕集液滴の液膜からの再飛散を抑制できる。ま
た、本発明の蒸気乾燥器によれば、複数箇所の凹凸部を
備えたジグザグ形状の波板で捕集流路を形成するので、
捕集された液滴によって波板上に形成される液膜の厚さ
分布を調整し凹部からも凸部からも液滴の再飛散が抑制
される。よって十分に捕集流路における再飛散を抑制し
これによるキャリーオーバを抑制することができ、その
分だけ蒸気乾燥器全体として液滴捕集量を増加させるこ
とができる。またこのときの圧力損失の増加はほとんど
ない。すなわち、蒸気乾燥器全体としての性能を向上さ
せることができる。さらに、本発明の蒸気乾燥器によれ
ば、複数の捕集流路を高さ方向に複数段に分割するとと
もに、各段に設けられた収集手段で液滴を収集し、排出
手段でこれらの液滴を排出するので、各段における波板
上を流下する液膜は比較的短い距離を流下し、収集手段
に収集され排出手段で排出される。すなわち、波板を流
下中に蒸気流中の液滴が入射して再飛散しキャリーオー
バするのを抑制できる。よってその分だけ蒸気乾燥器全
体として液滴捕集量を増加させることができる。またこ
のとき整流手段を設けないので圧力損失を大幅に低減で
きる。すなわち、蒸気乾燥器全体としての性能を向上さ
せることができる。また、本発明の蒸気乾燥器によれ
ば、整流手段の開口部の誘導手段側に突起を設けるの
で、整流手段に付着した液滴が開口部付近で再飛散しキ
ャリーオーバするのを抑制する。よってその分だけ蒸気
乾燥器全体としての液滴捕集量を増加させることができ
る。またこのとき圧力損失の増加はほとんどない。すな
わち、蒸気乾燥器全体としての性能を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の蒸気乾燥器エレメント
の平面構造図である。
【図2】沸騰水型原子炉の構造図である。
【図3】蒸気乾燥器の全体構造図である。
【図4】本発明の第1の実施例の第1の比較例における
蒸気乾燥器エレメントの構造図である。
【図5】本発明の第1の実施例の第2の比較例における
蒸気乾燥器エレメントの構造図である。
【図6】本発明の第2の実施例の蒸気乾燥器エレメント
の捕集流路の構造図である。
【図7】本発明の第3の実施例の蒸気乾燥器エレメント
の捕集流路の構造図である。
【図8】波板曲がり部での液滴捕集量の相対的割合を表
した図である。
【図9】本発明の第3の実施例の参考例における圧力損
失を示した図である。
【図10】本発明の第4の実施例の蒸気乾燥器エレメン
トの捕集流路の構造図である。
【図11】本発明の第5の実施例の蒸気乾燥器エレメン
トの鉛直断面図である。
【図12】本発明の第6の実施例の蒸気乾燥器エレメン
トの平面構造図である。
【図13】本発明の第7の実施例の蒸気乾燥器の全体構
造図である。
【図14】本発明の第8の実施例の蒸気乾燥器の全体構
造図である。
【図15】本発明の第9の実施例の蒸気乾燥器の全体構
造図である。
【図16】本発明の第10の実施例の蒸気乾燥器エレメ
ントの捕集流路の構造図である。
【図17】捕集流路からの液滴再飛散量と液膜厚さとの
関係を表す図である。
【図18】本発明の第11の実施例の蒸気乾燥器エレメ
ントの構造図である。
【図19】本発明の第12の実施例の蒸気乾燥器エレメ
ントの構造図である。
【図20】本発明の第12の実施例の比較例における蒸
気乾燥器エレメントの構造図である。
【図21】沸騰水型原子炉の構造図である。
【図22】本発明の第13の実施例における気水分離器
の構造図である。
【図23】本発明の第14の実施例の比較例における気
水分離器の構造図である。
【符号の説明】
12 湿り蒸気 15 フードプレート 16a,b 多孔板 17 板 18 ドレンとい 18a 本体部分 18b 補助部分 21 開口部 21a 突起 22 連通孔 67 捕集流路 100 蒸気乾燥器エレメント 200 蒸気乾燥器エレメント 217 波板 267 捕集流路 277a〜h 液滴分離板 280a〜h ドレンポケット 367 捕集流路 377a〜g 液滴分離板 380a〜g ドレンポケット 390c〜g 絞り部材 417 波板 417a〜d 曲がり部 467 捕集流路 567 捕集流路 577a〜e 液滴分離板 580a〜e ドレンポケット 600 蒸気乾燥器エレメント 630a,b 仕切板 667 捕集流路 700 蒸気乾燥器エレメント 718 波板 767 捕集流路 767a,b 捕集流路 777a〜h 液滴分離板 778e〜h 液滴分離板 780a〜h ドレンポケット 781e〜h ドレンポケット 800 蒸気乾燥器エレメント 800A,B 蒸気乾燥モジュール 815A,B フードプレート 816a,b 多孔板 867A,B 捕集流路 900 蒸気乾燥器エレメント 900A,B 蒸気乾燥モジュール 915A,B フードプレート 916a,b 多孔板 967A,B 捕集流路 1000 蒸気乾燥器エレメント 1000A,B 蒸気乾燥モジュール 1015A,B フードプレート 1016a,b 多孔板 1067A,B 捕集流路 1117 波板 1128a〜h 凹凸部 1167 捕集流路 1200 蒸気乾燥器エレメント 1219 ドレン管 1219U,L ドレン管 1224 波板 1224U,L 波板 1258U,L ドレンとい 1267 捕集流路 1267U,L 捕集流路 1300 気水分離システム 1304 気水分離器 1314 蒸気乾燥器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 巌 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 中尾 俊次 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 河村 勉 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 齋藤 義則 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給された湿り蒸気中の液滴が捕集され
    る少なくとも一部分が曲折した複数の捕集流路を備えた
    蒸気乾燥器エレメントが複数個設けられている蒸気乾燥
    器において、 前記蒸気乾燥器エレメントは、前記捕集流路の上流部分
    に設けられ前記湿り蒸気中の相対的に大きな液滴を捕集
    する第1の捕集手段と、前記捕集流路の下流部分に設け
    られ相対的に小さな液滴を捕集する第2の捕集手段とを
    有することを特徴とする蒸気乾燥器。
  2. 【請求項2】 供給された湿り蒸気中の液滴が捕集され
    る少なくとも一部分が曲折した複数の捕集流路を備えた
    第1及び第2の蒸気乾燥モジュールを有しかつ前記第1
    の蒸気乾燥モジュールの下流側に前記第2の蒸気乾燥モ
    ジュールが直列に接続されて一連の流路をなす蒸気乾燥
    器エレメントが、複数個設けられている蒸気乾燥器にお
    いて、 前記第1の蒸気乾燥モジュールは前記湿り蒸気中の相対
    的に大きな液滴を捕集する第1の捕集手段を有し、かつ
    前記第2の蒸気乾燥モジュールは相対的に小さな液滴を
    捕集する第2の捕集手段を有することを特徴とする蒸気
    乾燥器。
  3. 【請求項3】 供給された湿り蒸気中の液滴が捕集され
    る少なくとも一部分が曲折した複数の捕集流路を備えた
    少なくとも1組の蒸気乾燥モジュールを有しかつ供給さ
    れた湿り蒸気を除湿する一連の流路をなす蒸気乾燥器エ
    レメントが、複数個設けられている蒸気乾燥器におい
    て、 前記蒸気乾燥器エレメントのそれぞれは、前記一連の流
    路の上流部分に設けられ前記湿り蒸気中の相対的に大き
    な液滴を捕集する第1の捕集手段と、前記一連の流路の
    下流部分に設けられ相対的に小さな液滴を捕集する第2
    の捕集手段とを有することを特徴とする蒸気乾燥器。
  4. 【請求項4】 湿り蒸気の流れを誘導する流路を形成す
    る誘導手段と、前記誘導手段により導かれた湿り蒸気の
    流量配分を行う整流手段と、前記整流手段を介し供給さ
    れた湿り蒸気中の液滴が捕集される少なくとも一部分が
    曲折した複数の捕集流路を備えた蒸気乾燥器エレメント
    が複数個設けられている蒸気乾燥器において、 前記蒸気乾燥器エレメントは、前記捕集流路の上流部分
    に設けられ前記湿り蒸気中の相対的に大きな液滴を捕集
    する第1の捕集手段と、前記捕集流路の下流部分に設け
    られ相対的に小さな液滴を捕集する第2の捕集手段とを
    有することを特徴とする蒸気乾燥器。
  5. 【請求項5】 湿り蒸気の流れを誘導する流路を形成す
    る誘導手段と、前記誘導手段により導かれた湿り蒸気の
    流量配分を行う整流手段と、前記整流手段を介し供給さ
    れた湿り蒸気中の液滴が捕集される少なくとも一部分が
    曲折した複数の捕集流路を備えた第1及び第2の蒸気乾
    燥モジュールを有しかつ前記第1の蒸気乾燥モジュール
    の下流側に前記第2の蒸気乾燥モジュールが直列に接続
    されて一連の流路をなす蒸気乾燥器エレメントが、複数
    個設けられている蒸気乾燥器において、 前記第1の蒸気乾燥モジュールは前記湿り蒸気中の相対
    的に大きな液滴を捕集する第1の捕集手段を有し、かつ
    前記第2の蒸気乾燥モジュールは相対的に小さな液滴を
    捕集する第2の捕集手段を有することを特徴とする蒸気
    乾燥器。
  6. 【請求項6】 湿り蒸気の流れを誘導する流路を形成す
    る誘導手段と、前記誘導手段により導かれた湿り蒸気の
    流量配分を行う整流手段と、前記整流手段を介し供給さ
    れた湿り蒸気中の液滴が捕集される少なくとも一部分が
    曲折した複数の捕集流路を備えた少なくとも1組の蒸気
    乾燥モジュールを有しかつ供給された湿り蒸気を除湿す
    る一連の流路をなす蒸気乾燥器エレメントが、複数個設
    けられている蒸気乾燥器において、 前記蒸気乾燥器エレメントのそれぞれは、前記一連の流
    路の上流部分に設けられ前記湿り蒸気中の相対的に大き
    な液滴を捕集する第1の捕集手段と、前記一連の流路の
    下流部分に設けられ相対的に小さな液滴を捕集する第2
    の捕集手段とを有することを特徴とする蒸気乾燥器。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記複数の捕集流路は、少なくとも一部分が曲折し
    た複数の板状部材によって形成されていることを特徴と
    する蒸気乾燥器。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記捕集流路は、互いに平行に配置されたジグザグ
    形状の複数の波板によって形成されていることを特徴と
    する蒸気乾燥器。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
    られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における蒸
    気流の速度を、前記第1の位置における蒸気流の速度よ
    りも大きくする手段であることを特徴とする蒸気乾燥
    器。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
    られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
    記捕集流路の断面積を、前記第1の位置における前記捕
    集流路の断面積よりも小さくする手段であることを特徴
    とする蒸気乾燥器。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
    られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
    記捕集流路の水平方向の幅を、前記第2の位置における
    前記捕集流路の水平方向の幅よりも狭くする手段である
    ことを特徴とする蒸気乾燥器。
  12. 【請求項12】 請求項2又は5記載の蒸気乾燥器にお
    いて、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設
    けられた第1の位置よりも下流側の第2の位置における
    前記捕集流路の水平方向の幅を前記第1の位置における
    前記捕集流路の水平方向の幅と同一とするとともに、前
    記第2の位置における前記捕集流路の数を前記第1の位
    置における前記捕集流路の数よりも少なくする手段であ
    ることを特徴とする蒸気乾燥器。
  13. 【請求項13】 請求項2又は5記載の蒸気乾燥器にお
    いて、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設
    けられた第1の位置よりも下流側の第2の位置における
    前記捕集流路を形成する複数の板状部材のそれぞれの間
    隔を前記第1の位置における前記捕集流路を形成する複
    数の板状部材のそれぞれの間隔と同一とするとともに、
    前記第2の位置における前記板状部材の数を前記第1の
    位置における前記板状部材の数よりも少なくする手段で
    あることを特徴とする蒸気乾燥器。
  14. 【請求項14】 請求項2又は5記載の蒸気乾燥器にお
    いて、前記第2の捕集手段は、前記第2の捕集手段が設
    けられている第2の蒸気乾燥モジュールの前記捕集流路
    の流れ方向と直交する方向における幅を、前記第1の蒸
    気乾燥モジュールの前記捕集流路の流れ方向と直交する
    方向における幅よりも狭くすることを特徴とする蒸気乾
    燥器。
  15. 【請求項15】 請求項1〜6記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
    られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
    記捕集流路の上下方向の高さを、前記第2の位置におけ
    る前記捕集流路の上下方向の高さよりも小さくする手段
    であることを特徴とする蒸気乾燥器。
  16. 【請求項16】 請求項1又は4記載の蒸気乾燥器にお
    いて、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設
    けられた第1の位置における1つの捕集流路を、前記第
    1の位置よりも下流側の第2の位置において流れ方向に
    2つの捕集流路に分割する手段であることを特徴とする
    蒸気乾燥器。
  17. 【請求項17】 請求項2又は5記載の蒸気乾燥器にお
    いて、前記第1の蒸気乾燥モジュールは複数組設けられ
    ており、かつ、前記第2の捕集手段は、複数組の前記第
    1の蒸気乾燥モジュールの下流側に1つの前記第2の蒸
    気乾燥モジュールを直列に接続することにより、前記第
    2の蒸気乾燥モジュールの前記第2の捕集手段が設けら
    れた第2の位置における蒸気流の速度を前記第1の蒸気
    乾燥モジュールの前記第1の捕集手段が設けられた第1
    の位置における蒸気流の速度よりも大きくする手段であ
    ることを特徴とする蒸気乾燥器。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記第2の捕集手段は、流れ方向に向かって前記捕
    集流路の上下方向の高さが減少するように前記捕集流路
    内に流れ方向に傾斜して配接された仕切板であることを
    特徴とする蒸気乾燥器。
  19. 【請求項19】 請求項11記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記捕集流路内には前記捕集流路内に突出して液滴
    を捕集する複数のポケットが設けられており、かつ、前
    記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設けられた
    第1の位置よりも下流側の第2の位置に設けられた前記
    ポケットの水平断面における幅を、前記第1の位置に設
    けられた前記ポケットの水平断面における幅よりも広く
    する手段であることを特徴とする蒸気乾燥器。
  20. 【請求項20】 請求項11記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記捕集流路内には前記捕集流路内に突出して液滴
    を捕集するポケットを形成する複数の略L字型部材が設
    けられており、かつ、前記第2の捕集手段は、前記第1
    の捕集手段が設けられた第1の位置よりも下流側の第2
    の位置に設けられた前記略L字型部材の前記捕集流路へ
    の突出長さを、前記第1の位置に設けられた前記略L字
    型部材の前記捕集流路への突出長さよりも大きくする手
    段であることを特徴とする蒸気乾燥器。
  21. 【請求項21】 請求項11記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記捕集流路内には前記捕集流路内に突出して流れ
    を制限する複数の絞り部材が設けられており、かつ、前
    記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設けられた
    第1の位置よりも下流側の第2の位置に設けられた前記
    絞り部材の水平断面における厚さを、前記第1の位置に
    設けられた前記絞り部材の水平断面における厚さよりも
    厚くする手段であることを特徴とする蒸気乾燥器。
  22. 【請求項22】 請求項11記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記第2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設け
    られた第1の位置よりも下流側の第2の位置における前
    記捕集流路を形成する複数の板状部材のそれぞれの中心
    線間隔を前記第1の位置における前記捕集流路を形成す
    る複数の板状部材のそれぞれの中心線間隔と同一とする
    とともに、前記第2の位置における前記板状部材の厚さ
    を前記第1の位置における前記板状部材の厚さよりも厚
    くすることを特徴とする蒸気乾燥器。
  23. 【請求項23】 請求項11記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記捕集流路は互いに平行に配置されたジグザグ形
    状の複数の波板によって形成されており、かつ、前記第
    2の捕集手段は、前記第1の捕集手段が設けられた第1
    の位置よりも下流側の第2の位置における前記波板の曲
    がり部のなす角度を、前記第1の位置における前記波板
    の曲がり部のなす角度よりも小さくする手段であること
    を特徴とする蒸気乾燥器。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記捕集流路内に突出して液滴を捕集するポケット
    を形成する複数の略L字型部材が前記波板の曲がり部に
    設けられていることを特徴とする沸蒸気乾燥器。
  25. 【請求項25】 供給された湿り蒸気中の液滴が捕集さ
    れる複数の捕集流路を備えた蒸気乾燥器において、 前記捕集流路は、それぞれが複数箇所の凹凸部を備えか
    つ互いに平行に配置されたジグザグ形状の複数の波板に
    よって形成されていることを特徴とする蒸気乾燥器。
  26. 【請求項26】 湿り蒸気の流れを誘導する誘導手段
    と、前記誘導手段により導かれ供給された湿り蒸気中の
    液滴が捕集される複数の捕集流路とを有する蒸気乾燥器
    において、 前記捕集流路はジグザグ形状の複数の波板によって形成
    されるとともに高さ方向に複数段に分割されており、か
    つ、前記複数段のそれぞれの段は、前記複数の波板の下
    方に位置し前記複数の波板で捕集された液滴を収集する
    収集手段と、前記収集手段で収集された液滴を排出する
    排出手段とを有することを特徴とする蒸気乾燥器。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記複数の波板のそれぞれは互いに平行に配置され
    てジグザグ形状の前記捕集流路を形成しているととも
    に、前記それぞれの波板に設けられた複数の曲がり部の
    それぞれのなす角度はすべて同一であり、かつ、前記複
    数段のそれぞれの段における前記曲がり部のなす角度は
    最下段が最小であり上段になるほど大きくなるように構
    成されていることを特徴とする蒸気乾燥器。
  28. 【請求項28】 請求項26記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記複数の波板のそれぞれは、互いに平行に配置さ
    れてジグザグ形状の前記捕集流路を形成するとともに複
    数箇所の凹凸部を備えていることを特徴とする蒸気乾燥
    器。
  29. 【請求項29】 請求項26記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記複数の波板のそれぞれは互いに平行に配置され
    てジグザグ形状の前記捕集流路を形成しており、かつ、
    前記それぞれの波板に設けられた複数の曲がり部のそれ
    ぞれのなす角度は、流れ方向に下流側の位置であるほど
    小さくなっていることを特徴とする蒸気乾燥器。
  30. 【請求項30】 湿り蒸気の流れを誘導する流路を形成
    する誘導手段と、複数の開口部を有し前記誘導手段によ
    り導かれた湿り蒸気の流量配分を行う整流手段と、前記
    整流手段を介し供給された湿り蒸気中の液滴が捕集され
    る複数の捕集流路を形成する少なくとも一部分が曲折し
    た複数の板状部材とを有する蒸気乾燥器において、 前記複数の開口部のうち少なくとも1つの開口部の前記
    誘導手段側に、前記1つの開口部の外周を取り囲む突起
    を設けたことを特徴とする蒸気乾燥器。
  31. 【請求項31】 請求項30記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記複数の板状部材の下方に位置し前記捕集された
    液滴を収集する第1の収集手段と、前記整流手段の下方
    に位置し前記整流手段を流下する液膜を収集する第2の
    収集手段とを設けたことを特徴とする蒸気乾燥器。
  32. 【請求項32】 請求項30記載の蒸気乾燥器におい
    て、前記複数の板状部材の下方に位置し前記捕集された
    液滴を収集する第1の収集手段と、前記整流手段の下方
    に位置し前記整流手段を流下する液膜を収集する第2の
    収集手段と、前記第1の収集手段と前記第2の収集手段
    とに接続され前記収集された液滴を排出する排出手段と
    を設けたことを特徴とする蒸気乾燥器。
  33. 【請求項33】 請求項30又は31記載の蒸気乾燥器
    において、前記複数の板状部材のそれぞれは互いに平行
    に配置されてジグザグ形状の前記捕集流路を形成する波
    板であり、かつ、前記それぞれの波板に設けられた複数
    の曲がり部のそれぞれのなす角度は、流れ方向に下流側
    の位置であるほど小さくなっていることを特徴とする蒸
    気乾燥器。
  34. 【請求項34】 請求項30又は31記載の蒸気乾燥器
    において、前記複数の板状部材のそれぞれは、互いに平
    行に配置されてジグザグ形状の前記捕集流路を形成する
    とともに複数箇所の凹凸部を備えた波板であることを特
    徴とする蒸気乾燥器。
  35. 【請求項35】 気水分離器より供給された湿り蒸気か
    ら液滴を除去する蒸気乾燥器において、 重量パーセントで10%を超える含水率の湿り蒸気を取
    り入れて、重量パーセントで0.1%以下の含水率の蒸
    気を放出する液滴捕集手段を有することを特徴とする蒸
    気乾燥器。
  36. 【請求項36】 炉心で発生した水・蒸気の混合物を蒸
    気と水とを分離する気水分離器と、前記気水分離器から
    出た湿り蒸気から液滴を除去する蒸気乾燥器とを有する
    気水分離システムにおいて、 前記蒸気乾燥器は、請求項1〜6,23,25,30のい
    ずれか1項記載の蒸気乾燥器であることを特徴とする気
    水分離システム。
  37. 【請求項37】 炉心で発生した水・蒸気の混合物を蒸
    気と水とに分離する気水分離器と、前記気水分離器より
    供給された湿り蒸気から液滴を除去する蒸気乾燥器とを
    有する気水分離システムにおいて、 前記気水分離器は、重量パーセントで10%を超える含
    水率の前記湿り蒸気を送出しつつ圧力損失を低減する圧
    力損失低減手段を有し、かつ、前記蒸気乾燥器は、重量
    パーセントで10%を超える含水率の湿り蒸気を取り入
    れて重量パーセントで0.1%以下の含水率の蒸気を放
    出する液滴捕集手段を有することを特徴とする気水分離
    システム。
  38. 【請求項38】 相互に所定の間隔を隔てて配設されジ
    グザグ形状の流路を形成する複数の波板を有する波板型
    の湿分分離器において、 前記複数の波板のそれぞれに設けられた複数の曲がり部
    のそれぞれのなす角度は、流れ方向に下流側の位置であ
    るほど小さくなっていることを特徴とする湿分分離器。
  39. 【請求項39】 請求項38記載の湿分分離器におい
    て、前記曲がり部に、前記流路内に突出して液滴を捕集
    するポケットを形成する略L字型部材が設けられている
    ことを特徴とする湿分分離器。
  40. 【請求項40】 相互に所定の間隔を隔てて配設されジ
    グザグ形状の流路を形成する複数の波板を有する波板型
    の湿分分離器において、 前記複数の波板のそれぞれは、互いに平行に配置されて
    ジグザグ形状の前記捕集流路を形成するとともに複数箇
    所の凹凸部を備えていることを特徴とする湿分分離器。
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