JP2012124476A - 気相成長装置及びエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エピタキシャル気相成長装置であって、サセプタの下面に、サセプタとリングとの間隙からのガスの流通を抑制するための石英製カバー部材が設けられており、石英製カバー部材は、少なくともサセプタの下面に固定されて石英製カバー部材を支持している支持部と、リングの内径よりも外径が大きく、支持部から少なくとも反応容器の側壁に向けて水平に延びる延伸部とを有するものであることを特徴とする気相成長装置を提供する。
【選択図】図1
Description
このように、ウェーハ裏面外周部に厚いエピタキシャル層が形成されると、ウェーハ外周部の平坦度が悪化し、フォトリソグラフィ工程でデフォーカスが発生しやすくなってしまう。
しかし、この方法を急速な昇降温を行うプロセスで用いると、フランジ部に局所的な温度差が発生し、ひびや割れが多発することが明らかになった。
さらに、このような石英製カバー部材が設けられた気相成長装置を用いて気相成長を行うことにより、サセプタとリングのエッジ部における局所的な温度差の発生を抑制し、ひびや割れの発生を防止しながら、基板裏面の平坦性が維持されたエピタキシャルウェーハを製造することができる。
本発明が適用されるエピタキシャルウェーハの製造方法の手順のフロー図の一例を図6に示す。
まず、工程(a)では、エピタキシャル層を成長させる基板(シリコンウェーハ)を準備する。ここで、本発明はシリコンウェーハに限らず、シリコンカーバイドウェーハや、GaPウェーハ、GaAsウェーハなどの化合物半導体ウェーハ等にも用いることができる。
この洗浄工程における洗浄法は、典型的なRCA洗浄の他、薬液の濃度や種類を通常行われる範囲で変更したものを用いることもできる。
この場合、前記サセプタ12が回転するため、前記サセプタ12と前記リング14の間に間隙17が設けられる。
さらに、石英製カバー部材の延伸部13bは円盤状のものであってもよい。延伸部が円盤状である石英製カバー部材を用いた場合、該延伸部上の支持部13aより内側に複数の貫通孔22を設けてもよい。延伸部13bが、リング状もしくは複数の貫通孔22が備えられた円盤状である石英製カバー部材を用いることにより、間隙17を余すことなく覆うことができるため、反応ガスの間隙17からの下部空間への進入をより効果的に抑制することができ、さらに、下部ランプ16の熱の局所的な偏りをより効果的に抑制することができるため好ましい。
さらに、前記石英製カバー部材の延伸部13bの外径は、前記リング14の内径よりも1mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上大きいものであれば、より確実にサセプタとリングの間隙を覆うことができ、反応ガスの間隙からの下部空間への進入を、より効果的に抑制することができるため好ましい。
このとき、サセプタ12とリング14の間隙17が石英製カバー部材13によって覆われているため、サセプタ12とリング14のエッジ部における局所的な温度差の発生を抑制できる。
この水素処理の際の加熱温度及び加熱時間は、どのように設定してもよいが、例えば、800℃以上、1分以上とすることができる。
さらに上下部空間の遮蔽性を高めることができることから、基板裏面から発生したドーパントガスが表面側のエピタキシャル層に取り込まれる、所謂オートドープの抑制にも効果があり、エピタキシャル層の抵抗均一性を向上することもできる。
また、石英製カバー部材はサセプタに固定されているので、容易にサセプタを水平面内で回転、もしくは垂直方向に上下させることができる。
図1のようなSiCコーティング黒鉛製のサセプタ(外径380mm)とリング(外径440mm、内径384mm)、および石英製のサセプタ支持用サポートシャフトからなる気相成長装置において、サセプタ下面にリング状の石英製カバー部材(外径420mm、内径360mm)をサポートシャフトに溶接し、固定した。また、サセプタ下面と石英製カバー部材の延伸部上面との距離は1mm、リングと延伸部上面との距離も1mmとした。雰囲気ガスには水素ガス、反応ガスにはトリクロロシランガスを用いて、反応圧力を常圧、反応温度を1100℃、成長速度を2.7μm/minとして、直径300mmの基板表面側に5μm厚のエピタキシャル層を形成したところ、図5に示すように基板裏面外周部のエピタキシャル層の厚さは最大90nmであった。このエピタキシャル層の厚さの測定は、評価装置であるWaferSight(パナソニック(株)製)を用いて行った。
ここで、WaferSightとは、ウェーハに光を入射し、ウェーハからの反射光と基準面からの反射光との光学干渉によって生じる干渉縞の数と幅から、ウェーハ表面の変位量を計測することを原理とする測定器である。実際の測定においては、ウェーハ両面に前述の計測を行い、予め測定しておいた、ある特定の1点の厚みから全体の厚み変化を算出する。
図2のような円盤状の石英製カバー(外径430mm)をサセプタ裏面及びサセプタ支持用サポートシャフトに、脱着可能な状態で取り付けた。円盤状石英カバー部材の延伸部の直径360mm位置には、高さ1mm、幅2mmの支持部を設け、円盤状石英カバー部材の直径360mmより内側には多数の貫通孔を設けた。基板表面側に実施例1と同じ条件で5μm厚のエピタキシャル層を形成したところ、基板裏面外周部のエピタキシャル層の厚さは最大61nmであった(図5)。このエピタキシャル層の厚さの測定は、実施例1と同様にWaferSightを用いて行った。
図4のようなSiCコーティング黒鉛製のサセプタ(外径380mm)とリング(外径440mm、内径384mm)からなる気相成長装置において、基板表面側に実施例1と同じ条件で5μm厚のエピタキシャル層を形成したところ、基板裏面外周部のエピタキシャル層の厚さは最大248nmであった(図5)。このエピタキシャル層の厚さの測定は、実施例1と同様にWaferSightを用いて行った。
11a、101a…上部空間、 11b、101b…下部空間、
13…石英製カバー部材、 13a…支持部、 13b…延伸部、
14、104…リング、 15、105…サポートシャフト、
16,106…赤外線ランプ、 17、107…間隙、
18、108…サセプタ貫通孔、
19a、19b、109a、109b…ガス供給口、
20a、20b、120a、120b…ガス排気口、
21、121…座ぐり部、
22…石英製カバー部材貫通孔
W…基板。
Claims (9)
- 反応ガスを導入して、基板上に薄膜を気相成長させるための反応容器と、
前記反応容器内に水平に配置され、前記基板を載置するための座ぐり部を備えたサセプタと、
前記反応容器の側壁部から前記サセプタの外周部に向けて水平方向に延びるリングと、
前記サセプタの上下に配設される加熱手段とを有する気相成長装置であって、
前記サセプタの下面に、前記サセプタと前記リングとの間隙からのガスの流通を抑制するための石英製カバー部材が設けられており、該石英製カバー部材は、少なくとも前記サセプタの下面に固定されて前記石英製カバー部材を支持している支持部と、前記リングの内径よりも外径が大きく、前記支持部から少なくとも前記反応容器の側壁に向けて水平に延びる延伸部とを有するものであることを特徴とする気相成長装置。 - 前記サセプタは、前記座ぐり部の最外周部より内側に2以上の貫通孔が設けられているものであることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
- 前記石英製カバー部材の延伸部の上面と、前記リングの下面との距離が、0.5〜5mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気相成長装置。
- 前記石英製カバー部材の延伸部の上面と、前記サセプタの下面との距離が、0〜2mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の気相成長装置。
- 前記石英製カバー部材が、リング状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の気相成長装置。
- 前記石英製カバー部材が、円盤状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の気相成長装置。
- 前記円盤状の石英製カバー部材は前記延伸部が円盤状であり、該円盤状の延伸部の、水平方向で前記支持部より内側に2以上の貫通孔が設けられているものであることを特徴とする請求項6に記載の気相成長装置。
- 前記石英製カバー部材の前記延伸部の外径が、前記リングの内径よりも1mm以上大きいものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の気相成長装置。
- エピタキシャルウェーハの製造方法であって、前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の気相成長装置を用いて、該気相成長装置の前記サセプタの前記座ぐり部に前記基板を載置し、前記加熱手段にて前記基板を加温し、反応ガスを前記反応容器内に流しながら前記基板上にエピタキシャル層の気相成長を行うことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
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