JP2012124538A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2012124538A
JP2012124538A JP2012070547A JP2012070547A JP2012124538A JP 2012124538 A JP2012124538 A JP 2012124538A JP 2012070547 A JP2012070547 A JP 2012070547A JP 2012070547 A JP2012070547 A JP 2012070547A JP 2012124538 A JP2012124538 A JP 2012124538A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
layer
nitride semiconductor
light emitting
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012070547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012124538A5 (ja
JP5440640B2 (ja
Inventor
Takahide Shiroichi
隆秀 城市
Hiroaki Okagawa
広明 岡川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2012070547A priority Critical patent/JP5440640B2/ja
Publication of JP2012124538A publication Critical patent/JP2012124538A/ja
Publication of JP2012124538A5 publication Critical patent/JP2012124538A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5440640B2 publication Critical patent/JP5440640B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】上記問題を解決し、従来に無い発光パターンを有し、エッチング加工性が改善された、ラージチップ型のGaN系発光素子を提供すること。
【解決手段】基板1上に、積層体Sを形成し、該積層体Sには上面から凹部hを複数形成し、各凹部内にn型層を露出させる。該積層体Sの上面の残された領域にはp電極P2を設け、第p電極を絶縁体層mで覆う。各凹部内に露出したn型層にはn電極P1を設け、記絶縁体層mを越えて凹部内同士を結ぶ導体層P3によって、n電極同士を互いに接続し、発光部が網目状に広がったラージチップ型の窒化物半導体発光素子とする。積層体Sは、窒化物半導体からなり、例えば、n型層2とp型層4とが発光層3を挟んでいる積層構造を有し、n型層は基板側に位置している。
【選択図】図1

Description

本発明は、素子1つ当りの外周形状および発光面積が元来の1チップよりも大きい、所謂ラージチップとして形成された窒化物半導体発光素子に関し、とりわけ、基板の裏面を光取出し面とするフリップチップ型として有用な窒化物半導体発光素子に関する。
窒化物半導体発光素子(以下「GaN系発光素子」または単に「発光素子」とも呼ぶ)は、素子構造の主要部分(発光層等)に窒化物半導体を用いた発光素子である。
図9は、従来のGaN系発光素子の代表的な素子構造を概略的に示した図であって、絶縁体であるサファイア基板100上に、窒化物半導体からなるn型層101、発光層102、p型層103がこの順に積層成長しており、n型層、p型層に、それぞれn電極P10、p電極P20が設けられている。
サファイア基板面には、結晶品質を向上させ、光取り出し効率を改善する等の目的で、バッファ層や凹凸構造が設けられ、また、窒化物半導体層は、さらに専用のコンタクト層やクラッド層、量子井戸構造などへと多層に細分化されるが、それら細部の描写は省略している。
n電極P10の一般的な形成プロセスは、積層体(n型層101/発光層102/p型層103)を上面から凹状にエッチングすることでp型層および発光層を部分的に除去し、n型層を露出させてn電極形成面とし、このn電極形成面上にn電極P10を形成するという手順である。n電極P10は、n型層とオーミック接触している。図9の例では、発光層から発せられた光L10が、基板100の裏面から外界に出ている。
また、p電極P20は、前記のn電極形成面を形成した後、残りのp型層上のほぼ全面に、p型層とオーミック接触するp電極を形成することにより構成される。
今日では、1つの素子で素子複数個分の発光面積または発光量をカバーするために、1つの素子の外形を大きくし発光層の面積を大きくする(即ち、層厚方向に垂直な横方向へと拡張する)ラージチップ化の試みがなされている。
しかし、GaN系発光素子は上記のような素子構造であるために、例えば、図9のチップを横方向に単純に拡張してラージチップ化したとしても、n型層内における横方向の電流拡散が不十分となり、その結果、発光層での発光も不均一になり、大きさに見合うだけの発光量は得られない。
そこで、発光に係るp/n構造部分(発光現象が生じるように、n型層、発光層、p型層が積層された部分;以下、発光構造部)を区分し、区分された各発光構造部に対して給電を行う構造が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特許文献1に開示された発光素子の構造を概略的に説明すると、該文献の図1、2に示されているとおり、ラージチップとなり得る大面積の基板を土台とし、この土台の上に、複数(具体的には4つ)の凸状の発光構造部を設け、これらが1つのn電極を共有するという構成である。このような素子構造は、図9のチップを複数並べて一体化した構造であると言える。
このようなラージチップの素子構造は、土台の上に発光構造部が複数突起しているために、各発光構造部の側面全周にわたって発光層の層端面が露出している。そのため、発光層で発生した光のうちのかなりの量の光が層端面から素子外へ漏れる。
よって、このような発光素子をフリップチップ実装して基板裏面から光を取り出そうとすると、発光構造部の側面からの漏洩の分だけ基板裏面から取り出される利用可能な光の
量が少なくなるという問題がある。
特許文献2には、上記した特許文献1の問題を解決するラージチップの発光素子が開示されている。
特許文献2に開示されたラージチップの素子構造を概略的に説明すると、図10(a)に示すように、大面積の基板200を共通の土台とし、この土台の上に凸状(図の例では六角錘台形状の発光構造部210が多数形成されている。各発光構造部から発せられた光(太い実線の矢印、隠れ線の矢印で示している)L10は、それぞれに図の下方に向っており、基板200の裏面から外界に出射されている。
特許文献2の態様は、単発的な発光構造部を寄せ集めた点では特許文献1と同様であるが、特許文献2では、p電極によって各発光構造部の上面のみならず側面をも覆っている。本願の図10(a)では詳細な図示を省略しているが、特許文献2の図13には、p電極とn電極とが短絡しないように絶縁膜が設けられ、p電極がラージチップの素子上面全体を覆っている積層構造が詳細に示されている。p電極が全体を覆うことによって、発光層の層端面から漏洩しようとする光が素子内部へ反射し、光の漏洩のロスが改善され、基板の裏面から光を取り出す場合の光の量の減少も改善される。
特許文献2の例とは逆に、n電極を反射層として利用する態様が特許文献3に記載されている。特許文献3では、1つのチップの発光構造部の側面をn電極で覆っている。ただし、特許文献3の発明は、元来の小さい単一チップに関するものであって、ラージチップについては全く想定していない。
本発明者等の検討によれば、特許文献1、2のような従来のラージチップの素子構造は、いずれの態様も、複数の独立した小突起状の発光構造部の集合であって、特許文献3に記載されたような小さい1チップを数多く寄せ集めたようなものである。
特許文献2では、本願の図10(a)に示すように、凸状の発光構造部を、正三角形の頂点に配置して細密の配置パターンとして寄せ集めている。このようなラージチップの発光面を見た場合、その発光パターンは、図10(b)に模式的に示すように、点状の光源が分散したパターンである。図10(b)において、ハッチングの無い白い部分が発光している部分(発光構造部が存在する部分)であり、ハッチングを施した部分が発光していない暗い部分(発光構造部が削除され、n電極が設けられている部分)である。
図10(b)のような点状の光源が分散した発光パターンとして発光させる構造では、次のような理由によって発光状態が不安定になり、さらには発光しなくなる可能性もある。
即ち、図10に示すような構造の素子では、発光量を大きくするためには凸状の発光構造部をより大きく確保しなければならず、そのために各発光構造部間に設けられるn電極が細くならざるをえない。その結果、導通が不安定となり、十分な電流拡散が阻害されるため、発光状態が不安定になる可能性がある。また、製造プロセス上においても、n電極が細くなると断線する可能性が高く歩留まりが悪化し、また製品化した後に断線する可能性もある。しかし、n電極のために十分広い領域を確保すれば、凸状の発光構造部が大型化できず、大きな発光量は得られない。
また、図10に示すような構造の素子を用いて、発光部を上側とし基板を下側としたワイヤーボンディング実装(通常姿勢での実装)を行う場合には、発光部で発生した熱を基板側に逃がす際の放熱性が基板の熱伝導性に左右されることになる。そのため、基板の材料としてサファイアのような熱伝導性の不十分なものを用いた場合には、発光部で発生した熱によって素子全体が熱くなり、光出力を低下させる事態を招く恐れがあった。
更に、図10に示すような構造の素子は、p層を上面にもつ独立した発光部が離散しているため、発光部を下側とし基板裏面を取り出し面とするフリップチップ実装(上下を反転させての実装)を行う場合には、次の問題が生じる。該問題とは、ボンディングにバン
プを用いる場合には、発光部の数だけ多数のバンプを要するので、バンプを多数形成するための手間がかかること、さらにAuなど高価なバンプ材料を用いる場合には多数形成のためにコストが高くなることであり、AuSn共晶はんだを用いる場合には近接するn電極と接触する可能性があるため実装が非常に困難であるということである。
また、上記のような従来のラージチップの素子構造では、基板上に全面的に形成された(n型層/発光層/p型層)積層体から、図10(a)のように小突起状の発光構造部が多数形成されるまで網目状にエッチングしなければならない。このような加工態様では、各発光構造部の側面全周を露出させねばならず、特に特許文献2の態様では、網目状の溝を基板が露出する深さまで形成しなければならないので、エッチングに多量のエネルギーを要し、また、エッチング時間も長くなり、製造効率や歩留が悪いという問題がある。
また、露出したn型層の層端面にn電極を形成する加工は、発光層やp型層との短絡が生じないように注意する必要があり、加工が困難である。
特開平10−275935「半導体発光素子」 特開2004−71644「窒化物半導体発光素子」 特開平11−340514「フリップチップ型光半導体素子」 特開2002−280611「半導体発光素子」
本発明の目的は、上記問題を解決し、従来に無い発光パターンを有し、エッチング加工性が改善され、特にフリップ実装タイプの素子として好ましい構造を有する、ラージチップ型のGaN系発光素子を提供する点にある。
本発明は、次の特徴を有するものである。
(1)基板上に窒化物半導体からなる積層体が形成され、該積層体中には、下側から順に、第一伝導型層、発光層、第二伝導型層が含まれている窒化物半導体発光素子であって、
該積層体の上面には凹部が複数形成され、各凹部内には第一伝導型層が露出しており、各凹部内の第一伝導型層の露出面には第一電極が接続され、
積層体の上面の残された領域には第二電極が設けられ、第二電極は、絶縁体層によって覆われており、
前記絶縁体層上を越えて凹部内同士を連絡する導体層によって、第一電極同士が互いに接続されている、窒化物半導体発光素子。
(2)当該窒化物半導体発光素子が、実装用基板に積層体が向くように姿勢を上下反転させて実装するフリップチップ型の素子である、上記(1)記載の窒化物半導体発光素子。(3)上記の絶縁体層を越えて凹部内同士を結ぶ導体層が、第一電極自体が延伸し絶縁体層を越えて広がった第一電極層であって、
第二電極と外部との接続に用いられる端子部分を除いて、凹部の内面を含んだ積層体の上面全体が第一電極層によって覆われており、第一電極層と接触すべきでない部分は絶縁体層によって保護されている、上記(1)または(2)記載の窒化物半導体発光素子。
(4)第一伝導型層がn型層、第一電極がn電極であり、第二伝導型層がp型層、第二電極がp電極である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(5)基板の上面が凹凸面として加工され、窒化物半導体が該凹凸面を覆う層として成長し、積層体の最下層となっている、上記(1)記載の窒化物半導体発光素子。
(6)上記積層体の上面への凹部の配置パターンが、正三角形を最小構成単位とする細密の網状パターンの各正三角形の頂点に、凹部が形成された配置パターンである、上記(1)記載の窒化物半導体発光素子。
(7)凹部の開口形状が正六角形であって、その正六角形を構成する辺と、配置パターンとしての細密の網状パターンの最小構成単位である正三角形の辺とが、互いに直交するよ
うに、凹部の開口形状の正六角形の向きが決定されている、上記(6)記載の窒化物半導体発光素子。
本発明の発光素子は、第一伝導型層、発光層、第二伝導型層によって構成された発光構造部を有する積層体に、単発的な凹部が分散して形成され、該凹部内には第一電極形成面(典型的な例ではn電極形成面)が形成されている。さらに、各凹部内の第一電極を互いに連絡するように、積層体の上を覆う導体層が設けられている。導体層と第二伝導型層との短絡や、導体層と第二電極との短絡が無いように、これらの間には絶縁体層を介在させている。
このような十分に広い導体層を設けた構造によって、安定した導通が得られる。したがって、導体層として発光素子全体にn電極を配置できるため、従来の問題点であったn電極が細くなることから生じる断線の問題を解決でき、n型層内での電流の拡散が良好となる。
従来のラージチップの発光パターンが、図10(b)に示すように、点状の光源が分散した発光パターンであったのに対して、本発明では、図2(b)に例示するように、ハッチングを施した暗い部分(第一電極形成面)が点状に分散し、白い発光部分が網目状に広がる発光パターンとしているので、発光構造部が従来よりも大型化(即ち、発光面積が増大)している。しかも、本発明の素子構造では、発光構造部と、n電極の導通経路とが、互いに阻害し合うことなくそれぞれ十分に大きな状態として素子構造内に両立し得る。これによって、大型化した発光構造部に十分に大きな電流が供給され、従来では達成できなかった高い発光効率と、高い発光出力を達成している。
本発明では、第一電極形成面が分散しているのに対し、第一電極同士は互いに導通しているので、フリップチップ実装に適した構造となっている。これによって、少ないボンディングで全ての第一電極に給電することもできるので、構造が簡素化できるとともに、Auバンプ等を用いたボンディング工程の効率が良くなる。
また、本発明の素子によれば、発光部ほぼ全域をフリップチップ実装用基板と接触する様に実装する事が可能となるため、ラージチップで問題となる大電流注入時の発熱を抑制する事が出来る。この発熱を抑制する事で大電流投入時に出力が熱によって飽和する問題を解消する事が出来る。
本発明では、凹部内において発光構造部の側面に露出する発光層の端面が、絶縁膜を介して導体層(特にn電極材料自体)で覆われるために、発光層で発生した光の漏洩が抑制され、フリップチップ実装時に上側に位置する基板裏面から取り出される光の量が増加する。特に、導体層をn電極とした場合、材料として光反射率の高いAlを使用できるため、光取出し効率がさらに向上する。
また、従来のラージチップ型の素子、特に特許文献2の素子と比べると、本発明の素子では第一電極形成面を形成するためのエッチング深さを浅くでき、また、そのエッチング加工すべき形状も連なった網目ではなく単発的な穴であるために、エッチングに要するエネルギーや加工時間を削減できる。
また、従来公知の発光素子では、発光層からの光は四方八方に広がるため、基板表面に到達した光は、所定角度で進入する光以外、屈折率の関係で全反射され、基板と反対側に取り出されるか、第一伝導型層にて多重反射されその後減衰するという問題点がある。
これに対して、基板の積層体側の表面を凹凸状にすることで、発光層からの光が基板表面で反射されずにそのまま通過するため、基板側からの発光量が増大し、フリップチップ実装に好適となる。
本発明による発光素子の素子構造を模式的に示す断面図である。 本発明による発光素子の素子構造およびその発光パターンを概略的に示す部分断面斜視図である。説明のために、電極や絶縁体層などは省略している。 本発明による発光素子の、凹部内でのn型層の露出の態様を概略的に例示する図である。 本発明における、積層体上面への凹部の好ましい配置パターンを概略的に例示する図である。 本発明における、積層体上面への凹部の好ましい配置パターンを概略的に例示する図である。 本発明における、積層体上面への凹部の好ましい配置パターンを概略的に例示する図である。 本発明における、積層体上面への凹部の好ましい開口形状および配置パターンを概略的に例示する図である。 本発明において、積層体の上面を、絶縁体層とその上の導体層とで覆う際の、p電極の局所的な露出を説明する断面図である。 従来公知のGaN系発光素子の素子構造を示した模式図である。 特許文献2に開示されたラージチップの素子構造およびその発光パターンを概略的に示す図である。
本発明でいう第一伝導型、第二伝導型は、どちらか一方がn型であり、残る他方がp型であればよい。以下、第一伝導型をn型とし、その第一伝導型層に設けられる第一電極をn電極として、本発明の発光素子を説明する。
図1は、本発明による発光素子の構造の一例を示す断面図であって、説明のために端面だけを示している。同図に示すように、基板1上に、窒化物半導体からなる積層体Sが形成されており、該積層体S中には、下側から順に、第一伝導型層、発光層、第二伝導型層が含まれている。積層体Sには上面から凹部hが複数形成され、各凹部内にはn型層2が露出している。この凹部内におけるn型層の露出部が、n型電極とのオーミックコンタクト部分である。各凹部内に露出したn型層にはそれぞれn型電極P1が設けられている。
一方、積層体Sの上面に残された領域には、p型電極P2が設けられており、p型電極は、図2(a)に示すように、網目状をなして積層体上面に広がっている。さらに、p型電極P2は、その上に設けられる下記導体層と短絡しないように絶縁体層mによって覆われ保護されている(ボンディングのために必要な部分は露出している)。
そして、各凹部内のn型電極P1同士が、前記絶縁体層mを越えて凹部内同士を結ぶ導体層P3によって互いに接続されている。すなわち、図1において積層体上を覆う絶縁体層mの上に導体層P3が積層されている。
上記構成の素子構造によって、図2(b)に示すように、網目状に面発光するラージチップが得られる。
当該発光素子は、図1、2に示すように、結晶基板1とその上に形成された積層体Sとを有し、該積層体にn電極とp電極とが設けられて、発光ダイオード(LED)として機能するように構成されたものであればよく、付帯的な細部の素子構造に限定は無い。
該積層体は、窒化物半導体結晶層からなり(目的に応じて、窒化物半導体以外の材料からなる構造を含んでいてもよい)電流注入によって光を発生し得るようにn型層とp型層とが発光層を挟んだ積層構造を有するものであればよい。前記のような、n型層とp型層とが発光層を挟んだ積層構造としては、単一量子井戸(SQW)構造、多重量子井戸(MQW)構造、SQW構造がさらに積層された構造などの、種々の量子井戸構造や、DH構造などが挙げられる。
本発明でいう窒化物半導体とは、式AlInGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で決定される3族窒化物からなる化合物半導体である。
上記式中の組成比a、bを選択することによって、例えば、GaN、AlGaN、InGaN、AlInGaNなど、2元〜4元の任意の混晶が得られる。
なお、3族元素の一部をホウ素(B)、タリウム(Tl)等で置換することができ、また、Nの一部をリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で置換できる。
窒化物半導体にn型伝導性を与えるための不純物としては、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、炭素(C)、セレン(Se)、テルル(Te)などが挙げられる。
基板は、窒化物半導体結晶層が成長し得る基板であればよく、材料として、例えば、サファイア(C面、A面、R面)、SiC(6H、4H、3C)、GaN、AlN、Si、スピネル、ZnO、GaAs、NGOなどが挙げられる。
これらの基板のなかでも、サファイア基板は絶縁性であって、n型電極、p型電極の両方を、積層体に設けなければならないため、本発明の利点がもっとも顕著となる。
ウエハー基板上に窒化物半導体結晶層(GaN系結晶層)を成長させる方法としては、HVPE法、MOVPE法、MBE法などが挙げられる。
ウエハー基板上に高品質なGaN系結晶層を成長させるために必要となる手法、構造、
技術などは適宜用いてよい。そのようなものとしては、例えば、結晶基板とGaN系結晶層との間にバッファ層(特に、GaN系低温成長バッファ層)を介在させる技術、基板面にSiOマスクパターンを設けまたは基板面自体に凹凸加工をし、GaN系結晶層をラテラル成長やファセット成長によって形成し、それによって結晶中の転位密度を低下させる技術などが挙げられる。
基板面自体に凹凸加工を施し、該凹凸を覆うようにGaN系結晶層を成長させて行なう転位密度低減技術として、LEPS法(Lateral Epitaxy on a Patterned Substrate)が知られている。
LEPS法は、基板の主面への凹凸加工を完了させた後に、基板表面処理(バッファ層の形成、窒化処理等)を含めたGaN系結晶の成長を行う方法であり、SiOなどからなる選択成長マスクは用いない。これらの点から、LEPS法は、結晶の横方向成長を意図的に発生させる転位密度低減方法の中でも、最も製造工程が簡素化でき、かつ、GaN系結晶の汚染や変質を最小限に抑えられる方法である。
LEPS法の中でも、基板凹凸面の凹部底面と凸部上面のそれぞれに、独立した結晶単位を発生させ、これらをファセット成長させて凹凸面を埋め込ませる手法(ファセットLEPS法)は、平坦化後の結晶層表面における転位密度(貫通転移の密度)が一様に低くなる優れた結晶成長法である。
ファセットLEPS法を適用し高品質な結晶層を成長させることによって、活性層における発光効率の向上、pn接合部の耐圧特性の向上や、素子の動作電圧低減に係わる、コンタクト層の導電率の向上、コンタクト層と電極との接触抵抗の低減等の、好ましい効果が期待できる。
ファセットLEPS法については、上記特許文献4に詳細に記載されている。また、基板の凹凸面上に独立した結晶単位が発生し、互いに結合して層となっていく様は、該特許文献4の図2に模式的に表されている。
ファセットLEPS法は、凹凸の仕様と成長条件との組合わせが重要である。凹凸面は、GaN系結晶がc軸配向し得る主面(その主面上にGaN系結晶を成長させた場合にその結晶のc軸が該主面に対し垂直となるような板面)に凹凸加工を施すことによって形成する。
この主面上に、c軸方向の成長速度が高く、c軸に直交する方向の成長速度が低くなる成長条件(比較的低い温度、比較的高い水素ガス濃度、比較的高い圧力)を用いて、GaN系結晶の成長を行う。これによって、結晶成長の過程で、基板凹凸面の凹部底面および凸部上面のそれぞれに、{1−101}ファセット、{11−22}ファセットのような、主面に対して斜めに配向したファセット(以下「斜めファセット」という)を側壁面とする独立した結晶単位が発生する。これがファセット成長である。
上記のように、ファセット成長では、その成長の初期に、斜めファセットを側壁面として有する微小な結晶が多数形成される。この微小な結晶同士が合体を繰り返して大きくなる過程で、転位の伝播方向が曲がり、逆方向の転位がループを形成して消滅していくことにより、転位密度の低減が生じる。
また、ファセット成長から平坦化へと移行するとき、凹部底面および凸部上面に発生した結晶体の側壁面から横方向成長が発生し、転位の伝播方向が曲げられるために、上方に伝播する転位の密度が低減する。
後者の効果を最大とするために、ファセット成長工程で発生させる結晶体は、側壁面となる斜めファセットの面積が最大となる形状とすることが好ましい。その形状は、多角形状の凹部または凸部から成長する結晶体の場合には、該多角形を底面とする角錐状であり、ストライプ状の凹部または凸部から成長する結晶体の場合には、ストライプの長手方向に伸びる、断面三角形の屋根形である。
基板の凹凸をストライプ状パターンとする場合、その凹溝幅、凸稜幅は、共に1μm〜10μm、特に2μm〜6μmが好ましい。この帯幅が1μm以上であれば、エッチングマスクのパターニングに際して、レジストマスクの露光を安価なコンタクト露光装置で行うことができる。より高精度の露光が可能な、ステッパ等の露光装置を用いる場合には、更に狭い帯幅としてもよい。
基板の凹凸の段差は、凹部底面から結晶単位が成長し得、かつ凸部上面から成長した結晶単位と合体し得るように、また後述のように、凹凸界面が光散乱の作用を充分に示すように、0.1μm〜5μm、特に0.5μm〜2μmとすることが好ましい。これによって、凹凸形状を精度よく成長させることが容易となり、光の散乱効果を最も効率よく得ることができるようになる。
これらの値は、基板の凹凸を多角形状とする場合の、多角形の高さや、隣接する多角形の構成辺間の間隔として適用してよい。
ファセット成長によって、凹凸基板の凹部底面と凸部上面のそれぞれに独立した結晶単位が発生した後も成長を継続すると、各結晶単位は横方向にも徐々に伸張して行く。やがて、隣り合った結晶単位同士が接すると、より速い横方向成長が発生して、隣り合う結晶単位の側壁面(斜めファセット)の間が埋め込まれて行き、表面が平坦化する。
平坦化の工程を早く開始させるには、凹凸基板の凹部底面と凸部上面に独立した結晶単位が形成されたところで、成長条件を変化させ、二次元成長が優勢となる成長条件(より高い温度、より低い雰囲気中水素ガス濃度、より低い圧力)に切り替える。このような成長条件の切り替えを行うと、基板表面が短時間でGaN系結晶に覆い尽くされ、また、その後の、隣り合う結晶単位の側壁面の間の埋め込みも短時間で進み、表面平坦化がより早く達成される。
凹凸基板上にGaN系結晶を成長させる方法は特に限定されるものではなく、MOVPE法の他、ハイドライド気相成長(HVPE)法、分子ビーム蒸着(MBE)法等、従来公知の方法を適宜使用することができる。
また、製造効率の点からは、基礎基板上に積層されるGaN系半導体層の成長を、全てMOVPE法により、ひとつの成長炉内で一貫して行うことが好ましい。
ファセットLEPS法において、転位密度低減のために形成した基板の凹凸と、それを埋め込んだGaN系結晶層との凹凸界面は、発光層からの光を散乱させ、より多くの光を外部に取り出すことを可能とする(光取り出し効率の向上)。特に、当該発光素子がフリップチップ実装型である場合には、該凹凸界面での光散乱によって、より多くの光を基板内に進入させて基板裏面から外界に取り出すことが可能になる。
よって、基板面に凹凸加工を施してファセットLEPS法を適用し、かつ、当該発光素子をフリップチップ実装型とする態様は、当該発光素子の光出力を高めるための最も好ましい態様である。
n型層の露出の態様としては、図3(a)に示すように、積層体上面に形成した凹部hの底面にn型層2が露出する態様や、図3(b)に示すように、凹部の底面には基板1が露出し、内壁面としてn型層2が露出する態様などが挙げられる。
前者の態様は、n型層上に形成するn電極との接触面積を広くする事が出来、n電極とn層との接触抵抗を低減する事が出来る。また、露出するために要する時間も短縮する事が出来るため、好ましい露出の態様である。
一般に、図3(b)に示される態様の凹部hを形成するには、図3(a)に示される態様の凹部hの底面までの深さをDとして、図3(a)の凹部hの底面からさらに7D〜14D程度深くエッチング等によって掘り下げる必要がある。従って、図3(a)に示され
る構造の方が生産性がよいという利点がある。
積層体上面に形成する凹部の断面形状は限定されないが、開口形状(積層体上面における形状)と底面形状とが略等しい矩形波状、または開口形状よりも底面形状の方が小さい逆台形状などが挙げられる。
積層体上面の凹部の断面形状が逆台形状であれば、図3(a)に示すように、凹部の内壁面(=積層体の側面)は斜面となり、発光層内で発せられた光Lが該斜面で反射して基板裏面方向へと向うので好ましい。凹部の内壁面を斜面とする場合の該斜面の傾斜角度θは、15度以上90度未満がよく、15度以上60度以下が好ましく、最も好ましくは45度である。
このような傾斜を設けるには、積層体の端面を露出させるエッチング工程で用いるエッチングマスクの断面形状を、マスク端部に近くなる程マスク厚が薄くなるように形成することで達成できる。
以下、積層体上面の凹部の底面にn型層が露出しているものとし、その底面を「n型電極形成面」と呼び、凹部の内壁面が斜面であっても、便宜上、凹部の開口形状と底面形状とが等しいとみなして、本発明の構成を説明する。
積層体上面の凹部は互いに独立したものが複数あればよく、積層体への配置パターン(積層体上面における凹部開口の配置パターン)は限定されないが、ラージチップとして発光面積をより広くし、かつ、より強い発光を得るため好ましい配置パターンとしては、次のものが例示される。
(イ)複数の凹部開口が、いずれも積層体の上面領域の外周線に接することなく上面領域内に含まれるパターン。例えば、図4(a)では矩形の凹部開口が2つ設けられ、図4(b)では矩形の凹部開口が4つ設けられ、図4(c)ではU字状の凹部開口が互いにかみ合っている。
(ロ)複数の凹部開口が、いずれも積層体の上面領域の元の外周線(凹部形成前の外周線)に接した状態で形成されているパターン。このパターンでは積層体の外周側面にも凹部が開いている。例えば、図5(a)では、矩形の凹部開口が2つ設けられて、残された積層体の上面領域がS字を描いており、図5(b)では積層体の上面領域の四隅に凹部開口が設けられ、残された積層体の上面領域が十文字を描いており、図5(c)、(d)では積層体の上面領域の外周のうち、一部と残りの大部分に接するように凹部開口が設けられ、図5(e)ではストライプ状をなすように凹部開口が設けられている。
(ハ)上記(イ)と(ロ)とを組合わせたパターン。即ち、積層体の上面領域内に含まれ外周に接しない凹部開口と、外周に接した凹部開口とよって形成されているパターン。例えば、図6(a)では、積層体の上面領域の外周縁全周と中央とに凹部開口が形成され、図6(b)では、積層体の上面領域の外周縁のうちの3辺に凹部が形成され、残る1辺に偏るように上面領域内に凹部開口が形成されている。また、図6(c)では、積層体の上面領域の四隅と中央に凹部開口が形成されている。
(ニ)凹部が同心状に形成されたパターン。例えば、図6(d)では、積層体の上面領域の外周縁全周と中央とに環状の凹部開口が形成され、図6(e)では、積層体の上面領域内に環状の凹部開口が形成され、さらに中央には単発的な凹部が形成されている。
(ホ)上記(イ)〜(ニ)の各パターンを任意に組み合わせたパターン。
図4〜5では、積層体上面の凹部の開口形状を矩形として例示しているが、それに代えて、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形、その他の多角形、不定形など、種々のドット状の形状(縦横の寸法比が0.5〜2程度の形状)としてもよい。
また、凹部が描くパターンは、ストライプ状、L字やコの字等の屈曲線状、環状、1以上に枝分れした形状(櫛形状を含む)、放射状(T字状、Y字状、十字状を含む)、網状(格子状)、アミダ状、その他任意のパターン等が挙げられる。
前記のストライプ状、屈曲線状などのパターンは、いずれも、直線および/または曲線で構成されていてもよい。
積層体上面の凹部の配置パターンの中でも、図2(a)に示すように、正三角形(一点鎖線)を最小構成単位とする細密の網状パターンを描き、その各正三角形の頂点に凹部を形成する配置パターンは、積層体上面全体に効率よくn型電極形成面を配設できる点で好ましい。
この配置パターンのなかでも、図7(a)に示すように、凹部の開口形状を正六角形とし、その正六角形の辺W1と、配置パターンとしての最小構成単位である正三角形(一点鎖線)の辺W2とが、互いに直交するように、正六角形の向きが決定されている配置態様は、隣り合った正六角形同士では頂点同士の間でも辺同士の間でも等しい距離となるため、電流拡散が全体的に均一に安定する点で好ましい態様である。これに対して、図7(b)に示すように、正六角形の頂点W3が正三角形(一点鎖線)の辺W2上にあるように正六角形の向きが決定されている配置態様は、本発明の態様の1つではあるが、隣り合った正六角形の頂点同士は接近するが、辺同士は頂点同士の距離よりも離れるため、局部的な電流拡散が生じる恐れがある。
積層体上面の凹部内の底面にn型層が露出している場合、その底面に設けられるn電極は、できる限り大きく底面内に広がっていることが好ましく、底面の外周線と、n電極の外周線との距離は、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下である。
当該素子の特徴は、凹部内同士を結ぶ導体層によって、n電極同士が互いに接続されている点にあり、少なくとも2つのn電極が互いに接続されていればよいが、できるだけ多数のn電同士が接続されている程、ボンディング箇所の数を減らせるために好ましい。最も好ましいのは、全ての凹部内のn電極同士が互いに接続されている態様である。
独立したn電極が多数になると、例えば、ワイヤボンディングの場合には、各n電極にワイヤを接続する必要があるために、構造が複雑になり、結果として、製造コストや歩留りの点で不利となる。また、チップ側の電極と、リードフレームやサブマウントなどのマウント基材側の電極とを、導電性の接合材(ハンダ、銀ペースト等)で接合する場合にも、各n電極との位置合わせに必要となる精度が高くなり、同様の問題がある。
n電極の厚さは、金属光沢が得られ、層内から外に出ようとする光に対して十分な反射性を有する厚さとすればよく、そのためには30nm以上とすることが好ましい。n電極の厚さを500nm以上に厚くすると、放熱効果が高くなり、好ましい。
積層体上面の凹部が形成された後に残された積層体の形状は、該凹部の形状や配置パターンによって異なるが、凹部によって積層体が分断されると、ワイヤボンディングの場合には、分断された積層体毎にp電極にワイヤを接続しなければならなくなり、結果として、製造コストや歩留りの点で不利となる。
また、チップ側の電極と、リードフレームやサブマウントなどのマウント基材側の電極とを、導電性の接合材(ハンダ、銀ペースト等)で接合する場合にも、各p電極(またはpボンディング電極)とマウント基材側のリード電極との位置合わせに必要な精度が高くなり、これも製造コストや歩留りの点で不利となる。
従って、独立した積層体の数は、4つ以下にとどめることが好ましく、3つ以下さらには2つ以下がより好ましく、最も好ましいのは、図2に示すように、積層体およびその上のp電極が分断されることなく、網目状を呈して1つにつながっている態様である。
ダイシングやスクライビング、レーザスクライブ、レーザ溶断等によって素子分離を行う際に、積層体の破断が伴うと、発光領域がダメージを受けて、発光特性が悪化する傾向
がある。
そこで、分断ラインを含んだ帯状領域は、素子分離前に予めエッチングによって少なくとも発光層に達する深さまで取り除いておくことが好ましい、このエッチング工程は、凹部の形成工程と兼用とすると効率的である。
分断ラインを含んだ帯状領域を除去した場合、積層体の端面(発光層の端面を含む)が露出するが、これを透明絶縁膜で覆い、さらにその上をn電極が覆うように、n電極を延在させるようにすることが好ましい。
積層体上面の凹部内同士を結ぶ導体層によって、n電極同士を互いに接続する場合には、図8に示すように、p電極P2と導体層P3(=n電極P1)との間に、絶縁体層mを介在させて両者の短絡を防止ればよい。
また、導体層P3に接触すべきでない部分(例えば、凹部内壁面に露出した発光層、p型層など)も、図8に示すように絶縁体層mによって保護すればよい。
このように、意図する部分だけを絶縁体層mによって保護するには、積層体Sの上面全体を絶縁体層(透明絶縁膜)mで覆い、意図する部分だけを残して、それ以外の部分をエッチング等によって除去すればよい。
図8に示すように、p電極を外部に接続するために用いられる端子部分(ボンディングを行うためのバンプ状の導体部分)P21は、外部との接続が可能なように、絶縁体層mによって覆わず、また、導体層P3からも絶縁した状態にて露出させておく。
このように、端子部分P21とその周囲だけを局所的に露出させるには、例えば、導体層P3が覆うべきでない領域だけにフォトレジストを形成し、それ以外の領域全面に導体層P3を蒸着などによって成膜し、その後、フォトレジストをリフトオフするなどの手順が挙げられる。
絶縁体層の材料には限定はないが、好ましくは、近紫外〜可視短波長領域における光反射性の高いSiO、SiNなどの透明絶縁膜が好ましいものとして挙げられる。透明が好ましい理由は、発光層で発生した光を吸収することなく取り出すことが出来るからである。
p電極、n電極の直上に透明絶縁膜を形成する場合には、該p電極、n電極の表面にNiの薄膜を形成しておくと、透明絶縁膜との密着力が向上するので、好ましい。
当該発光素子の外周形状は、特に限定されないが、分断工程を考慮すると方形が好ましい。当該発光素子の大きさもまた限定はされないが、例えば、外周形状が正方形の場合、好ましい一辺の長さは0.5mm〜5mm、より好ましくは0.5mm〜3mm、さらに好ましくは0.5mm〜2mmである。ラージチップの寸法を大きくすると、絶対光量が増え、また小さくすると1枚のウエハーから得られる発光素子の数が増える。このような要素を考慮してラージチップの寸法を決定すればよい。
前記範囲はあくまでラージチップの寸法の一例であって、個々の素子の小型化に伴ない、前記範囲よりも小さいものであってもよいし、広大な発光面積を持った面発光ボードへの要求に応じて、ウエハと同等の大きさなどとしてもよい。
n電極には、少なくともn型層と接触する領域に、n型窒化物半導体とオーミック接触を形成し得る材料を用いる。基板側からの光取出し効率の点から、半導体層全体(p電極ボンディング部を除く)に対しn電極を形成する態様が好ましい。また、n型層との接触面の全面が該オーミック性の材料からなるようにしてもよいが、部分的であってもよい。後者の例として、オーミック性のTi−Al合金からなる層を、n電極形成面上に開口部を有する格子形状に形成し、その上に、より反射性の高い非オーミック性のAg層を積層したり、オーミック性のAlを、Alからなる領域が島状をなす程度の膜厚(10nm以下)に形成し、その上に高いAg層を積層する態様が挙げられる。
n電極材料としてのAlは、n型層とオーミック接触を形成し、かつ近紫外〜可視短波長領域の光の反射性が高い。従って、n電極をAl単層で形成してもよい。
n電極材料として、純Alの代わりに、Al−Nd合金など、高い光反射性を持ちながら、高い耐熱性をも有するAl合金を用いてもよい。Agの場合も、Ag−Cu合金、Ag−Bi合金などが好適に用いられる。
AlやAl合金からなるn電極の表面には、酸化膜が容易に形成される。そのため、化学的な安定性が高いが、反面、ワイヤボンディング時や、ハンダ等の金属材料で電極との接合を行うときの、金属材料との接合性が余り良好でない。
そこで、少なくとも、ボンディングを行う部分に、表面層としてAu層を設けることが好ましい。その場合、AlやAl合金からなる層とAu層との間には、ハンダ接合時その他、高温に曝されるプロセスでAlとAuが相互拡散して合金化(Alのオーミック性、Auの耐酸化性がいずれも低下する)することを抑制するために、Auよりも高融点の金属からなるバリア層を設けることが好ましい。
n電極の材料にAlやAl合金を用いると、NiやPd等のオーミック性p電極材料よりも反射性が高いために、発光効率を向上させ得る。
従って、積層体内から発せられた光をp電極自体で反射させるよりも、p電極をそれ自体光透過性の膜とし、あるいは光が透過し得る開口部(窓部)を有する開口電極とし、その上を高い反射性のn電極で覆って、該n電極で反射させた方が好ましい場合がある。
ワイヤボンディングを行う場合には、ワイヤとの接合の際にp電極やその下の発光素子構造に及ぶダメージを軽減するために、p電極上にボンディング用電極(パッド電極)を設けることが好ましい。あるいは、p電極と電気的に接続されたボンディング用の電極を別途、発光領域上以外に設けるようにしてもよい。
積層体を越えて凹部内同士を結ぶ導体層は、接続専用の良導体であっても、n電極自体が延伸した層であってもよい。上記のように、n電極には、GaN系結晶層とのオーミックコンタクトをとるために好ましい金属材料(Alなど)が選択され、一方、積層体を越えて凹部内同士を結ぶ導体層は、できるだけ良導体であることが好ましい。また、両者を同じ材料として1つの工程で一度に形成すれば、製造効率の点では好ましい。これらの点を考慮し、更に、共晶はんだやAuバンプでの実装を考慮すると、〔Al(最下層)/Ti(中層)/Au(表層)〕、〔Al(最下層)/Pd(中層)/Au(表層)〕、〔Al(最下層)/TiW(中層)/Au(表層)〕等の積層構造が挙げられる。
当該発光素子を製造するための手順は限定されないが、好ましい工程として次のものが例示される。
(i)基板上に積層体を形成し、凹部(n電極形成面)を形成する。次に、n電極の下層を形成し、n型層とのオーミックコンタクトをとる。次に、絶縁体層によって所定部分を覆い、n電極の上層を形成し、各凹部内のn電極同士を互いに接続する。
(ii)基板上に積層体を形成し、凹部(n電極形成面)を形成する。次に、絶縁体層によって所定部分を覆い、n電極(単層または多層)を形成する。
上記(i)、(ii)において、p電極をどの段階で形成するかは任意であるが、n電極をp電極の上まで延在させる場合は、透明絶縁膜形成の前にp電極を形成し、透明絶縁膜をp電極の端面・上面を覆うように形成するのが効率的である。
以上のように、本発明による発光素子は、従来には無かった網目状に広がる発光パターンとすることも可能であり、n電極を形成すべき凹部は点状に分散しているので、エッチング加工性が改善されている。
1 基板
2 第一伝導型層
3 発光層
4 第二伝導型層
P1 第一電極
P2 第二電極
m 絶縁体層
h 凹部

Claims (12)

  1. 窒化物半導体からなる積層体を備え、該積層体中には、下側から順に、第一伝導型層、発光層、第二伝導型層が含まれている窒化物半導体発光素子であって、
    該積層体の上面には、該積層体の上面領域内に含まれ外周に接しない凹部開口を有するとともに、開口形状よりも底面形状の方が小さくなるよう、その内壁面の傾斜角度が90度未満とされ、かつ、内部に該第一伝導型層が露出した凹部が、複数形成され、各凹部内の該第一伝導型層の露出面には第一電極が接続され、
    該積層体の上面の残された領域には第二電極が設けられ、
    該第二電極上を超えて該凹部内同士を連絡する導体層によって、該第一電極同士が互いに接続されている、窒化物半導体発光素子。
  2. 該凹部の内壁面の傾斜角度が15度以上である、請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 該凹部の内壁面の傾斜角度が60度以下である、請求項1または2記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 上記積層体の上面への上記凹部の配置パターンが、正三角形を最小構成単位とする細密の網状パターンの各正三角形の頂点に、上記凹部が形成された配置パターンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 上記導体層が、上記第一電極自体が延伸したものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 上記第一伝導型層がn型層、上記第一電極がn電極であり、上記第二伝導型層がp型層、上記第二電極がp電極である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 上記n電極がAlまたはAgを含む、請求項6に記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 窒化物半導体からなる積層体を備え、該積層体中には、下側から順に、第一伝導型層、発光層、第二伝導型層が含まれている窒化物半導体発光素子であって、
    該積層体の上面には凹部が複数形成され、各凹部内の該第一伝導型層の露出面には第一電極が接続され、
    該積層体の上面の残された領域には、該積層体内から発せられる光が透過し得る第二電極が設けられ、
    該第二電極上を超えて該凹部内同士を連絡する導体層によって、該第一電極同士が互いに接続されており、
    該積層体内から発せられ該第二電極を透過する光を、該導体層が反射させて該積層体側に戻す、窒化物半導体発光素子。
  9. 第二電極が、それ自体光透過性の膜であるか、または、光が透過し得る開口部を有する開口電極である、請求項8記載の窒化物半導体発光素子。
  10. 上記導体層が、上記第一電極自体が延伸したものである、請求項8または9記載の窒化物半導体発光素子。
  11. 上記第一伝導型層がn型層、上記第一電極がn電極であり、上記第二伝導型層がp型層、上記第二電極がp電極である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  12. 上記n電極がAlまたはAgを含む、請求項11に記載の窒化物半導体発光素子。
JP2012070547A 2012-03-27 2012-03-27 窒化物半導体発光素子 Expired - Fee Related JP5440640B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012070547A JP5440640B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 窒化物半導体発光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012070547A JP5440640B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 窒化物半導体発光素子

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005023897A Division JP5255745B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 窒化物半導体発光素子

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012124538A true JP2012124538A (ja) 2012-06-28
JP2012124538A5 JP2012124538A5 (ja) 2013-06-13
JP5440640B2 JP5440640B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=46505587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012070547A Expired - Fee Related JP5440640B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 窒化物半導体発光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5440640B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014022401A (ja) * 2012-07-12 2014-02-03 Toshiba Corp 窒化物半導体発光素子
JP2014216470A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 スタンレー電気株式会社 半導体発光素子
WO2014192237A1 (ja) * 2013-05-30 2014-12-04 スタンレー電気株式会社 半導体発光素子及び半導体発光装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11150298A (ja) * 1997-11-14 1999-06-02 Nichia Chem Ind Ltd 窒化ガリウム系半導体発光素子と受光素子
JP2003243709A (ja) * 2002-02-15 2003-08-29 Matsushita Electric Works Ltd 半導体発光素子
JP2004047988A (ja) * 2002-06-13 2004-02-12 Lumileds Lighting Us Llc 大面積及び小面積半導体発光フリップチップ装置のための接触方式

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11150298A (ja) * 1997-11-14 1999-06-02 Nichia Chem Ind Ltd 窒化ガリウム系半導体発光素子と受光素子
JP2003243709A (ja) * 2002-02-15 2003-08-29 Matsushita Electric Works Ltd 半導体発光素子
JP2004047988A (ja) * 2002-06-13 2004-02-12 Lumileds Lighting Us Llc 大面積及び小面積半導体発光フリップチップ装置のための接触方式

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014022401A (ja) * 2012-07-12 2014-02-03 Toshiba Corp 窒化物半導体発光素子
JP2014216470A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 スタンレー電気株式会社 半導体発光素子
WO2014192237A1 (ja) * 2013-05-30 2014-12-04 スタンレー電気株式会社 半導体発光素子及び半導体発光装置
JP2014232841A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 スタンレー電気株式会社 半導体発光素子及び半導体発光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5440640B2 (ja) 2014-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5255745B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
KR101978968B1 (ko) 반도체 발광소자 및 발광장치
KR101677770B1 (ko) 반도체 발광 장치를 위한 콘택트
JP4604488B2 (ja) 窒化物半導体発光素子およびその製造方法
JP6934812B2 (ja) 発光素子及びそれを含む発光素子アレイ
KR100887139B1 (ko) 질화물 반도체 발광소자 및 제조방법
US20060001035A1 (en) Light emitting element and method of making same
KR101276053B1 (ko) 반도체 발광소자 및 발광장치
JP2012114184A (ja) 発光ダイオード
KR101047720B1 (ko) 발광 소자, 발광 소자 제조방법 및 발광 소자 패키지
JPWO2006082687A1 (ja) GaN系発光ダイオードおよび発光装置
JP2012074665A (ja) 発光ダイオード
JP2005217406A (ja) 電流拡散層を含む半導体発光装置
JP5816243B2 (ja) 発光素子及び発光素子パッケージ
KR101228130B1 (ko) 반도체 발광 소자 및 그 제조 방법, 발광장치
JP2008300621A (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
JP2004071655A (ja) 発光素子
US11329204B2 (en) Micro light emitting diode and manufacturing method of micro light emitting diode
EP1530242B1 (en) Semiconductor light emitting device
JP2012124321A (ja) 半導体発光素子、ランプおよび半導体発光素子の製造方法
JP5440640B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
KR101209026B1 (ko) 수직형 발광 소자의 제조방법
KR20110129620A (ko) 발광 소자, 발광 소자 제조방법 및 발광 소자 패키지
KR20110043282A (ko) 발광소자 및 그 제조방법
KR101499954B1 (ko) 수직구조 그룹 3족 질화물계 반도체 발광다이오드 소자 및제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120419

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees